(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183465
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A63F7/02 311A
A63F7/02 320
A63F7/02 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096995
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088DA07
2C088EA02
2C088EA23
2C088EB01
2C088EB05
2C088EB63
2C088EB78
2C333AA11
2C333CA44
2C333CA77
(57)【要約】
【課題】遊技機全体として見栄えが良く魅力的な演出を実行することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】リーチ演出に、弱リーチ演出と、この弱リーチ演出よりも後段階に出現可能な強リーチ演出とを設け、リーチはずれ変動パターンでは、最後のリーチ演出が弱リーチ演出の場合よりも強リーチ演出の場合の方が結果表示の時間が長くなるように構成する。また、遊技盤の透明本体板に装着された第1入球手段を、透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、透明本体板の後側に装着される後側部材とで構成し、遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前側部材に配置し、第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、後側部材における正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に利益を付与するか否かを抽選する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて図柄を変動表示すると共に前記利益を付与する場合には前記図柄を特定態様で停止させる図柄表示手段と、
前記抽選結果に関する演出を、前記図柄表示手段による変動表示と共に、複数種類の変動パターンの何れかに従って実行させる演出制御手段と、
前側に遊技領域を有する遊技盤と、を備え、
前記複数種類の変動パターンは、前記図柄がリーチ状態となった後、一又は複数段階のリーチ演出を経て、最後のリーチ演出において結果表示を行うリーチ変動パターンを含み、
前記リーチ変動パターンは、前記リーチ演出の段階が進むにつれて前記特定態様となる信頼度が高くなるように構成し、
前記遊技盤は、透明本体板と、該透明本体板に装着される第1入球手段とを有する
遊技機において、
前記リーチ演出には、弱リーチ演出と、該弱リーチ演出よりも後段階に出現可能な強リーチ演出とがあり、
前記リーチ変動パターンのうち、前記図柄が前記特定態様とならないはずれ変動に対応するリーチはずれ変動パターンでは、前記最後のリーチ演出が前記弱リーチ演出の場合よりも前記強リーチ演出の場合の方が前記結果表示の時間が長くなるように構成し、
前記第1入球手段は、前記透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、前記透明本体板の後側に装着される後側部材と、を備え、
前記遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前記前側部材に配置し、
前記第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、前記後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置した
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機は、遊技者に利益を付与するか否かを抽選し、その抽選結果に基づいて図柄を変動表示すると共に利益を付与する場合には図柄を特定態様で停止させ、またその図柄変動中は、抽選結果に関する演出を複数種類の変動パターンの何れかに従って実行するように構成されている。
また、この種の遊技機に搭載される遊技盤は、一定厚さに形成された本体板に対して、入球手段その他の遊技部品、液晶その他の表示手段、主制御基板その他の制御基板等が直接的又は間接的に装着されることによって形成されている。ここで、本体板については、以前はベニヤ板等の前面に装飾シートを貼付したものが用いられていたが、最近ではポリカーボネート等の透明な本体板が用いられることが多い(いわゆる透明遊技盤)。
このような透明遊技盤の場合、透明な本体板の後側に装飾体を配置することによって装飾の自由度を高めることができるという利点がある反面、スイッチ等の電気部品やその配線が前側から視認可能となることによって見栄えを損ねるという欠点がある。
そこで、特許文献1に記載の発明では、透明な本体板に不透明な部品で隠れる貫通路を形成し、その貫通路に、入球口に設けた球通過検出スイッチ(検出手段)の配線を挿通することにより、透明な本体板の後側を取り回される配線を前側から視認不可能とすることができ、見栄えを良くすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機においてより高い演出効果を発揮させるためには、リーチ変動パターンにおけるリーチ演出を適切に構成する等によってその演出自体を魅力的なものにすることはもちろん、その前提として、遊技盤を中心とする遊技機の外観について見栄えを良くしておくことも非常に重要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機全体として見栄えが良く魅力的な演出を実行することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、遊技者に利益を付与するか否かを抽選する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果に基づいて図柄を変動表示すると共に前記利益を付与する場合には前記図柄を特定態様で停止させる図柄表示手段と、前記抽選結果に関する演出を、前記図柄表示手段による変動表示と共に、複数種類の変動パターンの何れかに従って実行させる演出制御手段と、前側に遊技領域を有する遊技盤と、を備え、前記複数種類の変動パターンは、前記図柄がリーチ状態となった後、一又は複数段階のリーチ演出を経て、最後のリーチ演出において結果表示を行うリーチ変動パターンを含み、前記リーチ変動パターンは、前記リーチ演出の段階が進むにつれて前記特定態様となる信頼度が高くなるように構成し、前記遊技盤は、透明本体板と、該透明本体板に装着される第1入球手段とを有する遊技機において、前記リーチ演出には、弱リーチ演出と、該弱リーチ演出よりも後段階に出現可能な強リーチ演出とがあり、前記リーチ変動パターンのうち、前記図柄が前記特定態様とならないはずれ変動に対応するリーチはずれ変動パターンでは、前記最後のリーチ演出が前記弱リーチ演出の場合よりも前記強リーチ演出の場合の方が前記結果表示の時間が長くなるように構成し、前記第1入球手段は、前記透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、前記透明本体板の後側に装着される後側部材と、を備え、前記遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前記前側部材に配置し、前記第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、前記後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置したものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機全体として見栄えが良く魅力的な演出を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
【
図4】同パチンコ機の遊技盤の要部分解斜視図である。
【
図5】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図6】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図7】同パチンコ機の遊技盤の要部正面断面図である。
【
図9】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図10】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図11】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図12】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図13】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図14】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
【
図16】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図17】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
【
図18】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
【
図20】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【
図21】同パチンコ機の変動パターン選択テーブルを示す図である。
【
図22】同パチンコ機の変動パターンの概略構成を示す図である。
【
図23】同パチンコ機のSリーチ演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図24】同パチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図25】同パチンコ機のSPリーチ後演出(はずれの場合)のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図26】同パチンコ機のSPリーチ後演出(大当りの場合)のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図27】同パチンコ機の通常/復活大当り可動体演出におけるレインボー発光パターンの説明図である。
【
図28】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図29】本発明の第6の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図30】本発明の第7の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図31】本発明の第8の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図32】本発明の第9の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ後演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図33】本発明の第10の実施形態に係るパチンコ機のSリーチ演出及びSPリーチ後演出のタイムチャートを示す図である。
【
図34】本発明の第11の実施形態に係るパチンコ機のSリーチ演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【
図35】本発明の変形例に係るパチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図36】本発明の変形例に係るパチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1~
図14は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。
図1及び
図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0009】
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
【0010】
外枠2は、
図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0011】
本体枠6は樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
【0012】
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16の前側に形成された遊技領域23に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、送風演出装置26等の演出手段が配置され、それら上部スピーカ25等を前側から略覆う上装飾カバー27が装着されている。
【0013】
また扉ベース22の下部前側には、本体枠6の後側に配置された払い出し手段28から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿30、その上皿30が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿31、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル32等が配置され、更に上皿30、下皿31等を前側から略覆う下装飾カバー33が装着されている。下装飾カバー33は前向きの膨出状に形成されており、その上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が設けられている。十字操作手段35は、後側の上キー35a、前側の下キー35b、左側の左キー35c、右側の右キー35dの4つの操作部を備えている。
【0014】
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット36が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金37と、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金38と、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金39とがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具40が左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具41が左下部に夫々配置されている。
【0015】
また、例えば下部補強板金39の背面側には、球送りユニット42、下皿案内ユニット43等が装着されている。球送りユニット42は、上皿30内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43は、上皿30が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿31に案内するためのもので、例えば球送りユニット42に隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0016】
遊技盤16は、ポリカーボネート等の透明な樹脂により形成された透明本体板45を備えるいわゆる透明遊技盤で、
図3,
図4等に示すように、その透明本体板45に対して、ガイドレール51、中央表示枠手段52、普通入賞手段53、始動ゲート手段54、第1始動入賞手段55、第2始動入賞手段56、大入賞手段57、液晶表示手段58、可動演出手段59、後部装飾手段60等が装着されている。
【0017】
液晶表示手段58、可動演出手段59、後部装飾手段60等は、
図4~
図7,
図10に示すように、後部支持部材61を介して透明本体板45の後側に配置されている。後部支持部材61は、透明本体板45よりも後方に透明本体板45と略平行に配置された後壁部62と、この後壁部62の外周側から略前向きに延設された周壁部63とを一体に備えており、周壁部63の前縁側を透明本体板45の背面側に当接させた状態でねじ止め等により固定されている。後壁部62には略矩形状の開口部62aが形成されており、液晶表示手段58は、表示画面58aを開口部62aに対応させた状態で後壁部62の背面側に着脱自在に固定されている。また、可動演出手段59、後部装飾手段60は、後部支持部材61内に配置され、後壁部62等に対して着脱自在に固定されている。
【0018】
ガイドレール51は、発射手段17から発射された遊技球を案内するためのもので、遊技領域23の周囲を取り囲むように透明本体板45の前面側に略環状に配置されており、
図3等に示すように複数、例えば3つの第1~第3レール部材51a~51cによって構成されている。第1~第3レール部材51a~51cは例えば透明又は半透明の樹脂により形成されている。
【0019】
第1レール部材51aは、透明本体板45の下部左側から左縁部略中央、上縁部略中央を経て右上部に至る略弓形状に形成されており、透明本体板45と平行な前壁部64と、その前壁部64の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部65とを一体に備え、周壁部65の後端側を透明本体板45の前面に当接させた状態で透明本体板45に着脱自在に固定されている。第1レール部材51aは、遊技領域23側の周壁部65aが正面視略円弧状に形成されてガイドレール51の一部を形成している。
【0020】
第2レール部材51bは、透明本体板45の前面側に略垂直に立設する前後方向一定幅の板状に形成され、透明本体板45の左上部から左下部にかけて第1レール部材51aの内側に並行するように略円弧状に配設されている。なお、第1レール部材51aと第2レール部材51bとで挟まれた部分が、発射手段17によって発射された遊技球を遊技領域23に案内する発射案内通路66となっている。
【0021】
第3レール部材51cは、第1レール部材51aの右上部側端部と第2レール部材51bの左下部側端部とを接続するように、透明本体板45の右縁部と下縁部とに沿う正面視略L型に形成されており、透明本体板45と平行な前壁部67と、その前壁部67の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部68とを一体に備え、周壁部68の後端側を透明本体板45の前面に当接させた状態で透明本体板45に着脱自在に固定されている。第3レール部材51cは、遊技領域23側の周壁部68aがガイドレール51の一部を形成している。
【0022】
中央表示枠手段52は、液晶表示手段58の表示枠を構成するもので、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠手段52は、透明又は半透明の樹脂製で、透明本体板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板52aと、液晶表示手段58の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板52aの内周側で前向きに突設された装飾枠52bと、その装飾枠52bの左右の下端部間に配置されるステージ71とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠52bの頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠手段52の左側の左流下経路72aと右側の右流下経路72bとの何れかを流下する。
【0023】
中央表示枠手段52には、左流下経路72a側と右流下経路72b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路72a側に、遊技球が流入可能なワープ入口71aが設けられている。ワープ入口71aに流入した遊技球は、ステージ71上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部73とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0024】
なお、中央表示枠手段52上には、普通図柄表示手段76、普通保留個数表示手段77、第1特別図柄表示手段78、第2特別図柄表示手段79等の各種表示手段が設けられている。もちろん、それら表示手段76~79は中央表示枠手段52上に限らず、遊技盤16の前側の任意の位置に前側から視認可能な状態で配置可能である。
【0025】
普通入賞手段(第1入球手段)53は、遊技領域23内の下部左側に対応して配置されており、
図3~
図7に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔81に対して前側から着脱自在に装着される前側部材82と、その前側部材82に対応して透明本体板45の後側に配置される後側部材83とを備えている。
【0026】
前側部材82は、少なくとも一部、例えば全体が透明又は半透明に形成された樹脂製で、ガラスユニット36の背面に沿って配置される前壁部84と、その前壁部84の外縁部から後向きに延設される周壁部85と、その周壁部85の後縁側から透明本体板45の前面に沿って外向きに延設される装着板86と、複数、例えば二つの普通入賞口87a,87bと、一又は複数、例えば一つのアウト口88と、普通入賞口87a,87bに対応する入賞樋89a,89bと、アウト口88に対応するアウト樋90とを一体に備え、前壁部84の下縁側に対応する下周壁部85aをガイドレール51に沿わせた状態で、装着板86上の固定部86aにおいて透明本体板45に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0027】
なお、前側部材82は、樹脂製の一体形成部品のみで構成されており、遊技球検出手段やLED基板といった電気部品は一切搭載されていないため、ねじ止めを行う固定部86aは、長手方向、即ちガイドレール51に沿う方向の両端側にのみ設けられ、普通入賞口87a,87bやアウト口88の間の中間部分には設けられていない。また、前側部材82は遊技球検出手段等を搭載していないため、普通入賞口87a,87bをよりガイドレール51に近づけて配置することによってコンパクト化が可能であり、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用できる。
【0028】
