(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183370
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】エタノール脱水によるエチレン製造の製造プロセス及び装置
(51)【国際特許分類】
C07C 1/24 20060101AFI20231220BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20231220BHJP
C07C 11/04 20060101ALI20231220BHJP
C07C 7/13 20060101ALI20231220BHJP
C07C 7/09 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
C07C1/24
B01D53/26 231
C07C11/04
C07C7/13
C07C7/09
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041119
(22)【出願日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】202210671939.5
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523095211
【氏名又は名称】天津大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】張 敏華
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ 浩
(72)【発明者】
【氏名】董 賀
(72)【発明者】
【氏名】時 鋒
(72)【発明者】
【氏名】余 英哲
【テーマコード(参考)】
4D052
4H006
【Fターム(参考)】
4D052AA02
4D052AA03
4D052CD00
4D052DA02
4D052DB01
4D052HA03
4H006AA02
4H006AC13
4H006BD82
4H006BD84
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エタノール脱水によるエチレン製造のプロセス及び装置を提供する。
【解決手段】装置は、エタノール脱水反応システム、急冷圧縮システム、アルカリ洗浄システム、分子ふるい乾燥システム、エチレン精製システム及びプロピレン冷却循環システムを含み、分子ふるい乾燥システムは、エチレン精製システムで生成された製品エチレンの一部を循環エチレンとして分子ふるい乾燥塔の脱着再生を行い、分子ふるい乾燥システムは、(1)アルカリ洗浄システムからの粗エチレン、水を分子ふるい乾燥システムに送り、その中の水分を除去した後、得られた粗エチレンをエチレン精製システムに送ることと、(2)エチレン精製システムで生成された製品エチレンの一部を循環エチレンとして分子ふるい乾燥システムに送り、脱着ガスとして乾燥塔の再生を行うことと、を含む。脱着後の循環エチレンは冷却圧縮されて急冷圧縮システムに送り戻される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノール脱水反応システム、急冷圧縮システム、アルカリ洗浄システム、分子ふるい乾燥システム、エチレン精製システム及びプロピレン冷却循環システムを含むエタノール脱水によるエチレン製造のプロセスであって、
分子ふるい乾燥システムに使用される技術的解決手段は、
アルカリ洗浄システムからの粗エチレン、水を分子ふるい乾燥システムに送り、その中の水分を除去した後、得られた粗エチレンをエチレン精製システムに送るステップと、
エチレン精製システムで生成された製品エチレンの一部を循環エチレンとして分子ふるい乾燥システムに送り、脱着ガスとして乾燥塔の再生を行い、脱着後の循環エチレンは冷却圧縮されて急冷圧縮システムに送り戻されるステップと、を含む、
ことを特徴とするエタノール脱水によるエチレン製造のプロセス。
【請求項2】
分子ふるい乾燥システムは、循環エチレン予熱器、エチレン乾燥塔、エチレン乾燥塔保護器、循環エチレン冷却器、循環エチレン圧縮機ユニット及び付帯した加熱、搬送機器を含み、エチレン乾燥塔及びその保護器は、吸着飽和後に再生する必要があり、再生プロセスは降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成され、降圧プロセスにおいてエチレン乾燥塔及びその保護器から排出したガスは循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られ、乾燥塔の圧力が設定値に降下した後、循環エチレン予熱器からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器により設定値に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行い、ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続け、ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは循環エチレン冷却器により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られ、乾燥塔の温度が一定の温度に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が設定値に達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続け、再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている、
ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール脱水によるエチレン製造のプロセス。
【請求項3】
乾燥塔の脱着操作圧力は0.06~2.00Mpaであり、脱着操作温度は100~140℃である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエタノール脱水によるエチレン製造のプロセス。
【請求項4】
請求項1、2又は3のエタノール脱水によるエチレン製造プロセスを実現する装置であって、
