(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183380
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】チャンバ絶縁部品及びそれを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078552
(22)【出願日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0072538
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、トンモク
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BA20
5F004BB22
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BC08
5F004CA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高いエッチング率を有するエッチング工程を実現し、さらに、基板上のエッチングの均一度を改善できるチャンバ絶縁部品及びそれを含む基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置10は、基板Wをプラズマ処理するための処理空間101を有する工程チャンバ100と、工程チャンバ内で基板を支持する基板支持台200と、基板支持台と工程チャンバを電気的に絶縁させるために、基板支持台の下部に配置される絶縁プレート270と、を備える。絶縁プレートは、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と、プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために基板支持台に印加するRFバイアスパワーの損失を防止するように、母材ボディー部内に分布し、第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をプラズマ処理するためのチャンバ内に前記基板を支持する基板支持台と前記チャンバを電気的に絶縁させるために、前記基板支持台の下部に配置されるチャンバ絶縁部品であって、
第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と、
前記プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために前記基板支持台に印加するRFバイアスパワーの損失を防止するように、前記母材ボディー部内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含む、チャンバ絶縁部品。
【請求項2】
前記誘電定数調節部は気孔を含む、請求項1に記載のチャンバ絶縁部品。
【請求項3】
前記チャンバ絶縁部品は、気孔度(porosity)が2%~20%であることを特徴とする、請求項2に記載のチャンバ絶縁部品。
【請求項4】
前記第1誘電定数を有する物質は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載のチャンバ絶縁部品。
【請求項5】
前記誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子からなる、請求項1に記載のチャンバ絶縁部品。
【請求項6】
基板をプラズマ処理するための処理空間を有するチャンバと、
前記チャンバ内で前記基板を支持する基板支持台と、
前記基板支持台と前記チャンバを電気的に絶縁させるために、前記基板支持台の下部に配置される絶縁プレートとを備え、
前記絶縁プレートは、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と、前記プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために前記基板支持台に印加するRFバイアスパワーの損失を防止するように、前記母材ボディー部内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部と、を含む、基板処理装置。
【請求項7】
前記基板支持台は、前記基板が載置される誘電体プレート、及び前記誘電体プレートの下部に配置された電極プレートで構成され、
前記絶縁プレートは、前記電極プレートに印加する前記RFバイアスパワーの損失を防止するために、前記電極プレートの底面に接して配置される、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1誘電定数を有する物質は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第2誘電定数を有する誘電定数調節部は気孔を含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記絶縁プレートにおいて、前記基板の中央部に対応する中央領域での気孔度と、前記基板のエッジ部に対応するエッジ領域での気孔度とが互いに異なることを特徴とする、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記絶縁プレートにおいて、前記中央領域での気孔度は、前記エッジ領域での気孔度よりも相対的に低いことを特徴とする、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記絶縁プレートにおいて、前記中央領域での気孔度は、前記エッジ領域での気孔度よりも相対的に高いことを特徴とする、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記絶縁プレートは、気孔度が互いに異なる積層構造を有し、
前記絶縁プレートの上層部及び下層部での気孔度と、前記上層部と下層部との間に介在する中層部での気孔度とが互いに異なることを特徴とする、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記上層部及び下層部での気孔度は、前記中層部の気孔度よりも相対的に低いことを特徴とする、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記上層部及び下層部での気孔度は、前記中層部の気孔度よりも相対的に高いことを特徴とする、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第2誘電定数を有する誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子からなる、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第2誘電定数を有する粒子は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含む、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記絶縁プレートは、前記基板の中央部に対応する中央領域と、前記基板のエッジ部に対応するエッジ領域とを含み、
前記中央領域と前記エッジ領域での前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度は互いに異なることを特徴とする、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記絶縁プレートは、前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度が互いに異なる積層構造を有し、
前記絶縁プレートの上層部及び下層部での前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度と、前記上層部と下層部との間に介在する中層部での前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度とは互いに異なることを特徴とする、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項20】
