(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183353
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】保護テープ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20231220BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20231220BHJP
【FI】
H01L21/02 C
C09J7/38
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022144945
(22)【出願日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】111122234
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】NO.201,TUNG HWA N.RD.,TAIPEI,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195017
【弁理士】
【氏名又は名称】水間 章子
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲テ▼超
(72)【発明者】
【氏名】曹 俊哲
(72)【発明者】
【氏名】陳 政宏
【テーマコード(参考)】
4J004
【Fターム(参考)】
4J004AA07
4J004AA10
4J004CA06
4J004CB03
4J004CC02
4J004CD08
4J004CE01
4J004EA06
4J004FA04
4J004FA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コロナ処理に対して耐性を示すという有利な点を有する保護テープ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】保護テープ10は、基材フィルム12と、帯電防止層14と、粘着層16とを含む。前記帯電防止層は、前記基材フィルム上に位置し、第1の樹脂と、第1の樹脂中に分散された導電性材料と、を含む。前記帯電防止層の表面インピーダンスは、1E+9Ω未満である。前記導電性材料は、金属イオン及び炭素のうちの少なくとも1種を含む。前記粘着層は前記基材フィルムのコロナ処理された表面上に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護テープであって、
基材フィルムと、
前記基材フィルム上に位置する帯電防止層であって、前記帯電防止層の表面インピーダンスは1E+9Ω未満であり、前記帯電防止層は、
第1の樹脂と、
前記第1の樹脂中に分散された導電性材料とを含み、前記導電性材料は、金属イオン及び炭素のうちの少なくとも1種を含む帯電防止層と、
前記基材フィルムのコロナ処理された表面上に位置する粘着層とを含む、保護テープ。
【請求項2】
前記基材フィルムの材料は、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1に記載の保護テープ。
【請求項3】
前記第1の樹脂の材料は、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びアルキド樹脂のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の保護テープ。
【請求項4】
前記粘着層は、極性官能基を有するモノマーでグラフトされたポリオレフィンを含む、請求項1に記載の保護テープ。
【請求項5】
前記粘着層中の極性官能基を有するモノマーは、グリシジルメタクリレート、酢酸ビニル、マレイン酸、及びメチルアクリレートのうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の保護テープ。
【請求項6】
前記粘着層に接着された凹凸吸収層を更に含み、前記凹凸吸収層と前記基材フィルムとの間の剥離強度は20N/25mmよりも大きく、前記凹凸吸収層の材料はポリオレフィン樹脂を含む、請求項1に記載の保護テープ。
【請求項7】
保護テープの製造方法であって、
基材フィルムを提供することと、
前記基材フィルム上に帯電防止層を形成することと、前記帯電防止層は、
第1の樹脂と、
前記第1の樹脂中に分散された導電性材料とを含み、前記導電性材料は、金属イオン及び炭素のうちの少なくとも1種を含むことと、
前記基材フィルムにコロナ処理された表面を形成するために、前記基材フィルム上にコロナ処理を実施することと、
前記基材フィルムの前記コロナ処理された表面に粘着層を形成することと、前記コロナ処理後の前記帯電防止層の表面インピーダンスが1E+9Ω未満であることとを含む、
保護テープの製造方法。
【請求項8】
