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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183293
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】電話加入局装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
H04M3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096828
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】520134430
【氏名又は名称】フリーデータジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】山中 直明
(72)【発明者】
【氏名】二木 均
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BB06
5K201CB05
5K201CB06
5K201EC01
5K201EC06
5K201ED06
5K201EE05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】音声通話用通信網を利用できないSIMのみを装着し音声データ通信を行う電話機をあたかも利用しているように、代替電話機を利用した電話サービスを実現する。
【解決手段】電話加入局装置は、第1電話番号と第2電話番号とを関連付けて記憶する記憶手段と、発呼側識別情報として第2電話番号と着呼側識別情報として第3電話番号とを含む第2電話機から第3電話機に対する通話要求を第2電話機から取得する手段と、通話要求に含まれる第2電話番号に関連付けられる第1電話番号を記憶手段から抽出する手段と、発呼側識別情報として電話番号抽出手段によって抽出される第1電話番号を含む通話要求を第3電話機へ転送する手段と、第3電話機が通話要求に応じた場合、第2電話機から取得する第3電話機宛の通話情報を第3電話機へ転送し、第3電話機から取得する第1電話機宛の通話情報を第2電話機へ転送する手段と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置であって、
前記第1電話機を識別する第1電話番号とユーザーが操作する第2電話機を識別する第2電話番号とを関連付けて記憶する置換情報記憶手段と、
着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段と、
発呼側識別情報として前記第2電話番号と着呼側識別情報として通話希望先である第3電話機を識別する第3電話番号とを含む前記第2電話機から前記第3電話機に対する第1通話要求を前記第2電話機から取得する第1通話要求取得手段と、
前記第1通話要求に含まれる前記第2電話番号に関連付けられる前記第1電話番号を前記置換情報記憶手段から抽出する電話番号抽出手段と、
前記発呼側識別情報として前記電話番号抽出手段によって抽出される前記第1電話番号を含む前記第1通話要求を、前記転送情報記憶手段において前記第3電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第3電話機へ転送する第1通話要求転送手段と、
前記第3電話機が前記第1通話要求に応じた場合、前記第2電話機から取得する前記第3電話機宛の第1通話情報を前記第3電話機へ転送し、前記第3電話機から取得する前記第1電話機宛の第2通話情報を前記第2電話機へ転送する通話仲介手段と、を有することを特徴とする電話加入局装置。
【請求項2】
音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置であって、
前記第1電話機を識別する第1電話番号とユーザーが操作する第2電話機を識別する第2電話番号とを関連付けて記憶する置換情報記憶手段と、
着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段と、
発呼側識別情報として前記第1電話機及び前記第2電話機以外の第3電話機を識別する第3電話番号と着呼側識別情報として前記第1電話番号とを含む前記第3電話機から前記第1電話機に対する第2通話要求を前記第3電話機から取得する第2通話要求取得手段と、
前記第2通話要求に含まれる前記第1電話番号に関連付けられる前記第2電話番号を前記置換情報記憶手段から抽出する電話番号抽出手段と、
前記発呼側識別情報として前記第3電話番号を含む前記第2通話要求を、前記転送情報記憶手段において前記第2電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第2電話機へ転送する第2通話要求転送手段と、
前記第2電話機が前記第2通話要求に応じた場合、前記第2電話機から取得する前記第3電話機宛の第1通話情報を前記第3電話機へ転送し、前記第3電話機から取得する前記第1電話機宛の第2通話情報を前記第2電話機へ転送する通話仲介手段と、を有することを特徴とする電話加入局装置。
【請求項3】
前記通話仲介手段が処理を行う場合、前記第1電話機に関する電話サービスとして課金を行う課金手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電話加入局装置。
【請求項4】
音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置が行う電話転送方法であって、
第1通話要求取得手段が、発呼側識別情報としてユーザーが操作する第2電話機を識別する第2電話番号と着呼側識別情報として通話希望先である第3電話機を識別する第3電話番号とを含む前記第2電話機から前記第3電話機に対する第1通話要求を前記第2電話機から取得するステップと、
電話番号抽出手段が、前記第1電話機を識別する第1電話番号と前記第2電話番号とを関連付けて記憶する置換情報記憶手段から、前記第1通話要求に含まれる前記第2電話番号に関連付けられる前記第1電話番号を抽出するステップと、
第1通話要求転送手段が、前記発呼側識別情報として前記電話番号抽出手段によって抽出される前記第1電話番号を含む前記第1通話要求を、着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段において前記第3電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第3電話機へ転送するステップと、