基板をプラズマ処理するための処理空間を有するチャンバと、
前記チャンバ内で前記基板を支持する基板支持台と、
前記基板支持台と前記チャンバを電気的に絶縁させるために、前記基板支持台の下部に配置される絶縁プレートとを備え、
前記絶縁プレートは、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と、前記プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために前記基板支持台に印加するRFバイアスパワーの損失を防止するように、前記母材ボディー部内に分布する気孔とを含み、
前記第1誘電定数を有する物質は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含み、
前記絶縁プレートは、気孔度(porosity)が2%~20%であることを特徴とする、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンバ絶縁部品及びそれを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、ディスプレイ素子などの電子装置を製造するために、基板上の物質膜に対して高いエッチング率を有するエッチング工程を実現することが重要である。乾式エッチング工程を行う基板処理装置でプラズマを生成するために印加するRFパワーが損失する場合、エッチング率が低下するという問題がある。
【0003】
関連する先行技術としては、大韓民国公開特許公報第10-2007-0062102A号がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述した問題点を解決するためのもので、高いエッチング率を有するエッチング工程を実現し、さらに、基板上のエッチングの均一度を改善することができるチャンバ絶縁部品及びそれを含む基板処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
しかし、このような課題は例示的なもので、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るチャンバ絶縁部品は、基板をプラズマ処理するためのチャンバ内に前記基板を支持する基板支持台と前記チャンバを電気的に絶縁させるために、前記基板支持台の下部に配置されるチャンバ絶縁部品であって、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と;前記プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために前記基板支持台に印加するRFバイアスパワーの損失を防止するように、前記母材ボディー部内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部と;を含む。
【0007】
前記チャンバ絶縁部品において、前記誘電定数調節部は気孔を含むことができる。
【0008】
前記チャンバ絶縁部品は、気孔度(porosity)が2%~20%であってもよい。
【0009】
前記チャンバ絶縁部品において、前記第1誘電定数を有する物質は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0010】
前記チャンバ絶縁部品において、前記誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子からなってもよい。
【0011】
本発明の他の態様に係る基板処理装置は、基板をプラズマ処理するための処理空間を有するチャンバと;前記チャンバ内で前記基板を支持する基板支持台と;前記基板支持台と前記チャンバを電気的に絶縁させるために、前記基板支持台の下部に配置される絶縁プレートと;を備え、前記絶縁プレートは、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と;前記プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために前記基板支持台に印加するRFバイアスパワーの損失を防止するように、前記母材ボディー部内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部と;を含む。
【0012】
前記基板処理装置において、前記基板支持台は、前記基板が載置される誘電体プレート、及び前記誘電体プレートの下部に配置された電極プレートで構成され、前記絶縁プレートは、前記電極プレートに印加する前記RFバイアスパワーの損失を防止するために、前記電極プレートの底面に接して配置されてもよい。
【0013】
前記基板処理装置において、前記第1誘電定数を有する物質は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0014】
前記基板処理装置において、前記第2誘電定数を有する誘電定数調節部は気孔を含むことができる。
【0015】
前記基板処理装置の前記絶縁プレートにおいて、前記基板の中央部に対応する中央領域での気孔度と、前記基板のエッジ部に対応するエッジ領域での気孔度とが互いに異なってもよい。
【0016】
前記基板処理装置の前記絶縁プレートにおいて、前記中央領域での気孔度は、前記エッジ領域での気孔度よりも相対的に低くてもよい。
【0017】
前記基板処理装置の前記絶縁プレートにおいて、前記中央領域での気孔度は、前記エッジ領域での気孔度よりも相対的に高くてもよい。
【0018】
前記基板処理装置の前記絶縁プレートは、気孔度が互いに異なる積層構造を有し、前記絶縁プレートの上層部及び下層部での気孔度と、前記上層部と下層部との間に介在する中層部での気孔度とが互いに異なってもよい。
【0019】
前記基板処理装置において、前記上層部及び下層部での気孔度は、前記中層部の気孔度よりも相対的に低くてもよい。
【0020】
前記基板処理装置において、前記上層部及び下層部での気孔度は、前記中層部の気孔度よりも相対的に高くてもよい。
【0021】
前記基板処理装置において、前記第2誘電定数を有する誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子からなってもよい。
【0022】
前記基板処理装置において、前記第2誘電定数を有する粒子は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0023】
前記基板処理装置の前記絶縁プレートは、前記基板の中央部に対応する中央領域と、前記基板のエッジ部に対応するエッジ領域とを含み、前記中央領域と前記エッジ領域での前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度は互いに異なってもよい。
【0024】
前記基板処理装置の前記絶縁プレートは、前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度が互いに異なる積層構造を有し、前記絶縁プレートの上層部及び下層部での前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度と、前記上層部と下層部との間に介在する中層部での前記第2誘電定数を有する粒子の分布密度とは互いに異なってもよい。
【0025】
本発明の更に他の態様に係る基板処理装置は、基板をプラズマ処理するための処理空間を有するチャンバと;前記チャンバ内で前記基板を支持する基板支持台と;前記基板支持台と前記チャンバを電気的に絶縁させるために、前記基板支持台の下部に配置される絶縁プレートと;を備え、前記絶縁プレートは、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と、前記プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために前記基板支持台に印加するRFバイアスパワーの損失を防止するように、前記母材ボディー部内に分布する気孔とを含み、前記第1誘電定数を有する物質は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含み、前記絶縁プレートは、気孔度(porosity)が2%~20%であってもよい。