分子ふるい乾燥システム装置において、気液分離槽の気相出口管路を介して第1エチレン乾燥塔、第2エチレン乾燥塔の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第2エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予熱器の昇温側出口に接続され、第1エチレン乾燥塔の塔頂、第2エチレン乾燥塔の塔頂は、循環エチレン冷却器の降温側入口に接続され、循環エチレン冷却器の降温側出口は、循環エチレン圧縮機ユニット入口に接続され、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予冷器の降温側入口に接続される、
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エタノール脱水によるエチレン製造のプロセス及び装置に関し、特にエチレン分子ふるい脱水乾燥プロセス及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレンは最も重要な有機化工原料であり、その産業規模、生産量及び技術レベルは、国の化学産業の発展の重要な象徴となっている。世界的に見ると、産業化国家のエチレン原料は一般的に軽質原料を主とする。ナフサを分解原料とするエチレンは、世界の総エチレン生産量の約50%を占め、エタンは2番目に多い分解原料であり、エタン分解で生成されたエチレンは、世界の総エチレン生産量の約28%を占める。以上の2種類の原料分解により生成されたエチレンは、総生産量の75%を超え、残りのエチレンは主に液化石油ガス(LPG)、コンデンセート及び中間留分油などを原料とする。
【0003】
エタノールによるエチレン製造は、適切な温度と触媒作用下でエタノール脱水により実現され、エタノールの触媒的脱水によるエチレン製造は、産業上でエチレン製造に使用される最も早いプロセス方法である。化石原料によるエチレン製造とは異なり、エタノールによるエチレン製造の原料はエタノールであり、エタノールはバイオマスの発酵によって得ることができる。バイオマスは、再生可能性、低汚染性及び広く分布するという特徴があり、エネルギーを提供できるより重要なバイオマスには、木材、木材の廃棄物、農作物、食品加工プロセスからの廃棄物及び水生植物などが含まれる。バイオマスであるエタノールによるエチレン製造のプロセスルートは、建設周期が短く、投資が相対的に少ない及び製造プロセス条件が穏やかであるなどの利点もあり、且つ当該プロセスによるエチレン製造は、CO2の排出量を削減し、製品の純度が高く、構成が比較的簡単であり、分離と精製が相対的に容易である。
【0004】
エタノール脱水によるエチレン製造のプロセスフローには一般に、エタノール脱水反応段階とエチレン製品精製段階という2つの部分が含まれる。エタノール原料は、蒸発と予熱の後に脱水反応器に入り、粗エチレンを生成し、次に水洗浄塔、アルカリ洗浄塔、乾燥塔、軽質成分を分離する塔及び重質成分を分離する塔などに順に入って極性物質、CO2、H2O、軽質成分の副産物及び重質成分の副産物などを除去し、最終的に重質成分を分離する塔の塔頂でエチレン製品を得る。
【0005】
エタノールによるエチレン製造の反応生成物には大量の水が含まれ、アルカリ洗浄塔で脱塩水リンスを行った後、粗エチレンにも大量の水が含まれ、エチレンの精製は低温下で行う必要があり、水が低温分離システムに持ち込まれると、低温で凍結するため、機器と管路の閉塞が発生し、水が低温下で凍結するため凍結閉塞を引き起こすことに加えて、高圧、低温の場合では、水は炭化水素と共に白色の結晶性水和物を形成することがあり、これらの水和物も管路内に蓄積して閉塞の原因となるため、蒸留前にエチレンを乾燥処理する必要がある。
【0006】
従来の分子ふるい乾燥装置の分子ふるい本体は、入ったガス材料を一定の時間脱水乾燥させた後、水蒸気を吸着する能力を失うため、この時、作業者が分子ふるい本体を交換する必要があるが、交換操作プロセスは煩雑で時間と手間がかかることが多く、且つ分子ふるい本体の交換中に脱水されるガスの乾燥作業を停止する必要があり、装置の作業効率を低減し、分子ふるい本体の交換が必要であるか否かを常に手動で監視する必要があるため、自動化の度合いが低い。
【0007】
特許文献1には、分子ふるいに用いられた再生方法及び装置が開示されている。ここでは、N2を用いて吸着飽和を実現する分子ふるい吸着装置の空間ガス置換及び熱再生が詳細に記載されている。しかし、当該方法はエチレン装置の乾燥塔に使用されると、再生完了前に実際の材料交換が必要であり、その過程で材料と時間が多く浪費され、N2の排出により一定の汚染が発生する。
【0008】
特許文献2では、不活性化された乾燥剤を分子ふるい製造原料と混合して撹拌し、結晶構造を再構築するが、この方法は閉鎖型連続脱水分子ふるいに適用しない。
【0009】
本発明の目的は、斬新なエタノール脱水によるエチレン製造装置の分子ふるい乾燥プロセスを提供することである。装置内のエチレン精製システムの製品エチレンの一部を分子ふるいシステムに導入し、脱着ガスとして乾燥塔の再生を行うことによって、エチレンの内部循環を実現し、他の脱着ガスを使用することによって引き起こされる材料の浪費と環境汚染の問題を解決する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】CN201210248326.7
【特許文献2】CN201910089250.X
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、エタノール脱水によるエチレン製造のプロセスに関し、特にエチレン分子ふるい脱水乾燥プロセス及び方法に関する。本発明の目的は、斬新なエタノール脱水によるエチレン製造装置の分子ふるい乾燥プロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
エタノール脱水によるエチレン製造のプロセスであって、エタノール脱水反応システム、急冷圧縮システム、アルカリ洗浄システム、分子ふるい乾燥システム、エチレン精製システム及びプロピレン冷却循環システムを含み、分子ふるい乾燥システムに使用される技術的解決手段のステップは以下の通りである。
(1)アルカリ洗浄システムからの粗エチレン、水を分子ふるい乾燥システムに送り、その中の水分を除去した後、得られた粗エチレンをエチレン精製システムに送る。
(2)エチレン精製システムで生成された製品エチレンの一部を循環エチレンとして分子ふるい乾燥システムに送り、脱着ガスとして乾燥塔の再生を行い、脱着後の循環エチレンは冷却圧縮されて急冷圧縮システムに送り戻される。
【0013】
