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特開2023-183451通信端末、情報処理方法、ネットワークシステム、およびサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183451
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】通信端末、情報処理方法、ネットワークシステム、およびサーバ
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/00 20060101AFI20231221BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20231221BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231221BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20231221BHJP
   G08C 19/36 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G08C19/00 301D
G08C15/00 B
H04Q9/00 311J
G06T7/90 A
G08C19/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096970
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 優祈
(72)【発明者】
【氏名】中原 正守
(72)【発明者】
【氏名】松崎 洸貴
【テーマコード(参考)】
2F073
5K048
5L096
【Fターム(参考)】
2F073AA07
2F073AA08
2F073AB01
2F073AB08
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC08
2F073CD11
2F073DD07
2F073EF08
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073FG07
2F073FG11
2F073GG01
2F073GG08
5K048BA34
5K048BA35
5K048DA02
5K048DC01
5K048EB15
5K048FB09
5L096BA02
5L096FA14
5L096HA09
5L096JA03
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】メータの表示部が結露したことや曇っていることを検知して、その旨を示す情報を出力することによって、誤った情報を利用してしまう可能性を低減する。
【解決手段】メータ200の表示部を撮影するためのカメラ150と、サーバ300と通信するための通信インターフェイス160と、プロセッサ110と、を備える通信端末100が提供される。プロセッサ110は、カメラ150で表示部を撮影した画像のうちの、所定の複数の箇所230A,230B,230Cの輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータの表示部を撮影するためのカメラと、
サーバと通信するための通信インターフェイスと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記カメラで前記表示部を撮影した画像のうちの、所定の複数の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力する、通信端末。
【請求項2】
前記表示部のガラス面には、当該ガラス面と異なる熱伝導度を有する物体が貼り付けられており、
前記プロセッサは、前記画像のうちの、前記物体に近いエリアと遠いエリアの輝度が有意に異なる場合に前記エラー情報を出力する、請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記物体は、熱伝導度の高い金属を含み、
前記プロセッサは、前記物体に近いエリアの輝度が遠いエリアの輝度よりも有意に低い場合に前記エラー情報を出力する、請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記物体は、熱伝導度の低い金属を含み、
前記プロセッサは、前記物体に近いエリアの輝度が遠いエリアの輝度よりも有意に高い場合に前記エラー情報を出力する、請求項2に記載の通信端末。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記エラー情報を出力した場合には、所定の時間の経過後に再度、前記カメラで前記表示部を撮影する、請求項1から4のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項6】
カメラでメータの表示部を撮影するステップと、
撮影画像のうちの、所定の複数の箇所の輝度が有意に異なるか否かを判断するステップと、
前記所定の複数の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力するステップと、を備える、通信端末における情報処理方法。