【発明の効果】
【0026】
前記のようになされた本発明の一実施例によれば、高いエッチング率を有するエッチング工程を実現し、さらに、基板上のエッチングの均一度を改善できるチャンバ絶縁部品及びそれを含む基板処理装置を提供することができる。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0027】
本発明の効果が上述した効果に限定されるものではなく、言及していない効果は、本明細書及び添付の図面から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施例に係る基板処理装置を図解する図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る基板処理装置を構成する絶縁プレートを図解する斜視図である。
【
図3】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図4】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図5】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図6】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図7】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図8】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図9】本発明の他の実施例に係る基板処理装置を構成する絶縁プレートを図解する斜視図である。
【
図10】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図9のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図11】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図9のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図12】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図9のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図13】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図9のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図14】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図9のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図15】本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図9のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【
図16】本発明の実施例に係る基板処理装置において絶縁プレートのリアクタンスによるエッチング率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい様々な実施例を詳細に説明する。
【0030】
本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0031】
以下、本発明の実施例は、本発明の理想的な実施例を概略的に示す図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術及び/又は公差(tolerance)によって、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の思想の実施例は、本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されたものと解釈されてはならず、例えば、製造上招かれる形状の変化を含まなければならない。
【0032】
図1は、本発明の一実施例に係る基板処理装置10を示す例示的な図である。図示の実施形態に係る基板処理装置10は、プラズマ処理装置(誘導結合型プラズマ処理装置)である。基板処理装置10は、プラズマを用いて基板Wを処理する。
【0033】
基板の一例として半導体ウエハが提供される。また、本発明に係る基板処理装置によって処理される基板は、ウエハに限定されず、例えば、フラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display)用の大型基板、EL素子または太陽電池用の基板であってもよい。一方、基板処理装置10は、基板Wに対してエッチング工程を行うことができる。以下では、一実施例としてエッチング工程を中心に説明するが、蒸着工程を行う基板処理装置にも適用可能である。
【0034】
基板処理装置10は、工程チャンバ100、基板支持台200、プラズマユニット300及び絶縁プレート270を含むことができ、さらに、ガス供給ユニット400、バッフルユニット500をさらに含むことができる。
【0035】
工程チャンバ100は、内部に基板処理工程が行われる処理空間101を提供する。処理空間101は、大気圧よりも低い圧力の工程圧に維持され得、密閉された空間として提供され得る。工程チャンバ100は金属材質で提供され得る。一例として、工程チャンバ100は、アルミニウム材質で提供されてもよい。工程チャンバ100の表面は陽極酸化処理され得る。工程チャンバ100は電気的に接地され得る。工程チャンバ100の底面には排気孔102が形成され得る。排気孔102は排気ライン151と連結され得る。工程過程で発生した反応副産物、及びチャンバの内部空間に留まるガスは、排気ライン151を介して外部に排出され得る。排気過程によって、工程チャンバ100の内部は所定の圧力に減圧され得る。
【0036】
一例によれば、工程チャンバ100の内部にはライナー130が提供され得る。ライナー130は、上面及び下面が開放された円筒形状を有することができる。ライナー130は、チャンバ100の内側面と接触するように提供され得る。ライナー130は、チャンバ100の内側壁を保護して、チャンバ100の内側壁がアーク放電で損傷することを防止することができる。また、基板処理工程中に発生した不純物がチャンバ100の内側壁に蒸着されることを防止することができる。ライナー130は、工程チャンバ100の内部の処理空間に露出されて第1洗浄ガスと反応することができ、イットリア(Y2O3)材質を含むことができる。
【0037】
工程チャンバ100の上部にはウィンドウ140が提供される。ウィンドウ140は板状で提供される。ウィンドウ140は、工程チャンバ100の開放された上面を覆って処理空間101を密閉させる。ウィンドウ140は誘電体(dielectric substance)を含むことができる。
【0038】
工程チャンバ100の内部には基板支持台200が提供される。一実施例において、基板支持台200は、チャンバ100の内部でチャンバ100の底面から上部に所定距離離隔して位置することができる。基板支持台200は基板Wを支持することができる。基板支持台200は、静電気力を用いて基板Wを吸着する静電電極223を備える静電チャック(ESC)を含むことができる。これとは異なって、基板支持台200は、機械的クランピングのような様々な方式で基板Wを支持してもよい。以下では、静電チャック(ESC)を含む基板支持台200を一例として説明する。
