(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183272
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】住宅プラン提案システム
(51)【国際特許分類】
E04B 1/348 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
E04B1/348 Z
E04B1/348 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096803
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】中田 将太
(57)【要約】
【課題】コストの低減を図りながら、顧客のニーズに応え易い住宅を提案することができる住宅プラン提案システムを提供する。
【解決手段】住宅プラン提案装置10では、住宅のユニット配列プランが予め定められている。一階間取りプランデータベース27には、ユニット配列プランごとにユニット配列プランに対応する一階間取りプランが複数記憶されている。二階間取りプランデータベース28には、ユニット配列プランごとにユニット配列プランに対応する二階間取りプランが複数記憶されている。間取りプラン作成部32は、一階間取りプランデータベース27に記憶されている、ユニット配列プランに対応する複数の一階間取りプランのうちいずれかと、二階間取りプランデータベース28に記憶されている、ユニット配列プランに対応する複数の一階間取りプランのうちいずれかとを組み合わせることにより、住宅の間取りプランを作成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に隣接する下階部及び上階部と、前記下階部と前記上階部とを連絡する階段部とを備える住宅についての住宅プランを作成し、顧客に提案するための住宅プラン提案システムであって、
前記住宅は、前記下階部及び前記上階部がそれぞれ直方体状の枠体を含む複数の建物ユニットが並設されることにより構成されたユニット式住宅であり、
前記住宅について、前記下階部及び前記上階部における前記建物ユニットの配列に関するプランであるユニット配列プランが予め定められており、
前記ユニット配列プランに対応する住宅の間取りプランとして、前記下階部の間取りに関する下階間取りプランと、前記上階部の間取りに関する上階間取りプランとがそれぞれ複数ずつ記憶されているとともに、それら複数の下階間取りプランと複数の上階間取りプランとはいずれも前記階段部の位置が同じ位置とされたプランとなっている間取りプラン記憶手段と、
前記間取りプラン記憶手段に記憶された、前記複数の下階間取りプランのうちのいずれかと、前記複数の上階間取りプランのうちのいずれかとを組み合わせることにより、前記住宅の間取りプランを作成する間取りプラン作成手段と、
を備える、住宅プラン提案システム。
【請求項2】
前記ユニット配列プランが予め複数用意されており、
前記間取りプラン記憶手段には、前記ユニット配列プランごとに、前記ユニット配列プランに対応する前記複数の下階間取りプランと前記複数の上階間取りプランとがそれぞれ記憶されており、
前記複数のユニット配列プランのうちいずれかを前記住宅のユニット配列プランとして決定するユニット配列プラン決定手段を備え、
前記間取りプラン作成手段は、前記間取りプラン記憶手段に記憶されている、前記決定されたユニット配列プランに対応する前記複数の下階間取りプランのうちのいずれかと、前記決定されたユニット配列プランに対応する前記複数の上階間取りプランのうちのいずれかとを組み合わせることにより、前記住宅の間取りプランを作成する、請求項1に記載の住宅プラン提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅プラン提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅メーカが販売する住宅としては、一階と二階とを有する二階建ての住宅が一般的である。こうした二階建ての住宅として、間取りや仕様等についての基本プランが予め決められた企画型住宅がある。企画型住宅では、間取りや仕様等がある程度統一されているため、コストの低減や工期の短縮化等を図ることができる。
【0003】