前記第3電話機が前記第1通話要求に応じた場合、通話仲介手段が、前記第2電話機から取得する前記第3電話機宛の第1通話情報を前記第3電話機へ転送し、前記第3電話機から取得する前記第1電話機宛の第2通話情報を前記第2電話機へ転送するステップと、を含む電話転送方法。
【請求項5】
音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置が行う電話転送方法であって、
第2通話要求取得手段が、発呼側識別情報として前記第1電話機及びユーザーが操作する第2電話機以外の第3電話機を識別する第3電話番号と着呼側識別情報として前記第1電話機を識別する第1電話番号とを含む前記第3電話機から前記第1電話機に対する第2通話要求を前記第3電話機から取得するステップと、
電話番号抽出手段が、前記第1電話番号と前記第2電話機を識別する第2電話番号とを関連付けて記憶する置換情報記憶手段から、前記第2通話要求に含まれる前記第1電話番号に関連付けられる前記第2電話番号を抽出するステップと、
第2通話要求転送手段が、前記発呼側識別情報として前記第3電話番号を含む前記第2通話要求を、着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段において前記第2電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第2電話機へ転送するステップと、
前記第2電話機が前記第2通話要求に応じた場合、通話仲介手段が、前記第2電話機から取得する前記第3電話機宛の第1通話情報を前記第3電話機へ転送し、前記第3電話機から取得する前記第1電話機宛の第2通話情報を前記第2電話機へ転送するステップと、を含む電話転送方法。
【請求項6】
前記通話仲介手段が処理を行う場合、課金手段が、前記第1電話機に関する電話サービスとして課金を行うステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の電話転送方法。
【請求項7】
コンピューターに、請求項4乃至6の何れか一に記載の方法を実行させるための電話転送プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯データ通信網を利用する電話装置及び電話加入局装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、固定電話の契約者数が大きく減少する一方、携帯電話・IP電話の契約者数が増加傾向にある中、間もなくアナログ電話回線であるPSTN(General Switched Telephone Networks、公衆交換電話網)が廃止される予定である。
【0003】
そのような背景下、アナログ電話回線が廃止されても、ユーザーが使用するアナログ固定電話から、代替手段として負担感なく乗り換えることができる電話装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1で開示される電話装置は、音声通話用通信網を利用できないSIM(Subscriber Identity Module)のみを装着・利用して音声データ通信を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6894154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記の従来技術を提供する電話加入局装置(SIP(Session Initiation Protocol)サーバーを含む)において、上記電話機をあたかも利用しているようにして、代替電話機で電話を掛けたり受けたりすることができる環境があればさらに便利である。
【0006】
従って、本発明においては、上記のニーズに鑑み、音声通話用通信網を利用できないSIMのみを装着し音声データ通信を行う電話機をあたかも利用しているように、代替電話機を利用した電話サービスを実現する電話加入局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する電話加入局装置の一形態は、音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置であって、前記第1電話機を識別する第1電話番号とユーザーが操作する第2電話機を識別する第2電話番号とを関連付けて記憶する置換情報記憶手段と、着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段と、発呼側識別情報として前記第2電話番号と着呼側識別情報として通話希望先である第3電話機を識別する第3電話番号とを含む前記第2電話機から前記第3電話機に対する第1通話要求を前記第2電話機から取得する第1通話要求取得手段と、前記第1通話要求に含まれる前記第2電話番号に関連付けられる前記第1電話番号を前記置換情報記憶手段から抽出する電話番号抽出手段と、前記発呼側識別情報として前記電話番号抽出手段によって抽出される前記第1電話番号を含む前記第1通話要求を、前記転送情報記憶手段において前記第3電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第3電話機へ転送する第1通話要求転送手段と、前記第3電話機が前記第1通話要求に応じた場合、前記第2電話機から取得する前記第3電話機宛の第1通話情報を前記第3電話機へ転送し、前記第3電話機から取得する前記第1電話機宛の第2通話情報を前記第2電話機へ転送する通話仲介手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する電話加入局装置は、音声通話用通信網を利用できないSIMのみを装着し音声データ通信を行う電話機をあたかも利用しているように、代替電話機を利用した電話サービスを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る電話加入局装置の概要を示す図である。
図2】本実施の形態に係る電話加入局装置の機能ブロック図(その1)である。
図3】本実施の形態に係る電話加入局装置の機能ブロック図(その2)である。
図4】本実施の形態に係る置換情報記憶手段の一例を示す図である。
