IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧

特開2023-183378予測方法、予測プログラム及び予測装置
<>
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図1
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図2
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図3
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図4
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図5
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図6
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図7
  • 特開-予測方法、予測プログラム及び予測装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183378
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】予測方法、予測プログラム及び予測装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20231220BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20231220BHJP
【FI】
B65G61/00 524
G06N20/00
B65G61/00 540
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065457
(22)【出願日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】17/841413
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.JAVASCRIPT
3.VISUAL BASIC
4.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リン モン
(72)【発明者】
【氏名】アーナブ チャクラバーティ
(57)【要約】
【課題】コンテナ内部の環境を追跡し、いずれかの状態、すなわち固体、液体、気体の状態の水と関連するダメージを予測する。
【解決手段】コンテナにおける水ダメージを監視および予測するためのシステムを使用することによりダメージを少なくするプリエンプティブアクションを可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって処理される予測方法であって、
運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行する処理を有し、
前記第1のモデルは、
前記運送用コンテナの内部のセンサから受信された内部センサデータと、前記運送用コンテナの外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、
前記第1のモデルは、
前記運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、
前記運送用コンテナに発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行する処理を更に有し、
前記第2のモデルは、
前記運送用コンテナの前記内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または前記運送用コンテナに対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは前記損害率または前記予測重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、
水ダメージに起因する前記損害率または前記運送用コンテナへの水ダメージの前記予測重大度のうちの前記1つまたは複数に基づいて処理するために前記運送用コンテナに優先順位を付ける処理を更に有することを特徴とする予測方法。
【請求項2】
前記機械学習モデルは、
前記内部環境パラメータを水ダメージに起因する前記損害率および水ダメージの前記予測重大度と関連付ける履歴データのデータベースから訓練されることを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項3】
前記第1のモデルは、
物理学ベースのモデルであることを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項4】
前記物理学ベースのモデルは、
前記コンテナの内部環境の熱力学モデルであることを特徴とする請求項3に記載の予測方法。
【請求項5】
前記第1のモデルは、
前記内部環境パラメータを前記内部センサデータおよび前記外部データに関連付ける履歴データのデータベースから訓練された機械学習モデルであることを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項6】
前記第1のモデルは、
信号処理モデルであることを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項7】
前記内部環境パラメータは、
かび指数または累積貨物復水時間のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項8】
前記内部センサデータは、
温度、湿度、ガスレベル、衝撃、加速、扉開標示、光、または液体水の存否のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項9】
前記外部データは、
温度または湿度のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項10】
前記運送用コンテナに優先順位を付ける処理は、
水ダメージに起因する前記損害率または前記運送用コンテナへの水ダメージの前記予測重大度、あるいは前記損害率および前記予測重大度から計算されるメトリクスのうちの前記1つまたは複数に基づいて、アラートが生成されるべきかを判断する処理と、
前記判断が、前記アラートが生成されるべきであると示す場合、前記運送用コンテナのための前記アラートを生成する処理と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項11】
前記損害率および前記予測重大度から計算される前記1つまたは複数のメトリクスは、
