IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社藤商事の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183468
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 326C
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096998
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088EA08
2C088EA10
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA50
2C333CA51
2C333CA77
(57)【要約】
【課題】遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制する。
【解決手段】リーチ演出に、弱リーチ演出と、この弱リーチ演出よりも後段階に出現可能な強リーチ演出とを設け、リーチはずれ変動パターンでは、最後のリーチ演出が弱リーチ演出の場合よりも強リーチ演出の場合の方が結果表示の時間が長くなるように構成する。また、前枠の背面側の電源操作部及びRAMクリア操作部を、前枠における左右方向の開閉端寄りの位置に配置し、前枠を外枠に対して第1開放状態まで開放したとき、電源操作部及びRAMクリア操作部が、外枠と前枠の間から視認可能となり、第1開放状態では、電源操作部及びRAMクリア操作部が外枠の前縁よりも前側に位置するとともに、発射ハンドルよりも前側に突出する突出部はその全体がヒンジ部よりも左右方向内側に位置するように構成する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に利益を付与するか否かを抽選する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて図柄を変動表示すると共に前記利益を付与する場合には前記図柄を特定態様で停止させる図柄表示手段と、
前記抽選結果に関する演出を、前記図柄表示手段による変動表示と共に、複数種類の変動パターンの何れかに従って実行させる演出制御手段と、
遊技島設備に固定可能な外枠と、
後部側を前記外枠内に挿入した状態で前記外枠の前側に配置される前枠と、
前記前枠の背面側に配置される電源操作部及びRAMクリア操作部と、
前記前枠の前面側に突設され且つ遊技球の発射操作が可能な発射ハンドルと、を備え、
前記複数種類の変動パターンは、前記図柄がリーチ状態となった後、一又は複数段階のリーチ演出を経て、最後のリーチ演出において結果表示を行うリーチ変動パターンを含み、
前記リーチ変動パターンは、前記リーチ演出の段階が進むにつれて前記特定態様となる信頼度が高くなるように構成し、
前記前枠は、前記外枠に対して、左右方向一端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着されるとともに、前記外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、前記前枠における左右方向他端側である開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により前記外枠に対して施錠可能であり、
前記前枠は前記発射ハンドルよりも前側に突出する突出部を有し、
前記RAMクリア操作部をONにした状態で、前記電源操作部を電源OFFから電源ONに切り替えることにより、RAMに保持されている電源OFF時の遊技情報を消去しつつ起動させることが可能な
遊技機において、
前記リーチ演出には、弱リーチ演出と、該弱リーチ演出よりも後段階に出現可能な強リーチ演出とがあり、
前記リーチ変動パターンのうち、前記図柄が前記特定態様とならないはずれ変動に対応するリーチはずれ変動パターンでは、前記最後のリーチ演出が前記弱リーチ演出の場合よりも前記強リーチ演出の場合の方が前記結果表示の時間が長くなるように構成し、
前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部を、前記前枠における左右方向の前記開閉端寄りの位置に配置し、
前記前枠を前記外枠に対して第1開放状態まで開放したとき、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が、前記外枠と前記前枠の間から視認可能となり、
前記第1開放状態では、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が前記外枠の前縁よりも前側に位置するとともに、前記突出部はその全体が前記ヒンジ部よりも左右方向内側に位置している
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機は、遊技者に利益を付与するか否かを抽選し、その抽選結果に基づいて図柄を変動表示すると共に利益を付与する場合には図柄を特定態様で停止させ、またその図柄変動中は、抽選結果に関する演出を複数種類の変動パターンの何れかに従って実行するように構成されている。
またこの種の遊技機は、遊技島設備に固定される外枠と、その外枠の前側に、左右方向一端側、例えば左端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着される前枠とを備えている。前枠は、外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により外枠に対して施錠可能となっている(例えば特許文献1)。
また、前枠の背面側には、電源操作部、RAMクリア操作部等の各種操作部や、エラー表示手段等の各種表示手段が配置されており、電源操作部及びRAMクリア操作部によるRAMクリア操作を行う場合や、エラー表示手段によりエラー内容を確認する場合には、遊技ホールの担当者が前枠を開放した上で作業を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-122649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では部材供給量の低下に伴って部品価格が上昇し、その結果、遊技機の価格高騰に繋がっている。そのような背景から、遊技機の価格を抑える為の対策が求められている。
遊技機の価格高騰に対する対策としては、遊技部品等のハード面はもちろん、演出を含むソフト面についてもリユースや他の機種への流用を進めることが考えられる。ここで、後者については、演出を流用しても遊技者に飽きられないよう、従来よりも演出効果をより高めておく必要がある。また、リユースを促進するためには、ホール関係者による管理作業を容易に行えるようにするなど、購買意欲を低下させない工夫を行うことも重要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、遊技者に利益を付与するか否かを抽選する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果に基づいて図柄を変動表示すると共に前記利益を付与する場合には前記図柄を特定態様で停止させる図柄表示手段と、前記抽選結果に関する演出を、前記図柄表示手段による変動表示と共に、複数種類の変動パターンの何れかに従って実行させる演出制御手段と、遊技島設備に固定可能な外枠と、後部側を前記外枠内に挿入した状態で前記外枠の前側に配置される前枠と、前記前枠の背面側に配置される電源操作部及びRAMクリア操作部と、前記前枠の前面側に突設され且つ遊技球の発射操作が可能な発射ハンドルと、を備え、前記複数種類の変動パターンは、前記図柄がリーチ状態となった後、一又は複数段階のリーチ演出を経て、最後のリーチ演出において結果表示を行うリーチ変動パターンを含み、前記リーチ変動パターンは、前記リーチ演出の段階が進むにつれて前記特定態様となる信頼度が高くなるように構成し、前記前枠は、前記外枠に対して、左右方向一端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着されるとともに、前記外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、前記前枠における左右方向他端側である開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により前記外枠に対して施錠可能であり、前記前枠は前記発射ハンドルよりも前側に突出する突出部を有し、前記RAMクリア操作部をONにした状態で、前記電源操作部を電源OFFから電源ONに切り替えることにより、RAMに保持されている電源OFF時の遊技情報を消去しつつ起動させることが可能な遊技機において、前記リーチ演出には、弱リーチ演出と、該弱リーチ演出よりも後段階に出現可能な強リーチ演出とがあり、前記リーチ変動パターンのうち、前記図柄が前記特定態様とならないはずれ変動に対応するリーチはずれ変動パターンでは、前記最後のリーチ演出が前記弱リーチ演出の場合よりも前記強リーチ演出の場合の方が前記結果表示の時間が長くなるように構成し、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部を、前記前枠における左右方向の前記開閉端寄りの位置に配置し、前記前枠を前記外枠に対して第1開放状態まで開放したとき、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が、前記外枠と前記前枠の間から視認可能となり、前記第1開放状態では、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が前記外枠の前縁よりも前側に位置するとともに、前記突出部はその全体が前記ヒンジ部よりも左右方向内側に位置しているものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機の価格高騰をより適切に抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
図2】同パチンコ機の分解斜視図である。
図3】同パチンコ機の側面図である。
図4】同パチンコ機の下部前面ユニットの平面図である。
図5】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図6】同パチンコ機の背面図である。
図7】同パチンコ機の側面断面図である。
図8】同パチンコ機の下部側の背面図である。
図9】同パチンコ機の下部側の側面断面図である。
図10】同パチンコ機の平面断面図である。
図11】同パチンコ機の通常状態及び3種類の有利状態の設定内容を示す図である。
図12】同パチンコ機の大当り/時短抽選における大当り判定乱数値と大当り/時短判定値との関係を示す図である。
図13】同パチンコ機の第1,第2特別図柄変動に関し、(a)は大当り態様の種類、振分率、特別利益状態、移行先の有利状態、有利状態終了条件を示し、(b)は時短態様の種類、振分率、移行先の有利状態、有利状態終了条件を示す図である。
図14】同パチンコ機における遊技状態の移行に関する説明図である。
図15】同パチンコ機における払出制御に関連する複数種類のエラーについて、その概要、エラー表示方法及びエラー解除方法を示す図である。
図16】同パチンコ機の音量設定テーブルを示す図である。
図17】同パチンコ機における前枠の第1開放状態を示す平面図である。
図18】同パチンコ機における前枠の第2開放状態を示す平面図である。
図19】同パチンコ機における前枠の第3開放状態を示す平面図である。
図20】同パチンコ機における前枠の第4開放状態を示す平面図である。
図21】同パチンコ機における前枠の第5開放状態を示す平面図である。
図22】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の背面図である。
図23】同パチンコ機の平面断面図である。
図24】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の電源基板ケースの要部斜視図である。
図25】同パチンコ機の電源基板ケースの要部側面断面図である。
図26】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
図27】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
図28】同パチンコ機の変動パターン選択テーブルを示す図である。
図29】同パチンコ機の変動パターンの概略構成を示す図である。
図30】同パチンコ機のSリーチ演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図31】同パチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図32】同パチンコ機のSPリーチ後演出(はずれの場合)のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図33】同パチンコ機のSPリーチ後演出(大当りの場合)のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図34】同パチンコ機の通常/復活大当り可動体演出におけるレインボー発光パターンの説明図である。
図35】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図36】本発明の第6の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図37】本発明の第7の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図38】本発明の第8の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ前演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図39】本発明の第9の実施形態に係るパチンコ機のSPリーチ後演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
図40】本発明の第10の実施形態に係るパチンコ機のSリーチ演出及びSPリーチ後演出のタイムチャートを示す図である。
図41】本発明の第11の実施形態に係るパチンコ機のSリーチ演出のタイムチャート及び演出内容を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図21は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、遊技ホール内に設置された遊技島設備に固定可能な外枠2と、後部側を外枠2内に挿入した状態で外枠2の前側に配置される前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側(ここでは左端側)に配置された縦軸の第1ヒンジ(ヒンジ部)4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向他端側である開閉端側(ここでは右端側)に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。なお本実施形態では、外枠2に対する前枠3の第1ヒンジ4廻りの開放角度(回転角度)については、閉状態を基準(0°)とし、開放方向(即ち平面視における時計廻り)をプラス方向とする。
【0009】
前枠3は、内枠6と、その内枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側(ここでは左端側)に配置された縦軸の第2ヒンジ8を介して内枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって内枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、本実施形態では第2ヒンジ8と第1ヒンジ4とを同軸としている。
【0010】
施錠手段5は、前枠3の開閉端側(右端側)近傍における上下方向所定位置、例えば下部側に前向きに配置された鍵穴5aを備えており、この鍵穴5aに専用鍵を差し込み、左右方向の一方側(例えば右側)に回転させることによって外枠2に対する前枠3の施錠状態が解除され、左右方向の他方側(例えば左側)に回転させることによって内枠6に対するガラス扉7の施錠状態が解除されるようになっている。
【0011】
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。本実施形態では、上下の横枠材2c,2dは木製で、左右の縦枠材2a,2bは金属製(導電性部材)となっている。外枠2の前側下部には、合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に内枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0012】
内枠6は合成樹脂製で、図2に示すように、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また内枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が左下部に夫々配置されている。
【0013】
ガラス扉7は、内枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、枠第1可動体26、枠第2可動体27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
【0014】
扉ベース22の上部前面側には、図1等に示すように、ガラス窓24に対するヒンジ端側(左側)を覆う左装飾カバー部29aと、ガラス窓24に対する開閉端側(右側)を覆う右装飾カバー部29bと、ガラス窓24に対する上部側を覆う上装飾カバー部29cとが設けられている。左装飾カバー部29aと右装飾カバー部29bとを比較すると、図2図3等に示すように、開閉端側の右装飾カバー部29bの方がヒンジ端側の左装飾カバー部29aよりも前側への突出量が大きく、また右装飾カバー部29bについては下部側よりも上部側の方が前側への突出量が大きくなっている。また、上装飾カバー部29cの前側への突出量は、右装飾カバー部29bの上部側の突出量と同程度となっている。
【0015】
枠第1可動体26は、上装飾カバー部29cの前面側で且つ左右方向略中央に配置されており、所定形状、ここでは蝶をモチーフとする立体的形状に形成されている。この枠第1可動体26は、図外の駆動手段の駆動により、原点位置とそれよりも前側の突出位置との間で略前後方向のスライド移動が可能であり、通常時は図3に示す原点位置に保持されている。枠第2可動体27は、右装飾カバー部29bの前面側で且つ上下方向略中央に配置されており、図3等に示すように、右装飾カバー部29bから前向きに突設される突設部27aと、この突設部27aの前端側に設けられた操作部27bとを備えている。この枠第2可動体27は、図外の駆動手段の駆動により前後方向へのスライド移動が可能であると共に、遊技者による押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、遊技者が枠第2可動体27を操作するタイミングで、その枠第2可動体27に触れている遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
【0016】
扉ベース22の下部前側には、下部前面ユニット31が配置されている。この下部前面ユニット31には、図1図4に示すように、内枠6の後側に配置された払い出し手段32から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿33、この上皿33が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿34等が配置される他、上面側には、演出ボタン35、十字キー36、音量調整操作部37、光量調整操作部38、その他の各種操作手段が配置されている。なお、下部前面ユニット31は、前向きの突出量が左右方向の中央部から両端側にかけて徐々に小さくなっており、最も突出量が大きい左右方向中央部に対応して演出ボタン35が配置されている。また、下部前面ユニット31に対する開閉端側(右側)には、発射手段17により遊技球を発射させるための発射操作が可能な発射ハンドル39が前向きに突設されている。
【0017】
なお、枠第1可動体26、枠第2可動体27及び下部前面ユニット31については、それらの前向きの最大突出量が発射ハンドル39の突出量よりも大となっている(図3等)。また、装飾カバー部29a~29cについては、右装飾カバー部29bの上部側及び上装飾カバー部29cにおける前向き突出量が発射ハンドル39の突出量よりも大であり、右装飾カバー部29bの下部側及び左装飾カバー部29aにおける前向き突出量は発射ハンドル39の突出量よりも小となっている(図3等)。
【0018】
扉ベース22の背面側には、図2に示すように、窓孔24aを後側から略塞ぐガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが左下部に夫々配置されている。
【0019】
また、下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿33内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿33が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿34に案内するためのもので、球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0020】
遊技盤16は、図5に示すように、ポリカーボネート等よりなるベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、大入賞ユニット49、普通入賞ユニット50等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。
【0021】
遊技盤16の複数のユニット部品47~50上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な盤可動体67aを備えた盤可動演出手段67等が配置されている。
【0022】
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の前側に対応する表示窓47aが略中央に形成されるとともに、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、表示窓47aの左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、表示窓47aの下側で装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