上記のエタノール脱水によるエチレン製造のプロセスにおいて、分子ふるい乾燥システムは、循環エチレン予熱器、エチレン乾燥塔、エチレン乾燥塔保護器、循環エチレン冷却器、循環エチレン圧縮機ユニット及び付帯した加熱、搬送機器を含み、エチレン乾燥塔及びその保護器は、吸着飽和後に再生する必要があり、再生プロセスは降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成され、降圧プロセスにおいてエチレン乾燥塔及びその保護器から排出したガスは循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られる。乾燥塔の圧力が設定値に降下した後、循環エチレン予熱器からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器により設定値に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行う。ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続け、ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは循環エチレン冷却器により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られ、乾燥塔の温度が一定の温度に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が設定値に達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続け、再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている。
【0014】
上記乾燥塔の脱着操作圧力は0.06~2.00Mpaであり、脱着操作温度は100~140℃である。
【0015】
本発明は、エタノール脱水によるエチレン製造プロセスの装置を提供する。分子ふるい乾燥システム装置において、気液分離槽の気相出口管路を介して第1エチレン乾燥塔、第2エチレン乾燥塔の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第2エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予熱器の昇温側出口に接続され、第1エチレン乾燥塔の塔頂、第2エチレン乾燥塔の塔頂は、循環エチレン冷却器の降温側入口に接続され、循環エチレン冷却器の降温側出口は、循環エチレン圧縮機ユニット入口に接続され、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予冷器の降温側入口に接続される。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる斬新なエタノール脱水によるエチレン製造装置の粗エチレン脱水のプロセス及び装置は、その利点がエチレン精製システムの製品エチレンの一部を循環エチレンとして分子ふるいシステムに脱着ガスを提供して乾燥塔を再生させることである。循環エチレンを脱着ガスとして使用することは、他の脱着ガス(例えば、窒素ガス)を使用することによって引き起こされる汚染問題を回避するだけでなく、グリーン生産レベルも向上する。3A分子ふるいの最大吸着量は20%に達することができ、循環エチレンの脱着後の含水量は約2%~6%であり、乾燥後の粗エチレンの含水量は1ppm未満に達することができ、エチレン精製システムに入った水分含有量基準5ppmよりもはるかに低い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明にかかるエタノール脱水によるエチレン製造プロセスのエタノール脱水反応システム及び急冷圧縮システムのフローチャートである。
【
図2】本発明にかかるエタノール脱水によるエチレン製造プロセスのアルカリ洗浄システム及び分子ふるい乾燥システムのフローチャートである。
【
図3】本発明にかかるエタノール脱水によるエチレン製造プロセスのエチレン精製システム及びプロピレン冷却循環システムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1、
図2及び
図3を合わせて、具体的な実施例により本発明をさらに詳しく説明し、以下の実施例は制限するためのものではなく、説明するためのものに過ぎず、それらによって本発明の保護範囲を限定することはできない。
【0019】
本発明は、以下の技術的解決手段を含むエタノール脱水によるエチレン製造の製造プロセスを提供する。
(1)エタノールをエタノール脱水反応システムに送り、脱水反応によって反応ガスを得るステップを含む。
(2)反応ガスを急冷圧縮システムに冷却分離し、回収された蒸気をエタノール脱水反応システムに戻すステップを含む。
(3)粗エチレン、二酸化炭素、水をアルカリ洗浄システムに送り、その中の二酸化炭素成分を除去し、粗エチレン及び水を得るステップを含む。
(4)アルカリ洗浄システムからの粗エチレン、水を分子ふるい乾燥システムに送り、その中の水分を除去した後、得られた粗エチレンをエチレン精製システムに送るステップを含む。
(5)エチレン精製システムで生成されたエチレン生成物を循環エチレンとして分子ふるい乾燥システムに送り、脱着ガスを提供して乾燥塔の再生を行うステップを含む。
(6)粗エチレンをエチレン精製システムに送り、エチレン製品を得るステップを含む。
(7)プロピレン冷却循環システムがエチレン精製システムに温熱と冷熱を提供するステップを含む。
【0020】
本発明は、エタノール予熱器101、エタノール蒸発槽102、エタノール過熱器103、加熱炉104、第1反応器105、第2反応器106、第3反応器107、第1エタノール蒸発器108、第2エタノール蒸発器109、第1気液分離槽110、分離槽排出ポンプ111、生成物冷却器112、急冷塔113、急冷塔循環ポンプ114、急冷塔冷却器115、急冷塔釜液体ポンプ116、凝縮液予熱器117、蒸発塔再沸騰器118、蒸発塔119、第2気液分離槽120、第1エチレン圧縮機121、第1エチレン冷却器122、アルカリ洗浄塔123、粗エチレン冷却器124、アルカリ液循環ポンプ125、第3気液分離槽126、循環エチレン予熱器133、第1エチレン乾燥塔127、第1エチレン乾燥塔保護器128、第2エチレン乾燥塔129、第2エチレン乾燥塔保護器130、循環エチレン冷却器131、循環エチレン圧縮機ユニット132、脱気槽134、放散塔135、放散塔釜水ポンプ136、放散塔釜水冷却器137、エチレン予冷器138、エチレン蒸発器139、燃料ガス槽140、燃料ガス加熱器141、循環エチレン加熱器142、プロピレン圧縮機二次ガス補給槽143、エチレン深冷器144、脱メタン塔145、脱メタン塔再沸騰器146、精製塔147、精製塔再沸騰器148、プロピレン収集槽149、プロピレン凝縮器150、脱メタン塔冷却器151、精製塔還流槽152、精製塔塔頂凝縮器153、プロピレン圧縮機一次ガス補給槽154、プロピレン一次圧縮機155、プロピレン二次圧縮機156及び付帯した加熱、搬送機器を含む、斬新なエタノールによるエチレン製造の製造装置を提供する。