【請求項7】
メータと、
サーバと、
通信端末と、を備え、
前記通信端末は、カメラで前記メータの表示部を撮影した画像のうちの、所定の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力する、ネットワークシステム。
【請求項8】
通信端末と通信するための通信インターフェイスと、
前記通信インターフェイスを介して前記通信端末のカメラによって撮影されたメータの表示部の撮影画像を受信して、当該撮影画像のうちの所定の複数の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力するプロセッサと、を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道やガスなどの検針メータの検針値を自動的に読み取ってサーバに送信するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅やオフィスなどには、水道やガスなどの使用量を測定するための検針用のメータが取り付けられている。そして、国際公開第2019/208066号公報(引用文献1)には、撮像装置及びシステムが開示されている。引用文献1によると、バッテリーを備えた撮像装置であって、撮像部及び通信チップを備え、前記撮像部は、数値を画像として撮像可能に構成され、前記通信チップは、前記撮像部により撮像された画像と、前記バッテリーの残量を外部に送信可能に構成される、撮像装置が提供される。
【0003】
また、特開2018-55512号公報(引用文献2)には、自動点検システム、自動点検システム用点検対象読取り装置および自動点検システムの制御方法が提供される。引用文献2によると、読取り装置は、マルチホップ無線ネットワークを通じて通信する無線子局、点検対象の状態を計測して計測データを生成する計測部、計測データ解析部、計測データ解析部による解析に失敗した場合に、その失敗原因を分析する失敗原因分析部を備え、計測データに失敗原因情報を対応づけてデータ収集装置へ送信する。データ収集装置は、無線親局と、各読取り装置から計測データを取得する計測データ取得部と、計測データに失敗原因情報が対応づけられていない場合にその計測データを記録する記録部と、計測データに失敗原因情報が対応づけられている場合は、失敗原因の種類に応じてデータ取得をリトライするリトライ制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/208066号公報
【特許文献2】特開2018-55512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、メータの表示部が結露したことや曇っていることを検知して、その旨を示す情報を出力することによって、誤った情報を利用してしまう可能性を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のある態様に従うと、メータの表示部を撮影するためのカメラと、サーバと通信するための通信インターフェイスと、プロセッサと、を備える通信端末が提供される。プロセッサは、カメラで表示部を撮影した画像のうちの、所定の複数の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力する。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、メータの表示部が結露したことや曇っていることを検知して、その旨を示す情報を出力することによって、誤った情報を利用してしまう可能性を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステムの全体構成を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる通信端末と測定装置の取り付け方法を示すイメージ図である。
図3】第1の実施の形態にかかる通信端末を測定装置に取り付けた状態の両者の平面図である。
図4】第1の実施の形態にかかる測定装置の表示部の周辺を示すイメージ図である。
図5】第1の実施の形態にかかる通信端末の主要な機能を示すブロック図である。
図6】第1の実施の形態にかかる撮影画像の一部を示すイメージ図である。
図7】第1の実施の形態にかかる通信端末における情報処理を示すフローチャートである。
図8】第1の実施の形態にかかるセンタサーバの主要な機能を示すブロック図である。
図9】第2の実施の形態にかかる測定装置の表示部を示すイメージ図である。
図10】第2の実施の形態にかかる別の測定装置の表示部を示すイメージ図である。
図11】第3の実施の形態にかかる通信端末における情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
【0010】
まず、図1を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、測定装置200と、通信端末100と、ネットワーク500と、センタ側網制御装置400と、センタサーバ300などを含むものである。
【0011】
測定装置200は、水道やガスなどの利用料を測定する検針用のメータなどであって、特に、測定結果として、これまでの使用量の累積値を表示するものである。
