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▶ タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183397
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】導電端子および電気接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/91 20110101AFI20231220BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/11 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023096059
(22)【出願日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】202221498931.5
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】シィアォヂィー ジョージ フゥー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ディンピン フランク ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ロック リョ
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB26
5E223AB41
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB25
5E223CB27
5E223CB38
5E223CD01
5E223DA25
5E223DA34
5E223DB01
5E223DB08
5E223DB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フローティング部がクランプ部を相手側端子と位置合わせされた状態に調整することができ、相手側端子と導電端子との間の高信頼な電気的接触を確実にする。
【解決手段】導電端子は、回路基板(3)に機械的に固定され、かつ電気的に接続されるための固定部(11)と、固定部(11)に弾性的に接続され、固定部(11)に対してフローティングすることが可能なフローティング部(12)と、フローティング部(12)に接続される弾性クリップ(13)とを備える。挿入される相手側端子(2)がクランプ部(13a)からオフセットしている場合には、フローティング部(12)は、クランプ部(13a)を相手側端子(2)と位置合わせされた状態に調整するように、挿入された相手側端子(2)の押し込みによって移動可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電端子であって、
前記導電端子は、
- 回路基板(3)に機械的に固定され電気的に接続されるための固定部(11)と、
- 前記固定部(11)に弾性的に接続され、前記固定部(11)に対してフローティングすることが可能なフローティング部(12)と、
- 前記フローティング部(12)に接続される弾性クリップ(13)と、を備え、
前記弾性クリップ(13)はクランプ部(13a)を有し、前記クランプ部(13a)は、前記クランプ部(13a)に挿入される相手側端子(2)を締め付け前記相手側端子(2)と電気的に接触するためのものであり、

挿入される前記相手側端子(2)が前記クランプ部(13a)からオフセットしている場合には、前記フローティング部(12)は、前記クランプ部(13a)を前記相手側端子(2)と位置合わせされた状態に調整するように、挿入された前記相手側端子(2)の押し込みによって移動可能である、
導電端子。
【請求項2】
前記フローティング部(12)は、前記固定部(11)に対して第1の方向(X)にフローティングすることが可能であり、前記相手側端子(2)は、前記第1の方向(X)に対して垂直な第2の方向(Z)において前記クランプ部(13a)に挿入され、
挿入される前記相手側端子(2)が前記第1の方向(X)において所定の距離だけ前記クランプ部(13a)からオフセットしている場合には、前記フローティング部(12)は、前記相手側端子(2)と前記クランプ部(13a)との間の前記第1の方向におけるオフセットをなくすように、挿入された前記相手側端子(2)の押し込みによって前記第1の方向(X)に移動可能である、
請求項1に記載の導電端子。
【請求項3】
前記フローティング部(12)は、
- ベースプレート(120)と、
- 前記ベースプレート(120)と前記固定部(11)との間に接続されている弾性接続部(121)と、
を備え、

前記弾性接続部(121)は、前記ベースプレート(120)が前記固定部(11)に対して前記第1の方向(X)にフローティングすることが可能であるように、前記第1の方向(X)において弾性変形することが可能であり、
前記弾性クリップ(13)は、前記ベースプレート(120)と共にフローティングすることが可能なように、前記ベースプレート(120)に接続されている、
請求項2に記載の導電端子。
【請求項4】
前記固定部(11)は、
- サイドプレート(110)と、
- 前記サイドプレートに接続されているピン(111)と、
を備え、

前記ピン(111)は、前記回路基板(3)における導電孔(311)に挿入され固定されるように構成され、前記弾性接続部(121)は、前記フローティング部(12)が前記サイドプレート(110)に懸架されるように、前記サイドプレート(110)に接続されている、
請求項3に記載の導電端子。
【請求項5】
前記サイドプレート(110)の表面は、前記第1の方向(X)に垂直であり、前記ベースプレート(120)の表面は、前記第2の方向(Z)に垂直である、
請求項4に記載の導電端子。
【請求項6】