前記基材フィルム上に前記帯電防止層を形成することは、
前記基材フィルム上に第1の混合物を提供することを含み、前記第1の混合物は、2重量%から20重量%の第1の樹脂と、1重量%から5重量%の導電性材料と、0.05重量%から10重量%の表面改質充填粒子と、0.05重量%から10重量%の添加剤と、25重量%から85重量%の第1の溶媒とを含む、請求項7に記載の保護テープの製造方法。
【請求項9】
前記基材フィルムの前記コロナ処理された表面上に前記粘着層を形成することは、
前記コロナ処理された表面に第2の混合物を提供することを含み、前記第2の混合物は、5重量%から20重量%の第2の樹脂と、0.05重量%から10重量%の添加剤と、50重量%から85重量%の第2の溶媒とを含み、前記第2の樹脂は、極性官能基を有するモノマーでグラフトされたポリオレフィンを含む、請求項7に記載の保護テープの製造方法。
【請求項10】
前記粘着層を凹凸吸収層に接着することをさらに含み、前記凹凸吸収層と前記基材フィルムとの間の剥離強度は20N/25mmよりも大きく、前記凹凸吸収層の材料はポリオレフィン樹脂を含む、請求項7に記載の保護テープの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保護テープに関し、より詳細には、帯電防止層を有する保護テープ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩と共に、電子デバイスの機能が増々多様化している。例えば、現在のスマートフォンは、電話をかける機能に加えて、インターネットサーフィン、写真撮影、ビデオ録画及び指紋認識などの機能を含む。この発展に対応するために、電子デバイス内のチップの数及び集積を増加させる必要がある。以上の理由に基づき、チップ又はウェハの厚みを低減する方法が、多くの製造業者の研究課題となっている。
【0003】
現在、バックグラインドプロセスは、ウェハの厚さを低減するための一般的なプロセスである。概して、バックグラインドプロセスを実施する前に、ウェハの前側の部品がバックグラインドプロセスの間に損傷するのを防ぐために、ウェハの前側に保護テープが取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保護テープ内の帯電防止層は、コロナ処理の後に帯電防止力を失うことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、コロナ処理に対して耐性を示すという有利な点を有する保護テープを提供する。
【0006】
本発明は、コロナ処理に対して耐性を示すという有利な点を有する保護テープを製造することが可能な、保護テープの製造方法を提供する。
【0007】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、保護テープを提供する。保護テープは、基材フィルムと、帯電防止層と、粘着層とを含む。帯電防止層は、基材フィルム上に配置される。帯電防止層は、1E+9Ω未満の表面インピーダンスを有し、第1の樹脂と、第1の樹脂中に分散された導電性材料とを含む。導電性材料は、金属イオン及び炭素のうちの少なくとも1種を含む。粘着層は、基材フィルムのコロナ処理された表面上に配置される。
【0008】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、基材フィルムを提供することと、基材フィルム上に帯電防止層を形成することと、帯電防止層は、第1の樹脂と、第1の樹脂中に分散された導電性材料とを含み、導電性材料は、金属イオン及び炭素のうちの少なくとも1種を含むことと、基材フィルムのコロナ処理された表面を形成するために、基材フィルムにコロナ処理を実施することと、基材フィルムのコロナ処理された表面に粘着層を形成することと、コロナ処理後の帯電防止層の表面インピーダンスが1E+9Ωであることとを含む、保護テープの製造方法を提供する。
【0009】
上記に基づけば、基材フィルムのコロナ処理された表面上に粘着層が形成されるため、粘着層は基材フィルムに対してより良好に取り付けられる。さらに、帯電防止層は樹脂中に分散された導電性材料を含むため、コロナ処理プロセスの後でさえも、帯電防止層は1E+9Ω未満の表面インピーダンスを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による保護テープの模式的断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による保護テープの製造方法のフローチャートである。
【
図3】
図3Aから
図3Dは、本発明の一実施形態による保護テープの使用方法の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による保護テープの模式的断面図である。
【0012】