普通入賞口(第1入球口)87a,87bは、略上向きの開口部で、前壁部84の上縁側に対応する上周壁部85bに左右に隣接して配置されている。アウト口88も略上向きの開口部で、上周壁部85bに、普通入賞口87a,87bの上流側、即ち左側に隣接して配置されている。なお、アウト口88には当然ながら遊技球検出手段は配置されていないが、その隣の普通入賞口87a,87bの近傍にも遊技球検出手段は配置されていないため、遊技球検出手段の有無によってアウト口か否かを判断することは難しくなっている。もちろん前壁部84には、アウト口88に対応する位置に、アウト口であることを示すアウト口識別情報91が表示されており、これによってアウト口であることを認識可能である。アウト口識別情報91は、例えば「OUT」の文字で構成されている。
【0029】
入賞樋89a,89bは、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を夫々透明本体板45の後側に案内するもので、前壁部84の背面側から後ろ下がりの傾斜状に突設されており、前端側が普通入賞口87a,87bの下側に連通し、後端側が装着孔81を経て透明本体板45の背面側で後向きに開放している。またアウト樋90は、アウト口88に入球した遊技球を透明本体板45の後側に案内するもので、前壁部84の背面側から後ろ下がりの傾斜状に突設されており、前端側がアウト口88の下側に連通し、後端側が装着孔81を経て透明本体板45の背面側で後向きに開放している。
【0030】
なお、上周壁部85bの上流側端部には、ガイドレール51に沿って流下してきた遊技球を普通入賞口87a,87b側に案内する傾斜案内部(第1傾斜案内部)92が形成されている。傾斜案内部92は、右下がりの傾斜面で構成されており、上流側端部はガイドレール51の内面に対して緩い角度で当接又は近接している。
【0031】
後側部材83は、透明、半透明又は不透明な樹脂製で、
図4~
図7に示すように、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路93と、アウト口88に入球した遊技球を機外へと排出するためのアウト球通路94とを備え、後部装飾手段60と一体に形成されており、後部支持部材61の後壁部62から前向きに突設された支持部95によって後部装飾手段60とともに支持されている。
【0032】
入賞球通路(球通路)93は、上流端側が普通入賞口87a側の入賞樋89aに連通する第1上流側通路部93aと、上流端側が普通入賞口87b側の入賞樋89bに連通する第2上流側通路部93bと、上流端側の合流部96で第1上流側通路部93aと第2上流側通路部93bとが合流し、下流端側が図外の排出通路に連通する下流側通路部93cとを備え、透明本体板45の背面に沿って配置されている。下流側通路部93c上の所定位置、例えば下流側端部近傍には、遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第1検出手段)97が装着されている。遊技球検出手段97は、一端側に貫通状の検出部97aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、下流側通路部93cを流下してきた遊技球が検出部97aを通過するように後側部材83に装着されている。このように、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球は共通の遊技球検出手段97により検出されるようになっている。
【0033】
また、正面視において、下流側通路部93cは合流部96を含めてその略全体が遊技領域23の外側、即ちガイドレール51よりも下側に配置されており、その下流側通路部93c上に配置されている遊技球検出手段97についても同じく遊技領域23の外側、即ちガイドレール51よりも下側に配置されている(
図7参照)。このように、遊技球検出手段97は正面視において遊技領域23の外側に配置されており、
図6に示すようにその前側には第3レール部材51cが存在し、更にその前側にはガラス扉7の上装飾カバー27が存在することから、当該遊技盤16はいわゆる透明遊技盤であるにも拘わらず、遊技球検出手段97が前側から視認不可能又は視認困難となり、見栄えの低下を抑制できる。
【0034】
なお、このように遊技球検出手段97を正面視において遊技領域23の外側に配置する場合、普通入賞口87a,87bから遊技球検出手段(第1検出手段)97までの遊技球の移動距離、特に上下方向の移動距離が大きくなるため、普通入賞口87a,87bに遊技球が入球した後、その遊技球が遊技球検出手段97で検出されるまでの時間が長くなるが、普通入賞口87a,87bについてはその入球を契機として遊技状態が変化することはないため、普通入賞口87a,87bへの入球から検出までの時間が長くなっても特に問題はない。
【0035】
アウト球通路94は、上流端側がアウト樋90に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように、透明本体板45の背面に沿って略上下方向に配置されている。
【0036】
このように、後側部材83の入賞球通路(球通路)93には遊技球検出手段97は搭載されているが、それ以外の電気部品、例えばLED基板等は搭載されていない。また本実施形態では、正面視において後側部材83の入賞球通路(球通路)93の後側に対応する領域にもLED基板は配置されていない。
【0037】
また、後側部材83と一体に形成された後部装飾手段(装飾体)60は、透明本体板45の背面に沿って配置される装飾板98と、この装飾板98の後側に配置されるLED基板99とを備えている。装飾板98は、透光性を有する樹脂製で、任意の装飾が施されており、例えば入賞球通路93やアウト球通路94の前側を避けてその周辺部に設けられている。LED基板99は、その前面側に多数のLED99aが配置され、装飾板98に対応する形状に形成されている。
【0038】
LED基板99のLED(第1発光手段)99aが点灯すると、それによって装飾板98が発光する。そしてその装飾板98からの光が、透明本体板45を介してその前側の前側部材82の少なくとも一部、例えば普通入賞口87a,87b、アウト口88、装着板86、前壁部84(アウト口識別情報91等)等に対して後側から照射され、これらが発光するようになっている。
【0039】
始動ゲート手段(第3入球手段)54は、遊技領域23内の右流下経路72b上に配置されており、
図8,
図9等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔101に対して前側から着脱自在に装着される始動ゲート本体部(前構造体)102と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段103とを備えている。始動ゲート本体部102は、透明又は半透明の樹脂製で、右流下経路72bを流下してきた遊技球が上下方向に通過可能な普通図柄始動ゲート(ゲート部)104が透明本体板45に対して前向き突出状に形成されており、その普通図柄始動ゲート104の左右両側の固定部102aにおいてねじ止め等により透明本体板45に固定されている。
【0040】
遊技球検出手段(第3検出手段)103は、一端側に貫通状の検出部103aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、検出部103aが普通図柄始動ゲート104と一致するように始動ゲート本体部102に対して後側から装着されている。遊技球検出手段103の後部側は透明本体板45の装着孔101内に挿入されており、その後端部から後向きに引き出されたハーネス105は、透明本体板45の背面側に沿って遊技領域23の外側に向けて例えば右向きに配設されている。
【0041】
また、始動ゲート本体部102には、普通図柄始動ゲート104の少なくとも前面側に装飾部(第3装飾部)106が形成されている。この装飾部106は、遊技球検出手段103が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部106は、遊技球検出手段103の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば普通図柄始動ゲート104の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。透明部分であっても、そこに凹凸を形成して光を乱反射させれば目隠しとして機能させることが可能である。
【0042】
このように、本実施形態の始動ゲート手段54では、遊技球検出手段103を、その検出部103aが透明本体板45の前側に位置するように配置するとともに、始動ゲート本体部102の前面側に目隠しとして装飾部106を設けることで遊技球検出手段103が正面視において視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、始動ゲート手段54は遊技球を遊技領域23内で通過させる必要があり、普通入賞手段53のように遊技球検出手段103を透明本体板45の後側に配置することができないためである。
【0043】
また、始動ゲート手段54と直近(即ち右側)のガイドレール51との間には、透明本体板45の前面側に装飾部107が設けられている。この装飾部107は、遊技球検出手段103から引き出されたハーネス105が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、始動ゲート手段54とその右側のガイドレール51との間に透明本体板45の前面に沿って配置された装飾板108の前面側に形成されている。なお、装飾板108は例えば中央表示枠手段52に一体に形成されている。装飾部107は、装飾部106と同じく少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成してもよいし、装飾板108の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0044】
第1始動入賞手段55は、遊技領域23内の左右方向中央における下部側、即ち中央表示枠手段52とその下側のガイドレール51との間に配置されており、
図3,
図4等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着される第1始動入賞本体部111と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段112とを備えている。なお、第1始動入賞手段55の下側のガイドレール51上にはアウト口110が設けられている。
【0045】
第1始動入賞本体部111は、例えば透明又は半透明の樹脂製で、透明本体板45の前面に沿って配置され且つ前側を遊技球が通過可能に形成された前面装着板113と、その前面装着板113の前側に設けられた第1特別始動口114とを一体に備え、前面装着板113においてねじ止め等により透明本体板45に固定されている。第1特別始動口114は、ステージ71に設けられた中央落下部73の下側に対応して上向き開口状に形成されている。
【0046】
遊技球検出手段112は、一端側に貫通状の検出部112aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、検出部112aが第1特別始動口114の下側に位置するように第1始動入賞本体部111に対して後側から装着されている。なお、第1特別始動口114に入球した遊技球は、遊技球検出手段112により検出された後、図示しない案内通路により透明本体板45の後側に案内され、機外に排出される。
【0047】
また、第1始動入賞本体部111には、第1特別始動口114の少なくとも前面側に装飾部115が形成されている。この装飾部115は、遊技球検出手段112が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部115は、遊技球検出手段112の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば第1特別始動口114の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0048】
このように、本実施形態の第1始動入賞手段55では、遊技球検出手段112を透明本体板45の前側、即ち第1特別始動口114の下流側直近に配置するとともに、第1特別始動口114の前面側に目隠しとして装飾部115を設けることで遊技球検出手段112が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、後述するように第1特別始動口114への遊技球の入賞が第1特別図柄表示手段78による図柄変動の開始条件となっていることから、第1特別始動口114から遊技球検出手段112までの距離をむやみに大きくすることができないためである。
【0049】
しかし、遊技領域23を広くするために第1特別始動口114からアウト口110までの距離を十分にとることができない場合もある。その場合は第1特別始動口114に入球した遊技球の上下移動を少なくし、透明本体板45の後側へと流下するようにして、透明本体板45の後側に遊技球検出手段112を配置するようにしても良い。
【0050】
第2始動入賞手段56は、右流下経路72bにおける始動ゲート手段54の下流側で、中央表示枠手段52の右側部における前面装着板52a上に配置されており、
図3に示すように、前面装着板52aに形成された第2特別始動口121と、この第2特別始動口121を遊技球が入球可能な開状態と入球不可能(又は開状態よりも入球困難)な閉状態とに変化可能な開閉部材122と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段123とを備えている。
【0051】
開閉部材122は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板52aと略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板52aの前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入球させるようになっている。
【0052】
遊技球検出手段123は、一端側に貫通状の検出部を備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、第2特別始動口121の下流側近傍に配置されている。また、前面装着板52aには、遊技球検出手段123の前側に対応して装飾部124が形成されている。この装飾部124は、遊技球検出手段123が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部124は、遊技球検出手段123の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば前面装着板52aの前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0053】
このように、本実施形態の第2始動入賞手段56では、遊技球検出手段123を第2特別始動口121の下流側近傍に配置するとともに、その前側の前面装着板52aに目隠しとして装飾部124を設けることで遊技球検出手段123が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、後述するように第2特別始動口121への遊技球の入賞が第2特別図柄表示手段79による図柄変動の開始条件となっていることから、第2特別始動口121から遊技球検出手段123までの距離をむやみに大きくすることができず、また第2始動入賞手段56に規定個数の遊技球が入球することで開閉部材122を閉状態にする必要があり、規定個数を大幅に超える入球をしないようにするためである。
【0054】
大入賞手段(第2入球手段)57は、右流下経路72bにおける第2始動入賞手段56の下流側にガイドレール51に沿って配置されており、
図4、
図10~
図13等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔131に対して前側から着脱自在に装着される大入賞ユニット(入球ユニット)132により構成されている。
【0055】
大入賞ユニット132は、透明本体板45の前面に沿って装着孔131の周囲に配置される前面装着板133と、その前面装着板133から前側に突出する前構造体134と、前面装着板133から後側に突出する後構造体135とを備えており、後構造体135を装着孔131に対して前側から挿入した状態で、前面装着板133において透明本体板45に対してねじ止め等により固定されている。
【0056】
前構造体134は、透明又は半透明の樹脂製で、その上部に、遊技球を遊技領域23の内側(左側)に向けて案内する傾斜面136が設けられており、その傾斜面136上に、大入賞口(第2入球口)137、普通入賞口138、アウト口139が何れも略上向きの開口状に形成されている。大入賞口137は横長状で、その上流側(右側)に普通入賞口138が、更にその上流側(右側)におけるガイドレール51の近傍にアウト口139が配置されている。傾斜面136の上流側の上部には、遊技球を大入賞口137側、即ち左側に向けて案内する傾斜案内部(第2傾斜案内部)140が、例えば前構造体134に一体に形成されている。
【0057】
なお、前構造体134の前側の前面装飾板(装飾部材)134aは、傾斜面136よりも上側に突出しており、遊技者は前側からこの透明又は半透明の前面装飾板134aを介して傾斜面136上の遊技球の動きを視認可能となっている。また前面装飾板134aには、アウト口139に対応する位置に、「OUT」の文字等により構成されるアウト口識別情報91が表示されており、これによってアウト口であることを認識可能である。
【0058】
また前構造体134には、大入賞口137に入球した遊技球を後向きに案内する入賞案内部141(
図11)と、普通入賞口138に入球した遊技球を後向きに案内する入賞樋142(
図12)と、アウト口139に入球した遊技球を後向きに案内するアウト樋143(
図13)とが設けられている。
【0059】
後構造体135は、透明又は半透明の樹脂製で、
図10~
図13等に示すように、大入賞口137に入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路144と、普通入賞口138に入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路145と、アウト口139に入球した遊技球を機外へと排出するためのアウト球通路146とを一体に備えている。
【0060】
入賞球通路144は、上流端側が入賞案内部141に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されており、その所定位置、例えば上流側端部近傍に、遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第2検出手段)147が装着されている。大入賞口137に入球した遊技球は、入賞案内部141により後向きに案内され、遊技球検出手段147に検出された後に入賞球通路144を経て機外へと排出される。
【0061】
また入賞球通路145は、上流端側が入賞樋142に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されており、その所定位置、例えば上流側端部近傍に、遊技球を検出可能な遊技球検出手段148が装着されている。普通入賞口138に入球した遊技球は、入賞樋142により後向きに案内され、入賞球通路145を経て機外へと排出される途中で遊技球検出手段148により検出される。
【0062】
またアウト球通路146は、上流端側がアウト樋143に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されている。アウト口139に入球した遊技球は、アウト樋143、アウト球通路146を経て機外へと排出される。
【0063】
なお、本実施形態の大入賞ユニット132は、上述したように傾斜面136の上流端側にアウト口139を設けているため、傾斜面136の上流端側からガイドレール51に沿ってアウト口110に至る球流下経路を設ける必要がない。これにより、大入賞ユニット132をガイドレール51に沿って配置することができ、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用できる。
【0064】
また後構造体135には、大入賞口137を開閉するための開閉手段149が設けられている。開閉手段149は、大入賞口137に対応する開閉部材151と、この開閉部材151を駆動する開閉駆動手段152とで構成されている。開閉部材151は、大入賞口137に対応する板状部材で、傾斜面136に合わせて左下がりの傾斜状に形成されており、前面装着板133よりも前側に突出する突出位置(
図11に実線で示す)と、前面装着板133よりも前側に突出しない退避位置(
図11に二点鎖線で示す)との間で前後方向にスライド移動可能な状態で支持されている。なお、開閉部材151が前側の突出位置にあるときには大入賞口137が閉鎖されて遊技球が入球不可能な状態(閉状態)となり、開閉部材151が後側の退避位置にあるときには大入賞口137が開放されて遊技球が入球可能な状態(開状態)となる。
【0065】
開閉駆動手段152は、電磁ソレノイド等により構成され、その可動部152aが図外の連結手段により開閉部材151と連結されており、OFF時には開閉部材151を突出位置に保持することにより大入賞口137を閉状態とし、ON時には開閉部材151を退避位置まで後向きにスライドさせることにより大入賞口137を開状態に変化させるように構成されている。
【0066】
なお、開閉部材151は、不透明な所定色(例えば赤色)の樹脂製で、前側からは透明又は半透明の前面装飾板134aを介して視認可能となっている。このように、透明又は半透明の前構造体134に対して開閉部材151を不透明とすることにより、大入賞口137の位置やその開閉状態を前側から容易に視認可能となっている。また、このように開閉部材151は不透明であることから、大入賞口137の後方下部に配置されている遊技球検出手段147は、遊技者が前斜め上方から見下ろす場合、開閉部材151が閉状態(突出位置)であればその開閉部材151に遮られて視認不可能又は視認困難となるが、開閉部材151が開状態(退避位置)であれば開放された大入賞口137を介して視認可能な状態となる。
【0067】
また、前面装飾板134aには、遊技球検出手段147,148の前側に対応して装飾部153が形成されている。この装飾部153は、遊技球検出手段147,148が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部153は、遊技球検出手段147,148の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば前面装飾板134aの前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。さらに、前面装飾板134aにおける開閉部材151と装飾部153の間の位置を、装飾を施さずに透明にすることで、開閉部材151が閉状態でも、この透明な個所を介して大入賞口137の内部と遊技球検出手段147が視認可能な状態となるようにしてもよい。万が一、開閉部材151が閉鎖した後に大入賞口137の内部にて遊技球が詰まった場合にもこれを視認し、確認できるようにするためである。