前記固定部(11)は、互いに平行に配置されている一対のサイドプレート(110)を備え、前記ピン(111)は、前記第2の方向(Z)において互いに反対側にある前記サイドプレート(110)の2つの側縁部のうちの一方に接続され、前記第2の方向(Z)に沿って延び、
前記第1の方向(X)において互いに反対側にある前記ベースプレート(120)の2つの側部は、前記弾性接続部(121)を介して、前記第2の方向(Z)において互いに反対側にある前記サイドプレート(110)の前記2つの側縁部のうちの他方にそれぞれ接続されている、
請求項5に記載の導電端子。
【請求項7】
前記フローティング部(12)は、前記第1の方向(X)において互いに反対側にある前記ベースプレート(120)の前記2つの側部にそれぞれ接続されている2対の弾性接続部(121)を備える、
請求項6に記載の導電端子。
【請求項8】
前記弾性クリップ(13)は、前記第1の方向(X)において互いに反対側にある前記ベースプレート(120)の前記2つの側部に接続されている一対の弾性カンチレバー(130)を備え、
前記弾性カンチレバー(130)は、その自由端部に配置されている円弧形状屈曲部(131)を有し、前記一対の弾性カンチレバー(130)の前記円弧形状屈曲部(131)は、前記クランプ部(13a)を形成するように互いに隣接する、
請求項7に記載の導電端子。
【請求項9】
前記相手側端子(2)が通過することを可能とするために、開口部(120a)が前記ベースプレート(120)の中間領域に形成され、前記クランプ部(13a)は、前記第2の方向(Z)において前記開口部(120a)に対向する、
請求項8に記載の導電端子。
【請求項10】
前記弾性カンチレバー(130)の固定端部は、前記ベースプレート(120)の側縁部の中間位置に接続され、対応する一対の弾性接続部(121)の間に配置されている、
請求項8に記載の導電端子。
【請求項11】
前記弾性接続部(121)は、
前記第2の方向(Z)に沿って直線状に延びる第1の接続アーム(121a)と、
円弧状に屈曲する第2の接続アーム(121b)と
を備え、
前記第2の接続アーム(121b)の一端部は、前記サイドプレート(110)に接続され、他端部は前記第1の接続アーム(121a)の一端部に接続され、前記第1の接続アーム(121a)の他端部は、前記ベースプレート(120)に接続されている、
請求項4から10のいずれか一項に記載の導電端子。
【請求項12】
回路基板(3)と、
請求項1から11のいずれか一項に記載の前記導電端子(1)と
を備え、
前記導電端子(1)の前記固定部(11)は、前記回路基板(3)に機械的に固定され、かつ電気的に接続され、前記導電端子(1)の前記フローティング部(12)は、前記回路基板(3)と接触することなく、前記固定部(11)を介して前記回路基板(3)に懸架されている、
電気接続アセンブリ。
【請求項13】
導電孔(311)が前記回路基板(3)に形成され、ピン(111)が前記固定部(11)に形成され、前記ピン(111)は、前記導電端子(1)を前記回路基板(3)に機械的に固定し、かつ電気的に接続するために、前記導電孔に挿入されている、
請求項12に記載の電気接続アセンブリ。
【請求項14】
導電性はんだ付けパッドが前記回路基板(3)に形成され、前記導電端子(1)を前記回路基板(3)に機械的に固定し、かつ電気的に接続するために前記はんだ付けパッドに溶接されているはんだ付け部が、前記固定部(11)に形成されている、
請求項12に記載の電気接続アセンブリ。
【請求項15】
前記導電端子(1)と電気的に接続するために前記導電端子(1)の前記クランプ部(13a)に挿入される相手側端子(2)
をさらに備える、
請求項12に記載の電気接続アセンブリ。
【請求項16】
前記回路基板(3)は、第1の面、およびその厚さ方向において反対側にある第2の面を有し、前記導電端子(1)は、前記回路基板(3)の前記第1の面に設置され、
前記相手側端子(2)が通過することを可能とするために、貫通孔(32)が前記回路基板(3)に形成され、前記相手側端子(2)は、前記回路基板(3)の前記第2の面から前記回路基板(3)における前記貫通孔(32)を通過し、前記クランプ部(13a)に挿入されている、
請求項15に記載の電気接続アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2022年6月15日に出願された中国特許出願第CN202221498931.5号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、導電端子、および導電端子を備える電気接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、導電端子と挿入された相手側端子との間の高信頼な電気的接触を確実にするために、相手側端子を導電端子のクランプ部と位置合わせする必要がある。相手側端子が導電端子のクランプ部からオフセットしている場合には、電気的接触が信頼性を欠くことがある。振動のある環境では、それにより、相手側端子と導電端子との間の一時的な接続解除の問題が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の不利な点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、導電端子が提供される。導電端子は、回路基板に機械的に固定され電気的に接続されるための固定部と、固定部に弾性的に接続され、固定部に対してフローティング(浮く)することが可能なフローティング部と、フローティング部に接続される弾性クリップとを備える。弾性クリップは、クランプ部を有し、クランプ部は、クランプ部に挿入される相手側端子を締め付け相手側端子と電気的に接触するためのものである。挿入される相手側端子がクランプ部からオフセットしている場合には、フローティング部は、クランプ部を相手側端子と位置合わせされた状態に調整するように、挿入された相手側端子の押し込みによって移動可能である。
【0006】