【0023】
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0024】
なお、中央表示枠ユニット47上には、普通図柄表示手段81、普通保留個数表示手段82、第1特別図柄表示手段83、第2特別図柄表示手段84等の各種表示手段が設けられている。もちろん、それら表示手段81~84は中央表示枠ユニット47上に限らず、遊技盤16の前側の任意の位置に前側から視認可能な状態で配置可能である。
【0025】
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。大入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の右側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット50は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
【0026】
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段81による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
【0027】
普通図柄表示手段81は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数(ここでは2個)のLEDで構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLEDが普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0028】
普通図柄が当り態様となる確率(当り確率)には、低確率(ここでは100/251)と高確率(ここでは250/251)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。また、普通図柄の変動時間には、通常(非短縮)変動時間(ここでは5秒)とそれよりも短い短縮変動時間(ここでは4.9秒)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。
【0029】
また、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄の変動が可能になる毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段82等によって遊技者に報知される。
【0030】
第1特別図柄始動手段62は、第1特別図柄表示手段83による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0031】
第2特別図柄始動手段63は、第2特別図柄表示手段84による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段81の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉部78が所定時間開放するようになっている。
【0032】
なお、この普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間には、通常(非延長)開放時間(ここでは80ms)とそれよりも長い延長開放時間(ここでは4000ms)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。
【0033】
この第2特別図柄始動手段63は、中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0034】
第1特別図柄表示手段83は、第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することに基づいて第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、予め定められた時短判定値と一致する場合(時短抽選で当選した場合)には時短態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0035】
本実施形態では、図13(a)に示すように第1特別図柄表示手段83の大当り態様としてA1,A2の2種類が設けられており、大当り抽選結果が大当りの場合に、それら大当り態様A1,A2の何れかが、第1特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは6:4)で選択されるようになっている。また図13(b)に示すように、第1特別図柄表示手段83の時短態様としてB1,B2の2種類が設けられており、時短抽選で当選した場合に、それら時短態様B1,B2の何れかが、第1特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは1:9)で選択されるようになっている。
【0036】
第1特別図柄表示手段83の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類(A1,A2の何れか)に応じて特別利益状態が発生し、その特別利益状態の終了後に所定の有利状態(ここでは第2,第3有利状態の何れか)に移行する(図13(a))。また、第1特別図柄表示手段83の変動後の停止図柄が時短態様となった場合には、特別利益状態が発生することなく、その時点で、時短態様の種類(B1,B2の何れか)に応じて所定の有利状態(ここでは第1,第2有利状態の何れか)に移行する(図13(b))。
【0037】
第2特別図柄表示手段84は、第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することに基づいて第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、予め定められた時短判定値と一致する場合(時短抽選で当選した場合)には時短態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0038】
本実施形態では、図13(a)に示すように、第2特別図柄表示手段84の大当り態様として、第1特別図柄表示手段83と同じくA1,A2の2種類が設けられており、大当り抽選結果が大当りの場合に、それら大当り態様A1,A2の何れかが、第2特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは6:4)で選択されるようになっている。また図13(b)に示すように、第2特別図柄表示手段84の時短態様として、第1特別図柄表示手段83と同じくB1,B2の2種類が設けられており、時短抽選で当選した場合に、それら時短態様B1,B2の何れかが、第2特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは1:9)で選択されるようになっている。
【0039】
第2特別図柄表示手段84の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類(A1,A2の何れか)に応じて特別利益状態が発生し、その特別利益状態の終了後に所定の有利状態(ここでは第2,第3有利状態の何れか)に移行する(図13(a))。また、第2特別図柄表示手段84の変動後の停止図柄が時短態様となった場合には、特別利益状態が発生することなく、その時点で、時短態様の種類(B1,B2の何れか)に応じて所定の有利状態(第1,第2有利状態の何れか)に移行する(図13(b))。
【0040】
なお、時短抽選は通常状態中にのみ行われるが(図11)、後述するように本実施形態の場合には通常状態中に第2特別図柄表示手段84が変動することは殆どないため、実際上は第2特別図柄表示手段84に関して時短抽選が行われることは殆どない。
【0041】
図12は、第1,第2特別図柄表示手段83,84の大当り/時短抽選における大当り判定乱数値と大当り/時短判定値との関係を示したものである。図12に示すように、大当り判定乱数値は0~65535の範囲で生成され、そのうち、大当り確率が高確率の場合には10001~12048の範囲が大当り判定値となるが、低確率の場合にはそれよりも狭い10001~10205の範囲が大当り判定値となる。このように、第1,第2特別図柄が大当り態様となる確率(大当り確率)については、低確率(ここでは1/319)と高確率(ここでは1/32)とに切り替え可能となっている。大当り確率は、後述する第3有利状態中は高確率に、それ以外の通常状態中及び第1,第2有利状態中は低確率に夫々設定される(図11)。
【0042】
また図12に示すように、後述する通常状態中に限り、20001~22184の範囲が時短判定値となり(当選確率≒1/30)、有利状態中については時短判定値は設定されない。即ち、時短抽選は通常状態中にのみ行われ、有利状態中には行われない。或いは、有利状態中については、時短抽選が行われないのではなく、時短抽選における当選確率が0に設定されると言い換えることもできる。以上のように本実施形態では、大当り抽選と時短抽選は共通の乱数値を用いて行われる。
【0043】
また本実施形態では、通常状態及び複数種類の有利状態について図11のように設定されている。即ち、通常状態では、第1,第2特別図柄の大当り確率が低確率(1/319)に、普通図柄の当り確率が低確率(100/251)に、普通図柄の変動時間が通常(非短縮)変動時間(5秒)に、第2特別図柄始動手段63の開放時間が通常(非延長)開放時間(80ms)に夫々設定される。
【0044】
また、その通常状態に対し、普通図柄の変動時間を短縮変動時間(4.9秒)に変更したのが第1有利状態であり、更にその第1有利状態に対し、第2特別図柄始動手段63の開放時間を延長開放時間(4000ms)に変更したのが第2有利状態であり、更にその第2有利状態に対し、第1,第2特別図柄の大当り確率を高確率(1/32)に、普通図柄の当り確率を高確率(250/251)に夫々変更したのが第3有利状態である。そして上述したように、時短抽選は通常状態中にのみ行われ、第1~第3有利状態中には行われない。なお、普通図柄の変動時間については、通常(非短縮)変動時間(5秒)と短縮変動時間(4.9秒)の差は僅かであり、遊技者がその違いを見分けることは困難である。従って、通常状態と第1有利状態は、時短抽選を行うか否かが異なる以外は実質的に同じであると言える。
【0045】
また図11より明らかなように、通常状態中及び第1有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が僅か(80ms)であるため、遊技者が普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って遊技球を発射し、普通利益状態を発生させたとしても第2特別図柄始動手段63に入賞させることは困難である。従って遊技者は、通常状態中及び第1有利状態中については、遊技状態が変化しても入賞困難性が変化しない第1特別図柄始動手段62を狙っていわゆる左打ちをすることが望ましい。
【0046】
一方、第2,第3有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が長くなって(4000ms)入賞が容易となるため、遊技者は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙っていわゆる右打ちをすることが望ましい。これにより、通常状態中及び第1有利状態中は主として第1特別図柄表示手段83が変動し、第2,第3有利状態中は主として第2特別図柄表示手段84が変動することになる。このように、通常状態中に第2特別図柄表示手段84が変動することは殆どないため、第2特別図柄表示手段84の変動に関して時短抽選が行われることも殆どない。なお、第2特別図柄表示手段84に関しては遊技状態に拘わらず時短抽選を行わないようにしてもよい。
【0047】
また、第1,第2特別図柄表示手段83,84による第1,第2特別図柄の変動時には、これと並行して液晶表示手段66上で演出図柄88による図柄変動表示が行われる。演出図柄88は、図5に示すように、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部88aと、この図柄本体部88aに付随するキャラクタその他の装飾部88bとの結合で構成されている。なお演出図柄88は、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部88bの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0048】
演出図柄88は、第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が、抽選により決定された態様となるように第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄88では、有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外が時短演出態様又ははずれ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が大当り態様、時短態様、はずれ態様となる場合、演出図柄88は夫々大当り演出態様、時短演出態様、はずれ演出態様となる。
【0049】
また、第1,第2特別図柄始動手段62,63への入賞時に取得された第1,第2特別乱数情報は、夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶され、第1,第2特別図柄の変動が可能になった時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
【0050】
保留記憶されている第1,第2特別乱数情報の個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。液晶表示手段66には、図5に示すように、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zを表示可能となっている。即ち、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段83,84による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
【0051】
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、大入賞ユニット49に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段83,84の第1,第2特別図柄が変動後に大当り態様で停止した場合に発生する特別利益状態において、開閉板79が一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0052】
特別利益状態における大入賞手段64の開放パターンは、大入賞手段64を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を3R,10R等の所定ラウンド数行うように構成されており、本実施形態では、第1,第2特別図柄の何れが大当り態様となった場合でも、その大当り態様の種類(A1,A2)に拘わらず10R開放パターンが選択されるようになっている(図13(a))。
【0053】
また、遊技領域23内には、普通入賞ユニット50等に複数の普通入賞手段65が配置されている。普通入賞手段65は、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段で、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えており、遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0054】
なお、上述した第1,第2特別図柄始動手段62,63、大入賞手段64、普通入賞手段65等の入賞手段に入賞した遊技球は、夫々遊技球検出スイッチにより検出された後、遊技盤16の裏側を経て遊技機外に排出される。また、何れの入賞手段にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域23内に配置されている一又は複数のアウト口90から遊技盤16の裏側を経て遊技機外に排出される。
【0055】
また図7等に示すように、遊技盤16の裏側には、大入賞手段64等の入賞手段やアウト口90等を覆う裏装着体91が配置されている。この裏装着体91は、裏取付台92と集球ケース93とで構成されている。裏取付台92には、その背壁92a側で且つ中央表示枠ユニット47の表示窓47aの後方に対応する位置に液晶表示手段66が着脱自在に装着され、また遊技盤16のベース板45と背壁92aとの間には盤可動演出手段67(図5)が配置されている。
【0056】
集球ケース93は、大入賞手段64等の入賞手段に入賞し、或いはアウト口90を通過して遊技盤16の裏側に案内されてきた遊技球を受けて下流側に排出するためのもので、図7に示すように裏取付台92の下部側を覆うように配置され、その底壁93aの所定位置、例えば左右方向略中央における前部側に、集球した遊技球を下側に排出する排出口94が形成されている。
【0057】
また裏装着体91の背面側には、図7図8等に示すように、主制御基板ケース102、演出基板ケース106等が着脱自在に装着されている。主制御基板ケース102は、裏装着体91の下部側、即ち集球ケース93の後側に配置されており、その内部には、主制御基板101が、主要電子部品が装着される第1面101aを後側に向けた状態で収容されている。演出基板ケース106は、液晶表示手段66の後側に対応して主制御基板ケース102の上側に配置されており、その内部には、演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104及び液晶制御基板105が、何れも主要電子部品が装着される第1面103a,104a,105aを後側に向けた状態で収容されている。
【0058】
主制御基板101は、前枠3の左右方向中央を挟んで開閉端側とヒンジ端側とに跨がる横長略矩形状で、図6図8図9等に示すように、第1面101aにおける下部側で且つ開閉端側、即ち背面視における左下部(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)にRAMクリアスイッチ107が配置されている。RAMクリアスイッチ(RAMクリア操作部)107は、電源投入時にRAMクリアを行う場合に操作するもので、主制御基板ケース102の外側から押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。なお、前枠3が閉状態のとき、RAMクリアスイッチ107は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0059】
また演出インターフェース基板103には、図6に示すように、第1面103a側の所定位置、例えば前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置に、音量設定つまみ108が配置されている。音量設定つまみ108は、ホール担当者が音量に関する選択操作を行うためのもので、複数段階(ここではホール設定値T0~T9に対応する10段階)に切り換え可能なロータリースイッチにより構成されており、演出基板ケース106の外側から回転操作可能となっている。なお、前枠3が閉状態のとき、音量設定つまみ108は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0060】
また前枠3の裏側には、図6図7等に示すように遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う背面カバー110が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク111及び第1タンクレール112aが、左右一側に第2タンクレール112b、払い出し手段32及び払出通路113が夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞手段に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク111内の遊技球を第1,第2タンクレール112a,112b経由で払い出し手段32により払い出し、その遊技球を払出通路113経由で上皿33に案内するようになっている。
【0061】
背面カバー110は、透明な合成樹脂製で、左右方向一端側、例えば右端側(背面視では左端側)に縦軸のヒンジ114が、左右方向他端側、例えば左端側(背面視では右端側)には、閉状態で固定するための一又は複数のラッチ手段115が夫々配置されており、閉状態では、演出基板ケース106の略全体と主制御基板ケース102の上部側の一部分とを後側から覆うようになっている。主制御基板101に設けられたRAMクリアスイッチ107は、背面カバー110の外側(下側)に配置されており、背面カバー110を閉じたままで操作可能となっている。また、演出インターフェース基板103に設けられた音量設定つまみ108は背面カバー110の内側に配置されているが、背面カバー110には、音量設定つまみ108の後側に対応して開口部110aが形成されており、この開口部110aにドライバー等の工具を差し込むことにより、背面カバー110を閉じたままでも音量設定つまみ108を操作することが可能となっている。もちろん、背面カバー110を開放した状態であれば工具を使用することなく音量設定つまみ108を操作可能である。
【0062】
また図6図10に示すように、前枠3の裏側下部、即ち下部装着部15の裏側には基板装着台121が配置されており、この基板装着台121の背面側に、電源ユニット122を構成する部品群の一つである電源基板123を収容する電源基板ケース124、払出発射制御基板125を収容する払出発射基板ケース126が夫々着脱自在に装着されている。なお、基板装着台121の前面側には、遊技盤16の裏側に案内された遊技球を機外に排出するための球排出通路127が例えば一体に設けられている。球排出通路127は、上流端側の流入口127aが集球ケース93側の排出口94に対して下側から連通し、下流端側の流出口127bが、基板装着台121の下端部前側で下向きに開口している。
【0063】
