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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183262
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】光学系及びそれを備える撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20231220BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20231220BHJP
【FI】
G02B13/04 D
G02B13/18
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096787
(22)【出願日】2022-06-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】梶山 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真
(72)【発明者】
【氏名】道塲 直人
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA07
2H087PA06
2H087PA18
2H087PB07
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
【課題】 広画角かつ小型の光学系及びそれを備える撮像装置を提供すること。
【解決手段】 光学系100は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群G1と、開口絞りSTOと、正の屈折力の後群G2とで構成され、前群G1は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズL1と、負の屈折力の第2レンズL2と、第3レンズL3と、正の屈折力の第4レンズL4とを有し、後群G2は、接合レンズLCと、最も像側に配置された正レンズLLとを有し、第1レンズL1の焦点距離をf1、第1レンズL1と第2レンズL2との光軸上での距離をd12とするとき、f1/d12≦-8.50なる条件式を満足する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズとを有し、
前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12とするとき、
f1/d12≦-8.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記第2レンズの物体側面は、非球面であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記非球面は、光軸を含む断面において変曲点を有することを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項4】
前記非球面の光軸を含む断面における径方向での位置に対する曲率を表すグラフは、第1極値及び第2極値を有することを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項5】
前記非球面において、光軸から前記第1極値及び前記第2極値の夫々に対応する位置までの規格化距離をE1及びE2とするとき、
0.02≦E1≦0.40
0.60≦E2≦0.98
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4に記載の光学系。
【請求項6】
前記第2レンズと前記第3レンズとの間の空気レンズの焦点距離をfa1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-1.20≦fa1/f≦-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記前群の焦点距離をfG1、前記後群の焦点距離をfG2とするとき、
0.6≦fG1/fG2≦1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記第1レンズの物体側面の曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の曲率半径をR2とするとき、
-3.50≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.85
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項9】
光軸上において、前記第1レンズ及び前記第2レンズは物体側へ向かって凸形状のメニスカスレンズであり、前記第3レンズは物体側へ向かって凹形状のメニスカスレンズであり、前記第4レンズは両凸レンズであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記後群は、前記接合レンズと前記正レンズとで構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された正レンズと負レンズとを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記後群における最も像側に配置された前記正レンズは、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第2レンズ、前記第3レンズ、及び前記後群における最も像側に配置された前記正レンズの夫々は樹脂材料から成り、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
|f/f3|≦0.15
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項14】
半画角θと像高yとの関係を表す前記光学系の射影特性をy(θ)、前記光学系の最大半画角をθmax、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.9
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項15】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系と、該光学系を介して物体を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項16】
請求項15に記載の撮像装置と、該撮像装置の出力に基づいて得られる画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする車載システム。
【請求項17】
前記表示装置は、前記画像のうち、第1の画角に対応する第1の画像を表示する第1の表示部と、該第1の画角を含む第2の画角に対応する第2の画像を表示する第2の表示部とを有することを特徴とする請求項16に記載の車載システム。
【請求項18】
請求項15に記載の撮像装置を備え、該撮像装置を保持して移動可能であることを特徴とする移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学系に関し、例えばデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、車載カメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラ、ウェアラブルカメラ、医療用カメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
車載カメラなどの撮像装置に用いられる光学系は広画角であることが求められている。特許文献1及び2には、物体側から像側へ順に配置された負の屈折力の第1レンズ、負の屈折力の第2レンズ、負の屈折力の第3レンズ、及び正の屈折力の第4レンズを含む7枚のレンズで構成された広画角な光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2018-522266号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/0142158号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2の光学系においては、最も物体側に配置された第1レンズ及び第2レンズを小径化することや全系を短縮することが困難であった。
【0005】
本発明は、広画角かつ小型の光学系及びそれを備える撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズとを有し、前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12とするとき、f1/d12≦-8.50なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、広画角かつ小型の光学系及びそれを備える撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る光学系の要部概略図
図2】実施例1に係る光学系の収差図
図3】実施例2に係る光学系の要部概略図
図4】実施例2に係る光学系の収差図
図5】実施例3に係る光学系の要部概略図
図6】実施例3に係る光学系の収差図
図7】実施例4に係る光学系の要部概略図
図8】実施例4に係る光学系の収差図
図9】各実施例に係る第2レンズL2の物体側面の非球面形状を示す図
図10】実施形態に係る撮像装置の模式図
図11】実施形態に係る移動装置の模式図と光学系の光学特性を示す図
図12】実施形態に係る車載システムの構成例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、便宜的に実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。また、各図面において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1,3,5,7は、実施例1乃至4に係る光学系の光軸OAを含む断面図である。各断面図において、左側が物体側(前側)であり、右側が像側(後側)である。各実施例の光学系は撮像装置に用いられる撮像光学系であり、像面IMGの位置には撮像素子の撮像面が配置される。像面IMGの物体側に配置される光学ブロックCGは、光学フィルターやカバーガラスなどの光学系の結像に寄与しない光学素子である。なお、各実施例の光学系をプロジェクタ等の投射装置における投射光学系として用いてもよく、その場合は像面IMGの位置に液晶パネル等の表示素子の表示面が配置されることになる。
