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特開2023-183360情報処理システム、ガスメータ管理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183360
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】情報処理システム、ガスメータ管理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
F16K37/00 A
F16K37/00 M
F16K37/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189831
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2022096308
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】大江 英城
(72)【発明者】
【氏名】北澤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 智雄
(72)【発明者】
【氏名】梯 正樹
(72)【発明者】
【氏名】小畑 滋男
(72)【発明者】
【氏名】藤原 昂汰
【テーマコード(参考)】
3H065
【Fターム(参考)】
3H065BA01
3H065BA07
3H065BB11
3H065BC07
3H065CA06
(57)【要約】
【課題】ガス漏れの発生時にユーザーが抱く不安感を軽減する。
【解決手段】クラウドサーバは、遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する機能と、遮断弁が弁閉状態であることを示す弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けたAIスピーカ6から取得する機能と、復帰指示をAIスピーカ6から取得した後、遮断弁を弁閉状態から弁開状態へ移行させる弁開指示をガスメータ2に送信する機能とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、情報の通知と指示の受付とを行う端末とに通信可能に接続される情報処理システムであって、
前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する機能と、
前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する機能と、
前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する機能と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記弁開指示を前記ガスメータに送信した後、ガスの供給の復帰を阻害する事象が発生していることを示す復帰阻害情報を取得する機能と、
前記弁開指示を前記ガスメータに送信した後の所定時間に、前記復帰阻害情報を取得した場合には、前記復帰阻害情報を前記端末に通知させる復帰阻害通知指示を、前記端末に送信し、前記弁開指示を前記ガスメータに送信した後の前記所定時間に、前記復帰阻害情報を取得しなかった場合には、ガスの供給の復帰が完了したことを示す復帰完了情報を前記端末に通知させる復帰完了通知指示を、前記端末に送信する機能と
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
ガスの供給が許可される許可状態とガスの供給が禁止される禁止状態とのいずれの状態であるかを示すガス供給情報を取得する機能と、
前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給が前記許可状態であることを示す前記ガス供給情報を取得した場合に、ガスの供給の復帰が可能であることを示す復帰可能情報を前記端末に通知させる復帰可能通知指示を、前記端末に送信する機能と、
前記復帰可能通知指示を前記端末に送信した後、前記復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する機能と
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
ガスの供給の前記禁止状態から前記許可状態への移行を阻害する事象が発生していることを示す移行阻害情報を取得する機能と、
前記移行阻害情報を取得した場合には、前記移行阻害情報を前記端末に通知させる移行阻害通知指示を、前記端末に送信する機能と
を備える請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
ガス漏れを検知して警報する警報器と通信可能に接続され、
前記警報器の作動時に前記弁状態情報を取得する機能を備える請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した場合に、ユーザーの行動についてのアドバイスを前記端末に通知させるアドバイス通知指示を、前記端末に送信する機能を備える請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
宅内のガス濃度を検出するガスセンサと通信可能に接続され、
前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した場合に、前記ガスセンサの検出値に基づいて、宅内のガス濃度の低下の度合を判定し、判定した宅内のガス濃度の低下の度合を前記端末に通知させるガス濃度通知指示を、前記端末に送信する機能を備える請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記端末は、AIスピーカであり、情報の通知と指示の受付とを音声により行う請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記遮断弁が閉じた状態で前記弁開指示の前記ガスメータへの送信を可とし、前記遮断弁が開いている状態で前記弁開指示の前記ガスメータへの送信を不可とする送信可否情報を、前記ガスメータ及び前記端末の識別情報と対応させて記憶する機能を備え、
前記弁開指示を前記ガスメータに送信する機能は、前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記端末に対応する前記送信可否情報が可である場合に前記弁開指示を前記端末に対応する前記ガスメータに送信し、前記端末に対応する前記送信可否情報が不可である場合に前記弁開指示を前記端末に対応する前記ガスメータに送信しない請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、
情報の通知と指示の受付とを行う端末と、
前記ガスメータと前記端末とに通信可能に接続される情報処理システムと
を備えるガスメータ管理システムであって、
前記情報処理システムは、
前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する機能と、
前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する機能と、
前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する機能と
を備えるガスメータ管理システム。
【請求項11】
ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、情報の通知と指示の受付とを行う端末とに通信可能に接続される情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する手順と、
前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する手順と、
前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する手順と
を実行する情報処理方法。
【請求項12】
ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、情報の通知と指示の受付とを行う端末とに通信可能に接続される情報処理システムに、
前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する手順と、
前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する手順と、