貨物品質劣化、サプライチェーン遅延、または経済的影響総計のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
【請求項12】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、
運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行する処理を有し、
前記第1のモデルは、
前記運送用コンテナの内部のセンサから受信された内部センサデータと、前記運送用コンテナの外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、
前記第1のモデルは、
前記運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、
前記プログラムは、
前記運送用コンテナに発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行する処理を更に有し、
前記第2のモデルは、
前記運送用コンテナの前記内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または前記運送用コンテナに対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは前記損害率または前記予測重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、
前記プログラムは、
水ダメージに起因する前記損害率または前記運送用コンテナへの水ダメージの前記予測重大度のうちの前記1つまたは複数に基づいて処理するために前記運送用コンテナに優先順位を付ける処理を更に有することを特徴とする予測プログラム。
【請求項13】
プロセッサを有する予測装置であって、
前記プロセッサは、
運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行するように構成され、
前記第1のモデルは、
前記運送用コンテナの内部のセンサから受信された内部センサデータと、前記運送用コンテナの外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、
前記第1のモデルは、前記運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、
前記プロセッサは、
前記運送用コンテナに発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行するように構成され、
前記第2のモデルは、前記運送用コンテナの前記内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または前記運送用コンテナに対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは損害率または前記予測重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、
前記プロセッサは、
水ダメージに起因する前記損害率または前記運送用コンテナへの水ダメージの前記予測重大度のうちの前記1つまたは複数に基づいて処理するために前記運送用コンテナに優先順位を付けるように構成されることを特徴とする予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に運送用コンテナに関し、より詳しくは運送用コンテナにおける水ダメージを監視および予測するための予測方法、予測プログラム及び予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、運送用コンテナの一例を示す図である。このような運送用コンテナは、全世界中に貨物を運ぶために使用される。関連技術では、貨物がコンテナ内部に入ると、貨物の可視性は低い。コーヒー、ココア、または粉ミルクなどの腐敗性貨物は、運送中に劣化する場合がある。水ダメージがリアルタイムで監視可能であれば、防止、代替品のより迅速な運送、より迅速な保険金の支払い、パラメトリック保険商品などを促進し得る。
【0003】
関連技術の実施形態において、輸送中の品物の状態の検証を扱うシステムおよび方法がある。このような関連技術の実施形態は、状態を追跡するために、データをどのように収集および伝送可能であるかを説明するが、その状態は一般的である。上記関連技術として、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特開2022-0051183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
貨物輸送の状況で特に水ダメージを扱うシステムにおいて、コンテナ内部の悪環境は、輸送中の貨物へのダメージの代表的な原因である。
【0006】
本発明の目的は、コンテナ内部の環境を追跡し、いずれかの状態、すなわち固体、液体、気体の状態の水と関連するダメージを予測することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、方法を含んでもよく、この方法は、運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行することを含んでもよく、第1のモデルは、運送用コンテナの内部のセンサから受信された内部センサデータと、運送用コンテナの外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、第1のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、上記方法は、さらに、運送用コンテナの貨物に発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行することを含んでもよく、第2のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナに対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは損害率または重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、上記方法は、さらに、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナの貨物への水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数に基づいて処理するために運送用コンテナに優先順位を付けることを含んでもよい。
【0008】