【0068】
このように、本実施形態の大入賞手段57(大入賞ユニット132)では、遊技球検出手段147を大入賞口137の近傍に配置するとともに、前面装飾板134aの前面側に目隠しとして装飾部153を設けることで遊技球検出手段147が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、大入賞口137は、開状態となった後の入賞個数(遊技球検出手段147による検出個数)が所定上限個数に達した場合には閉状態に切り替えるように制御されるため、大入賞口137と遊技球検出手段147との間の距離を普通入賞手段53のように大きくとることができないためである。
【0069】
即ち本実施形態では、上述した普通入賞手段(第1入球手段)53における普通入賞口(第1入球口)87a,87bから遊技球検出手段(第1検出手段)97までの遊技球の移動距離が、上下方向、前後方向、左右方向の少なくとも何れかが、大入賞手段(第2入球手段)57における大入賞口(第2入球口)137から遊技球検出手段(第2検出手段)147までと比較して長くなっており、それによって遊技球検出手段(第1検出手段)97を正面視において視認不能又は視認困難な位置、即ち遊技領域23の外側に配置することが可能となっている。
【0070】
また、大入賞ユニット132には、例えば前構造体134における前面装飾板134aの後側にLED基板154が配置されており、そのLED基板154の前面側に配置されたLED(第2発光手段)154aが点灯することにより、その光が透明本体板45を介することなく前面装飾板134aのアウト口識別情報91や装飾部153に対して後側から照射されるようになっている。
【0071】
これは、普通入賞手段53のように、大入賞ユニット132の後方に後部装飾手段(装飾体)を配置し、後部装飾手段(装飾体)を介して発せられる光により、前面装飾板134aを照射しようとすると、遊技球検出手段147,148、開閉駆動手段152等の電気部品が影となり、見栄えが低下してしまうため、大入賞ユニット132の前面装飾板134aの後側にLED基板154を配置したものである。
【0072】
なお、この大入賞手段57(大入賞ユニット132)に搭載された遊技球検出手段147,148、開閉駆動手段152、LED基板154等の電気部品から引き出されたハーネス155は、後構造体135の後側を経て遊技領域23の外側に向けて配設されており、しかも上述したように大入賞ユニット132とガイドレール51との間には球流下経路が設けられていないため、透明本体板45を用いているにも拘わらずハーネス155を前側から視認困難又は視認不可能な状態で配置することが可能である。
【0073】
可動演出手段59は、
図3,
図5,
図10に示すように、可動体161と、この可動体161を例えば上下方向に駆動する駆動手段162とを備えている。可動体161は、液晶表示手段58の前側に横長状に配置され、その前面側には例えば任意の形状(ここでは飛行機をモチーフにした立体形状)に形成された装飾部161aが設けられており、その左右両端側が、液晶表示手段58の左右両側に対応して後壁部62の前面側に装着された一対の駆動手段162,162によって夫々上下方向に移動可能な状態で支持されている。
【0074】
可動体161には、装飾部161a内にLED基板163が配置されており、そのLED基板163の前面側に配置されたLED163aが点灯することによって装飾部161aが発光するようになっている。
【0075】
普通図柄表示手段76は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、右流下経路72bを流下する遊技球が普通図柄始動ゲート104を通過し、遊技球検出手段103がそれを検出することに基づいて複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、遊技球検出手段103による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。普通図柄表示手段76の変動後の停止図柄が当り態様となった場合には普通利益状態が発生する。普通利益状態では、第2始動入賞手段56の開閉部材122が所定時間閉状態から開状態に変化して、第2特別始動口121に遊技球が入球可能な状態となる。
【0076】
また、普通図柄表示手段76の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動ゲート104を遊技球が通過した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段77等によって遊技者に報知される。
【0077】
第1特別図柄表示手段78は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別始動口114に遊技球が入球し、遊技球検出手段112がそれを検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、遊技球検出手段112による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第1大当り態様で、それ以外の場合には第1外れ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段78の変動後の停止図柄が第1大当り態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
【0078】
なお、第1特別始動口114は、左流下経路72a側のワープ入口71aからステージ71を経て入球するルートが存在すること等により、右流下経路72bを流下してきた遊技球よりも左流下経路72aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入球可能となっている。
【0079】
第2特別図柄表示手段79は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、普通利益状態中に開状態となった第2特別始動口121に遊技球が入球し、遊技球検出手段123がそれを検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、遊技球検出手段123による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第2大当り態様で、それ以外の場合には第2外れ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段79の変動後の停止図柄が第2大当り態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
【0080】
また、第1特別図柄表示手段78の図柄変動中、第2特別図柄表示手段79の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別始動口114,121に遊技球が入球した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合(第2特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第2特別図柄の保留記憶が消化されて第2特別図柄の変動が行われ、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合(第1特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第1特別図柄の保留記憶が消化されて第1特別図柄の変動が行われる。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動が優先的に行われるようになっている。なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段58等によって遊技者に報知される。
【0081】
第1,第2特別図柄表示手段78,79の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当り態様で停止することによって第1,第2特別利益状態が発生した場合には、大入賞手段57の開閉部材151が所定の開放パターンに従って開放して、傾斜面136上を流下する遊技球を大入賞口137内へと入球させるようになっている。
【0082】
ここで、開閉部材151の開放パターンは、所定の単位開放動作を5R、10R等の所定ラウンド数実行するように構成されている。ここで、単位開放動作とは、大入賞口137を開放(通常状態から特定状態へ切り替え)してから所定上限時間(例えば28秒)が経過するか、それまでに所定上限個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞口137を閉鎖(特定状態を終了)する動作である。このように、大入賞口137の開放中(特定状態中)における大入賞口137への遊技球の入賞個数が所定上限個数に達した場合には大入賞口137を閉鎖(特定状態を終了)するように制御されるため、大入賞手段57では、大入賞口137から遊技球検出手段147までの距離をむやみに大きくすることができず、大入賞口137の下流側近傍に遊技球検出手段147を配置している。
【0083】
また液晶表示手段58には、
図3に示すように、第1,第2特別図柄表示手段78,79による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄171が変動表示される他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留表示画像X1~X4,Y1~Y4等の各種画像が表示されるようになっている。
【0084】
ここで演出図柄171は、1~9の数字等で構成される図柄画像171aと、キャラクタその他の装飾画像171bとの結合で構成され、左右方向に複数列、例えば3列で夫々変動可能であり、第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って縦スクロール等による変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。なお演出図柄171では、例えば全て同じ図柄で揃った場合が大当り演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる場合には演出図柄171は大当り演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄171は外れ演出態様となる。
【0085】
図14は本パチンコ機の制御系のブロック図である。
図14において、主制御基板181は遊技動作を統括的に制御するもので、普通図柄表示手段76、第1,第2特別図柄表示手段78,79等の表示手段の他、普通図柄始動ゲート104、第1,第2特別始動口114,121、大入賞口137、普通入賞口87a,87b,138に対応して設けられた遊技球検出手段103,112,123,147,97,148等が接続されている。
【0086】
また主制御基板181の下位には、演出制御基板182、液晶制御基板183、払出制御基板184、発射制御基板185等の各種制御基板が接続されている。演出制御基板182は、主制御基板181からの制御コマンドに基づいて演出制御を行うもので、電飾手段186、スピーカ18,25、可動演出手段59等の各種演出手段の他、演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が接続されている。なお、電飾手段186は、LED基板99,154,163等、前枠3や遊技盤16に配置された各種発光手段により構成されている。
【0087】
液晶制御基板183は、演出制御基板182からの制御コマンドに基づいて液晶表示手段58を制御するものである。また払出制御基板184は、主制御基板181からの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御するもので、その下位に発射制御基板185が接続されている。発射制御基板185は、払出制御基板184からの発射制御信号、発射ハンドル32からの操作信号等に基づいて発射手段17を制御するようになっている。発射制御基板185は例えば発射手段17の裏側等に配置されている。
【0088】
主制御基板181は、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段191、普通始動口チェック処理手段192、普通乱数記憶手段193、普通図柄処理手段194、普通図柄表示制御手段195、普通利益状態発生手段196、特別乱数作成処理手段197、特別始動口チェック処理手段198、特別乱数記憶手段199、特別図柄処理手段200、特別図柄表示制御手段201、特別利益状態発生手段202、特別遊技状態発生手段203、入賞処理手段204、制御コマンド送信手段205等を備えている。
【0089】
普通乱数作成処理手段191は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる当り判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段192は、普通図柄始動ゲート104による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、遊技球が普通図柄始動ゲート104を通過し、遊技球検出手段103がそれを検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段191で作成された当り判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段193に記憶させるように構成されている。
【0090】
普通図柄処理手段194は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段76が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段193に1個以上の当り判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段193に記憶されている普通乱数情報の待ち行列の先頭から当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/外れの判定を行う当り判定機能、当り/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
【0091】
なお本実施形態では、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当り確率(例えば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当り確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0092】
普通図柄表示制御手段195は、普通図柄処理手段194による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段76の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段76が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段193に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段76による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段194で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段194で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0093】
普通利益状態発生手段196は、普通図柄処理手段194による当り判定の結果が当りとなることに基づいて普通図柄表示手段76の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、第2特別始動口121の開閉部材122が例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるようになっている。本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが夫々選択されるようになっている。
【0094】
特別乱数作成処理手段197は、大当り/外れの判定に用いる大当り判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0095】
特別始動口チェック処理手段198は、第1,第2特別始動口114,121への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別始動口114,121の何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段197で作成された大当り判定乱数値、大当り図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段199に記憶させると共に、増加後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留増加コマンドを制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信するように構成されている。
【0096】
また、特別始動口チェック処理手段198は先読み判定手段198aを備えている。この先読み判定手段198aは、第1,第2特別始動口114,121に遊技球が入賞したときに取得される第1,第2特別乱数情報について、例えばその取得時に、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が第1,第2大当り判定値と一致するか否か等について先読み判定を行うようになっている。この先読み判定結果は、例えば第1,第2特別始動口114,121の何れかに遊技球が入賞することに基づいて送信される保留増加コマンドにより演出制御基板182等に伝達される。
【0097】
特別図柄処理手段200は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段78,79が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/外れの判定を行う大当り判定機能、大当り判定の結果に応じて、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り図柄乱数値等に基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当り判定の結果に応じて、第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。
【0098】
また第1,第2特別図柄の変動開始時には、減少後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留減少コマンド、演出図柄171の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド等が制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。一方、第1,第2特別保留個数が共に0の状態で第1,第2特別図柄の変動が終了する等により第1,第2特別図柄の変動待機状態となった場合には、客待ちデモコマンドが制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。
【0099】
特別図柄表示制御手段201は、第1,第2特別図柄表示手段78,79の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段200による特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段78又は第2特別図柄表示手段79による第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。なお、第1,第2特別図柄の変動終了時には、演出図柄171の変動停止を指示する変動停止コマンドが制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。
【0100】
特別利益状態発生手段202は、遊技者に有利な第1,第2特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段200による大当り判定の結果が大当りとなり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様(特定態様)となった場合に、大入賞口137を所定の開放パターンに従って開放する第1,第2特別利益状態(利益状態)を発生させるように構成されている。
【0101】
特別遊技状態発生手段203は、第1,第2特別利益状態の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が大当り判定値と一致した場合の大当り図柄乱数値に応じて例えば時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
【0102】
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄が当り態様となる確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別始動口121の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は第1,第2特別利益状態の終了後に開始し、次の特別利益状態が発生するか、それまでに第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
【0103】
確変状態中は、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。また、確変状態中は、原則として時短状態と同様の切り換えも併せて行われる。なお、確変状態は第1,第2特別利益状態の終了後に開始し、次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、第1,第2特別図柄の変動回数等の他の終了条件を付加してもよい。
【0104】