【0039】
基板支持台200は、誘電体プレート220及び電極プレート230を含むことができる。
【0040】
誘電体プレート220及び電極プレート230は静電チャック(ESC)をなすことができる。誘電体プレート220は基板Wを支持することができる。誘電体プレート220は、フォーカスリング240によってその周りが取り囲まれ得る。誘電体プレート220は、電極プレート230の上端に位置することができる。誘電体プレート220は、円板形状の誘電体(dielectric substance)として提供され得る。誘電体プレート220の上面には基板Wが載置され得る。誘電体プレート220の上面は、基板Wよりも小さい半径を有することができる。そのため、基板Wの縁領域は、誘電体プレート220の外側に位置することができる。基板Wの縁はフォーカスリング240の上面に載置され得る。
【0041】
誘電体プレート220は、内部に静電電極223、ヒーター225、及び第1供給流路221を含むことができる。第1供給流路221は、誘電体プレート220の上面から底面を貫通して形成され得る。第1供給流路221は、互いに離隔して複数個形成され、基板Wの底面に熱伝達媒体が供給される通路として提供され得る。
【0042】
静電電極223は、第1電源223aと電気的に接続され得る。第1電源223aは直流電源を含むことができる。静電電極223と第1電源223aとの間にはスイッチ223bが設置され得る。静電電極223は、スイッチ223bのオン/オフ(ON/OFF)動作によって、第1電源223aと電気的に接続されるか、または接続が解除され得る。スイッチ223bがオン(ON)されると、静電電極223には直流電流が印加され得る。静電電極223に印加された電流によって静電電極223と基板Wとの間には静電気力が作用し、静電気力によって基板Wは誘電体プレート220に吸着され得る。
【0043】
ヒーター225は、静電電極223の下部に位置することができる。ヒーター225は、第2電源225aと電気的に接続され得る。ヒーター225は、第2電源225aから印加された電流に抵抗することによって熱を発生させることができる。発生した熱は、誘電体プレート220を介して基板Wに伝達され得る。ヒーター225で発生した熱によって、基板Wは所定の温度に維持され得る。ヒーター225は螺旋状のコイルを含むことができる。
【0044】
電極プレート230は、誘電体プレート220の下部に位置することができる。誘電体プレート220の底面と電極プレート230の上面は、接着剤236によって接着され得る。電極プレート230は、金属であるアルミニウム材質で提供され得る。電極プレート230の上面は、中心領域が縁領域よりも高く位置するように段差が形成され得る。電極プレート230の上面の中心領域は、誘電体プレート220の底面に相応する面積を有し、誘電体プレート220の底面と接着され得る。電極プレート230は、内部に第1循環流路231、第2循環流路232、及び第2供給流路233が形成され得る。
【0045】
第1循環流路231は、熱伝達媒体が循環する通路として提供され得る。第1循環流路231は、電極プレート230の内部に螺旋状に形成されてもよい。または、第1循環流路231は、互いに異なる半径を有するリング状の流路が同じ中心を有するように配置されてもよい。それぞれの第1循環流路231は互いに連通することができる。第1循環流路231は、同じ高さに形成され得る。
【0046】
第2循環流路232は、冷媒が循環する通路として提供され得る。第2循環流路232は、電極プレート230の内部に螺旋状に形成されてもよい。または、第2循環流路232は、互いに異なる半径を有するリング状の流路が同じ中心を有するように配置されてもよい。それぞれの第2循環流路232は互いに連通することができる。第2循環流路232は、第1循環流路231よりも大きい断面積を有することができる。第2循環流路232は、同じ高さに形成され得る。第2循環流路232は、第1循環流路231の下部に形成され得る。
【0047】
第2供給流路233は、第1循環流路231から上部に延長され、電極プレート230の上面に提供され得る。第2供給流路233は、第1供給流路221に対応する個数で提供され、第1循環流路231と第1供給流路221とを連結することができる。
【0048】
第1循環流路231は、熱伝達媒体供給ライン231bを介して熱伝達媒体貯蔵部231aと連結され得る。熱伝達媒体貯蔵部231aには熱伝達媒体が貯蔵され得る。熱伝達媒体は不活性ガスを含むことができる。実施例によれば、熱伝達媒体はヘリウム(He)ガスを含むことができる。ヘリウムガスは、供給ライン231bを介して第1循環流路231に供給され、第2供給流路233と第1供給流路221を順次に経て基板Wの底面に供給され得る。ヘリウムガスは、プラズマから基板Wに伝達された熱が誘電体プレート220に伝達される媒介体の役割を果たすことができる。
【0049】
第2循環流路232は、冷媒供給ライン232cを介して冷媒貯蔵部232aと連結され得る。冷媒貯蔵部232aには冷媒が貯蔵され得る。冷媒貯蔵部232a内には冷却器232bが提供され得る。冷却器232bは、冷媒を所定の温度に冷却させることができる。これとは異なって、冷却器232bは、冷媒供給ライン232c上に設置されてもよい。冷媒供給ライン232cを介して第2循環流路232に供給された冷媒は、第2循環流路232に沿って循環しながら電極プレート230を冷却させることができる。電極プレート230は、冷却されながら、誘電体プレート220と基板Wを共に冷却させて、基板Wを所定の温度に維持させることができる。
【0050】
電極プレート230は金属板を含むことができる。一例によれば、電極プレート230全体が金属板として提供されてもよい。電極プレート230は、第3電源235aと電気的に接続され得る。第3電源235aは、高周波電力を発生させる高周波電源として提供され得る。高周波電源はRF電源を含むことができる。電極プレート230は、第3電源235aから高周波電力が印加され得る。例えば、電極プレート230は、第3電源235aからRFパワーが印加され得る。前記RFパワーは、プラズマ中のイオンエネルギーを調節するために電極プレート230に印加するRFバイアスパワー(RF bias power)であり得る。基板処理装置がエッチング装置である場合、プラズマ中のイオンエネルギーを調節することによって、エッチング率を制御することができる。
【0051】
さらに、場合によっては、前記RFバイアスパワーは、前記プラズマの生成又は維持に一定部分寄与することもできる。これにより、電極プレート230は電極として機能することができる。
【0052】
フォーカスリング240は、誘電体プレート220の縁領域に配置され得る。フォーカスリング240は、リング形状を有し、誘電体プレート220の周りに沿って配置され得る。フォーカスリング240の上面は、外側部240aが内側部240bよりも高くなるように段差を有することができる。フォーカスリング240の上面の内側部240bは、誘電体プレート220の上面と同じ高さに位置することができる。フォーカスリング240の上面の内側部240bは、誘電体プレート220の外側に位置した基板Wの縁領域を支持することができる。フォーカスリング240の外側部240aは、基板Wの縁領域を取り囲むように提供され得る。フォーカスリング240は、基板Wの全領域においてプラズマの密度が均一に分布するように電磁場を制御することができる。これによって、基板Wの全領域にわたってプラズマが均一に形成されることで、基板Wの各領域が均一にエッチングされ得る。
【0053】
プラズマユニット300は、チャンバ100内の工程ガスをプラズマ状態に励起させることができる。前記プラズマユニット300は、誘導結合型プラズマ(ICP)タイプのプラズマソースを用いることができる。ICPタイプのプラズマソースが用いられる場合、チャンバ100の上部に提供されるアンテナ330、及びチャンバ100に提供される下部電極として電極プレート230が含まれ得る。アンテナ330及び電極プレート230は、処理空間101を挟んで互いに平行に上下に配置され得る。
