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  • 特開-情報処理表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183318
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】情報処理表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/14 20060101AFI20231220BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20231220BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231220BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
G09G5/14 Z
G06F3/0484
G09G5/00 510A
G09G5/00 530H
G09G5/00 550C
G09G5/36 520E
G09G5/36 530Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096862
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 哉也
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AB15
5C182AB26
5C182BA06
5C182BA65
5C182CB42
5C182CB45
5C182CC02
5C182CC06
5C182CC21
5C182DA26
5C182DA32
5E555AA25
5E555BA23
5E555BA25
5E555BB23
5E555BB25
5E555CB37
5E555CC24
5E555DB04
5E555EA04
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】複数の表示を同時に行う場合の遅延の影響を低減すること。
【解決手段】ディスプレイ装置と、ユーザ操作を受け付ける入力部と、記録装置に記録されたプログラムに従って複数の機能に係る処理を行う処理部22と、を備え、前記処理部22は、前記ディスプレイ装置上に複数の分割領域を設定するとともに、当該設定された複数の分割領域の区分を前記ユーザ操作によって変更可能とし、前記複数の機能に係る情報表示を、前記複数の分割領域に分けて前記ディスプレイ装置に表示するための表示データを生成し、前記複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理を、他の機能に関する処理よりも優先して実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置と、
ユーザ操作を受け付ける入力部と、
記録装置に記録されたプログラムに従って複数の機能に係る処理を行う処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記ディスプレイ装置上に複数の分割領域を設定するとともに、当該設定された複数の分割領域の区分を前記ユーザ操作によって変更可能とし、
前記複数の機能に係る情報表示を、前記複数の分割領域に分けて前記ディスプレイ装置に表示するための表示データを生成し、
前記複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理を、他の機能に関する処理よりも優先して実行する
ことを特徴とする情報処理表示装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記複数の分割領域それぞれに対してその大きさの順に従って優先度を設定し、前記複数の機能に関する処理を、その機能に係る情報が表示されている分割領域に設定された前記優先度に従って行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理表示装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する情報更新頻度を、他の機能に関する情報更新頻度よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理表示装置。
【請求項4】
前記処理部は、CPUにより構成され、前記複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理プロセスの当該CPUでの処理占有率を、他の機能に関する処理プロセスよりも大きくするプログラムを実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理表示装置。
【請求項5】
車両に搭載され、
前記複数の機能は、ナビゲーション機能、コンテンツ出力機能、計器表示機能のうち少なくともいずれかを含み、