住宅メーカでは、住宅の購入を検討している顧客に、住宅のプランを作成し提案することがよく行われている。住宅プランの提案には、例えば住宅プラン提案システムが用いられる(例えば特許文献1参照)。住宅プラン提案システムを用いて、在来工法からなる企画型住宅のプランを顧客に提案する場合、いくつか(例えば2~3)の間取りプランを予め用意しておき、それらの間取りプランをディスプレイ上に表示しながら顧客に提案することになると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、企画型住宅では、間取りのプランが予め決められているため、顧客の多様なニーズに応えにくいという問題がある。また、顧客のニーズに応えるべく、間取りのプランの種類を増やすと、今度はコストの増大を招くことになり、企画型住宅の利点が損なわれるおそれがある。
【0006】
在来工法の住宅では、一階及び二階に設けられた間仕切壁や、一階と二階とに跨って延びる通し柱等により、建物に作用する荷重を支える構造となっている。そのため、例えば、一階の間取りを変更すると、それに伴い、二階の間取りを見直す必要が生じる。したがって、在来工法の住宅において、間取りのプランを新たに増やす場合には、一階の間取りと二階の間取りとを同時に見直す必要があり、その負担が大きく、コストの増大を招き易い。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コストの低減を図りながら、顧客のニーズに応え易い住宅を提案することができる住宅プラン提案システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、第1の発明の住宅プラン提案システムは、上下に隣接する下階部及び上階部と、前記下階部と前記上階部とを連絡する階段部とを備える住宅についての住宅プランを作成し、顧客に提案するための住宅プラン提案システムであって、前記住宅は、前記下階部及び前記上階部がそれぞれ直方体状の枠体を含む複数の建物ユニットが並設されることにより構成されたユニット式住宅であり、前記住宅について、前記下階部及び前記上階部における前記建物ユニットの配列に関するプランであるユニット配列プランが予め定められており、前記ユニット配列プランに対応する住宅の間取りプランとして、前記下階部の間取りに関する下階間取りプランと、前記上階部の間取りに関する上階間取りプランとがそれぞれ複数ずつ記憶されているとともに、それら複数の下階間取りプランと複数の上階間取りプランとはいずれも前記階段部の位置が同じ位置とされたプランとなっている間取りプラン記憶手段と、前記間取りプラン記憶手段に記憶された、前記複数の下階間取りプランのうちのいずれかと、前記複数の上階間取りプランのうちのいずれかとを組み合わせることにより、前記住宅の間取りプランを作成する間取りプラン作成手段と、を備える。
【0009】
下階部及び上階部を備えるユニット式住宅では、下階部及び上階部がそれぞれ複数の建物ユニットが並設されることにより構成されている。ユニット式住宅では、各建物ユニットの枠体により建物躯体が構成され、その建物躯体により住宅に加わる荷重が支えられるようになっている。そのため、ユニット式住宅では、在来工法による住宅等と異なり、下階部と上階部とに跨って延びる通し柱や、間仕切壁により荷重を負担する構造とはなっていない。したがって、ユニット式住宅では、下階部及び上階部における建物ユニットの配列が定まると、下階部及び上階部の間取りの種類に関わらず、住宅の耐荷重強度はおおよそ同じになるとみなすことができる。そこで、本発明の住宅プラン提案システムでは、このような点に着目し、以下のような構成を備えている。
【0010】
すなわち、本システムでは、住宅について下階部及び上階部における建物ユニットの配列に関するユニット配列プランが予め定められている。また、ユニット配列プランに対応する住宅の間取りプランとして、下階部における下階間取りプランと、上階部における上階間取りプランとがそれぞれ複数ずつ記憶され、それら複数の下階間取りプランと複数の上階間取りプランとはいずれも、階段部の位置が同じ位置とされたプランとなっている。そして、上記記憶された複数の下階間取りプランのうちのいずれかと、複数の上階間取りプランのうちのいずれかとが組み合わせられることにより、住宅の間取りプランが作成されるようになっている。この場合、下階間取りプランと上階間取りプランとの組み合わせの数だけ、住宅の間取りプランのバリエーション(種類)を増やすことができる。そのため、顧客のニーズに応え易くすることができる。また、このように下階間取りプランと上階間取りプランとの組み合わせにより住宅の間取りプランが作成される構成では、用意する下階間取りプラン及び上階間取りプランの数自体は比較的少なくて済む。したがって、住宅の間取りプランの種類を増やす上で、大きな負荷とはならず、その結果、コストの低減を図ることができる。