【0012】
通信端末100は、測定装置200の近傍に、後付けで、取り付け可能な装置である。本実施の形態においては、通信端末100は、カメラやOCR(Optical Character Reader)機能を利用することによって、測定装置200が表示する計量値を読み取り、通信アンテナを利用して当該計量値をサーバ300に送信する。
【0013】
サーバ300は、インターネットなどのネットワーク500を介して、通信端末100から計量値を取得したり、各家庭や各オフィスや各建物のガスや水道や電気などの利用料を計算したりする。
【0014】
このように、本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、測定装置200が予めネットワークに接続されてない場合であっても、通信端末100を測定装置200に後付けすることによって、測定装置200による計量値をサーバ300に提供することができるものである。特に、本実施の形態にかかる通信端末100は、測定装置200の表示部のガラスに水滴がついて結露している場合などに、エラー情報を付加して出力するため、測定結果を正確に取得できていない可能性があることをセンタや管理者に知らしめることができるものである。その結果、ネットワークシステム1全体の信頼性を向上させることができる。以下では、このような機能について詳細に説明する。
【0015】
図2(A)を参照して、測定装置200は、水道やガスの使用量を測定するための一般的な装置である。測定装置200は、日が当たらないBOX内に配置されることが好ましい。そして、検針時に作業員が利用量を確認するために使用される表示部230が設けられている。表示部230は、回転式のアナログ表示器であってもよいし、デジタルディスプレイであってもよい。本実施の形態においては、表示部230は、背面が黒色であって、表面がガラス面でカバーされている。
【0016】
本実施の形態においては、測定装置200の正面に通信端末100が取り付けられるものである。より詳細には、図2(A)から図2(B)に示すように、測定装置200の正面の表示部230に通信端末100のカメラ150が向き合う状態で、通信端末100が保持される。この状態において、図2(C)や図3に示すように、結束バンドなどの治具によって、通信端末100を測定装置200に対して固定する。
【0017】
そして、特に本実施の形態においては、図4に示すように、測定装置200の表示部230のガラス面230Gの外側には、数字表示部230Xの近傍に、熱伝導度がガラスよりも高い金属、たとえばアルミ箔231が貼り付けられている。アルミ箔231は、熱伝導度が高いため、ガラス面230Gの外側の空気の温度がガラス面230Gに伝わりやすく、当該空気の温度と近い温度に維持されやすい。その結果、ガラス面230Gのうちの、アルミ箔231に近い位置230Aほど、外側の空気の温度に近くなり、アルミ箔231から遠い位置230Cほど、ガラス面の内側の空気の温度に近くなる。これによって、外気温が高い場合や、外気温の湿度が高い場合には、ガラス面230Gのうちの、アルミ箔231から遠い位置230Cほど、結露しやすく、アルミ箔231から近い位置230Aほど、結露しにくくなる。
【0018】
なお、本実施の形態においては、数字表示部230Xは、黒い背面に、白色の数字が表示されるものである。
【0019】
次に、図5を参照して、通信端末100の構成の一態様について説明する。通信端末100は、主に、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、カメラ150と、通信インターフェイス160と、フラッシュライト170と、バッテリー180などを含む。
【0020】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムに従って、通信端末100の各部を制御する。本実施の形態にかかるCPU110は、たとえば、OCR機能のアプリケーションプログラムを実行することによって、カメラ150の撮影画像から数字や文字の文字列を認識する。
【0021】
メモリ120は、制御プログラムや、カメラ150の撮影画像や、認識した計量値や、表示部のくもりに関する情報などを格納する。
【0022】
通信インターフェイス160は、CPU110からの指示に従って、各種の情報をセンタサーバ300に送信したり、センタサーバ300からの命令やデータをCPU110に入力したりする。
【0023】
カメラ150は、定期的に、たとえば月に1回などの間隔で、CPU110やサーバ300からの指示に従って、正面にある測定装置200の表示部230を撮影して、撮影画像データをメモリ120に格納する。そして、本実施の形態においては、CPU110は、撮影画像に基づいて、OCR機能を利用することによって、計量値としての数字列などを読み出すものである。
【0024】
フラッシュライト170は、CPU110の指示に従って、カメラ150の撮影方向に向けて光を照射する。本実施の形態においては、CPU110は、フラッシュライト170を発光させるタイミングで、カメラ150に静止画像を撮影させる。
【0025】