前記ユーザ操作は、前記複数の機能に割り当てる分割領域のサイズを変更する操作を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理表示装置。
【請求項6】
車両に搭載され、
前記複数の機能は、前記車両の周囲の複数の方向の画像を取得してそれぞれ表示する機能を含み、
前記処理部は、前記複数の方向に前記複数の分割領域を割り当て、前記複数の方向のいずれかについて分割領域の拡大を求めるユーザ操作を受け付けた場合に、対応する分割領域を拡大するとともに、当該分割領域への表示に係る処理を他の分割領域への表示に係る処理に比して優先することを特徴とする請求項1に記載の情報処理表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1の表示画面を複数の表示領域に分割し、各表示領域に対して異なる機能に関する表示を割り当てる技術がある。
例えば、特許文献1には「第1ディスプレイ21の表示画面が複数の表示領域211に分割されている場合、表示画面にはポインタ212が表示される。ポインタ212がユーザによってタッチオンされドラッグされた場合、表示領域設定部123は、表示画面の各表示領域211のサイズを動的に変更する。そして、ユーザによってポインタ212がタッチオフされた場合、表示領域設定部123は、各表示領域211のサイズを確定する。」「各表示領域211には、例えば、ナビゲーション画面、エアコン画面、オーディオ画面、ラジオ画面、アプリ画面、電話画面等を割り当てることができる」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-173685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画面を複数領域に分割して複数の機能を割り当てるシステムは、複数の機能実行と画面表示を並行して処理することになる。このため、処理負荷が上がり、機能の実行および表示画面の更新に遅延が発生する場合がある。ユーザが着目している機能について遅れが生じると、ユーザの利便性を損なう可能性がある。特に車載器では、搭載される処理装置の性能の点から全ての機能実行と表示更新を十分な速度で行うことが難しく、さらに、ユーザが着目する情報の更新の遅れが判断の遅れにつながる場合があり、ユーザが着目する情報についての情報更新の遅延を回避することが重要な課題である。
【0005】
そこで、本発明では、複数の表示を同時に行う場合の遅延の影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、代表的な本発明の情報処理表示装置の一つは、ディスプレイ装置と、ユーザ操作を受け付ける入力部と、記録装置に記録されたプログラムに従って複数の機能に係る処理を行う処理部と、を備え、前記処理部は、前記ディスプレイ装置上に複数の分割領域を設定するとともに、当該設定された複数の分割領域の区分を前記ユーザ操作によって変更可能とし、前記複数の機能に係る情報表示を、前記複数の分割領域に分けて前記ディスプレイ装置に表示するための表示データを生成し、前記複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理を、他の機能に関する処理よりも優先して実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の表示を同時に行う場合の遅延の影響を低減できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る情報処理と表示の説明図。
図2】情報処理表示装置の構成を示す構成図。
図3】情報処理表示装置20による分割表示の処理手順を示すフローチャート。
図4】実施例2に係る情報処理と表示の説明図。
図5】情報処理表示装置20による周辺監視の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例について図面を用いて説明する。
【実施例0010】
図1は、実施例1に係る情報処理と表示の説明図である。実施例1の情報処理表示装置は、車両10に搭載され、タッチパネルディスプレイ21を備えている。タッチパネルディスプレイ21は、ディスプレイ装置と入力部であるタッチパネルとを組み合わせた入出力ユニットである。
【0011】
タッチパネルディスプレイ21の表示領域は、複数の分割領域を設定することができる。また、それぞれの分割領域の大きさは、ユーザ操作によって変更可能である。そして、それぞれの分割領域には、異なる機能の情報表示を割り当てることができる。
【0012】
図1では、タッチパネルディスプレイ21の表示領域に分割領域A、分割領域B、分割領域Cを設定している。
分割領域Aは、ナビゲーション画面の表示を行っている。ナビゲーション画面は、ナビゲーション機能により生成された表示データを表示する画面である。例えば、ナビゲーション画面は、地図、現在地、周辺の施設などを表示し、適宜更新する。
【0013】
分割領域Bは、動画再生画面の表示を行っている。動画再生画面は、コンテンツ出力機能により生成された表示データを表示する画面である。コンテンツ出力機能による表示データには、動画データの再生による動画再生画面の他、テレビの出力、音楽データの再生に関する情報表示などがある。これらの表示データは、適宜更新される。