本発明の態様は、コンピュータプログラムを含んでもよく、このコンピュータプログラムは、運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行することを含む命令を含んでもよく、第1のモデルは、運送用コンテナの内部のセンサから受信された内部センサデータと、運送用コンテナの外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、第1のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、上記コンピュータプログラムは、さらに、運送用コンテナに発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行することを含む命令を含んでもよく、第2のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナに対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは損害率または重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、上記コンピュータプログラムは、さらに、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナの貨物への水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数に基づいて処理するために運送用コンテナに優先順位を付ける命令を含んでもよい。その命令およびコンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体上に格納され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されることが可能である。
【0009】
本発明の態様は、システムを含んでもよく、このシステムは、運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行するための手段を含んでもよく、第1のモデルは、運送用コンテナの内部のセンサから受信された内部センサデータと、運送用コンテナの外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、第1のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、上記システムは、さらに、運送用コンテナに発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行するための手段を含んでもよく、第2のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナの貨物に対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは損害率または重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、上記システムは、さらに、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナの貨物への水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数に基づいて処理するために運送用コンテナに優先順位を付けるための手段を含んでもよい。
【0010】
本発明の態様は、プロセスを含み得る装置を含んでもよく、このプロセスは、運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行するように構成されてもよく、第1のモデルは、運送用コンテナの内部のセンサから受信された内部センサデータと、運送用コンテナの外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、第1のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、上記プロセスは、さらに、運送用コンテナに発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行するように構成されてもよく、第2のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナの貨物に対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは損害率または重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、上記プロセスは、さらに、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナへの水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数に基づいて処理するために運送用コンテナに優先順位を付けるように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、コンテナ内部の環境を追跡し、いずれかの状態、すなわち固体、液体、気体の状態の水と関連するダメージを予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】運送用コンテナの一例を示す図である。
図2】一実施例による方法の全体図である。
図3】一実施例による例示的なデータを示す図である。
図4】所望の実施形態による、コンテナ内環境モデリングの一例を示す図である。
図5】一実施例による、コンテナの内部環境を推定するための例示的なフローを示す図である。
図6】一実施例による、ダメージモデリングの一例を示す図である。
図7】一実施例による、管理装置にネットワーク接続された複数の運送用コンテナを含むシステムを示す図である。
図8】いくつかの実施例での使用に適した例示的なコンピュータデバイスを有する例示的なコンピューティング環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明は、本願の図および実施例の詳細を提供するものである。図間で重複する要素の参照番号および説明は、明確性のために省略される。説明全体で使用される語は例として提供されたものであり、限定することは意図されない。
【0014】
例えば、「自動」という語の使用は、本願の実施形態を実践する当業者の所望の実施形態に応じて、実施形態の特定の態様に対するユーザまたは管理者の制御を含む、全自動または半自動の実施を含み得る。選択は、ユーザインターフェースまたは他の入力手段を介してユーザによって実行可能であり、あるいは所望のアルゴリズムを介して実施され得る。
【0015】
本明細書に記載するような実施例は、単独で、または組み合わせによって、のいずれかで利用可能であり、その実施例の機能は、所望の実施形態による任意の手段を介して実施され得る。