図5】本実施の形態に係る発信元情報記憶手段の一例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る制御指示情報記憶手段の一例を示す図である。
図7】本実施の形態に係る電話加入局装置のハードウエア構成例を示す図である。
図8】本実施の形態に係る電話加入局装置による転送架電処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本実施の形態に係る電話加入局装置による転送受電処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本実施の形態に係る電話加入局装置による複数番号の使い分け発信処理の流れを示すフローチャートである。
図11】本実施の形態に係る電話加入局装置による着信時制御処理(その1)の流れを示すフローチャートである。
図12】本実施の形態に係る電話加入局装置による着信時制御処理(その2)の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る電話加入局装置の動作原理)
【0011】
図1乃至6を用いて、本実施の形態に係る電話加入局装置(以下、単に「本装置」という。)100の動作原理について説明する。図1は、本装置100と他装置との接続関係を示す図であり、図2及び3は、本装置100の機能ブロック図を示す図であり、図4乃至6は、各記憶手段110、130、140の一例を示す図である。
【0012】
本装置100は、通信ネットワーク530を介して、第1電話機350、第2電話機370、第3電話機390と接続される。通信ネットワーク530は、有線・無線を問わず、どの様な通信ネットワークであっても良い。本装置100は、第1電話機350、第2電話機370、第3電話機390に、電話サービスを提供するための装置である。本装置100は、SIPサーバーを含む概念である。
【0013】
第1電話機350は、特許第6894154号の電話機であり、データSIM(Subscriber Identity Module)、クラウドSIM、eSIMの何れかを装着し、携帯データ通信網330を介して、データ通信を行う。第1電話機350に、音声SIMは装着されない。
【0014】
第1電話機350は、音声通話用通信網を利用できないSIM320を利用して音声データ通信を行う、持ち運ばず固定的に設置して使用する電話装置であって、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIM320と、前記音声通話用通信網を除く携帯データ通信網との音声データ通信を行う電話装置本体と、該電話装置本体に接続され、マイク及びスピーカーを備える受話器と、前記携帯データ通信網330に対し、発呼側識別情報410として当該電話装置350を識別する第1電話番号360を含み、かつ、着呼側識別情報420として通話希望先である第2電話装置340を識別する第2電話番号を含む、当該電話装置350から前記第2電話装置340に対する第1通話要求を、SIP(Session Initiation Protocol)サーバー100宛に送信する通話要求送信手段と、前記SIPサーバー100から通知され、発呼側識別情報410として前記第2電話番号を含む前記第2電話装置340から当該電話装置350に対する第2通話要求を、前記携帯データ通信網330から取得する通話要求取得手段と、前記第1通話要求又は前記第2通話要求に基づいて、前記携帯データ通信網330を通じて、前記第2電話装置340と音声通話を行う音声通話手段と、を有し、音声通話用通信網を利用可能なSIM310を具備しない電話装置である。
【0015】
第1電話機350は、携帯データ通信網330を介して、SIPサーバー、SIPゲートウェイ、通話希望先340と接続される。携帯データ通信網330は、通信キャリアが提供する通信網であって、音声通話用通信網とは異なる、データ通信専用の通信網である。
【0016】
SIPサーバーは、一般的な機能を備えるSIPサーバーであり、電話番号などの利用者の識別情報とIP(Internet Protocol)アドレスなどのネットワーク上の所在情報430とを対応付けるデータを管理し、発信者と通話先の間で発呼情報の仲介(呼制御)を行なう。なお、IP電話端末350は、ネットワークに接続されると自らの電話番号360とIPアドレス430をSIPサーバーへ知らせる。発呼側端末350は、SIPサーバーへ、通話希望先340のアドレスを訪ね、発信通知を送る。そして、SIPサーバーは、通話希望先340に発信通知を転送し、通話希望先340により許諾されると、発呼側端末350と通話希望先340とが通信を開始する。発呼側端末350と通話希望先340との接続確立後の通信にSIPサーバーは関与せず、端末同士がサーバーやクライアントなどの役割の区別なく対等な立場で、相互にデータを送受信する。
【0017】
第2電話機370は、ユーザー520が操作する、転送機能を利用する電話機であり、例えば、出張先の固定電話や携帯電話などである。第3電話機390は、第1電話機350及び第2電話機370以外の電話機であり、特筆すべき特徴を有していなくても良い。
本装置100は、第1電話機350をあたかも利用しているようにして、第2電話機370を利用した電話サービスを実現する。
【0018】
図2及び3で示すように、本装置100は、置換情報記憶手段110、転送情報記憶手段120、発信元情報記憶手段130、制御指示情報記憶手段140、第1通話要求取得手段150、第2通話要求取得手段160、電話番号抽出手段170、第1通話要求転送手段180、第2通話要求転送手段190、通話仲介手段200、課金手段210、発信元情報抽出手段220、制御指示情報抽出手段230を有する。
【0019】
置換情報記憶手段110は、第1電話機350を識別する第1電話番号360と、ユーザー520が操作する第2電話機370を識別する第2電話番号380と、を関連付けて記憶する。図4で示すように、置換情報記憶手段110は、例えば、第1電話番号360としての“03-1234-5678”と、第2電話番号380としての“06-8765-4321”と、を関連付けて記憶する。
【0020】
転送情報記憶手段120は、着呼側識別情報420としての電話番号と、通信ネットワーク530上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)430と、を関連付けて記憶する。転送情報記憶手段120が記憶する情報は、例えば、SIPサーバーが管理する情報と考えても良い。