本発明の例示的実施形態によれば、フローティング部は、固定部に対して第1の方向にフローティング(浮動)することが可能であり、相手側端子は、第1の方向に垂直な第2の方向においてクランプ部に挿入され、挿入される相手側端子が第1の方向において所定の距離だけクランプ部からオフセットしている場合には、フローティング部は、相手側端子とクランプ部との間の第1の方向におけるオフセットをなくすように、挿入された相手側端子の押し込みによって第1の方向に移動可能である。
【0007】
本発明の別の例示的実施形態によれば、フローティング部は、ベースプレートと、ベースプレートと固定部との間に接続されている弾性接続部とを備える。弾性接続部は、ベースプレートが固定部に対して第1の方向にフローティングすることが可能であるように、第1の方向において弾性変形することが可能であり、弾性クリップは、ベースプレートと共にフローティングすることが可能なように、ベースプレートに接続される。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態によれば、固定部は、サイドプレートと、サイドプレートに接続されているピンとを備える。ピンは、回路基板における導電孔に挿入され固定されるように構成され、弾性接続部は、フローティング部がサイドプレートに懸架されるように、サイドプレートに接続される。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によれば、サイドプレートの表面は、第1の方向に垂直であり、ベースプレートの表面は、第2の方向に垂直である。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、固定部は、互いに平行に配置されている一対のサイドプレートを備え、ピンは、第2の方向において互いに反対側にあるサイドプレートの2つの側縁部のうちの一方に接続され、第2の方向に沿って延び、第1の方向において互いに反対側にあるベースプレートの2つの側部は、弾性接続部を介して、第2の方向において互いに反対側にあるサイドプレートの2つの側縁部のうちの他方にそれぞれ接続される。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によれば、フローティング部は、第1の方向において互いに反対側にあるベースプレートの2つの側部にそれぞれ接続されている2対の弾性接続部を備える。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態によれば、弾性クリップは、第1の方向において互いに反対側にあるベースプレートの2つの側部に接続されている一対の弾性カンチレバーを備え、弾性カンチレバーは、その自由端部に配置されている円弧形状屈曲部を有し、一対の弾性カンチレバーの円弧形状屈曲部は、クランプ部を形成するように互いに隣接する。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態によれば、相手側端子が通過することを可能とするために、開口部がベースプレートの中間領域に形成され、クランプ部は、第2の方向において開口部に対向する。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態によれば、弾性カンチレバーの固定端部は、ベースプレートの側縁部の中間位置に接続され、対応する一対の弾性接続部の間に配置される。
【0015】
本発明の別の例示的実施形態によれば、弾性接続部は、第2の方向に沿って直線状に延びる第1の接続アームと、円弧状に屈曲する第2の接続アームとを備える。第2の接続アームの一端部は、サイドプレートに接続され、他端部は第1の接続アームの一端部に接続され、第1の接続アームの他端部は、ベースプレートに接続される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、電気接続アセンブリが提供される。電気接続アセンブリは、回路基板と、上記の導電端子とを備える。導電端子の固定部は、回路基板に機械的に固定され電気的に接続され、導電端子のフローティング部は、回路基板と接触することなく、固定部を介して回路基板に懸架される。
【0017】
本発明の例示的実施形態によれば、導電孔が回路基板に形成され、ピンが固定部に形成され、ピンは、導電端子を回路基板に機械的に固定し電気的に接続するために、導電孔に挿入される。
【0018】
本発明の別の例示的実施形態によれば、導電性はんだ付けパッドが回路基板に形成され、導電端子を回路基板に機械的に固定し電気的に接続するためにはんだ付けパッドに溶接されているはんだ付け部が、固定部に形成される。
【0019】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電気接続アセンブリは、導電端子と電気的に接続するために導電端子のクランプ部に挿入されている相手側端子をさらに備える。
【0020】
本発明の別の例示的実施形態によれば、回路基板は、第1の面、およびその厚さ方向において反対側にある第2の面を有し、導電端子は、回路基板の第1の面に設置され、相手側端子が通過することを可能とするために、貫通孔が回路基板に形成され、相手側端子は、回路基板の第2の面から回路基板における貫通孔を通過し、クランプ部に挿入される。
【0021】
本発明に係る上述の例示的実施形態においては、挿入される相手側端子が導電端子のクランプ部に対して位置合わせされていない場合であっても、フローティング部がクランプ部を相手側端子と位置合わせされた状態に調整することができ、それにより、相手側端子と導電端子との間の高信頼な電気的接触が確実になる。
【0022】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用斜視図である。
図2】本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用分解図である。
図3】本発明の例示的実施形態に係る導電端子の説明用斜視図である。