【0021】
分子ふるい乾燥システムの機器は、第3気液分離槽126の気相出口が第1エチレン乾燥塔127、第2エチレン乾燥塔129の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔127塔釜が第1エチレン乾燥塔保護器128の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器130の塔頂にそれぞれ接続され、第2エチレン乾燥塔129の塔釜が第1エチレン乾燥塔保護器128の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器130の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔127の塔釜、第1エチレン乾燥塔保護器128の塔釜、第2エチレン乾燥塔129の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器130の塔釜が循環エチレン予熱器133の昇温側出口に接続され、第1エチレン乾燥塔127の塔頂、第2エチレン乾燥塔129の塔頂が循環エチレン冷却器131の降温側入口に接続され、循環エチレン冷却器131の降温側出口が循環エチレン圧縮機ユニット132の入口に接続され、第1エチレン乾燥塔保護器128の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器130の塔釜が循環エチレン予冷器138の降温側入口に接続されるように接続されている。
【0022】
上記技術的解決手段において、ステップ(1)の具体的な実施形態は以下の通りである。原料エタノールは、エタノール予熱器101により予熱された後にエタノール蒸発槽102に入って蒸発し、エタノール蒸気を加熱・昇温した後に加熱炉と反応器で反応させた後に生成された反応ガスは、温熱の回収後に第1気液分離槽110に入る。分離した液相は蒸発塔119に送られ、気相は急冷塔113に送られる。
【0023】
上記技術的解決手段において、ステップ(2)の具体的な実施形態は以下の通りである。エタノール脱水システムからの反応ガスは、冷却後に急冷塔113に送られてさらに冷却し、急冷塔113の塔頂で得られたストリームは第2気液分離槽120に送られて気液分離を行い、得られた粗エチレンはアルカリ洗浄システムに送られる。急冷塔113の塔釜の液相が反応ガスと熱交換を行った後に得られた凝縮液は、予熱後に蒸発塔119に送られ、塔頂で得られた回収蒸気は、希釈蒸気としてエタノール脱水反応システムに送り戻され、蒸発塔119の塔釜で得られた残りの廃液は、廃水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0024】
上記技術的解決手段において、ステップ(3)の具体的な実施形態は以下の通りである。急冷圧縮システムからの粗エチレンは冷却後にアルカリ洗浄塔123の底部に送られ、塔頂に脱塩水を送ってリンスし、粗エチレン中の二酸化炭素成分を除去する。廃アルカリ液と塔釜の廃水を集めた後に脱気槽134に送られる。アルカリ洗浄塔123の塔頂で得られたエチレン、水などは、冷却後に第3気液分離槽126に送られる。分離した気相は分子ふるい乾燥システムに送られ、液相は脱気槽134に送られる。脱気槽134から脱出した気相は急冷塔113に戻され、液相は放散塔135に入る。放散塔135から分離した気相は廃気処理を行うように境界領域外に送られ、釜液は冷却後に汚水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0025】
上記技術的解決手段において、ステップ(4)の具体的な実施形態は以下の通りである。アルカリ洗浄システムから送られた粗エチレン及び水は、エチレン乾燥塔127と129及びその保護器に入り、脱水乾燥を経た後、乾燥した粗エチレンは更なる処理を行うようにエチレン精製システムに送られる。
【0026】
上記技術的解決手段において、ステップ(5)の具体的な実施形態は以下の通りである。エチレン乾燥塔127と129及びその保護器は吸着飽和後に再生する必要がある。再生プロセスは、降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成される。降圧プロセスにおいて、エチレン乾燥塔127又は129及びその保護器から排出したガスは、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。乾燥塔の圧力が0.15~0.18Mpaに降下した後、循環エチレン予熱器133からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器133により100~140℃に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行う。ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続ける。ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは、循環エチレン冷却器131により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。吸着器の温度が100~140℃に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が1.7~2.0Mpaに達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続ける。再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている。
【0027】
上記技術的解決手段において、ステップ(6)の具体的な実施形態は以下の通りである。分子ふるい乾燥システムからの粗エチレンは、冷却後に脱メタン塔145に送られ、脱メタン塔145の塔頂で得られた軽質成分の不純物は、一部が還流し、一部が燃料ガス槽140に送られ、脱メタン塔145の塔釜で得られた粗エチレンは精製塔147に送られ、塔釜材料は燃料ガス槽140に送られる。塔頂ガスは凝縮後に精製塔還流槽152に入り、一部のエチレンが還流液とし、一部が断熱フラッシュ蒸発を経て低温エチレンが得られ、分子ふるい乾燥システムに送られる。精製塔還流槽152内の残りの製品エチレンは、設定温度に加熱された後にエチレン製品を得て境界領域外に送られる。