【0021】
発信元情報記憶手段130は、電話の発信元を識別する情報である発信元識別情報480と、電話の発信元である電話機を識別する電話番号である発信元電話番号490と、を関連付けて記憶する。発信元識別情報480は、電話番号以外の識別情報であり、その形態は特に限定しない。図5で示すように、発信元情報記憶手段130は、例えば、発信元識別情報480としての“#1”と、発信元電話番号490としての“03-1111-2222”と、を関連付けて記憶する。
【0022】
制御指示情報記憶手段140は、着信先(着呼側)の電話機を識別する着信先電話番号500と、着信先(着呼側)の電話機に実行させる処理内容を規定する制御指示情報510と、を関連付けて記憶する。また、制御指示情報記憶手段140は、発信元(発呼側)の電話機を識別する発信元電話番号490と、着信先(着呼側)の電話機に実行させる処理内容を規定する制御指示情報510と、を関連付けて記憶する。なお、着信先(着呼側)の電話機とは、第1電話機350を想定している。
【0023】
制御指示情報510は、例えば、プープープーと短い信号を発したり、ナンバーディスプレイを備えていれば、それに所定情報を表示したり、受話器を上げると「#3への通話です」などとアナウンスしたりする処理内容を規定する情報である。また、制御指示情報510は、例えば、おばあちゃん(第1電話機350)に娘(第3電話機390)からの着信であれば、自動でスピーカーフォンとしたり、着信拒否したりする処理内容を規定する情報である。
【0024】
図6で示すように、制御指示情報記憶手段140は、例えば、着信先電話番号500としての“03-1111-2222”と、制御指示情報510として“情報処理A”と、を関連付けて記憶する。また、制御指示情報記憶手段140は、例えば、発信元電話番号490としての“03-3333-4444”と、制御指示情報510として“情報処理C”と、を関連付けて記憶する。
【0025】
第1通話要求取得手段150は、発呼側識別情報410として第2電話番号360と、着呼側識別情報420として通話希望先である第3電話機390を識別する第3電話番号400と、を含む第1通話要求440を取得する。第1通話要求440は、第2電話機370から第3電話機390に対する通話要求であり、第1通話要求取得手段150は、第1通話要求440を、第2電話機370から取得する。
【0026】
また、第1通話要求取得手段150は、発信元識別情報480と、着呼側識別情報420としての第3電話番号400と、を含む第1通話要求440を取得する形態としても良い。第1通話要求取得手段150は、第1通話要求440を、第1電話機350から携帯データ通信網330を介して取得する。この第1通話要求440は、第1電話機350から第3電話機390に対する通話要求である。
【0027】
第2通話要求取得手段160は、発呼側識別情報410として第3電話番号400と、着呼側識別情報420として第1電話番号360と、を含む第2通話要求460を第3電話機390から取得する。第2通話要求460は、第3電話機390から第1電話機350に対する通話要求である。
【0028】
また、第2通話要求取得手段160は、発呼側識別情報410として第3電話番号400と、着呼側識別情報420として着信先電話番号500と、を含む第2通話要求460を、第3電話機390から取得する形態としても良い。ここでの第2通話要求460は、第3電話機390から第1電話機350に対する通話要求である。
【0029】
電話番号抽出手段170は、第1通話要求440に含まれる第2電話番号380に関連付けられる第1電話番号360を、置換情報記憶手段110から抽出する。図4で示すように、電話番号抽出手段170は、例えば、第1通話要求440に含まれる第2電話番号380が“06-8765-4321”の場合、この“06-8765-4321”に関連付けられる第1電話番号360として“03-1234-5678”を、置換情報記憶手段110から抽出する。
【0030】
また、電話番号抽出手段170は、第2通話要求460に含まれる第1電話番号360に関連付けられる第2電話番号380を、置換情報記憶手段110から抽出する形態としても良い。図4で示すように、電話番号抽出手段170は、例えば、第2通話要求460に含まれる第1電話番号360が“045-123-4567”の場合、この“045-123-4567”に関連付けられる第2電話番号380として“092-876-5432”を、置換情報記憶手段110から抽出する。
【0031】
第1通話要求転送手段180は、発呼側識別情報410として電話番号抽出手段170によって抽出される第1電話番号360を含む第1通話要求440を、転送情報記憶手段120において第3電話番号400と関連付けられる所在情報430に基づいて、第3電話機390へ転送する。
【0032】
また、第1通話要求転送手段180は、発呼側識別情報410として発信元情報抽出手段220によって抽出される発信元電話番号490を含む第1通話要求440を、転送情報記憶手段120において第3電話番号400と関連付けられる所在情報430に基づいて、第3電話機390へ転送する形態としても良い。
第1通話要求転送手段180は、SIPサーバーとして行う処理である。
【0033】
第2通話要求転送手段190は、発呼側識別情報410として第3電話番号400を含む第2通話要求460を、転送情報記憶手段120において第2電話番号380と関連付けられる所在情報430に基づいて、第2電話機370へ転送する。
【0034】
また、第2通話要求転送手段190は、発呼側識別情報410として第3電話番号400を含む第2通話要求460と、制御指示情報抽出手段230によって抽出される制御指示情報510と、を、転送情報記憶手段120において第1電話番号360と関連付けられる所在情報430に基づいて、第1電話機350へ転送する形態としても良い。このとき、第2通話要求転送手段190は、第1電話機350に制御指示情報510を実行させる。
第2通話要求転送手段190は、SIPサーバーとして行う処理を含むものである。
【0035】
通話仲介手段200は、第3電話機390が第1通話要求440に応じる場合、第2電話機370から取得する第3電話機390宛の第1通話情報450を第3電話機390へ転送する。それに加えて、通話仲介手段200は、第3電話機390から取得する第1電話機350宛の第2通話情報470を第2電話機370へ転送する。