電源基板ケース124と払出発射基板ケース126は、前後に重なった状態で、主制御基板ケース102の下側近傍に配置されており、電源基板ケース124が基板装着台121の背面側に着脱自在に装着され、その電源基板ケース124の背面側に払出発射基板ケース126が着脱自在に装着されている。なお、払出発射基板ケース126は電源基板ケース124ではなく基板装着台121等に固定してもよい。
【0064】
電源基板123は、バックアップ電源を有しておらず、また電源がOFFになった際の電源異常信号に関する判断及び出力の機能を有していないなど、遊技の結果に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を一切有しておらず、その他の各基板及び部品等へ電源を供給又は停止する機能のみを有している。このように、電源基板123は、電源ユニット122を構成する部品群のうちの一部品に過ぎないため、会社名、基板番号等よりなる基板識別情報を刻印する必要がなく、従ってグループ会社等の間で共通に使用することが可能である。
【0065】
なお、バックアップ電源については、電源基板123と主制御基板101との間を中継する中継基板や払出発射制御基板125等に設けることが可能であるが、主制御基板101には設けることはできない。主制御基板101単体で遊技状態に関する情報をバックアップ可能にすると、不正行為が容易になる可能性があるためである。電源異常信号に関する判断及び出力を行う機能については、中継基板、払出発射制御基板125等の他、主制御基板101に設けることも可能である。
【0066】
電源基板123は、前枠3の左右方向中央を挟んで開閉端側とヒンジ端側とに跨がる横長略矩形状で、主要電子部品が装着される第1面123aを後側に向けた状態で電源基板ケース124に収容されており、その第1面123aにおける上部側で且つ前枠3における開閉端側、即ち背面視における左上部(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に、電源スイッチ128が電源基板ケース124の外側から操作可能な状態で配置されている。
【0067】
電源スイッチ(電源操作部)128は、電源のON/OFF操作を行うためのもので、図6図8図10に示すように、電源ON部128aと電源OFF部128bとを有するとともに電源ON部128aを押し込んだときには電源OFF部128bが突出し(電源ON状態)、電源OFF部128bを押し込んだときには電源ON部128aが突出する(電源OFF状態)、いわゆるロッカースイッチ(シーソースイッチ)により構成されており、電源OFF部128bに対して電源ON部128aが下側となるように配置されている。これにより、遊技球等の落下物が電源スイッチ128に衝突したとしても、それによって電源がOFFになってしまう可能性を極力小さくできる。なお、前枠3が閉状態のとき、電源スイッチ128は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0068】
また、電源基板123の第1面123aにおける電源スイッチ128の近傍、例えば下側には、電源ハーネス129を接続するための電源コネクタ130が、電源基板ケース124から後向きに露出している。電源ハーネス129は、電源基板123を外部電源(24V)に接続するためのもので、図6図10に示すように、一端側に電源プラグ129aが設けられ、他端側の接続コネクタ129bが電源基板123の電源コネクタ130に接続されている。
【0069】
電源ハーネス129は、電源基板123との接続部(電源基板123の背面視における左端部)から前枠3の背面側におけるヒンジ端側上部まで、前枠3の背面側で所定の配線経路131に沿って案内されている。この配線経路131は、電源基板ケース124の下側に沿って左右方向に配設される第1配線経路131aと、前枠3のヒンジ端側に沿って上下方向に配設される第2配線経路131bとを備えている。電源ハーネス129は、第1配線経路131aについては第1案内手段132により案内され、第2配線経路131bについては第2案内手段133により案内されている。
【0070】
第1案内手段132は、電源基板ケース124の下縁側に沿って左右方向に所定間隔を空けて配置される複数(ここでは4個)の係止具132a~132dにより構成されている。係止具132a~132dは、電源ハーネス129を係止可能なフック状、その他の任意の形状に形成されており、基板装着台121の背面側に一体に形成され、或いは基板装着台121に対して着脱自在に装着されている。電源ハーネス129は、この第1案内手段132により、球排出通路127の流出口127bを避けつつ電源基板ケース124の下側に沿って左右方向に案内されている(第1配線経路131a)。
【0071】
第2案内手段133は、前枠3のヒンジ端側縁部に沿って上下方向に所定間隔を空けて配置される複数(ここでは5個)の係止具133a~133eにより構成されている。係止具133a~133eは、電源ハーネス129を係止可能なフック状、その他の任意の形状に形成されており、内枠6を構成する枠部13の背面側に一体に形成され、或いは枠部13に対して着脱自在に装着されている。電源ハーネス129は、この第2案内手段133により、外枠2におけるヒンジ側の縦枠材2aの内面側に沿って上下方向に案内され(第2配線経路131b)、最上部の係止具133eにより構成される引き出し部134から上向きに引き出されている。これにより、前枠3を開いたときに電源ハーネス129が外枠2と前枠3との間に挟まれることがなく、前枠3の開閉動作をスムーズに行うことが可能となる。なお、第2案内手段133を構成する複数(5個)の係止具133a~133eのうち、最下部の係止具133aは主制御基板101よりも下側に配置され、最上部の係止具133eは演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側に配置されている。
【0072】
以上のように、電源ハーネス129は、第2配線経路131bにおいて、外枠2を構成する金属製(導電性)の縦枠材2aに沿って配置されるとともに、主制御基板ケース102等を覆う背面カバー110の外側(ヒンジ側)に配置されており、またその背面カバー110と第2配線経路131bとの間には第2タンクレール112b、払い出し手段32、払出通路113等が配置されることによって一定の距離が保たれているため、電源ハーネス129からのノイズによる主制御基板101等への悪影響を排除することが可能となっている。
【0073】
また、第1配線経路131aについても、CPUを搭載した複数の制御基板の間、例えば主制御基板101と払出発射制御基板125との間に配線されることなく、それら制御基板よりも下側に配置されている。即ち、電源ハーネス129の配線経路131は、CPUを搭載した複数の制御基板の間に配設されることなく、即ち第1配線経路131aは全ての制御基板よりも下側に、第2配線経路131bは全ての制御基板よりもヒンジ端側に配設されることにより、電源基板123との接続部から前枠3の背面側におけるヒンジ部側上部の引き出し部134に至るように配置されているため、電源ハーネス129からのノイズによる各制御基板への悪影響を効果的に排除することが可能となっている。
【0074】
また、電源ハーネス129は背面カバー110の外側に配設されると共に、主制御基板101はもちろん、演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側の引き出し部134から引き出されているため、電源ハーネス129が各制御基板に当接又は近接してしまうこともない。
【0075】
払出発射基板ケース126は、上述したように電源基板ケース124の後側に配置されているが、図6図8図10に示すように、電源スイッチ128の後側に重ならないように、背面視における左端側(前枠3における開閉端側)が、電源基板ケース124に対して背面視における右側(前枠3におけるヒンジ端側)に若干ずれた状態で配置されている。なお、払出発射制御基板125及び払出発射基板ケース126は、電源基板123及び電源基板ケース124よりも左右方向に短いため、払出発射基板ケース126を装着した状態でも、電源基板123及び電源基板ケース124の左端側(背面視における右端側)の一部が後側から視認可能となっている。
【0076】
また払出発射制御基板125の第1面125aには、前枠3における開閉端側、即ち背面視における左端側(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に、エラー表示手段141とエラー解除ボタン(エラー解除操作部)142とが配置されている。なお、前枠3が閉状態のとき、エラー表示手段141及びエラー解除ボタン142は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0077】
エラー表示手段141は、複数種類のエラー状態の何れかが発生した場合にその種類を報知するためのもので、複数(ここでは3個)の第1~第3LED141a~141cで構成されている。このエラー表示手段141では、球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー、球計数スイッチエラーの3種類のエラー状態を報知対象としており、球計数スイッチ断線エラーの場合には第1LED141aを、払出不足エラーの場合には第2LED141bを、球計数スイッチエラーの場合には第3LED141cを、夫々点灯させるようになっている(図15)。もちろん、エラー表示手段141は7セグLED等で構成してもよい。なお、各エラー状態の内容等については後述する。
【0078】
エラー表示手段141の点灯態様とエラー状態との対応関係については、払出発射基板ケース126に貼付されたエラー報知情報シール143に表示されている。エラー報知情報シール143は、図8等に示すように、払出発射基板ケース126の背面側で且つ背面視における左端側(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に貼付されている。なお、前枠3が閉状態のとき、エラー報知情報シール143は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0079】
エラー解除ボタン142は、特定のエラー状態を解除する場合に操作するもので、払出発射基板ケース126の外側から押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。本実施形態では、上述した払出不足エラー、球計数スイッチエラーを解除するためのエラー解除条件(特定エラー解除条件)に、エラー解除ボタン142の操作が含まれている(図15)。エラー解除条件の詳細については後述する。
【0080】
以上のように、前枠3の背面側には、RAMクリアスイッチ107、電源スイッチ128、エラー解除ボタン142、音量設定つまみ108等の操作手段や、エラー表示手段141、エラー報知情報シール143等の表示手段が配置されている。以下、これら前枠3の背面側に配置された操作手段、表示手段に関連する事項について説明する。
【0081】
<RAMクリア処理について>
本パチンコ機では、主制御基板101が遊技進行を統括的に制御するようになっており、遊技状況を示す各種遊技情報は、主制御基板101に設けられるRAMの所定領域に記憶される。そして、遊技ホールの営業終了や停電等によって電源の供給が停止した場合(電源OFF時)には、バックアップ電源からの給電により、RAMの記憶内容は一定時間保持されるようになっている。その後、RAMクリアスイッチ107がOFFのままで電源の供給が再開された場合(電源ON時)には、RAMに保持されている遊技情報に基づいて、電源供給停止(電源OFF)直前の遊技状態から遊技が再開される(バックアップ復帰)。
【0082】
これに対し、RAMクリアスイッチ107をONにした状態で、電源スイッチ128をOFFからONに切り替えた場合には(以下、RAMクリア起動操作という)、RAMの所定領域が強制的にクリアされ、電源供給停止(電源OFF)直前の遊技状態に拘わらず初期状態から遊技が開始される。
【0083】
このように、ホール担当者がRAMクリア起動操作を行う場合には、施錠手段5を解除して前枠3を開放し、RAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とを同時に操作する必要がある。
【0084】
<払出制御に関連するエラーとその解除方法について>
図15は、払出制御に関連する複数種類のエラーについて、その概要、エラー表示方法及びエラー解除方法を示したものである。球詰まりエラーは、下皿34に球が詰まった場合のエラーで、液晶表示手段66によりエラー表示が行われ、下皿34の球を抜くことによってエラーが解除される。補給切れエラーは、遊技球タンク111内の遊技球が不足した場合のエラーで、液晶表示手段66によりエラー表示が行われ、遊技球タンク111に遊技球を補給することによってエラーが解除される。
【0085】
球計数スイッチ断線エラーは、球計数スイッチが断線した場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第1LED141aが点灯することによりエラー表示が行われ、球計数スイッチを正常な状態に戻すことによってエラーが解除される。なお、球計数スイッチ(図示省略)は、払い出し手段32から払い出された遊技球の個数を計数するためのもので、払い出し手段32の下流側に配置されている(図示省略)。
【0086】
払出不足エラーは、払出不足個数(払い出すべき個数に対して実際に払い出された個数の不足分)が所定個数(例えば2個)以上の払い出し動作が所定時間(例えば300000.4ms≒5分間)内に所定回数(例えば2回)発生した場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第2LED141bが点灯することによりエラー表示が行われ、エラー解除ボタン142が操作されてONとなることによって払い出し手段32の払い出しモータがイニシャライズされ、それによって正常動作が確認された場合(エラー解除ボタン142が操作されることを含む特定エラー解除条件を満たす場合)にエラーが解除される。
【0087】
球計数スイッチエラーは、払い出し手段32の払い出しモータ未作動時における検出個数及び過剰払い出し時の検出個数が所定個数(例えば25個)となった場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第3LED141cが点灯することによりエラー表示が行われ、エラー解除ボタン142が操作されてONとなることによって払い出し手段32の払い出しモータがイニシャライズされ、それによって正常動作が確認された場合(エラー解除ボタン142が操作されることを含む特定エラー解除条件を満たす場合)にエラーが解除される。
【0088】
このように、球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー、球計数スイッチエラーの発生に関してホール担当者が確認を行う場合には、施錠手段5を解除して前枠3を開放し、エラー表示手段141の点灯状態を見て判断する必要がある。なお、エラー表示手段141の点灯状態とエラーの種類との関係は、エラー表示手段141の近傍に配置されたエラー報知情報シール143により確認可能である。また、エラー表示手段141によって払出不足エラー、球計数スイッチエラーの何れかであることが確認された場合、ホール担当者は、前枠3を開放したままエラー解除ボタン142を操作することによってエラーを解除することが可能である。
【0089】
<音量調整操作について>
本パチンコ機では、前枠3の裏側に配置された音量設定つまみ108の設定と、前枠3の前側に配置された音量調整操作部37による音量調整操作とに基づいて、音量を複数段階、例えばV0(無音)からV7(最大音量)までの8段階の何れかに設定可能となっている。
【0090】
図16は、音量設定つまみ108によるT0~T9の10段階の設定と、音量調整操作部37によるM1~M5の5段階の設定とに対応する音量の一例を示している。音量設定つまみ108の設定がT0~T3の何れかである場合、音量は夫々V0~V3に固定され、音量調整操作部37による音量調整はできないようになっている。また、音量設定つまみ108の設定がT4~T9の何れかである場合、音量調整操作部37による音量調整可能範囲は何れもV3~V7で共通であるが、初期設定値が異なっている。特に音量設定つまみ108による設定がT4~T7の範囲では、初期設定値が夫々V4~V7となっている。これにより、音量設定つまみ108の設定がT0~T7の範囲では、その設定段階が高いほど音量の初期設定値が高くなる。
【0091】
このように本パチンコ機では、音量をV0~V3の何れかに固定したい場合や、遊技者による音量調整を許容しつつ初期設定値をV3~V7の何れかに設定したい場合、ホール担当者は施錠手段5を解除して前枠3を開放した上で、背面カバー110を開放して、或いは背面カバー110を閉じたまま開口部110aからドライバー等の工具を挿入することによって音量設定つまみ108を回転操作する必要がある。
【0092】
以上説明したように、ホール担当者がRAMクリア起動操作を行う場合、所定エラーの確認とその解除操作を行う場合、遊技ホール側の音量設定を行う場合などは、前枠3を開放してその背面側で所定の操作を行い、或いは所定箇所の表示内容を視認する必要がある。一方、本パチンコ機のように、前枠3に前側に大きく突出する部分(枠第1可動体26、枠第2可動体27、下部前面ユニット31等)を備えている場合には、前枠3を大きく開放するとその突出部分が隣の遊技機に接触して破損してしまう可能性があるため、RAMクリア起動操作等の作業を行う場合であっても前枠3を大きく開放することはできない。
【0093】
その点、本パチンコ機では、前枠3を隣の遊技機に接触しない程度に開放した状態でも前枠3の裏側での作業を効率的に行うことが可能となっている。以下、対象とする作業毎に最低限必要な前枠3の開放状態(開放角度)について説明する。なお、以下の説明では、発射ハンドル39よりも前側に突出する部分(枠第1可動体26、枠第2可動体27、下部前面ユニット31等)を「突出部」とし、それ以外の部分(非突出部)と区別する。前枠3を開放する場合には隣の遊技機との位置関係が問題となるが、発射ハンドル39よりも突出量が小さい非突出部については、前枠3を大きく開放した場合でも、隣の遊技機の発射ハンドル、その他の部分との接触が問題となることは殆どないからである。
【0094】
<RAMクリア起動操作を行う場合の前枠3の開放状態>
RAMクリア起動操作は、上述したようにRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とを同時に操作することにより行われる。本実施形態では、それらRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128は、何れも前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されており、しかも両者は片手で同時に操作できる程度に互いに接近した位置に配置されている。即ち図8図9等に示すように、RAMクリアスイッチ107が設けられる主制御基板101と、電源スイッチ128が設けられる電源基板123とは上下に隣接して配置されており、しかもRAMクリアスイッチ107は主制御基板101の背面視における左下部に、電源スイッチ128は電源基板123の背面視における左上部に設けられている。
【0095】
また、RAMクリア起動操作が可能となるのは、前枠3を閉状態から徐々に開放し、図17に示すようにRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とが共に外枠2の前縁よりも前側に達することにより、外枠2と前枠3との間からそれらを視認可能且つ操作可能となったときである(第1開放状態)。図17に示す第1開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図17に示す第1開放状態では、前枠3の開放角度は約21度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約21度で鋭角となっている。真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度が90度を超えて鈍角になる等、隣の遊技機に接触する程度まで前枠3を開放した場合、鍵穴5aから専用鍵を抜き取る際には隣の遊技機に接触しないよう配慮する必要があるが、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度が鋭角であれば、そのような配慮をすることなく鍵穴5aから専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0096】
<エラー解除操作を行う場合の前枠3の開放状態>
払出不足エラー又は球計数スイッチエラーが発生した場合に、それらを解除するにはエラー解除ボタン142を操作する必要がある(図15)。本実施形態では、エラー解除ボタン142は前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されている(図8図10等)。そして、前枠3を徐々に開放し、図18に示すようにエラー解除ボタン142が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー解除ボタン142は外枠2と前枠3との間から視認可能且つ操作可能となる(第2開放状態)。図18に示す第2開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図18に示す第2開放状態では、前枠3の開放角度は約22.3度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約22.3度で鋭角であるから、上述したように隣の遊技機に接触しないよう配慮することなく鍵穴5aから専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0097】
<エラーの確認を行う場合の前枠3の開放状態>
球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー又は球計数スイッチエラーが発生した場合には、エラー表示手段141によりエラーの種類を確認することができる(図15)。また、エラー表示手段141の点灯態様とエラー状態との対応関係については、払出発射基板ケース126に貼付されたエラー報知情報シール143により確認することができる。本実施形態では、エラー表示手段141、エラー報知情報シール143の何れも前枠3の背面側における開閉端寄りの位置に配置されている(図8図10等)。
【0098】