前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する手順と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、ガスメータ管理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
AIスピーカ(スマートスピーカ)を用いる警報システムが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載の警報システムでは、火災やガス漏れ等の発生時に警報器が警報音を出力し、AIスピーカが当該警報音を認識して照明器具を点灯させる。また、特許文献2に記載の警報システムでは、火災やガス漏れ等の発生時に警報器が警報音を出力し、AIスピーカが発報停止に関する音声を認識して当該警報器の発報を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-87372号公報
【特許文献2】特開2021-39453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス漏れの発生時にはガスメータの遮断弁が弁閉動作を行うため、住人等のユーザーは、警報器の発報停止後に、ガスメータの遮断弁の弁開操作を行う必要がある。しかしながら、ユーザーは、弁開操作を行う機会が殆ど無く、弁開操作の方法を把握していないことにより、ガス漏れの発生時の行動に不安感を抱いていることが想定される。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ガス漏れの発生時にユーザーが抱く不安感を軽減することができる情報処理システム、ガスメータ管理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、情報の通知と指示の受付とを行う端末とに通信可能に接続される情報処理システムであって、前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する機能と、前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する機能と、前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する機能とを備える。
【0007】
本発明に係るガスメータ管理システムは、ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、情報の通知と指示の受付とを行う端末と、前記ガスメータと前記端末とに通信可能に接続される情報処理システムとを備えるガスメータ管理システムであって、前記情報処理システムは、前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する機能と、前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する機能と、前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する機能とを備える。
【0008】
本発明に係る情報処理方法は、ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、情報の通知と指示の受付とを行う端末とに通信可能に接続される情報処理システムにおける情報処理方法であって、前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する手順と、前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する手順と、前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する手順とを実行する。
【0009】
本発明に係るプログラムは、ガスの供給を遮断し又は復帰させる遮断弁を備えるガスメータと、情報の通知と指示の受付とを行う端末とに通信可能に接続される情報処理システムに、前記遮断弁が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する手順と、前記遮断弁が前記弁閉状態であることを示す前記弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた前記端末から取得する手順と、前記復帰指示を前記端末から取得した後、前記遮断弁を前記弁閉状態から前記弁開状態へ移行させる弁開指示を前記ガスメータに送信する手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガス漏れの発生時にユーザーが抱く不安感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るガスメータ管理システムの概略を示す図である。
図2図2は、図1のガスメータ管理システムを示すブロック図である。
図3図3は、図1,2のガスメータ管理システムにおけるガス漏れの発生からAIスピーカによる音声通知までの処理を示すフロー図である。
図4図4は、図1,2のガスメータ管理システムにおける警報停止及びユーザーの音声指示からガスメータの弁開動作までの処理を示すフロー図である。
図5図5は、図1,2のガスメータ管理システムにおける復帰安全確認中の再遮断判定からAIスピーカによる音声通知までの処理を示すフロー図である。
図6図6は、図1,2のガスメータ管理システムにおける復帰可能判定からAIスピーカによる音声通知までの処理を示すフロー図である。
図7図7(A)~(E)は、AIスピーカの音声(発話)の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の他の実施形態に係るガスメータ管理システムの概略を示す図である。
図9図9は、図8のガスメータ管理システムを示すブロック図である。
図10図10は、図8,9のガスメータ管理システムにおけるガス漏れの発生から携帯端末によるガス供給停止通知までの処理を示すフロー図である。
図11図11は、携帯端末のコミュニケーションアプリのトーク画面を示す図である。
図12図12は、図8,9のガスメータ管理システムにおける遮断弁の弁閉動作から携帯端末によるガス復旧可能通知までの処理を示すフロー図である。
図13図13は、図8,9のガスメータ管理システムにおけるガス復旧動作の実行指示の受付からガス復旧動作の完了までの処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、実施形態は本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るガスメータ管理システム1の概略を示す図である。この図に示すように、ガスメータ管理システム1は、ガスメータ2と、無線機3と、警報器4と、クラウドサーバ5と、AIスピーカ6とを備える。AIスピーカ6は、「情報の通知と指示の受付とを行う端末」の一例である。
【0014】
ガスメータ2は、戸建て住宅や集合住宅の宅外に設置されており、住戸のガス機器に供給されるガスの流量を流量センサ21(図2参照)により測定する。また、ガスメータ2は、遮断弁26(図2参照)を備えており、ガス漏れ発生時等に住戸のガス機器へのガスの供給を遮断弁26により遮断する。遮断弁26の弁開動作は、ユーザーによる復帰ボタン24(図2参照)の操作やユーザーの音声指示によって行われる。このユーザーの音声指示については後述する。
【0015】
無線機3は、戸建て住宅や集合住宅の宅外にガスメータ2に近接して設置されており、ガスメータ2と通信可能に有線で接続されている。ガスメータ2と無線機3との間の通信方式としては、Nライン、Uバス等を例示できる。ここで、ガスメータ2と無線機3との間の通信を、NラインとUバスとの自動選択式にしてもよい。また、ガスメータ2と無線機3とを、無線で通信可能に接続してもよい。
【0016】
無線機3は、ネットワーク・閉域網を介してクラウドサーバ5と通信可能に接続されている。無線機3とクラウドサーバ5との通信方式としては、LTE(Long Term Evolution)、LPWA(Low Power ,Wide Area)等の1:N通信方式や無線マルチホップ方式等を例示できる。無線機3は、ガスメータ2から出力されたガス流量等の各種情報や警報器4から出力された警報情報をクラウドサーバ5に送信する。また、無線機3は、クラウドサーバ5から出力された弁開動作を指示する指示電文をガスメータ2に送信する。なお、無線機3に代えて、又は無線機3に加えて、電力線通信を行う通信機を設けてもよい。
【0017】
警報器4は、戸建て住宅や集合住宅の宅内に設置されており、無線機3及びガスメータ2と通信可能に無線で接続されている。警報器4と無線機3との間の通信方式としては、Uバスエアー等を例示できる。なお、警報器4と無線機3及びガスメータ2とを、有線で通信可能に接続してもよい。