【0011】
図2,4,6,8は、実施例1乃至4に係る光学系の縦収差図である。各縦収差図は、左から順に球面収差、像面湾曲(非点収差)、歪曲を示している。各縦収差図においては、656.3nm(C線)、587.6nm(d線)、486.1nm(F線)、435.8nm(g線)に関する収差を各々異なる線で示している。
【0012】
次に、各実施例に係る光学系の特徴について詳細に説明する。
【0013】
各実施例に係る光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群G1と、開口絞りSTOと、正の屈折力の後群G2とで構成されている。ここでは、光学ブロックCGが各光学系に含まれていないものとして考える。前群G1は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズL1と、負の屈折力の第2レンズL2と、第3レンズL3と、正の屈折力の第4レンズL4とを有している。後群G2は、接合レンズLCと、最も像側に配置された正レンズLL(最終レンズ)とを有している。ここでのレンズとは、屈折力を有する光学素子のことを示しており、屈折力を有さない平行平板ガラスなどの光学素子は含まないものとする。
【0014】
各実施例に係る光学系においては、前群G1及び後群G2が共に正の屈折力を有し、かつ前群G1が上記構成を採ることで、光学系の全長を短くしつつ広画角を実現している。また、後群G2を上記構成とすることで、光学系を広画角にしたことで生じる像面湾曲や倍率色収差を良好に補正することができる。そして、第1レンズL1の焦点距離をf1、第1レンズL1と第2レンズL2との光軸OA上での距離(間隔)をd12とするとき、各実施例に係る光学系は以下の条件式(1)を満足している。
f1/d12≦-8.50 (1)
【0015】
条件式(1)を満たすように焦点距離f1と距離d12との関係を適切に設定することで、第1レンズL1及び第2レンズL2の外径を小さくすることができ、全系の小型化を実現することができる。条件式(1)の上限を上回ると、第1レンズL1と第2レンズL2との間隔が広くなりすぎてしまい、第1レンズL1及び第2レンズL2の小径化が困難になる。
【0016】
なお、第1レンズL1と第2レンズL2とを近づけて距離d12を限りなく小さくした場合は、f1/d12の絶対値は無限大に近づくことになる。しかし、第1レンズL1と第2レンズL2とで接合レンズを構成する場合を除いて、第1レンズL1と第2レンズL2とを互いに離間して配置することが望ましい。よって、以下の条件式(1a)を満足することが望ましい。
-1.00×10≦f1/d12≦-8.50 (1a)
【0017】
条件式(1a)の下限を下回ると、第1レンズL1と第2レンズL2との間隔が狭くなりすぎてしまい、製造誤差などによって第1レンズL1と第2レンズL2とが接触してしまう可能性が生じるため好ましくない。さらに、以下の条件式(1b)を満足することが好ましく、条件式(1c)を満足することがより好ましい。
-8.00×10≦f1/d12≦-9.00 (1b)
-3.00×10≦f1/d12≦-9.50 (1c)
【0018】
なお、各実施例に係るに係る光学系は、少なくとも上述した構成を満たしていれば本発明の効果を得ることができ、例えば前群G1が第1レンズL1乃至第4レンズL4以外のレンズを有する構成(5枚以上のレンズを有する構成)であってもよい。ただし、全系の小型化のためには、前群G1が4枚のレンズで構成されていることが好ましい。第3レンズL3については、後述のとおりパワーの絶対値が小さいため、正の屈折力又は負の屈折力の何れを持たせるのかについては各光学系の仕様に応じて決定することができる。
【0019】
なお、後述する車載カメラなどの撮像装置においては、広画角であることだけでなく、光軸近傍(中心領域)での結像倍率を大きくすることが求められる。例えば、撮像装置を移動装置(車両)の後部に配置した場合、主な注目領域となる中心領域に対応する画像を拡大して電子ルームミラーに表示し、中心領域以外の領域(周辺領域)を含む全体の画像を車内ディスプレイに表示するような形態が考えられる。そのため、光学系の結像倍率(焦点距離)を中心領域とそれ以外の領域とで異ならせることが望ましい。
【0020】
そこで、第2レンズL2の物体側面(物体側のレンズ面)を非球面とすることが望ましい。この構成によれば、第1レンズL1からの光束のうち径方向における周辺部からの光線を、第2レンズL2の物体側面により光軸OAの側へ大きく屈折させることができる。これにより、光学系の中心領域と周辺領域とで結像倍率を異ならせることが容易になる。このとき、第2レンズL2の物体側面を、光軸OAを含む断面において変曲点を有する非球面とすることが好ましい。これにより、光学系を構成するレンズの枚数を減らしつつ、広画角化と中心領域での結像倍率の増大を容易にすることができる。
【0021】
図9に、各実施例に係る第2レンズL2の物体側面の非球面形状を示す。図9において、横軸は第2レンズL2の物体側面の光軸OAを含む断面における径方向での位置を示し、縦軸は第2レンズL2の物体側面の曲率[1/mm]を示している。すなわち、図9では第2レンズL2の物体側面の位置ごとの曲率をプロットしたグラフを示している。なお、横軸における数値は、光軸OAから有効径(最大有効径)の位置までの距離が1となるように規格化したときの、光軸OAから第2レンズL2の物体側面の有効径内の各位置までの距離(規格化距離)を示している。
【0022】
第2レンズL2の物体側面は、図9に示した光軸OAからの距離に対する曲率を表すグラフが複数の極値を有するような非球面であることが望ましい。図9に示すように、各実施例に係るグラフは何れも第1極値(極大値)及び第2の極値(極小値)を有している。これにより、光学系の中心領域と周辺領域との結像倍率の差を際立たせることができ、具体的には周辺領域に対して中心領域の結像倍率をより大きくすることができるため、撮像装置の使用者に対する画像の視認性を向上させることが可能になる。
【0023】
また、第2レンズL2の物体側面において、光軸OAから第1極値及び第2極値の夫々に対応する位置までの規格化距離をE1及びE2とするとき、各実施例に係る光学系は以下の条件式(2)及び(3)を満足することが望ましい。
0.02≦E1≦0.40 (2)
0.60≦E2≦0.98 (3)
【0024】
条件式(2)及び(3)は、第1極値及び第2極値の適切な位置を規定している。条件式(2)を満たすことで光学系の中心領域の焦点距離の増大を容易にすることができ、条件式(3)を満たすことで光学系の小型化と広画角化の両立を容易にすることができる。条件式(2)及び(3)の満足しない場合、中心領域及び周辺領域の夫々の結像倍率を適切に設定することが難しくなるため好ましくない。
【0025】
さらに、以下の条件式(2a)及び(3a)を満足することが好ましく、条件式(2b)及び(3b)を満足することがより好ましい。
0.04≦E1≦0.35 (2a)
0.65≦E2≦0.96 (3a)
0.06≦E1≦0.30 (2b)
0.70≦E2≦0.94 (3b)
【0026】
また、第2レンズL2と第3レンズL3との間の空気レンズの焦点距離をfa1、光学系(全系)の焦点距離をfとするとき、各実施例に係る光学系は以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
-1.20≦fa1/f≦-0.50 (4)
【0027】
条件式(4)を満たすことで、第2レンズL2と第3レンズL3とで形成される空気レンズに強い(絶対値が大きい)負のパワー(屈折力)を持たせることができ、光学系の更なる小型化が可能になる。条件式(4)の下限を下回ると、空気レンズの負のパワーが強くなりすぎてしまい、製造誤差などにより各レンズの配置がずれた場合の光学系の光学性能の変化が大きくなるため好ましくない。また、条件式(4)の上限を上回ると、空気レンズの負のパワーが弱くなりすぎてしまい、光学系の更なる小型化が難しくなるため好ましくない。
【0028】
さらに、以下の条件式(4a)を満足することが好ましく、条件式(4b)を満足することがより好ましい。
-1.10≦fa1/f≦-0.55 (4a)
-1.00≦fa1/f≦-0.60 (4b)
【0029】
また、前群G1の焦点距離をfG1、後群G2の焦点距離をfG2とするとき、各実施例に係る光学系は以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.60≦fG1/fG2≦1.50 (5)
【0030】
条件式(5)を満たすことで、前群G1と後群G2のパワーを適切に設定することができ、光学系の更なる小型化が可能になる。条件式(5)の下限を下回ると、前群G1のパワーが強くなりすぎてしまい、製造誤差などにより各レンズの配置がずれた場合の光学系の光学性能の変化が大きくなるため好ましくない。また、条件式(5)の上限を上回ると、前群G1のパワーが弱くなりすぎてしまい、光学系の更なる小型化が難しくなるため好ましくない。
【0031】
さらに、以下の条件式(5a)を満足することが好ましく、条件式(5b)を満足することがより好ましい。
0.65≦fG1/fG2≦1.45 (5a)
0.70≦fG1/fG2≦1.40 (5b)
【0032】
また、第1レンズL1の物体側面の曲率半径をR1、第1レンズL1の像側面の曲率半径をR2とするとき、各実施例に係る光学系は以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
-3.50≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.85 (6)
【0033】
条件式(6)は、第1レンズL1の好ましい形状(シェイプファクタ)を表している。条件式(6)の下限を下回ると、第1レンズL1の外径が大きくなってしまうため、光学系の更なる小型化が難しくなるため好ましくない。また、条件式(6)の上限を上回ると、第1レンズL1により最軸外像高へ向かう光線(最軸外光線)を取り込むことが難しくなり、光学系の更なる広画角化が難しくなるため好ましくない。
【0034】
さらに、以下の条件式(6a)を満足することが好ましく、条件式(6b)を満足することがより好ましい。
-3.20≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.88 (6a)
-3.00≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.90 (6b)