【0011】
第2の発明の住宅プラン提案システムは、第1の発明において、前記ユニット配列プランが予め複数用意されており、前記間取りプラン記憶手段には、前記ユニット配列プランごとに、前記ユニット配列プランに対応する前記複数の下階間取りプランと前記複数の上階間取りプランとがそれぞれ記憶されており、前記複数のユニット配列プランのうちいずれかを前記住宅のユニット配列プランとして決定するユニット配列プラン決定手段を備え、前記間取りプラン作成手段は、前記間取りプラン記憶手段に記憶されている、前記決定されたユニット配列プランに対応する前記複数の下階間取りプランのうちのいずれかと、前記決定されたユニット配列プランに対応する前記複数の上階間取りプランのうちのいずれかとを組み合わせることにより、前記住宅の間取りプランを作成する。
【0012】
第2の発明によれば、予め用意された複数のユニット配列プランごとに、複数の下階間取りプランと複数の上階間取りプランとがそれぞれユニット配列プランに対応して記憶されている。そして、複数のユニット配列プランのうちいずれかが住宅のユニット配列プランとして決定され、決定されたユニット配列プランに対応する複数の下階間取りプランのうちのいずれかと、決定されたユニット配列プランに対応する複数の上階間取りプランのうちのいずれかとが組み合わせられることで、住宅の間取りプランが作成される。この場合、住宅プランのバリエーションをより増やすことができるため、より顧客のニーズに応え易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の住宅プラン提案システムを、住宅メーカの販売店に設けられた住宅プラン提案装置として具体化している。本実施形態では、販売店に訪れた顧客に対し、住宅プラン提案装置を用いて住宅プランを提案することを想定している。顧客に提案する住宅プランとしては、間取りや仕様の基本プランが予め決められた企画型住宅のプランを想定しており、特に、複数の建物ユニットが互いに組み合わされてなる2階建てのユニット式住宅のプランを想定している。そこで、以下では、住宅プラン提案装置の説明に先立ち、まず、ユニット式住宅の概要について
図7に基づき説明する。
図7は、ユニット式住宅を構成する建物ユニットの概略を示す斜視図である。
【0015】
図7に示すように、建物ユニット40は、直方体状に形成され、その四隅に配設される4本の柱41と、各柱41の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁42及び床大梁43とを備える。それら柱41、天井大梁42及び床大梁43により直方体状の枠体48が形成されている。
【0016】
建物ユニット40の天井部には、対向する各天井大梁42の間に複数の天井小梁44が架け渡されている。また、建物ユニット40の床部には、対向する各床大梁43の間に複数の床小梁45が架け渡されている。図示は省略するが、各天井小梁44により天井面材が上方から支持され、各床小梁45により床面材が下方から支持されている。また、建物ユニット40の側面部には、内壁面材や外壁面材等の壁面材(図示略)が取り付けられている。
【0017】
ユニット式住宅は、下階部としての一階部分51と、上階部としての二階部分52とを有している(
図3参照)。一階部分51及び二階部分52はいずれも、複数の建物ユニット40が並設されることにより構成されている。これらの建物ユニット40はいずれも同じ大きさからなる。また、企画型のユニット式住宅では、一階部分51に並べられた建物ユニット40の配列と、二階部分52に並べられた建物ユニット40の配列とが、同じ配列となっている。また、ユニット式住宅では、各建物ユニット40の枠体48により建物躯体が構成され、その建物躯体により住宅に加わる荷重が支えられる。
【0018】
続いて、住宅プラン提案装置10について
図1に基づき説明する。