【0016】
図2は、一実施例による方法の全体図である。
【0017】
図2のシステムに示すように、コンテナ内部の環境を測定するセンサを有する運送用コンテナ200とともに、運送用コンテナに関係すると考えられる任意の他の情報が存在する。このような他の情報は、所望の実施形態によれば、気象状況を監視する測候所におけるセンサ、船の周囲またはコンテナ外部に配置されるセンサなどを含み得る。
【0018】
このセンサによる測定結果は、データ201として提供され、データ201はデータベースによって管理され得る。このようなデータ201は、運送用コンテナ用のコンテナ内環境モデルを訓練/実施するコンテナ内環境モデリング202を実行するために使用される。コンテナ内環境モデリング202からの運送用コンテナの出力内部環境パラメータは、出力に基づいて運送用コンテナへのダメージを予測するように構成されるダメージモデリング203へ提供される。
【0019】
コンテナ内環境モデリング202は、機械学習モデルでもよい。例えば、そのような機械学習モデルは、内部環境パラメータを内部センサデータおよび外部データに関連付ける履歴データのデータベースから訓練された機械学習モデルでもよい。他のモデルも可能であり、本開示はそれに限定されない。
【0020】
所望の実施形態に応じて、そのようなモデルは、物理学ベースのモデルでもよい。例えば、この物理学ベースのモデルは、コンテナの内部環境の熱力学モデルである。あるいは、このモデルは、センサデータのサンプリングに基づいて所望の内部環境パラメータを導出するように構成される信号処理モデルでもよい。
【0021】
ダメージモデリング202は、運送用コンテナの内部環境パラメータを取り込むように構成される機械学習モデルを介して、運送用コンテナに対して発生する水ダメージを導出するように構成され得る。水ダメージの出力表現は、所望の実施形態に応じて、水ダメージに起因した損害率、運送用コンテナに対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは損害率または重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを含み得る。
【0022】
このようなモデルを訓練するために、機械学習モデルは、運送用コンテナの測定/推定された内部パラメータを結果(例えば、損害が発生したか否かなどに関わらず、水ダメージに起因した損害のパーセンテージなど)に関連付ける履歴データに照らして訓練可能である。
【0023】
ダメージモデリング203によって提供可能な他の出力は、ダメージおよび損害統計、リアルタイムアラート、将来的なダメージの予測、ダメージ軽減のための指示を含み得るが、これに限定されない。実施形態が機械学習モデルであるため、機械学習モデルの訓練のために適切な履歴データが利用可能な場合に所望の出力が提供可能である。
【0024】
損害率および重大度から計算される他の1つまたは複数のメトリクスの例は、所望の実施形態にしたがって構成および測定されたような、貨物品質劣化、サプライチェーン遅延、または経済的影響総計のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0025】
出力が決定されると、運送用コンテナと関連付けられたソフトウェアプラットフォームが、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナへの水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数に基づいて処理するために、運送用コンテナに優先順位を付け得る。
【0026】
一例では、水ダメージの可能性または予測重大度が高い運送用コンテナは、フラグが立てられてもよく、または港で最初に開けられるようにソートされてもよい。他の例では、処理は、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナへの水ダメージの予測重大度、あるいはその損害率および重大度から計算されるメトリクスのうちの1つまたは複数に基づいて、アラートが生成されるべきかを判断することを含み得る。
【0027】
アラートが生成されるべきであると判断された場合、その運送用コンテナ用にアラートが生成されてもよく、それによって輸送中に開けられ得る。
【0028】
さらなる詳細を以下に述べる。図3は、一実施例による例示的なデータを示す図である。
【0029】
本明細書で説明される実施例で利用可能なデータの例は、所望の実施形態によれば、運送用コンテナ内部のセンサによって収集されたデータ301、運送用コンテナ外部からの環境データ302、および他のデータ303を含み得るが、これらに限定されない。
【0030】
運送用コンテナ内部のセンサによって収集されたデータ301は、所望の実施形態によれば、温度、湿度、ガス(CO2およびメタンなど)レベル、衝撃/加速、扉開標示、液体水の存否(例えば、床上)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0031】
運送用コンテナ外部からの環境データ302は、所望の実施形態によれば、気象データ(例えば、温度、湿度など)と、関係すると考えられる他のデータとを含み得るが、これらに限定されない。
【0032】
他のデータ303は、所望の実施形態によれば、貨物輸送の行程、船上での運送用コンテナの位置などであるがこれらに限定されないメタデータおよびモデルパラメータを含み得る。
【0033】
図4は、所望の実施形態による、コンテナ内環境モデリングの一例を示す図である。コンテナ内部の環境は、気温、相対湿度(例えば、対応する露点)、貨物表面温度、水の存否(例えば、貨物表面上の復水および氷を含む)、ガス(例えば、CO2およびメタン)の濃度などを含むがこれに限定されない、いくつかのパラメータによって説明される。
【0034】
場合によっては、上記パラメータのうちの1つまたは複数がコンテナ内部に配置されたセンサによって直接測定される。例えば、気温および湿度は、センサによって測定され得る。ただし、例えば、センサが存在しない、または貨物輸送がまだ行われていない、のいずれかなど、直接的な測定が使用不可能な状況もあり得る。センサによって容易に測定される空気パラメータ(気温など)とは異なり、貨物表面で何が起こっているかは測定がより難しい場合があり、推定が必要な場合が多い。
【0035】
そのような変数を推定するために、コンテナ内環境モデリング202は、直接測定されないときに変数を推定する2つのモデルを含み得る。
【0036】
第1のモデルは、コンテナ内温度および湿度を測定するセンサが存在しないときに稼働するものであり、その論理を図4に示す。コンテナの内部温度および相対湿度推定モデル400の実施形態は、いくつかの形態をとり得る。第1の形態では、コンテナの内部温度および相対湿度推定モデル400は、コンテナの外部環境と内部環境との間でどのように熱交換が発生するかを推定する熱力学モデルなど、物理的モデルでもよい。あるいは、このモデルは、内部にセンサを有するコンテナからのデータに関して訓練される教師あり機械学習モデルでもよい。