そして、前枠3を徐々に開放し、図19に示すようにエラー表示手段141が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー表示手段141は外枠2と前枠3との間から視認可能となる(第3開放状態)。またそこから更に前枠3を開放し、図20に示すようにエラー報知情報シール143の略全体が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー報知情報シール143は外枠2と前枠3との間から視認可能となる(第4開放状態)。
【0099】
図19図20に示す第3,第4開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図19に示す第3開放状態では、前枠3の開放角度は約22.7度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約22.7度で鋭角であり、また図20に示す第4開放状態では、前枠3の開放角度は約30.2度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約30.2度で鋭角であるから、何れの場合も、解錠のために鍵穴5aに差し込んだ専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0100】
<遊技ホール側の音量設定を行う場合の前枠3の開放状態>
遊技ホール側の音量設定値であるT0~T9を変更するには音量設定つまみ108を操作する必要がある。本実施形態では、音量設定つまみ108は前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されている(図6等)。そして、前枠3を徐々に開放し、図21に示すように音量設定つまみ108の後方への延長線が平面視で外枠2よりも左右方向外側に達したとき、背面カバー110を閉じたまま、開口部110aから工具を挿入して音量設定つまみ108を容易に操作可能な状態となる(第5開放状態)。図21に示す第5開放状態では、突出部(ここでは枠第1可動体26)は第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図21に示す第5開放状態では、前枠3の開放角度は約32度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約32度で鋭角であるから、解錠のために鍵穴5aに差し込んだ専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0101】
以上のように、本実施形態では第1~第5開放状態の開放角度が何れも45度未満となっている。前枠3の開放角度が45度未満であれば、本パチンコ機の場合はもちろん、突出部の形状が異なる遊技機であっても、隣の遊技機に接触する可能性は極めて低い。従って、遊技ホール関係者は、前枠3を開放してRAMクリア起動操作その他の作業を行う場合には、前枠3の開放角度を必要最小限(第1~第5開放状態)にするか、最大でも45度を超えないように配慮するだけで、隣の遊技機との接触を防止することが可能である。
【0102】
続いて、本パチンコ機の遊技進行について具体的に説明する。上述したように、本パチンコ機では、遊技状態として通常状態と第1~第3有利状態とが設けられている(図11)。通常状態では、第1,第2特別図柄の大当り確率が低確率(1/319)に、普通図柄の当り確率が低確率(100/251)に、普通図柄の変動時間が通常(非短縮)変動時間(5秒)に、第2特別図柄始動手段63の開放時間が通常(非延長)開放時間(80ms)に夫々設定される。また、時短抽選はこの通常状態中にのみ行われ、有利状態中には行われない。
【0103】
その通常状態に対し、第1有利状態は、普通図柄の変動時間が短縮変動時間(4.9秒)に設定され、時短抽選は行われないという点のみが異なっている。またその第1有利状態に対し、第2有利状態は、第2特別図柄始動手段63の開放時間が延長開放時間(4000ms)に設定される点のみが異なっている。更にその第2有利状態に対し、第3有利状態は、第1,第2特別図柄の大当り確率が高確率(1/32)に、普通図柄の当り確率が高確率(250/251)に夫々設定される点のみが異なっている。なお、普通図柄の変動時間については、通常(非短縮)変動時間(5秒)と短縮変動時間(4.9秒)の差は僅かであり、遊技者がその違いを見分けることは困難である。従って、通常状態と第1遊技状態とは、時短抽選を行うか否かという点以外は実質的に同じであると言える。
【0104】
また本パチンコ機では、通常状態が初期状態となっているため、RAMクリア時(RAMクリア起動操作が行われた場合)はこの通常状態から遊技が開始される(図14)。この通常状態では、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が僅か(80ms)であるため、遊技者が普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って遊技球を発射し、普通利益状態を発生させたとしても第2特別図柄始動手段63に入賞させることは困難である。従って遊技者は、この通常状態中については、第1特別図柄始動手段62を狙っていわゆる左打ちをすることが望ましい。これにより、通常状態中は、第1,第2特別図柄のうち、主に第1特別図柄が変動する。
【0105】
この通常状態中は、第1特別図柄始動手段62への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選と併せて時短抽選(当選確率約1/30)が行われる(図12)。時短抽選で当選すると、第1特別図柄は時短態様B1,B2の何れかで停止する(図13(b))。そして、第1特別図柄が時短態様B1となった場合(振分率10/100)にはその時点で第2有利状態に移行し(図14のS1)、その後、第1,第2特別図柄の変動回数が第1所定回数(ここでは100回)に達した時点で通常状態に復帰する(図14のS2)。
【0106】
一方、第1特別図柄が時短態様B2となった場合(振分率90/100)にはその時点で第1有利状態に移行する(図14のS3)。この第1有利状態は、第1,第2特別図柄の変動回数が第2所定回数(ここでは10000回)に達するまで継続するが(図13(b))、それまでには第1特別図柄が大当りとなる可能性が高いから(大当り確率1/319)、この変動回数の制限によって第1有利状態が終了する可能性は極めて低い。なお、上述したようにこの第1有利状態は、実質的には時短抽選が行われないだけの通常状態である。
【0107】
以上のように、RAMクリア時には通常状態で遊技が開始され、当選確率約1/30の時短抽選が行われ、これに当選した場合には、振分率10/100で第2有利状態に移行し、振分率90/100で第1有利状態(時短抽選を行わない実質的な通常状態)に移行する。このように本パチンコ機では、RAMクリア時には、当選確率1/30の時短抽選を行い、その当選時には振分率10/100で第2有利状態に移行するという特別な利益を遊技者に付与することができる。これにより、遊技ホール側がRAMクリアして営業を開始することで、意図的に遊技者に対して時短抽選が行われる通常状態で遊技を開始させることができる。なお、電断時には、通常状態ではなく第1有利状態となっている可能性が高いことから、遊技ホール側がRAMクリアすることなく営業を開始した場合の多くは第1有利状態で遊技が開始され、遊技者は上述の特別な利益を享受することはできない。
【0108】
通常状態中、時短抽選で当選するよりも前に第1特別図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類に応じて、特別利益状態が発生するとともに、その終了後に所定の有利状態に移行する(図13(a))。本実施形態では、特別利益状態については大当り態様の種類に拘わらず10R開放パターンで大入賞手段64が開放される。そしてその後の移行先(有利状態)は、大当り態様A1(振分率60/100)の場合には第3有利状態(図14のS4)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合には第2有利状態(図14のS5)となっている。
【0109】
また、通常状態から移行した第1有利状態中については、時短抽選が行われない点を除いて通常状態中と同様に遊技が進行する。そして、第1特別図柄が大当り態様となった場合には、通常状態中と同様、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は第3有利状態に(図14のS6)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は第2有利状態に(図14のS7)夫々移行する。
【0110】
第2,第3有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が長くなって(4000ms)入賞が容易となるため(図11)、遊技者は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙っていわゆる右打ちをすることが望ましい。従ってこの第2,第3有利状態中は、第1,第2特別図柄のうち、主に第2特別図柄が変動する。
【0111】
なお、第1特別図柄が大当り態様A2となって第2有利状態に移行した場合は、時短抽選に当選して第2有利状態に移行した場合と同じく、第1,第2特別図柄の変動回数が第1所定回数(ここでは100回)に達した時点で通常状態に復帰する(図13(a))。一方、第1特別図柄が大当り態様A1となって第3有利状態に移行した場合は、第1,第2特別図柄の変動回数が第3所定回数(ここでは10000回)に達するまで継続するが(図13(a))、それまでには第2特別図柄が大当りとなる可能性が極めて高いから(大当り確率1/32)、この変動回数の制限によって第3有利状態が終了する可能性は極めて低い。
【0112】
第2有利状態中は、第2特別図柄始動手段63への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選が行われる(図11)。そして、第2特別図柄が大当り態様になることなく第1,第2特別図柄の変動回数が100回に達した場合には通常状態に移行し(図14のS2)、上述したRAMクリア時と同様、第1特別図柄始動手段62への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選と併せて時短抽選(当選確率約1/30)が行われる(図11)。このように本実施形態では、図柄変動回数の制限(100回)によって第2有利状態を抜けた場合についても、RAMクリア時と同様、当選確率1/30の時短抽選を行い、その当選時には振分率10/100で第2有利状態に移行するという特別な利益が遊技者に付与される。
【0113】
一方、第2有利状態中に第2特別図柄が大当り態様となった場合には、第1特別図柄が大当り態様となった場合と同様、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は第3有利状態に移行し(図14のS8)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は再び図柄変動100回を限度とする第2有利状態が開始される(図14のS9)。
【0114】
また第3有利状態中は、第2特別図柄始動手段63への遊技球の入賞に基づいて、高確率(1/32)での大当り抽選が行われる(図11)。そして、第3有利状態中に第2特別図柄が大当り態様となった場合には、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は再び第3有利状態が開始され(図14のS10)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は第2有利状態に移行する(図14のS11)。
【0115】
このように本実施形態では、通常状態(初期状態)と複数種類の有利状態とを設け、通常状態中は時短抽選を実行し、それ以外の有利状態中は時短抽選を実行せず、複数種類の有利状態は、時短抽選を行うか否かという点を除いて実質的に通常状態と大差ない第1有利状態(特定有利状態)を含み、時短抽選に当選した場合には、所定の振分率で第1有利状態とその他の有利状態との何れかに移行するように構成されているため、RAMクリア起動操作を行った場合(即ち通常状態から遊技を開始する場合)に、バックアップ復帰の場合(即ち第1有利状態等、通常状態以外で遊技を開始する場合)と比べて特別な利益を遊技者に付与することができる。このように、遊技ホールが営業開始前に各遊技機に対してRAMクリアを行うか否かによって、営業開始時に時短抽選が行われる通常状態の可能性があるという期待感を遊技者に提供できる。本パチンコ機では、RAMクリア操作に関連する部材について上述のような構成を採用しているため、起動時のRAMクリア操作による遊技者への期待感付与の作業を効率的に行うことができる。
【0116】
図22図23は本出願の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、電源ハーネス129を第2配線経路131bに沿って案内するための第2案内手段133′を導電性部材で形成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは第2案内手段133′(第1の実施形態では第2案内手段133)のみである。
【0117】
本実施形態の第2案内手段133′は、図22に示すように。外枠2におけるヒンジ側の縦枠材2aと、前枠3における第1タンクレール112a、払い出し手段32及び払出通路113との間に上下方向に配置されており、その下端側は主制御基板101よりも下側に、上端側は演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側に夫々位置している。この第2案内手段133′は、図23に示すように、板金(導電性部材)を曲げ加工することにより、左右一対の側壁133a′,133b′と背壁133c′とで前側が開放する断面略コの字型に形成され、前側を塞ぐように内枠6の背面側に着脱自在に装着されており、その内部に電源ハーネス129が挿通され、電源ハーネス129の先端側、即ち電源プラグ129a側がこの第2案内手段133′の上端側の引き出し部134から上向きに引き出されている。
【0118】
このように、電源プラグ129aを収容している第2案内手段133′は導電性で、その上端側の引き出し部134を含めて、主制御基板ケース102等を覆う背面カバー110の外側(ヒンジ側)に配置されており、またその背面カバー110と第2案内手段133′との間には第2タンクレール112b、払い出し手段32、払出通路113等が配置されることによって一定の距離が保たれているため、電源ハーネス129からのノイズによる主制御基板101等への悪影響を排除することが可能となっている。なお本実施形態では、第2案内手段133′だけでなく、第2配線経路131bに沿う外枠2の縦枠材2aについても導電性部材で構成しているが、外枠2の縦枠材2aについては導電性部材でなくてもよい。
【0119】
図24図25は本出願の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、電源スイッチ128の周囲に、電源スイッチ128の最大高さよりも高い周壁を設けた例を示している。
【0120】
本実施形態の電源基板ケース124には、図24図25に示すように、背面124a側に凹部151が形成されており、その凹部151内に電源スイッチ128が配置されている。この凹部151は、周壁152により周囲(上下左右)を取り囲まれることによって形成されている。なお、この周壁152の高さ(後端側の位置)は、電源スイッチ128における最大高さ(最後部の位置)と略同じかそれよりも大(後方)となっている。
【0121】
これにより、例えば前枠3の背面側の各部を手探りで探すような場合でも誤って電源スイッチ128を操作してしまう事態を防止できる。また、遊技球等の落下物が電源スイッチ128に衝突してON/OFFしてしまう可能性を極力排除できる。なお、周壁152は、電源スイッチ128の周囲の一部分、例えば上側と左右両側にのみ設けてもよい。
【0122】
続いて、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて詳述する。図26図34は本発明をパチンコ機に採用した第4の実施形態を例示している。図26において、遊技機本体501は、矩形状の外枠502と、この外枠502の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ503により開閉自在に枢着された前枠504とを備えている。前枠504の前側には、遊技盤505等が上部側に、遊技盤505の前側の遊技領域505aに向けて遊技球を発射する発射手段506等が下部側にそれぞれ配置され、また遊技盤505等の前側に対応してガラス扉507が、発射手段506等の前側に対応して前面板508がそれぞれヒンジ503と同じ側のヒンジ509により開閉自在に枢支されている。なお、ガラス扉507と前面板508は一体的に開閉可能な構成としてもよい。
【0123】
前面板508の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段506に供給する上皿510が上部側に配置され、またその上皿510の下側には、例えば上皿510が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿511が左端側に、発射手段506を作動させるための発射ハンドル512が右端側に夫々設けられている。更に、例えば上皿510等を前側から覆う上皿カバー513上には、遊技者が押下操作可能な演出ボタン(所定操作手段)514等が設けられている。
【0124】
遊技盤505の前面側には、発射手段506から発射された遊技球を案内するガイドレール515が環状に装着されると共に、そのガイドレール515の内側の遊技領域505aに、センターケース517、普通図柄始動手段518、特別図柄始動手段519、大入賞手段520、普通入賞手段521等の各種遊技部品が配置されている。
【0125】
センターケース517は、例えば遊技領域505aの略中央に配置されており、液晶式等の画像表示手段522に対応する略矩形状の表示窓523を備え、その表示窓523を取り囲む装飾枠524上に、普通図柄表示手段525、特別図柄表示手段526、普通保留個数表示手段527、第1特別保留個数表示手段528等の各種表示手段の他、ステージ529、可動演出手段530等が設けられている。
【0126】
ステージ529は、画像表示手段522の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース517の側部、例えば左側に設けられたワープ入口529aに流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
【0127】
可動演出手段530は、可動体531と、この可動体531を移動可能に支持する可動体案内手段532と、可動体531を駆動する駆動手段533とを備えている。可動体531には、任意の装飾体(ここでは当該遊技機のタイトルである「カッパ伝説」の文字)が例えば立体的に形成されており、後側(又は内部)に配置されたLED571が点灯することによって所定部位(ここでは「カッパ伝説」の文字部分)が任意色で発光するようになっている。
【0128】
可動体案内手段532は、可動体531を画像表示手段522の表示画面522aの前面側に沿って所定方向、例えば上下方向に移動可能な状態で支持するもので、画像表示手段522の表示画面522aの左右両側に沿って上下方向に配置された一対の案内レール534を備え、それら各案内レール534によって可動体531の左右両端部が上下方向移動可能に支持されている。この可動体案内手段532により、可動体531は、画像表示手段522の上側の上部位置と、画像表示手段522の前側の下部位置との間で上下方向に移動可能であり、通常時は原点位置である上部位置に保持されている。
【0129】
駆動手段533は、例えばステッピングモータで構成され、装飾枠524の後側に配置されており、図示しないベルト等を介して可動体531を所定の動作パターンに従って上下方向に移動させることが可能となっている。
【0130】
普通図柄始動手段518は、普通図柄表示手段525による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、センターケース517の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
【0131】
普通図柄表示手段525は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、普通図柄始動手段518が遊技球を検出することに基づいてそれら複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段518による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合にははずれ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。
【0132】
普通図柄始動手段518による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄表示手段525による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は普通保留個数表示手段527等によって遊技者に報知される。
【0133】
特別図柄始動手段519は、特別図柄表示手段526による図柄変動を開始させるためのもので、例えば上下2つの始動入賞手段519a,519bと、下始動入賞手段519bを開閉する開閉手段536と、始動入賞手段519a,519bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えばセンターケース517の下側に配置されている。上始動入賞手段519aは開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段で、ステージ529の中央落下部の真下に上向き開口状に配置されている。下始動入賞手段519bは、開閉手段536により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、上始動入賞手段519aの下側に配置されており、普通図柄表示手段525の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段536が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0134】