入賞処理手段204は、各入賞口、即ち普通入賞口87a,87b,138、第1,第2特別始動口114,121、大入賞口137への遊技球の入賞による賞球払い出しに関する処理を行うもので、例えばそれら入賞口87a、87b、138,114,121,137毎の入賞個数を、遊技球検出手段97,148,112,123,147からの検出信号に基づいてカウントし、その入賞口毎の入賞個数のカウント値と、入賞口毎に設定された賞球個数とに基づいて、例えば一入賞毎に払出個数指定コマンドを制御コマンド送信手段205を介して払出制御基板184に送信するようになっている。
【0105】
また入賞処理手段204は異常入賞判定手段204aを備えている。異常入賞判定手段204aは、ゴト行為等が疑われる異常入賞を判定するためのもので、各入賞口87a,87b,138,114,121,137に対応して設けられた遊技球検出手段97,148,112,123,147からの検出信号に基づいて異常入賞判定を行うように構成されている。この異常入賞判定手段204aで異常入賞と判定された場合には、エラー報知その他のエラー処理が実行される。なお本実施形態では、始動ゲート手段(第3入球手段)54に関しては、遊技球検出手段(第3検出手段)103からの検出信号に基づく異常判定は行わない。
【0106】
本実施形態では、普通入賞手段(第1入球手段)53に設けられた普通入賞口87a,87bへの入賞に関する第1異常入賞判定と、大入賞手段(第2入球手段)57に設けられた大入賞口137への入賞に関する第2異常入賞判定として、それぞれ次のような処理を行うようになっている。
【0107】
即ち、第1異常入賞判定(第1異常検出判定)では、遊技状態に拘わらず、所定時間に所定回数以上の入賞検出があった場合に異常と判定する。普通入賞口87a,87bの場合にはどのような遊技状態でも入賞の可能性があるため、1回の入賞検出では異常を判定することはできず、複数回の入賞検出によって異常を判定するようになっている。
【0108】
この第1異常入賞判定の一つの具体例としては、4ms毎のタイマ割込において、普通入賞口87a,87bに対応する遊技球検出手段97がONであるか否かを判定し、ONであれば異常判定カウンタをインクリメント(+1)し、OFFであれば異常判定カウンタを0クリアするとともに、その異常判定カウンタが250(所定値)に達した場合、即ち1000ms(タイマ割込250回)連続で遊技球検出手段97がONであった場合に異常と判定する。また、第1異常入賞判定の他の具体例としては、遊技球検出手段97がONになったことを契機として、タイマによる所定時間の計時(例えば5000msのタイマのカウントダウン)と、遊技球検出手段97がONになった回数のカウントとを開始し、タイマによる所定時間の計時中にカウント値が10回(所定回数)を超えた場合に異常と判定する。
【0109】
なお本実施形態の普通入賞手段53では、遊技球検出手段97が前側から視認不可能又は視認困難な位置に配置されているため、遊技球検出手段97に対するゴト行為を目視で確認することが難しい可能性があることから、上述のように異常入賞判定を常時行うことが有効である。
【0110】
また、第2異常入賞判定(第2異常検出判定)では、特別利益状態(特定状態)を含む特定期間中でない場合に大入賞口137に対応する遊技球検出手段147がONになった場合に異常と判定する。特定期間は、特別利益状態の開始時に開始され、特別利益状態の終了後、入賞有効時間が経過した時点で終了する。入賞有効時間とは、特別利益状態中に大入賞口137に入賞した遊技球が全て遊技球検出手段147を通過するまでに必要な時間であって、30秒等の所定時間に設定される。大入賞口137については、正規の入賞によって遊技球検出手段147がONになるのは特定期間中に限られるから、特定期間中以外で遊技球検出手段147が一回でもONになった場合にはその時点で異常と判断できる。即ち、普通入賞口の場合と比べて少ない回数の入賞検出によって異常を判定することが可能である。
【0111】
制御コマンド送信手段205は、各種制御コマンドを演出制御基板182等の制御基板に送信して制御指令を与えるためのものである。
【0112】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、普通入賞手段(第1入球手段)53が、透明本体板45に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材82と、透明本体板45の後側に装着される後側部材83とを備え、遊技領域23を流下してきた遊技球が入球可能な普通入賞口(第1入球口)87a,87bを前側部材82に配置し、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第1検出手段)97を、後側部材83における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置しているため、いわゆる透明遊技盤を採用するにあたり、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を検出する遊技球検出手段97について前側からの視認性を抑制することで見栄えの低下を解消することが可能である。また、このように遊技機の特に遊技盤の見栄えをよくすることにより、リーチ演出等の演出の魅力もより向上し、遊技機全体として見栄えが良く魅力的な演出を実行することが可能である。
【0113】
また、遊技盤16は、透明本体板45に対して前側から装着される大入賞ユニット(入球ユニット)132よりなる大入賞手段(第2入球手段)57を有し、大入賞ユニット132に、大入賞口(第2入球口)137と、遊技領域23を流下してきた遊技球が大入賞口137に入球可能な開状態と開状態よりも入球困難又は入球不可能な閉状態とに変化可能な開閉部材151と、大入賞口137に入球した遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第2検出手段)147とを配置し、普通入賞手段53における普通入賞口87a,87bから遊技球検出手段97までの上下方向距離を、大入賞手段57における大入賞口137から遊技球検出手段147までの上下方向距離よりも長くすることにより、遊技球検出手段97を正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置している。
【0114】
また、大入賞手段57は、開閉部材151を閉状態に維持する通常状態と、開閉部材151を開状態に変化させる特定状態とに切り替え可能であり、特定状態中に遊技球検出手段147による遊技球の検出個数が所定上限個数に達した場合に特定状態を終了するように構成されている。
【0115】
また、遊技球検出手段97を、透明本体板45の後側における遊技領域23の外側に対応する位置に配置している。
【0116】
また、前側部材82は、普通入賞口87a,87bの上流側に、遊技球を普通入賞口87a,87b側に案内する傾斜案内部(第1傾斜案内部)92を備え、大入賞ユニット132は、大入賞口137の上流側に、遊技球を大入賞口137側に案内する傾斜案内部(第2傾斜案内部)140を備えている。
【0117】
また、普通入賞手段53は、一つの遊技球検出手段97に対して複数の普通入賞口87a,87bを備え、それら複数の普通入賞口87a,87bから一つの遊技球検出手段97に向けて遊技球を案内する入賞球通路(球通路)93における合流部96を、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置している。
【0118】
また、大入賞手段57の遊技球検出手段147を、前面装飾板(装飾部材)134aに設けた装飾部153の後方に、正面視において視認不能又は視認困難な状態で配置している。
【0119】
また、遊技球検出手段147を、開閉部材151が開状態のときに大入賞口137を介して視認可能な位置に配置している。また、不透明に形成された開閉部材151を、前面装飾板134aを介して前側から視認可能としている。
【0120】
また、始動ゲート手段(第3入球手段)54は、透明本体板45に対して前側から装着される始動ゲート本体部(前構造体)102に、遊技領域23内で遊技球が通過可能に構成され且つ前側に装飾部(第3装飾部)106が設けられた普通図柄始動ゲート(ゲート部)104と、普通図柄始動ゲート104を通過する遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第3検出手段)103とを配置し、遊技球検出手段103を普通図柄始動ゲート104における装飾部106の後方に配置することにより、前側から視認不能又は視認困難な状態としている。
【0121】
また、普通入賞手段53に関しては、時間経過と遊技球検出手段97による検出数とに基づく第1異常検出判定を実行し、大入賞手段57に関しては、開閉部材151を開状態に変化させる特定状態を含む特定期間中でない場合における遊技球検出手段147による検出に基づく第2異常検出判定を実行し、始動ゲート手段54に関しては遊技球検出手段103の検出に基づく異常検出判定を行わないようになっている。
【0122】
また、透明本体板45の後側に配置された後部装飾手段(装飾体)60を介して発せられる光によって透明本体板45を介して前側部材82を発光させることが可能であり、大入賞ユニット132に設けられたLED(発光手段)154aからの光によって透明本体板45を介することなく前面装飾板134aを発光させることが可能となっている。
【0123】
また、大入賞ユニット132にアウト口139を設けるとともに、前面装飾板134aにアウト口を示すアウト口識別情報(識別情報)91を表示し、LED154aからの光がアウト口識別情報91を照射するようになっている。
【0124】
図15,
図16は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、普通入賞手段53における遊技球検出手段97を正面視における遊技領域23内に対応する位置に配置するとともに、透明本体板45における遊技球検出手段97の前側に対応する位置に装飾部211を配置した例を示している。
【0125】
本実施形態の普通入賞手段53は、普通入賞口87a,87b、アウト口88等を前側部材82に、入賞球通路93、遊技球検出手段97等を後側部材83に夫々配置する点については第1の実施形態と同様であるが、入賞球通路93の形状及び遊技球検出手段97の配置位置が第1の実施形態とは異なっている。
【0126】
即ち、入賞球通路93は、合流部96を含めてその略全体が正面視における遊技領域23内に対応して配置されており、またその入賞球通路93上に配置される遊技球検出手段97についても、正面視における遊技領域23内に対応する位置に配置されている。
【0127】
また本実施形態では、透明本体板45における、遊技球検出手段97及び入賞球通路93の合流部96の前側に対応する位置に装飾部211が形成されている。この装飾部211は、遊技球検出手段97等が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部211は、遊技球検出手段97等の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば透明本体板45の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。透明部分であっても、そこに凹凸を形成して光を乱反射させれば目隠しとして機能させることが可能である。なお本実施形態では、装飾部211を透明本体板45の前面側に設けているが、背面側に設けてもよい。
【0128】
このように、透明本体板45に設けた装飾部211の後側に遊技球検出手段97を配置することで、遊技球検出手段97を遊技領域23内に対応する位置に配置した場合であっても正面視において視認不可能又は視認困難とすることが可能である。なお、本実施形態では装飾部211を透明本体板45に設けた例を示したが、装飾部211は前側部材82の前壁部84等、透明本体板45の前側に配置した部材に設けてもよいし、入賞球通路93の前面側等、透明本体板45の後側に配置した部材に設けてもよい。
【0129】
図17,
図18は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、透明本体板45の後側に設けた可動体221からの光によって普通入賞手段53の前側部材82を発光させるように構成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、新たな可動演出手段220を設けた点のみである。
【0130】
本実施形態の遊技盤16には、透明本体板45の後側に可動演出手段59とは別に可動演出手段220が配置されている。この可動演出手段220は、可動体221と、この可動体221を例えば揺動駆動する駆動手段222とを備えている。可動体221は、その前面側に透光性を有する樹脂製の装飾板223が、内部にはLED基板224がそれぞれ配置されており、駆動手段222の駆動により、略全体が中央表示枠手段52による表示枠の外側に退避した状態となる原点位置(
図17に破線で示す)と、少なくとも一部分が中央表示枠手段52による表示枠内に進出する作動位置(
図17に二点鎖線で示す)との間で揺動可能に支持されている。
【0131】
なお、可動体221が原点位置にあるとき、その可動体221の少なくとも一部が、普通入賞手段53の後側に重なった状態となる。これにより、可動体221が原点位置にあるときにLED基板224の前面側のLED224aが点灯すると、それによって装飾板223が発光し、更にその装飾板223からの光が、後側部材83や透明本体板45を介してその前側の前側部材82を後側から照らすようになっている。なお、前側部材82を後側から照らすのは可動体221からの光だけでなく、第1の実施形態と同様、後部装飾手段60からの光についても前側部材82の一部を後側から照らすようになっている。
【0132】
このように、透明本体板45の後側に配置した可動体221からの光によって普通入賞手段53の前側部材82を後側から照らすように構成してもよい。
【0133】
続いて、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図19~
図27は本発明をパチンコ機に採用した第4の実施形態を例示している。
図19において、遊技機本体501は、矩形状の外枠502と、この外枠502の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ503により開閉自在に枢着された前枠504とを備えている。前枠504の前側には、遊技盤505等が上部側に、遊技盤505の前側の遊技領域505aに向けて遊技球を発射する発射手段506等が下部側にそれぞれ配置され、また遊技盤505等の前側に対応してガラス扉507が、発射手段506等の前側に対応して前面板508がそれぞれヒンジ503と同じ側のヒンジ509により開閉自在に枢支されている。なお、ガラス扉507と前面板508は一体的に開閉可能な構成としてもよい。
【0134】
前面板508の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段506に供給する上皿510が上部側に配置され、またその上皿510の下側には、例えば上皿510が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿511が左端側に、発射手段506を作動させるための発射ハンドル512が右端側に夫々設けられている。更に、例えば上皿510等を前側から覆う上皿カバー513上には、遊技者が押下操作可能な演出ボタン(所定操作手段)514等が設けられている。
【0135】
遊技盤505の前面側には、発射手段506から発射された遊技球を案内するガイドレール515が環状に装着されると共に、そのガイドレール515の内側の遊技領域505aに、センターケース517、普通図柄始動手段518、特別図柄始動手段519、大入賞手段520、普通入賞手段521等の各種遊技部品が配置されている。
【0136】
センターケース517は、例えば遊技領域505aの略中央に配置されており、液晶式等の画像表示手段522に対応する略矩形状の表示窓523を備え、その表示窓523を取り囲む装飾枠524上に、普通図柄表示手段525、特別図柄表示手段526、普通保留個数表示手段527、第1特別保留個数表示手段528等の各種表示手段の他、ステージ529、可動演出手段530等が設けられている。
【0137】
ステージ529は、画像表示手段522の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース517の側部、例えば左側に設けられたワープ入口529aに流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
【0138】
可動演出手段530は、可動体531と、この可動体531を移動可能に支持する可動体案内手段532と、可動体531を駆動する駆動手段533とを備えている。可動体531には、任意の装飾体(ここでは当該遊技機のタイトルである「カッパ伝説」の文字)が例えば立体的に形成されており、後側(又は内部)に配置されたLED571が点灯することによって所定部位(ここでは「カッパ伝説」の文字部分)が任意色で発光するようになっている。
【0139】
可動体案内手段532は、可動体531を画像表示手段522の表示画面522aの前面側に沿って所定方向、例えば上下方向に移動可能な状態で支持するもので、画像表示手段522の表示画面522aの左右両側に沿って上下方向に配置された一対の案内レール534を備え、それら各案内レール534によって可動体531の左右両端部が上下方向移動可能に支持されている。この可動体案内手段532により、可動体531は、画像表示手段522の上側の上部位置と、画像表示手段522の前側の下部位置との間で上下方向に移動可能であり、通常時は原点位置である上部位置に保持されている。
【0140】
駆動手段533は、例えばステッピングモータで構成され、装飾枠524の後側に配置されており、図示しないベルト等を介して可動体531を所定の動作パターンに従って上下方向に移動させることが可能となっている。
【0141】
普通図柄始動手段518は、普通図柄表示手段525による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、センターケース517の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
【0142】
普通図柄表示手段525は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、普通図柄始動手段518が遊技球を検出することに基づいてそれら複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段518による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合にははずれ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。
【0143】
普通図柄始動手段518による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄表示手段525による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は普通保留個数表示手段527等によって遊技者に報知される。
【0144】
特別図柄始動手段519は、特別図柄表示手段526による図柄変動を開始させるためのもので、例えば上下2つの始動入賞手段519a,519bと、下始動入賞手段519bを開閉する開閉手段536と、始動入賞手段519a,519bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えばセンターケース517の下側に配置されている。上始動入賞手段519aは開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段で、ステージ529の中央落下部の真下に上向き開口状に配置されている。下始動入賞手段519bは、開閉手段536により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、上始動入賞手段519aの下側に配置されており、普通図柄表示手段525の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段536が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0145】
特別図柄表示手段526は、特別図柄を変動表示するためのもので、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段519が遊技球を検出した場合(図柄始動条件が成立した場合)、即ち上下2つの始動入賞手段519a,519bの何れかに遊技球が入賞した場合に特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段519a,519bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には所定の大当り態様で、一致しない場合には例えばはずれ態様で停止するようになっている。特別図柄には、大当り態様及びはずれ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
【0146】
特別図柄始動手段519への遊技球入賞時に取得された特別乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別図柄表示手段526による図柄変動が開始される毎に順次消化される。特別乱数情報の記憶個数(特別保留個数)は、第1特別保留個数表示手段528等によって遊技者に報知される。
【0147】
大入賞手段520は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板537を備えた開閉式入賞手段で、例えば特別図柄始動手段519の下側に配置されており、特別図柄表示手段526の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合に発生する特別利益状態において、開閉板537が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0148】
また画像表示手段522は、演出図柄表示手段538、第2特別保留個数表示手段539等を構成している。演出図柄表示手段(図柄表示手段)538は、特別図柄表示手段526による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄(図柄)Pを変動表示するものである。演出図柄Pは、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(
図19の例では左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部Paと、この図柄本体部Paに付随するキャラクタその他の装飾部Pbとの結合で構成されている。なお演出図柄Pは、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部Pbの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0149】