図4】挿入される相手側端子が、導電端子のクランプ部と位置合わせされた正しい挿入位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用側面図である。
図5】挿入される相手側端子が、導電端子のクランプ部と位置合わせされていないオフセット位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用側面図である。
図6】相手側端子が導電端子のクランプ部に挿入された、図5に示す電気接続アセンブリの説明用側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。
【0025】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0026】
本発明の一般概念によれば、導電端子が提供される。導電端子は、回路基板に機械的に固定され電気的に接続されるための固定部と、固定部に弾性的に接続され、固定部に対してフローティングすることが可能なフローティング部(floating portion)と、フローティング部に接続される弾性クリップとを備える。弾性クリップは、クランプ部を有し、クランプ部は、クランプ部に挿入される相手側端子を締め付け相手側端子と電気的に接触するためのものである。挿入される相手側端子がクランプ部からオフセットしている場合には、フローティング部は、クランプ部を相手側端子と位置合わせされた状態に調整するように、挿入された相手側端子の押し込みによって移動可能である。
【0027】
本発明の別の一般概念によれば、電気接続アセンブリが提供される。電気接続アセンブリは、回路基板と、上記の導電端子とを備える。導電端子の固定部は、回路基板に機械的に固定され電気的に接続され、導電端子のフローティング部は、回路基板と接触することなく、固定部を介して回路基板に懸架される。
【0028】
図1は、本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用斜視図を示す。図2は、本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用分解図を示す。図3は、本発明の例示的実施形態に係る導電端子1の説明用斜視図を示す。図4は、挿入される相手側端子2が、導電端子1のクランプ部13aと位置合わせされた正しい挿入位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用側面図を示す。
【0029】
図1図4に示すように、例示の実施形態において、電気接続アセンブリは主に、導電端子1、相手側端子2、および回路基板3を含む。導電端子1は、回路基板3に固定的に設置され、相手側端子2は、導電端子1のクランプ部13aに挿入され、導電端子1のクランプ部13aと電気的に接触する。
【0030】
図1図4に示すように、例示の実施形態において、導電端子1は、固定部11、フローティング部12、および弾性クリップ13を含む。固定部11は、回路基板3に機械的に固定され電気的に接続されるために用いられる。フローティング部12は、固定部11に弾性的に接続され、固定部11に対してフローティングすることができる。弾性クリップ13は、フローティング部12に接続され、クランプ部13aを有する。クランプ部13aは、挿入された相手側端子2を締め付け、相手側端子2と電気的に接触するために用いられる。
【0031】
図5は、挿入される相手側端子2が、導電端子1のクランプ部13aと位置合わせされていないオフセット位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電気接続アセンブリの説明用側面図を示す。図6は、相手側端子2が導電端子1のクランプ部13aに挿入されている、図5に示す電気接続アセンブリの説明用側面図を示す。
【0032】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、例えば図5に示す実施形態において、挿入される相手側端子2がクランプ部13aからオフセットしている場合には、挿入される相手側端子2と導電端子1のクランプ部13aとの間の第1の方向Xにおけるオフセット量は、dである。このとき、図5および図6に示すように、フローティング部12は、クランプ部13aを相手側端子2と位置合わせされた状態に調整するように、挿入された相手側端子2の押し込みによって移動することができ、それにより、相手側端子2とクランプ部13aとの間の高信頼な電気的接触が確実になる。
【0033】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、フローティング部12は、固定部11に対して第1の方向Xにフローティングすることができ、相手側端子2は、第1の方向Xに垂直な第2の方向Zにおいてクランプ部13aに挿入される。挿入される相手側端子2が第1の方向において所定の距離だけクランプ部13aからオフセットしている場合には、フローティング部12は、相手側端子2とクランプ部13aとの間の第1の方向におけるオフセット量dをなくすように、挿入された相手側端子2の押し込みによって第1の方向に移動することができる。
【0034】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、フローティング部12は、ベースプレート120および弾性接続部121を含む。弾性接続部121は、ベースプレート120と固定部11との間に接続される。弾性接続部121は、第1の方向Xに弾性変形することができ、それにより、ベースプレート120が固定部11に対して第1の方向Xにフローティングすることが可能となる。弾性クリップ13は、ベースプレート120と共にフローティングすることが可能なように、ベースプレート120に接続される。