【0037】
ここで、コンテナ内部のセンサ測定結果は、モデルが予測する変数の役割を果たす。このモデルが訓練されると、センサがない場合に、コンテナ内センサ測定結果を推定するために使用可能である。コンテナ内時系列を推定できる機械学習モデルの例は、LSTM(長短期記憶)モデルであるが、所望の実施形態によれば、他の種類のモデルも機能でき、本開示はそれに限定されない。
【0038】
図4の例では、所望の実施形態によれば、コンテナの内部温度および相対湿度推定モデル400は、使用可能であれば、外部相対湿度測定結果、外部温度測定結果、および内部コンテナ測定結果などの他の所望のパラメータを取り込み得る。この入力に基づいて、コンテナの内部温度および相対湿度推定モデル400は、それにより、相対湿度および温度の推定結果を提供できる。
【0039】
コンテナ内環境モデリング202内部に収容された第2のモデルは、貨物パラメータ推定401である。貨物パラメータ推定401は、貨物パラメータ、特に貨物の表面における温度と、液体形態の水が貨物表面上に存在するかを推定するために使用される。
【0040】
貨物表面温度を推定するには、1つより多いやり方が存在し得る。例えば、一方法は、ニュートンの冷却の法則に基づき得る。ニュートンの冷却の法則は、体の熱損失率は体と外囲との間の温度差に直接比例すると述べる。これを原理として使用すると、微分方程式が導出可能であり、これは、貨物温度を追跡する以下の(数1)を与えるために解かれ得る。
【0041】
【数1】
【0042】
上記(数1)の方程式で、大文字のTは、全般的に温度を指し、小文字のtは時間を指す。Tcargo(t)は、時刻tにおける貨物温度であり、Tinternalは、コンテナの内部気温である。τ(タウ)は、貨物温度がその環境にどの程度速く反応するかを判断する貨物専用定数である。
【0043】
コンテナ内部の復水は、性質上、結露と同一の物理的プロセスをたどる。復水を判断するために、空気の露点は、その温度と相対湿度とから計算される。復水は、貨物温度が空気の露点を下回った時に発生する。復水が発生すると、復水が蒸発してなくなるまで、どの程度かかるかをさらに計算できる。液体状態の水分の存在する状態でいくつかの重大な種類の水ダメージが発生した場合、貨物表面上に液体水が存在するかの判断が重要になる。
【0044】
図4に示すように、貨物パラメータ推定401は、センサデータまたはコンテナの内部温度および相対湿度推定モデル400からの推定結果のいずれかからの内部相対湿度および内部温度を取り込み得る。この入力から、貨物パラメータ推定401は、それにより、貨物の温度とともに、貨物の表面の復水も推定できる。
【0045】
図5は、一実施例による、コンテナ内部環境を推定するための例示的なフローを示す図である。
【0046】
500で、センサ測定結果は、センサがコンテナの内部環境を監視しているかを判断するために処理される。監視している場合(yes)、センサデータは、内部環境のパラメータのために使用される。監視していない場合(no)、コンテナの内部温度および相対湿度推定400を実行することによって、推定結果がコンテナの内部環境のためのパラメータとして提供される。コンテナの内部温度および相対湿度推定400が、使用可能な内部パラメータを取り込み、それに応じて、図4を参照して説明されるように、推定結果を提供する。
【0047】
図6は、一実施例による、ダメージモデリングの一例を示す図である。水を原因とするダメージは、かび、腐食、および/または貨物もしくは包装の構造的脆弱化を含むが、それらに限定されない多くの形態をとり得る。
【0048】
ダメージを検出または予測すると、アラート作成などが教師あり機械学習問題と見なされ、典型的に、クラスがダメージの度合(ダメージ無し/中度のダメージ/重度のダメージなど)である分類として見なされる。エンジニアリングされた特徴は、正確性を高めるとともに、モデルの出力に対して説明機能を加える上で助けになる。これを考慮すると、ダメージモデリング203は、ダメージの種類に基づく特徴エンジニアリング600およびダメージ用機械学習モデル601などの2つの機能を含み得る。
【0049】
ダメージの種類に基づく特徴エンジニアリング600に関して、かびリスクの例が例として提供される。かびの成長は、制御下の環境において研究されてきた。かびの成長率は、以下の(数2)に示す形態を有する場合がある。
【0050】
【数2】
【0051】
ただしa、c、c、cなどは、基板に依存する定数であり、TおよびRHは、それぞれ温度および相対湿度であり、Mはかび指数である。実用上の温度および湿度の範囲内で、かびは、暖かい温度と高湿度で急速に成長する。適切な温度および湿度の測定値から計算されたかび指数Mは、かびリスクによって貨物輸送を分類するための良好な特徴であり得る。
【0052】
かびダメージのための機械学習モデル601は、かびのリスクを予測する特徴として、随時かび指数を使用可能である。同様のアプローチが、他の形態の水ダメージに対しても同様に適用可能である。
【0053】
多くの貨物は、湿度/水に対する露出によるダメージに対して脆弱である。そのようなダメージを追跡、予測、場合によっては防止する機能は、製造業者および荷主にとって有益なものである。本明細書で説明される実施例は、水に起因するダメージを追跡および予測するためのシステムのビルディングブロックの概略を述べる。
【0054】
水ダメージは多くの形態をとり得る。本明細書で説明される実施例は、運送用コンテナが内部にセンサを持たないシナリオから、測定値が依然として有効な出力に変換する必要がある多数のコンテナ内センサが使用可能であるシナリオまでの範囲の様々なシナリオを説明し得る。
【0055】
図6に示すように、所望の実施形態によれば、ダメージモデリング203は、行程に沿った情報のタイムスタンプ、運送用コンテナの測定/推定内部温度、運送用コンテナの測定/推定内部相対湿度、露点温度、貨物温度、貨物表面上の復水、測定CO2濃度、および他のデータを含み得るがこれらに限定されない、コンテナ内環境モデリング202からの出力を取り込み得る。
【0056】
このデータから、ダメージの種類に基づいて、特徴エンジニアリングが600で実行可能である。抽出可能な特徴の例は、所望の実施形態に応じて、かび指数、累積貨物復水時間、複数の入力を含む結合ヒストグラム、および他の特徴を含み得るが、これに限定されない。このような特徴は、所望の実施形態によれば、ダメージ予測結果またはダメージアラートを提供するように構成されるダメージ用機械学習モデル601のための入力として使用される。
【0057】
図7は、一実施例による、管理装置にネットワーク接続された複数の運送用コンテナを含むシステムを示す図である。