【0054】
第3電源235aによってRF信号が印加される電極プレート230だけでなく、アンテナ330もRF電源310によってRF信号が印加されることで、プラズマを生成するためのエネルギーの供給を受けることができる。両電極間の空間には電場が形成され、この空間に供給される工程ガスはプラズマ状態に励起され得る。このプラズマを用いて基板処理工程が行われる。アンテナ330及び電極プレート230に印加されるRF信号は、制御器(図示せず)によって制御され得る。本発明の実施例によれば、アンテナ330上には導波管320が配置され得、前記導波管320は、RF電源310から提供されたRF信号を前記アンテナ330に伝達する。導波管320は、導波管の内部に引き込み可能な伝導体を有することができる。
【0055】
一方、本発明の技術的思想は、実施例として示した誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)装置だけでなく、その他のプラズマ処理装置に適用することができる。その他のプラズマ処理装置としては、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)、ラジアルラインスロットアンテナを用いたプラズマ処理装置、ヘリコン波励起型プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)装置、電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance Plasma)装置などがある。例えば、本発明に係る基板処理装置が容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)装置である場合、プラズマを生成するために、RF電源310でのRF信号はアンテナ330に印加されるものではなく、チャンバ内のシャワーヘッドに印加され得る。しかし、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)装置だけでなく、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)装置でも、チャンバ内に生成されたプラズマ中のイオンエネルギーを調節するために、共通して基板支持台200にRFバイアスパワーが印加され得る。
【0056】
ガス供給ユニット400は、チャンバ100の内部に工程ガスを供給することができる。ガス供給ユニット400は、ガス供給ノズル410、ガス供給ライン420、及びガス貯蔵部430を含むことができる。ガス供給ノズル410は、チャンバ100の上面であるウィンドウ140の中央部に設置され得る。ガス供給ノズル410の底面には噴射口が形成され得る。噴射口は、チャンバ100の内部に工程ガスを供給することができる。ガス供給ライン420は、ガス供給ノズル410とガス貯蔵部430を連結することができる。ガス供給ライン420は、ガス貯蔵部430に貯蔵された工程ガスをガス供給ノズル410に供給することができる。ガス供給ライン420には弁421が設置され得る。弁421は、ガス供給ライン420を開閉し、ガス供給ライン420を介して供給される工程ガスの流量を調節することができる。
【0057】
ガス供給ユニット400が供給する工程ガスは、CF4(メタン)、H2(水素)、HBr(臭化水素)、NF3(三フッ化窒素)、CH2F2(ジフルオロメタン)、O2(酸素)、F2(フッ素)及びHF(フッ化水素)のいずれか1つ以上またはこれらの組み合わせであってもよい。一方、提示された工程ガスは、一実施例に過ぎず、必要に応じて異なって選択されてもよい。本発明の一実施例に係る工程ガスは、プラズマ状態に励起されて基板をエッチングする。
【0058】
バッフルユニット500は、チャンバ100の内側壁と基板支持台200との間に位置することができる。バッフル510は、リング状に提供され得る。バッフル510には複数の貫通孔が形成され得る。工程チャンバ100内に提供された工程ガスは、バッフル510の貫通孔を通過して排気孔102に排気され得る。バッフル510の形状及び貫通孔の形状によって工程ガスの流れが制御され得る。
【0059】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る基板処理装置10は、基板支持台200の下部に配置される絶縁プレート270を含む。絶縁プレート270は、上述した基板支持台200と区別される構成である。絶縁プレート270は、基板支持台200を構成する電極プレート230と、例えば、ボルト締結によって結合されてもよい。絶縁プレート270は、基板支持台200とチャンバ100を電気的に絶縁させるために基板支持台200の下部に配置されるチャンバ絶縁部品である。絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と、前記母材ボディー部内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含む、チャンバ絶縁部品として理解することができる。
【0060】
前記第1誘電定数を有する物質は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。但し、このような物質の列挙は例示的であり、本発明において前記母材ボディー部は、絶縁体を形成するそれ以外の他の物質を含むことができる。
【0061】
一般に、誘電率は、誘電体が電荷を誘導できる割合として理解することができる。誘電体は、外部電場によって偏極が発生し得、このような偏極の程度は、同じ電場であるとしても物質ごとに異なる。このような現象を表現するための物質定数が誘電率であり、誘電率が大きいほど、誘電体は大きな偏極を形成する。誘電率(ε)は、真空状態での誘電率(ε0)と比誘電率(relative permittivity)である誘電定数(εr)との積で示すことができる。
【0062】
上述した構成を有する絶縁プレート270を導入することによって、RFバイアスパワーの損失を防止することができる。例えば、絶縁プレート270は、不導体であるので、第3電源235aによって電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される現象を減少させることができる。
【0063】
絶縁プレート270は、電極プレート230に印加されるRF電流に対するリアクタンス(reactance)成分として寄与することができる。リアクタンス(X)は、誘導性リアクタンス(Inductive Reactance、ωL)成分と容量性リアクタンス(Capacitance Reactance、1/(ωC))成分で構成される。すなわち、X=ωL-1/(ωC)の関係式が成立する。
【0064】
仮に、絶縁プレート270の誘電定数(εr)が高くなるほど、誘電定数(εr)と比例するキャパシタンス(C)は高くなり、したがって、RF電流に対してリアクタンス(reactance、X)成分が低くなることで、RFバイアスパワーが損失される程度が高くなり、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)の改善に限界がある。
【0065】
本発明では、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部と、前記母材ボディー部内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含む絶縁プレート270を導入することによって、絶縁プレート270の誘電定数(ε
r)が減少し、誘電定数(ε
r)と比例するキャパシタンス(C)も減少して、RF電流に対するリアクタンス(reactance、X)成分が高くなることで、電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される程度が減少するようになり、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)を改善できることを確認した(