【0035】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、固定部11は、サイドプレート110およびピン111を含む。ピン111は、サイドプレート110に接続される。ピン111は、回路基板3における導電孔311に挿入され固定されるために用いられ、弾性接続部121は、フローティング部12がサイドプレート110に懸架されるように、サイドプレート110に接続される。
【0036】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、サイドプレート110の表面は、第1の方向Xに対して垂直であり、ベースプレート120の表面は、第2の方向Zに対して垂直である。
【0037】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、固定部11は、互いに平行に配置される一対のサイドプレート110を含み、ピン111は、第2の方向Zにおいて互いに反対側にあるサイドプレート110の2つの側縁部のうちの一方に接続され、第2の方向Zに沿って延びる。第1の方向Xにおいて互いに反対側にあるベースプレート120の2つの側部は、弾性接続部121を介して、第2の方向Zにおいて互いに反対側にあるサイドプレート110の2つの側縁部のうちの他方にそれぞれ接続される。
【0038】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、フローティング部12は、第1の方向Xにおけるベースプレート120の両側にそれぞれ接続される2対の弾性接続部121を含む。
【0039】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、弾性クリップ13は、一対の弾性カンチレバー130を含む。一対の弾性カンチレバー130は、第1の方向Xにおけるベースプレート120の両側にそれぞれ接続される。弾性カンチレバー130は、その自由端部に配置される円弧形状屈曲部131を有し、一対の弾性カンチレバー130の円弧形状屈曲部131は、クランプ部13aを形成するように互いに隣接する。
【0040】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、相手側端子2が通過することを可能とする開口部120aが、ベースプレート120の中間領域に形成され、クランプ部13aは、第2の方向Zにおいて開口部120aに対向する。
【0041】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、弾性カンチレバー130の固定端部は、ベースプレート120の側縁部の中間部に接続され、対応する一対の弾性接続部121の間に配置される。
【0042】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、弾性接続部121は、第1の接続アーム121aおよび第2の接続アーム121bを含む。第1の接続アーム121aは、第2の方向Zにおいて直線状に延びる。第2の接続アーム121bは、円弧状に屈曲する。第2の接続アーム121bの一端部は、サイドプレート110に接続され、第2の接続アーム121bの他端部は、第1の接続アーム121aの一端部に接続され、第1の接続アーム121aの他端部は、ベースプレート120に接続される。
【0043】
図1図6に示すように、本発明の例示的実施形態においては、回路基板3および上述の導電端子1を含む電気接続アセンブリも開示される。導電端子1の固定部11は、回路基板3に機械的に固定され電気的に接続され、導電端子1のフローティング部12は、固定部11を介して回路基板3に懸架され、回路基板3と接触しない。
【0044】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、導電孔311が回路基板3に形成され、ピン111が固定部11に形成される。ピン111は、導電端子1を回路基板3に機械的に固定し電気的に接続するために、導電孔311に挿入される。
【0045】
図1図6に示すように、本発明の任意選択的な実施形態において、導電性はんだ付けパッド(不図示)が回路基板3に形成され、はんだ付け部(不図示)が固定部11に形成され、はんだ付け部は、導電端子1を回路基板3に機械的に固定し電気的に接続するために、はんだ付けパッドに溶接される。
【0046】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、電気接続アセンブリは、導電端子1と電気的に接続するために導電端子1のクランプ部13aに挿入される相手側端子2をさらに含む。
【0047】
図1図6に示すように、例示の実施形態において、回路基板3は、その厚さ方向において互いに反対側にある第1の面および第2の面を有し、導電端子1は、回路基板3の第1の面に設置される。相手側端子2が通過することを可能とするために、貫通孔32が回路基板3に形成される。相手側端子2は、回路基板3の第2の面から回路基板3における貫通孔32を通過し、クランプ部13aに挿入される。
【0048】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。
【0049】
いくつかの例示的な実施形態について図示し説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0050】
本明細書で使用されるとき、単数形で記載され「a」または「an」という単語が前に付く要素は、前記要素またはステップの複数形を除外することが明示的に述べられていない限り、これらを除外しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された特徴を同じく組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素もしくは複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含んでよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】