【0018】
警報器4は、ガスセンサ411(図2参照)により宅内のガス漏れを検知した場合、報知部45(図2参照)を作動させて警報を発生(発報)する。また、警報器4は、ガスセンサ411により宅内のガス漏れを検知した場合、警報パルス信号を無線機3及びガスメータ2に送信する。無線機3は、警報器4から警報パルス信号を受信した場合、警報器4が作動したことを示す電文をクラウドサーバ5に送信する。また、ガスメータ2は、警報器4から警報パルス信号を受信した場合、ガスの供給を遮断弁26により遮断する。
【0019】
クラウドサーバ5は、ガスメータ2の集中監視に必要な様々な情報や検針情報を、自動で収集する機能に加えて、AIスピーカ6をガスメータ2や警報器4と連動させる機能を実現するためのプログラムを格納している。即ち、クラウドサーバ5は、クラウドサービスとして、ガスメータ2の集中監視、自動検針、及びAIスピーカ6とガスメータ2と警報器4との連動を実現するためのIOTプラットフォームを提供する。このクラウドサービスとしては、AWS Lambda(登録商標)等のPaas(Platform as a Service)又はFaas(Function as a service)を例示できる。
【0020】
AIスピーカ6は、対話型の音声操作に対応したAIアシスタントを利用可能なスピーカであり、スマートスピーカとも呼ばれる。AIスピーカ6は、AIアシスタントを提供するクラウドサーバ5に通信可能に無線や有線で接続されている。AIスピーカ6とクラウドサーバ5との接続は、Wi-FiやBluetooth(登録商標)等の無線通信とインターネット回線とによる接続、モバイルWi-Fiルータによる接続、及び、AIホームゲートウェイを利用した携帯電話通信網による接続等を例示できる。
【0021】
本実施形態のAIスピーカ6は、クラウドサーバ5を介してガスメータ2と警報器4と連動し、例えば、警報器4の発報時、ガスメータ2の再遮断時、ガスの供給が禁止状態から許可状態に移行した時等に音声を出力する。また、AIスピーカ6は、例えば、警報器4の発報時、ガスの供給が禁止状態から許可状態に移行した時等に、ユーザーの音声指示を音声認識機能により認識してクラウドサーバ5に送信する。クラウドサーバ5は、当該AIスピーカ6に対応する無線機3を特定して弁開動作の指示電文を当該無線機3に送信する。当該無線機3は、対応するガスメータ2に弁開動作の指示電文を送信し、当該ガスメータ2は弁開動作を実行する。
【0022】
図2は、図1のガスメータ管理システム1の概略を示すブロック図である。この図に示すように、ガスメータ2は、流量センサ21と、圧力センサ22と、感震センサ23と、復帰ボタン24と、I/F部25と、遮断弁26と、表示部27と、入力部28と、出力部29と、制御部210とを備える。
【0023】
流量センサ21は、各住戸のガス機器に供給されるガスの流量を計測して計測信号を出力する。圧力センサ22は、各住戸に供給されるガスの圧力を計測して計測信号を出力する。感震センサ23は、地震を感知して感知信号を出力する。復帰ボタン24は、遮断弁26を弁閉状態から弁開状態に復帰させる際にユーザーにより操作されるボタンであり、操作された際に操作信号を出力する。
【0024】
I/F部25は、NラインI/F251と、UバスI/F252とを備える。NラインI/F251は、Nライン通信を行うための通信インターフェースであり、無線機3との間でNライン通信により情報を送受信する。また、UバスI/F252は、Uバス通信(Uバスエアーを含む)を行うための通信インターフェースであり、無線機3及び警報器4との間でUバス通信により情報を送受信する。
【0025】
遮断弁26は、ガスメータ2内のガス流路を閉じる弁閉動作と、当該ガス流路を開く弁開動作とを実行する。遮断弁26の弁閉動作は、流量センサ21により計測されたガスの流量、圧力センサ22により計測されたガスの圧力に異常がある場合、感震センサ23により地震が感知された場合、又は、警報器4が作動した場合に、制御部210から制御信号が出力されて実行される。他方で、遮断弁26の弁開動作は、復帰ボタン24が操作された場合、クラウドサーバ5から弁開動作の指示電文が出力された場合に、制御部210から制御信号が出力されて実行される。
【0026】
表示部27は、液晶表示パネル等の表示画面であり、文字や画像でユーザーに報知する。表示部27は、例えば、ガスの供給が禁止状態から許可状態に移行した時に、制御部210から制御信号が出力されて駆動され、ガスの使用が可能になったことを文字や画像でユーザーに報知する。
【0027】
入力部28は、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23、及び復帰ボタン24から出力された信号を制御部210に入力する。出力部29は、制御部210で生成された制御信号を遮断弁26、及び表示部27に出力する。また、出力部29は、制御部210に入力された或いは制御部210で生成された各種情報を、NラインI/F251、UバスI/F252に出力する。
【0028】
制御部210は、流量センサ21により計測されたガスの流量に基づいて、ガスの流量の異常の有無を判定し、ガスの流量に異常がある場合には、遮断弁26に弁閉動作を実行させるための制御信号を生成する。当該制御信号は、出力部29により遮断弁26に出力される。また、制御部210は、圧力センサ22により計測されたガスの圧力に基づいて、ガスの圧力の異常の有無を判定し、ガスの圧力に異常がある場合には、遮断弁26に弁閉動作を実行させるための制御信号を生成する。当該制御信号は、出力部29により遮断弁26に出力される。さらに、制御部210は、感震センサ23により地震が感知された場合に、遮断弁26に弁閉動作を実行させるための制御信号を生成する。当該制御信号は、出力部29により遮断弁26に出力される。
【0029】
制御部210は、復帰ボタン24から操作信号が出力された場合、AIスピーカ6が、ガスメータ2の遮断弁26の開弁動作を指示する音声を認識した場合等に、遮断弁26に弁開動作を実行させるための制御信号を生成する。当該制御信号は、出力部29により遮断弁26に出力される。
【0030】
制御部210は、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23,及び復帰ボタン24から出力されて入力部28により入力された情報を、出力部29からNラインI/F251とUバスI/F252とに出力する。当該情報は、NラインI/F251又はUバスI/F252から無線機3にNライン通信又はUバス通信により送信される。
【0031】
無線機3は、I/F部31と、通信部32と、感応部33と、発光部34と、電源35と、制御部36とを備える。I/F部31は、NラインI/F311と、UバスI/F312とを備える。NラインI/F311は、Nライン通信を行うための通信インターフェースであり、ガスメータ2のNラインI/F251とNライン通信により情報を送受信する。また、UバスI/F312は、Uバス通信(Uバスエアーを含む)を行うための通信インターフェースであり、ガスメータ2のUバスI/F252、及び警報器4の外部出力部43とUバス通信により情報を送受信する。
【0032】
通信部32は、クラウドサーバ5との通信を可能とする。この通信部32は、アンテナ、アンテナ直下のアンテナスイッチ、及びローパスフィルタ等(図示省略)を備える。通信部32とクラウドサーバ5との間の通信方式は、携帯電話通信網を使用した1:N通信方式(LTE等)、無線マルチホップ方式等を例示できる。本実施形態の通信部32は、クラウドサーバ5との間でLTE通信を行う。なお、通信部32の通信方式を電力線通信方式にしてもよい。
【0033】
感応部33は、RFID(Radio Frequency IDentification)等であり、無線機3の起動時にユーザーの操作を感知する。発光部34は、無線機3の起動時に点灯し、ユーザーによる無線機3の起動の確認を可能にする。電源35は、無線機3の各部に電力を供給する電源であり、リチウムイオン電池等である。制御部36は、感応部33によりユーザーの起動操作が感知された場合に、発光部34を点灯させ、通信部32を駆動させる。
【0034】
警報器4は、センサ部41と、音声入力部42と、外部出力部43と、発光部44と、報知部45と、電源46と、スイッチ47と、制御部48とを備える。センサ部41は、ガスセンサ411を備える。ガスセンサ411は、宅内のガス漏れを検知して制御部48に検知信号を出力する。
【0035】