【0036】
また、通話仲介手段200は、第2電話機370が第2通話要求460に応じる場合、第2電話機370から取得する第3電話機390宛の第1通話情報450を第3電話機390へ転送する形態としても良い。それに加えて、通話仲介手段200は、第3電話機390から取得する第1電話機350宛の第2通話情報470を第2電話機370へ転送する。
【0037】
また、通話仲介手段200は、第3電話機390が第1通話要求440に応じる場合、第1通話要求440に基づいて、携帯データ通信網330を通じて、第1電話機350・第3電話機390間における音声情報の授受を仲介する形態としても良い。
【0038】
また、通話仲介手段200は、第1電話機350が第2通話要求460に応じる場合、第2通話要求460に基づいて、携帯データ通信網330を通じて、第1電話機350・第3電話機390間における音声情報の授受を仲介する形態としても良い。
課金手段210は、通話仲介手段200が上記のような処理を行う場合、第1電話機350に関する電話サービスとして課金を行う。
【0039】
また、課金手段210は、通話仲介手段200が上記のような処理を行う場合、発信元電話番号490に関する電話サービスとして課金を行う形態としても良い。
【0040】
発信元情報抽出手段220は、第1通話要求440に含まれる発信元識別情報480に関連付けられる発信元電話番号490を、発信元情報記憶手段130から抽出する。
【0041】
図5で示すように、発信元情報抽出手段220は、例えば、発信元識別情報480が“#1”の場合、この“#1”に関連付けられる発信元電話番号490として“03-1111-2222”を、発信元情報記憶手段130から抽出する。
【0042】
制御指示情報抽出手段230は、第2通話要求460に含まれる着信先電話番号500に関連付けられる制御指示情報510を、制御指示情報記憶手段140から抽出する。
【0043】
図6で示すように、制御指示情報抽出手段230は、例えば、着信先電話番号500がが“03-1111-2222”の場合、この“03-1111-2222”に関連付けられる制御指示情報510として“情報処理A”を、制御指示情報記憶手段140から抽出する。
【0044】
また、制御指示情報抽出手段230は、第2通話要求460に含まれる発信元電話番号490に関連付けられる制御指示情報510を、制御指示情報記憶手段140から抽出する形態としても良い。
【0045】
図6で示すように、制御指示情報抽出手段230は、例えば、発信元電話番号490がが“03-3333-4444”の場合、この“03-3333-4444”に関連付けられる制御指示情報510として“情報処理C”を、制御指示情報記憶手段140から抽出する。
【0046】
本装置100は、上記した動作原理に基づいて、音声通話用通信網を利用できないSIM320のみを装着し音声データ通信を行う電話機350をあたかも利用しているように、代替電話機370を利用した電話サービスを実現する。
(本実施の形態に係る電話加入局装置のハードウエア構成)
【0047】
図7を用いて、本装置100のハードウエア構成例について説明する。図7は、本装置100のハードウエア構成の一例を示す図である。図7で示すように、本装置100は、CPU(Central Processing Unit)610、ROM(Read-Only Memory)620、RAM(Random Access Memory)630、補助記憶装置640、通信I/F650、入力装置660、出力装置(表示装置)670、記録媒体I/F680を有する。
【0048】
CPU610は、ROM620に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM630に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、本装置100全体を制御する。ROM620は、CPU610が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM630は、CPU610でROM620に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0049】
補助記憶装置640は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0050】
通信I/F650は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク530に接続し、通信機能を提供する他装置350、370、390とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0051】
入力装置660は、キーボードやタッチパネルなど本装置100にデータ入力を行うための装置である。出力装置670は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、本装置100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。
記録媒体I/F680は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記録媒体690とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0052】
本装置100が有する各手段は、CPU610が、ROM620又は補助記憶装置640に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、本装置100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F650を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記録媒体I/F680を介して記録媒体490から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本装置100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る電話加入局装置による処理の流れ)