図1を参照すると、保護テープ10は、基材フィルム12と、帯電防止層14と、粘着層16とを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、基材フィルム12の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は他の適切な材料を含む。いくつかの実施形態において、基材フィルム12の厚さT1は25μmから150μmの範囲内であり、好ましくは50μmから100μmの範囲内である。
【0014】
帯電防止層14は、基材フィルム12上に位置する。例えば、帯電防止層14は、基材フィルム12の第1の表面12a上に直接形成される。いくつかの実施形態において、帯電防止層14の厚さT2(乾燥フィルムの厚さ)は80nmから200nmの範囲内である。帯電防止層14は、第1の樹脂と、第1の樹脂中に分散された導電性材料とを含む。いくつかの実施形態において、第1の樹脂の材料は、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びアルキド樹脂のうちの少なくとも1種を含む。
導電性材料は金属イオン及び炭素のうちの少なくとも1種を含み、炭素は、例えば、カーボンナノチューブ又は電気を通す他の炭素である。いくつかの実施形態において、帯電防止層14は、第1の樹脂中に分散された表面改質充填粒子をさらに含み、表面改質充填粒子は、例えば、表面改質シリコン酸化物である。いくつかの実施形態において、表面改質充填粒子は、帯電防止層14の製造又は使用中にローラー又は他の物体によって擦られることを回避するのに有用である。
【0015】
この実施形態において、帯電防止層14の表面抵抗は1E+9Ω未満である。したがって、帯電防止層14は、ウェハのバックグラインドプロセス中に静電気によって引き起こされるウェハへの損傷を低減又は回避することができる。
【0016】
粘着層16は、基材フィルム12のコロナ処理された第2の表面12b上に位置する。この実施形態において、帯電防止層14と粘着層16とは基材フィルム12の向かい側に位置するが、本発明はそれに限定されない。他の実施形態において、帯電防止層14と粘着層16とは基材フィルム12の同じ側に位置する。コロナ処理は、基材フィルム12の第2の表面12bの化学結合を切断してそれを劣化させ、コロナ処理は、第2の表面12bの粗さと表面積とを増大させることができる。したがって、第2の表面12bに続いて形成される粘着層16は、基材フィルム12に良好に取り付けられる。いくつかの実施形態において、第2の表面12bの粗さは、第1の表面12aの粗さよりも大きい。いくつかの実施形態において、コロナ処理は、第2の表面12bを、極性を有する表面とする。
【0017】
いくつかの実施形態において、粘着層16の厚さT3は0.5μmから3μmの範囲内であり、好ましくは1μmから2μmの範囲内である。いくつかの実施形態において、粘着層16は、極性官能基を有するモノマーでグラフトされたポリオレフィンを含む。粘着層16中の極性官能基を有するモノマーは、例えば、グリシジルメタクリレート(GMA)、酢酸ビニル(VA)、マレイン酸、メチルアクリレート及び他の適切なモノマーのうちの少なくとも1種を含む。さらに、粘着層16中のポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又は他の適切なポリマー材料を含む。いくつかの実施形態において、粘着層16のTgは摂氏約-30度から摂氏130度であり、融点は摂氏約50度から摂氏150度である。
【0018】
いくつかの実施形態において、保護テープ10は、凹凸吸収層(図示せず)をさらに含む。凹凸吸収層は、粘着層16に接着されており、凹凸吸収層と基材フィルム12との間の剥離強度は20N/25mmよりも大きい。いくつかの実施形態において、凹凸吸収層の材料はポリオレフィンを含む。例えば、凹凸吸収層は、ポリエチレン、ポリプロピレン又は他の適切なポリマー材料などのホットメルト型のポリオレフィンである。いくつかの実施形態において、前述の凹凸吸収層と接着層16とは、異なるプロセスパラメータの使用によって形成される。したがって、前述の凹凸吸収層と粘着層16とは異なる特性を含むが、本発明はそれに限定されない。他の実施形態において、前述の凹凸吸収層と粘着層16とは類似の特性を有する。いくつかの実施形態において、粘着層16は積層プロセスによって形成される。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態による保護テープの製造方法のフローチャートである。ここで、
図1に提供される実施形態の部分的な内容は、
図2に提供される実施形態に続き、同じ技術的内容の説明は省略されることに留意されたい。省略された部分の説明については、前述の実施形態を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0020】
図2を参照すると、工程S1において、基材フィルムを提供する。
【0021】