音声入力部42は、集音機能と、音声認識機能とを備え、集音機能により収集された音声を認識して音声信号を制御部48に出力する。外部出力部43は、ガスセンサ411から出力された検知信号、音声入力部42から出力された音声信号、制御部48で生成された制御信号を、Uバス通信により無線機3のUバスI/F312やガスメータ2のUバスI/F252に出力する。
【0036】
発光部44は、ガスセンサ411によりガス漏れが検知された場合等の警報器4の作動時に制御部48により作動される。報知部45は、警報器4の作動時に作動され、音声を出力する。電源46は、警報器4の各部に電力を供給する電源であり、商用電源に接続される。スイッチ47は、ユーザーにより警報停止時や点検時に操作される。
【0037】
制御部48は、ガスセンサ411によりガス漏れが検知された場合や音声入力部42から災害情報等が入力された場合等の警報時に、発光部44、報知部45を作動させる。また、制御部48は、ガスセンサ411によりガス漏れが検知された場合や音声入力部42から災害情報等が入力された場合等の警報時に、警報パルス信号、ガス濃度の計測信号や音声信号を外部出力部43から無線機3に出力する。さらに、制御部48は、スイッチ47が操作された場合に、警報を停止させたり、警報器4を点検モードに設定したりする。
【0038】
クラウドサーバ5は、AIスピーカガイドラインサーバ51と、集中監視サーバ52と、自動検針サーバ53とを備える。AIスピーカガイドラインサーバ51と集中監視サーバ52とは、API(Application Programing Interface)連携を実行する。APIの提供者であるAIスピーカガイドラインサーバ51は、集中監視サーバ52のHTTPリクエストに応じて、コンソール内部の関数を起動してAIスピーカ6に音声を出力させる。
【0039】
例えば、警報器4のガスセンサ411によりガス漏れが検知されて警報器4が作動した場合、集中監視サーバ52からAIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストが送信され、AIスピーカガイドラインサーバ51は、AIスピーカ6に音声を出力させる。この際、AIスピーカ6は、換気を促す音声を出力する。
【0040】
また、ガスメータ2の遮断弁26が弁開動作を実行してから所定時間(例えば、15~20秒程度)が経過するまでの間に、再度、遮断弁26が弁閉動作を実行する事象が発生する場合がある。この場合、集中監視サーバ52からAIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストが送信され、AIスピーカガイドラインサーバ51は、AIスピーカ6に音声を出力させる。この際、AIスピーカ6は、ガスの供給の復帰を阻害する事象が発生していること(遮断弁26を再遮断すること)を示す復帰阻害情報を報知する音声を出力する。
【0041】
さらに、上記所定時間が経過するまでの間に、再度、遮断弁26が弁閉動作を実行する事象が発生しなかった場合、集中監視サーバ52からAIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエスト(復帰完了通知指示)が送信され、AIスピーカガイドラインサーバ51は、AIスピーカ6に音声を出力させる(復帰完了通知指示に応じた復帰可能情報の通知)。この際、AIスピーカ6は、ガスの供給の復帰が完了したことを示す復帰完了情報を報知する音声を出力する。
【0042】
また、AIスピーカガイドラインサーバ51は、AIスピーカ6に入力されて音声認識機能により認識された音声に応じて、APIを実行し、集中監視サーバ52にHTTPリクエストを送信する。例えば、AIスピーカ6が、ガスメータ2の遮断弁26の開弁動作を指示する音声(ガスの供給の復帰の指示)を認識した場合、AIスピーカガイドラインサーバ51から集中監視サーバ52にHTTPリクエストが送信される。この際、AIスピーカガイドラインサーバ51は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文を、ガスメータ2の識別情報と共に集中監視サーバ52に送信する。
【0043】
ガスメータ2の制御部210は、警報器4の作動時に警報器4から出力された警報パルス信号を受信し、遮断弁26に弁閉動作を実行させる。
【0044】
他方で、集中監視サーバ52は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文をAIスピーカガイドラインサーバ51から受信した場合、弁開動作を実行させる指示電文を無線機3に送信する。そして、無線機3が、受信した指示電文をガスメータ2に送信することにより、ガスメータ2の遮断弁26による弁開動作が遠隔で実行される。
【0045】
また、集中監視サーバ52は、ガスメータ2や警報器4から受信する各種情報に基づいて、ガスの使用状況の異常の有無を判定し、遮断弁26の遠隔操作や、住民や保安機関への報知等を実施する。また、自動検針サーバ53は、ガスメータ2の検針情報を無線機3を介して受信する。
【0046】
図3は、図1,2のガスメータ管理システム1におけるガス漏れの発生からAIスピーカ6による音声通知までの処理を示すフロー図である。まず、警報器4のガスセンサ411によりガス漏れが検知されると、警報器4が発報する。この際、警報器4とガスメータ2との無線通信を介した連動が開始し、警報器4からガスメータ2に警報パルス信号が送信される。
【0047】
次に、警報パルス信号を受信したガスメータ2の遮断弁26が、弁閉動作を実行する。これと共に、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動が開始する。この際、無線機3が、宅内でガス漏れが発生したことを示す電文、及び遮断弁26が弁閉状態であることを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。
【0048】
次に、集中監視サーバ52とAIスピーカガイドラインサーバ51とのAPI連携が開始し、集中監視サーバ52は、AIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストを送信する。次に、AIスピーカガイドラインサーバ51は、コンソール内部の関数を起動してAIスピーカ6に音声を出力させる。この際、AIスピーカ6は、「換気扇ではなく窓を開けて換気してください。」等の換気を指示する音声を出力する。
【0049】
図4は、図1,2のガスメータ管理システム1における警報停止及びユーザーの音声指示からガスメータ2の弁開動作までの処理を示すフロー図である。まず、警報器4の警報が停止する。これにより、ユーザーは、ガス漏れが止まったと理解する。
【0050】
次に、AIスピーカガイドラインサーバ51は、「ガスを使えるようにして」等の遮断弁26の弁開動作を指示する音声が、AIスピーカ6により認識されたか否かを判定する。AIスピーカガイドラインサーバ51は、遮断弁26の弁開動作を指示する音声が認識されたと判定した場合、APIを実行し、集中監視サーバ52にHTTPリクエストを送信する(API通信)。この際、AIスピーカガイドラインサーバ51は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文を、ユーザーの宛先と共に集中監視サーバ52に送信する。また、AIスピーカ6は、ランプを点灯させる。
【0051】
次に、集中監視サーバ52は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文を、無線機3に送信する。そして、無線機3が、受信した指示電文をNライン又はUバス通信によりガスメータ2に送信する。ガスメータ2の制御部210は、遮断弁26による弁開動作を実行する。
【0052】
図5は、図1,2のガスメータ管理システム1における復帰安全確認中の再遮断判定からAIスピーカ6による音声通知までの処理を示すフロー図である。まず、ガスメータ2の制御部210が、遮断弁26に弁開動作を実行させてから所定時間(例えば、15~20秒程度)が経過するまでの間に、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23、及びその他のセンサの出力に基づいて、再度、遮断弁26が弁閉動作を実行する事象が発生したか否かを判定する。制御部210は、再度、遮断弁26が弁閉動作を実行する事象が発生したと判定した場合、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動を開始する。この際、無線機3が、遮断弁26の再遮断が発生したことを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。
【0053】