演出図柄Pは、特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄Pでは、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様(特定態様)、それ以外がはずれ演出態様となっており、特別図柄が大当り態様、はずれ態様となる場合には演出図柄Pは大当り演出態様、はずれ演出態様となる。
【0150】
また演出図柄Pの変動パターンは、3つの図柄列が夫々変動する通常変動で始まり、その通常変動で「2↓2」、「7↓7」等のリーチ状態が成立した場合には、一又は複数段階のリーチ演出を経て最終停止するように構成されており、通常変動からリーチ演出に発展して大当り演出態様又ははずれ演出態様となるのがリーチ変動パターン、通常変動からリーチ演出に発展することなくはずれ演出態様となるのが通常変動パターンである。
【0151】
リーチ変動パターンにおける各リーチ演出では、画像表示手段522等による任意の映像演出が行われるとともに、大当り演出態様/はずれ演出態様の何れかで変動停止するか、次段階のリーチ演出に発展するかを示す結果表示が行われるようになっている。
【0152】
本実施形態では、
図22に示すように、「Nリーチ演出」、「Sリーチ演出」、「SPリーチ前演出」、「SPリーチ後演出」の4段階のリーチ演出が設けられている。Nリーチ演出では、大当り演出態様となる可能性は極めて低く、殆どの場合、はずれ演出態様で停止するか、次のSリーチ演出に発展するように制御される。また、SPリーチ前演出は、SPリーチ演出の前半部分を構成するもので、ここで大当り演出態様となって終了する場合はなく、はずれ演出態様で停止するか、次のSPリーチ後演出に発展するように制御される。SPリーチ後演出は、最終段階のリーチ演出であって次のリーチ演出に発展することはなく、大当り演出態様/はずれ演出態様の何れかで終了するように制御される。
【0153】
本実施形態では、
図21(b)に示すように、大当り演出態様で最終停止するリーチ大当り変動パターンとして、Nリーチ演出まで発展して終了するNリーチ大当り変動パターン、Sリーチ演出まで発展して終了するSリーチ大当り変動パターン、SPリーチ後演出まで発展して終了するSPリーチ大当り変動パターンの3種類が設けられており、更にSPリーチ大当り変動パターンとしては、SPリーチ演出の異なるSPリーチ1~3大当り変動パターンの3種類が設けられている。なお上述したように、SPリーチ前演出で大当り演出態様となる場合はないから、SPリーチ1~3大当り変動パターンでは必ずSPリーチ後演出まで発展する。
【0154】
また本実施形態では、
図21(a)に示すように、はずれ演出態様で最終停止するはずれ変動パターンとして、リーチ演出に発展することなく終了する通常変動パターン、Nリーチ演出まで発展して終了するNリーチはずれ変動パターン、Sリーチ演出まで発展して終了するSリーチはずれ変動パターン、SPリーチ前演出まで発展して終了するSPリーチ前はずれ変動パターン、SPリーチ後演出まで発展して終了するSPリーチ後はずれ変動パターンの5種類が設けられている。また、通常変動パターンは変動時間が15s(s=秒、以下同じ)、10s、5s、3sの4種類設けられ、Nリーチはずれ変動パターンは、最終停止図柄とリーチ図柄との差が-3,-2,-1,+1の4種類設けられ、SPリーチ前はずれ変動パターンとSPリーチ後はずれ変動パターンは、SPリーチ演出の異なる各3種類設けられている。
【0155】
第2特別保留個数表示手段539は、特別保留個数を報知するためのもので、特別保留個数分(最大4個)の保留表示画像Q4~Q1と、変動中の演出図柄Pに対応する変動中保留画像Q0とを表示画面522aの所定位置、例えば下部側に表示可能となっている。第2特別保留個数表示手段539は、特別図柄始動手段519への遊技球の入賞によって特別保留個数が増加した場合には、保留表示画像Q1~を待ち行列の最後尾(例えば左端側)に1個追加表示し、特別図柄の新たな変動が開始して特別保留個数が減少した場合には、例えば変動中保留画像Q0を消去すると共に、保留表示画像Q1~を待ち行列の前側(例えば右側)に向けて1個分ずつシフトし、押し出された先頭の保留表示画像Q1を新たな変動中保留画像Q0に変化させるようになっている。
【0156】
図20は本パチンコ機の制御系のブロック図である。
図20において、541は主制御基板、542は演出制御基板で、これら各制御基板541,542は、遊技盤505の裏側の適宜箇所に、基板ケースに格納された状態で着脱自在に装着されている。なお、
図20のブロック図では、主制御基板541、演出制御基板542以外の基板については省略している。
【0157】
主制御基板541は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段551、普通始動口チェック処理手段552、普通乱数記憶手段553、普通図柄処理手段554、普通図柄表示制御手段555、普通保留個数表示制御手段556、普通利益状態発生手段557、特別乱数作成処理手段561、特別始動口チェック処理手段562、特別乱数記憶手段563、特別図柄処理手段564、特別図柄表示制御手段565、第1特別保留個数表示制御手段566、特別利益状態発生手段567、特別遊技状態発生手段568、制御コマンド送信手段569等を備えている。
【0158】
普通乱数作成処理手段551は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる当り判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段552は、普通図柄始動手段518による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段518が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段551で作成された当り判定乱数値等の普通乱数情報を1個取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段553に記憶させるように構成されている。
【0159】
普通図柄処理手段554は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当り判定手段554a、普通停止図柄選択手段554b、変動時間選択手段554c等を備えている。当り判定手段554aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当り態様とするか否か、即ち普通利益状態を発生させるか否かの抽選を行うもので、普通図柄表示手段525が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段553に1以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段553に記憶されている普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/はずれの判定を行うように構成されている。
【0160】
普通停止図柄選択手段554bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当り態様とはずれ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当り判定機能による当り/はずれの判定結果に基づいて、当り判定の場合には「○」が、はずれ判定の場合には「×」が画一的に選択される。また、変動時間選択手段554cは普通図柄の変動時間を選択するものである。
【0161】
普通図柄表示制御手段555は、普通図柄処理手段554による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段525の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段525が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段553に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段525による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段554cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段554bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0162】
普通保留個数表示制御手段556は、普通保留個数表示手段527の表示制御を行うもので、普通図柄始動手段518による遊技球の検出、及び普通図柄表示手段525による普通図柄の変動に基づいて、普通保留個数表示手段527により普通保留個数情報を表示させるようになっている。
【0163】
普通利益状態発生手段557は、当り判定手段554aによる判定結果が当り判定となることに基づいて普通図柄表示手段525の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、特別図柄始動手段519を構成する下特別始動口519bの開閉手段536を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
【0164】
特別乱数作成処理手段561は、大当り/はずれの判定に用いる大当り判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0165】
特別始動口チェック処理手段562は、特別図柄始動手段519への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、始動入賞手段519a,519bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段561で作成された大当り判定乱数値、図柄判定乱数値等よりなる特別乱数情報を取得し、その特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段563に記憶させるように構成されている。
【0166】
また、特別始動口チェック処理手段562は先読み判定手段562aを備えている。この先読み判定手段562aは、始動入賞手段519a,519bに遊技球が入賞したときに取得する特別乱数情報について、図柄変動に供されるよりも前の所定のタイミング、例えば特別乱数情報の取得時に、その特別乱数情報について先読み判定処理を実行するようになっている。この先読み判定処理では、先読み禁止中でないことを条件に、大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/はずれの判定結果を出力する。この先読み判定結果は、始動入賞手段519a,519bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて送信される保留加算コマンドにより演出制御基板542等に伝達される。なお本実施形態では、この先読み判定処理により、上述した大当り判定だけでなく、変動パターンの種類についても判定を行う。
【0167】
特別図柄処理手段564は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当り判定手段564a、大当り・はずれ選択手段564b、変動パターン選択手段564c等を備えている。大当り判定手段(抽選手段)564aは、乱数抽選により大当り/はずれの判定、即ち特別利益状態を発生させるか否かの判定(遊技者に利益を付与するか否かの抽選)を行うもので、特別図柄表示手段526が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段563に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/はずれの判定を行うように構成されている。
【0168】
大当り・はずれ選択手段564bは、大当り/はずれの種類を選択するもので、大当り判定手段564aによる判定結果がはずれの場合には、
図21(a)に示すはずれ変動パターン選択テーブルと図柄判定乱数値とに基づいてはずれの種類を選択し、大当り判定手段564aによる判定結果が大当りの場合には、
図21(b)に示す大当り変動パターン選択テーブルと図柄判定乱数値とに基づいて大当りの種類を選択する。
【0169】
はずれに関して、本実施形態では、はずれAとはずれBの2種類が設けられており、それらはずれA,Bの何れかが、
図21(a)に示すように図柄判定乱数値に基づいて9:1等の任意の振分率で選択されるようになっている。はずれAは、図柄変動の開始時点の特別保留個数に応じて変動パターンの振り分けが異なるもので、
図21(a)に示すように、特別保留個数0~3の夫々について、変動パターン乱数値の範囲と複数種類のはずれ変動パターンとの対応関係が規定されている。一方のはずれBは、図柄変動の開始時点の特別保留個数によって変動パターンの振り分けが変化しないもので、
図21(a)に示すように、変動パターン乱数値の範囲と複数種類の変動パターンとの対応関係が1種類のみ規定されている。
【0170】
また大当りに関して、本実施形態では、10R通常、5R通常、10R確変、5R確変の4種類が設けられており、それらの何れかが、
図21(b)に示すように図柄判定乱数値に基づいて1:4:1:4等の任意の振分率で選択されるようになっている。10R通常大当り、5R通常大当りは、後述する特別遊技状態として時短状態を発生させることとなる大当りで、特別利益状態では大入賞手段520による所定の単位開放動作を夫々10ラウンド,5ラウンド行うようになっている。ここで、単位開放動作とは、例えば大入賞手段520を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段520を閉鎖する動作である。また、10R確変大当り,5R確変大当りは、後述する特別遊技状態として確変状態を発生させることとなる大当りで、特別利益状態では単位開放動作を夫々10ラウンド,5ラウンド行うようになっている。
【0171】
変動パターン選択手段564cは、演出図柄Pの変動パターンを複数の中から選択するもので、例えば大当り判定手段564aによる判定結果がはずれであり、大当り・はずれ選択手段564bによりはずれAが選択された場合には、その時点の特別保留個数と、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値とに基づいて複数のはずれ変動パターンの何れかを選択し(
図21(a))、大当り判定手段564aによる判定結果がはずれであり、大当り・はずれ選択手段564bによりはずれBが選択された場合には、その時点の特別保留個数に拘わらず、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値に基づいて複数のはずれ変動パターンの何れかを選択し(
図21(a))、大当り判定手段564aによる判定結果が大当りの場合には、大当り・はずれ選択手段564bにより選択された大当りの種類と、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値とに基づいて複数の大当り変動パターンの何れかを選択する(
図21(b))ようになっている。
【0172】
なお
図21に示すように、リーチ変動パターンについてはリーチ演出の段階が進むにつれて大当り演出態様(特定態様)となる信頼度が高くなるように構成されているが、本実施形態では、Nリーチ変動パターンで大当り演出態様になることはなく、またSリーチ変動パターンについては大当り演出態様になる可能性はあるが、その確率は極めて低くなっている(1%未満)。また、SPリーチ前演出で大当り演出態様になることはなく、SPリーチ変動パターンで大当り演出態様になる場合は必ずSPリーチ後演出に発展する。
【0173】
特別図柄表示制御手段565は、特別図柄表示手段526の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段526が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段563に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別図柄表示手段526による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段564cにより選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、例えば大当り判定手段564aの判定結果がはずれの場合には所定のはずれ態様で、大当り判定手段564aの判定結果が大当りの場合には大当り・はずれ選択手段564bで選択された大当りの種類に応じた大当り態様で、特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0174】
第1特別保留個数表示制御手段566は、第1特別保留個数表示手段528の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段519による遊技球の検出、及び特別図柄表示手段526による特別図柄の変動に基づいて、第1特別保留個数表示手段528により特別保留個数情報を表示させるようになっている。
【0175】
特別利益状態発生手段567は、大入賞手段520が所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるもので、大当り判定手段564aによる判定結果が大当りとなることに基づいて特別図柄表示手段526による特別図柄の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合に、大当り・はずれ選択手段564bにより選択された大当りの種類に応じて、大入賞手段520による単位開放動作を例えば5ラウンド,10ラウンドの何れかだけ繰り返し実行させるようになっている(
図21(b))。
【0176】
特別遊技状態発生手段568は、特別利益状態の発生後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば大当り・はずれ選択手段564bにより選択された大当りの種類に応じて、例えば10R通常,5R通常大当りの場合には時短状態を、10R確変,5R確変大当りの場合には確変状態を発生させるように構成されている。
【0177】
時短状態中は、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段526の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当り確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口519bの開閉手段536の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は特別利益状態が終了した時点で開始し、例えば特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
【0178】
確変状態中は、例えば時短状態と同様の各切り換えに加えて、大当り判定値の数が増加することにより、特別図柄が大当り態様となる確率が通常確率(例えば1/319)よりも高い高確率(例えば1/60)に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は特別利益状態が終了した時点で開始し、例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
【0179】
制御コマンド送信手段569は、所定の制御コマンドを演出制御基板542等に送信して制御指令を与えるためのもので、特別保留個数が増加したときに特別保留個数の加算を指定する保留加算コマンドを演出制御基板542側に送信する機能、特別図柄処理手段564による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減算を指定する保留減算コマンド、演出図柄Pの変動パターンを指定する変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄態様を指定する特別図柄コマンドをこの順序で演出制御基板542側に送信し、特別図柄の変動終了時に変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板542側に送信する機能等を備えている。
【0180】
演出制御基板(演出制御手段)542は、LED571、スピーカ572、可動演出手段530、画像表示手段522等の各種演出手段による演出を制御するもので、保留加算コマンド受信時処理手段581、変動パターンコマンド受信時処理手段582、遊技中演出制御手段583等を備えている。なお、LED571は、可動演出手段530の可動体531を含むセンターケース517の他、遊技盤505及び前枠504に多数配置され、スピーカ572は例えば前枠504の上部に2個、下部に1個配置されている(
図19)。また、本実施形態では可動演出手段530を遊技盤505上にのみ配置しているが、可動演出手段は前枠504上に配置してもよいし、遊技盤505上と前枠504上との両方に配置してもよい。
【0181】
保留加算コマンド受信時処理手段581は、特別保留個数が増加した場合の処理を行うもので、先読み演出抽選手段581a等を備え、主制御基板541から保留加算コマンドを受信したときに、先読み禁止等の場合を除き、先読み演出抽選手段581aにより先読み演出に関する抽選を行い、その抽選結果等に応じて、保留表示画像Q1~を画像表示手段522の画面上に1個追加表示する保留変化演出シナリオをセットするようになっている。
【0182】
ここで「先読み演出」とは、先読み判定結果に基づく演出であって、「先読み連続演出」、「先読み保留変化演出」等がある。「先読み連続演出」は、先読み判定手段562aによる先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動(ターゲット変動)までの複数回の図柄変動において例えば同一態様の演出を実行するものである。例えば、先読み連続連出として「雨」、「雷」の2種類の演出態様が用意されている場合には、先読み判定結果に基づく先読み演出抽選手段581aの抽選によりそれらの何れかに当選すると、その特別乱数情報に対応するターゲット変動までの複数回の演出図柄変動において例えば背景画像として「雨」又は「雷」の画像が使用される。これにより、遊技者は連続演出の背景画像として「雨」、「雷」の何れが出現するかにより、ターゲット変動で大当りとなるか否か等を予測できる。
【0183】