図1は、住宅プラン提案装置10の概略構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、住宅プラン提案装置10は、パーソナルコンピュータにより構成され、制御部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14とを備える。制御部11は、住宅プランの提案に関する各種処理を行うものであり、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを備えて構成されている。制御部11は、操作部12、表示部13及び記憶部14とそれぞれ接続されている。操作部12は、住宅プラン提案処理に必要な各種情報を入力するためのもので、キーボードやマウス等を備えて構成されている。表示部13は、顧客に提案する住宅プラン等、各種情報を表示するもので、ディスプレイからなる。また、記憶部14は、住宅プラン提案処理に必要な各種情報を記憶するものである。
【0020】
次に、住宅プラン提案装置10により実行される住宅プラン提案処理の流れを
図2に基づいて説明する。
図2は、住宅プラン提案処理を示す機能ブロック図である。なお、住宅プラン提案装置10では、
図2中の各ブロック22,23,25,26.31~34が制御部11により実現され、各データベース21,24,27,28が記憶部14により構築されている。
【0021】
図2に示すように、ユニット配列プランデータベース21は、住宅(ユニット式住宅)における一階部分51及び二階部分52の建物ユニット40の配列であるユニット配列に関するユニット配列プランPuを記憶するものである。本実施形態では、住宅について複数のユニット配列プランPuが予め用意されており、具体的には3つのユニット配列プランPuが用意されている。そして、これら3つのユニット配列プランPuがユニット配列プランデータベース21に記憶されている。
【0022】
図3には、ユニット配列プランデータベース21に記憶されている3つのユニット配列プランPuが示されている。これらのユニット配列プランPuではいずれも、一階部分51における建物ユニット40の配列と、二階部分52における建物ユニット40の配列とが同じとなっている。
図3(a)に示すユニット配列プランPu(a)では、一階部分51及び二階部分52において建物ユニット40が3×2列に配列されている。
図3(b)に示すユニット配列プランPu(b)では、一階部分51及び二階部分52において建物ユニット40が4×1列に配列されている。したがって、これらのユニット配列プランPu(a),Pu(b)では、各建物ユニット40が全体として平面視矩形形状をなすように配列されている。
【0023】
図3(c)に示すユニット配列プランPu(c)では、一階部分51及び二階部分52において建物ユニット40が3×1列に配列されている。また、このユニット配列プランPu(c)では、さらに、3×1列で並ぶ建物ユニット40と隣接してもう1つ建物ユニット40が配置されている。これにより、ユニット配列プランPu(c)では、各建物ユニット40が全体として平面視L字状をなすように配列されている。
【0024】
以上より、各ユニット配列プランPuでは、いずれも住宅の外観がシンプルなものとなり、コスト低減が図れるようになっている。
【0025】
ユニット配列プラン表示部22は、ユニット配列プランデータベース21に記憶されている各ユニット配列プランPu(Pu(a)~Pu(c))を読み出して表示部13に表示させる。これにより、顧客に対して各ユニット配列プランPuを提示することができる。そのため、顧客は、これらのユニット配列プランPuから希望するプランを選択することが可能となる。
【0026】
ユニット配列プラン決定部23は、ユニット配列プラン表示部22により表示された各ユニット配列プランPuのうちいずれかを住宅のユニット配列プランとして決定する。ユニット配列プラン決定部23は、操作部12の操作によりいずれかのユニット配列プランPuが選択されると、選択されたユニット配列プランPuを住宅のユニット配列プランとして決定する。なお、操作部12による選択操作は、販売店の販売スタッフが行ってもよいし、顧客自らが行ってもよい。また、ユニット配列プラン決定部23がユニット配列プラン決定手段に相当する。
【0027】
階段位置プランデータベース24は、ユニット配列プランデータベース21に記憶されているユニット配列プランPuごとに、一階部分51と二階部分52とを連絡する階段部53の位置(詳しくは平面視における階段部の位置)に関する階段位置プランPkを記憶するものである。階段位置プランデータベース24には、ユニット配列プランPuごとに、ユニット配列プランPuに対応する複数の階段位置プランPkが記憶されている。本実施形態では、ユニット配列プランPuごとに2つの階段位置プランPkが記憶されている。
【0028】