より詳細には、本実施の形態にかかる通信端末100に関しては、図6に示すように、カメラ150の撮影画像に関して、アルミ箔231に近い箇所230Aほど輝度が低く、アルミ箔231から遠い箇所230Dほど輝度が高い場合に、表示部230のガラス面230Gに水滴が付着している可能性が高いと判断して、測定結果にその旨の警告情報を付してメモリ120に蓄積する。水滴が付着している場所は、フラッシュライト170の光が反射しやすく、白っぽい画像が撮影され、水滴が付着していない部分は、数字表示部230Xの背面の黒っぽい画像が撮影される。
【0026】
より詳細には、図4に示したように、予めカメラ150の撮影画像のうちの、数字表示部230Xの背面の黒い部分のうちの、すなわち輝度が低い部分のうちの、同じ輝度の複数の箇所230A,230B,230Cが予め設定されている。CPU110は、検針時において、当該複数の箇所230A,230B,230Cのうちのアルミ箔231に近い箇所230Aほど輝度が低く、アルミ箔231から遠い箇所230Cほど輝度が高い場合に、表示部230のガラス面230Gに水滴が付着している可能性が高いと判断する。
【0027】
図5に戻って、本実施の形態にかかる通信端末100の各部は、バッテリーで駆動される。
【0028】
なお、通信端末100は、表示部を有しても良い。表示部は、CPU110からの指示に従って、テキストや画像を表示するデジタルディスプレイである。
【0029】
また、通信端末100は、簡単な操作部を有してもよい。操作部は、電源をON/OFFするためのボタンや、カメラ150を起動して撮影させるボタンなどがあげられる。なお、ユーザが指で操作する形態ではなく、6軸センサや磁石などを利用することによって、CPU110が、所定の状況を検知した場合に、カメラ150を起動して撮影させてもよい。
【0030】
以下では、本実施の形態にかかる通信端末100の制御処理について詳述する。本実施の形態にかかる通信端末100のCPU110は、ROMのプログラムやメモリ120に記憶されているプログラムに従って、以下のような処理を実行する。
【0031】
図7を参照して、通信端末100のCPU110は、定期的な検針時刻までスタンバイする(ステップS102)。
【0032】
検針時刻になると、CPU110は、フラッシュライト170を点灯させて、カメラ150で、測定装置200の表示部230を撮影する(ステップS104)。
【0033】
CPU110は、撮影画像データに基づいて、表示部230の色が正常であるか否かを判断する(ステップS106)。より詳細には、CPU110は、撮影画像に基づいて、予め指定されている複数箇所の輝度が同じである場合に正常であると判断する。あるいは、CPU110は、予め指定されている複数箇所の輝度が、アルミ箔231に近い箇所230Aほど輝度が低く、アルミ箔231から遠い箇所230Cほど輝度が高い場合に正常でないと判断する。
【0034】
表示部の色が正常である場合(ステップS106にてYESである場合)、CPU110は、「輝度異常フラグ」をOFFして、「輝度異常回数」をゼロに設定する(ステップS108)。CPU110は、ステップS112からの処理を実行する。
【0035】
表示部の色が正常でない場合(ステップS106にてNOである場合)、CPU110は、「輝度異常フラグ」をONして、「輝度異常回数」を+1する(ステップS110)。
【0036】
CPU110は、撮影画像に基づいて、OCR機能を利用して、検針値を取得する(ステップS112)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、「検針値」と「輝度異常フラグ」情報とをサーバ300に送信する(ステップS112)。
【0037】
CPU110は、「輝度異常フラグ」がONであるか否かを判断する(ステップS114)。「輝度異常フラグ」がOFFである場合(ステップS114にてNOである場合)、CPU110は、今回の検針処理を終了する。
【0038】
一方、「輝度異常フラグ」がONである場合(ステップS114にてYESである場合)、CPU110は、所定時間待機してから、フラッシュライト170を点灯させて、カメラ150で、測定装置200の表示部230を撮影する(ステップS116)。
【0039】
CPU110は、撮影画像データに基づいて、表示部230の色が正常であるか否かを判断する(ステップS122)。より詳細には、CPU110は、撮影画像に基づいて、予め指定されている複数箇所の輝度が同じである場合に正常であると判断する。あるいは、CPU110は、予め指定されている複数箇所の輝度が、アルミ箔231に近い部分ほど、輝度が低い場合に正常でないと判断する。
【0040】
表示部の色が正常である場合(ステップS122にてYESである場合)、CPU110は、「輝度異常フラグ」をOFFして、「輝度異常回数」をゼロに設定する(ステップS124)。CPU110は、ステップS128からの処理を実行する。
【0041】
表示部の色が正常でない場合(ステップS122にてNOである場合)、CPU110は、「輝度異常フラグ」をONして、「輝度異常回数」を+1する(ステップS126)。
【0042】
CPU110は、撮影画像に基づいて、OCR機能を利用して、検針値を取得する(ステップS128)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、検針値と「輝度異常フラグ」情報とをサーバ300に送信する(ステップS128)。