図16参照)。
【0066】
図16では、乾式エッチングのための基板処理装置10において、絶縁プレート270のリアクタンス(Reactance、X)が増加するに伴い、乾式エッチング率(E/R)が線形的に増加することを実験的に確認した。
【0067】
一方、ベースプレート250は、基板支持台200の下端部に位置することができる。ベースプレート250の内部には空間255が形成され得る。図示していないが、一実施例によれば、ベースプレート250は下部が開放されてもよい。また、図示していないが、一実施例によれば、ベースプレート250は上部が開放されてもよい。ベースプレート250が形成する空間255は、空間255の外部と気流が通じることができる。ベースプレート250の外部半径は、電極プレート230の外部半径と同じ長さで提供され得る。ベースプレート250の内部空間255には、搬送される基板Wを外部の搬送部材から誘電体プレート220に移動させるリフトピンモジュール(図示せず)などが位置することができる。ベースプレート250は金属材質で提供され得る。ベースプレート250の内部空間255は、空気が提供され得る。空気は、絶縁体よりも誘電率が低いので、基板支持台200の内部の電磁場を減少させる役割を果たすことができる。
【0068】
上述した絶縁プレート270は、誘電体プレート220とベースプレート250との間に位置することができる。絶縁プレート270は、ベースプレート250の上面を覆うことができる。絶縁プレート270は、電極プレート230に相応する断面積で提供され得る。絶縁プレート270は、電極プレート230とベースプレート250の電気的距離を増加させる役割を果たすことができる。
【0069】
以下では、上述した技術的思想を実現できるチャンバ絶縁部品として絶縁プレート270の様々な実施例を説明する。
【0070】
図2は、本発明の一実施例に係る基板処理装置を構成する絶縁プレートを図解する斜視図であり、
図3乃至
図8は、本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【0071】
図1、
図2及び
図3を参照すると、本発明の第1実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は気孔280を含む。
【0072】
母材ボディー部275を構成する前記第1誘電定数を有する物質は、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0073】
絶縁プレート270において、気孔度(porosity)は、例えば、2%~20%であってもよい。気孔度(porosity)は、気孔280に該当する体積が絶縁プレート270全体の体積で占める割合として理解することができる。
【0074】
絶縁プレート270の気孔度が2%未満である場合、絶縁プレート270の誘電定数(εr)が高くなり、誘電定数(εr)と比例するキャパシタンス(C)も高くなり、RF電流に対してリアクタンス(reactance、X)成分が低くなることで、RFバイアスパワーが損失される程度が高くなり、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)の改善に限界がある。
【0075】
一方、絶縁プレート270の気孔度が20%を超える場合、多孔性構造体である絶縁プレート270の機械的強度が低下してしまい、寿命が短縮される問題点が生じることがある。
【0076】
但し、上述した気孔度の範囲は例示的なものであり、物質、形状及び用途によって、前記気孔度はこれに限定されなくてもよい。
【0077】
図1、
図2及び
図4を参照すると、本発明の第2実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は気孔280を含む。
【0078】
絶縁プレート270は、気孔度が互いに異なる積層構造を有し、絶縁プレート270の上層部275a及び下層部275cでの気孔度と、上層部275aと下層部275cとの間に介在する中層部275bでの気孔度とが互いに異なり得る。例えば、中層部275bでの気孔度は、上層部275a及び下層部275cでの気孔度よりも相対的に高くてもよい。この場合、上層部275a及び下層部275cは気孔度が相対的に低いので、絶縁プレート270の機械的強度の確保に寄与することができ、中層部275bは気孔度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(εr)の減少に寄与し、したがって、電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される程度が減少して、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)の改善に寄与することができる。
【0079】
一方、本発明の変形された第2実施例に係る絶縁プレート270は、中層部275bでの気孔度が、上層部275a及び下層部275cでの気孔度よりも相対的に低くてもよい。この場合、中層部275bは気孔度が相対的に低いので、絶縁プレート270の機械的強度の確保に寄与することができ、上層部275a及び下層部275cは気孔度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(εr)の減少に寄与し、したがって、電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される程度が減少して、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)の改善に寄与することができる。
【0080】
図1、
図2及び
図5を参照すると、本発明の第3実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は気孔を含む。
【0081】
第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275は絶縁プレート270の外郭部を形成し、絶縁プレート270の中心部には、連通した中空部280-2が提供される。例えば、絶縁プレート270の中心部では、気孔が離隔して散布されずに互いに連結されて一つの中空部280-2が提供され得る。さらに、選択的に、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275内にも、散布された気孔280-1が形成されてもよい。
【0082】
第1誘電定数を有するセラミック物質からなる絶縁プレート270の外郭部は、絶縁プレート270の機械的強度の確保に寄与することができ、気孔が散布されずに互いに連通して提供された一つの中空部280-2を備える絶縁プレート270の中心部は、気孔度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(εr)の減少に寄与し、したがって、電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される程度が減少して、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)の改善に寄与することができる。
【0083】
図1、
図2及び
図6を参照すると、本発明の第4実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子290からなる。
【0084】
母材ボディー部275を構成する前記第1誘電定数を有する物質と、母材ボディー部275内に分散された粒子290を構成する第2誘電定数を有する物質とは互いに異なる材質からなり、それぞれ、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0085】