【0028】
上記技術的解決手段において、ステップ(7)の具体的な実施形態は以下の通りである。プロピレン冷却循環システムは、エチレン精製システムに温熱と冷熱を提供し、熱交換後の液相プロピレンはプロピレン収集槽149に送られる。プロピレン収集槽149内の液相プロピレンは、降温後に気液分離を行うようにプロピレン圧縮機一次ガス補給槽154に送られ、液相プロピレンはこの槽に一時的に保存され、気相は圧縮後にプロピレン一次圧縮機156に入る。
【0029】
図1に示す本発明にかかるエタノール脱水によるエチレン製造プロセスのエタノール脱水反応システムと急冷圧縮システムのフローチャート、
図2に示すアルカリ洗浄システムと分子ふるい乾燥システムのフローチャート及び
図3に示すエチレン精製システムとプロピレン冷却循環システムのフローチャートに示されている。
【0030】
上記の第1反応器の操作圧力は0.75~1.25Mpa、入口温度は420~520℃、出口温度は300~430℃であり、第2反応器の操作圧力は0.55~0.95Mpa、入口温度は420~520℃、出口温度は300~430℃であり、第3反応器の操作圧力は0.40~0.70Mpa、入口温度は420~520℃、出口温度は300~430℃だえり、急冷塔の操作圧力は0.25~0.55Mpa、塔頂温度は30~60℃、塔釜温度は70~90℃であり、蒸発塔の操作圧力は1.20~1.45Mpa、塔頂温度は180~225℃、塔釜温度は190~245℃であり、アルカリ洗浄塔の操作圧力は1.50~2.30Mpa、塔頂温度は20~46℃、塔釜温度は30~55℃であり、乾燥塔の脱着操作圧力は0.06~2.00Mpa、脱着操作温度は100~140℃であり、放散塔の操作圧力は0.22~0.28Mpa、操作温度は109~139℃であり、脱メタン塔の操作圧力は1.55~2.35Mpa、塔頂温度は-83~-56℃、塔釜温度は-43~-26℃であり、精製塔操作圧力は1.55~2.35Mpa、塔頂温度は-43~-20℃、塔釜温度は-29~-9℃である。
【0031】
以下、具体的な実例を用いて本願の方法の具体的な実施プロセスを説明する。
(実施例1)
【0032】
原料エタノールは、エタノール予熱器101により予熱された後にエタノール蒸発槽102に入って蒸発し、エタノール蒸気を加熱・昇温した後に加熱炉と反応器で反応させた後に生成された反応ガスは、温熱の回収後に第1気液分離槽110に入る。分離した液相は蒸発塔119に送られ、気相は急冷塔113に送られる。
【0033】
エタノール脱水システムからの反応ガスは、冷却後に急冷塔113に送られてさらに冷却し、急冷塔113の塔頂で得られたストリームは第2気液分離槽120に送られて気液分離を行い、得られた粗エチレンなどはアルカリ洗浄システムに送られ、急冷塔113の塔釜の液相が反応ガスと熱交換を行った後に得られた凝縮液は、予熱後に蒸発塔119に送られ、塔頂で得られた回収蒸気は、希釈蒸気としてエタノール脱水反応システムに送り戻され、蒸発塔119の塔釜で得られた残りの廃液は、廃水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0034】
急冷圧縮システムからの粗エチレンは冷却後にアルカリ洗浄塔123の底部に送られ、塔頂に脱塩水を送ってリンスし、粗エチレン中の二酸化炭素成分を除去し、廃アルカリ液と塔釜の廃水を集めた後に脱気槽134に送られる。アルカリ洗浄塔123の塔頂で得られたエチレン、水などは、冷却後に第3気液分離槽126に送られる。分離した気相は分子ふるい乾燥システムに送られ、液相は脱気槽134に送られる。脱気槽134から脱出した気相は急冷塔113に戻され、液相は放散塔135に入る。放散塔135から分離した気相は廃気処理を行うように境界領域外に送られ、釜液は冷却後に汚水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0035】
アルカリ洗浄システムから送られた粗エチレンは、第1エチレン乾燥塔127と第2エチレン乾燥塔129及びその保護器に入って脱水・乾燥し、乾燥して水を除去した後の粗エチレンはエチレン精製システムに送られる。乾燥後の粗エチレンの含水量は0.9ppmである。乾燥塔の脱着操作温度は100℃であり、脱着操作圧力は0.06Mpaである。
【0036】
エチレン乾燥塔127と129及びその保護器は、吸着飽和後に循環エチレンを用いて脱着ガスとして乾燥塔の再生を行う必要がある。再生プロセスは、降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成される。降圧プロセスにおいて、エチレン乾燥塔127又は129及びその保護器から排出したガスは、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。乾燥塔の圧力が0.15Mpaに降下した後、循環エチレン予熱器133からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器133により100℃に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行う。ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続ける。ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは、循環エチレン冷却器131により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。吸着器の温度が100℃に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が1.7Mpaに達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続ける。再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている。脱着後の分子ふるいの含水量は2%である。
【0037】