【0043】
CPU110は、「輝度異常回数」が所定値未満であるか否かを判断する(ステップS130)。「輝度異常回数」が所定未満である場合(ステップS130にてYESである場合)、再度、所定時間待機してから、フラッシュライト170を点灯させて、カメラ150で、測定装置200の表示部230を撮影する(ステップS134)。CPU110は、ステップS122からの処理を繰り返す。
【0044】
「輝度異常回数」が所定値以上である場合(ステップS130にてNOである場合)、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、測定装置200の表示部230に長期的なくもり、または表示部230が汚れていることを示す警告情報をサーバ300に送信する(ステップS132)。CPU110は、今回の検針処理を終了する。
【0045】
次に、センタサーバ300の構成について説明する。図8に示すように、センタサーバ300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、操作部340と、通信インターフェイス360とを含む。
【0046】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ300の各部を制御する。たとえば、CPU310は、メモリ320に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、各種の処理を実行する。
【0047】
メモリ320は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ300に内包されているものであってもよいし、サーバ300の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ300からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ320は、CPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかるサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0048】
たとえば、メモリ320は、各家庭の検針データを記憶する。検針データは、契約者毎に、契約者の識別情報、契約者の住所、計量値の履歴、担当の作業員およびその端末の通信アドレスなどの対応関係を含む。
【0049】
操作部340は、サービスの管理者やオペレータやサービスマンなどの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。
【0050】
通信インターフェイス360は、CPU310からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、センタ側網制御装置400や通信端末100やその他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス360は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介してセンタ側網制御装置400や通信端末100やその他の装置からのデータを受信して、CPU310に受け渡す。
【0051】
たとえば、本実施の形態においては、CPU310は、通信インターフェイス360を介して、通信端末100から受信した計量値と計量日時と「輝度異常フラグ」情報とをメモリ320の検針データに追加したり、各種の情報をサービスマンの端末に送信したりする。
<第2の実施の形態>
【0052】
上記の実施の形態においては、測定装置200の表示部230のガラス面230Gに、熱伝導度が高いアルミ箔231を貼り付けるものであった。しかしながら、このような形態には限られない。
【0053】
図9に示すように、測定装置200のガラス面230Gの外側のうちの、数字表示部230Xの近傍には、熱伝導度がガラスよりも低い物体、たとえば発泡断熱シート232が貼り付けられてもよい。発泡断熱シート232は、熱伝導度が低いため、ガラス面230Gの外側の空気の温度がガラス面230Gに伝わりにくく、当該ガラス面230Gの内側の空気の温度と近い温度に維持されやすい。その結果、ガラス面230Gのうちの、発泡断熱シート232に近い位置ほど、ガラス面230Gの内側の空気の温度に近くなり、発泡断熱シート232から遠い位置ほど、ガラス面230Gの外側の空気の温度に近くなる。これによって、外気温が高い場合や、外気温の湿度が高い場合には、ガラス面230Gのうちの、発泡断熱シート232に近い位置ほど結露しやすく、発泡断熱シート232から遠い位置ほど、結露しにくくなる。
【0054】
すなわち本実施の形態においては、ステップS106やステップS122においては、CPU110は、予め指定されている複数の箇所230A,230B,230Cの輝度が、発泡断熱シート232に近い箇所230Aほど輝度が高く、発泡断熱シート232から遠い箇所230Bほど輝度が低い場合に正常でないと判断する。
【0055】
なお、図10に示すように、数字表示部230Xの上方や下方に、アルミ箔231や発泡断熱シート232を張り付けてもよい。