本発明の第4実施例に係る絶縁プレート270を導入することによって、絶縁プレート270の誘電定数(εr)が減少し、誘電定数(εr)と比例するキャパシタンス(C)も減少して、RF電流に対するリアクタンス(reactance、X)成分が高くなることで、電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される程度が減少するようになり、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)を改善できることを確認した。
【0086】
一方、本発明の第4実施例に係る絶縁プレート270は、
図3を参照して説明した第1実施例に係る絶縁プレート270とは異なって、気孔280の領域が、第2誘電定数を有する粒子290で代替されるので、絶縁プレート270の機械的強度の確保の面でさらに有利である。
【0087】
図1、
図2及び
図7を参照すると、本発明の第5実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子290からなる。
【0088】
母材ボディー部275を構成する前記第1誘電定数を有する物質と、母材ボディー部275内に分散された粒子290を構成する第2誘電定数を有する物質とは互いに異なる材質からなり、それぞれ、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0089】
絶縁プレート270は、第2誘電定数を有する粒子290の分布密度が互いに異なる積層構造を有し、絶縁プレート270の上層部275a及び下層部275cでの第2誘電定数を有する粒子290の分布密度と、上層部275aと下層部275cとの間に介在する中層部275bでの第2誘電定数を有する粒子290の分布密度とは互いに異なり得る。例えば、中層部275bでの前記分布密度は、上層部275a及び下層部275cでの前記分布密度よりも相対的に高くてもよい。この場合、中層部275bは、前記分布密度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(εr)の減少に寄与し、したがって、電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される程度が減少して、エッチング設備のエッチング率(Etchrate)の改善に寄与することができる。
【0090】
図1、
図2及び
図8を参照すると、本発明の第6実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子290-1からなる。
【0091】
母材ボディー部275を構成する前記第1誘電定数を有する物質と、母材ボディー部275内に分散された粒子290-1を構成する第2誘電定数を有する物質とは互いに異なる材質からなり、それぞれ、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0092】
第1誘電定数を有するセラミック物質からなる絶縁プレート270の外郭部は、絶縁プレート270の機械的強度の確保に寄与することができ、気孔が散布されずに互いに連通して提供された一つの中空部290-2を備える絶縁プレート270の中心部は、気孔度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(εr)の減少に寄与し、したがって、電極プレート230に印加されるRFバイアスパワーが損失される程度が減少して、エッチング設備のエッチング率(Etch rate)の改善に寄与することができる。
【0093】
さらに、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275内にも、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子290-1が分布し得る。
【0094】
図9は、本発明の他の実施例に係る基板処理装置を構成する絶縁プレートを図解する斜視図であり、
図10乃至
図15は、本発明の様々な実施例に係る絶縁プレートであって、
図9のA-A’線に沿って切断した断面図である。
【0095】
図1、
図9及び
図10を参照すると、本発明の第7実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は気孔280を含む。
【0096】
絶縁プレート270において、基板Wの中央部に対応する中央領域2710での気孔度と、基板Wのエッジ部に対応するエッジ領域2720での気孔度とが互いに異なり得る。例えば、絶縁プレート270において、中央領域2710での気孔度は、エッジ領域2720での気孔度よりも相対的に低くてもよい。
【0097】
通常の工程条件を適用するとき、基板Wの中央部でエッチング率が高く、基板Wのエッジ部でエッチング率が低い、不均一なエッチングの様相が現れる場合を想定すると、中央領域2710での気孔度がエッジ領域2720での気孔度よりも相対的に低い絶縁プレート270を適用することで、このような不均一な様相を改善することができる。すなわち、中央領域2710よりもエッジ領域2720での気孔度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(ε
r)の減少傾向は、中央領域2710よりもエッジ領域2720で顕著であり、したがって、エッチング率(Etch rate)の増加傾向は、中央領域2710よりもエッジ領域2720で顕著になる。したがって、
図10に開示された絶縁プレート270の構成を導入することによって、既存のエッチング率の不均一な様相を補完して、最終的に基板のエッチングの均一度を改善することができる。
【0098】
図1、
図9及び
図11を参照すると、本発明の第8実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は気孔280を含む。
【0099】
絶縁プレート270において、基板Wの中央部に対応する中央領域2710での気孔度と、基板Wのエッジ部に対応するエッジ領域2720での気孔度とが互いに異なり得る。例えば、絶縁プレート270において、中央領域2710での気孔度は、エッジ領域2720での気孔度よりも相対的に高くてもよい。
【0100】
通常の工程条件を適用するとき、基板Wの中央部でエッチング率が低く、基板Wのエッジ部でエッチング率が高い、不均一なエッチングの様相が現れる場合を想定すると、中央領域2710での気孔度がエッジ領域2720での気孔度よりも相対的に高い絶縁プレート270を適用することで、このような不均一な様相を改善することができる。すなわち、中央領域2710よりもエッジ領域2720での気孔度が相対的に低いので、絶縁プレート270の誘電定数(ε
r)の減少傾向は、エッジ領域2720よりも中央領域2710で顕著であり、したがって、エッチング率(Etch rate)の増加傾向は、エッジ領域2720よりも中央領域2710で顕著になる。したがって、
図11に開示された絶縁プレート270の構成を導入することによって、既存のエッチング率の不均一な様相を補完して、最終的に基板のエッチングの均一度を改善することができる。
【0101】
図1、
図9及び
図12を参照すると、本発明の第9実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は気孔を含む。
【0102】
絶縁プレート270において、基板Wの中央部に対応する中央領域2710での気孔度と、基板Wのエッジ部に対応するエッジ領域2720での気孔度とが互いに異なり得る。例えば、絶縁プレート270において、中央領域2710での気孔度は、エッジ領域2720での気孔度よりも相対的に低くてもよい。絶縁プレート270のエッジ領域2720には、連通した中空部280-2がリング状に提供され得る。絶縁プレート270のエッジ領域2720では、気孔が離隔して散布されずに互いに連結されて一つのリング状の中空部280-2が提供され得る。さらに、選択的に、絶縁プレート270の中央領域2710内にも、散布された気孔280-1が形成されてもよい。
【0103】