特別図柄表示手段526は、特別図柄を変動表示するためのもので、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段519が遊技球を検出した場合(図柄始動条件が成立した場合)、即ち上下2つの始動入賞手段519a,519bの何れかに遊技球が入賞した場合に特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段519a,519bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には所定の大当り態様で、一致しない場合には例えばはずれ態様で停止するようになっている。特別図柄には、大当り態様及びはずれ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
【0135】
特別図柄始動手段519への遊技球入賞時に取得された特別乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別図柄表示手段526による図柄変動が開始される毎に順次消化される。特別乱数情報の記憶個数(特別保留個数)は、第1特別保留個数表示手段528等によって遊技者に報知される。
【0136】
大入賞手段520は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板537を備えた開閉式入賞手段で、例えば特別図柄始動手段519の下側に配置されており、特別図柄表示手段526の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合に発生する特別利益状態において、開閉板537が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0137】
また画像表示手段522は、演出図柄表示手段538、第2特別保留個数表示手段539等を構成している。演出図柄表示手段(図柄表示手段)538は、特別図柄表示手段526による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄(図柄)Pを変動表示するものである。演出図柄Pは、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(図26の例では左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部Paと、この図柄本体部Paに付随するキャラクタその他の装飾部Pbとの結合で構成されている。なお演出図柄Pは、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部Pbの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0138】
演出図柄Pは、特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄Pでは、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様(特定態様)、それ以外がはずれ演出態様となっており、特別図柄が大当り態様、はずれ態様となる場合には演出図柄Pは大当り演出態様、はずれ演出態様となる。
【0139】
また演出図柄Pの変動パターンは、3つの図柄列が夫々変動する通常変動で始まり、その通常変動で「2↓2」、「7↓7」等のリーチ状態が成立した場合には、一又は複数段階のリーチ演出を経て最終停止するように構成されており、通常変動からリーチ演出に発展して大当り演出態様又ははずれ演出態様となるのがリーチ変動パターン、通常変動からリーチ演出に発展することなくはずれ演出態様となるのが通常変動パターンである。
【0140】
リーチ変動パターンにおける各リーチ演出では、画像表示手段522等による任意の映像演出が行われるとともに、大当り演出態様/はずれ演出態様の何れかで変動停止するか、次段階のリーチ演出に発展するかを示す結果表示が行われるようになっている。
【0141】
本実施形態では、図29に示すように、「Nリーチ演出」、「Sリーチ演出」、「SPリーチ前演出」、「SPリーチ後演出」の4段階のリーチ演出が設けられている。Nリーチ演出では、大当り演出態様となる可能性は極めて低く、殆どの場合、はずれ演出態様で停止するか、次のSリーチ演出に発展するように制御される。また、SPリーチ前演出は、SPリーチ演出の前半部分を構成するもので、ここで大当り演出態様となって終了する場合はなく、はずれ演出態様で停止するか、次のSPリーチ後演出に発展するように制御される。SPリーチ後演出は、最終段階のリーチ演出であって次のリーチ演出に発展することはなく、大当り演出態様/はずれ演出態様の何れかで終了するように制御される。
【0142】
本実施形態では、図28(b)に示すように、大当り演出態様で最終停止するリーチ大当り変動パターンとして、Nリーチ演出まで発展して終了するNリーチ大当り変動パターン、Sリーチ演出まで発展して終了するSリーチ大当り変動パターン、SPリーチ後演出まで発展して終了するSPリーチ大当り変動パターンの3種類が設けられており、更にSPリーチ大当り変動パターンとしては、SPリーチ演出の異なるSPリーチ1~3大当り変動パターンの3種類が設けられている。なお上述したように、SPリーチ前演出で大当り演出態様となる場合はないから、SPリーチ1~3大当り変動パターンでは必ずSPリーチ後演出まで発展する。
【0143】
また本実施形態では、図28(a)に示すように、はずれ演出態様で最終停止するはずれ変動パターンとして、リーチ演出に発展することなく終了する通常変動パターン、Nリーチ演出まで発展して終了するNリーチはずれ変動パターン、Sリーチ演出まで発展して終了するSリーチはずれ変動パターン、SPリーチ前演出まで発展して終了するSPリーチ前はずれ変動パターン、SPリーチ後演出まで発展して終了するSPリーチ後はずれ変動パターンの5種類が設けられている。また、通常変動パターンは変動時間が15s(s=秒、以下同じ)、10s、5s、3sの4種類設けられ、Nリーチはずれ変動パターンは、最終停止図柄とリーチ図柄との差が-3,-2,-1,+1の4種類設けられ、SPリーチ前はずれ変動パターンとSPリーチ後はずれ変動パターンは、SPリーチ演出の異なる各3種類設けられている。
【0144】
第2特別保留個数表示手段539は、特別保留個数を報知するためのもので、特別保留個数分(最大4個)の保留表示画像Q4~Q1と、変動中の演出図柄Pに対応する変動中保留画像Q0とを表示画面522aの所定位置、例えば下部側に表示可能となっている。第2特別保留個数表示手段539は、特別図柄始動手段519への遊技球の入賞によって特別保留個数が増加した場合には、保留表示画像Q1~を待ち行列の最後尾(例えば左端側)に1個追加表示し、特別図柄の新たな変動が開始して特別保留個数が減少した場合には、例えば変動中保留画像Q0を消去すると共に、保留表示画像Q1~を待ち行列の前側(例えば右側)に向けて1個分ずつシフトし、押し出された先頭の保留表示画像Q1を新たな変動中保留画像Q0に変化させるようになっている。
【0145】
図27は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図27において、541は主制御基板、542は演出制御基板で、これら各制御基板541,542は、遊技盤505の裏側の適宜箇所に、基板ケースに格納された状態で着脱自在に装着されている。なお、図27のブロック図では、主制御基板541、演出制御基板542以外の基板については省略している。
【0146】
主制御基板541は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段551、普通始動口チェック処理手段552、普通乱数記憶手段553、普通図柄処理手段554、普通図柄表示制御手段555、普通保留個数表示制御手段556、普通利益状態発生手段557、特別乱数作成処理手段561、特別始動口チェック処理手段562、特別乱数記憶手段563、特別図柄処理手段564、特別図柄表示制御手段565、第1特別保留個数表示制御手段566、特別利益状態発生手段567、特別遊技状態発生手段568、制御コマンド送信手段569等を備えている。
【0147】
普通乱数作成処理手段551は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる当り判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段552は、普通図柄始動手段518による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段518が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段551で作成された当り判定乱数値等の普通乱数情報を1個取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段553に記憶させるように構成されている。
【0148】
普通図柄処理手段554は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当り判定手段554a、普通停止図柄選択手段554b、変動時間選択手段554c等を備えている。当り判定手段554aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当り態様とするか否か、即ち普通利益状態を発生させるか否かの抽選を行うもので、普通図柄表示手段525が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段553に1以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段553に記憶されている普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/はずれの判定を行うように構成されている。
【0149】
普通停止図柄選択手段554bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当り態様とはずれ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当り判定機能による当り/はずれの判定結果に基づいて、当り判定の場合には「○」が、はずれ判定の場合には「×」が画一的に選択される。また、変動時間選択手段554cは普通図柄の変動時間を選択するものである。
【0150】
普通図柄表示制御手段555は、普通図柄処理手段554による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段525の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段525が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段553に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段525による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段554cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段554bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0151】
普通保留個数表示制御手段556は、普通保留個数表示手段527の表示制御を行うもので、普通図柄始動手段518による遊技球の検出、及び普通図柄表示手段525による普通図柄の変動に基づいて、普通保留個数表示手段527により普通保留個数情報を表示させるようになっている。
【0152】
普通利益状態発生手段557は、当り判定手段554aによる判定結果が当り判定となることに基づいて普通図柄表示手段525の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、特別図柄始動手段519を構成する下特別始動口519bの開閉手段536を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
【0153】
特別乱数作成処理手段561は、大当り/はずれの判定に用いる大当り判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0154】
特別始動口チェック処理手段562は、特別図柄始動手段519への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、始動入賞手段519a,519bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段561で作成された大当り判定乱数値、図柄判定乱数値等よりなる特別乱数情報を取得し、その特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段563に記憶させるように構成されている。
【0155】
また、特別始動口チェック処理手段562は先読み判定手段562aを備えている。この先読み判定手段562aは、始動入賞手段519a,519bに遊技球が入賞したときに取得する特別乱数情報について、図柄変動に供されるよりも前の所定のタイミング、例えば特別乱数情報の取得時に、その特別乱数情報について先読み判定処理を実行するようになっている。この先読み判定処理では、先読み禁止中でないことを条件に、大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/はずれの判定結果を出力する。この先読み判定結果は、始動入賞手段519a,519bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて送信される保留加算コマンドにより演出制御基板542等に伝達される。なお本実施形態では、この先読み判定処理により、上述した大当り判定だけでなく、変動パターンの種類についても判定を行う。
【0156】
特別図柄処理手段564は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当り判定手段564a、大当り・はずれ選択手段564b、変動パターン選択手段564c等を備えている。大当り判定手段(抽選手段)564aは、乱数抽選により大当り/はずれの判定、即ち特別利益状態を発生させるか否かの判定(遊技者に利益を付与するか否かの抽選)を行うもので、特別図柄表示手段526が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段563に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/はずれの判定を行うように構成されている。
【0157】
大当り・はずれ選択手段564bは、大当り/はずれの種類を選択するもので、大当り判定手段564aによる判定結果がはずれの場合には、図28(a)に示すはずれ変動パターン選択テーブルと図柄判定乱数値とに基づいてはずれの種類を選択し、大当り判定手段564aによる判定結果が大当りの場合には、図28(b)に示す大当り変動パターン選択テーブルと図柄判定乱数値とに基づいて大当りの種類を選択する。
【0158】
はずれに関して、本実施形態では、はずれAとはずれBの2種類が設けられており、それらはずれA,Bの何れかが、図28(a)に示すように図柄判定乱数値に基づいて9:1等の任意の振分率で選択されるようになっている。はずれAは、図柄変動の開始時点の特別保留個数に応じて変動パターンの振り分けが異なるもので、図28(a)に示すように、特別保留個数0~3の夫々について、変動パターン乱数値の範囲と複数種類のはずれ変動パターンとの対応関係が規定されている。一方のはずれBは、図柄変動の開始時点の特別保留個数によって変動パターンの振り分けが変化しないもので、図28(a)に示すように、変動パターン乱数値の範囲と複数種類の変動パターンとの対応関係が1種類のみ規定されている。
【0159】
また大当りに関して、本実施形態では、10R通常、5R通常、10R確変、5R確変の4種類が設けられており、それらの何れかが、図28(b)に示すように図柄判定乱数値に基づいて1:4:1:4等の任意の振分率で選択されるようになっている。10R通常大当り、5R通常大当りは、後述する特別遊技状態として時短状態を発生させることとなる大当りで、特別利益状態では大入賞手段520による所定の単位開放動作を夫々10ラウンド,5ラウンド行うようになっている。ここで、単位開放動作とは、例えば大入賞手段520を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段520を閉鎖する動作である。また、10R確変大当り,5R確変大当りは、後述する特別遊技状態として確変状態を発生させることとなる大当りで、特別利益状態では単位開放動作を夫々10ラウンド,5ラウンド行うようになっている。
【0160】
変動パターン選択手段564cは、演出図柄Pの変動パターンを複数の中から選択するもので、例えば大当り判定手段564aによる判定結果がはずれであり、大当り・はずれ選択手段564bによりはずれAが選択された場合には、その時点の特別保留個数と、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値とに基づいて複数のはずれ変動パターンの何れかを選択し(図28(a))、大当り判定手段564aによる判定結果がはずれであり、大当り・はずれ選択手段564bによりはずれBが選択された場合には、その時点の特別保留個数に拘わらず、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値に基づいて複数のはずれ変動パターンの何れかを選択し(図28(a))、大当り判定手段564aによる判定結果が大当りの場合には、大当り・はずれ選択手段564bにより選択された大当りの種類と、特別乱数記憶手段563に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値とに基づいて複数の大当り変動パターンの何れかを選択する(図28(b))ようになっている。
【0161】
なお図28に示すように、リーチ変動パターンについてはリーチ演出の段階が進むにつれて大当り演出態様(特定態様)となる信頼度が高くなるように構成されているが、本実施形態では、Nリーチ変動パターンで大当り演出態様になることはなく、またSリーチ変動パターンについては大当り演出態様になる可能性はあるが、その確率は極めて低くなっている(1%未満)。また、SPリーチ前演出で大当り演出態様になることはなく、SPリーチ変動パターンで大当り演出態様になる場合は必ずSPリーチ後演出に発展する。
【0162】
特別図柄表示制御手段565は、特別図柄表示手段526の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段526が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段563に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別図柄表示手段526による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段564cにより選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、例えば大当り判定手段564aの判定結果がはずれの場合には所定のはずれ態様で、大当り判定手段564aの判定結果が大当りの場合には大当り・はずれ選択手段564bで選択された大当りの種類に応じた大当り態様で、特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0163】
第1特別保留個数表示制御手段566は、第1特別保留個数表示手段528の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段519による遊技球の検出、及び特別図柄表示手段526による特別図柄の変動に基づいて、第1特別保留個数表示手段528により特別保留個数情報を表示させるようになっている。
【0164】
特別利益状態発生手段567は、大入賞手段520が所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるもので、大当り判定手段564aによる判定結果が大当りとなることに基づいて特別図柄表示手段526による特別図柄の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合に、大当り・はずれ選択手段564bにより選択された大当りの種類に応じて、大入賞手段520による単位開放動作を例えば5ラウンド,10ラウンドの何れかだけ繰り返し実行させるようになっている(図28(b))。
【0165】
特別遊技状態発生手段568は、特別利益状態の発生後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば大当り・はずれ選択手段564bにより選択された大当りの種類に応じて、例えば10R通常,5R通常大当りの場合には時短状態を、10R確変,5R確変大当りの場合には確変状態を発生させるように構成されている。
【0166】
時短状態中は、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段526の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当り確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口519bの開閉手段536の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は特別利益状態が終了した時点で開始し、例えば特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
【0167】
確変状態中は、例えば時短状態と同様の各切り換えに加えて、大当り判定値の数が増加することにより、特別図柄が大当り態様となる確率が通常確率(例えば1/319)よりも高い高確率(例えば1/60)に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は特別利益状態が終了した時点で開始し、例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
【0168】