分子ふるい乾燥システムからの粗エチレンは、冷却後に脱メタン塔145に送られ、脱メタン塔145の塔頂で得られた軽質成分の不純物は、一部が還流し、一部が燃料ガス槽140に送られる。脱メタン塔145の塔釜で得られた粗エチレンは精製塔147に送られ、塔釜材料は燃料ガス槽140に送られる。塔頂ガスは凝縮後に精製塔還流槽152に入り、一部のエチレンが還流液とし、一部が断熱フラッシュ蒸発を経て低温エチレンが得られ、分子ふるい乾燥システムに送られる。精製塔還流槽152内の残りの製品エチレンは、設定温度に加熱された後にエチレン製品を得て境界領域外に送られる。
【0038】
プロピレン冷却循環システムは、エチレン精製システムに温熱と冷熱を提供し、熱交換後の液相プロピレンはプロピレン収集槽149に送られ、プロピレン収集槽149内の液相プロピレンは、降温後に気液分離を行うようにプロピレン圧縮機一次ガス補給槽154に送られ、液相プロピレンはこの槽に一時的に保存され、気相は圧縮後にプロピレン一次圧縮機156に入る。
【0039】
本実施例の原料エタノールの供給量は4200kg/hrであり、最終的に質量部数99.91%のエチレン製品が得られ、転化率は99.6%であり、1トン当たりのエチレンの製造には、蒸気が1.55トン消費され、触媒の再生周期は18か月である。
(実施例2)
【0040】
原料エタノールは、エタノール予熱器101により予熱された後にエタノール蒸発槽102に入って蒸発し、エタノール蒸気を加熱・昇温した後に加熱炉と反応器で反応させた後に生成された反応ガスは、温熱の回収後に第1気液分離槽110に入る。分離した液相は蒸発塔119に送られ、気相は急冷塔113に送られる。
エタノール脱水システムからの反応ガスは、冷却後に急冷塔113に送られてさらに冷却し、急冷塔113の塔頂で得られたストリームは第2気液分離槽120に送られて気液分離を行い、得られた粗エチレンなどはアルカリ洗浄システムに送られ、急冷塔113の塔釜の液相が反応ガスと熱交換を行った後に得られた凝縮液は、予熱後に蒸発塔119に送られ、塔頂で得られた回収蒸気は、希釈蒸気としてエタノール脱水反応システムに送り戻され、蒸発塔119の塔釜で得られた残りの廃液は、廃水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0041】
急冷圧縮システムからの粗エチレンは冷却後にアルカリ洗浄塔123の底部に送られ、塔頂に脱塩水を送ってリンスし、粗エチレン中の二酸化炭素成分を除去し、廃アルカリ液と塔釜の廃水を集めた後に脱気槽134に送られる。アルカリ洗浄塔123の塔頂で得られたエチレン、水などは、冷却後に第3気液分離槽126に送られる。分離した気相は分子ふるい乾燥システムに送られ、液相は脱気槽134に送られる。脱気槽134から脱出した気相は急冷塔113に戻され、液相は放散塔135に入る。放散塔135から分離した気相は廃気処理を行うように境界領域外に送られ、釜液は冷却後に汚水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0042】
アルカリ洗浄システムから送られた粗エチレンは、第1エチレン乾燥塔127と第2エチレン乾燥塔129及びその保護器に入って脱水・乾燥し、乾燥して水を除去した後の粗エチレンはエチレン精製システムに送られる。乾燥後の粗エチレンの含水量は0.85ppmである。乾燥塔の脱着操作温度は150℃であり、脱着操作圧力は2.0Mpaである。
【0043】
エチレン乾燥塔127と129及びその保護器は、吸着飽和後に循環エチレンを用いて脱着ガスとして乾燥塔の再生を行う必要がある。再生プロセスは、降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成される。降圧プロセスにおいて、エチレン乾燥塔127又は129及びその保護器から排出したガスは、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。乾燥塔の圧力が0.18Mpaに降下した後、循環エチレン予熱器133からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器133により140℃に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行う。ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続ける。ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは、循環エチレン冷却器131により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。吸着器の温度が140℃に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が1.88Mpaに達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続ける。再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている。脱着後の分子ふるいの含水量は4%である。
【0044】
分子ふるい乾燥システムからの粗エチレンは、冷却後に脱メタン塔145に送られ、脱メタン塔145の塔頂で得られた軽質成分の不純物は、一部が還流し、一部が燃料ガス槽140に送られる。脱メタン塔145の塔釜で得られた粗エチレンは精製塔147に送られ、塔釜材料は燃料ガス槽140に送られる。塔頂ガスは凝縮後に精製塔還流槽152に入り、一部のエチレンが還流液とし、一部が断熱フラッシュ蒸発を経て低温エチレンが得られ、分子ふるい乾燥システムに送られる。精製塔還流槽152内の残りの製品エチレンは、設定温度に加熱された後にエチレン製品を得て境界領域外に送られる。
【0045】
プロピレン冷却循環システムは、エチレン精製システムに温熱と冷熱を提供し、熱交換後の液相プロピレンはプロピレン収集槽149に送られる。プロピレン収集槽149内の液相プロピレンは、降温後に気液分離を行うようにプロピレン圧縮機一次ガス補給槽154に送られ、液相プロピレンはこの槽に一時的に保存され、気相は圧縮後にプロピレン一次圧縮機156に入る。
【0046】
本実施例の原料エタノールの供給量は4500kg/hrであり、最終的に質量部数99.91%のエチレン製品が得られ、転化率は99.6%であり、1トン当たりのエチレンの製造には、蒸気が1.56トン消費される。
(実施例3)
【0047】
原料エタノールは、エタノール予熱器101により予熱された後にエタノール蒸発槽102に入って蒸発し、エタノール蒸気を加熱・昇温した後に加熱炉と反応器で反応させた後に生成された反応ガスは、温熱の回収後に第1気液分離槽110に入る。分離した液相は蒸発塔119に送られ、気相は急冷塔113に送られる。
【0048】