工程S2において、基材フィルム上に帯電防止層を形成する。帯電防止層は、第1の樹脂と、第1の樹脂中に分散された導電性材料と、任意で表面改質充填粒子とを含む。導電性材料は、金属イオン及び炭素のうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、帯電防止層の形成方法は、基材フィルム上に第1の混合物を提供することを含む。例えば、第1の混合物は、印刷、コーティング又は他の適切なプロセスによって基材フィルム上に形成される。第1の混合物は、2重量%から20重量%の第1の樹脂と、1重量%から5重量%の導電性材料と、0.05重量%から10重量%の表面改質充填粒子と、0.05重量%から10重量%の添加剤と、25重量%から85重量%の第1の溶媒とを含む。いくつかの実施形態において、第1の溶媒は、水、有機溶媒又は他の適切な溶液を含む。
いくつかの実施形態において、添加剤は、湿潤剤、レベリング剤又は他の適切な添加剤を含む。
【0022】
工程S3において、基材フィルムにコロナ処理された表面を形成するために、基材フィルム上にコロナ処理を実施する。
【0023】
工程S4において、基材フィルムのコロナ処理された表面に粘着層を形成する。いくつかの実施形態において、粘着層の形成方法は、コロナ処理された表面に第2の混合物を提供することを含む。例えば、第2混合物は、5重量%から20重量%の第2の樹脂と、0.05重量%から10重量%の添加剤と、50重量%から85重量%の第2の溶媒とを含む。いくつかの実施形態において、第2の樹脂は、極性のエネルギー交換基を有するモノマーでグラフトされたポリオレフィンを含む。
【0024】
この実施形態において、帯電防止層は樹脂中に分散された導電性材料を含むため、コロナ処理プロセスの後でさえも、帯電防止層の表面インピーダンスは1E+9Ω未満である。
【0025】
いくつかの実施形態において、粘着層の形成後、粘着層と凹凸吸収層とが接着される。
【0026】
以下に、本発明の帯電防止層のいくつかの例を提供するが、これらの例は例示的であり、本発明はこれらの例に限定されない。
【0027】
実施例1
帯電防止層を形成するために、第1の混合物を基材フィルム上に提供する。実施例1の第1の混合物は、20重量%のポリエステルと、1重量%の金属イオンと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、75.5重量%の水溶媒とを含む。
【0028】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.1μmの帯電防止層が形成される。
【0029】
実施例2
帯電防止層を形成するために、基材フィルム上に第1の混合物を提供する。実施例2の第1の混合物は、20重量%のポリエステルと、2.5重量%の金属イオンと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、74重量%の水溶媒とを含む。
【0030】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.1μmの帯電防止層が形成される。
【0031】
実施例3
帯電防止層を形成するために、基材フィルム上に第1の混合物を提供する。実施例3の第1の混合物は、20重量%のアクリルと、2.5重量%の金属イオンと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、74重量%の水溶媒とを含む。
【0032】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.1μmの帯電防止層が形成される。
【0033】
実施例4
帯電防止層を形成するために、基材フィルム上に第1の混合物を提供する。実施例4の第1の混合物は、20重量%のポリエステルと、2.5重量%のカーボンナノチューブと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、74重量%の水溶媒とを含む。
【0034】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.1μmの帯電防止層が形成される。
【0035】
実施例5
帯電防止層を形成するために、基材フィルム上に第1の混合物を提供する。実施例5の第1の混合物は、20重量%のポリエステルと、5重量%のカーボンナノチューブと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、71.5重量%の水溶媒とを含む。
【0036】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.1μmの帯電防止層が形成される。
【0037】
比較例1
帯電防止層を形成するために、基材フィルム上に第1の混合物を提供する。比較例1の第1の混合物は、20重量%のポリエステルと、5重量%の導電性ポリマーと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、71.5重量%の水溶媒とを含む。