制御コマンド送信手段569は、所定の制御コマンドを演出制御基板542等に送信して制御指令を与えるためのもので、特別保留個数が増加したときに特別保留個数の加算を指定する保留加算コマンドを演出制御基板542側に送信する機能、特別図柄処理手段564による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減算を指定する保留減算コマンド、演出図柄Pの変動パターンを指定する変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄態様を指定する特別図柄コマンドをこの順序で演出制御基板542側に送信し、特別図柄の変動終了時に変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板542側に送信する機能等を備えている。
【0169】
演出制御基板(演出制御手段)542は、LED571、スピーカ572、可動演出手段530、画像表示手段522等の各種演出手段による演出を制御するもので、保留加算コマンド受信時処理手段581、変動パターンコマンド受信時処理手段582、遊技中演出制御手段583等を備えている。なお、LED571は、可動演出手段530の可動体531を含むセンターケース517の他、遊技盤505及び前枠504に多数配置され、スピーカ572は例えば前枠504の上部に2個、下部に1個配置されている(図26)。また、本実施形態では可動演出手段530を遊技盤505上にのみ配置しているが、可動演出手段は前枠504上に配置してもよいし、遊技盤505上と前枠504上との両方に配置してもよい。
【0170】
保留加算コマンド受信時処理手段581は、特別保留個数が増加した場合の処理を行うもので、先読み演出抽選手段581a等を備え、主制御基板541から保留加算コマンドを受信したときに、先読み禁止等の場合を除き、先読み演出抽選手段581aにより先読み演出に関する抽選を行い、その抽選結果等に応じて、保留表示画像Q1~を画像表示手段522の画面上に1個追加表示する保留変化演出シナリオをセットするようになっている。
【0171】
ここで「先読み演出」とは、先読み判定結果に基づく演出であって、「先読み連続演出」、「先読み保留変化演出」等がある。「先読み連続演出」は、先読み判定手段562aによる先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動(ターゲット変動)までの複数回の図柄変動において例えば同一態様の演出を実行するものである。例えば、先読み連続連出として「雨」、「雷」の2種類の演出態様が用意されている場合には、先読み判定結果に基づく先読み演出抽選手段581aの抽選によりそれらの何れかに当選すると、その特別乱数情報に対応するターゲット変動までの複数回の演出図柄変動において例えば背景画像として「雨」又は「雷」の画像が使用される。これにより、遊技者は連続演出の背景画像として「雨」、「雷」の何れが出現するかにより、ターゲット変動で大当りとなるか否か等を予測できる。
【0172】
また「先読み保留変化演出」は、先読み判定手段562aによる先読み判定結果に基づいて、保留表示画像Q1~Q4,変動中保留画像Q0を所定の表示態様で表示するもので、保留変化演出シナリオはこの先読み保留変化演出の抽選結果に応じて選択される。例えば、先読み保留変化演出に関して「ゾウ」、「ライオン」、「キリン」等の複数種類の保留表示態様があり、先読み判定結果に基づく先読み演出抽選手段581aの抽選によりそれらの何れかに当選した場合、例えば新たに保留表示画像を追加表示するとき、或いはその後の所定のタイミングで、その保留表示画像を当選した所定の表示態様で表示する。これにより、遊技者は保留表示画像の表示態様が「ゾウ」、「ライオン」、「キリン」、或いはそれ以外の何れであるかに応じて、その保留表示画像に対応する変動で大当りとなるか否か等を予測可能である。
【0173】
なお、先読み演出による予告の対象は大当りか否かに限られるものではなく、変動パターンの種類(例えばSPリーチまで発展するか否か)等でもよい。
【0174】
変動パターンコマンド受信時処理手段582は、特別図柄表示手段526による図柄変動を開始する場合の処理を行うもので、図柄変動内容決定手段582a等を備え、主制御基板541から保留減算コマンド、変動パターンコマンド及び特別図柄コマンドを例えば一定時間内に受信したときに、図柄変動内容決定手段582aが演出図柄Pの具体的な変動内容や予告演出に関する選択を行い、それらの結果等に応じて、変動パターンシナリオ、予告演出シナリオ、保留変化演出シナリオ等をセットするようになっている。なお、この場合の保留変化演出シナリオでは、例えば変動中保留画像Q0を消去し、保留表示画像Q1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の保留表示画像Q1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Q0に変化させる。
【0175】
図柄変動内容決定手段582aは、主制御基板541から受信した変動パターンコマンド等に基づいて、変動パターンの具体的演出内容を決定する。例えば、変動パターンコマンドによりSPリーチ大当り変動パターンが指定された場合には、最後のSPリーチ演出における結果表示を復活大当りとするか通常大当りとするか等について決定する。
【0176】
また図柄変動内容決定手段582aは、一又は複数種類の予告演出について実行するか否かの抽選を行い、実行する場合には更にその予告演出内容等についての抽選を行う。ここで予告演出とは、大当り態様、SPリーチ等の所定事象の出現を示唆する演出であって、いわゆる「SU予告」、「タイマ予告」、「プレミア予告」、「疑似連演出」、「ボタン演出」等がそれにあたる。
【0177】
なお、変動パターンシナリオ、予告演出シナリオ、保留変化演出シナリオ等の各種演出シナリオは、例えばそのシナリオの実行開始時からの経過時間(ms)毎の各行に、各種演出手段、即ちLED571、スピーカ572、可動演出手段530、画像表示手段522等による各演出内容が設定されている。この演出シナリオは、遊技中演出制御手段583により、各行に設定された演出を、行毎に設定されたタイミングで順次開始することによって実行される。
【0178】
続いて、本実施形態における演出図柄Pの変動パターン、特にリーチ変動パターンによる演出内容について具体的に説明するが、その前に変動パターンの概要について説明する。図29に示すように、演出図柄Pの変動パターンでは、まず通常変動が行われる。この通常変動では、全て(3つ)の図柄列が並行して高速変動した後、第1番目(例えば左)と第2番目(例えば右)の図柄列が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ状態が成立するか、リーチ状態を経ることなくはずれ演出態様で停止、確定する。前者がリーチ変動パターンで、後者が通常変動パターンである。本実施形態では、変動時間が異なる4種類の通常変動パターンが用意されている(図28(a))。
【0179】
リーチ変動パターンの場合(通常変動でリーチ状態が成立した場合)、通常変動後にNリーチ演出が行われる。Nリーチ演出では、任意の映像演出が実行された後、次のSリーチ演出に移行(発展)することを示す発展結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)となることを示す大当り結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、Nリーチ演出中の一分岐点において、それら複数種類の結果表示の何れかが実行される。なお図28より明らかなように、本実施形態のNリーチ演出では大当り結果表示が行われることはなく(即ちNリーチ大当り変動パターンは選択されない)、Nリーチ演出で終了する場合には必ずはずれ結果表示が行われ、はずれ演出態様となる(Nリーチはずれ変動パターン)。
【0180】
Nリーチ演出の最後に発展結果表示が行われた場合には、続いてSリーチ演出が行われる。このSリーチ演出でも、任意の映像演出が実行された後、次のSPリーチ演出に移行(発展)することを示す発展結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)となることを示す大当り結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、Sリーチ演出中の一分岐点において、それら複数種類の結果表示の何れかが実行される。なお図28より明らかなように、本実施形態のSリーチ演出では大当り結果表示が行われる確率は0ではないが極めて低く(図28の例では、大当り確率を1/319とすると、Sリーチ変動パターンにおける大当り信頼度は約0.08%、Sリーチ変動パターンの出現率は約1.6%、Sリーチ変動パターンで大当りとなる頻度は約1/80000)、Sリーチ演出で終了する場合には高い確率ではずれ結果表示が行われ、はずれ演出態様となる(Sリーチはずれ変動パターン)。なお、Sリーチ演出で大当り結果表示が行われる確率(大当たり信頼度)は、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらにより好ましくは0.2%未満で、0でもよい。
【0181】
Sリーチ演出の最後に発展結果表示が行われた場合には、続いてSPリーチ前演出が行われる。このSリーチ前演出では、任意の映像演出が実行された後、次のSPリーチ後演出に移行(発展)することを示す発展結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、SPリーチ演出中の一分岐点において、それら複数種類の結果表示の何れかが実行される。なお図28より明らかなように、本実施形態のSPリーチ前演出では大当り結果表示が行われることはなく(即ちSPリーチ前大当り変動パターンは選択されない)、SPリーチ前演出で終了する場合には必ずはずれ結果表示が行われ、はずれ演出態様となる(SPリーチ前はずれ変動パターン)。
【0182】
SPリーチ前演出の最後に発展結果表示が行われた場合には、続いてSPリーチ後演出が行われる。このSPリーチ後演出では、任意の映像演出が実行された後、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)となることを示す大当り結果表示と、演出図柄Pが大当り演出態様(特定態様)とならないこと(はずれ演出態様となること)を示すはずれ結果表示との何れかの結果表示が行われる。本実施形態では、SPリーチ後演出の次のリーチ演出は存在しないため、このSPリーチ後演出で発展結果表示が行われることはない。
【0183】
続いて、本実施形態の複数種類のリーチ演出のうち、Sリーチ演出、SPリーチ前演出、SPリーチ後演出について具体的に説明する。まずSリーチ演出の具体例を、図30等に基づいて説明する。図30に示すように、Sリーチ演出の演出期間は、Sリーチ特有の映像演出を実行するためのリーチ映像表示期間と、そのリーチ映像表示期間に続いて、発展結果表示、大当り結果表示、はずれ結果表示の何れかを実行する結果表示期間とで構成されている。
【0184】
また、結果表示期間の直前、即ちリーチ映像表示期間の終盤には、結果表示の出現を示唆する結果表示前演出が実行されるようになっている。この結果表示前演出は、結果表示に対する遊技者の期待感を盛り上げるための煽り期間と、その煽り期間から結果表示への移行時にいわゆるタメをつくるためのタメ期間(即ち待機期間)とで構成されている。
【0185】
Sリーチ演出が開始されると(リーチ映像表示期間)、図30(a1)に示すように、画像表示手段522にはSリーチ映像が表示されるとともに、そのSリーチ映像と同期して任意の音声出力やLED発光演出が行われる。Sリーチ映像では、Sリーチ用の特別背景601aの前側に、縮小表示(退避表示)された「7 7」等のリーチ図柄画像Ps、キャラクタ等によるリーチ演出画像602a、その他の画像が表示されるようになっている。
【0186】
その後、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(図30(a2))、それまでのリーチ演出画像602aが煽り演出画像603aに変化する。この煽り演出画像603aは、未だ変動中の第3番目(例えば中央)の図柄列が停止する前の最終段階の演出を行うものであり、図30(a2)~(a3)の例では、大当り演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄と同一の)第1停止図柄候補(ここでは「7」)を第1キャラクタが、はずれ演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄とは異なる)第2停止図柄候補(ここでは「6」)を第2キャラクタが夫々ハンマーで繰り返し打撃し、どちらが先に停止図柄候補を破壊するかを競う内容となっている。
【0187】
この煽り演出画像603aは、時間経過に伴って徐々に盛り上がるように、例えば各キャラクタによる打撃ピッチが少しずつ速くなると共に各停止図柄候補のダメージが少しずつ進行し、何れかの停止図柄候補が破壊される直前の状態(図30(a3))で煽り期間が終了するように構成されている。なお図30の例では、煽り期間の長さは3sに設定されている。煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603aは静止状態となり(図30(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603aの静止状態が維持される。なお図30の例では、タメ期間の長さは1sに設定されている。
【0188】
そして、タメ期間が終了すると、その一分岐点で、発展結果表示、大当り結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603aから繋がる形で開始される(結果表示期間)。このように、大当り/はずれ/発展の分岐を一点で行うことにより、大当り/はずれの分岐後に発展有無の分岐を行う場合に比べて効率よく演出を行うことができる。特に、本実施形態のSリーチ演出では大当り結果表示が行われる確率が極めて低いため(1%未満)、大当り/はずれの煽りを独立して行っても演出効果は低く、発展有無を含めて煽ることで効率的な演出が可能となる。
【0189】
大当り結果表示では大当り結果演出が行われる。この大当り結果演出では、第2停止図柄候補である「6」が破壊されて消滅し(図30(c1))、残った第1停止図柄候補である「7」で中図柄が停止する(図30(c2))。なお図30の例では、大当り結果演出の長さは7sに設定されている。
【0190】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、第1停止図柄候補である「7」が破壊されて消滅し(図30(d1))、残った第2停止図柄候補である「6」で中図柄が停止する(図30(d2))。その後、特別背景601aから通常背景600へと復帰する背景復帰演出(図30(d3))を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示(図30(d4))へ移行する。なお図30の例では、はずれ結果表示を構成するはずれ結果演出、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々3s,1s,2sに設定されており、合計時間は大当り結果表示の7sよりも短くなっている。
【0191】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、第1,第2停止図柄候補である「7」,「6」の両方が同時に破壊されて消滅し(図30(b1))、その後にSPリーチへの発展を示す「発展」等の発展報知画像604aが表示される(図30(b2))。なお図30の例では、発展演出の長さは、大当り結果表示の7s、はずれ結果表示の6sよりも短い4sに設定されているが、発展演出の長さははずれ結果表示と同じでもよいし長くてもよい。
【0192】
続いて、SPリーチ前演出の具体例を、図31等に基づいて説明する。図31に示すように、SPリーチ前演出の演出期間は、SPリーチ前特有の映像演出を実行するためのリーチ映像表示期間と、そのリーチ映像表示期間に続いて、発展結果表示、はずれ結果表示の何れか(大当り結果表示は対象外)を実行する結果表示期間とで構成されている。また、結果表示期間の直前、即ちリーチ映像表示期間の終盤には、結果表示の出現を示唆する結果表示前演出が実行されるようになっている。この結果表示前演出は、Sリーチ演出の場合(図30)と同様、煽り期間とタメ期間(即ち待機期間)とで構成されている。なお、このSPリーチ前演出は、大当り演出態様(特定態様)となることのない非当りリーチ演出の一例である。
【0193】
SPリーチ前演出が開始されると(リーチ映像表示期間)、図31(a1)に示すように、画像表示手段522にはSPリーチ前映像が表示されるとともに、そのSPリーチ前映像と同期して任意の音声出力やLED発光演出が行われる。SPリーチ前映像では、SPリーチ前用の特別背景601bの前側に、縮小表示(退避表示)された「7 7」等のリーチ図柄画像Ps、キャラクタ等によるリーチ演出画像602b、その他の画像が表示されるようになっている。
【0194】
その後、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(図31(a2))、それまでのリーチ演出画像602bが煽り演出画像603bに変化する。図31(a2)~(a3)の例では、煽り演出画像603bは、モンスター(敵)のキャラクタを大砲で攻撃する内容となっている。ところで、本実施形態のSPリーチ前演出(非当りリーチ演出)では、上述したように大当り結果表示が出現することはないため、この煽り期間の演出(結果表示前演出)は、遊技者に無用の期待感を抱かせないよう、大当りを想起させない演出内容とすることが望ましい。そこで本実施形態では、「モンスターを倒せば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示605を、煽り演出画像603bと並行して表示するようになっている(図31(a2),(a3))。これにより、遊技者はモンスター(敵)が倒れても大当りと誤解することがなく、遊技者に有利な結果(発展)にも拘わらず無駄に失望感を抱かせることを防止できる。図31の例では、煽り期間の長さはSリーチ演出(図30)と同じく3sに設定されている。
【0195】
なお、説明表示605を、「モンスターを攻撃せよ」等の演出の説明と、「成功で○○に発展」等の結果の説明とで構成し、それらを同時に、或いは交互に表示するように構成してもよい。
【0196】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603bは静止状態となり(図31(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603bの静止状態が維持される。このタメ期間中も説明表示605の表示は継続される。なお図31の例では、タメ期間の長さはSリーチ演出(図30)と同じく1sに設定されている。
【0197】
そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603bから繋がる形で開始される。
【0198】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、モンスターへの攻撃が失敗に終わり(図31(c1))、それに伴って中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止する(図31(c2))。その後、特別背景601bから通常背景600へと復帰する背景復帰演出を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示へ移行する。なお図31の例では、はずれ結果演出の長さは4sでSリーチ演出の場合(図30)の3sよりも長くなっているが、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々1s,2sでSリーチ演出の場合と同じである。
【0199】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、攻撃が成功してモンスターが倒れ(図31(b1))、その後にSPリーチ後演出への発展を示す「発展」等の発展報知画像604bが表示される(図31(b2))。なお図31の例では、発展演出の長さはSリーチ演出の場合と同じ4sに設定されているが、SPリーチ前演出における発展演出の長さをSリーチ演出における発展演出の長さより長くしてもよい。また、発展演出の長さをはずれ結果表示と同じにしてもよいし長くしてもよい。
【0200】
また発展結果表示として、図31に示すような発展演出(通常発展演出)の他に、はずれ結果表示の後または途中で復活演出を経て発展報知画像を表示する復活発展演出を実行可能としてもよい。この復活発展演出の場合、復活演出の実行タイミングは、はずれ結果表示における背景復帰演出の前でも後でもよいが、背景復帰演出の前とすることが望ましい。
【0201】
続いて、SPリーチ後演出(特定リーチ演出)の具体例を、図32図33等に基づいて説明する。なお、図32ははずれ結果表示を実行する場合を、図33は大当り結果表示を実行する場合を夫々示している。図32図33に示すように、SPリーチ後演出の演出期間は、SPリーチ後特有の映像演出を実行するためのリーチ映像表示期間と、そのリーチ映像表示期間に続いて、大当り結果表示(図33)、はずれ結果表示(図32)の何れか(発展結果表示は対象外)を実行するための結果表示期間とで構成されている。
【0202】
また、結果表示期間の直前、即ちリーチ映像表示期間の終盤には、結果表示の出現を示唆する結果表示前演出が行われる。このSPリーチ後演出における結果表示前演出は、いわゆるボタン演出で、演出ボタン514の操作が有効となる操作有効期間が到来することを示唆する操作有効期間示唆演出を備え、その操作有効期間示唆演出の終了後に操作有効期間が開始されるようになっている。
【0203】
SPリーチ後演出が開始されると(リーチ映像表示期間)、図32(a1)に示すように、画像表示手段522にはSPリーチ後映像が表示されるとともに、そのSPリーチ後映像と同期して任意の音声出力やLED発光演出が行われる。SPリーチ後映像では、SPリーチ後用の特別背景601cの前側に、縮小表示(退避表示)された「7 7」等のリーチ図柄画像Ps、キャラクタ等によるリーチ演出画像602c、その他の画像が表示されるようになっている。
【0204】