図4には、階段位置プランデータベース24に記憶されている階段位置プランPkが例示されている。なお、
図4では、ユニット配列プランPu(a)(
図3(a)参照)に対応する2つの階段位置プランPkが示されている。
図4(a)に示す階段位置プランPk(a)では、階段部53が住宅の北東に位置しており、
図4(b)に示す階段位置プランPk(b)では、階段部53が住宅の南西に位置している。
【0029】
階段位置プラン表示部25は、ユニット配列プラン決定部23により決定されたユニット配列プランPuに対応する複数の階段位置プランPkを階段位置プランデータベース24から読み出し、表示部13に表示させる。例えば、ユニット配列プラン決定部23により決定されたユニット配列プランPuが、
図3(a)のユニット配列プランPu(a)である場合、そのユニット配列プランPu(a)に対応する2つの階段位置プランPk(a),Pk(b)(
図4(a),(b)参照)を読み出して、表示部13に表示させる。これにより、顧客に対して、ユニット配列プランPuに対応する各階段位置プランPkを提示することができる。そのため、顧客は、各階段位置プランPkから希望するプランを選択することが可能となる。
【0030】
階段位置プラン決定部26は、階段位置プラン表示部25により表示された各階段位置プランPkのうちいずれかを住宅の階段位置プランとして決定する。階段位置プラン決定部26は、操作部12の操作によりいずれかの階段位置プランPkが選択されると、選択された階段位置プランPkを住宅の階段位置プランとして決定する。なお、操作部12による選択操作は、販売店の販売スタッフが行ってもよいし、顧客自らが行ってもよい。
【0031】
一階間取りプランデータベース27は、住宅の一階部分51の間取りに関する一階間取りプランPm1(下階間取りプランに相当)を複数記憶するものである。一階間取りプランデータベース27には、ユニット配列プランデータベース21に記憶されているユニット配列プランPuごとに、ユニット配列プランPuに対応する複数の一階間取りプランPm1が記憶されている。具体的には、一階間取りプランデータベース27には、ユニット配列プランPuと階段位置プランPkとの組み合わせ(プラン組み合わせ)ごとに、プラン組み合わせに対応する複数の一階間取りプランPm1が記憶されている。本実施形態では、プラン組み合わせごとに4つの一階間取りプランPm1が記憶されている。
【0032】
図5には、一階間取りプランデータベース27に記憶されている一階間取りプランPm1が例示されている。
図5(a)~(d)には、ユニット配列プランPu(a)(
図3(a)参照)に対応する複数の一階間取りプランPm1が示されており、詳しくはユニット配列プランPu(a)と階段位置プランPk(a)(
図4(a)参照)との組み合わせに対応する4つの一階間取りプランPm1が示されている。したがって、これら4つの一階間取りプランPm1はいずれも、階段部53の位置が北東に位置するプランとなっている。
【0033】
二階間取りプランデータベース28は、住宅の二階部分52の間取りに関する二階間取りプランPm2(上階間取りプランに相当)を複数記憶するものである。二階間取りプランデータベース28には、ユニット配列プランデータベース21に記憶されているユニット配列プランPuごとに、ユニット配列プランPuに対応する複数の二階間取りプランPm2が記憶されている。具体的には、二階間取りプランデータベース28には、ユニット配列プランPuと階段位置プランPkとの組み合わせ(プラン組み合わせ)ごとに、プラン組み合わせに対応する複数の二階間取りプランPm2が記憶されている。本実施形態では、プラン組み合わせごとに4つの二階間取りプランPm2が記憶されている。
【0034】
図6には、二階間取りプランデータベース28に記憶されている二階間取りプランPm2が例示されている。
図6(a)~(d)には、ユニット配列プランPu(a)(
図3(a)参照)に対応する複数の二階間取りプランPm2が示されており、詳しくはユニット配列プランPu(a)と階段位置プランPk(a)(
図4(a)参照)との組み合わせに対応する4つの二階間取りプランPm2が示されている。したがって、これら4つの二階間取りプランPm2はいずれも、階段部53の位置が北東に位置するプランとなっている。
【0035】
なお、一階間取りプランデータベース27及び二階間取りプランデータベース28により間取りプラン記憶手段が構成されている。
【0036】