次に、集中監視サーバ52とAIスピーカガイドラインサーバ51とのAPI連携が開始し、集中監視サーバ52は、AIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストを送信する。次に、AIスピーカガイドラインサーバ51は、コンソール内部の関数を起動してAIスピーカ6に音声を出力させる(復帰阻害通知指示の送信)。この際、AIスピーカ6は、「〇〇のため、復帰することができませんでした。」等のガスの復帰ができない状態であることを報知する音声を出力する(復帰阻害通知指示に応じた復帰阻害情報の通知)。
【0054】
図6は、図1,2のガスメータ管理システム1における復帰可能判定からAIスピーカ6による音声通知までの処理を示すフロー図である。まず、ガスメータ2の制御部210が、遮断弁26に弁開動作を実行させてから所定時間(例えば、15~20秒程度)が経過するまでの間に、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23、及びその他のセンサの出力に基づいて、再度、遮断弁26が弁閉動作を実行する事象が発生したか否かを判定する。制御部210は、再度、遮断弁26が弁閉動作を実行する事象が発生しなかったと判定した場合、ガスが使用可能になったことを報知する表示を、表示部27に表示させる。また、制御部210は、再度、遮断弁26が弁閉動作を実行する事象が発生しなかったと判定した場合、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動を開始する。この際、無線機3が、ガスの供給の復帰が完了したことを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。
【0055】
次に、集中監視サーバ52とAIスピーカガイドラインサーバ51とのAPI連携が開始し、集中監視サーバ52は、AIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストを送信する。次に、AIスピーカガイドラインサーバ51は、コンソール内部の関数を起動してAIスピーカ6に音声を出力させる(復帰完了通知指示の送信)。この際、AIスピーカ6は、「ガスが使えます。」等の遮断弁26を開くことによりガスの使用が可能になることを報知する音声を出力する(復帰完了通知指示に応じた復帰完了情報の通知)。
【0056】
図7(A)~(E)は、AIスピーカ6の音声(発話)の一例を示す図である。図7(A)に示すように、ガス漏れ時に、AIスピーカ6は、行動アドバイスの音声を出力する(アドバイス通知指示に応じた行動アドバイスの通知)。行動アドバイスとしては、「ガス機器の使用を中止してください。」等のガス機器の使用中止を促すアドバイスや、「換気扇ではなく、窓を開けて換気してください。」等の換気を促すアドバイス等を例示できる。
【0057】
図7(B)に示すように、ガス漏れ時に、AIスピーカ6は、ガス濃度を報知する音声を出力する(ガス濃度通知指示に応じた宅内のガス濃度の低下の度合の通知)。ガス濃度の報知の内容としては、「ガス濃度が下がってきています。」等のガス濃度が低下中であることの報知や、「ガス濃度が下がりました。復帰動作ができます。」等のガス濃度の低下が終了したことの報知等を例示できる。
【0058】
図7(C)に示すように、遮断弁26(図2等参照)の復帰が可能か否かの判断時(復帰安全確認時)に再遮断が必要な状況になった場合、AIスピーカ6は、再遮断を報知する音声を出力する(復帰阻害通知指示に応じた復帰阻害情報の通知)。再遮断の報知の内容としては、「圧力低下を検知したため、再度遮断しました。」等の圧力低下による遮断や、「震度5以上の揺れを検知したため、再度遮断しました。」等の感震センサ23(図2参照)が作動したことによる遮断等を例示できる。
【0059】
図7(D)に示すように、遮断弁26の復帰が可能か否かの判断(復帰安全確認)時に、AIスピーカ6は、行動アドバイスの音声を出力する。行動アドバイスとしては、「ガスボンベの元栓を開けて下さい。」等のガスの開栓に関するアドバイスや、「緊急避難先をお持ちの端末に送信しました。」等の避難に関するアドバイス等を例示できる。
【0060】
図7(E)に示すように、停電時に、AIスピーカ6は、行動アドバイスの音声を出力する。行動アドバイスとしては、「ブレーカーの状況を確認してください。」等の電源復旧に関するアドバイスや、「電気器具のコンセントを抜いてください。」等の安全行動のアドバイスを例示できる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態のクラウドサーバ5、及びガスメータ管理システム1は、以下の(1)~(3)の機能を備える。
(1)遮断弁26が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する機能
(2)遮断弁26が弁閉状態であることを示す弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けたAIスピーカ6から取得する機能
(3)復帰指示をAIスピーカ6から取得した後、遮断弁26を弁閉状態から弁開状態へ移行させる弁開指示をガスメータ2に送信する機能
【0062】
これにより、宅内のユーザーが、遮断弁26の弁開操作を行う機会が殆ど無いユーザーである場合でも、ガス漏れ発生時に、AIスピーカ6の指示に従って行動を行うことにより、ガスの供給の遮断状態からの復帰を、不安感を抱くことなく行うことができる。さらに、ユーザーは、遮断弁26の弁開動作を宅内での指示により実施できることにより、ガスの供給の遮断状態からの復帰を、手間をかけずに行うことができる。
【0063】
また、本実施形態のクラウドサーバ5、及びガスメータ管理システム1は、以下の(4)~(6)の機能を備える。
(4)弁開指示をガスメータ2に送信した後、ガスの供給の復帰を阻害する事象が発生していることを示す復帰阻害情報を取得する機能
(5)弁開指示をガスメータ2に送信した後の所定時間に、復帰阻害情報を取得した場合には、復帰阻害情報をAIスピーカ6に通知させる復帰阻害通知指示を、AIスピーカ6に送信する機能
(6)弁開指示をガスメータ2に送信した後の所定時間に、復帰阻害情報を取得しなかった場合には、ガスの供給の復帰が完了したことを示す復帰完了情報をAIスピーカ6に通知させる復帰完了通知指示を、AIスピーカ6に送信する機能
【0064】
これにより、ユーザーは、遮断弁26の弁開動作を実施してから復帰するまでの間の安全確認時に、ガスの圧力の低下や感震センサ23の作動等により遮断弁26が再び遮断する事象が発生したことを、AIスピーカ6の音声で確認することができる。
【0065】
また、本実施形態のクラウドサーバ5、及びガスメータ管理システム1は、以下の(7)の機能を備える。
(7)警報器4の作動時に弁状態情報を取得する機能
【0066】
これにより、警報器4の作動に連動してガスの供給が遮断弁26により遮断された場合に、宅内のユーザーは、AIスピーカ6の指示に従って行動することにより、ガスの供給の遮断状態からの復帰を、不安感を抱くことなく行うことができる。
【0067】
また、本実施形態のクラウドサーバ5、及びガスメータ管理システム1は、以下の(8)の機能を備える。
(8)遮断弁26が弁閉状態であることを示す弁状態情報を取得した場合に、ユーザーの行動についてのアドバイスをAIスピーカ6に通知させるアドバイス通知指示を、AIスピーカ6に送信する機能
【0068】
これにより、ユーザーは、ガス漏れ発生時に、AIスピーカ6から発せられるアドバイスに従って、安心して行動することができる。
【0069】
また、本実施形態のクラウドサーバ5、及びガスメータ管理システム1は、以下の(9)の機能を備える。
(9)遮断弁26が弁閉状態であることを示す弁状態情報を取得した場合に、ガスセンサ411の検出値に基づいて、宅内のガス濃度の低下の度合を判定し、判定した宅内のガス濃度の低下の度合をAIスピーカ6に通知させるガス濃度通知指示を、AIスピーカ6に送信する機能
【0070】
これにより、ユーザーは、ガス漏れ発生時に、AIスピーカ6から発せられる音声で宅内のガス濃度の低下の度合を確認することができることから、安心して行動することができる。