また「先読み保留変化演出」は、先読み判定手段562aによる先読み判定結果に基づいて、保留表示画像Q1~Q4,変動中保留画像Q0を所定の表示態様で表示するもので、保留変化演出シナリオはこの先読み保留変化演出の抽選結果に応じて選択される。例えば、先読み保留変化演出に関して「ゾウ」、「ライオン」、「キリン」等の複数種類の保留表示態様があり、先読み判定結果に基づく先読み演出抽選手段581aの抽選によりそれらの何れかに当選した場合、例えば新たに保留表示画像を追加表示するとき、或いはその後の所定のタイミングで、その保留表示画像を当選した所定の表示態様で表示する。これにより、遊技者は保留表示画像の表示態様が「ゾウ」、「ライオン」、「キリン」、或いはそれ以外の何れであるかに応じて、その保留表示画像に対応する変動で大当りとなるか否か等を予測可能である。
【0184】
なお、先読み演出による予告の対象は大当りか否かに限られるものではなく、変動パターンの種類(例えばSPリーチまで発展するか否か)等でもよい。
【0185】
変動パターンコマンド受信時処理手段582は、特別図柄表示手段526による図柄変動を開始する場合の処理を行うもので、図柄変動内容決定手段582a等を備え、主制御基板541から保留減算コマンド、変動パターンコマンド及び特別図柄コマンドを例えば一定時間内に受信したときに、図柄変動内容決定手段582aが演出図柄Pの具体的な変動内容や予告演出に関する選択を行い、それらの結果等に応じて、変動パターンシナリオ、予告演出シナリオ、保留変化演出シナリオ等をセットするようになっている。なお、この場合の保留変化演出シナリオでは、例えば変動中保留画像Q0を消去し、保留表示画像Q1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の保留表示画像Q1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Q0に変化させる。
【0186】
図柄変動内容決定手段582aは、主制御基板541から受信した変動パターンコマンド等に基づいて、変動パターンの具体的演出内容を決定する。例えば、変動パターンコマンドによりSPリーチ大当り変動パターンが指定された場合には、最後のSPリーチ演出における結果表示を復活大当りとするか通常大当りとするか等について決定する。
【0187】
また図柄変動内容決定手段582aは、一又は複数種類の予告演出について実行するか否かの抽選を行い、実行する場合には更にその予告演出内容等についての抽選を行う。ここで予告演出とは、大当り態様、SPリーチ等の所定事象の出現を示唆する演出であって、いわゆる「SU予告」、「タイマ予告」、「プレミア予告」、「疑似連演出」、「ボタン演出」等がそれにあたる。
【0188】
なお、変動パターンシナリオ、予告演出シナリオ、保留変化演出シナリオ等の各種演出シナリオは、例えばそのシナリオの実行開始時からの経過時間(ms)毎の各行に、各種演出手段、即ちLED571、スピーカ572、可動演出手段530、画像表示手段522等による各演出内容が設定されている。この演出シナリオは、遊技中演出制御手段583により、各行に設定された演出を、行毎に設定されたタイミングで順次開始することによって実行される。
【0189】
続いて、本実施形態における演出図柄Pの変動パターン、特にリーチ変動パターンによる演出内容について具体的に説明するが、その前に変動パターンの概要について説明する。
図22に示すように、演出図柄Pの変動パターンでは、まず通常変動が行われる。この通常変動では、全て(3つ)の図柄列が並行して高速変動した後、第1番目(例えば左)と第2番目(例えば右)の図柄列が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ状態が成立するか、リーチ状態を経ることなくはずれ演出態様で停止、確定する。前者がリーチ変動パターンで、後者が通常変動パターンである。本実施形態では、変動時間が異なる4種類の通常変動パターンが用意されている(
図21(a))。
【0190】
リーチ変動パターンの場合(通常変動でリーチ状態が成立した場合)、通常変動後にNリーチ演出が行われる。Nリーチ演出では、任意の映像演出が実行された後、次のSリーチ演出に移行(発展)することを示す発展結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)となることを示す大当り結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、Nリーチ演出中の一分岐点において、それら複数種類の結果表示の何れかが実行される。なお
図21より明らかなように、本実施形態のNリーチ演出では大当り結果表示が行われることはなく(即ちNリーチ大当り変動パターンは選択されない)、Nリーチ演出で終了する場合には必ずはずれ結果表示が行われ、はずれ演出態様となる(Nリーチはずれ変動パターン)。
【0191】
Nリーチ演出の最後に発展結果表示が行われた場合には、続いてSリーチ演出が行われる。このSリーチ演出でも、任意の映像演出が実行された後、次のSPリーチ演出に移行(発展)することを示す発展結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)となることを示す大当り結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、Sリーチ演出中の一分岐点において、それら複数種類の結果表示の何れかが実行される。なお
図21より明らかなように、本実施形態のSリーチ演出では大当り結果表示が行われる確率は0ではないが極めて低く(
図21の例では、大当り確率を1/319とすると、Sリーチ変動パターンにおける大当り信頼度は約0.08%、Sリーチ変動パターンの出現率は約1.6%、Sリーチ変動パターンで大当りとなる頻度は約1/80000)、Sリーチ演出で終了する場合には高い確率ではずれ結果表示が行われ、はずれ演出態様となる(Sリーチはずれ変動パターン)。なお、Sリーチ演出で大当り結果表示が行われる確率(大当たり信頼度)は、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらにより好ましくは0.2%未満で、0でもよい。
【0192】
Sリーチ演出の最後に発展結果表示が行われた場合には、続いてSPリーチ前演出が行われる。このSリーチ前演出では、任意の映像演出が実行された後、次のSPリーチ後演出に移行(発展)することを示す発展結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、SPリーチ演出中の一分岐点において、それら複数種類の結果表示の何れかが実行される。なお
図21より明らかなように、本実施形態のSPリーチ前演出では大当り結果表示が行われることはなく(即ちSPリーチ前大当り変動パターンは選択されない)、SPリーチ前演出で終了する場合には必ずはずれ結果表示が行われ、はずれ演出態様となる(SPリーチ前はずれ変動パターン)。
【0193】
SPリーチ前演出の最後に発展結果表示が行われた場合には、続いてSPリーチ後演出が行われる。このSPリーチ後演出では、任意の映像演出が実行された後、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)となることを示す大当り結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、SPリーチ後演出の次のリーチ演出は存在しないため、このSPリーチ後演出で発展結果表示が行われることはない。
【0194】
続いて、本実施形態の複数種類のリーチ演出のうち、Sリーチ演出、SPリーチ前演出、SPリーチ後演出について具体的に説明する。まずSリーチ演出の具体例を、
図23等に基づいて説明する。
図23に示すように、Sリーチ演出の演出期間は、Sリーチ特有の映像演出を実行するためのリーチ映像表示期間と、そのリーチ映像表示期間に続いて、発展結果表示、大当り結果表示、はずれ結果表示の何れかを実行する結果表示期間とで構成されている。
【0195】
また、結果表示期間の直前、即ちリーチ映像表示期間の終盤には、結果表示の出現を示唆する結果表示前演出が実行されるようになっている。この結果表示前演出は、結果表示に対する遊技者の期待感を盛り上げるための煽り期間と、その煽り期間から結果表示への移行時にいわゆるタメをつくるためのタメ期間(即ち待機期間)とで構成されている。
【0196】
Sリーチ演出が開始されると(リーチ映像表示期間)、
図23(a1)に示すように、画像表示手段522にはSリーチ映像が表示されるとともに、そのSリーチ映像と同期して任意の音声出力やLED発光演出が行われる。Sリーチ映像では、Sリーチ用の特別背景601aの前側に、縮小表示(退避表示)された「7 7」等のリーチ図柄画像Ps、キャラクタ等によるリーチ演出画像602a、その他の画像が表示されるようになっている。
【0197】
その後、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(
図23(a2))、それまでのリーチ演出画像602aが煽り演出画像603aに変化する。この煽り演出画像603aは、未だ変動中の第3番目(例えば中央)の図柄列が停止する前の最終段階の演出を行うものであり、
図23(a2)~(a3)の例では、大当り演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄と同一の)第1停止図柄候補(ここでは「7」)を第1キャラクタが、はずれ演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄とは異なる)第2停止図柄候補(ここでは「6」)を第2キャラクタが夫々ハンマーで繰り返し打撃し、どちらが先に停止図柄候補を破壊するかを競う内容となっている。
【0198】
この煽り演出画像603aは、時間経過に伴って徐々に盛り上がるように、例えば各キャラクタによる打撃ピッチが少しずつ速くなると共に各停止図柄候補のダメージが少しずつ進行し、何れかの停止図柄候補が破壊される直前の状態(
図23(a3))で煽り期間が終了するように構成されている。なお
図23の例では、煽り期間の長さは3sに設定されている。煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603aは静止状態となり(
図23(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603aの静止状態が維持される。なお
図23の例では、タメ期間の長さは1sに設定されている。
【0199】
そして、タメ期間が終了すると、その一分岐点で、発展結果表示、大当り結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603aから繋がる形で開始される(結果表示期間)。このように、大当り/はずれ/発展の分岐を一点で行うことにより、大当り/はずれの分岐後に発展有無の分岐を行う場合に比べて効率よく演出を行うことができる。特に、本実施形態のSリーチ演出では大当り結果表示が行われる確率が極めて低いため(1%未満)、大当り/はずれの煽りを独立して行っても演出効果は低く、発展有無を含めて煽ることで効率的な演出が可能となる。
【0200】
大当り結果表示では大当り結果演出が行われる。この大当り結果演出では、第2停止図柄候補である「6」が破壊されて消滅し(
図23(c1))、残った第1停止図柄候補である「7」で中図柄が停止する(
図23(c2))。なお
図23の例では、大当り結果演出の長さは7sに設定されている。
【0201】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、第1停止図柄候補である「7」が破壊されて消滅し(
図23(d1))、残った第2停止図柄候補である「6」で中図柄が停止する(
図23(d2))。その後、特別背景601aから通常背景600へと復帰する背景復帰演出(
図23(d3))を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示(
図23(d4))へ移行する。なお
図23の例では、はずれ結果表示を構成するはずれ結果演出、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々3s,1s,2sに設定されており、合計時間は大当り結果表示の7sよりも短くなっている。
【0202】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、第1,第2停止図柄候補である「7」,「6」の両方が同時に破壊されて消滅し(
図23(b1))、その後にSPリーチへの発展を示す「発展」等の発展報知画像604aが表示される(
図23(b2))。なお
図23の例では、発展演出の長さは、大当り結果表示の7s、はずれ結果表示の6sよりも短い4sに設定されているが、発展演出の長さははずれ結果表示と同じでもよいし長くてもよい。
【0203】
続いて、SPリーチ前演出の具体例を、
図24等に基づいて説明する。
図24に示すように、SPリーチ前演出の演出期間は、SPリーチ前特有の映像演出を実行するためのリーチ映像表示期間と、そのリーチ映像表示期間に続いて、発展結果表示、はずれ結果表示の何れか(大当り結果表示は対象外)を実行する結果表示期間とで構成されている。また、結果表示期間の直前、即ちリーチ映像表示期間の終盤には、結果表示の出現を示唆する結果表示前演出が実行されるようになっている。この結果表示前演出は、Sリーチ演出の場合(
図23)と同様、煽り期間とタメ期間(即ち待機期間)とで構成されている。なお、このSPリーチ前演出は、大当り演出態様(特定態様)となることのない非当りリーチ演出の一例である。
【0204】
SPリーチ前演出が開始されると(リーチ映像表示期間)、
図24(a1)に示すように、画像表示手段522にはSPリーチ前映像が表示されるとともに、そのSPリーチ前映像と同期して任意の音声出力やLED発光演出が行われる。SPリーチ前映像では、SPリーチ前用の特別背景601bの前側に、縮小表示(退避表示)された「7 7」等のリーチ図柄画像Ps、キャラクタ等によるリーチ演出画像602b、その他の画像が表示されるようになっている。
【0205】
その後、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(
図24(a2))、それまでのリーチ演出画像602bが煽り演出画像603bに変化する。
図24(a2)~(a3)の例では、煽り演出画像603bは、モンスター(敵)のキャラクタを大砲で攻撃する内容となっている。ところで、本実施形態のSPリーチ前演出(非当りリーチ演出)では、上述したように大当り結果表示が出現することはないため、この煽り期間の演出(結果表示前演出)は、遊技者に無用の期待感を抱かせないよう、大当りを想起させない演出内容とすることが望ましい。そこで本実施形態では、「モンスターを倒せば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示605を、煽り演出画像603bと並行して表示するようになっている(
図24(a2),(a3))。これにより、遊技者はモンスター(敵)が倒れても大当りと誤解することがなく、遊技者に有利な結果(発展)にも拘わらず無駄に失望感を抱かせることを防止できる。
図24の例では、煽り期間の長さはSリーチ演出(
図23)と同じく3sに設定されている。
【0206】
なお、説明表示605を、「モンスターを攻撃せよ」等の演出の説明と、「成功で○○に発展」等の結果の説明とで構成し、それらを同時に、或いは交互に表示するように構成してもよい。
【0207】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603bは静止状態となり(
図24(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603bの静止状態が維持される。このタメ期間中も説明表示605の表示は継続される。なお
図24の例では、タメ期間の長さはSリーチ演出(
図23)と同じく1sに設定されている。
【0208】
そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603bから繋がる形で開始される。
【0209】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、モンスターへの攻撃が失敗に終わり(
図24(c1))、それに伴って中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止する(
図24(c2))。その後、特別背景601bから通常背景600へと復帰する背景復帰演出を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示へ移行する。なお
図24の例では、はずれ結果演出の長さは4sでSリーチ演出の場合(
図23)の3sよりも長くなっているが、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々1s,2sでSリーチ演出の場合と同じである。
【0210】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、攻撃が成功してモンスターが倒れ(
図24(b1))、その後にSPリーチ後演出への発展を示す「発展」等の発展報知画像604bが表示される(
図24(b2))。なお
図24の例では、発展演出の長さはSリーチ演出の場合と同じ4sに設定されているが、SPリーチ前演出における発展演出の長さをSリーチ演出における発展演出の長さより長くしてもよい。また、発展演出の長さをはずれ結果表示と同じにしてもよいし長くしてもよい。
【0211】
また発展結果表示として、
図24に示すような発展演出(通常発展演出)の他に、はずれ結果表示の後または途中で復活演出を経て発展報知画像を表示する復活発展演出を実行可能としてもよい。この復活発展演出の場合、復活演出の実行タイミングは、はずれ結果表示における背景復帰演出の前でも後でもよいが、背景復帰演出の前とすることが望ましい。
【0212】
続いて、SPリーチ後演出(特定リーチ演出)の具体例を、
図25,
図26等に基づいて説明する。なお、
図25ははずれ結果表示を実行する場合を、
図26は大当り結果表示を実行する場合を夫々示している。
図25,
図26に示すように、SPリーチ後演出の演出期間は、SPリーチ後特有の映像演出を実行するためのリーチ映像表示期間と、そのリーチ映像表示期間に続いて、大当り結果表示(
図26)、はずれ結果表示(
図25)の何れか(発展結果表示は対象外)を実行するための結果表示期間とで構成されている。
【0213】
また、結果表示期間の直前、即ちリーチ映像表示期間の終盤には、結果表示の出現を示唆する結果表示前演出が行われる。このSPリーチ後演出における結果表示前演出は、いわゆるボタン演出で、演出ボタン514の操作が有効となる操作有効期間が到来することを示唆する操作有効期間示唆演出を備え、その操作有効期間示唆演出の終了後に操作有効期間が開始されるようになっている。
【0214】
SPリーチ後演出が開始されると(リーチ映像表示期間)、
図25(a1)に示すように、画像表示手段522にはSPリーチ後映像が表示されるとともに、そのSPリーチ後映像と同期して任意の音声出力やLED発光演出が行われる。SPリーチ後映像では、SPリーチ後用の特別背景601cの前側に、縮小表示(退避表示)された「7 7」等のリーチ図柄画像Ps、キャラクタ等によるリーチ演出画像602c、その他の画像が表示されるようになっている。
【0215】
その後、リーチ映像表示期間終盤には操作有効示唆演出が開始される。この操作有効示唆演出では、操作有効期間中の操作対象である演出ボタン514を示す操作対象画像606を画面上にフェードイン(操作対象画像を形成)させるように構成されている。この操作対象画像606のフェードインは、
図25(a2)~(a4)の例では、操作対象画像606が遠くから回転しながら近付いてくるような演出内容となっている。なお、操作有効示唆演出中の操作対象画像606の表示態様は任意であるが、遊技者が操作有効期間中であると誤解しないよう、少なくとも操作有効期間中の表示態様とは異ならせる必要がある。なお、操作対象画像606のフェードインは、例えば操作有効示唆演出の終了時、即ち操作有効期間の開始時に完了する(
図25(a4))。このように、操作対象画像が画面上に形成(表示)され始めてから形成されるまでの演出が操作有効示唆演出であり、その間の操作対象画像が操作有効示唆画像となる。
【0216】
また本実施形態では、操作有効期間の開始時、即ち操作対象画像606のフェードイン(操作対象画像の形成)の完了と略同時に、操作態様を報知するための「PUSH!」の文字と矢印画像等よりなる操作態様報知画像607と、操作有効期間の進行状況を報知するための進行状況報知画像608とが新たに表示される(
図25(a4))。進行状況報知画像608は、帯状のゲージの長さが操作有効期間の時間経過に従って100%から0%まで縮小するように構成されている(
図25(a5))。なお
図25の例では、操作有効期間の開始から満了までの操作有効時間が3sに、その前の操作有効示唆演出の演出時間が操作有効時間よりも長い4sに夫々設定されている。
【0217】
この操作有効期間中に遊技者が演出ボタン514を押下操作することによって演出実行条件が成立すると、その時点で操作有効期間が終了するとともに結果表示(はずれ結果表示と大当り結果表示の何れか)が開始される。このように、結果表示の開始タイミングは遊技者操作に依存して変化する一方、変動時間は既に決められているため、遊技者の操作タイミング(即ち結果表示の開始タイミング)の変化分を吸収するための時間調整(後述する)を結果表示中に行う必要がある。ここで、その時間調整に要する時間が長いと演出に違和感が生じるため、その意味では操作有効時間は短い方が望ましいが、操作有効期間が短くなると遊技者が操作機会を逃してしまう可能性が高まる。そこで本実施形態では、時間調整による演出の違和感を抑制すべく操作有効時間をなるべく短く(ここでは3s)するとともに、それによる遊技者の操作機会の逸失を防止すべく、操作有効時間(3s)よりも長い操作有効示唆演出(ここでは4s)を操作有効期間の直前に実行するようになっている。
【0218】
なお、演出ボタン514に関する演出実行条件としては、演出ボタン514が一回操作された場合に成立する一撃実行条件、演出ボタン514が複数回連続的に操作されることによって成立する連打実行条件、演出ボタン514が操作された状態が継続することによって成立する長押し実行条件等が考えられるが、本実施形態では一撃実行条件を採用している。
【0219】
図25(A1),(A2)は、何れもはずれ結果表示のタイムチャートであるが、
図25(A1)が最も開始タイミングが早い場合、即ち操作有効期間の開始と略同時に演出ボタン514が操作された場合を、
図25(A2)が最も開始タイミングが遅い場合、即ち操作有効期間の満了と略同時に演出ボタン514が操作された場合を夫々示している。なお、操作有効期間中に演出ボタン514が操作されなかった場合(操作条件が成立しなかった場合)は、操作有効期間の満了時に、演出ボタン514が操作された場合と同一の、又は異なるはずれ結果表示を開始するように構成してもよい。