【0035】
また、光軸OA上において、第1レンズL1及び第2レンズL2を物体側へ向かって凸形状のメニスカスレンズ(負メニスカスレンズ)とし、第3レンズL3を物体側へ向かって凹形状のメニスカスレンズとし、第4レンズL4を両凸レンズとすることが望ましい。このような構成とすることで、後群G2に対する各光線の入射角を小さくし、各レンズの配置誤差(製造誤差)などに起因する光学性能の変化を抑制することができる。
【0036】
なお、後群G2の接合レンズLCは、倍率色収差の低減を容易にするために正レンズと負レンズとを含んでいることが望ましい。接合レンズLCは3枚以上のレンズで構成されていてもよいが、全系の小型化や製造の容易化のためには2枚のレンズで構成されていることが好ましい。また、後群G2が接合レンズLC及び正レンズLL以外のレンズを有していてもよい。例えば、図5に示す実施例3のように接合レンズLCの物体側にレンズL5を配置してもよい。後群G2に接合レンズLC及び正レンズLL以外のレンズを設けるか否かについては、各光学系の仕様や求められる光学性能に応じて決定することが望ましい。例えば、製造誤差の影響を抑えながら、少ないレンズ枚数で像面湾曲や倍率色収差を低減しやすくするためには、後群G2を接合レンズLCと正レンズLLとで構成することが好ましい。
【0037】
ここで、後群G2の正レンズLLも非球面を含んでいることが望ましい。言い換えると、正レンズLLの物体側面又は像側面の少なくとも一方を非球面とすることが望ましい。さらに、前群G1の第2レンズL2の非球面と同様に、正レンズLLの非球面も光軸OAを含む断面において変曲点を有していることが好ましい。これにより、各光学系を構成するレンズの枚数を減らしつつ、第2レンズL2の非球面に起因して生じる像面湾曲を低減することができる。このとき、正レンズLLの非球面も複数の極値を有していることが好ましく、上述した条件式(2)及び(3)を満たすことがより好ましい。
【0038】
上述したように、第2レンズL2及び正レンズLLを非球面レンズとすることで光学性能の向上が図れるため、各レンズを樹脂材料から成るレンズ(樹脂レンズ)とすることが望ましい。ここで、樹脂材料とは、樹脂(プラスチック)を主成分とする材料を示しており、樹脂のみから成るものに限らず、微小量の樹脂以外の物質(不純物)を含有するものも含むものとする。各レンズを樹脂材料で構成することで、硝材で構成する場合と比較して非球面の成形を容易にすることができ、製造コストを低減することができる。
【0039】
ただし、一般的な硝材で構成された硝子レンズと比較して、樹脂レンズの屈折率の温度係数が大きい。よって、強い負のパワーを有する第2レンズL2及び正レンズLLのみを樹脂レンズとした場合、温度変化に起因するピント変動を各レンズで打ち消しきれない可能性がある。そこで、温度変化に起因するピント変動を抑制するために、第3レンズL3も樹脂レンズとすることが望ましい。さらに、第3レンズL3の焦点距離をf3、全系の焦点距離をfとするとき、各実施例に係る光学系は以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
|f/f3|≦0.15 (7)
【0040】
条件式(7)を満たすように第3レンズL3のパワーを適切に設定することで、温度変化による各光学系のピント変動を抑制することが容易になる。条件式(7)の範囲を外れると、第3レンズL3のパワーの絶対値が大きくなりすぎてしまい、温度変化による各光学系のピント変動を抑制することが難しくなるため好ましくない。
【0041】
さらに、以下の条件式(7a)を満足することが好ましく、条件式(7b)を満足することがより好ましい。
|f/f3|≦0.13 (7a)
|f/f3|≦0.12 (7b)
【0042】
なお、第2レンズL2、第3レンズL3、及び正レンズLL以外のレンズを必要に応じて樹脂レンズとしてもよい。ただし、上述したように樹脂レンズの屈折率の温度係数は比較的大きいため、温度変化に起因するピント変動を抑制するためには、少なくとも一つのレンズを硝子レンズとすることが好ましい。上述したように、非球面を有する第2レンズL2と正レンズLL、及びそれらに起因するピント変動を打ち消すための第3レンズL3のみを樹脂レンズとすることがより好ましい。なお、樹脂レンズは硝子レンズと比較して加工が容易であるため、樹脂レンズの物体側面と像側面の両方を非球面とすることが望ましい。これにより、各光学系を構成するレンズの枚数を減らしつつ、良好な光学性能を実現することが容易になる。
【0043】
以下、各実施例に係る光学系の詳細な構成について説明する。
【0044】
[実施例1]
図1に示したように、実施例1に係る光学系100は、物体側から像側へ順に配置された第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、開口絞りSTO、接合レンズLC、及び正レンズLLで構成されている。不図示の物体からの光束は各レンズ及びカバーガラスCGを介して像面IMGに集光され、これにより物体の像が形成される。本実施例の光学系100は、全画角が180°(半画角が±90°)と十分に広く、かつ光軸OA上での焦点距離(中心焦点距離)が4.4mmと十分に長い構成となっている。
【0045】
本実施例において、第3レンズL3は負の屈折力を有し、接合レンズLCは物体側から像側へ順に配置された正レンズL5と負レンズL6とで構成されている。また、第2レンズL2及び正レンズLLが非球面を有している。具体的には、第2レンズL2の物体側面及び像側面と正レンズLLの物体側面及び像側面の夫々が、光軸OAを含む断面において変曲点を有する非球面となっている。なお、本実施例に係る各レンズは何れも硝材で構成されている硝子レンズであり、各非球面はガラスモールドで成形されている。
【0046】
図2に示したように、本実施例に係る光学系100においては球面収差及び像面湾曲が良好に補正されている。また、歪曲については、周辺領域では画角(像高)が大きくなるほど増加している一方で、中心領域では相対的に小さくなっている。これにより、周辺領域と比較して中心領域の解像度を高くすることができ、上述したように撮像装置の使用者に対する画像の視認性を向上させることが可能になる。
【0047】
[実施例2]
図3に示したように、実施例2に係る光学系200は、物体側から像側へ順に配置された第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、開口絞りSTO、接合レンズLC、及び正レンズLLで構成されている。実施例1と同様に、本実施例においても、第3レンズL3は負の屈折力を有し、接合レンズLCは物体側から像側へ順に配置された正レンズL5と負レンズL6とで構成されている。本実施例の光学系200は、全画角が180°(半画角が±90°)と十分に広く、かつ光軸OA上での焦点距離が4.4mmと十分に長い構成となっている。
【0048】
本実施例においては実施例1とは異なり、第2レンズL2及び正レンズLLだけでなく第3レンズL3も非球面を有している。具体的には、第2レンズL2、第3レンズL3、及び正レンズLLの夫々の物体側面及び像側面が非球面となっている。なお、第2レンズL2及び正レンズLLの非球面は光軸OAを含む断面において変曲点を有するが、第3レンズL3の非球面は変曲点を有していない。また、本実施例においては実施例1とは異なり、第2レンズL2、第3レンズL3、及び正レンズLLの夫々が樹脂材料で構成されており、他のレンズが硝子材料で構成されている。すなわち、各非球面はプラスチックモールドで成形されている。
【0049】
図4に示したように、本実施例に係る光学系200においては球面収差及び像面湾曲が良好に補正されている。また、歪曲については、周辺領域では画角が大きくなるほど増加している一方で、中心領域では相対的に小さくなっている。
【0050】
[実施例3]
図5に示したように、実施例3に係る光学系300は、物体側から像側へ順に配置された第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、開口絞りSTO、第5レンズL5、接合レンズLC、及び正レンズLLで構成されている。本実施例においては、実施例1とは異なり、第3レンズL3が正の屈折力を有し、接合レンズLCの物体側に正の屈折力の第5レンズL5が配置されており、接合レンズLCが物体側から像側へ順に配置された負レンズL6と正レンズL7とで構成されている。本実施例の光学系300は、全画角が180°(半画角が±90°)と十分に広く、かつ光軸OA上での焦点距離が4.4mmと十分に長い構成となっている。
【0051】
本実施例においては実施例1とは異なり、第2レンズL2及び正レンズLLだけでなく第3レンズL3及び第5レンズL5も非球面を有している。具体的には、第2レンズL2、第3レンズL3、第5レンズL5、及び正レンズLLの夫々の物体側面及び像側面が非球面となっている。なお、第2レンズL2及び正レンズLLの非球面は光軸OAを含む断面において変曲点を有するが、第3レンズL3及び第5レンズL5の非球面は変曲点を有していない。また、本実施例においては実施例1とは異なり、第2レンズL2、第3レンズL3、及び正レンズLLの夫々が樹脂材料で構成されており、他のレンズが硝子材料で構成されている。なお、第2レンズL2、第3レンズL3、及び正レンズLLの夫々の各非球面はプラスチックモールドで成形されており、第5レンズL5の各非球面はガラスモールドで成形されている。
【0052】
図6に示したように、本実施例に係る光学系300においては球面収差及び像面湾曲が良好に補正されている。また、歪曲については、周辺領域では画角が大きくなるほど増加している一方で、中心領域では相対的に小さくなっている。
【0053】
[実施例4]
図7に示したように、実施例4に係る光学系400は、物体側から像側へ順に配置された第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、開口絞りSTO、接合レンズLC、及び正レンズLLで構成されている。本実施例の光学系400は、全画角が180°(半画角が±90°)と十分に広く、かつ光軸OA上での焦点距離が4.4mmと十分に長い構成となっている。
【0054】
実施例2と同様に本実施例においても、第3レンズL3は負の屈折力を有し、接合レンズLCは物体側から像側へ順に配置された正レンズL5と負レンズL6とで構成されている。第2レンズL2、第3レンズL3、及び正レンズLLの夫々の物体側面及び像側面が非球面を有している。また、実施例2と同様に本実施例においても、第2レンズL2、第3レンズL3、及び正レンズLLの夫々が樹脂材料で構成されている。
【0055】