(1)本装置100による転送架電処理
図8を用いて、本装置100による転送架電処理について説明する。図8は、本装置100による転送架電処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0053】
S10で第1通話要求取得手段150が、発呼側識別情報410としての第2電話番号360と、着呼側識別情報420としての第3電話番号400と、を含む第1通話要求440を、第2電話機380から取得する。第1通話要求440は、第2電話機370から第3電話機390に対する通話要求である。
【0054】
S20で電話番号抽出手段170が、S10において取得する第1通話要求440に含まれる第2電話番号380に関連付けられる第1電話番号360を、置換情報記憶手段110から抽出する。
【0055】
図4で示すように、電話番号抽出手段170は、例えば、第1通話要求440に含まれる第2電話番号380が“06-8765-4321”の場合、この“06-8765-4321”に関連付けられる第1電話番号360として“03-1234-5678”を、置換情報記憶手段110から抽出する。
【0056】
S30で第1通話要求転送手段180が、S10において取得する第1通話要求440に含まれる第3電話番号400と転送情報記憶手段120において関連付けられる所在情報430を抽出する。
【0057】
S40で第1通話要求転送手段180が、発呼側識別情報410としてS20において抽出される第1電話番号360を含む第1通話要求440を、S30において抽出される所在情報430に基づいて、第3電話機390へ転送する。
【0058】
S50で第3電話機390が第1通話要求440に応じる場合、通話仲介手段200が、第2電話機370から取得する第3電話機390宛の第1通話情報450を第3電話機390へ転送する。それに加えて、通話仲介手段200は、第3電話機390から取得する第1電話機350宛の第2通話情報470を第2電話機370へ転送する。
また、S50で通話仲介手段200による通話処理が行われる場合、課金手段210が、第1電話機350に関する電話サービスとして課金を行う。
【0059】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、音声通話用通信網を利用できないSIM320のみを装着し音声データ通信を行う電話機350をあたかも利用しているように、代替電話機370を利用した電話サービスを実現する。
(2)本装置100による転送受電処理
図9を用いて、本装置100による転送架電処理について説明する。図9は、本装置100による転送受電処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0060】
S110で第2通話要求取得手段160が、発呼側識別情報410としての第3電話番号400と、着呼側識別情報420としての第1電話番号360と、を含む第2通話要求460を、第3電話機390から取得する。第2通話要求460は、第3電話機390から第1電話機350に対する通話要求である。
【0061】
S120で電話番号抽出手段170が、S110において取得する第2通話要求460に含まれる第1電話番号360に関連付けられる第2電話番号380を、置換情報記憶手段110から抽出する。
【0062】
図4で示すように、電話番号抽出手段170は、例えば、第2通話要求460に含まれる第1電話番号360が“045-123-4567”の場合、この“045-123-4567”に関連付けられる第2電話番号380として“092-876-5432”を、置換情報記憶手段110から抽出する。
【0063】
S130で第2通話要求転送手段190が、S120において抽出する第2電話番号380と転送情報記憶手段120において関連付けられる所在情報430を抽出する。
【0064】
S140で第2通話要求転送手段190が、発呼側識別情報410として第3電話番号400を含む第2通話要求460を、S130において抽出される所在情報430に基づいて、第2電話機370へ転送する。
【0065】
S150で第2電話機370が第2通話要求460に応じる場合、通話仲介手段200が、第2電話機370から取得する第3電話機390宛の第1通話情報450を第3電話機390へ転送する。それに加えて、通話仲介手段200は、第3電話機390から取得する第1電話機350宛の第2通話情報470を第2電話機370へ転送する。
また、S150で通話仲介手段200による通話処理が行われる場合、課金手段210が、第1電話機350に関する電話サービスとして課金を行う。
【0066】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、音声通話用通信網を利用できないSIM320のみを装着し音声データ通信を行う電話機350をあたかも利用しているように、代替電話機370を利用した電話サービスを実現する。
(3)本装置100による複数番号の使い分け発信処理
【0067】
図10を用いて、本装置100による複数番号の使い分け発信処理について説明する。図10は、本装置100による複数番号の使い分け発信処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0068】
S210で第1通話要求取得手段150が、発信元識別情報480と、着呼側識別情報420としての第3電話番号400と、を含む第1通話要求440を取得する。第1通話要求取得手段150は、第1通話要求440を、第1電話機350から携帯データ通信網330を介して取得する。この第1通話要求440は、第1電話機350から第3電話機390に対する通話要求である。
【0069】
S220で発信元情報抽出手段220が、S210において取得する第1通話要求440に含まれる発信元識別情報480に関連付けられる発信元電話番号490を、発信元情報記憶手段130から抽出する。
【0070】
図5で示すように、発信元情報抽出手段220は、例えば、発信元識別情報480が“#1”の場合、この“#1”に関連付けられる発信元電話番号490として“03-1111-2222”を、発信元情報記憶手段130から抽出する。
【0071】
S230で第1通話要求転送手段180が、S210において取得する第1通話要求440に含まれる第3電話番号400と、転送情報記憶手段120において関連付けられる所在情報430を抽出する。
【0072】