【0058】
様々なセンサが組み込まれた1つまたは複数の運送用コンテナ701は、管理装置702に接続された運送用コンテナ701に搭載されたセンサシステムの対応ネットワークインターフェースを介して、ネットワーク700(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN))に通信可能に結合される。
【0059】
管理装置702は、運送用コンテナ701のそれぞれからセンサシステムが収集した履歴データを含むデータベース703を管理する。代替的な実施例では、運送用コンテナ701のセンサシステムからのデータは、運送用コンテナ701からのデータを取り込む独自データベースなどの中央リポジトリまたは中央データベース、あるいはエンタープライズリソースプランニングシステムなどのシステムに格納されることが可能であり、管理装置702は、中央リポジトリまたは中央データベースからのデータにアクセスしたり、データを取り出したりすることが可能である。
【0060】
運送用コンテナ701のセンサシステムは、ジャイロスコープ、加速度計、グローバルポジショニング衛星(GPS)、温度計、湿度計、あるいは温度、湿度、ガスレベル(例えば、CO2ガス)、衝撃、加速、扉開標示、光、または液体水の存否のうちの1つまたは複数を測定できる任意のセンサなどであるがそれらに限定されない、所望の実施形態を促進する任意の種類のセンサを含むことができる。
【0061】
所望の実施形態に応じて、複数のセンサデータ点の受信は、運送用コンテナの貨物輸送中にリアルタイムである。例えば、図8のシステムが運送用コンテナを輸送する船に限定されている場合、ローカルエリアネットワークは、複数のセンサデータ点を管理装置702にリアルタイムで提供でき、あるいは(例えば、衛星を介して)監視局に送信されることが可能である。
【0062】
他の実施例では、複数のセンサデータ点が運送用コンテナの運搬後に受信されることも可能である(例えば、船上または港において格納されるように、管理装置702によって後の抽出と港での処理のために船のデータベースに格納される)。
【0063】
さらに、データベース703は、以前運搬された運送用コンテナと関連する追加センサデータ点(例えば、同一の船から、またはマスタデータベースからインポートされるのいずれか)を含み得る。
【0064】
実施例では、そのような追加センサデータ点は、そのような以前運搬された運送用コンテナが現在の運送用コンテナ701と同一のルートで運搬された場合に、現在の運送用コンテナ701からの複数のセンサデータ点を補足できる。
【0065】
さらに、所望の実施形態によれば、他の外部データがデータベース703に送信され得る。そのような外部データは、所望の実施形態によれば、インターネットから、運送用コンテナ外部のセンサからなどのストリーミング情報(例えば、気象データに関する)でもよい。
【0066】
図8は、図7に示される管理装置702など、いくつかの実施例での使用に適した例示的なコンピュータデバイスを有する例示的なコンピューティング環境を示す図である。
【0067】
コンピューティング環境800におけるコンピュータデバイス805は、1つまたは複数の処理ユニット、コア、またはプロセッサ810、メモリ815(例えばRAM、ROM、および/または同様のもの)、内部ストレージ820(例えば磁気、光学、ソリッドステートのストレージ、および/または有機)、および/またはI/Oインターフェース825を含むことが可能であり、そのいずれかは、情報を通信するための通信機構またはバス830上で結合されることが可能であり、またはコンピュータデバイス805に組み込まれ得る。
【0068】
I/Oインターフェース825は、所望の実施に応じて、カメラから画像を受信する、またはプロジェクターもしくはディスプレイに対して画像を提供するようにさらに構成される。
【0069】
コンピュータデバイス805は、入力/ユーザインターフェース835および出力デバイス/インターフェース840に通信可能に結合され得る。入力/ユーザインターフェース835および出力デバイス/インターフェース840の一方または両方のいずれかは、有線または無線インターフェースであることが可能であり、取り外し可能であることが可能である。
【0070】
入力/ユーザインターフェース835は、入力を提供するために使用可能である、物理的または仮想的な任意のデバイス、コンポーネント、センサまたはインターフェース(たとえば、ボタン、タッチスクリーンインターフェース、キーボード、ポインティング/カーソルコントロール、マイクロフォン、カメラ、ブライユ、動きセンサ、光学読取装置、および/または同様のもの)を含み得る。出力デバイス/インターフェース840は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカー、ブライユ、または同様のものを含み得る。
【0071】
いくつかの実施例では、入力/ユーザインターフェース835および出力デバイス/インターフェース840は、コンピュータデバイス805とともに組み込まれることが可能であり、またはそれと物理的に結合されることが可能である。他の実施例では、他のコンピュータデバイスが、コンピュータデバイス805のための入力/ユーザインターフェース835および出力デバイス/インターフェース840として機能し得る、またはその機能を提供し得る。
【0072】
コンピュータデバイス805の例は、高移動性デバイス(例えばスマートフォン、車両および他の機械に搭載されたデバイス、人または動物によって保持されるデバイス、および同様のもの)、モバイルデバイス(例えばタブレット、ノートブック、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、携帯型テレビ、ラジオ、および同様のもの)、および移動性のために設計されていないデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、他のコンピュータ、情報キオスク、1つまたは複数のプロセッサが組み込まれたテレビおよび/または1つまたは複数のプロセッサが結合されたテレビ、ラジオ、および同様のもの)を含み得るが、それに限定されない。
【0073】
コンピュータデバイス805は、同一または異なる構成の1つまたは複数のコンピュータデバイスを含む、任意の数のネットワーク接続されたコンポーネント、デバイス、およびシステムとの通信のために、(例えば、I/Oインターフェース825を介して)外部ストレージ845およびネットワーク850へ通信可能に結合され得る。コンピュータデバイス805または任意の接続済みコンピュータデバイスは、サーバ、クライアント、シンサーバ、汎用機械、専用機械、またはその他として機能し、そのサービスを提供し、またはそれらの名称で呼ばれることが可能である。
【0074】