【0014】
分割領域Cは、計器表示を行っている。計器表示は、速度、回転数、水温、燃料の残量などを補助的に示す表示であり、計器表示機能により生成される。これらの表示は、適宜更新する。
【0015】
実施例1の情報処理表示装置は、分割領域A~Cの表示を並行して行う。このため、情報処理表示装置は、3つの機能(ナビゲーション機能、コンテンツ出力機能、計器表示機能)の処理を並行して実行する。
このとき、情報処理表示装置は、最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理を、他の機能に関する処理よりも優先して実行する。
例えば、分割領域の大きさが、分割領域A、分割領域B、分割領域Cの順であれば、分割領域Aを最も優先度の高い優先度1、分割領域Bを次に優先度の高い優先度2、分割領域Cを優先度3とする。
その後、ユーザ操作により分割領域の大きさが変更され、分割領域B、分割領域A、分割領域Cの順となったならば、分割領域Bを最も優先度の高い優先度1、分割領域Aを次に優先度の高い優先度2、分割領域Cを優先度3とする。
【0016】
情報処理表示装置は、例えば、優先度が高い順に表示画面情報の更新頻度を高くする。一例として、情報処理表示装置は、優先度1の分割領域を100msで更新し、優先度2の分割領域を500msで更新し、優先度3の分割領域を1000msで更新する。また、情報処理表示装置は、例えば、優先度が高い順に、その分割画面で表示する各機能に係るプロセスのCPUでの処理占有率を高くしても良い。
【0017】
また、情報処理表示装置は、優先度に応じて機能の実行の順序を制御することもできる。一例として、情報処理表示装置は、優先度1の分割領域に割り当てられた機能を最優先で実行し、次に優先度2の分割領域に割り当てられた機能を優先的に実行する。
すなわち、「もっとも大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理を優先する」とは、表示の処理の優先であってもよいし、機能自体の処理の優先であってもよい。
【0018】
それぞれの分割領域の大きさはユーザ自身の操作によって設定したものであるので、もっとも大きく設定されている分割領域は、その時点でユーザがもっとも着目している領域である可能性が高い。
特に、車載器では、ユーザは車両の周囲を直接目視して運転操作などを行いつつ、所望の情報を得るために表示内容を短時間で確認するケースが多い。このため、ユーザが大きく設定した分割領域は、ユーザにとって重要度が高く、着目する可能性の高い情報を表示していると推測することができるのである。
そこで、情報処理表示装置は、もっとも大きく設定されている分割領域を優先することで、全ての機能実行と表示更新を十分な速度で行うことが難しい場合であっても、ユーザが着目する情報についての情報更新の遅延を回避している。
【0019】
図2は、情報処理表示装置の構成を示す構成図である。情報処理表示装置20は、タッチパネルディスプレイ21、処理部22及び記録装置23を有する。また、情報処理表示装置は、ナビゲーション機能部31、コンテンツ出力機能部32及び計器表示機能部33などの機能部を有する。
【0020】
ナビゲーション機能部31は、自車両の位置の特定、地図情報の提供、経路の設定と案内、周辺施設や道路交通情報の提供を行う。
コンテンツ出力機能部32は、動画データの再生、音楽データの再生、テレビやラジオの受信などを行う。
計器表示機能部33は、速度、回転数、水温、燃料の残量などの情報を車両10から取得し、表示出力する機能部である。
なお、例示の機能部は一例に過ぎず、車両の周辺監視機能や駐車支援機能など、任意の機能部を備えることが可能である。
【0021】
タッチパネルディスプレイ21は、ディスプレイ装置と、ユーザ操作を受け付ける入力部であるタッチパネルとを組み合わせた入出力ユニットである。ユーザ操作には、複数の機能に割り当てる分割領域のサイズを変更する操作を含む。
記録装置23は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどであり、ナビゲーション機能部31などの機能に係る処理を実現するプログラムを格納する。また、記録装置23は、地図データ、動画データ、音楽データなどの格納に用いることもできる。
【0022】
処理部22は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記録装置23に記録されたプログラムに従って複数の機能に係る処理を行う。
処理部22は、ディスプレイ装置上に複数の分割領域を設定するとともに、当該設定された複数の分割領域の区分をユーザ操作によって変更可能とする。
【0023】
また、処理部22は、複数の機能に係る情報表示を、複数の分割領域に分けてディスプレイ装置に表示するための表示データを生成し、複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理を、他の機能に関する処理よりも優先して実行する。
【0024】