【0071】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態では、図2に示すガスメータ2の制御部210が、遮断弁26の弁閉動作の実行後に、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23、警報器4のガスセンサ411から出力される信号に基づいて、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行が可能か否かを判定する。制御部210は、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行が可能と判定した場合には、ガスの供給が可能な状態になったことを表示部27に表示させるための制御信号を生成する。当該制御信号は、出力部29により表示部27に出力される。また、制御部210は、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行が可能であるか否かの判定情報を生成する。当該判定情報は、出力部29により、NラインI/F251とUバスI/F252とに出力される。
【0072】
ここで、ガスメータ2は、戸建て住宅や集合住宅の宅外に設置されていることから、宅内のユーザーは、表示部27を確認できない。それに対して、本実施形態では、ガスの供給が禁止状態から許可状態に移行した場合、集中監視サーバ52からAIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストが送信され、AIスピーカガイドラインサーバ51は、AIスピーカ6に音声を出力させる(復帰可能通知指示の送信)。この際、AIスピーカ6は、ガスの使用が可能になったことを報知する音声を出力する(復帰可能通知指示に応じた復帰可能情報の通知)。これにより、宅内のユーザーは、AIスピーカ6の音声により、ガスの供給が禁止状態から許可状態に移行したことを確認できる。
【0073】
ここで、ガスメータ2の遮断弁26が弁閉動作を実行してから所定時間が経過するまでの間に、宅内のガス濃度が低下しなかったり、弁開動作を実行できない事象が発生したりする場合がある。この場合、集中監視サーバ52からAIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストが送信され、AIスピーカガイドラインサーバ51は、AIスピーカ6に音声を出力させる。この際、AIスピーカ6は、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行ができないこと(遮断弁26の弁開状態への復帰ができないこと)を報知する音声を出力する。これにより、宅内のユーザーは、AIスピーカ6の音声により、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行ができないことを確認できる。
【0074】
本実施形態では、まず、上述の実施形態と同様に、警報器4のガスセンサ411によりガス漏れが検知されてからAIスピーカ6により換気を指示する音声が出力されるまでの処理が実行される(図3参照)。
【0075】
次に、ガスメータ2の制御部210が、遮断弁26に弁閉動作を実行させてから所定時間が経過するまでの間に、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23、及びその他のセンサの出力に基づいて、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行が可能か否かを判定する(図5参照)。制御部210は、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行が不可能と判定した場合、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動を開始する。この際、無線機3が、遮断弁26に弁開動作を実行させることができないことを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。
【0076】
次に、集中監視サーバ52とAIスピーカガイドラインサーバ51とのAPI連携が開始し、集中監視サーバ52は、AIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストを送信する。次に、AIスピーカガイドラインサーバ51は、コンソール内部の関数を起動してAIスピーカ6に音声を出力させる(移行阻害通知指示の送信)。この際、AIスピーカ6は、「〇〇のため、復帰することができませんでした。」等のガスの復帰ができない状態であることを報知する音声(移行阻害通知指示に応じた移行阻害情報の通知)を出力する。
【0077】
他方で、制御部210は、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行が可能(ガスが使用可能)と判定した場合、ガスが使用可能になったことを報知する表示を、表示部27に表示させる(図6参照)。また、制御部210は、ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行が可能と判定した場合、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動を開始する。この際、無線機3が、遮断弁26の弁開動作が可能になったことを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。
【0078】
次に、集中監視サーバ52とAIスピーカガイドラインサーバ51とのAPI連携が開始し、集中監視サーバ52は、AIスピーカガイドラインサーバ51にHTTPリクエストを送信する。次に、AIスピーカガイドラインサーバ51は、コンソール内部の関数を起動してAIスピーカ6に音声を出力させる(復帰可能通知指示の送信)。この際、AIスピーカ6は、「ガスが使えます。」等の遮断弁26を開くことによりガスの使用が可能になることを報知する音声を出力する(復帰可能通知指示に応じた復帰可能情報の通知)。
【0079】
本実施形態では、AIスピーカ6が、「ガスを使えるようにしますか」等の遮断弁26を開くことによりガスの使用が可能になることを報知する音声を出力し、当該音声が出力された後に、ガスメータ2の弁開動作を実行する処理に移行する(図4参照)。まず、当該音声の出力により、ユーザーは、遮断弁26を開くことによりガスの使用が可能になることを理解する。加えて、警報器4の警報の停止によっても、ユーザーは、遮断弁26を開くことによりガスの使用が可能になることを理解する。
【0080】
次に、AIスピーカガイドラインサーバ51は、「ガスを使えるようにして」等の遮断弁26の弁開動作を指示する音声が、AIスピーカ6により認識されたか否かを判定する。AIスピーカガイドラインサーバ51は、遮断弁26の弁開動作を指示する音声が認識されたと判定した場合、APIを実行し、集中監視サーバ52にHTTPリクエストを送信する(API通信)。この際、AIスピーカガイドラインサーバ51は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文を、ユーザーの宛先と共に集中監視サーバ52に送信する。また、AIスピーカ6は、ランプを点灯させる。
【0081】
次に、集中監視サーバ52は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文を、無線機3に送信する。そして、無線機3が、受信した指示電文をNライン又はUバス通信によりガスメータ2に送信する。ガスメータ2の制御部210は、遮断弁26による弁開動作を実行する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態では、上述の(1)~(3)の機能に加えて、以下の(10)~(12)の機能を備える。
(10)ガスの供給が許可される許可状態とガスの供給が禁止される禁止状態とのいずれの状態であるかを示すガス供給情報を取得する機能
(11)遮断弁26が弁閉状態であることを示す弁状態情報を取得した後、ガスの供給が許可状態であることを示すガス供給情報を取得した場合に、ガスの供給の復帰が可能であることを示す復帰可能情報をAIスピーカ6に通知させる復帰可能通知指示を、AIスピーカ6に送信する機能
(12)復帰可能通知指示をAIスピーカ6に送信した後、復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けたAIスピーカ6から取得する機能
【0083】
これにより、ユーザーは、ガスの供給が遮断された後の安全確認時に、宅内のガス濃度が低下したり、ガスの圧力の低下や感震センサ23の作動等によりガスの供給が禁止される事象が発生していないことを、AIスピーカ6の音声で確認することができる。そして、ユーザーは、ガスの供給の復帰が可能であることをAIスピーカ6の音声で確認したうえで、遮断弁26の弁開動作を宅内での指示により実施できる。
【0084】
さらに、本実施形態では、以下の(13),(14)の機能を備える。
(13)ガスの供給の禁止状態から許可状態への移行を阻害する事象が発生していることを示す移行阻害情報を取得する機能