【0220】
図25(A1),(A2)に示すように、はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止した後(
図25(b1))、演出ボタン514の操作タイミング、即ちはずれ結果表示の開始タイミングに応じた長さのループ待機演出を実行する(
図25(b2))。このループ待機演出により、結果表示の開始時期が変化しても結果表示の終了時期を変化させないための時間調整が行われる。
【0221】
図25(A1)に示すように、操作有効期間の開始と略同時(最早)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最長(ここでは3s)となり、
図25(A2)に示すように、操作有効期間の満了と略同時(最遅)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。このように、本実施形態のはずれ結果表示では、時間調整のためのループ待機演出を、はずれ結果演出を実行した後、通常画面表示に切り替える前(ここでは背景復帰演出の前)に行うようになっている。これにより、ループ待機演出の時間が長くなっても、はずれ結果表示の終盤(背景復帰演出、通常画面表示)から次変動にかけてのテンポを損なうことがなく、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0222】
なお、ループ待機演出は、画像表示手段522上では、例えばその前の映像から繋がるループ待機用の映像データを繰り返し再生するように構成されている。また、LED571による発光演出については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する発光態様で発光させ(1回再生用の発光パターンデータを使用)、その後はループ待機演出の終了まで所定の発光態様を繰り返す(ループ再生用の発光パターンデータを使用)ようになっている。またスピーカ572からの音声出力については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する効果音を出力し(1回再生用の効果音データを使用)、その後はループ待機演出の終了まで無音とするか、所定の効果音の出力を繰り返す(ループ再生用の効果音データを使用)ようになっている。このループ待機演出は、主制御基板541から変動停止コマンドを受信するまで繰り返される。
【0223】
その後、特別背景601cから通常背景600へと復帰する背景復帰演出を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示へ移行する。なお
図25の例では、はずれ結果演出の最短長さは5sで、Sリーチ演出の場合(3s)、SPリーチ前演出の場合(4s)よりも長くなっているが、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々1s,2sでSリーチ演出、SPリーチ前演出の場合と同じである。
【0224】
また
図25の例では、操作有効時間(ここでは3s)は、はずれ結果演出の演出時間(ここでは最短5s)よりも短くなっている。これにより、時間調整のためのループ待機演出の演出時間がはずれ結果演出の演出時間に占める割合を1/2未満とすることができ、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0225】
以上のように本実施形態では、リーチはずれ演出パターンにおいては、最後のリーチ演出が弱リーチ演出(例えばSリーチ演出)の場合(
図23)とそれよりも後段階に出現可能な(即ち弱リーチ演出よりも大当りとなる期待度が高い)強リーチ演出(例えばSPリーチ後演出)の場合(
図25)とを比較すると、弱リーチ演出の場合よりも強リーチ演出の場合の方が結果表示の時間が長くなるように設定されている。これにより、大当り信頼度が低く遊技者の期待が小さいリーチ変動パターンの場合は結果表示の時間を短くしてテンポを上げ、大当り信頼度が高く遊技者の期待が大きいリーチ変動パターンの場合は結果表示の時間を長くして演出効果を高めることが可能である。また、このように演出効果を高めることで、演出を他の機種に流用しても遊技者に飽きられにくくすることができ、結果として遊技機のコスト削減が可能となる。
【0226】
また本実施形態では、弱リーチ演出(例えばSリーチ演出)の場合よりも強リーチ演出(例えばSPリーチ後演出)の場合の方がはずれ結果演出の時間は長くなっているが、背景復帰演出と通常画面表示の時間は同じである。なお、弱リーチ演出の場合よりも強リーチ演出の場合の方が結果表示の時間が長くなるように設定する場合、背景復帰演出と通常画面表示のうちの一方を弱リーチ演出の場合と強リーチ演出の場合とで同じにし、背景復帰演出と通常画面表示のうちの他方とはずれ結果演出とを弱リーチ演出の場合と強リーチ演出の場合とで異ならせてもよい。
【0227】
また
図26(A1),(A2),(B1),(B2)は、何れも大当り結果表示のタイムチャートであるが、
図26(A1),(A2)は通常大当り結果表示を、
図26(B1),(B2)は復活大当り結果表示を夫々示している。ここで、復活大当り結果表示(
図26(B1),(B2))は、はずれ結果演出を実行した後、可動体の動作を伴う復活大当り可動体演出に続いて復活大当り結果演出を実行するように構成されているのに対し、通常大当り結果表示(
図26(A1),(A2))は、はずれ結果演出を実行することなく、可動体の動作を伴う通常大当り可動体演出に続いて通常大当り結果演出を実行するように構成されている。
【0228】
なお、
図26(A1),(A2)に示す通常大当り結果表示と、
図26(B1),(B2)に示す復活大当り結果表示の何れを実行するかについては、主制御基板541側から特定の変動パターン(例えばSPリーチ1大当り変動パターン)に対応する変動パターンコマンドを受信したときに、演出制御基板542側の図柄変動内容決定手段582a(
図26)で決定される。従って、通常大当り結果表示の場合と復活大当り結果表示の場合とで変動時間は同一であり、従って通常大当り結果表示と復活大当り結果表示の演出時間、各結果表示の終了タイミングも同一である。即ち、通常大当り結果表示と復活大当り結果表示とで、当落分岐のタイミング(演出ボタン514が操作されて結果表示が開始されるタイミング)から図柄が確定停止するまでの時間が同一である。
【0229】
また、通常大当り結果表示を示す
図26(A1),(A2)のうち、
図26(A1)が最も開始タイミングが早い場合、即ち操作有効期間の開始と略同時に演出ボタン514が操作された場合を、
図26(A2)が最も開始タイミングが遅い場合、即ち操作有効期間の満了と略同時に演出ボタン514が操作された場合を夫々示している。同様に、復活大当り結果表示を示す
図26(B1),(B2)のうち、
図26(B1)が最も開始タイミングが早い場合、即ち操作有効期間の開始と略同時に演出ボタン514が操作された場合を、
図26(B2)が最も開始タイミングが遅い場合、即ち操作有効期間の満了と略同時に演出ボタン514が操作された場合を夫々示している。なお、操作有効期間中に演出ボタン514が操作されなかった場合(操作条件が成立しなかった場合)は、操作有効期間の満了時に、演出ボタン514が操作された場合と同一の、又は異なる大当り結果表示を開始するように構成してもよい。
【0230】
図26(A1),(A2)に示すように、通常大当り結果表示では、最初に通常大当り可動体演出が行われる。この通常大当り可動体演出では、
図26(b1)~(b3)に示すように、可動体531が所定の通常大当り動作パターンで動作し、画像表示手段522上ではその可動体531の動作に対応する任意の画像演出が行われるとともに中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)と同じ図柄で停止し、またLED571は所定の通常大当り発光パターンで発光するようになっている。
図26の例では、通常大当り動作パターンは、可動体531が原点位置(上部位置)から画像表示手段522の前側の下部位置まで高速降下し(
図26(b1))、所定時間停止した後に低速で原点位置に復帰する(
図26(b2),(b3))ように構成されている。
【0231】
また、通常大当り発光パターンは、いわゆるレインボー発光パターンで、
図27(a)に示すように、可動体531の発光部、即ち「カッパ伝説」の文字が、所定方向(例えば左右方向)に流れる虹色で発光するようになっている。このレインボー発光パターンは、所定周期で循環するように構成されており、通常大当り可動体演出が開始されてから終了するまでの5sの間に1周期分の発光データが所定回数繰り返し実行される。なお、可動体531のLEDだけでなく、それ以外の遊技盤505側、前枠504側のLEDについても同様のレインボー発光パターンで発光させてもよい。また、演出ボタン514が操作されたタイミング、即ち通常大当り可動体演出の開始時に、通常大当りに対応する発光態様(例えばレインボー点滅)で発光させた後、レインボー発光パターンによる発光を繰り返し行うようにしてもよい。
【0232】
通常大当り可動体演出の終了後は通常大当り結果演出が行われる。この通常大当り結果演出では、大当りを祝福する祝福演出(
図26(b4))を行った後、演出ボタン514の操作タイミング、即ち通常大当り結果表示の開始タイミングに応じた長さのループ待機演出を実行する(
図26(b5))。このループ待機演出により、結果表示の開始時期が変化しても結果表示の終了時期を変化させないための時間調整が行われる。
【0233】
図26(A1)に示すように、操作有効期間の開始と略同時(最早)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最長(ここでは3s)となり、
図26(A2)に示すように、操作有効期間の満了と略同時(最遅)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。このように、本実施形態の通常大当り結果表示では、時間調整のためのループ待機演出を、通常可動体演出の後に行われる大当り結果演出の終盤、即ち大当り確定前に行うようになっている。これにより、ボタン操作のタイミングを起点に、大当りとなることを報知する可動体演出と、大当りとなることを祝福する結果演出とが連続的に実行され、その一連の流れはループ待機演出の影響を受けないため、演出の爽快感を損なうことなく、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0234】
なお、ループ待機演出は、画像表示手段522上では、例えばその前の映像から繋がるループ待機用の映像データを繰り返し再生するように構成されている。また、LED571による発光演出については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、通常大当りに対応する発光態様(例えばレインボー点滅)で発光させ(1回再生用の発光パターンデータを使用)、その後はループ待機演出の終了まで所定の発光態様(レインボー発光パターン)を繰り返す(ループ再生用の発光パターンデータを使用)ようになっている。またスピーカ572からの音声出力については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、通常大当りに対応する効果音を出力し(1回再生用の効果音データを使用)、その後はループ待機演出の終了まで無音とするか、所定の効果音の出力を繰り返す(ループ再生用の効果音データを使用)ようになっている。このループ待機演出は、主制御基板541から変動停止コマンドを受信するまで繰り返される。
【0235】
また
図26の例では、通常大当り結果表示における通常大当り可動体演出の長さは5s、通常大当り結果演出の最短長さは8sに夫々設定されている。
【0236】
また
図26(B1),(B2)に示すように、復活大当り結果表示では、まず
図25(A1),(A2)に示すはずれ結果表示と同様の演出が行われる。即ち、最初にはずれ結果演出(
図26(c1),(c2))が行われた後、特別背景601bから通常背景600へと復帰する背景復帰演出(
図26(c3))を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示(
図26(c4))へ移行する。はずれ結果演出では、中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止した後(
図26(c1))、演出ボタン514の操作タイミング、即ちはずれ結果表示の開始タイミングに応じた長さのループ待機演出を実行する(
図26(c2))。このループ待機演出により、結果表示の開始時期が変化しても結果表示の終了時期を変化させないための時間調整が行われる。
【0237】
図26(B1)に示すように、操作有効期間の開始と略同時(最早)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最長(ここでは3s)となり、
図26(B2)に示すように、操作有効期間の満了と略同時(最遅)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。
【0238】
なお、ループ待機演出は、画像表示手段522上では、例えばその前の映像から繋がるループ待機用の映像データを繰り返し再生するように構成されている。また、LED571による発光演出については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する発光態様で発光させ(1回再生用の発光パターンデータを使用)、その後はループ待機演出の終了まで所定の発光態様を繰り返す(ループ再生用の発光パターンデータを使用)ようになっている。またスピーカ572からの音声出力については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する効果音を出力し(1回再生用の効果音データを使用)、その後はループ待機演出の終了まで無音とするか、所定の効果音の出力を繰り返す(ループ再生用の効果音データを使用)ようになっている。このループ待機演出は、主制御基板541から変動停止コマンドを受信するまで繰り返される。
【0239】
また
図26の例では、復活大当り結果表示におけるはずれ結果演出の最短長さは5s、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々1s,2sで、何れもはずれ結果表示(
図25(A1),(A2))の場合と同じである。
【0240】
通常画面表示の次には復活大当り可動体演出が行われる。この復活大当り可動体演出では、
図26(c5)~(c7)に示すように、可動体531が所定の復活大当り動作パターンで動作し、画像表示手段522ではその可動体の動作に対応する任意の画像演出が行われるとともに、リーチ図柄とは異なる「6」で一旦停止していた中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)と同じ図柄に変化し、またLED571は所定の復活大当り発光パターンで発光するようになっている。なお、この復活大当り可動体演出の演出時間(3s)は通常大当り可動体演出の演出時間(5s)よりも短くなっている。
【0241】
図26の例では、復活大当り動作パターンは、可動体531が原点位置(上部位置)から画像表示手段522の前側の下部位置まで高速降下し(
図26(c5))、所定時間停止した後に低速で原点位置に復帰する(
図26(c6),(c7))ように構成されている。このように、復活大当り動作パターンは、通常大当り動作パターン(
図26(b1)~(b3))と可動体531の動作内容は略同じで、演出時間が異なっている。この演出時間の相違分は、例えば下部位置での停止時間や移動速度(例えば原点位置への復帰速度)を異ならせることで調整されている。
【0242】
また、復活大当り可動体演出の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容は、通常大当り可動体演出の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容とは異なっている。その復活大当り可動体演出と通常大当り可動体演出における演出画像の内容の相違は、演出時間の相違による可動体531の動作の相違(下部位置での停止時間や移動速度の相違)のみに基づくものであってもよいし、異なるキャラクタが登場するなど、可動体531の動作の相違を超えたものであってもよい。
【0243】
また、復活大当り発光パターンは、いわゆるレインボー発光パターンで、
図27(b)に示すように、可動体531の発光部、即ち「カッパ伝説」の文字が、所定方向(例えば左右方向)に流れる虹色で発光するようになっている。
図27(b)に示す復活大当り発光パターンと
図27(a)に示す通常大当り発光パターンは、共通の発光パターンデータを使用して同じ周期で実行されるようになっており、両者が異なるのは演出時間の長短に基づく繰り返し数のみである。なお、可動体531上のLEDだけでなく、それ以外の遊技盤505上、前枠504上のLEDについても同様のレインボー発光パターンで発光させてもよい。
【0244】
このように、通常大当り可動体演出と復活大当り可動体演出で同じ可動体531を用いて異なる演出を行うことにより、コストを削減しつつ演出効果を高めることが可能である。
【0245】
復活大当り可動体演出の終了後には、大当りを祝福する内容の復活大当り結果演出(
図26(c8))が行われる。
図26の例では、この復活大当り可動体演出の演出時間は2sで、通常大当り可動体演出の演出時間(最短8s)よりも短くなっている。
【0246】
なお以上説明したように、本実施形態の復活大当り結果表示では、時間調整のためのループ待機演出を、はずれ結果演出を実行した後、通常画面表示に切り替える前(ここでは背景復帰演出の前)に行うことで、時間調整を終えた後に復活大当り結果演出を実行するようになっている。これにより、ループ待機演出の時間が長くなっても、ボタン操作からはずれ結果演出への繋がりが損なわれず、また大当りとなることを報知する可動体演出から大当りとなることを祝福する結果演出への一連の流れは影響を受けないため、演出の爽快感を損なうことなく、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0247】
また本実施形態のSPリーチ後演出では、通常大当り結果表示と復活大当り結果表示の終了タイミングは同一であり、遊技者によるボタン操作のタイミングを同一とすると両者は演出時間も同一である。
【0248】
図28は本発明の第5の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、非当りリーチ演出の一例であるSPリーチ前演出の結果表示前演出において、最終停止図柄としてリーチ図柄及びその直前直後の図柄以外の図柄を用いた煽り演出を実行することにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成した例を示している。
【0249】
図28は、第4の実施形態の
図24に対応するものである。本実施形態のSPリーチ前演出では、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(
図28(a1)→(a2))、それまでのリーチ演出画像602dが煽り演出画像603dに変化する。煽り演出画像603dは、未だ変動中の第3番目(例えば中央)の図柄列が停止する前の最終段階の演出を行うものであり、
図28(a2)~(a3)の例では、リーチ図柄(ここでは「7」)との差が-2の第1停止図柄候補(ここでは「5」)を第1キャラクタが、リーチ図柄(ここでは「7」)との差が-3の第2停止図柄候補(ここでは「4」)を第2キャラクタが夫々ハンマーで繰り返し打撃し、どちらが先に停止図柄候補を破壊するかを競う内容となっている。
【0250】
このように、本実施形態のSPリーチ前演出における結果表示前演出では、最終停止図柄としてリーチ図柄(ここでは「7」)及びその直前直後の図柄(ここでは「6」,「8」)以外の図柄を用いた煽り演出を実行するようになっている。
【0251】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603dは静止状態となり(
図28(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603dの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603dから繋がる形で開始される。
【0252】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、第1停止図柄候補である「5」が破壊され(
図28(c1))、残った第2停止図柄候補である「4」で中図柄が停止する(
図28(c2))。その後、背景復帰演出(
図28(c3))を経て通常画面表示(
図28(c4))へ移行する。また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、第2停止図柄候補である「4」が破壊され(
図28(b1))、その後にSPリーチ後への発展を示す「発展」等の発展報知画像604dが表示される(
図28(b2))。
【0253】
このように、本実施形態のSPリーチ前演出における結果表示前演出では、最終停止図柄としてリーチ図柄及びその直前直後の図柄以外の図柄を用いた煽り演出を実行するため、その煽り演出の結果がどちらになっても遊技者が大当りと誤解することがなく、遊技者に無駄に失望感を抱かせることを防止できる。
【0254】
なお本実施形態においても、第4の実施形態と同様、「4を破壊すれば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を、煽り演出画像603dと並行して実行してもよい。
【0255】
図29は本発明の第6の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、非当りリーチ演出の一例であるSPリーチ前演出の結果表示前演出において、成功(勝ち)と失敗(負け)を含む複数種類の演出結果のうち、成功(勝ち)の演出結果を使用しないことにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成した例を示している。
【0256】
図29は、第4の実施形態の
図24に対応するものである。本実施形態のSPリーチ前演出では、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(
図29(a1)→(a2))、それまでのリーチ演出画像602eが煽り演出画像603eに変化する。
図29(a2)~(a3)の例では、煽り演出画像603eは、モンスター(敵)に倒されたカッパ(味方)が再び立ち上がろうとする内容となっている。
【0257】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603eは静止状態となり(