<第3の実施の形態>
【0056】
上記の実施の形態に加えて、撮影画像における、輝度の比較を行うべき、複数の箇所230A,230B,230Cは、予め決められていてもよいし、測定装置200毎や通信端末100毎に設定されるものであってもよい。たとえば、通信端末100が、測定装置200に対して固定されて、初めてサーバ300に接続された際や、初めて測定装置200の表示部230を撮影した際に、以下の処理が実行されてもよい。すなわち、CPU110が、フラッシュライト170を点灯させて、カメラ150で、測定装置200の表示部230を撮影する。CPU110は、輝度が所定値以下の部分のうちの、同じ輝度が観察された複数の箇所230A,230B,230Cを輝度の確認箇所として決定してもよい。なお、表示部230のうちのアルミ箔231が貼られる位置は、常に、決められていることが好ましい。これによって、後日、CPU110は、予め指定されている複数箇所230A,230B,230Cの輝度が、アルミ箔231に近い部分ほど輝度が低いか否かを判断することによって、ガラス面230Gがくもっているか否かを認識することができる。
【0057】
あるいは、通信端末100が、測定装置200に対して固定されて、初めてサーバ300に接続された際や、初めて測定装置200の表示部230を撮影した際に、以下の処理が実行されてもよい。すなわち、CPU110が、フラッシュライト170を点灯させて、カメラ150で、測定装置200の表示部230を撮影する。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、撮影画像をサーバ300に送信する。サーバ300のCPU310は、通信端末100毎に、受信した撮影画像に基づいて、輝度が所定値以下の部分のうちの、同じ輝度が観察された複数の箇所230A,230B,230Cを輝度の確認箇所として決定してメモリ120に登録しておくとともに、通信インターフェイス360を介して、通信端末100に、当該輝度の確認箇所230A,230B,230Cを指定するための情報を提供する。なお、表示部230のうちのアルミ箔231が貼られる位置は、常に、決められていることが好ましい。これによって、後日、通信端末100のCPU110は、予め指定されている複数箇所230A,230B,230Cの輝度が、アルミ箔231に近い部分ほど輝度が低いか否かを判断することによって、ガラス面230Gがくもっているか否かを認識することができる。
<第4の実施の形態>
【0058】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、上記の実施の形態においては、通信端末100が、OCR機能を利用して計量値を認識したり、複数箇所の輝度を確認して結露の有無を判断したりするものであった。
【0059】
しかしながら、これらの処理が、センタサーバ300で実行されても良い。より詳細には、センタサーバ300のCPU310は、ROMのプログラムやメモリ320に記憶されているプログラムに従って、通信端末100から撮影画像を受信すると、以下のような処理を実行する。
【0060】
図11を参照して、CPU310は、通信インターフェイス160を介して、通信端末100から撮影画像を取得する(ステップS202)。CPU310は、撮影画像データに基づいて、表示部230の色が正常であるか否かを判断する(ステップS206)。より詳細には、CPU310は、撮影画像に基づいて、通信端末100毎に予め指定されている複数の箇所230A,230B,230Cの輝度が同じである場合に正常であると判断する。あるいは、CPU310は、予め指定されている複数箇所の輝度が、アルミ箔231に近い部分ほど、たとえば所定の方向に行くほど輝度が低い場合に正常でないと判断する。
【0061】
表示部の色が正常である場合(ステップS206にてYESである場合)、CPU310は、通信端末100に対応する「輝度異常フラグ」をOFFして、通信端末100に対応する「輝度異常回数」をゼロに設定する(ステップS208)。CPU310は、ステップS212からの処理を実行する。
【0062】
表示部の色が正常でない場合(ステップS206にてNOである場合)、CPU310は、通信端末100に対応する「輝度異常フラグ」をONして、通信端末100に対応する「輝度異常回数」を+1する(ステップS210)。
【0063】
CPU310は、撮影画像に基づいて、OCR機能を利用して、検針値を取得して、当該検針値と「輝度異常フラグ」情報とを、通信端末100や測定装置200やユーザに対応付けて蓄積する(ステップS212)。
【0064】
CPU310は、通信端末100に対応する「輝度異常フラグ」がONであるか否かを判断する(ステップS214)。通信端末100に対応する「輝度異常フラグ」がOFFである場合(ステップS214にてNOである場合)、CPU310は、今回の通信端末100に関する検針処理を終了する。
【0065】
一方、通信端末100に対応する「輝度異常フラグ」がONである場合(ステップS214にてYESである場合)、CPU310は、所定時間待機してから、通信端末100に再撮影指示を送信することによって、測定装置200の表示部230の撮影画像を再取得する(ステップS216)。
【0066】