(14)移行阻害情報を取得した場合には、移行阻害情報をAIスピーカ6に通知させる移行阻害通知指示を、AIスピーカ6に送信する機能
【0085】
これにより、ユーザーは、遮断弁26の弁閉動作を実施した後の安全確認時に、ガスの圧力の低下や感震センサ23の作動等により遮断弁26の弁開動作を妨げる事象が発生したことを、AIスピーカ6の音声で確認することができる。
【0086】
図8は、本発明の他の実施形態に係るガスメータ管理システム11の概略を示す図である。この図に示すように、本実施形態のガスメータ管理システム11では、端末として、AIスピーカ6に代えて、又はAIスピーカ6に加えて、スマートフォン等の携帯端末7が用いられる。携帯端末7は、「情報の通知と指示の受付とを行う端末」の一例である。なお、上述の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、上述の実施形態についての説明を援用する。
【0087】
本実施形態のクラウドサーバ5’は、ガスメータ2の集中監視に必要な様々な情報や検針情報を、自動で収集する機能に加えて、携帯端末7をガスメータ2や警報器4と連動させる機能を実現するためのプログラムを格納している。即ち、クラウドサーバ5’は、クラウドサービスとして、ガスメータ2の集中監視、自動検針、及び携帯端末7とガスメータ2と警報器4との連動を実現するためのIOTプラットフォームを提供する。
【0088】
携帯端末7は、コミュニケーションアプリ(モバイルメッセンジャー)がインストールされたスマートフォン等の携帯型通信機器である。携帯端末7は、クラウドサーバ5’に通信可能に無線や有線で接続されている。携帯端末7とクラウドサーバ5’との接続は、携帯電話通信網による接続、Wi-FiやBluetooth(登録商標)等の無線通信とインターネット回線とによる接続、及び、モバイルWi-Fiルータによる接続等を例示できる。
【0089】
携帯端末7は、クラウドサーバ5’を介してガスメータ2と警報器4と連動し、例えば、警報器4の発報時、ガスの復旧動作が可能になった時、ガスの復旧動作の実行時、及び、ガスの復旧動作の完了時等にコミュニケーションアプリのトーク画面(以下、トーク画面という)にメッセージやボタンを表示させる。また、携帯端末7は、例えば、ガスの復旧動作が可能になった時等に、トーク画面に表示されたボタンの操作、又はトーク画面への文字入力により入力された指示を認識機能により認識してクラウドサーバ5’に送信する。クラウドサーバ5’は、当該携帯端末7に対応する無線機3を識別して弁開動作の指示電文を当該無線機3に送信する。当該無線機3は、対応するガスメータ2に弁開動作の指示電文を送信し、当該ガスメータ2は弁開動作を実行する。
【0090】
図9は、図8のガスメータ管理システム11を示すブロック図である。この図に示すように、本実施形態のガスメータ管理システム11では、クラウドサーバ5’が、ガイドラインサーバ51’と、集中監視サーバ52と、自動検針サーバ53とを備える。ガイドラインサーバ51’と集中監視サーバ52とは、API連携を実行する。APIの提供者であるガイドラインサーバ51’は、集中監視サーバ52のHTTPリクエストに応じて、コンソール内部の関数を起動して携帯端末7のトーク画面にメッセージ等を表示させる。
【0091】
例えば、警報器4のガスセンサ411によりガス漏れが検知されて警報器4が作動した場合、集中監視サーバ52からガイドラインサーバ51’にHTTPリクエストが送信され、ガイドラインサーバ51’は、携帯端末7のトーク画面にメッセージ等を表示させる。この際、携帯端末7は、換気やガス機器の使用停止を促すメッセージをトーク画面に表示する。
【0092】
また、ガスメータ2の遮断弁26が弁閉動作を実行した後、ガスメータ2の制御部210が、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23、及びその他のセンサの出力に基づいて、ガスの復旧動作の実行の可否を判定する。制御部210がガスの復旧動作の実行を可能と判定した場合、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動が開始する。この際、無線機3が、ガスの復旧動作が可能であることを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。集中監視サーバ52は、ガイドラインサーバ51’にHTTPリクエストを送信し、ガイドラインサーバ51’は、携帯端末7のトーク画面にメッセージ等を表示させる(復帰可能通知指示の送信)。この際、携帯端末7は、ガスの復帰動作が可能になったこと通知するメッセージをトーク画面に表示する。
【0093】
また、ガイドラインサーバ51’は、携帯端末7のタッチパネル上のトーク画面に表示されたボタンの操作又は当該トーク画面へのメッセージの文字入力に応じて、APIを実行し、集中監視サーバ52にHTTPリクエストを送信する。例えば、携帯端末7のトーク画面において遮断弁26の開弁動作を指示するボタンの操作又はメッセージの入力が行われた場合、HTTPリクエストがガイドラインサーバ51’から集中監視サーバ52に送信される。この際、ガイドラインサーバ51’は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文(弁開指示)を、ガスメータ2の識別情報(以下、メータIDという)と共に集中監視サーバ52に送信する。
【0094】
他方で、集中監視サーバ52は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文をガイドラインサーバ51’から受信した場合、弁開動作を実行させる指示電文をメータIDと共に無線機3に送信する。そして、無線機3が、受信した指示電文をメータIDにより識別されるガスメータ2に送信することにより、ガスメータ2の遮断弁26による弁開動作が遠隔で実行される。
【0095】
ここで、ガイドラインサーバ51’は、メータIDとコミュニケーションアプリの識別情報(端末の識別情報、以下、アプリIDという)と、ガスメータ2の遮断弁26の復帰指示の受付可否のフラグ(送信可否情報、以下、復帰受付フラグという)とを対応付けて記憶するデータベースを有している。遮断弁26が閉じている状態で復帰指示の受付が可となり、復帰受付フラグはONになる。他方で、遮断弁26が開いている状態で復帰指示の受付が不可となり、復帰受付フラグはOFFになる。
【0096】
ガイドラインサーバ51’は、メータID及びアプリIDを携帯端末7のコミュニケーションアプリから取得してデータベースに記録することができる。ガイドラインサーバ51’は、上記データベースに記憶されていないメータID及びアプリIDを取得した場合に、復帰受付フラグを初期設定する。初期状態の復帰受付フラグはOFFである。他方で、ガイドラインサーバ51’は、遮断弁26に弁閉動作を実行させる指示電文を、メータIDと共に集中監視サーバ52に送信した場合、当該メータIDに対応してデータベースに記録されている復帰受付フラグをONに切り換える。
【0097】
ガイドラインサーバ51’は、復帰受付フラグがOFFであるアプリIDにより識別される携帯端末7のコミュニケーションアプリからの復帰指示を受付不可とする。他方で、ガイドラインサーバ51’は、復帰受付フラグがONであるアプリIDにより識別される携帯端末7のコミュニケーションアプリからの復帰指示を受付可とする。
【0098】
図10は、図8,9のガスメータ管理システム11におけるガス漏れの発生から携帯端末7によるガス供給停止通知までの処理を示すフロー図である。まず、警報器4のガスセンサ411によりガス漏れが検知されると、警報器4が発報する。この際、警報器4とガスメータ2との無線通信を介した連動が開始し、警報器4からガスメータ2に警報パルス信号が送信される。
【0099】
次に、警報パルス信号を受信したガスメータ2の遮断弁26が、弁閉動作を実行する。これと共に、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動が開始する。この際、無線機3が、宅内でガス漏れが発生したことを示す電文、及び遮断弁26が弁閉状態であることを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。
【0100】
次に、集中監視サーバ52とガイドラインサーバ51’とのAPI連携が開始し、集中監視サーバ52は、ガイドラインサーバ51’にHTTPリクエストを送信する。次に、ガイドラインサーバ51’は、コンソール内部の関数を起動して携帯端末7のトーク画面にメッセージを表示させる。
【0101】