I/Oインターフェース825は、コンピューティング環境800における少なくとも全ての接続済みコンポーネント、デバイス、およびネットワークへ、および/またはそこからの情報通信のために、任意の通信またはI/Oプロトコルまたは規約(例えばイーサネット、802.11x、Universal system Bus、WiMax、モデム、セルラーネットワークプロトコル、および同様のもの)を使用する有線および/または無線インターフェースを含み得るが、それに限定されない。
【0075】
ネットワーク850は、(例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、電話網、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、および同様のものなどの)任意のネットワークまたはネットワークの組み合わせであり得る。
【0076】
コンピュータデバイス805は、一時的媒体および非一時的媒体を含むコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を使用、および/またはそれを使用して通信することが可能である。一時的媒体は、伝送媒体(例えば金属ケーブル、光ファイバー)、信号、搬送波、および同様のものを含む。非一時的媒体は、磁気媒体(例えば、ディスクおよびテープ)、光学媒体(例えばCD-ROM、デジタルビデオディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、ソリッドステート媒体(例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ)、および他の不揮発性ストレージまたはメモリを含む。
【0077】
コンピュータデバイス805は、いくつかの例示的なコンピューティング環境において技法、方法、アプリケーション、プロセス、またはコンピュータ実行可能命令を実施するために使用され得る。コンピュータ実行可能命令は、一時的媒体から取り出され、非一時的媒体に格納され、そこから取り出されることが可能である。実行可能命令は、任意のプログラミング言語、スクリプト言語、および機械言語(例えばC、C++、C#、Java、Visual Basic、Python、Perl、JavaScript、その他)のうちの1つまたは複数に由来し得る。
【0078】
プロセッサ810は、ネイティブな環境または仮想環境において、任意のオペレーティングシステム(OS)(不図示)の下で実行できる。論理ユニット860と、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)ユニット865と、入力ユニット870と、出力ユニット875と、異なるユニットが相互にOSおよび他のアプリケーション(不図示)と通信するためのユニット間通信機構895とを含む1つまたは複数のアプリケーションが配備され得る。
【0079】
上述したユニットおよび要素は、設計、機能、構成、または実施において異なることが可能であり、上記説明に限定されない。プロセッサ810は、中央演算処理装置(CPU)などのハードウェアプロセッサの形態を有することができ、またはハードウェアユニットおよびソフトウェアユニットの組み合わせであり得る。
【0080】
いくつかの実施例では、APIユニット865によって情報または実行命令が受信されると、1つまたは複数の他のユニット(例えば、論理ユニット860、入力ユニット870、出力ユニット875)に伝えられ得る。いくつかの例において、論理ユニット860は、ユニット間の情報フローを制御し、上述したいくつかの実施例において、APIユニット865、入力ユニット870、出力ユニット875によって提供されたサービスを指示するように構成され得る。
【0081】
例えば、1つまたは複数のプロセスまたは実施のフローは、単独で、またはAPIユニット865と併せて、論理ユニット860によって制御され得る。入力ユニット870は、実施例で説明した計算に対する入力を取得するように構成されてもよく、出力ユニット875は、実施例で説明した計算に基づく出力を提供するように構成されてもよい。
【0082】
プロセッサ810は、運送用コンテナの内部環境をモデリングするように構成される第1のモデルを実行することを含む方法または命令を実行するように構成されてもよく、第1のモデルは、運送用コンテナ内部のセンサから受信された内部センサデータと、図2のコンテナ内環境モデリング202で示されるような運送用コンテナ外部の環境と関連する外部データとを取り込むように構成され、第1のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを出力するように構成され、プロセッサ810は、さらに、運送用コンテナに発生した水ダメージを導出するように構成される第2のモデルを実行することを含む方法または命令を実行するように構成されてもよく、第2のモデルは、運送用コンテナの内部環境パラメータを取り込み、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナに対する水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数、あるいは図2のダメージモデリング203で示されるような損害率または重大度に依存する1つまたは複数の他のメトリクスを出力するように構成される機械学習モデルを含み、プロセッサ810は、さらに、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナへの水ダメージの予測重大度のうちの1つまたは複数に基づいて処理するために運送用コンテナに優先順位を付けることを含む方法または命令を実行するように構成されてもよい。
【0083】
所望の実施形態に応じて、機械学習モデルが、内部環境パラメータを水ダメージに起因する損害および水ダメージの重大度と関連付ける履歴データのデータベースから訓練される。
【0084】
所望の実施形態に応じて、第1のモデルは、物理学ベースのモデルでもよい。例えば、物理学ベースのモデルは、コンテナの内部環境の熱力学モデルである。
【0085】
所望の実施形態に応じて、第1のモデルは、内部環境パラメータを内部センサデータおよび外部データに関連付ける履歴データのデータベースから訓練された機械学習モデルでもよい。所望の実施形態に応じて、第1のモデルは、信号処理モデルでもよい。
【0086】
所望の実施形態に応じて、内部環境パラメータは、かび指数または累積貨物復水時間のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0087】
所望の実施形態に応じて、内部センサデータは、温度、湿度、ガスレベル、衝撃、加速、扉開標示、光、または液体水の存否のうちの1つまたは複数を含む。
【0088】