図8に示したように、本実施例に係る光学系400においては球面収差及び像面湾曲が良好に補正されている。また、歪曲については、周辺領域では画角が大きくなるほど増加している一方で、中心領域では相対的に小さくなっている。
【0056】
以下、上述した実施例1乃至4に対応する数値実施例1乃至4を示す。各数値実施例において、面番号は、物体面から数えたときの各光学面の順番である。r[mm]は第i番目の光学面の曲率半径を示し、d[mm]は第i番目の光学面と第(i+1)番目の光学面の間隔(光軸上での距離)を示している。ndは第i面と第(i+1)面との間の媒質のd線に対する屈折率、νdは該媒質のd線を基準としたアッベ数を示している。なお、アッべ数νdは、F線、d線、C線に対する屈折率を各々nF、nd、nCとしたとき以下の式で定義される値である。
νd=(nd-1)/(nF-nC)
【0057】
また、各数値実施例において、非球面については面番号の後に*(アスタリスク)の符号を付している。また、各数値における「E±P」は「×10±P」を意味している。各非球面の形状は、光軸方向における面頂点からの変位量をz、光軸方向に垂直な方向における光軸OAからの高さをh、曲率(曲率半径rの逆数)をc、円錐係数をk、非球面係数をA,B,C,D,E,F,G,H,I・・・とするとき、以下の式で表される。
【0058】
【数1】
【0059】
なお、各数値実施例に係る光学系は、何れも焦点距離が不変である(ズーミングを行わない)単焦点光学系であり、かつフォーカシングを行わない構成を採っている。すなわち、各数値実施例に係る光学系を構成する各レンズの間隔は常に不動である。これにより、各レンズの移動に伴い光学性能が変動することを回避することができる。ただし、必要に応じて光学系がズーミング及びフォーカシングの少なくとも一方を行えるようにしてもよく、そのために各レンズの間隔が変化するように構成してもよい。
【0060】
(数値実施例1)
各種データ
中心焦点距離 4.4mm
Fno 2.8
半画角 ±90°

面データ
面番号 r d nd νd
1 24.64 1.00 1.703 52.4
2 12.20 0.67
3* 4.86 1.87 1.583 59.5
4* 2.44 3.13
5 -5.08 3.11 1.595 67.7
6 -7.50 0.20
7 8.20 1.56 1.583 59.4
8 -13.98 0.70
9(STO) ∞ 1.12
10 11.26 3.75 1.603 65.4
11 -3.40 0.60 1.785 25.7
12 -12.99 2.27
13* 9.44 2.58 1.583 59.5
14* -1697.27 0.70
15 ∞ 0.90 1.560 56.0
16 ∞ 0.85

非球面係数
面番号 K A B C D E
3 -4.499E-01 5.138E-03 -1.389E-03 2.223E-04 -3.240E-05 3.183E-06
4 -8.597E-01 1.547E-02 -5.648E-03 1.575E-03 -4.610E-04 1.122E-04
13 0.000E+00 6.276E-03 -3.280E-03 9.788E-04 -2.079E-04 3.009E-05
14 0.000E+00 2.784E-02 -1.002E-02 2.165E-03 -3.424E-04 3.840E-05

面番号 F G H I
3 -1.933E-07 7.002E-09 -1.390E-10 1.165E-12
4 -1.915E-05 2.114E-06 -1.361E-07 3.895E-09
13 -2.816E-06 1.613E-07 -5.130E-09 6.926E-11
14 -2.873E-06 1.340E-07 -3.504E-09 3.913E-11
【0061】
(数値実施例2)
各種データ
中心焦点距離 4.4mm
Fno 2.8
半画角 ±90°

面データ
面番号 r d nd νd
1 27.36 1.00 1.703 52.4
2 13.37 0.05
3* 4.92 2.40 1.536 56.0
4* 2.42 4.20
5* -3.99 2.58 1.536 56.0
6* -5.38 0.20
7 5.71 1.62 1.583 59.4
8 -29.74 0.98
9(STO) ∞ 1.15
10 17.63 2.74 1.603 65.4
11 -3.35 0.60 1.785 25.7
12 -19.47 1.55
13* 6.80 3.38 1.536 56.0
14* -43.69 0.66
15 ∞ 0.90 1.560 56.0
16 ∞ 0.85

非球面係数
面番号 K A B C D E
3 -4.634E-01 4.868E-03 -7.845E-04 1.348E-04 -1.747E-05 1.253E-06
4 -6.958E-01 1.742E-02 -5.776E-03 3.092E-03 -1.201E-03 2.696E-04
5 0.000E+00 4.533E-03 -1.467E-03 6.577E-04 -2.115E-04 4.871E-05
6 0.000E+00 1.574E-03 -1.185E-04 -1.584E-04 1.443E-04 -5.423E-05
13 0.000E+00 1.330E-03 -1.183E-03 2.994E-04 -4.603E-05 4.955E-06
14 0.000E+00 1.670E-02 -5.403E-03 8.838E-04 -9.971E-05 8.862E-06

面番号 F G H I
3 -5.205E-08 1.265E-09 -1.681E-11 9.454E-14
4 -3.679E-05 3.043E-06 -1.405E-07 2.785E-09
5 -7.65E-06 7.686E-07 -4.394E-08 1.079E-09
6 1.1252E-05 -1.341E-06 8.630E-08 -2.328E-09
13 -3.906E-07 2.128E-08 -6.966E-10 1.010E-11
14 -6.139E-07 2.924E-08 -8.120E-10 9.729E-12
【0062】
(数値実施例3)
各種データ
中心焦点距離 4.4mm
Fno 2.8
半画角 ±90°

面番号 r d nd νd
1 26.80 1.12 1.703 52.4
2 8.47 0.98
3* 3.86 3.20 1.536 56.0
4* 1.83 3.54
5* -6.87 1.92 1.536 56.0
6* -5.73 0.20
7 3.63 1.74 1.539 55.6
8 13.12 1.69
9(STO) ∞ 0.22
10* 35.10 1.20 1.583 59.4
11* -5.79 0.40
12 -7.68 0.33 1.742 25.7
13 6.23 1.84 1.589 61.1
14 -9.36 0.72
15* 23.06 2.88 1.536 56.0
16* -9.62 0.69
球 ∞ 0.90 1.569 56.4
球 ∞ 1.43

非球面係数
面番号 K A B C D E
3 -5.513E-01 1.621E-03 -4.817E-04 8.237E-05 -1.292E-05 1.073E-06
4 -8.615E-01 5.511E-03 -1.955E-03 -1.456E-04 -2.832E-05 3.229E-05
5 0.000E+00 -2.677E-03 1.363E-04 -1.769E-04 1.235E-04 -3.507E-05
6 0.000E+00 -6.872E-04 -3.457E-04 2.432E-04 -6.088E-05 8.232E-06
10 0.000E+00 -8.697E-03 -1.594E-03 3.830E-04 -1.179E-04 0.000E+00
11 0.000E+00 -4.873E-03 -4.025E-04 -7.694E-05 2.965E-05 0.000E+00
15 0.000E+00 2.170E-03 -1.611E-03 1.453E-04 7.909E-05 -3.374E-05
16 0.000E+00 1.445E-02 -5.089E-03 8.968E-04 -1.162E-04 1.118E-05

面番号 F G H I
3 -5.062E-08 1.380E-09 -2.026E-11 1.228E-13
4 -7.139E-06 7.722E-07 -4.358E-08 1.034E-09
5 5.4319E-06 -4.927E-07 2.477E-08 -5.312E-10
6 -6.181E-07 2.074E-08 1.389E-10 -2.085E-11
10 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
11 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
15 6.0816E-06 -5.992E-07 3.159E-08 -6.970E-10
16 -7.948E-07 3.965E-08 -1.235E-09 1.792E-11
【0063】
(数値実施例4)
各種データ
中心焦点距離 4.4mm
Fno 2.8
半画角 ±90°

面データ
面番号 r d nd νd
1 23.47 1.17 1.703 52.4
2 7.57 1.31
3* 3.82 3.25 1.536 56.0
4* 1.99 3.30
5* -7.32 1.81 1.536 56.0
6* -6.04 0.72
7 5.80 1.75 1.514 69.5
8 -10.77 1.33
9(STO) ∞ 1.61
10 13.56 1.73 1.589 61.1
11 -3.65 1.01 1.878 25.7
12 -20.26 0.62
13* 9.91 2.39 1.536 56.0
14* -10.47 0.66
15 ∞ 0.90 1.569 56.4
16 ∞ 1.43

非球面係数
面番号 K A B C D E
3 -5.553E-01 2.035E-03 -4.672E-04 7.196E-05 -1.144E-05 8.964E-07
4 -7.682E-01 5.504E-03 -1.152E-03 -1.293E-03 5.350E-04 -1.181E-04
5 0.000E+00 -3.664E-03 -4.244E-04 4.473E-04 -8.862E-05 5.675E-06
6 0.000E+00 -1.413E-03 -4.265E-04 6.189E-04 -2.342E-04 4.960E-05