図11は、携帯端末7のトーク画面を示す図である。この図に示すように、警報器4によりガス漏れが検知されると、携帯端末7のトーク画面に「ガス供給停止通知」等のメッセージM1が表示される。このメッセージM1の内容としては、ガス漏れの発生とガス供給の停止とを通知する内容が挙げられる。例えば、「ガス漏れが発生したため、ガスの供給を停止しました。下記の動作を速やかに行ってください。」等である。また、メッセージM1の内容としては、換気やガス機器の使用の中止を促す内容も挙げられる。例えば、「(1):換気扇を使わずに窓を開けて換気してください。(2):ガス機器の使用を直ちに停止してください。」等である。
【0102】
図12は、図8,9のガスメータ管理システム11における遮断弁26の弁閉動作から携帯端末7によるガス復旧可能通知までの処理を示すフロー図である。まず、ガスメータ2の制御部210が、流量センサ21、圧力センサ22、感震センサ23、及びその他のセンサの出力に基づいて、ガスの復旧動作の実行の可否を判定する。制御部210がガスの復旧動作の実行を可能と判定した場合、ガスメータ2と無線機3とのNライン又はUバス通信を介した連動が開始する。この際、無線機3が、ガスの復旧動作が可能であることを示す電文を、無線通信(LTE通信)により集中監視サーバ52へ送信する。
【0103】
次に、集中監視サーバ52とガイドラインサーバ51’とのAPI連携が開始し、集中監視サーバ52は、ガイドラインサーバ51’にHTTPリクエストを送信する。次に、ガイドラインサーバ51’は、コンソール内部の関数を起動して携帯端末7のトーク画面にメッセージを表示させる。
【0104】
図11に示すように、携帯端末7のトーク画面には、「ガス復旧可能通知」等のメッセージM2が表示される(復帰可能通知指示に応じた復帰可能情報の通知)。このメッセージM2の内容としては、ガス漏れの停止とガス復旧動作の実行指示とを通知する内容が挙げられる。例えば、「ガス漏れの心配がなくなりましたので、復旧動作を行うことができます。ボタンをタップして、復旧動作を行ってください。」等である。また、メッセージM2には、ガス復旧動作の実行を指示するためのボタンも表示される。このボタンは、例えば、「ガス復旧」ボタンである。
【0105】
図13は、図8,9のガスメータ管理システム11におけるガス復旧動作の実行指示の受付からガス復旧動作の完了までの処理を示すフロー図である。まず、ガイドラインサーバ51’は、復帰受付フラグがONであるアプリIDにより識別される携帯端末7からガス復旧動作の実行指示が送信されたか否かを判定する。ガイドラインサーバ51’は、当該携帯端末7からガス復旧動作の実行指示が送信されたと判定した場合、APIを実行し、集中監視サーバ52にHTTPリクエストを送信する(API通信)。この際、ガイドラインサーバ51’は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文を、対応するメータIDと共に集中監視サーバ52に送信する。また、ガイドラインサーバ51’は、当該メータID及びアプリIDに対応する復帰受付フラグをOFFに切り換える。さらに、ガイドラインサーバ51’は、コンソール内部の関数を起動して携帯端末7のトーク画面にメッセージM3,M4を表示させる(図11参照)。メッセージM3の内容としては、ガス復旧動作の実行指示を示す内容が挙げられる。例えば、「復旧」等である。また、メッセージM4の内容としては、ガス復旧動作が実行中であることを通知する内容が挙げられる。例えば、「復旧動作を行っております。しばらくお待ちください。」等である。
【0106】
次に、集中監視サーバ52は、ガスメータ2の遮断弁26に弁開動作を実行させる指示電文を、メータIDと共に無線機3に送信する。そして、無線機3が、受信した指示電文をNライン又はUバス通信により、メータIDにより識別されるガスメータ2に送信する。ガスメータ2の制御部210は、遮断弁26による弁開動作を実行する。
【0107】
次に、ガイドラインサーバ51’は、コンソール内部の関数を起動して携帯端末7のトーク画面にメッセージM5を表示させる(図11参照)。このメッセージM5の内容としては、ガス復旧動作の完了を通知する内容が挙げられる。例えば、「復旧動作が完了しました。ガスをお使いいただけます。引き続き、ご安心してガスをお使いください。」等である。
【0108】
以上説明したように、本実施形態のクラウドサーバ5、及びガスメータ管理システム11は、以下の(15)~(18)の機能を備える。
(15)遮断弁26が弁開状態と弁閉状態とのいずれの状態であるかを示す弁状態情報を取得する機能
(16)遮断弁26が弁閉状態であることを示す弁状態情報を取得した後、ガスの供給の復帰を指示する復帰指示を、ガスの供給の復帰の指示を受け付けた携帯端末7から取得する機能
(17)遮断弁26が閉じた状態で弁開指示のガスメータ2への送信を可とし、遮断弁26が開いている状態で弁開指示のガスメータ2への送信を不可とする復帰受付フラグを、メータID及びアプリIDと対応させて記憶する機能
(18)復帰指示を携帯端末7から取得した後、携帯端末7に対応する復帰受付フラグがON(可)である場合に弁開指示を携帯端末7に対応するガスメータ2に送信し、携帯端末7に対応する復帰受付フラグがOFF(不可)である場合に弁開指示を携帯端末7に対応するガスメータ2に送信しない機能
【0109】
ここで、遮断弁26の弁閉動作が実行されてから時間が経過しガス漏れが収まった後、ユーザーが携帯端末7からガス復旧動作の実行指示を送信するケースを想定する。この想定において、ユーザーは、ガス復旧動作が、指示通りに実行されているか否かを確認することができない。そのため、ユーザーは、何度も携帯端末7からガス復旧動作の実行指示を送信してしまう可能性がある。ここで、ガスメータ2の復帰ボタン24(図9参照)が操作された場合には、制御部210が、復帰ボタン24の操作から所定時間、復帰ボタン24の操作を無効化する。そのため、復帰ボタン24が複数回操作された場合でも、遮断弁26の弁開指示は一度しか送信されず、無駄に電力が消費されることはない。
【0110】
そこで、本実施形態では、ガイドラインサーバ51’が、上記復帰受付フラグをメータID及びアプリIDと対応させて記憶し、当該携帯端末7のアプリIDに対応する復帰受付フラグがOFFである場合に、当該携帯端末7から取得されるガス復旧動作の実行指示を無効化する。それにより、携帯端末7からガス復旧動作の実行指示が複数回入力された場合でも、遮断弁26の弁開指示は、遮断弁26が閉じている時しか送信されず、無駄に電力が消費されることはない。
【0111】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、適宜公知や周知の技術を組み合わせてもよい。
【0112】
例えば、上記実施形態のガスメータ管理システム1では、端末として、AIスピーカ6を例に挙げ、上記実施形態のガスメータ管理システム11では、端末として、携帯端末7を例に挙げた。しかしながら、ガスメータ管理システム1において、AIスピーカ6に代えて、又はAIスピーカ6に加えて、携帯端末7を用いてもよい。また、ガスメータ管理システム11において、携帯端末7に代えて、又は携帯端末7に加えて、AIスピーカ6を用いてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、AIスピーカ6は、ユーザーへの通知を発話により行ったが、発話に代えて、又は発話に加えて、音声、文字、画像、発光等により行ってもよい。発話、音声、文字、画像、発光等は、単独で用いてもよく、相互に組み合わせて用いてもよい。AIスピーカ6が表示画面を備える場合には、文字や画像を表示画面に表示させることでユーザーに通知することができる。また、AIスピーカ6が発光部を備える場合には、発光部を発光させることでユーザーに通知することができる。
【0114】
また、上記実施形態では、警報器4をガスメータ2、及びAIスピーカ6又は携帯端末7と連動させたが、これは必須ではない。ガスメータ管理システム1,11は、ガスメータ2とAIスピーカ6等の端末とを連動させるシステムとしてもよく、警報器4に代わる機器とガスメータ2とAIスピーカ6等の端末とを連動させるシステムとしてもよい。
【0115】
さらに、上記実施形態では、情報処理システムとして、クラウドサーバ5,5’を例に挙げたが、クラウドサーバ5,5’に代えて、物理サーバを用いてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 ガスメータ管理システム
2 ガスメータ
4 警報器
5 クラウドサーバ(情報処理システム)
5’ クラウドサーバ(情報処理システム)
6 AIスピーカ(端末)
7 携帯端末(端末)
11 ガスメータ管理システム
26 遮断弁
411 ガスセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13