間取りプラン表示部29は、ユニット配列プラン決定部23により決定された住宅のユニット配列プランPuと、階段位置プラン決定部26により決定された住宅の階段位置プランPkとの組み合わせに対応する複数の一階間取りプランPm1を一階間取りプランデータベース27から読み出して表示部13に表示するとともに、上記組み合わせに対応する複数の二階間取りプランPm2を二階間取りプランデータベース28から読み出して表示部13に表示する。この場合、複数の一階間取りプランPm1と複数の二階間取りプランPm2とを表示部13に同時に表示してもよいし、順番に表示してもよい。
【0037】
例えば、ユニット配列プラン決定部23により決定された住宅のユニット配列プランPuがユニット配列プランPu(a)(
図3(a)参照)であり、階段位置プラン決定部26により決定された住宅の階段位置プランPkが階段位置プランPk(a)(
図4(a)参照)である場合には、間取りプラン表示部29は、ユニット配列プランPu(a)と階段位置プランPk(a)との組み合わせに対応する4つの一階間取りプランPm1(
図5(a)~(d)参照)を表示部13に表示するとともに、当該組み合わせに対応する4つの二階間取りプランPm2(
図6(a)~(d)参照)を表示部13に表示する。これにより、顧客に対して、ユニット配列プランPuと階段位置プランPkとの組み合わせに対応する一階間取りプランPm1及び二階間取りプランPm2をそれぞれ複数ずつ(4つずつ)提示することができる。そのため、顧客は、複数(4つ)の一階間取りプランPm1から希望するプランを選択することができるとともに、複数(4つ)の二階間取りプランPm2から希望するプランを選択することができる。したがって、この場合、顧客が選択できる一階間取りプランPm1と二階間取りプランPm2との組み合わせの数は4×4通り、つまり16通りとなる。
【0038】
間取りプラン決定部31は、間取りプラン表示部29により表示された複数の一階間取りプランPm1のうちいずれかを住宅の一階間取りプランとして決定するとともに、間取りプラン表示部29により表示された複数の二階間取りプランPm2のうちいずれかを住宅の二階間取りプランとして決定する。間取りプラン決定部31は、操作部12の操作によりいずれかの一階間取りプランPm1が選択されると、選択された一階間取りプランPm1を住宅の一階間取りプランとして決定する。また、操作部12の操作によりいずれかの二階間取りプランPm2が選択されると、選択された二階間取りプランPm2を住宅の二階間取りプランとして決定する。なお、操作部12による選択操作は、販売店の販売スタッフが行ってもよいし、顧客自らが行ってもよい。
【0039】
間取りプラン作成部32は、間取りプラン決定部31により決定された一階間取りプランと二階間取りプランとを組み合わせることにより、住宅の間取りプランを作成する。これにより、一階部分51と二階部分52とを含む住宅全体の間取りプランが作成される。なお、間取りプラン作成部32が間取りプラン作成手段に相当する。
【0040】
住宅プラン表示部33は、間取りプラン作成部32により作成された住宅の間取りプランを表示部13に表示させる。これにより、顧客に対して間取りプランを提示(提案)することができる。また、住宅プラン表示部33では、住宅のユニット配列プラン等も併せて表示部13に表示させる。
【0041】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0042】
ユニット式住宅では、各建物ユニット40の枠体48により建物躯体が構成され、その建物躯体により住宅に加わる荷重が支えられるようになっている。そのため、ユニット式住宅では、在来工法による住宅等と異なり、一階部分51と二階部分52とに跨って延びる通し柱や、間仕切壁により荷重を負担する構造とはなっていない。したがって、ユニット式住宅では、一階部分51及び二階部分52における建物ユニット40の配列が定まると、一階部分51及び二階部分52の間取りの種類に関わらず、住宅の耐荷重強度はおおよそ同じになるとみなすことができる。そこで、上記実施形態の住宅プラン提案装置10では、このような点に着目し、以下のような構成を備えている。
【0043】