エタノール脱水システムからの反応ガスは、冷却後に急冷塔113に送られてさらに冷却し、急冷塔113の塔頂で得られたストリームは第2気液分離槽120に送られて気液分離を行い、得られた粗エチレンなどはアルカリ洗浄システムに送られる。急冷塔113の塔釜の液相が反応ガスと熱交換を行った後に得られた凝縮液は、予熱後に蒸発塔119に送られ、塔頂で得られた回収蒸気は、希釈蒸気としてエタノール脱水反応システムに送り戻され、蒸発塔119の塔釜で得られた残りの廃液は、廃水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0049】
急冷圧縮システムからの粗エチレンは冷却後にアルカリ洗浄塔123の底部に送られ、塔頂に脱塩水を送ってリンスし、粗エチレン中の二酸化炭素成分を除去し、廃アルカリ液と塔釜の廃水を集めた後に脱気槽134に送られる。アルカリ洗浄塔123の塔頂で得られたエチレン、水などは、冷却後に第3気液分離槽126に送られる。分離した気相は分子ふるい乾燥システムに送られ、液相は脱気槽134に送られる。脱気槽134から脱出した気相は急冷塔113に戻され、液相は放散塔135に入る。放散塔135から分離した気相は廃気処理を行うように境界領域外に送られ、釜液は冷却後に汚水処理を行うように境界領域外に送られる。
【0050】
アルカリ洗浄システムから送られた粗エチレンは、第1エチレン乾燥塔127と第2エチレン乾燥塔129及びその保護器に入って脱水・乾燥し、乾燥して水を除去した後の粗エチレンはエチレン精製システムに送られる。乾燥後の粗エチレンの含水量は0.9ppmである。乾燥塔の脱着操作温度は130℃であり、脱着操作圧力は1.00Mpaである。
【0051】
エチレン乾燥塔127と129及びその保護器は、吸着飽和後に循環エチレンを用いて脱着ガスとして乾燥塔の再生を行う必要がある。再生プロセスは、降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成される。降圧プロセスにおいて、エチレン乾燥塔127又は129及びその保護器から排出したガスは、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。乾燥塔の圧力が0.16Mpaに降下した後、循環エチレン予熱器133からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器133により130℃に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行う。ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続ける。ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは、循環エチレン冷却器131により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニット132により増圧された後に急冷塔113に送られる。吸着器の温度が130℃に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が1.9Mpaに達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続ける。再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている。脱着及び脱着後の分子ふるいの含水量は6%である。
【0052】
分子ふるい乾燥システムからの粗エチレンは、冷却後に脱メタン塔145に送られ、脱メタン塔145の塔頂で得られた軽質成分の不純物は、一部が還流し、一部が燃料ガス槽140に送られ、脱メタン塔145の塔釜で得られた粗エチレンは精製塔147に送られ、塔釜材料は燃料ガス槽140に送られる。塔頂ガスは凝縮後に精製塔還流槽152に入り、一部のエチレンが還流液とし、一部が断熱フラッシュ蒸発を経て低温エチレンが得られ、分子ふるい乾燥システムに送られる。精製塔還流槽152内の残りの製品エチレンは、設定温度に加熱された後にエチレン製品を得て境界領域外に送られる。
【0053】
プロピレン冷却循環システムは、エチレン精製システムに温熱と冷熱を提供し、熱交換後の液相プロピレンはプロピレン収集槽149に送られる。プロピレン収集槽149内の液相プロピレンは、降温後に気液分離を行うようにプロピレン圧縮機一次ガス補給槽154に送られ、液相プロピレンはこの槽に一時的に保存され、気相は圧縮後にプロピレン一次圧縮機156に入る。
【0054】
本実施例の原料エタノールの供給量は4800kg/hrであり、最終的に質量部数99.91%のエチレン製品が得られ、転化率は99.6%であり、1トン当たりのエチレンの製造には、蒸気が1.57トン消費される。
【0055】
本発明の有益的な技術効果は、循環エチレンを脱着ガスとして使用し、エチレンの内部循環により乾燥塔の再生操作が実現され、グリーン生産レベルが向上することである。
【0056】
本発明において特に指摘されていない機器は従来の機器であり、当業者に知られている方法及び機器を用いることで実現することができる。特定の実施形態及び図面を合わせて本発明を説明したが、本発明は、本明細書に記載された特定の形態に限定されることを意図しない。逆に、本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、個々の特徴は、異なる請求項に含まれる可能性があるが、これらの特徴は有利に組み合わせることができ、また、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実行可能ではない及び/又は有利ではないことを意味するものではない。「第1」、「第2」などへの言及は、複数を除外するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノール脱水反応システム、急冷圧縮システム、アルカリ洗浄システム、分子ふるい乾燥システム、エチレン精製システム及びプロピレン冷却循環システムを含むエタノール脱水によるエチレン製造のプロセスであって、
分子ふるい乾燥システムに使用される技術的解決手段は、
アルカリ洗浄システムからの粗エチレン、水を分子ふるい乾燥システムに送り、その中の水分を除去した後、得られた粗エチレンをエチレン精製システムに送るステップと、
エチレン精製システムで生成された製品エチレンの一部を循環エチレンとして分子ふるい乾燥システムに送り、脱着ガスとして乾燥塔の再生を行い、脱着後の循環エチレンは冷却圧縮されて急冷圧縮システムに送り戻されるステップと、を含み、