例えば、処理部22は、複数の分割領域それぞれに対してその大きさの順に従って優先度を設定し、複数の機能に関する処理を、その機能に係る情報が表示されている分割領域に設定された優先度に従って行う。
一例として、処理部22は、複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する情報更新頻度を、他の機能に関する情報更新頻度よりも多くすることができる。
また例えば、処理部22がCPUにより構成される場合、CPUは所定のプログラムを実行することにより、複数の分割領域それぞれに対してその大きさの順に従って優先度を設定する。そして、当該プログラムは、複数の機能に係る各処理プロセスのCPUでの処理占有率を、その機能に係る情報が表示されている分割領域に設定された優先度に従って割り当て、複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理プロセスの当該CPUでの処理占有率を、他の機能に関する処理プロセスの処理占有率よりも大きくするように制御しても良い。
【0025】
図3は、情報処理表示装置20による分割表示の処理手順を示すフローチャートである。
まず、処理部22は、各分割領域の配列およびそれらに割り当てるべき機能の初期値を記憶装置23から読み出す(ステップS101)。この初期値は、初回起動時であれば予め装置に設定された値であり、2回目以降の起動であれば、前回起動時にユーザが設定していた状態を記憶した値である。処理部22は、読み出した初期値に基づいて、各分割領域に割り当てられた機能にかかる表示を、タッチパネルディスプレイ21上の各分割領域で行う(ステップS102)。また、各分割領域に割り当てられた機能は、ユーザによるタッチパネルディスプレイ21上でのドラック&ドロップ等の入替操作により入れ換えることができる。そのような入替操作が行われた場合(ステップS103;Yes)、当該入替操作に基づいて各分割領域に割り当てる機能を変更、すなわち、前記初期値を更新し(ステップS110)、ステップS102に戻る。
【0026】
入替操作が行われていなければ(ステップS103;No)、処理部22は、分割領域のサイズに応じて優先度を設定する(ステップS104)。さらに処理部22は、各機能の表示データを生成し(ステップS105)、各分割領域の表示データを優先度に応じた頻度で更新する(ステップS106)。
【0027】
ステップS106の後、処理部22は、分割表示の終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS107)。分割表示の終了条件には、「ユーザから分割表示の終了を要求する操作を受け付けたこと」、「全画面を使用する表示の割込み」、「情報処理表示装置の電源オフ」などを用いることができる。分割表示の終了条件が成立したならば(ステップS107;Yes)、処理部22は、分割表示の処理を終了する。
【0028】
分割表示の終了条件が成立していなければ(ステップS107;No)、処理部22は、分割領域のサイズを変更する変更操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS108)。この変更操作を受け付けていなければ(ステップS108;No)、ステップS105に戻る。変更操作を受け付けたならば(ステップS108;Yes)、処理部22は、分割領域のサイズを変更して(ステップS109)、ステップS104からの処理を繰り返す。
【実施例0029】
図4は、実施例2に係る情報処理と表示の説明図である。実施例2の情報処理表示装置は、実施例1と同様に、車両10に搭載され、タッチパネルディスプレイ21を備えている。その他の構成についても、実施例1に示した情報処理表示装置20と同様であるので、実施例1で示した符号を用いて説明を行う。
【0030】
実施例2の情報処理表示装置20は、車両の周囲の複数の方向の画像を取得してそれぞれ表示する周辺監視機能を有する。この周辺監視機能は、例えば、前方撮影表示機能、後方撮影表示機能、左側撮影表示機能、右側撮影表示機能などを含む。
【0031】
図4では、情報処理表示装置は、車両10のフロントバンパー近傍、リアバンパー近傍、車体の左側、車体の右側をそれぞれ撮影している。
情報処理表示装置20は、タッチパネルディスプレイ21の上下左右に分割領域を生成し、車両10の前後左右に対応付けて撮影結果の画像を表示する。
さらに、いずれかの分割領域を選択するユーザ操作を受け付けたならば、情報処理表示装置は、選択された分割領域を拡大して表示する。
【0032】
情報処理表示装置20は、いずれかの分割領域を拡大している場合には、その分割領域に関する処理を他の分割領域に比して優先する。
例えば、どの分割領域も選択されていなければ、前後左右に対応する分割領域を全て同じ優先度として、同じ頻度で表示を更新する。この状態で、車両10の左側に対応する分割領域を選択する操作を受け付けたならば、その分割領域を拡大し、他の部分領域よりも高い頻度で表示を更新する。
なお、表示の更新に限らず、表示する画像の生成処理を優先することも可能である。
【0033】