13 0.000E+00 1.133E-02 -5.796E-03 1.694E-03 -3.406E-04 4.642E-05
14 0.000E+00 2.836E-02 -7.958E-03 1.011E-03 -1.905E-05 -1.504E-05

面番号 F G H I
3 -3.696E-08 7.803E-10 -6.415E-12 -8.093E-15
4 1.707E-05 -1.562E-06 8.018E-08 -1.731E-09
5 5.5065E-07 -1.298E-07 9.501E-09 -2.564E-10
6 -6.471E-06 5.148E-07 -2.282E-08 4.308E-10
13 -4.141E-06 2.245E-07 -6.385E-09 6.590E-11
14 2.5115E-06 -1.928E-07 7.525E-09 -1.203E-10
【0064】
下記の表に、上述した各実施例に係る光学系についての各条件式に関する値を示す。なお、下記の表には後述する条件式(8)に関する値についても示している。表に示すように、各実施例に係る光学系は各条件式を満足している。
【0065】
【表1】
【0066】
[撮像装置]
図10は、本発明の実施形態に係る撮像装置70の要部概略図である。本実施形態に係る撮像装置70は、上述した各実施例の何れかに係る光学系(撮像光学系)71と、光学系71によって形成される物体の像を光電変換する受光素子72と、受光素子72を保持するカメラ本体(筐体)73とを備える。光学系71は、鏡筒(保持部材)により保持され、カメラ本体73に接続されている。図7に示すようにカメラ本体73には、受光素子72により取得された画像を表示する表示部74が接続されていてもよい。受光素子72としては、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)を用いることができる。
【0067】
撮像装置70を測距装置として用いる場合は、例えば物体からの光束を二つに分割して光電変換できる画素を有する撮像素子(撮像面位相差センサ)を受光素子72として採用することができる。被写体が光学系71の前側焦点面上にあるときは、光学系71の像面において、分割された二つの光束に対応する各像に位置ずれは生じない。しかし、被写体が光学系71の前側焦点面以外の位置にあるときは各像に位置ずれが生じる。このとき、各像の位置ずれは被写体の前側焦点面からの変位量に対応しているので、撮像面位相差センサを用いて各像の位置ずれ量及び位置ずれの方向を取得することで、被写体までの距離を測定することができる。
【0068】
なお、光学系71とカメラ本体73とは互いに着脱可能に構成されていてもよい。すなわち、光学系71及び鏡筒を交換レンズ(レンズ装置)として構成してもよい。また、上述した各実施例に係る光学系は、デジタルスチルカメラや銀塩フィルム用カメラ、ビデオカメラ、車載カメラ、監視カメラ等の撮像装置に限らず、望遠鏡や双眼鏡、プロジェクタ(投射装置)、デジタル複写機等の種々の光学装置に適用することができる。
【0069】
[車載システム]
図11(A)は、本発明の実施形態に係る移動装置10及びそれが保持する撮像装置20(車載カメラ)の概略図である。図11(A)では、移動装置10が自動車(車両)である場合を示している。移動装置10は、撮像装置20により取得された画像を用いて移動装置10の使用者40(運転者や同乗者など)を支援するための、不図示の車載システム(運転支援装置)を備えている。本実施形態においては、撮像装置20が移動装置10の後方を撮像するように設置されている場合を示しているが、撮像装置20が移動装置10の前方や側方などを撮像するように設置されていてもよい。また、二つ以上の撮像装置20を移動装置10の2箇所以上に設置してもよい。
【0070】
撮像装置20は、上述した何れかの実施例に係る光学系201と撮像部210とを有する。光学系201は、第1の画角(第1の視野)30と、該第1の画角30よりも大きい第2の画角(第2の視野)31とで結像倍率が異なる光学系(異画角レンズ)である。撮像部210の撮像面(受光面)は、第1の画角30に含まれる物体を撮像する第1の領域と、第2の画角31に含まれる物体を撮像する第2の領域とを含む。このとき、第1の領域における単位画角あたりの画素数が、第1の領域を除く第2の領域における単位画角あたりの画素数よりも多くなっている。言い換えると、撮像装置20の第1の画角(第1の領域)における解像度が、第2の画角(第2の領域)における解像度よりも高くなっている。
【0071】
以下、光学系201の光学特性について詳細に説明する。図11(B)における左図は、撮像部210の撮像面上での各半画角θ[deg.]における像高y[mm]を等高線状に示したものである。図11(B)における右図は、左図の第1象限における各半画角θと像高yとの関係(光学系201の射影特性)をグラフで示したものである。
【0072】
図11(B)に示すように、光学系201は所定の半画角θa未満の画角と半画角θa以上の画角とで射影特性y(θ)が互いに異なるように構成されている。よって、単位あたりの半画角θに対する像高yの増加量(解像度)も画角ごとに異なる。光学系201の局所的な解像度は、射影特性y(θ)の半画角θに対する微分値dy(θ)/dθで表される。図11(B)の左図においては、各半画角θに対する像高yの等高線の間隔が大きいほど解像度が高いということを示している。また、図11(B)の右図においては、射影特性y(θ)のグラフの傾きが大きいほど解像度が高いということを示している。
【0073】
図11(B)の左図においては、中心領域である第1の領域201aが半画角θa未満の画角に対応し、周辺領域である第2の領域201bが半画角θa以上の画角に対応している。そして、半画角θa未満の画角は図11(A)における第1の画角30に対応し、半画角θa未満の画角と半画角θa以上の画角とを合わせた画角は図11(A)における第2の画角31に対応している。上述したように、第1の領域201aは高解像度かつ低歪曲の領域であり、第2の領域201bは低解像度かつ高歪曲の領域である。
【0074】
なお、最大半画角θmaxに対する半画角θaの比の値θa/θmaxは、0.15以上かつ0.35以下であることが好ましく、0.16以上かつ0.25以下であることがより好ましい。例えば、上述した各実施例においては最大半画角θmax=90°であるため、半画角θaの値は13.5°以上かつ31.5°以下であることが好ましく、14.4°以上かつ22.5°以下であることがより好ましい。
【0075】
また、光学系201は、第1の領域201aにおける射影特性y(θ)がf×θ(等距離射影方式)とは異なり、かつ第2の領域201bにおける射影特性とも異なるように構成されている。このとき、光学系201の射影特性y(θ)が以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.9 (8)
【0076】
条件式(8)を満たすことにより、第2の領域201bにおいて解像度を小さくすることで光学系201の広画角化を実現することができる。さらに、第1の領域201aにおいては、正射影方式(y(θ)=f×sinθ)を採用した一般的な魚眼レンズの中心領域よりも解像度を高くすることができる。条件式(2)の下限を下回ると、正射影方式の魚眼レンズと比較して、第1の領域201aにおける解像度が低くなったり、最大像高が大きくなって光学系の大型化を招いたりするため好ましくない。条件式(2)の上限を上回ると、第1の領域201aにおける解像度が高くなりすぎてしまい、正射影方式の魚眼レンズと同等の広画角を実現することが難しくなったり、良好な光学性能を維持できなくなったりするため好ましくない。
【0077】
さらに、以下の条件式(8a)を満足することが好ましく、条件式(8b)を満足することがより好ましい。
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.7 (8a)
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.4 (8b)
【0078】
上述したように、第1の領域201aにおいては光学系201の歪曲が小さく解像度が高いため、第2の領域201bと比較して高精細な画像を得ることができる。よって、第1の領域201a(第1の画角30)を使用者40の注目領域となるように設定することで良好な視認性を得ることができる。例えば、図11(A)に示したように撮像装置20を移動装置10の後部に配置した場合は、第1の画角30に対応する画像を電子ルームミラーに表示することで、使用者40が後方車両などを注視する際に自然な遠近感を得ることができる。一方、第2の領域201b(第2の画角31)については、第1の画角30を含む広画角に対応している。よって、例えば移動装置10がバック走行しているときに第2の画角31に対応する画像を車内ディスプレイに表示することで、使用者40の運転支援を行うことができる。
【0079】
図12は、本実施形態に係る車載システム2の構成例を説明するための機能ブロック図である。車載システム2は、移動装置10の後方に設置された撮像装置20により得られた画像を使用者40に対して表示するためのシステムである。車載システム2は、撮像装置20、処理装置220、及び表示装置(表示部)230を有している。撮像装置20は、上述したように光学系201及び撮像部210を有する。撮像部210は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含み、光学系201により形成された光学像を光電変換することで撮像データを生成し、処理装置220に対して出力する。
【0080】
処理装置220は、画像処理部221、表示画角判定部224(判定部)、ユーザ設定変更部226(第1の変更部)、後方車両距離検知部223(第1の検知部)、バックギア検知部225(第2の検知部)、表示画角変更部222(第2の変更部)を有する。処理装置220は、例えばCPU(Central Processing Unit)マイコンなどのコンピュータであり、コンピュータプログラムに基づいて各構成要素の動作を制御する制御部として機能している。処理装置220における少なくとも一つの構成要素は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLA(Programmable Logic Array)等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0081】