その後、リーチ映像表示期間終盤には操作有効示唆演出が開始される。この操作有効示唆演出では、操作有効期間中の操作対象である演出ボタン514を示す操作対象画像606を画面上にフェードイン(操作対象画像を形成)させるように構成されている。この操作対象画像606のフェードインは、図32(a2)~(a4)の例では、操作対象画像606が遠くから回転しながら近付いてくるような演出内容となっている。なお、操作有効示唆演出中の操作対象画像606の表示態様は任意であるが、遊技者が操作有効期間中であると誤解しないよう、少なくとも操作有効期間中の表示態様とは異ならせる必要がある。なお、操作対象画像606のフェードインは、例えば操作有効示唆演出の終了時、即ち操作有効期間の開始時に完了する(図32(a4))。このように、操作対象画像が画面上に形成(表示)され始めてから形成されるまでの演出が操作有効示唆演出であり、その間の操作対象画像が操作有効示唆画像となる。
【0205】
また本実施形態では、操作有効期間の開始時、即ち操作対象画像606のフェードイン(操作対象画像の形成)の完了と略同時に、操作態様を報知するための「PUSH!」の文字と矢印画像等よりなる操作態様報知画像607と、操作有効期間の進行状況を報知するための進行状況報知画像608とが新たに表示される(図32(a4))。進行状況報知画像608は、帯状のゲージの長さが操作有効期間の時間経過に従って100%から0%まで縮小するように構成されている(図32(a5))。なお図32の例では、操作有効期間の開始から満了までの操作有効時間が3sに、その前の操作有効示唆演出の演出時間が操作有効時間よりも長い4sに夫々設定されている。
【0206】
この操作有効期間中に遊技者が演出ボタン514を押下操作することによって演出実行条件が成立すると、その時点で操作有効期間が終了するとともに結果表示(はずれ結果表示と大当り結果表示の何れか)が開始される。このように、結果表示の開始タイミングは遊技者操作に依存して変化する一方、変動時間は既に決められているため、遊技者の操作タイミング(即ち結果表示の開始タイミング)の変化分を吸収するための時間調整(後述する)を結果表示中に行う必要がある。ここで、その時間調整に要する時間が長いと演出に違和感が生じるため、その意味では操作有効時間は短い方が望ましいが、操作有効期間が短くなると遊技者が操作機会を逃してしまう可能性が高まる。そこで本実施形態では、時間調整による演出の違和感を抑制すべく操作有効時間をなるべく短く(ここでは3s)するとともに、それによる遊技者の操作機会の逸失を防止すべく、操作有効時間(3s)よりも長い操作有効示唆演出(ここでは4s)を操作有効期間の直前に実行するようになっている。
【0207】
なお、演出ボタン514に関する演出実行条件としては、演出ボタン514が一回操作された場合に成立する一撃実行条件、演出ボタン514が複数回連続的に操作されることによって成立する連打実行条件、演出ボタン514が操作された状態が継続することによって成立する長押し実行条件等が考えられるが、本実施形態では一撃実行条件を採用している。
【0208】
図32(A1),(A2)は、何れもはずれ結果表示のタイムチャートであるが、図32(A1)が最も開始タイミングが早い場合、即ち操作有効期間の開始と略同時に演出ボタン514が操作された場合を、図32(A2)が最も開始タイミングが遅い場合、即ち操作有効期間の満了と略同時に演出ボタン514が操作された場合を夫々示している。なお、操作有効期間中に演出ボタン514が操作されなかった場合(操作条件が成立しなかった場合)は、操作有効期間の満了時に、演出ボタン514が操作された場合と同一の、又は異なるはずれ結果表示を開始するように構成してもよい。
【0209】
図32(A1),(A2)に示すように、はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止した後(図32(b1))、演出ボタン514の操作タイミング、即ちはずれ結果表示の開始タイミングに応じた長さのループ待機演出を実行する(図32(b2))。このループ待機演出により、結果表示の開始時期が変化しても結果表示の終了時期を変化させないための時間調整が行われる。
【0210】
図32(A1)に示すように、操作有効期間の開始と略同時(最早)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最長(ここでは3s)となり、図32(A2)に示すように、操作有効期間の満了と略同時(最遅)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。このように、本実施形態のはずれ結果表示では、時間調整のためのループ待機演出を、はずれ結果演出を実行した後、通常画面表示に切り替える前(ここでは背景復帰演出の前)に行うようになっている。これにより、ループ待機演出の時間が長くなっても、はずれ結果表示の終盤(背景復帰演出、通常画面表示)から次変動にかけてのテンポを損なうことがなく、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0211】
なお、ループ待機演出は、画像表示手段522上では、例えばその前の映像から繋がるループ待機用の映像データを繰り返し再生するように構成されている。また、LED571による発光演出については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する発光態様で発光させ(1回再生用の発光パターンデータを使用)、その後はループ待機演出の終了まで所定の発光態様を繰り返す(ループ再生用の発光パターンデータを使用)ようになっている。またスピーカ572からの音声出力については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する効果音を出力し(1回再生用の効果音データを使用)、その後はループ待機演出の終了まで無音とするか、所定の効果音の出力を繰り返す(ループ再生用の効果音データを使用)ようになっている。このループ待機演出は、主制御基板541から変動停止コマンドを受信するまで繰り返される。
【0212】
その後、特別背景601cから通常背景600へと復帰する背景復帰演出を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示へ移行する。なお図32の例では、はずれ結果演出の最短長さは5sで、Sリーチ演出の場合(3s)、SPリーチ前演出の場合(4s)よりも長くなっているが、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々1s,2sでSリーチ演出、SPリーチ前演出の場合と同じである。
【0213】
また図32の例では、操作有効時間(ここでは3s)は、はずれ結果演出の演出時間(ここでは最短5s)よりも短くなっている。これにより、時間調整のためのループ待機演出の演出時間がはずれ結果演出の演出時間に占める割合を1/2未満とすることができ、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0214】
以上のように本実施形態では、リーチはずれ演出パターンにおいては、最後のリーチ演出が弱リーチ演出(例えばSリーチ演出)の場合(図30)とそれよりも後段階に出現可能な(即ち弱リーチ演出よりも大当りとなる期待度が高い)強リーチ演出(例えばSPリーチ後演出)の場合(図32)とを比較すると、弱リーチ演出の場合よりも強リーチ演出の場合の方が結果表示の時間が長くなるように設定されている。これにより、大当り信頼度が低く遊技者の期待が小さいリーチ変動パターンの場合は結果表示の時間を短くしてテンポを上げ、大当り信頼度が高く遊技者の期待が大きいリーチ変動パターンの場合は結果表示の時間を長くして演出効果を高めることが可能である。また、このように演出効果を高めることで、演出を他の機種に流用しても遊技者に飽きられにくくすることができ、結果として遊技機のコスト削減が可能となる。
【0215】
また本実施形態では、弱リーチ演出(例えばSリーチ演出)の場合よりも強リーチ演出(例えばSPリーチ後演出)の場合の方がはずれ結果演出の時間は長くなっているが、背景復帰演出と通常画面表示の時間は同じである。なお、弱リーチ演出の場合よりも強リーチ演出の場合の方が結果表示の時間が長くなるように設定する場合、背景復帰演出と通常画面表示のうちの一方を弱リーチ演出の場合と強リーチ演出の場合とで同じにし、背景復帰演出と通常画面表示のうちの他方とはずれ結果演出とを弱リーチ演出の場合と強リーチ演出の場合とで異ならせてもよい。
【0216】
また図33(A1),(A2),(B1),(B2)は、何れも大当り結果表示のタイムチャートであるが、図33(A1),(A2)は通常大当り結果表示を、図33(B1),(B2)は復活大当り結果表示を夫々示している。ここで、復活大当り結果表示(図33(B1),(B2))は、はずれ結果演出を実行した後、可動体の動作を伴う復活大当り可動体演出に続いて復活大当り結果演出を実行するように構成されているのに対し、通常大当り結果表示(図33(A1),(A2))は、はずれ結果演出を実行することなく、可動体の動作を伴う通常大当り可動体演出に続いて通常大当り結果演出を実行するように構成されている。
【0217】
なお、図33(A1),(A2)に示す通常大当り結果表示と、図33(B1),(B2)に示す復活大当り結果表示の何れを実行するかについては、主制御基板541側から特定の変動パターン(例えばSPリーチ1大当り変動パターン)に対応する変動パターンコマンドを受信したときに、演出制御基板542側の図柄変動内容決定手段582a(図33)で決定される。従って、通常大当り結果表示の場合と復活大当り結果表示の場合とで変動時間は同一であり、従って通常大当り結果表示と復活大当り結果表示の演出時間、各結果表示の終了タイミングも同一である。即ち、通常大当り結果表示と復活大当り結果表示とで、当落分岐のタイミング(演出ボタン514が操作されて結果表示が開始されるタイミング)から図柄が確定停止するまでの時間が同一である。
【0218】
また、通常大当り結果表示を示す図33(A1),(A2)のうち、図33(A1)が最も開始タイミングが早い場合、即ち操作有効期間の開始と略同時に演出ボタン514が操作された場合を、図33(A2)が最も開始タイミングが遅い場合、即ち操作有効期間の満了と略同時に演出ボタン514が操作された場合を夫々示している。同様に、復活大当り結果表示を示す図33(B1),(B2)のうち、図33(B1)が最も開始タイミングが早い場合、即ち操作有効期間の開始と略同時に演出ボタン514が操作された場合を、図33(B2)が最も開始タイミングが遅い場合、即ち操作有効期間の満了と略同時に演出ボタン514が操作された場合を夫々示している。なお、操作有効期間中に演出ボタン514が操作されなかった場合(操作条件が成立しなかった場合)は、操作有効期間の満了時に、演出ボタン514が操作された場合と同一の、又は異なる大当り結果表示を開始するように構成してもよい。
【0219】
図33(A1),(A2)に示すように、通常大当り結果表示では、最初に通常大当り可動体演出が行われる。この通常大当り可動体演出では、図33(b1)~(b3)に示すように、可動体531が所定の通常大当り動作パターンで動作し、画像表示手段522上ではその可動体531の動作に対応する任意の画像演出が行われるとともに中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)と同じ図柄で停止し、またLED571は所定の通常大当り発光パターンで発光するようになっている。図33の例では、通常大当り動作パターンは、可動体531が原点位置(上部位置)から画像表示手段522の前側の下部位置まで高速降下し(図33(b1))、所定時間停止した後に低速で原点位置に復帰する(図33(b2),(b3))ように構成されている。
【0220】
また、通常大当り発光パターンは、いわゆるレインボー発光パターンで、図34(a)に示すように、可動体531の発光部、即ち「カッパ伝説」の文字が、所定方向(例えば左右方向)に流れる虹色で発光するようになっている。このレインボー発光パターンは、所定周期で循環するように構成されており、通常大当り可動体演出が開始されてから終了するまでの5sの間に1周期分の発光データが所定回数繰り返し実行される。なお、可動体531のLEDだけでなく、それ以外の遊技盤505側、前枠504側のLEDについても同様のレインボー発光パターンで発光させてもよい。また、演出ボタン514が操作されたタイミング、即ち通常大当り可動体演出の開始時に、通常大当りに対応する発光態様(例えばレインボー点滅)で発光させた後、レインボー発光パターンによる発光を繰り返し行うようにしてもよい。
【0221】
通常大当り可動体演出の終了後は通常大当り結果演出が行われる。この通常大当り結果演出では、大当りを祝福する祝福演出(図33(b4))を行った後、演出ボタン514の操作タイミング、即ち通常大当り結果表示の開始タイミングに応じた長さのループ待機演出を実行する(図33(b5))。このループ待機演出により、結果表示の開始時期が変化しても結果表示の終了時期を変化させないための時間調整が行われる。
【0222】
図33(A1)に示すように、操作有効期間の開始と略同時(最早)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最長(ここでは3s)となり、図33(A2)に示すように、操作有効期間の満了と略同時(最遅)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。このように、本実施形態の通常大当り結果表示では、時間調整のためのループ待機演出を、通常可動体演出の後に行われる大当り結果演出の終盤、即ち大当り確定前に行うようになっている。これにより、ボタン操作のタイミングを起点に、大当りとなることを報知する可動体演出と、大当りとなることを祝福する結果演出とが連続的に実行され、その一連の流れはループ待機演出の影響を受けないため、演出の爽快感を損なうことなく、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0223】
なお、ループ待機演出は、画像表示手段522上では、例えばその前の映像から繋がるループ待機用の映像データを繰り返し再生するように構成されている。また、LED571による発光演出については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、通常大当りに対応する発光態様(例えばレインボー点滅)で発光させ(1回再生用の発光パターンデータを使用)、その後はループ待機演出の終了まで所定の発光態様(レインボー発光パターン)を繰り返す(ループ再生用の発光パターンデータを使用)ようになっている。またスピーカ572からの音声出力については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、通常大当りに対応する効果音を出力し(1回再生用の効果音データを使用)、その後はループ待機演出の終了まで無音とするか、所定の効果音の出力を繰り返す(ループ再生用の効果音データを使用)ようになっている。このループ待機演出は、主制御基板541から変動停止コマンドを受信するまで繰り返される。
【0224】
また図33の例では、通常大当り結果表示における通常大当り可動体演出の長さは5s、通常大当り結果演出の最短長さは8sに夫々設定されている。
【0225】
また図33(B1),(B2)に示すように、復活大当り結果表示では、まず図32(A1),(A2)に示すはずれ結果表示と同様の演出が行われる。即ち、最初にはずれ結果演出(図33(c1),(c2))が行われた後、特別背景601bから通常背景600へと復帰する背景復帰演出(図33(c3))を経て、「7・6・7」等のはずれ演出態様が表示される通常画面表示(図33(c4))へ移行する。はずれ結果演出では、中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止した後(図33(c1))、演出ボタン514の操作タイミング、即ちはずれ結果表示の開始タイミングに応じた長さのループ待機演出を実行する(図33(c2))。このループ待機演出により、結果表示の開始時期が変化しても結果表示の終了時期を変化させないための時間調整が行われる。
【0226】
図33(B1)に示すように、操作有効期間の開始と略同時(最早)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最長(ここでは3s)となり、図33(B2)に示すように、操作有効期間の満了と略同時(最遅)にボタン操作が行われた場合にループ待機演出の時間は最短(ここでは0)となる。
【0227】
なお、ループ待機演出は、画像表示手段522上では、例えばその前の映像から繋がるループ待機用の映像データを繰り返し再生するように構成されている。また、LED571による発光演出については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する発光態様で発光させ(1回再生用の発光パターンデータを使用)、その後はループ待機演出の終了まで所定の発光態様を繰り返す(ループ再生用の発光パターンデータを使用)ようになっている。またスピーカ572からの音声出力については、演出ボタン514が操作されたタイミングで、はずれに対応する効果音を出力し(1回再生用の効果音データを使用)、その後はループ待機演出の終了まで無音とするか、所定の効果音の出力を繰り返す(ループ再生用の効果音データを使用)ようになっている。このループ待機演出は、主制御基板541から変動停止コマンドを受信するまで繰り返される。
【0228】
また図33の例では、復活大当り結果表示におけるはずれ結果演出の最短長さは5s、背景復帰演出、通常画面表示の長さは夫々1s,2sで、何れもはずれ結果表示(図32(A1),(A2))の場合と同じである。
【0229】
通常画面表示の次には復活大当り可動体演出が行われる。この復活大当り可動体演出では、図33(c5)~(c7)に示すように、可動体531が所定の復活大当り動作パターンで動作し、画像表示手段522ではその可動体の動作に対応する任意の画像演出が行われるとともに、リーチ図柄とは異なる「6」で一旦停止していた中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)と同じ図柄に変化し、またLED571は所定の復活大当り発光パターンで発光するようになっている。なお、この復活大当り可動体演出の演出時間(3s)は通常大当り可動体演出の演出時間(5s)よりも短くなっている。
【0230】
図33の例では、復活大当り動作パターンは、可動体531が原点位置(上部位置)から画像表示手段522の前側の下部位置まで高速降下し(図33(c5))、所定時間停止した後に低速で原点位置に復帰する(図33(c6),(c7))ように構成されている。このように、復活大当り動作パターンは、通常大当り動作パターン(図33(b1)~(b3))と可動体531の動作内容は略同じで、演出時間が異なっている。この演出時間の相違分は、例えば下部位置での停止時間や移動速度(例えば原点位置への復帰速度)を異ならせることで調整されている。
【0231】
また、復活大当り可動体演出の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容は、通常大当り可動体演出の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容とは異なっている。その復活大当り可動体演出と通常大当り可動体演出における演出画像の内容の相違は、演出時間の相違による可動体531の動作の相違(下部位置での停止時間や移動速度の相違)のみに基づくものであってもよいし、異なるキャラクタが登場するなど、可動体531の動作の相違を超えたものであってもよい。
【0232】
また、復活大当り発光パターンは、いわゆるレインボー発光パターンで、図34(b)に示すように、可動体531の発光部、即ち「カッパ伝説」の文字が、所定方向(例えば左右方向)に流れる虹色で発光するようになっている。図34(b)に示す復活大当り発光パターンと図34(a)に示す通常大当り発光パターンは、共通の発光パターンデータを使用して同じ周期で実行されるようになっており、両者が異なるのは演出時間の長短に基づく繰り返し数のみである。なお、可動体531上のLEDだけでなく、それ以外の遊技盤505上、前枠504上のLEDについても同様のレインボー発光パターンで発光させてもよい。
【0233】
このように、通常大当り可動体演出と復活大当り可動体演出で同じ可動体531を用いて異なる演出を行うことにより、コストを削減しつつ演出効果を高めることが可能である。
【0234】
復活大当り可動体演出の終了後には、大当りを祝福する内容の復活大当り結果演出(図33(c8))が行われる。図33の例では、この復活大当り可動体演出の演出時間は2sで、通常大当り可動体演出の演出時間(最短8s)よりも短くなっている。
【0235】
なお以上説明したように、本実施形態の復活大当り結果表示では、時間調整のためのループ待機演出を、はずれ結果演出を実行した後、通常画面表示に切り替える前(ここでは背景復帰演出の前)に行うことで、時間調整を終えた後に復活大当り結果演出を実行するようになっている。これにより、ループ待機演出の時間が長くなっても、ボタン操作からはずれ結果演出への繋がりが損なわれず、また大当りとなることを報知する可動体演出から大当りとなることを祝福する結果演出への一連の流れは影響を受けないため、演出の爽快感を損なうことなく、時間調整による違和感を抑制することが可能となる。
【0236】
また本実施形態のSPリーチ後演出では、通常大当り結果表示と復活大当り結果表示の終了タイミングは同一であり、遊技者によるボタン操作のタイミングを同一とすると両者は演出時間も同一である。
【0237】
図35は本発明の第5の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、非当りリーチ演出の一例であるSPリーチ前演出の結果表示前演出において、最終停止図柄としてリーチ図柄及びその直前直後の図柄以外の図柄を用いた煽り演出を実行することにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成した例を示している。
【0238】
図35は、第4の実施形態の図31に対応するものである。本実施形態のSPリーチ前演出では、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(図35(a1)→(a2))、それまでのリーチ演出画像602dが煽り演出画像603dに変化する。煽り演出画像603dは、未だ変動中の第3番目(例えば中央)の図柄列が停止する前の最終段階の演出を行うものであり、図35(a2)~(a3)の例では、リーチ図柄(ここでは「7」)との差が-2の第1停止図柄候補(ここでは「5」)を第1キャラクタが、リーチ図柄(ここでは「7」)との差が-3の第2停止図柄候補(ここでは「4」)を第2キャラクタが夫々ハンマーで繰り返し打撃し、どちらが先に停止図柄候補を破壊するかを競う内容となっている。