通常の工程条件を適用するとき、基板Wの中央部でエッチング率が高く、基板Wのエッジ部でエッチング率が低い、不均一なエッチングの様相が現れる場合を想定すると、中央領域2710での気孔度がエッジ領域2720での気孔度よりも相対的に低い絶縁プレート270を適用することで、このような不均一な様相を改善することができる。すなわち、中央領域2710よりもエッジ領域2720での気孔度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(ε
r)の減少傾向は、中央領域2710よりもエッジ領域2720で顕著であり、したがって、エッチング率(Etch rate)の増加傾向は、中央領域2710よりもエッジ領域2720で顕著になる。したがって、
図12に開示された絶縁プレート270の構成を導入することによって、既存のエッチング率の不均一な様相を補完して、最終的に基板のエッチングの均一度を改善することができる。
【0104】
図1、
図9及び
図13を参照すると、本発明の第10実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は気孔を含む。
【0105】
絶縁プレート270において、基板Wの中央部に対応する中央領域2710での気孔度と、基板Wのエッジ部に対応するエッジ領域2720での気孔度とが互いに異なり得る。例えば、絶縁プレート270において、中央領域2710での気孔度は、エッジ領域2720での気孔度よりも相対的に高くてもよい。絶縁プレート270の中央領域2710には、連通した中空部280-2が提供され得る。絶縁プレート270の中央領域2710では、気孔が離隔して散布されずに互いに連結されて一つの中空部280-2が提供され得る。さらに、選択的に、絶縁プレート270のエッジ領域2720内にも、散布された気孔280-1が形成されてもよい。
【0106】
通常の工程条件を適用するとき、基板Wの中央部でエッチング率が低く、基板Wのエッジ部でエッチング率が高い、不均一なエッチングの様相が現れる場合を想定すると、中央領域2710での気孔度がエッジ領域2720での気孔度よりも相対的に高い絶縁プレート270を適用することで、このような不均一な様相を改善することができる。すなわち、中央領域2710よりもエッジ領域2720での気孔度が相対的に低いので、絶縁プレート270の誘電定数(ε
r)の減少傾向は、エッジ領域2720よりも中央領域2710で顕著であり、したがって、エッチング率(Etch rate)の減少傾向は、中央領域2710よりもエッジ領域2720で顕著になる。したがって、
図13に開示された絶縁プレート270の構成を導入することによって、既存のエッチング率の不均一な様相を補完して、最終的に基板のエッチングの均一度を改善することができる。
【0107】
図1、
図9及び
図14を参照すると、本発明の第11実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子290からなる。
【0108】
母材ボディー部275を構成する前記第1誘電定数を有する物質と、母材ボディー部275内に分散された粒子290を構成する第2誘電定数を有する物質とは互いに異なる材質からなり、それぞれ、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0109】
絶縁プレート270において、基板Wの中央部に対応する中央領域2710での粒子290の分布密度と、基板Wのエッジ部に対応するエッジ領域2720での粒子290の分布密度とが互いに異なり得る。例えば、絶縁プレート270において、中央領域2710での粒子290の分布密度は、エッジ領域2720での粒子290の分布密度よりも相対的に低くてもよい。
【0110】
通常の工程条件を適用するとき、基板Wの中央部でエッチング率が高く、基板Wのエッジ部でエッチング率が低い、不均一なエッチングの様相が現れる場合を想定すると、中央領域2710での粒子290の分布密度がエッジ領域2720での粒子290の分布密度よりも相対的に低い絶縁プレート270を適用することで、このような不均一な様相を改善することができる。すなわち、中央領域2710よりもエッジ領域2720での粒子290の分布密度が相対的に高いので、絶縁プレート270の誘電定数(ε
r)の減少傾向は、中央領域2710よりもエッジ領域2720で顕著であり、したがって、エッチング率(Etchrate)の増加傾向は、中央領域2710よりもエッジ領域2720で顕著になる。したがって、
図14に開示された絶縁プレート270の構成を導入することによって、既存のエッチング率の不均一な様相を補完して、最終的に基板のエッチングの均一度を改善することができる。
【0111】
図1、
図9及び
図15を参照すると、本発明の第12実施例に係る絶縁プレート270は、第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部275と、前記母材ボディー部275内に分布し、前記第1誘電定数と異なる第2誘電定数を有する誘電定数調節部とを含み、前記誘電定数調節部は、前記第1誘電定数よりも相対的に低い第2誘電定数を有する粒子290からなる。
【0112】
母材ボディー部275を構成する前記第1誘電定数を有する物質と、母材ボディー部275内に分散された粒子290を構成する第2誘電定数を有する物質とは互いに異なる材質からなり、それぞれ、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y2O3)、サファイア、オキシフッ化イットリウム(YOF;yttrium oxifluoride)及びアルミナ(Al2O3)のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことができる。
【0113】
絶縁プレート270において、基板Wの中央部に対応する中央領域2710での粒子290の分布密度と、基板Wのエッジ部に対応するエッジ領域2720での粒子290の分布密度とが互いに異なり得る。例えば、絶縁プレート270において、中央領域2710での粒子290の分布密度は、エッジ領域2720での粒子290の分布密度よりも相対的に高くてもよい。
【0114】
通常の工程条件を適用するとき、基板Wの中央部でエッチング率が低く、基板Wのエッジ部でエッチング率が高い、不均一なエッチングの様相が現れる場合を想定すると、中央領域2710での粒子290の分布密度がエッジ領域2720での粒子290の分布密度よりも相対的に高い絶縁プレート270を適用することで、このような不均一な様相を改善することができる。すなわち、中央領域2710よりもエッジ領域2720での粒子290の分布密度が相対的に低いので、絶縁プレート270の誘電定数(ε
r)の減少傾向は、エッジ領域2720よりも中央領域2710で顕著であり、したがって、エッチング率(Etchrate)の増加傾向は、エッジ領域2720よりも中央領域2710で顕著になる。したがって、
図15に開示された絶縁プレート270の構成を導入することによって、既存のエッチング率の不均一な様相を補完して、最終的に基板のエッチングの均一度を改善することができる。
【0115】
以上、高いエッチング率を有するエッチング工程を実現し、さらに、基板上のエッチングの均一度を改善することができる本発明の様々な実施例に係るチャンバ絶縁部品及びそれを含む基板処理装置を説明した。
【0116】
本発明は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということが理解できるであろう。例えば、絶縁プレート内の気孔度や粒子の密度分布は、境界層を基準として階段形式に変わる実施例だけでなく、漸進的に変わる実施例も可能であることを理解することができる。
【0117】
本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0118】
10 基板処理装置
100 工程チャンバ
200 基板支持台
300 プラズマユニット
270 絶縁プレート
220 誘電体プレート
230 電極プレート
223 静電電極
225 ヒーター
250 ベースプレート
275 第1誘電定数を有するセラミック物質からなる母材ボディー部
280 気孔
290 第2誘電定数を有する粒子
400 ガス供給ユニット