画像処理部221は、撮像部210から取得した撮像データに対してWDR(Wide Dynamic Range)補正、ガンマ補正、LUT(Look Up Table)処理、歪曲補正等の画像処理を行うことで画像データを生成する。なお、歪曲補正は少なくとも第2の領域201bに対応する撮像データに対して行われる。これにより、表示装置230に画像を表示した際に使用者40が視認しやすくなり、また後方車両距離検知部223における後方車両の検知率が向上する。なお、第1の領域201aに対応する撮像データに対しては歪曲補正を行わなくてもよい。画像処理部221は、上述のような画像処理を実行することで生成した画像データを、表示画角変更部222及び後方車両距離検知部223に対して出力する。
【0082】
後方車両距離検知部223は、画像処理部221から出力された画像データを用いて、第2の画角31のうち第1の画角30を含まない範囲に対応する画像データに含まれる後方車両までの距離に関する情報を取得する。例えば、後方車両距離検知部223は、画像データのうち第2の領域201bに対応する画像データに基づいて後方車両を検出し、検出した後方車両の位置や大きさの変化などから自車両までの距離を算出することができる。後方車両距離検知部223は、算出した距離の情報を表示画角判定部224に対して出力する。
【0083】
さらに、後方車両距離検知部223は、多数の車両の画像に基づく機械学習(深層学習)の結果として出力された、車種ごとの形状や色彩などの特徴情報に関するデータに基づいて後方車両の車種の判定を行ってもよい。このとき、後方車両距離検知部223は、後方車両の車種に関する情報を表示画角判定部224に対して出力してもよい。バックギア検知部225は、移動装置10(自車両)のトランスミッションがバックギアに入っているかどうかを検知し、その検知結果を表示画角判定部224に対して出力する。
【0084】
表示画角判定部224は、後方車両距離検知部223又はバックギア検知部225の少なくとも一方からの出力に基づいて、表示装置230に表示する画像の画角(表示画角)を第1の画角30又は第2の画角31の何れにするのかを判定する。そして、表示画角判定部224は、判定結果に応じて表示画角変更部222に対する出力を行う。例えば、表示画角判定部224は、距離情報における距離の値がある閾値(例えば3m)以下になった場合は表示画角を第2の画角31にすると判定し、閾値よりも大きくなった場合は表示画角を第1の画角30にすると判定することができる。あるいは、表示画角判定部224は、バックギア検知部225より移動装置10のトランスミッションがバックギアに入っているという通知があった場合は、表示画角を第2の画角31にすると判定することができる。また、表示画角判定部224は、バックギアに入っていない場合は表示画角を第1の画角30にすると判定することができる。
【0085】
さらに、表示画角判定部224は、移動装置10のトランスミッションがバックギアに入っている状態では、後方車両距離検知部223の結果にかかわらず表示画角を第2の画角31にすると判定することができる。また、表示画角判定部224は、移動装置10のトランスミッションがバックギアに入っていない場合は、後方車両距離検知部223の検知結果に応じて表示画角を決定すると判定することができる。なお、表示画角判定部224は、後方車両距離検知部223より車種情報を受け取ることで、移動装置10の車種に応じて画角変更の判定基準を変えてもよい。例えば、移動装置10がトラックなどの大型車両である場合は、制動距離が普通車と比較して長くなるため、前述の閾値を普通車よりも長く(例えば10m)とすることが望ましい。
【0086】
ユーザ設定変更部226は、表示画角判定部224にて表示画角を第2の画角31に変更するかどうかの判定基準を、使用者40に変更させるためのものである。使用者40により設定(変更)された判断基準は、ユーザ設定変更部226から表示画角判定部224に入力される。
【0087】
表示画角変更部222は、表示画角判定部224での判定結果に応じて表示装置230に表示させる表示画像の生成を行う。例えば、第1の画角30にすると判定された場合、表示画角変更部222は、第1の画角30に対応する画像データの中から矩形の挟角画像(第1の画像)の切り出しを行い、それを表示装置230に対して出力する。また、第2の画角31に対応する画像データにおいて所定の条件を満たす後方車両が存在する場合、表示画角変更部222は、該後方車両を含む画像(第2の画像)を表示装置230に対して出力する。なお、第2の画像は第1の領域201aに対応する画像を含んでもよい。表示画角変更部222は、表示装置230が第1の画像を表示する第1の表示状態と、第2の画像を表示する第2の表示状態とを切り替える表示制御を行う表示制御部として機能する。
【0088】
表示画角変更部222による画像の切り出しは、画像処理部221から出力された画像データをRAMなどの記憶部(メモリ)に格納しておき、そこから切り出したい画像の読み出しを行うことで実行される。なお、画像データにおける第1の画像に対応する領域は、第1の領域201aに対応する第1の画角30における矩形領域である。また、画像データにおける第2の画像に対応する領域は、第2の領域201bに対応する第2の画角31における該後方車両を含む矩形領域である。
【0089】
表示装置230は、液晶ディスプレイや有機ELなどの表示部を有し、表示画角変更部222から出力された表示画像の表示を行う。例えば、表示装置230は、移動装置10のウインドシールド(フロントガラス)の上側に配置される電子ルームミラーとしての第1の表示部と、移動装置10のウインドシールドの下側に配置される操作パネル(モニタ)としての第2の表示部を有する。この構成によれば、上述した画像データより生成された第1の画像及び第2の画像を、第1の表示部及び第2の表示部の夫々に表示させることができる。第1の表示部は、例えばハーフミラーなどを備えることで、ディスプレイとして使用しないときはミラーとして使用することができるように構成されていてもよい。第2の表示部は、例えばナビゲーションシステムやオーディオシステムのディスプレイを兼ねていてもよい。
【0090】
なお、移動装置10は自動車等の車両に限らず、例えば船舶や航空機、産業用ロボット、ドローンなどの移動体であってもよい。また、本実施形態に係る車載システム2は使用者40に対する画像の表示に用いられているが、これに限らずクルーズコントロール(全車速追従機能付を含む)や自動運転などの運転支援に用いられてもよい。さらに、車載システム2は移動装置に限らず高度道路交通システム(ITS)等の物体認識を利用する種々の機器に適用することができる。
【0091】
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【0092】
例えば、上述した各実施例に係る光学系は可視域での使用が想定されており、可視域の全域での良好な収差補正を行うように構成されているが、必要に応じて収差補正を行う波長範囲を変更してもよい。例えば、各光学系は、可視域における特定の波長範囲においてのみ収差補正を行うように構成されていてもよいし、可視域以外の赤外域の波長範囲において収差補正を行うように構成されていてもよい。
【0093】
また、上述した車載システム2においては、撮像装置20として上述したような測距装置を採用してもよい。このとき、車載システム2は、撮像装置20により取得された対象物までの距離の情報に基づいて、その対象物との衝突可能性を判定する判定部を備えていてもよい。また、撮像装置20として撮像部210を二つ備えるステレオカメラを採用してもよい。この場合、撮像面位相差センサを用いなくても、同期させた各撮像部の夫々によって画像データを同時に取得し、その二つの画像データを用いることで、上述したものと同様の処理を行うことができる。ただし、各撮像部による撮像時間の差異が既知であれば、各撮像部を同期させなくてもよい。
【0094】
なお、本発明の実施形態は以下の構成を含む。
【0095】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズとを有し、
前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12とするとき、
f1/d12≦-8.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【0096】
(構成2)
前記第2レンズの物体側面は、非球面であることを特徴とする構成1に記載の光学系。
【0097】
(構成3)
前記非球面は、光軸を含む断面において変曲点を有することを特徴とする構成2に記載の光学系。
【0098】
(構成4)
前記非球面の光軸を含む断面における径方向での位置に対する曲率を表すグラフは、第1極値及び第2極値を有することを特徴とする構成2に記載の光学系。
【0099】
(構成5)
前記非球面において、光軸から前記第1極値及び前記第2極値の夫々に対応する位置までの規格化距離をE1及びE2とするとき、
0.02≦E1≦0.40
0.60≦E2≦0.98
なる条件式を満足することを特徴とする構成4に記載の光学系。
【0100】
(構成6)
前記第2レンズと前記第3レンズとの間の空気レンズの焦点距離をfa1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-1.20≦fa1/f≦-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【0101】
(構成7)
前記前群の焦点距離をfG1、前記後群の焦点距離をfG2とするとき、
0.6≦fG1/fG2≦1.5
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至6の何れか一項に記載の光学系。
【0102】
(構成8)
前記第1レンズの物体側面の曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の曲率半径をR2とするとき、
-3.50≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.85
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至7の何れか一項に記載の光学系。
【0103】
(構成9)
光軸上において、前記第1レンズ及び前記第2レンズは物体側へ向かって凸形状のメニスカスレンズであり、前記第3レンズは物体側へ向かって凹形状のメニスカスレンズであり、前記第4レンズは両凸レンズであることを特徴とする構成1乃至8の何れか一項に記載の光学系。
【0104】
(構成10)