図29(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603eの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603eから繋がる形で開始される。
【0258】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、倒れたカッパは立ち上がることができず負け(失敗)となり(
図29(c1))、それに伴って中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止する(
図29(c2))。その後、背景復帰演出(
図29(c3))を経て通常画面表示(
図29(c4))へ移行する。
【0259】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、カッパが再び立ち上がり(
図29(b1))、その後にSPリーチ後への発展を示す「発展」等の発展報知画像604eが表示される(
図29(b2))。このように、本実施形態の発展演出では、カッパが立ち上がっただけでモンスターとの勝負に勝ったわけではないから、遊技者がこれを見て大当りと誤解することはなく、遊技者に無駄に失望感を抱かせることを防止できる。
【0260】
なお本実施形態においても、第4の実施形態と同様、「立ち上がることができれば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を、煽り演出画像603eと並行して実行してもよい。
【0261】
図30は本発明の第7の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、非当りリーチ演出の一例であるSPリーチ前演出の結果表示では、他のリーチ演出における大当り結果表示で行われる特定発光パターン(レインボー発光パターン)以外の発光パターンでLEDを発光させることにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成した例を示している。
【0262】
図30は、第4の実施形態の
図24に対応するものである。本実施形態のSPリーチ前演出では、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(
図30(a1)→(a2))、それまでのリーチ演出画像602fが煽り演出画像603fに変化する。
図30(a2)~(a3)の例では、煽り演出画像603fは、モンスター(敵)のキャラクタを大砲で攻撃する内容となっている。なお本実施形態では、「モンスターを倒せば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を煽り演出画像603fと並行して実行するようにはなっていないが、第4の実施形態と同様にそのような説明表示を表示するようにしてもよい。
【0263】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603fは静止状態となり(
図30(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603fの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603fから繋がる形で開始される。
【0264】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、モンスターへの攻撃が失敗に終わり(
図30(c1))、それに伴って中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止する(
図30(c2))。その後、背景復帰演出(
図30(c3))を経て通常画面表示(
図30(c4))へ移行する。
【0265】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、発展可動体演出(
図30(b1)~(b3))が行われる。この発展可動体演出では、可動体531が所定の発展動作パターンで動作し、画像表示手段522ではその可動体531の動作に対応する任意の画像演出(ここでは攻撃が成功してモンスターが倒れる内容)が行われるとともにSPリーチ後演出への発展を示す「発展」等の発展報知画像604fが表示され、また可動体531のLED571は所定の発展発光パターンで発光するようになっている。
【0266】
図30の例では、発展動作パターンは、可動体531が原点位置(上部位置)から画像表示手段522の前側の下部位置まで高速降下し(
図30(b1))、所定時間停止した後に低速で原点位置に復帰する(
図30(b2),(b3))ように構成されている。このように、発展動作パターンは、通常大当り動作パターン(
図26(b1)~(b3))と可動体531の動作内容は略同じで、演出時間が異なっている。この演出時間の相違分は、例えば下部位置での停止時間や移動速度(例えば原点位置への復帰速度)を異ならせることで調整されている。
【0267】
また、発展可動体演出の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容は、通常大当り可動体演出(
図26)の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容とは異なっている。また、発展発光パターンは、通常大当り発光パターン、即ちレインボー発光パターン(特定発光パターン)とは異なる発光パターン(発光させない場合を含む)となっている。
【0268】
このように本実施形態では、可動体531のLED571を通常大当り発光パターン(ここではレインボー発光パターン)とは異なる発展発光パターンで発光させるように構成されているため、通常大当り結果演出における通常大当り動作パターンと動作内容が略同じ発展動作パターンで可動体531を動作させているにも拘わらず、遊技者がこれを見て大当りと誤解することはなく、遊技者に無駄に失望感を抱かせることを防止できる。
【0269】
図31は本発明の第8の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を、結果表示前演出(煽り演出、タメ期間)よりも前から表示するように構成した例を示している。
【0270】
図31は、第4の実施形態の
図24に対応するものである。
図31に示すように、本実施形態のSPリーチ前演出では、最初に画像表示手段522上にリーチタイトル611が表示された後(
図31(a1))、「モンスターを倒せば発展」等の説明表示605が、所定時間(例えば2s程度)画面の略中央に大きく表示される(
図31(a2))。そして、その説明表示605が縮小されて画面の周辺部(例えば上部)に退避した後(
図31(a3))、キャラクタ等によるリーチ演出画像602b等によるリーチ演出が進行する。
【0271】
その後、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(
図31(a4))、説明表示605が引き続き表示された状態で、それまでのリーチ演出画像602bが煽り演出画像603bに変化する。
図31(a4)~(a5)の例では、
図24の場合と同様、煽り演出画像603bは、モンスター(敵)のキャラクタを大砲で攻撃する内容となっている。
【0272】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603bは静止状態となり(
図31(a5))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603bの静止状態が維持される。なお、このタメ期間中も説明表示605の表示は継続される。タメ期間が終了した後の結果表示期間の演出については第4の実施形態(
図24)と共通であるため、ここでは説明を省略する。
【0273】
以上説明したように、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示は、結果表示前演出(煽り演出、タメ期間)中だけでなく、それよりも前から表示するように構成してもよい。
【0274】
図32は本発明の第9の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、操作有効示唆演出中に操作対象画像を形成し、その操作対象画像の形成完了から所定時間経過後に操作有効期間を開始するように構成した例を示している。
【0275】
図32は、第4の実施形態の
図25,
図26に対応するものである。
図32に示すように、本実施形態のSPリーチ後演出では、リーチ映像表示期間終盤に操作有効示唆演出が開始される。本実施形態の操作有効示唆演出では、その演出期間(4s)が、ボタン形成期間(3s)と、そのボタン形成期間に続くボタン形成後待ち期間(1s)とで構成されている。ボタン形成期間は、演出ボタン514を示す操作対象画像606を形成する期間であって、
図32(a2)~(a4)に示すように、例えば画面上で操作対象画像606の透過率が100%から徐々に小さくなって次第に鮮明になり、ボタン形成期間の終了時点でその透過率が0%に達して操作対象画像606が完成する(
図32(a4))ようになっているが、このボタン形成の過程は任意である。ボタン形成後待ち期間は、操作対象画像606の形成完了から操作有効期間が開始されるまでの待ち時間で、操作対象画像606は形成完了時の表示状態が維持される。
【0276】
また、ボタン形成後待ち期間の後半にはゲージ形成後待ち期間(0.5s)が設けられている。このゲージ形成後待ち期間は、操作有効期間の進行状況を報知するための進行状況報知画像608を開始待ちの状態(例えばゲージが100%のまま停止している状態)で維持する期間で、ボタン形成後待ち期間が開始されてから第1時間(ここでは0.5s)経過後に開始され、その開始時点で進行状況報知画像608が画面上に表示される(
図32(a5))。
【0277】
ゲージ形成後待ち期間(及びボタン形成後待ち期間)は、ゲージ形成後待ち期間の開始から第2時間(ここでは0.5s)経過後に終了し、操作有効期間が開始される。操作有効期間が開始されると、操作態様を報知するための「PUSH!」の文字と矢印画像等よりなる操作態様報知画像607が表示される(
図32(a6))とともに進行状況報知画像608のゲージ変化が開始される(
図32(a6)~(a7))。
【0278】
以上説明したように、本実施形態では、操作有効示唆演出中における操作対象画像606の形成完了から所定時間経過後に操作有効期間を開始するように構成されており、しかも操作対象画像606の形成完了から第1時間(0.5s)経過後に進行状況報知画像608を開始待ちの状態で表示し、その進行状況報知画像608の表示開始から第2時間(0.5s)経過後に操作有効期間を開始するように構成されているため、その後の時間調整による演出の違和感を抑制すべく操作有効時間を短くしても、それによる遊技者の操作機会の逸失をより確実に防止できる。
【0279】
図33は本発明の第10の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、強リーチ演出(ここではSPリーチ後演出)における操作有効示唆演出の演出時間を、弱リーチ演出(ここではSリーチ演出)における操作有効示唆演出の演出時間よりも長くした例を示している。なお上述したとおり、強リーチ演出は、弱リーチ演出よりも特定態様となる期待度が高いリーチ演出である。
【0280】
図33(b)は、本実施形態のSPリーチ後演出(強リーチ演出の一例)における操作有効示唆演出及び操作有効期間に関するタイムチャートで、これは第4の実施形態(
図25)と同一である。また
図33(a)は、本実施形態のSリーチ演出(弱リーチ演出の一例)における操作有効示唆演出及び操作有効期間に関するタイムチャートである。第4の実施形態(
図23)では、Sリーチ演出の結果表示前演出はボタン演出ではなかったが、本実施形態のSリーチ演出(
図33(a))では、SPリーチ後演出と同様にボタン演出を実行するものとし、結果表示期間の前に操作有効示唆演出及び操作有効期間を設けている。
【0281】
図33(a),(b)より明らかなように、本実施形態では、SPリーチ後演出(強リーチ演出)における操作有効示唆演出の演出時間(ここでは4s)が、Sリーチ演出(弱リーチ演出)における操作有効示唆演出の演出時間(ここでは2s)よりも長くなっている。また、操作有効期間の開始から満了までの操作有効時間についてはSリーチ演出とSPリーチ後演出とで同一(共に3s)となっており、操作有効示唆演出と操作有効期間とを合わせた結果表示前演出の演出時間が、Sリーチ演出(弱リーチ演出)よりもSPリーチ後演出(強リーチ演出)の方が長くなっている。なお、SPリーチ後演出における操作有効示唆演出の演出時間(4s)は操作有効時間(3s)より長いのに対し、Sリーチ演出における操作有効示唆演出の演出時間(2s)は操作有効時間(3s)より短くなっている。
【0282】
このように本実施形態では、SPリーチ後演出(強リーチ演出)に関しては、第4の実施形態と同様、その後の時間調整による演出の違和感を抑制すべく操作有効時間(ここでは3s)をなるべく短くするとともに、それによる遊技者の操作機会の逸失を確実に防止すべく、操作有効時間(3s)よりも長い操作有効示唆演出(ここでは4s)を操作有効期間の直前に実行するようになっているが、Sリーチ演出(弱リーチ演出)に関しては、遊技者の操作機会の逸失よりもリーチ演出による演出効果を高めることを優先すべく操作有効示唆演出(ここでは2s)を操作有効時間(3s)よりも短くしている。
【0283】
図34は本発明の第11の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、結果表示前演出の前に、次のリーチ演出まで発展すること(又はその可能性が高いこと)を示す発展予告演出を実行可能とし、その発展予告演出が出現するか否かに応じて結果表示前演出の内容を異ならせるように構成した例を示している。
【0284】
図34は、第4の実施形態の
図23に対応するもので、当該図柄変動における通常変動中(リーチ状態となる前)に、SPリーチ後演出(次のリーチ演出の更に次のリーチ演出)まで発展すること(又はその可能性が高いこと)を示す発展予告演出が実行された場合の、Sリーチ演出における結果表示前演出の内容を示している。なお、発展予告演出が実行されない場合のSリーチ演出における結果表示前演出の内容は、第4の実施形態(
図23)と同様であるとする。
【0285】
図34の例では、当該図柄変動における通常変動中に、青信号を示す予告画像612が画面上に表示されている(発展予告演出)。この青信号の予告画像612は、当該図柄変動でSPリーチ後演出(所定のリーチ演出)まで発展することを示すもので、当該予告画像612が表示された場合にはその後に100%の確率でSPリーチ後演出まで発展するようになっている。
【0286】
そして、この予告画像612が表示された場合には、SPリーチ後演出に到達するまでのリーチ演出においては、予告画像612が表示されなかった場合(
図23)とは異なり、発展を前提とする内容の結果表示前演出が実行されるようになっている。即ち
図34(a3)~(a4)に示す煽り演出画像603gは、大当り演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄と同一の)第1停止図柄候補(ここでは「7」)と、はずれ演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄とは異なる)第2停止図柄候補(ここでは「6」)との両方に対してキャラクタが爆弾を仕掛けて点火する内容となっている。
【0287】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603gは静止状態となり(
図34(a4))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603gの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示が、一時停止していた煽り演出画像603gから繋がる形で開始される。この発展演出では、第1,第2停止図柄候補である「7」,「6」の両方が同時に爆破され(
図34(b1))、その後にSPリーチへの発展を示す「発展」等の発展報知画像604aが表示される(
図34(b2))。なお、発展結果表示の内容は、予告画像612が表示されなかった場合(
図23)と同一(即ち共通の演出データを使用)であってもよい。
【0288】
以上説明したように、所定の(次の)リーチ演出まで発展することを示す発展予告演出が出現するか否かに応じて、結果表示前演出の内容を異ならせることで、所定のリーチ演出まで発展することが明らかであるか否かに応じてより適切な結果表示前演出を実行することが可能となる。
【0289】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1~第3の実施形態と、第4~第11の実施形態とは、全く別の遊技機として具現化されているが、前者と後者とを適切に結合することによって同一の遊技機として具現化できることは言うまでもない。例えば、第1~第3の実施形態に係る遊技機上で、第4~第11の実施形態に係る遊技機と同様の演出を実行するように構成することが可能である。その際、
図3に示す可動体161を、
図19に示す「カッパ伝説」の装飾が施された可動体531と同様の構成に変更するなど、両遊技機を、それらの相違点に伴って適宜適合させればよい。
【0290】
第1~第3の実施形態では、大入賞口(第2入球口)137を開閉する開閉部材151をスライド式とした例を示したが、開閉部材151はスライド式に限られるものではなく、下部側の横軸廻りに揺動する形式、その他の任意の開閉部材を用いることが可能である。また、大入賞手段(第2入球手段)57の配置位置は任意であり、例えば遊技領域23の左右方向略中央における下部側に配置してもよい。同様に、始動ゲート手段54、第1始動入賞手段55、第2始動入賞手段56等の配置位置も任意である。
【0291】
第1~第3の実施形態の普通入賞手段(第1入球手段)53では、二つの普通入賞口(第1入球口)87a,87bに対して一つの遊技球検出手段97を配置した例を示したが、三つ以上の普通入賞口に対して一つの遊技球検出手段を配置してもよいし、普通入賞口毎に一つの遊技球検出手段を配置してもよい。
【0292】
第1~第3の実施形態では、普通入賞手段53を構成する後側部材83を後部装飾手段60と一体に設けた例を示したが、
図35に示すように、後側部材83を後部装飾手段60とは別に設けてもよい。また、第1~第3の実施形態では後部装飾手段60のLED基板99を後側部材83を避けて配置した例を示したが、
図36に示すように、後部装飾手段60のLED基板99を、その一部が後側部材83における入賞球通路93等の後側に位置するように配置してもよい。この場合、入賞球通路93とアウト球通路94を、前側部材82と同様、少なくとも一部、例えば全体が透明又は半透明となるように形成する方が、入賞球通路93とアウト球通路94と透明本体板45とを介して前側部材82を効果的に発光させることができる。
【0293】
第1~第3の実施形態はどのように組み合わせてもよい。例えば、第3の実施形態は第1の実施形態を一部変更する形で例示したが、第2の実施形態を一部変更して第3の実施形態のように構成してもよい。
【0294】
第6の実施形態(
図29)の変形例として、非当りリーチ演出の結果表示前演出で対戦型の演出を行い、引き分けと負けの何れかの演出結果となるように構成し、引き分けの場合に次のリーチ演出に発展させることにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成してもよい。
【0295】
第9の実施形態(
図32)では、操作対象画像606の形成完了(ボタン形成期間の終了)から第1時間(0.5s)経過後に進行状況報知画像608を表示するように構成した例を示したが、操作対象画像606の形成完了と略同時に進行状況報知画像608を表示し、その後のボタン形成後待ち期間は進行状況報知画像608を開始待ちの状態で表示するように構成してもよい。
【0296】
第10の実施形態(
図33)では、強リーチ演出の場合は操作有効示唆演出の演出時間が操作有効時間よりも長く、弱リーチ演出の場合は操作有効示唆演出の演出時間が操作有効時間よりも短くなるように設定した例を示したが、弱リーチ演出と強リーチ演出との何れかの場合に操作有効示唆演出の演出時間と操作有効時間とを略同じに設定してもよい。
【0297】
第11の実施形態(
図34)では、発展予告演出が出現した場合についても煽り、タメの結果表示前演出を実行するように構成したが、発展予告演出が出現した場合は煽り、タメの結果表示前演出を実行することなく発展結果表示を行うように構成してもよい。また、第11の実施形態(
図34)では発展予告演出を通常変動中に実行するように構成したが、発展予告演出をリーチ後(例えばNリーチ演出中)に実行するように構成してもよい。
【0298】
また第11の実施形態(
図34)では、当該図柄変動中に発展予告演出を実行する例を示したが、発展予告演出を、当該図柄変動(ターゲット変動)の開始前に実行する先読み演出として実行してもよい。この先読み演出は、上述した先読み連続演出と先読み保留変化演出のどちらでもよい。先読み連続演出を発展予告演出とする場合、ターゲット変動がSPリーチ変動パターンとなる旨の先読み判定結果が得られることを条件に、ターゲット変動までの複数回の演出図柄変動で「雪」の背景画像を使用することが考えられる。また先読み保留変化演出を発展予告演出とする場合、ターゲット変動がSPリーチ変動パターンとなる旨の先読み判定結果が得られることを条件に、そのターゲット変動に対応する保留表示画像を「●(赤丸)」等の特定画像とすることが考えられる。
【0299】
第5~第11の実施形態は、夫々第4の実施形態を一部変更したものとなっているが、第5~第11の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。また、第1~第11の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。
【0300】
また、本発明はパチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0301】
16 遊技盤
23 遊技領域
45 透明本体板
53 普通入賞手段(第1入球手段)
57 大入賞手段(第2入球手段)
82 前側部材
83 後側部材
87a 普通入賞口(第1入球口)
87b 普通入賞口(第1入球口)
92 傾斜案内部(第1傾斜案内部)
93 入賞球通路(球通路)
96 合流部
97 遊技球検出手段(第1検出手段)
132 大入賞ユニット(入球ユニット)
137 大入賞口(第2入球口)
140 傾斜案内部(第2傾斜案内部)
147 遊技球検出手段(第2検出手段)
151 開閉部材
538 演出図柄表示手段(図柄表示手段)
542 演出制御基板(演出制御手段)
564a 大当り判定手段(抽選手段)