本住宅プラン提案装置10によれば、住宅について一階部分51及び二階部分52における建物ユニット40の配列に関するユニット配列プランPuが予め用意され、そのユニット配列プランPuがユニット配列プランデータベース21に記憶されている。また、ユニット配列プランPuに対応する住宅の間取りプランとして、一階部分51における一階間取りプランPm1と、二階部分52における二階間取りプランPm2とがそれぞれ複数ずつ各間取りプランデータベース27,28に記憶されている。それら複数の一階間取りプランPm1と複数の二階間取りプランPm2とはいずれも、階段部53の位置が同じ位置とされたプランとなっている。そして、間取りプラン作成部32により、上記記憶された複数の一階間取りプランPm1のうちのいずれかと、複数の二階間取りプランPm2のうちのいずれかとが組み合わせられることにより、住宅の間取りプランが作成されるようになっている。この場合、一階間取りプランPm1と二階間取りプランPm2との組み合わせの数だけ、住宅の間取りプランのバリエーション(種類)を増やすことができる。そのため、顧客のニーズに応え易くすることができる。また、このように一階間取りプランPm1と二階間取りプランPm2との組み合わせにより住宅の間取りプランが作成される構成では、用意する一階間取りプランPm1及び二階間取りプランPm2の数自体は比較的少なくて済む。したがって、住宅の間取りプランの種類を増やす上で、大きな負荷とはならず、その結果、コストの低減を図ることができる。
【0044】
複数のユニット配列プランPuが予め用意され、それらユニット配列プランPuごとに、複数の一階間取りプランPm1と複数の二階間取りプランPm2とがそれぞれユニット配列プランPuに対応して各間取りプランデータベース27,28に記憶されている。また、ユニット配列プラン決定部23により複数のユニット配列プランPuのうちいずれかが住宅のユニット配列プランとして決定される。そして、間取りプラン作成部32により、上記決定されたユニット配列プランに対応する複数の一階間取りプランPm1のうちのいずれかと、上記決定されたユニット配列プランに対応する複数の二階間取りプランPm2のうちのいずれかとが組み合わせられることにより、住宅の間取りプランが作成される。この場合、住宅プランのバリエーションをより増やすことができるため、より顧客のニーズに応え易くすることができる。
【0045】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0046】
・上記実施形態では、3つのユニット配列プランPuを用意したが、用意するユニット配列プランPuの数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよいし、1つであってもよい。ただ、用意するユニット配列プランPuの数が増えると、その分コストの増大を招くことになるため、コスト低減の観点からすると、ユニット配列プランの数Puは1つ~3つとするのが望ましい。
【0047】
・上記実施形態では、ユニット配列プランPuごとに2つの階段位置プランPkを用意したが、用意する階段位置プランPkの数はユニット配列プランPuごとに3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。ただ、コスト低減の観点からすると、1つ又は2つとするのが望ましい。
【0048】
・上記実施形態では、ユニット配列プランPuごとに、詳しくはユニット配列プランPuと階段位置プランPkとの組み合わせごとに4つの一階間取りプランPm1を用意したが、用意する一階間取りプランPm1の数は上記組み合わせごとに2つ又は3つにしてもよいし、5つ以上にしてもよい。ただ、コスト低減の観点からすると、2つ~4つとするのが望ましい。
【0049】
また、二階間取りプランPm2についても同様に、上記組み合わせごとに、2つ又は3つ用意してもよいし、5つ以上用意してもよい。
【0050】
・上記実施形態では、本発明の住宅プラン提案システムを一の装置(具体的には、住宅プラン提案装置10)により構成したが、これを変更して、複数の装置により構成してもよい。例えば、住宅プラン提案システムを、住宅プラン提案装置と、当該装置とインターネット等の通信ネットワークを介して接続された外部装置とを有して構成してもよい。この場合、例えば、外部装置に、住宅プラン提案処理に必要な各種情報を記憶する記憶部(各データベース)を設け、その外部装置の記憶部から住宅プラン提案装置(制御部)が通信ネットワークを介して上記処理に必要な情報を読み出し、住宅プラン提案処理を実施するようにすることが考えられる。
【符号の説明】
【0051】
10…住宅プラン提案システムとしての住宅プラン提案装置、11…制御部、23…ユニット配列プラン決定手段としてのユニット配列プラン決定部、33…間取りプラン作成手段としての間取りプラン作成部、40…建物ユニット。