前記後群は、前記接合レンズと前記正レンズとで構成されていることを特徴とする構成1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
【0105】
(構成11)
前記接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された正レンズと負レンズとを含むことを特徴とする構成1乃至10の何れか一項に記載の光学系。
【0106】
(構成12)
前記後群における最も像側に配置された前記正レンズは、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面を含むことを特徴とする構成1乃至11の何れか一項に記載の光学系。
【0107】
(構成13)
前記第2レンズ、前記第3レンズ、及び前記後群における最も像側に配置された前記正レンズの夫々は樹脂材料から成り、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
|f/f3|≦0.15
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至12の何れか一項に記載の光学系。
【0108】
(構成14)
半画角θと像高yとの関係を表す前記光学系の射影特性をy(θ)、前記光学系の最大半画角をθmax、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.9
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至13の何れか一項に記載の光学系。
【0109】
(構成15)
構成1乃至14の何れか一項に記載の光学系と、該光学系を介して物体を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
【0110】
(構成16)
構成15に記載の撮像装置と、該撮像装置の出力に基づいて得られる画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする車載システム。
【0111】
(構成17)
前記表示装置は、前記画像のうち、第1の画角に対応する第1の画像を表示する第1の表示部と、該第1の画角を含む第2の画角に対応する第2の画像を表示する第2の表示部とを有することを特徴とする構成16に記載の車載システム。
【0112】
(構成18)
構成15に記載の撮像装置を備え、該撮像装置を保持して移動可能であることを特徴とする移動装置。
【符号の説明】
【0113】
100 光学系
G1 前群
G2 後群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
LC 接合レンズ
LL 正レンズ(最終レンズ)
STO 開口絞り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズとを有し、
前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、
前記第2レンズの物体側面は非球面であり、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12とするとき、
f1/d12≦-8.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記非球面は、光軸を含む断面において変曲点を有することを特徴とする請求項に記載の光学系。
【請求項3】
前記非球面の光軸を含む断面における径方向での位置に対する曲率を表すグラフは、第1極値及び第2極値を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記非球面において、光軸から前記第1極値に対応する位置までの規格化距離をE1とするとき、
0.02≦E1≦0.4
なる条件式を満足することを特徴とする請求項に記載の光学系。
【請求項5】
前記非球面において、光軸から前記第2極値に対応する位置までの規格化距離をE2とするとき、
0.60≦E2≦0.98
なる条件式を満足することを特徴とする請求項3又は4に記載の光学系。
【請求項6】
前記第2レンズと前記第3レンズとの間の空気レンズの焦点距離をfa1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-1.20≦fa1/f≦-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記前群の焦点距離をfG1、前記後群の焦点距離をfG2とするとき、
0.6≦fG1/fG2≦1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記第1レンズの物体側面の曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の曲率半径をR2とするとき、
-3.50≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.85
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項9】
光軸上において、前記第1レンズ及び前記第2レンズは物体側へ向かって凸形状のメニスカスレンズであり、前記第3レンズは物体側へ向かって凹形状のメニスカスレンズであり、前記第4レンズは両凸レンズであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記後群は、前記接合レンズと前記正レンズとで構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された正レンズと負レンズとを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記後群における最も像側に配置された前記正レンズは、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第2レンズ、前記第3レンズ、及び前記後群における最も像側に配置された前記正レンズの夫々は樹脂材料から成り、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
|f/f3|≦0.15
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項14】
半画角θと像高yとの関係を表す前記光学系の射影特性をy(θ)、前記光学系の最大半画角をθmax、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.9
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項15】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系と、該光学系を介して物体を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項16】
請求項15に記載の撮像装置と、該撮像装置の出力に基づいて得られる画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする車載システム。
【請求項17】
前記表示装置は、前記画像のうち、第1の画角に対応する第1の画像を表示する第1の表示部と、該第1の画角を含む第2の画角に対応する第2の画像を表示する第2の表示部とを有することを特徴とする請求項16に記載の車載システム。
【請求項18】
請求項15に記載の撮像装置を備え、該撮像装置を保持して移動可能であることを特徴とする移動装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズとを有し、前記第2レンズの物体側面は非球面であり、前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12とするとき、f1/d12≦-8.50なる条件式を満足することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
なお、各実施例に係る光学系は、少なくとも上述した構成を満たしていれば本発明の効果を得ることができ、例えば前群G1が第1レンズL1乃至第4レンズL4以外のレンズを有する構成(5枚以上のレンズを有する構成)であってもよい。ただし、全系の小型化のためには、前群G1が4枚のレンズで構成されていることが好ましい。第3レンズL3については、後述のとおりパワーの絶対値が小さいため、正の屈折力又は負の屈折力の何れを持たせるのかについては各光学系の仕様に応じて決定することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズから成り
前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、
前記第2レンズの物体側面は、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面であり、
光軸を含む第1の領域における単位画角あたりの像高の増加量は、該第1の領域よりも周辺側の第2の領域における単位画角あたりの像高の増加量よりも大きく、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12とするとき、
f1/d12≦-8.50
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記非球面の光軸を含む断面における径方向での位置に対する曲率を表すグラフは、第1極値及び第2極値を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記非球面において、光軸から前記第1極値に対応する位置までの規格化距離をE1とするとき、
0.02≦E1≦0.40
なる条件式を満足することを特徴とする請求項に記載の光学系。
【請求項4】
前記非球面において、光軸から前記第2極値に対応する位置までの規格化距離をE2とするとき、
0.60≦E2≦0.98
なる条件式を満足することを特徴とする請求項に記載の光学系。
【請求項5】
前記非球面において、光軸から前記第1極値及び前記第2極値の夫々に対応する位置までの規格化距離をE1及びE2とするとき、
0.02≦E1≦0.40
0.60≦E2≦0.98
なる条件式を満足することを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項6】