CPU310は、撮影画像データに基づいて、表示部230の色が正常であるか否かを判断する(ステップS222)。より詳細には、CPU310は、撮影画像に基づいて、予め指定されている複数の箇所230A,230B,230Cの輝度が同じである場合に正常であると判断する。あるいは、CPU310は、予め指定されている複数箇所の輝度が、アルミ箔231に近い部分ほど、輝度が低い場合に正常でないと判断する。
【0067】
表示部の色が正常である場合(ステップS222にてYESである場合)、CPU310は、通信端末100に対応する「輝度異常フラグ」をOFFして、通信端末100に対応する「輝度異常回数」をゼロに設定する(ステップS224)。CPU310は、ステップS228からの処理を実行する。
【0068】
表示部の色が正常でない場合(ステップS222にてNOである場合)、CPU310は、通信端末100に対応する「輝度異常フラグ」をONして、通信端末100に対応する「輝度異常回数」を+1する(ステップS226)。
【0069】
CPU310は、撮影画像に基づいて、OCR機能を利用して、検針値を取得して、当該検針値と「輝度異常フラグ」情報とを、通信端末100や測定装置200やユーザに対応付けて蓄積する(ステップS228)。
【0070】
CPU310は、通信端末100に対応する「輝度異常回数」が所定値未満であるか否かを判断する(ステップS230)。通信端末100に対応する「輝度異常回数」が所定未満である場合(ステップS230にてYESである場合)、所定時間待機してから、通信端末100に再撮影指示を送信することによって、表示部230の撮影画像を再取得する(ステップS234)。CPU310は、ステップS222からの処理を繰り返す。
【0071】
通信端末100に対応する「輝度異常回数」が所定値以上である場合(ステップS230にてNOである場合)、CPU310は、測定装置200の表示部230に長期的な「くもり」、または表示部230が汚れていることを示す警告情報を通信端末100に対応付けて格納したり、通信端末100や測定装置200の担当者の通信端末にその旨の警告情報を通知したりする(ステップS232)。CPU310は、今回の通信端末100に関する検針処理を終了する。
<まとめ>
【0072】
上記の実施の形態においては、メータの表示部を撮影するためのカメラと、サーバと通信するための通信インターフェイスと、プロセッサと、を備える通信端末が提供される。プロセッサは、カメラで表示部を撮影した画像のうちの、所定の複数の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力する。
【0073】
好ましくは、表示部のガラス面には、当該ガラス面と異なる熱伝導度を有する物体が貼り付けられている。プロセッサは、画像のうちの、物体に近いエリアと遠いエリアの輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力する。
【0074】
好ましくは、物体は、熱伝導度の高い金属を含む。プロセッサは、物体に近いエリアの輝度が遠いエリアの輝度よりも有意に低い場合にエラー情報を出力する。
【0075】
好ましくは、物体は、熱伝導度の低い金属を含む。プロセッサは、物体に近いエリアの輝度が遠いエリアの輝度よりも有意に高い場合にエラー情報を出力する。
【0076】
好ましくは、プロセッサは、エラー情報を出力した場合には、所定の時間の経過後に再度、カメラで表示部を撮影する。
【0077】
上記の実施の形態においては、カメラでメータの表示部を撮影するステップと、撮影画像のうちの、所定の複数の箇所の輝度が有意に異なるか否かを判断するステップと、所定の複数の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力するステップとを備える通信端末における情報処理方法が提供される。
【0078】
上記の実施の形態においては、メータと、サーバと、通信端末と、を備えるネットワークシステムが提供される。通信端末は、カメラでメータの表示部を撮影した画像のうちの、所定の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力する。
【0079】
上記の実施の形態においては、通信端末と通信するための通信インターフェイスと、通信インターフェイスを介して通信端末のカメラによって撮影されたメータの表示部の撮影画像を受信して、当該撮影画像のうちの所定の複数の箇所の輝度が有意に異なる場合にエラー情報を出力するプロセッサと、を備えるサーバが提供される。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0081】
1 :ネットワークシステム
100 :通信端末
110 :CPU
120 :メモリ
150 :カメラ
160 :通信インターフェイス
170 :フラッシュライト
200 :測定装置
230 :表示部
230G :ガラス面
230X :メータ表示部
231 :アルミ箔
232 :発泡断熱シート
300 :センタサーバ
310 :CPU
320 :メモリ
340 :操作部
360 :通信インターフェイス
400 :センタ側網制御装置
500 :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11