【0038】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.1μmの帯電防止層が形成される。
【0039】
比較例2
帯電防止層を形成するために、基材フィルム上に第1の混合物を提供する。比較例2の第1の混合物は、1.5重量%のポリエステルと、5重量%の導電性ポリマーと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、90重量%の水溶媒とを含む。
【0040】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.05μmの帯電防止層が形成される。
【0041】
比較例3
帯電防止層を形成するために、基材フィルム上に第1の混合物を提供する。比較例3の第1の混合物は、20重量%のポリエステルと、0.5重量%のカーボンナノチューブと、2.4重量%の充填粒子と、0.24重量%の充填粒子表面改質剤と、0.86重量%の添加剤と、76重量%の水溶媒とを含む。
【0042】
第1の混合物の加硫後、厚さ0.05μmの帯電防止層が形成される。
【0043】
表1は、実施例1から5及び比較例1から3の帯電防止層の特性である。
【表1】
【0044】
表1中、表面インピーダンス及びコロナ処理後の表面インピーダンスは、それぞれ、コロナ処理前後の帯電防止層の表面インピーダンスを指す。光線透過率及びヘイズは、帯電防止層及び基材フィルム全体としての光線透過率及びヘイズを指す。密着性は、クロスカット試験によって得られる帯電防止層と基材フィルムとの間の密着性を指す。
【0045】
表1から、実施例1から実施例5では、コロナ処理後の帯電防止層の表面インピーダンスはいまだ表面インピーダンスが1E+9Ω未満であることがわかる。
したがって、後続して形成される粘着層と基材フィルムとの間の密着性がコロナ処理によって増大したとしても、帯電防止層の帯電防止力が失なわれることはない。
【0046】
図3Aから
図3Dは、本発明の一実施形態による保護テープの使用方法を示す模式的断面図である。ここで、
図1に提供される実施形態の部分的な内容は、
図3Aから
図3Dに提供される実施形態に続き、同じ技術的内容の説明は省略されることに留意されたい。省略された部分の説明については、前述の実施形態を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0047】
図3Aを参照すると、粘着層16を形成後、粘着層16は凹凸吸収層17に接着される。任意で感光性粘着層18が凹凸吸収層17上に提供され得る。
【0048】
この実施形態において、保護テープ10’は、基材フィルム12と、帯電防止層14と、粘着層16と、凹凸吸収層17と、感光性粘着層18とを含む。
【0049】
図3Bを参照すると、保護テープ10’は、ウェハ22の前面に接着される。この実施形態において、ウェハ22の前面は複数の導電性構造体24を有する。導電性構造体24は、例えば、はんだボール、受動素子又は他の構成要素である。本実施形態において、感光性粘着層18は凹凸吸収層17上に形成され、それから、保護テープ10’はウェハ22の前表面に接着されるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態において、感光性粘着層18はウェハ22の前側に形成され、それから保護テープがウェハ22の前側に接着される。
【0050】
図3Cを参照すると、薄いウェハ22’を形成するために、ウェハ22上にバックグラインドプロセスを実施する。
【0051】
最後に、
図3Dを参照すると、感光性粘着層18の粘着性を低減するために、感光性粘着層18を照射し、それからウェハ22’の表面から保護テープ10’を除去する。この実施形態において、凹凸吸収層17と基材フィルム12との間の剥離強度は20N/25mmよりも大きい。保護テープ10’が剥がされるときに、凹凸吸収層17及び基材フィルム12は、層間剥離の問題が生じにくい。さらに、帯電防止層14の表面インピーダンスが1E+9Ω未満であるため、保護テープ10'を剥がす際に発生する静電気によりウェハ22'の前表面の導電性構造体24が損傷することを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本開示における保護テープ及びその製造方法は、カメラ及び携帯電話などの幅広い現代の電子デバイスを製造可能な半導体プロセスに適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
10,10’:保護テープ
12:基材フィルム
12a:第1の表面
12b:第2の表面
14:帯電防止層
16:粘着層
17:凹凸吸収層
18:感光性接着剤
22,22’:ウェハ
24:導電性構造体
S1、S2、S3、S4:工程
【外国語明細書】