S240で第1通話要求転送手段180が、発呼側識別情報410としてS220において抽出される発信元電話番号490を含む第1通話要求440を、S230において抽出される所在情報430に基づいて、第3電話機390へ転送する。
【0073】
S250で第3電話機390が第1通話要求440に応じる場合、通話仲介手段200が、第1通話要求440に基づいて、携帯データ通信網330を通じて、第1電話機350・第3電話機390間における音声情報の授受を仲介する。
また、通話仲介手段200が上記のような処理を行う場合、S250で課金手段210が、発信元電話番号490に関する電話サービスとして課金を行う。
【0074】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、音声通話用通信網を利用できないSIM320のみを装着し音声データ通信を行う電話機350において、複数の電話番号を使い分けて発信できる電話サービスを実現する。
(4)本装置100による着信時制御処理(その1)
【0075】
図11を用いて、本装置100による着信時制御処理(その1)について説明する。図11は、本装置100による着信時制御処理(その1)の一例の流れを示すフローチャートである。
【0076】
S310で第2通話要求取得手段160が、発呼側識別情報410として第3電話番号400と、着呼側識別情報420として着信先電話番号500と、を含む第2通話要求460を、第3電話機390から取得する。この第2通話要求460は、第3電話機390から第1電話機350に対する通話要求である。
【0077】
S320で制御指示情報抽出手段230が、S310において取得する第2通話要求460に含まれる着信先電話番号500に関連付けられる制御指示情報510を、制御指示情報記憶手段140から抽出する。
【0078】
図6で示すように、制御指示情報抽出手段230は、例えば、着信先電話番号500がが“03-1111-2222”の場合、この“03-1111-2222”に関連付けられる制御指示情報510として“情報処理A”を、制御指示情報記憶手段140から抽出する。
【0079】
S330で第2通話要求転送手段190が、S310において取得する第2通話要求460に含まれる第1電話番号360と転送情報記憶手段120において関連付けられる所在情報430を抽出する。
【0080】
S340で第2通話要求転送手段190が、発呼側識別情報410として第3電話番号400を含む第2通話要求460と、S320において抽出される制御指示情報510と、を、S330において抽出した所在情報430に基づいて、第1電話機350へ転送する。このとき、第2通話要求転送手段190は、第1電話機350に、転送する制御指示情報510を実行させる。
【0081】
S350で第1電話機350が第2通話要求460に応じる場合、通話仲介手段200が、第2通話要求460に基づいて、携帯データ通信網330を通じて、第1電話機350・第3電話機390間における音声情報の授受を仲介する。
【0082】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、音声通話用通信網を利用できないSIM320のみを装着し音声データ通信を行う電話機350において、着信側(着呼側)である電話機の識別情報に応じた制御が可能な電話サービスを実現する。
(5)本装置100による着信時制御処理(その2)
【0083】
図10を用いて、本装置100による着信時制御処理(その2)について説明する。図10は、本装置100による着信時制御処理(その2)の一例の流れを示すフローチャートである。
【0084】
S410で第2通話要求取得手段160が、発呼側識別情報410として第3電話番号400と、着呼側識別情報420として着信先電話番号500と、を含む第2通話要求460を、第3電話機390から取得する。この第2通話要求460は、第3電話機390から第1電話機350に対する通話要求である。
【0085】
S420で制御指示情報抽出手段230が、S410において取得する第2通話要求460に含まれる発信元電話番号490に関連付けられる制御指示情報510を、制御指示情報記憶手段140から抽出する。
【0086】
図6で示すように、制御指示情報抽出手段230は、例えば、発信元電話番号490がが“03-3333-4444”の場合、この“03-3333-4444”に関連付けられる制御指示情報510として“情報処理C”を、制御指示情報記憶手段140から抽出する。
【0087】
S430で第2通話要求転送手段190が、S410において取得する第2通話要求460に含まれる第1電話番号360と転送情報記憶手段120において関連付けられる所在情報430を抽出する。
【0088】
S440で第2通話要求転送手段190が、発呼側識別情報410として第3電話番号400を含む第2通話要求460と、S420において抽出される制御指示情報510と、を、S430において抽出される所在情報430に基づいて、第1電話機350へ転送する。このとき、第2通話要求転送手段190は、第1電話機350に、転送する制御指示情報510を実行させる。
【0089】
S450で第1電話機350が第2通話要求460に応じる場合、通話仲介手段200が、第2通話要求460に基づいて、携帯データ通信網330を通じて、第1電話機350・第3電話機390間における音声情報の授受を仲介する。
【0090】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、音声通話用通信網を利用できないSIM320のみを装着し音声データ通信を行う電話機350において、発信側(発呼側)である電話機の識別情報に応じた制御が可能な電話サービスを実現する。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
(付記1)
【0092】
音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置であって、
発信元識別情報と、発信元である電話機を識別する発信元電話番号と、を関連付けて記憶する発信元情報記憶手段と、
【0093】
着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段と、
【0094】