前記第2レンズと前記第3レンズとの間の空気レンズの焦点距離をfa1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-1.20≦fa1/f≦-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記前群の焦点距離をfG1、前記後群の焦点距離をfG2とするとき、
0.6≦fG1/fG2≦1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記第1レンズの物体側面の曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の曲率半径をR2とするとき、
-3.50≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.85
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項9】
光軸上において、前記第1レンズ及び前記第2レンズは物体側へ向かって凸形状のメニスカスレンズであり、前記第3レンズは物体側へ向かって凹形状のメニスカスレンズであり、前記第4レンズは両凸レンズであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記後群は、前記接合レンズと前記正レンズとで構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された正レンズと負レンズとを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記後群における最も像側に配置された前記正レンズは、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第2レンズ、前記第3レンズ、及び前記後群における最も像側に配置された前記正レンズの夫々は樹脂材料から成り、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
|f/f3|≦0.15
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項14】
半画角θと像高yとの関係を表す前記光学系の射影特性をy(θ)、前記光学系の最大半画角をθmax、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.9
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項15】
最大半画角をθmax、前記第1及び第2の領域の境界に対応する半画角をθaとするとき、
0.15≦θa/θmax≦0.35
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項16】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系と、該光学系を介して物体を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項17】
請求項1に記載の撮像装置と、該撮像装置の出力に基づいて得られる画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする車載システム。
【請求項18】
前記表示装置は、前記画像のうち、第1の画角に対応する第1の画像を表示する第1の表示部と、該第1の画角を含む第2の画角に対応する第2の画像を表示する第2の表示部とを有することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項19】
請求項1に記載の撮像装置を備え、該撮像装置を保持して移動可能であることを特徴とする移動装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズから成り、前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、前記第2レンズの物体側面は、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面であり、光軸を含む第1の領域における単位画角あたりの像高の増加量は、該第1の領域よりも周辺側の第2の領域における単位画角あたりの像高の増加量よりも大きく、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12とするとき、f1/d12≦-8.50なる条件式を満足することを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズから成り、
前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、
前記第2レンズの物体側面は、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面であり、
前記非球面の光軸を含む断面における径方向での位置に対する曲率を表すグラフは、第1極値及び第2極値を有し、
光軸を含む第1の領域における単位画角あたりの像高の増加量は、該第1の領域よりも周辺側の第2の領域における単位画角あたりの像高の増加量よりも大きく、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12、前記非球面において、光軸から前記第1極値及び前記第2極値の夫々に対応する位置までの規格化距離をE1及びE2とするとき、
f1/d12≦-8.50
0.02≦E1≦0.40
0.60≦E2≦0.98
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記第2レンズと前記第3レンズとの間の空気レンズの焦点距離をfa1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-1.20≦fa1/f≦-0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記前群の焦点距離をfG1、前記後群の焦点距離をfG2とするとき、
0.6≦fG1/fG2≦1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1レンズの物体側面の曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の曲率半径をR2とするとき、
-3.50≦(R2+R1)/(R2-R1)≦-1.85
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項5】
光軸上において、前記第1レンズ及び前記第2レンズは物体側へ向かって凸形状のメニスカスレンズであり、前記第3レンズは物体側へ向かって凹形状のメニスカスレンズであり、前記第4レンズは両凸レンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項6】
前記後群は、前記接合レンズと前記正レンズとで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項7】
前記接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された正レンズと負レンズとを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項8】
前記後群における最も像側に配置された前記正レンズは、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項9】
前記第2レンズ、前記第3レンズ、及び前記後群における最も像側に配置された前記正レンズの夫々は樹脂材料から成り、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
|f/f3|≦0.15
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項10】
半画角θと像高yとの関係を表す前記光学系の射影特性をy(θ)、前記光学系の最大半画角をθmax、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
1.0<f×sin(θmax)/y(θmax)≦1.9
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項11】
最大半画角をθmax、前記第1及び第2の領域の境界に対応する半画角をθaとするとき、
0.15≦θa/θmax≦0.35
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の光学系と、該光学系を介して物体を撮像する撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項13】
請求項1に記載の撮像装置と、該撮像装置の出力に基づいて得られる画像を表示する表示装置とを備えることを特徴とする車載システム。
【請求項14】
前記表示装置は、前記画像のうち、第1の画角に対応する第1の画像を表示する第1の表示部と、該第1の画角を含む第2の画角に対応する第2の画像を表示する第2の表示部とを有することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項15】
請求項1に記載の撮像装置を備え、該撮像装置を保持して移動可能であることを特徴とする移動装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群と、開口絞りと、正の屈折力の後群とで構成され、前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の第2レンズと、第3レンズと、正の屈折力の第4レンズから成り、前記後群は、接合レンズと、最も像側に配置された正レンズとを有し、前記第2レンズの物体側面は、光軸を含む断面において変曲点を有する非球面であり、前記非球面の光軸を含む断面における径方向での位置に対する曲率を表すグラフは、第1極値及び第2極値を有し、光軸を含む第1の領域における単位画角あたりの像高の増加量は、該第1の領域よりも周辺側の第2の領域における単位画角あたりの像高の増加量よりも大きく、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズと前記第2レンズとの光軸上での距離をd12、前記非球面において、光軸から前記第1極値及び前記第2極値の夫々に対応する位置までの規格化距離をE1及びE2とするとき、f1/d12≦-8.50、0.02≦E1≦0.40、0.60≦E2≦0.98なる条件式を満足することを特徴とする。