分子ふるい乾燥システムは、循環エチレン予熱器、エチレン乾燥塔、エチレン乾燥塔保護器、循環エチレン冷却器、循環エチレン圧縮機ユニット及び付帯した加熱、搬送機器を含み、エチレン乾燥塔及びその保護器は、吸着飽和後に再生する必要があり、再生プロセスは降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成され、降圧プロセスにおいてエチレン乾燥塔及びその保護器から排出したガスは循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られ、乾燥塔の圧力が設定値に降下した後、循環エチレン予熱器からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器により設定値に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行い、ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続け、ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは循環エチレン冷却器により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られ、乾燥塔の温度が一定の温度に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が設定値に達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続け、再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている、
ことを特徴とするエタノール脱水によるエチレン製造のプロセス。
【請求項2】
乾燥塔の脱着操作圧力は0.06~2.00Mpaであり、脱着操作温度は100~140℃である、
ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール脱水によるエチレン製造のプロセス。
【請求項3】
請求項3を請求項1又は2に記載のエタノール脱水によるエチレン製造プロセスを実現する装置であって、
分子ふるい乾燥システム装置において、気液分離槽の気相出口管路を介して第1エチレン乾燥塔、第2エチレン乾燥塔の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第2エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予熱器の昇温側出口に接続され、第1エチレン乾燥塔の塔頂、第2エチレン乾燥塔の塔頂は、循環エチレン冷却器の降温側入口に接続され、循環エチレン冷却器の降温側出口は、循環エチレン圧縮機ユニット入口に接続され、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予冷器の降温側入口に接続される、
ことを特徴とする装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノール脱水反応システム、急冷圧縮システム、アルカリ洗浄システム、分子ふるい乾燥システム、エチレン精製システム及びプロピレン冷却循環システムを含むエタノール脱水によるエチレン製造のプロセスであって、
分子ふるい乾燥システムに使用される技術的解決手段は、
アルカリ洗浄システムからの粗エチレン、水を分子ふるい乾燥システムに送り、その中の水分を除去した後、得られた粗エチレンをエチレン精製システムに送るステップと、
エチレン精製システムで生成された製品エチレンの一部を循環エチレンとして分子ふるい乾燥システムに送り、脱着ガスとして乾燥塔の再生を行い、脱着後の循環エチレンは冷却圧縮されて急冷圧縮システムに送り戻されるステップと、を含み、
分子ふるい乾燥システムは、循環エチレン予熱器、エチレン乾燥塔、エチレン乾燥塔保護器、循環エチレン冷却器、循環エチレン圧縮機ユニット及び付帯した加熱、搬送機器を含み、エチレン乾燥塔及びその保護器は、吸着飽和後に再生する必要があり、再生プロセスは降圧、昇温、降温及び加圧プロセスで構成され、降圧プロセスにおいてエチレン乾燥塔及びその保護器から排出したガスは循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られ、乾燥塔の圧力が設定値に降下した後、循環エチレン予熱器からの循環エチレンを用いて下から上へパージ昇温を行い、この循環エチレンはまず循環エチレン予熱器により設定値に加熱され、乾燥塔のベッドに対してパージ昇温を行い、ベッドの温度が設定値に上昇した後、加熱を停止し、循環エチレンを用いて乾燥塔のベッドに対してパージ降温を行い続け、ベッドの昇温及び降温プロセスにおいて排出したガスは循環エチレン冷却器により冷却され、循環エチレン圧縮機ユニットにより増圧された後に急冷塔に送られ、乾燥塔の温度が一定の温度に降下した後、まず循環エチレンを用いてベッドを加圧し、ベッドの圧力が設定値に達した後に吸着操作中の乾燥塔から排出した高圧ドライエチレンに変えられて平衡になるまで加圧し続け、再生した乾燥塔は次の吸着/再生循環に進むのを待っている、
ことを特徴とするエタノール脱水によるエチレン製造のプロセス。
【請求項2】
乾燥塔の脱着操作圧力は0.06~2.00Mpaであり、脱着操作温度は100~140℃である、
ことを特徴とする請求項1に記載のエタノール脱水によるエチレン製造のプロセス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエタノール脱水によるエチレン製造プロセスを実現する装置であって、
分子ふるい乾燥システム装置において、気液分離槽の気相出口管路を介して第1エチレン乾燥塔、第2エチレン乾燥塔の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第2エチレン乾燥塔の塔釜は、第1エチレン乾燥塔保護器の塔頂、第2エチレン乾燥塔保護器の塔頂にそれぞれ接続され、第1エチレン乾燥塔の塔釜、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予熱器の昇温側出口に接続され、第1エチレン乾燥塔の塔頂、第2エチレン乾燥塔の塔頂は、循環エチレン冷却器の降温側入口に接続され、循環エチレン冷却器の降温側出口は、循環エチレン圧縮機ユニット入口に接続され、第1エチレン乾燥塔保護器の塔釜、第2エチレン乾燥塔保護器の塔釜は、循環エチレン予冷器の降温側入口に接続される、
ことを特徴とする装置。