所望の実施形態に応じて、外部データは、温度または湿度のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0089】
所望の実施形態に応じて、処理するために運送用コンテナに優先順位を付けることは、水ダメージに起因する損害率または運送用コンテナへの水ダメージの予測重大度、あるいは損害率および重大度から計算されるメトリクスのうちの1つまたは複数に基づいて、アラートが生成されるべきかを判断することと、判断が、アラートが生成されるべきであると示す場合、運送用コンテナのためのアラートを生成することとを含み得る。
【0090】
所望の実施形態に応じて、損害率および重大度から計算される1つまたは複数のメトリクスは、貨物品質劣化、サプライチェーン遅延、または経済的影響総計のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0091】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ内の動作のアルゴリズムおよび記号的表現によって提示される。それらのアルゴリズムの記載および記号的表現は、それらの革新の本質を他の当業者に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、所望の最終状態または結果につながる一連の定義されたステップである。実施例では、実行されたステップは、有形の結果を実現するために有形の量の物理的な操作を必要とする。
【0092】
特記しない限り、説明から明らかなように、本明細書全体を通して、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」、または同様のものなどの語を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内で物理的(電子的)量として表されるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタまたは他の情報格納デバイス、伝送デバイスもしくは表示デバイス内の物理的量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステムまたは他の情報処理デバイスのアクションおよびプロセスを含み得ることが理解される。
【0093】
実施例は、本明細書において動作を実行するための装置にさらに関係してもよい。この装置は、求められた目的のために特別に構築されてもよく、あるいは1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成される1つまたは複数の汎用コンピュータを含んでもよい。
【0094】
そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読格納媒体またはコンピュータ可読信号媒体などのコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。コンピュータ可読格納媒体は、光学ディスク、磁気ディスク、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートデバイスおよびドライブ、または電子情報を格納するのに適した任意の他の種類の有形または非一時的媒体などであるがそれに限定されない有形の媒体を含み得る。
【0095】
コンピュータ可読信号媒体は、搬送波などの媒体を含み得る。本明細書で提示されたアルゴリズムおよび表示は、いずれかの特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関係しない。コンピュータプログラムは、所望の実施形態の動作を実行する命令を含む純粋なソフトウェアによる実施を含み得る。
【0096】
様々な汎用システムは、本明細書の例によるプログラムおよびモジュールとともに使用されてもよく、または所望の方法のステップを実行するために特化した装置を構築することが結果として便利であってもよい。さらに、いずれかの特定のプログラミング言語を参照して実施例は説明されていない。
【0097】
本明細書に記載するような実施例の技法を実施するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されるであろう。プログラミング言語の命令は、例えば、中央演算装置(CPU)、プロセッサ、またはコントローラなど、1つまたは複数の処理デバイスによって実行され得る。
【0098】
本発明が属する分野で知られるように、上述された動作は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの何らかの組み合わせによって実行され得る。実施例の様々な態様は、回路および論理デバイス(ハードウェア)を使用して実施されてもよい一方、他の態様は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに本願の実施を実行する方法を実行させる、機械可読媒体(ソフトウェア)上に格納された命令を使用して実施されてもよい。
【0099】
さらに、本願のいくつかの実施例はハードウェアのみで実行されてもよい一方、他の実施例はソフトウェアのみで実行されてもよい。さらに、説明された様々な機能は単体のユニットで実行されることが可能であり、または任意の数の手法で多数のコンポーネントにわたって分散され得る。ソフトウェアによって実行されると、方法は、コンピュータ可読媒体に格納された命令に基づいて、汎用コンピュータなどのプロセッサによって実行されてもよい。必要に応じて、命令は、圧縮形式および/または暗号化形式で媒体に格納され得る。
【0100】
さらに、本願の他の実施形態は、本明細書の考慮および本願の技法の実践から、当業者とって明らかであろう。説明された実施例の様々な態様および/または構成要素は、単体または何らかの組み合わせで使用されてもよい。本明細書および実施例は例としてのみ考慮されることが意図され、本願の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0101】
200 運送用コンテナ
201 データ
202 コンテナ内環境モデリング
203 ダメージモデリング
700 ネットワーク
701 運送用コンテナ
702 管理装置
703 データベース
800 コンピューティング環境
805 コンピュータデバイス
810 プロセッサ
815 メモリ
820 内部ストレージ
825 I/Oインターフェース
830 バス
835 入力/ユーザインターフェース
840 出力デバイス/インターフェース
845 外部ストレージ
850 ネットワーク
860 論理ユニット
865 APIユニット
870 入力ユニット
875 出力ユニット
895 ユニット間通信機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8