このように、ユーザが拡大した部分領域を優先することで、全ての方向の画像を高い頻度で更新することが難しい場合であっても、ユーザが着目する情報についての情報更新の遅延を回避可能である。
【0034】
図5は、情報処理表示装置20による周辺監視の処理手順を示すフローチャートである。この処理フローは、周辺監視の要求を受けて開始する。また、図5には示していないが、周辺監視の終了条件が成立した場合に終了する。
【0035】
周辺監視を監視すると、処理部22は、画面の上下左右に分割領域を生成し(ステップS201)、車両10の前後左右の画像を上下左右の分割領域に対応付けて表示する(ステップS202)。
【0036】
処理部22は、各分割領域の表示データを同じ頻度で更新しつつ(ステップS203)、いずれかの分割領域の選択操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS204)。選択操作を受け付けていなければ(ステップS204;No)、ステップS203に戻る。
【0037】
いずれかの分割領域の選択操作を受け付けたならば(ステップS204;Yes)、処理部22は、選択された分割領域を拡大表示する(ステップS205)。処理部22は、選択された分割領域を他の分割領域よりも高い頻度で更新し(ステップS206)、選択解除操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS207)。
【0038】
選択解除操作を受け付けていなければ(ステップS207;No)、処理部22は、ステップS206に戻る。選択解除操作を受け付けたならば(ステップS207;Yes)、処理部22は、拡大した分割領域を元のサイズに戻して(ステップS208)、ステップS203に戻る。
【0039】
上述してきたように、開示の情報処理表示装置20は、ディスプレイ装置と、ユーザ操作を受け付ける入力部と、記録装置23に記録されたプログラムに従って複数の機能に係る処理を行う処理部22と、を備え、前記処理部22は、前記ディスプレイ装置上に複数の分割領域を設定するとともに、当該設定された複数の分割領域の区分を前記ユーザ操作によって変更可能とし、前記複数の機能に係る情報表示を、前記複数の分割領域に分けて前記ディスプレイ装置に表示するための表示データを生成し、前記複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する処理を、他の機能に関する処理よりも優先して実行する。
このため、ユーザが着目する情報についての情報更新の遅延を回避し、複数の表示を同時に行う場合の遅延の影響を低減できる。
【0040】
また、前記処理部は、前記複数の分割領域それぞれに対してその大きさの順に従って優先度を設定し、前記複数の機能に関する処理を、その機能に係る情報が表示されている分割領域に設定された前記優先度に従って行う。
このため、ユーザの操作からユーザが着目している可能性の高い情報を推定し、優先的に表示できる。
【0041】
また、前記処理部は、前記複数の機能のうち最も大きく設定されている分割領域に情報が表示されている機能に関する情報更新頻度を、他の機能に関する情報更新頻度よりも多くする。
かかる動作により、ユーザが着目している可能性の高い情報について、リアルタイム性を確保できる。
【0042】
また、開示の情報処理表示装置20は、車両10に搭載され、前記複数の機能は、ナビゲーション機能、コンテンツ出力機能、計器表示機能のうち少なくともいずれかを含み、前記ユーザ操作は、前記複数の機能に割り当てる分割領域のサイズを変更する操作を含む。
かかる構成及び動作によれば、情報処理表示装置20は、ユーザが大きく表示することを要求した情報について、遅延を回避することができる。
【0043】
また、開示の情報処理表示装置20は、車両10に搭載され、前記複数の機能は、前記車両の周囲の複数の方向の画像を取得してそれぞれ表示する機能を含み、前記処理部22は、前記複数の方向に前記複数の分割領域を割り当て、前記複数の方向のいずれかについて分割領域の拡大を求めるユーザ操作を受け付けた場合に、対応する分割領域を拡大するとともに、当該分割領域への表示に係る処理を他の分割領域への表示に係る処理に比して優先する。
かかる構成及び動作によれば、情報処理表示装置20は、複数の方向の画像を同時に表示しつつ、ユーザが指定した方向について、遅延を回避することができる。
【0044】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、かかる構成の削除に限らず、構成の置き換えや追加も可能である。
【0045】
また、上記の実施例では、車両10に搭載した情報処理表示装置20を例示して説明を行ったが、本発明は車載器に限定されるものでは無い。例えば、建物内の複数の監視カメラの映像を分割表示し、ユーザが選択した監視カメラの画像を拡大する、といった構成でも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
10:車両、20:情報処理表示装置、21:タッチパネルディスプレイ、22:処理部、23:記録装置、31:ナビゲーション機能部、32:コンテンツ出力機能部、33:計器表示機能部
図1
図2
図3
図4
図5