前記発信元識別情報と前記着呼側識別情報として通話希望先である前記第3電話機を識別する第3電話番号とを含む前記第1電話機から前記第3電話機に対する第1通話要求を、前記第1電話機から前記携帯データ通信網を介して取得する第1通話要求取得手段と、
前記第1通話要求に含まれる前記発信元識別情報に関連付けられる前記発信元電話番号を前記発信元情報記憶手段から抽出する発信元情報抽出手段と、
【0095】
前記発呼側識別情報として前記発信元情報抽出手段によって抽出される前記発信元電話番号を含む前記第1通話要求を、前記転送情報記憶手段において前記第3電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第3電話機へ転送する第1通話要求転送手段と、
【0096】
前記第3電話機が前記第1通話要求に応じた場合、前記第1通話要求に基づいて、前記携帯データ通信網を通じて、前記第1電話機・前記第3電話機間における音声情報の授受を仲介する通話仲介手段と、を有することを特徴とする電話加入局装置。
(付記2)
【0097】
前記通話仲介手段が処理を行う場合、前記発信元電話番号に関する電話サービスとして課金を行う課金手段を有することを特徴とする付記1に記載の電話加入局装置。
(付記3)
【0098】
音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置であって、
【0099】
着信先の電話機を識別する着信先電話番号と、着信先の電話機に実行させる処理内容を規定する制御指示情報と、を関連付けて記憶する制御指示情報記憶手段と、
【0100】
着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段と、
【0101】
発呼側識別情報として前記第1電話機と異なる第3電話機を識別する第3電話番号と着呼側識別情報として前記着信先電話番号とを含む前記第3電話機から前記第1電話機に対する第2通話要求を前記第3電話機から取得する第2通話要求取得手段と、
前記第2通話要求に含まれる前記着信先電話番号に関連付けられる前記制御指示情報を前記制御指示情報記憶手段から抽出する制御指示情報抽出手段と、
【0102】
前記発呼側識別情報として前記第3電話番号を含む前記第2通話要求と制御指示情報抽出手段によって抽出される前記制御指示情報とを、前記転送情報記憶手段において前記第1電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第1電話機へ転送し、前記第1電話機に前記制御指示情報を実行させる第2通話要求転送手段と、
【0103】
前記第1電話機が前記第2通話要求に応じた場合、前記第2通話要求に基づいて、前記携帯データ通信網を通じて、前記第1電話機・前記第3電話機間における音声情報の授受を仲介する通話仲介手段と、を有することを特徴とする電話加入局装置。
(付記4)
【0104】
音声通話用通信網を利用可能なSIM(Subscriber Identity Module)を具備せず、音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIMを具備し、前記音声通話用通信網を利用できないSIMを利用して音声データ通信を行う第1電話機と前記携帯データ通信網を介して接続され、通話希望先に対する前記第1電話機による通話要求を前記通話希望先に通知し、前記第1電話機に対する通話要求を前記第1電話機に通知し、前記第1電話機・他の電話機間における発呼情報の仲介を行う電話加入局装置であって、
【0105】
発信元の電話機を識別する発信元電話番号と、着信先の電話機に実行させる処理内容を規定する制御指示情報と、を関連付けて記憶する制御指示情報記憶手段と、
【0106】
着呼側識別情報としての電話番号と通信ネットワーク上の所在情報(IP(Internet Protocol)アドレスを含む)とを関連付けて記憶する転送情報記憶手段と、
【0107】
発呼側識別情報として前記第1電話機と異なる第3電話機を識別する第3電話番号と着呼側識別情報として前記第1電話番号とを含む前記第3電話機から前記第1電話機に対する第2通話要求を前記第3電話機から取得する第2通話要求取得手段と、
前記第2通話要求に含まれる前記発信元電話番号に関連付けられる前記制御指示情報を前記制御指示情報記憶手段から抽出する制御指示情報抽出手段と、
【0108】
前記発呼側識別情報として前記第3電話番号を含む前記第2通話要求と制御指示情報抽出手段によって抽出される前記制御指示情報とを、前記転送情報記憶手段において前記第1電話番号と関連付けられる前記所在情報に基づいて、前記第1電話機へ転送し、前記第1電話機に前記制御指示情報を実行させる第2通話要求転送手段と、
【0109】
前記第1電話機が前記第2通話要求に応じた場合、前記第2通話要求に基づいて、前記携帯データ通信網を通じて、前記第1電話機・前記第3電話機間における音声情報の授受を仲介する通話仲介手段と、を有することを特徴とする電話加入局装置。
【符号の説明】
【0110】
100 電話加入局装置
110 置換情報記憶手段
120 転送情報記憶手段
130 発信元情報記憶手段
140 制御指示情報記憶手段
150 第1通話要求取得手段
160 第2通話要求取得手段
170 電話番号抽出手段
180 第1通話要求転送手段
190 第2通話要求転送手段
200 通話仲介手段
210 課金手段
220 発信元情報抽出手段
230 制御指示情報抽出手段
310 音声通話用通信網を利用可能なSIM
320 音声通話用通信網を利用できない、携帯データ通信網のみ使用するSIM
330 携帯データ通信網
340 通話希望先
350 第1電話機
360 第1電話番号
370 第2電話機
380 第2電話番号
390 第3電話機
400 第3電話番号
410 発呼側識別情報
420 着呼側識別情報
430 通信ネットワーク上の所在情報
440 第1通話要求
450 第1通話情報
460 第2通話要求
470 第2通話情報
480 発信元識別情報
490 発信元電話番号
500 着信先電話番号
510 制御指示情報
520 ユーザー
530 通信ネットワーク
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 補助記憶装置
650 通信I/F
660 入力装置
670 出力装置
680 記憶媒体I/F
690 記憶媒体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12