【0239】
このように、本実施形態のSPリーチ前演出における結果表示前演出では、最終停止図柄としてリーチ図柄(ここでは「7」)及びその直前直後の図柄(ここでは「6」,「8」)以外の図柄を用いた煽り演出を実行するようになっている。
【0240】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603dは静止状態となり(図35(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603dの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603dから繋がる形で開始される。
【0241】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、第1停止図柄候補である「5」が破壊され(図35(c1))、残った第2停止図柄候補である「4」で中図柄が停止する(図35(c2))。その後、背景復帰演出(図35(c3))を経て通常画面表示(図35(c4))へ移行する。また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、第2停止図柄候補である「4」が破壊され(図35(b1))、その後にSPリーチ後への発展を示す「発展」等の発展報知画像604dが表示される(図35(b2))。
【0242】
このように、本実施形態のSPリーチ前演出における結果表示前演出では、最終停止図柄としてリーチ図柄及びその直前直後の図柄以外の図柄を用いた煽り演出を実行するため、その煽り演出の結果がどちらになっても遊技者が大当りと誤解することがなく、遊技者に無駄に失望感を抱かせることを防止できる。
【0243】
なお本実施形態においても、第4の実施形態と同様、「4を破壊すれば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を、煽り演出画像603dと並行して実行してもよい。
【0244】
図36は本発明の第6の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、非当りリーチ演出の一例であるSPリーチ前演出の結果表示前演出において、成功(勝ち)と失敗(負け)を含む複数種類の演出結果のうち、成功(勝ち)の演出結果を使用しないことにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成した例を示している。
【0245】
図36は、第4の実施形態の図31に対応するものである。本実施形態のSPリーチ前演出では、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(図36(a1)→(a2))、それまでのリーチ演出画像602eが煽り演出画像603eに変化する。図36(a2)~(a3)の例では、煽り演出画像603eは、モンスター(敵)に倒されたカッパ(味方)が再び立ち上がろうとする内容となっている。
【0246】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603eは静止状態となり(図36(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603eの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603eから繋がる形で開始される。
【0247】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、倒れたカッパは立ち上がることができず負け(失敗)となり(図36(c1))、それに伴って中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止する(図36(c2))。その後、背景復帰演出(図36(c3))を経て通常画面表示(図36(c4))へ移行する。
【0248】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、カッパが再び立ち上がり(図36(b1))、その後にSPリーチ後への発展を示す「発展」等の発展報知画像604eが表示される(図36(b2))。このように、本実施形態の発展演出では、カッパが立ち上がっただけでモンスターとの勝負に勝ったわけではないから、遊技者がこれを見て大当りと誤解することはなく、遊技者に無駄に失望感を抱かせることを防止できる。
【0249】
なお本実施形態においても、第4の実施形態と同様、「立ち上がることができれば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を、煽り演出画像603eと並行して実行してもよい。
【0250】
図37は本発明の第7の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、非当りリーチ演出の一例であるSPリーチ前演出の結果表示では、他のリーチ演出における大当り結果表示で行われる特定発光パターン(レインボー発光パターン)以外の発光パターンでLEDを発光させることにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成した例を示している。
【0251】
図37は、第4の実施形態の図31に対応するものである。本実施形態のSPリーチ前演出では、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(図37(a1)→(a2))、それまでのリーチ演出画像602fが煽り演出画像603fに変化する。図37(a2)~(a3)の例では、煽り演出画像603fは、モンスター(敵)のキャラクタを大砲で攻撃する内容となっている。なお本実施形態では、「モンスターを倒せば発展」等、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を煽り演出画像603fと並行して実行するようにはなっていないが、第4の実施形態と同様にそのような説明表示を表示するようにしてもよい。
【0252】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603fは静止状態となり(図37(a3))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603fの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示、はずれ結果表示の何れかが、一時停止していた煽り演出画像603fから繋がる形で開始される。
【0253】
はずれ結果表示では、最初にはずれ結果演出が行われる。このはずれ結果演出では、モンスターへの攻撃が失敗に終わり(図37(c1))、それに伴って中図柄がリーチ図柄(ここでは「7」)とは異なる「6」で停止する(図37(c2))。その後、背景復帰演出(図37(c3))を経て通常画面表示(図37(c4))へ移行する。
【0254】
また発展結果表示では発展演出が行われる。この発展演出では、発展可動体演出(図37(b1)~(b3))が行われる。この発展可動体演出では、可動体531が所定の発展動作パターンで動作し、画像表示手段522ではその可動体531の動作に対応する任意の画像演出(ここでは攻撃が成功してモンスターが倒れる内容)が行われるとともにSPリーチ後演出への発展を示す「発展」等の発展報知画像604fが表示され、また可動体531のLED571は所定の発展発光パターンで発光するようになっている。
【0255】
図37の例では、発展動作パターンは、可動体531が原点位置(上部位置)から画像表示手段522の前側の下部位置まで高速降下し(図37(b1))、所定時間停止した後に低速で原点位置に復帰する(図37(b2),(b3))ように構成されている。このように、発展動作パターンは、通常大当り動作パターン(図33(b1)~(b3))と可動体531の動作内容は略同じで、演出時間が異なっている。この演出時間の相違分は、例えば下部位置での停止時間や移動速度(例えば原点位置への復帰速度)を異ならせることで調整されている。
【0256】
また、発展可動体演出の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容は、通常大当り可動体演出(図33)の際に画像表示手段522に表示される演出画像の内容とは異なっている。また、発展発光パターンは、通常大当り発光パターン、即ちレインボー発光パターン(特定発光パターン)とは異なる発光パターン(発光させない場合を含む)となっている。
【0257】
このように本実施形態では、可動体531のLED571を通常大当り発光パターン(ここではレインボー発光パターン)とは異なる発展発光パターンで発光させるように構成されているため、通常大当り結果演出における通常大当り動作パターンと動作内容が略同じ発展動作パターンで可動体531を動作させているにも拘わらず、遊技者がこれを見て大当りと誤解することはなく、遊技者に無駄に失望感を抱かせることを防止できる。
【0258】
図38は本発明の第8の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示を、結果表示前演出(煽り演出、タメ期間)よりも前から表示するように構成した例を示している。
【0259】
図38は、第4の実施形態の図31に対応するものである。図38に示すように、本実施形態のSPリーチ前演出では、最初に画像表示手段522上にリーチタイトル611が表示された後(図38(a1))、「モンスターを倒せば発展」等の説明表示605が、所定時間(例えば2s程度)画面の略中央に大きく表示される(図38(a2))。そして、その説明表示605が縮小されて画面の周辺部(例えば上部)に退避した後(図38(a3))、キャラクタ等によるリーチ演出画像602b等によるリーチ演出が進行する。
【0260】
その後、リーチ映像表示期間終盤の煽り期間に入ると(図38(a4))、説明表示605が引き続き表示された状態で、それまでのリーチ演出画像602bが煽り演出画像603bに変化する。図38(a4)~(a5)の例では、図31の場合と同様、煽り演出画像603bは、モンスター(敵)のキャラクタを大砲で攻撃する内容となっている。
【0261】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603bは静止状態となり(図38(a5))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603bの静止状態が維持される。なお、このタメ期間中も説明表示605の表示は継続される。タメ期間が終了した後の結果表示期間の演出については第4の実施形態(図31)と共通であるため、ここでは説明を省略する。
【0262】
以上説明したように、特定の結果表示が出現した場合は次のリーチ演出に移行する旨の説明表示は、結果表示前演出(煽り演出、タメ期間)中だけでなく、それよりも前から表示するように構成してもよい。
【0263】
図39は本発明の第9の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、操作有効示唆演出中に操作対象画像を形成し、その操作対象画像の形成完了から所定時間経過後に操作有効期間を開始するように構成した例を示している。
【0264】
図39は、第4の実施形態の図32図33に対応するものである。図39に示すように、本実施形態のSPリーチ後演出では、リーチ映像表示期間終盤に操作有効示唆演出が開始される。本実施形態の操作有効示唆演出では、その演出期間(4s)が、ボタン形成期間(3s)と、そのボタン形成期間に続くボタン形成後待ち期間(1s)とで構成されている。ボタン形成期間は、演出ボタン514を示す操作対象画像606を形成する期間であって、図39(a2)~(a4)に示すように、例えば画面上で操作対象画像606の透過率が100%から徐々に小さくなって次第に鮮明になり、ボタン形成期間の終了時点でその透過率が0%に達して操作対象画像606が完成する(図39(a4))ようになっているが、このボタン形成の過程は任意である。ボタン形成後待ち期間は、操作対象画像606の形成完了から操作有効期間が開始されるまでの待ち時間で、操作対象画像606は形成完了時の表示状態が維持される。
【0265】
また、ボタン形成後待ち期間の後半にはゲージ形成後待ち期間(0.5s)が設けられている。このゲージ形成後待ち期間は、操作有効期間の進行状況を報知するための進行状況報知画像608を開始待ちの状態(例えばゲージが100%のまま停止している状態)で維持する期間で、ボタン形成後待ち期間が開始されてから第1時間(ここでは0.5s)経過後に開始され、その開始時点で進行状況報知画像608が画面上に表示される(図39(a5))。
【0266】
ゲージ形成後待ち期間(及びボタン形成後待ち期間)は、ゲージ形成後待ち期間の開始から第2時間(ここでは0.5s)経過後に終了し、操作有効期間が開始される。操作有効期間が開始されると、操作態様を報知するための「PUSH!」の文字と矢印画像等よりなる操作態様報知画像607が表示される(図39(a6))とともに進行状況報知画像608のゲージ変化が開始される(図39(a6)~(a7))。
【0267】
以上説明したように、本実施形態では、操作有効示唆演出中における操作対象画像606の形成完了から所定時間経過後に操作有効期間を開始するように構成されており、しかも操作対象画像606の形成完了から第1時間(0.5s)経過後に進行状況報知画像608を開始待ちの状態で表示し、その進行状況報知画像608の表示開始から第2時間(0.5s)経過後に操作有効期間を開始するように構成されているため、その後の時間調整による演出の違和感を抑制すべく操作有効時間を短くしても、それによる遊技者の操作機会の逸失をより確実に防止できる。
【0268】
図40は本発明の第10の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、強リーチ演出(ここではSPリーチ後演出)における操作有効示唆演出の演出時間を、弱リーチ演出(ここではSリーチ演出)における操作有効示唆演出の演出時間よりも長くした例を示している。なお上述したとおり、強リーチ演出は、弱リーチ演出よりも特定態様となる期待度が高いリーチ演出である。
【0269】
図40(b)は、本実施形態のSPリーチ後演出(強リーチ演出の一例)における操作有効示唆演出及び操作有効期間に関するタイムチャートで、これは第4の実施形態(図32)と同一である。また図40(a)は、本実施形態のSリーチ演出(弱リーチ演出の一例)における操作有効示唆演出及び操作有効期間に関するタイムチャートである。第4の実施形態(図30)では、Sリーチ演出の結果表示前演出はボタン演出ではなかったが、本実施形態のSリーチ演出(図40(a))では、SPリーチ後演出と同様にボタン演出を実行するものとし、結果表示期間の前に操作有効示唆演出及び操作有効期間を設けている。
【0270】
図40(a),(b)より明らかなように、本実施形態では、SPリーチ後演出(強リーチ演出)における操作有効示唆演出の演出時間(ここでは4s)が、Sリーチ演出(弱リーチ演出)における操作有効示唆演出の演出時間(ここでは2s)よりも長くなっている。また、操作有効期間の開始から満了までの操作有効時間についてはSリーチ演出とSPリーチ後演出とで同一(共に3s)となっており、操作有効示唆演出と操作有効期間とを合わせた結果表示前演出の演出時間が、Sリーチ演出(弱リーチ演出)よりもSPリーチ後演出(強リーチ演出)の方が長くなっている。なお、SPリーチ後演出における操作有効示唆演出の演出時間(4s)は操作有効時間(3s)より長いのに対し、Sリーチ演出における操作有効示唆演出の演出時間(2s)は操作有効時間(3s)より短くなっている。
【0271】
このように本実施形態では、SPリーチ後演出(強リーチ演出)に関しては、第4の実施形態と同様、その後の時間調整による演出の違和感を抑制すべく操作有効時間(ここでは3s)をなるべく短くするとともに、それによる遊技者の操作機会の逸失を確実に防止すべく、操作有効時間(3s)よりも長い操作有効示唆演出(ここでは4s)を操作有効期間の直前に実行するようになっているが、Sリーチ演出(弱リーチ演出)に関しては、遊技者の操作機会の逸失よりもリーチ演出による演出効果を高めることを優先すべく操作有効示唆演出(ここでは2s)を操作有効時間(3s)よりも短くしている。
【0272】
図41は本発明の第11の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、結果表示前演出の前に、次のリーチ演出まで発展すること(又はその可能性が高いこと)を示す発展予告演出を実行可能とし、その発展予告演出が出現するか否かに応じて結果表示前演出の内容を異ならせるように構成した例を示している。
【0273】
図41は、第4の実施形態の図30に対応するもので、当該図柄変動における通常変動中(リーチ状態となる前)に、SPリーチ後演出(次のリーチ演出の更に次のリーチ演出)まで発展すること(又はその可能性が高いこと)を示す発展予告演出が実行された場合の、Sリーチ演出における結果表示前演出の内容を示している。なお、発展予告演出が実行されない場合のSリーチ演出における結果表示前演出の内容は、第4の実施形態(図30)と同様であるとする。
【0274】
図41の例では、当該図柄変動における通常変動中に、青信号を示す予告画像612が画面上に表示されている(発展予告演出)。この青信号の予告画像612は、当該図柄変動でSPリーチ後演出(所定のリーチ演出)まで発展することを示すもので、当該予告画像612が表示された場合にはその後に100%の確率でSPリーチ後演出まで発展するようになっている。
【0275】
そして、この予告画像612が表示された場合には、SPリーチ後演出に到達するまでのリーチ演出においては、予告画像612が表示されなかった場合(図30)とは異なり、発展を前提とする内容の結果表示前演出が実行されるようになっている。即ち図41(a3)~(a4)に示す煽り演出画像603gは、大当り演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄と同一の)第1停止図柄候補(ここでは「7」)と、はずれ演出態様を構成することとなる(即ちリーチ図柄とは異なる)第2停止図柄候補(ここでは「6」)との両方に対してキャラクタが爆弾を仕掛けて点火する内容となっている。
【0276】
煽り期間が終了すると、その時点で煽り演出画像603gは静止状態となり(図41(a4))、以降のタメ期間中は、その煽り演出画像603gの静止状態が維持される。そして、タメ期間が終了して結果表示期間に入ると、発展結果表示が、一時停止していた煽り演出画像603gから繋がる形で開始される。この発展演出では、第1,第2停止図柄候補である「7」,「6」の両方が同時に爆破され(図41(b1))、その後にSPリーチへの発展を示す「発展」等の発展報知画像604aが表示される(図41(b2))。なお、発展結果表示の内容は、予告画像612が表示されなかった場合(図30)と同一(即ち共通の演出データを使用)であってもよい。
【0277】
以上説明したように、所定の(次の)リーチ演出まで発展することを示す発展予告演出が出現するか否かに応じて、結果表示前演出の内容を異ならせることで、所定のリーチ演出まで発展することが明らかであるか否かに応じてより適切な結果表示前演出を実行することが可能となる。
【0278】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1~第3の実施形態と、第4~第11の実施形態とは、全く別の遊技機として具現化されているが、前者と後者とを適切に結合することによって同一の遊技機として具現化できることは言うまでもない。例えば、第1~第3の実施形態に係る遊技機上で、第4~第11の実施形態に係る遊技機と同様の演出を実行するように構成することが可能である。その際、図5に示す盤可動体67aを、図26に示す「カッパ伝説」の装飾が施された可動体531と同様の構成に変更するなど、両遊技機を、それらの相違点に伴って適宜適合させればよい。
【0279】
第1~第3の実施形態では第1~第5開放状態の順に前枠3の開放角度が大きくなるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば第1~第5開放状態のうちの何れか2つ以上で開放角度が略同じであってもよいし、第2開放状態における開放角度よりも第1開放状態における開放角度の方が大であるなど、第1~第5開放状態の順番とそれに対応する開放角度の順番とが一致しなくてもよい。
【0280】
第1~第3の実施形態では、第1~第5開放状態の全てにおいて、前枠3の開放角度が鋭角(以下、第1条件という)で且つ突出部が第1ヒンジ4(及び外枠2)よりも左右方向内側に位置する(以下、第2条件という)ように構成した例を示したが、第1~第5開放状態の少なくとも一つについて、第1条件と第2条件のうちの何れか一方のみを満足し、他方は満足しないように構成してもよい。
【0281】
前枠3の背面側に、上述したRAMクリアスイッチ107、電源スイッチ128、エラー解除ボタン142等以外の操作手段(以下、その他の操作手段という)を設ける場合や、エラー表示手段141等以外の表示手段(以下、その他の表示手段という)を設ける場合、それらの操作手段や表示手段についても、前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置、例えば開閉端近傍に配置し、前枠3を外枠2に対して所定開放状態まで開放したとき、それら操作手段、表示手段が外枠2の前縁よりも前側に位置することによって外枠2と前枠3との間から視認可能となり、また操作手段については操作可能となり、そのときに突出部が第1ヒンジ4(及び外枠2)よりも左右方向内側に位置するように構成することが望ましい。
【0282】
その他の操作手段としては、大当り確率に対応する設定値を複数段階(例えば設定1~設定6の6段階)の何れかに設定可能な仕様とする場合に、その設定を行うために操作する設定キースイッチ(設定操作手段)が考えられる。この設定キースイッチは、RAMクリアスイッチ107等とともに主制御基板101等に設けられ、主制御基板ケース102の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。そして、設定キースイッチがON、RAMクリアスイッチ107がONの状態で電源スイッチ128がOFFからONに切り替えられた場合に、その起動処理において、設定値の設定が可能な設定値設定期間が設けられる。そして、その設定値設定期間中にRAMクリアスイッチ107が操作されることによって設定値が順次変更され、その後に設定キースイッチがOFFに切り替えられることによって変更後の設定値が確定する。
【0283】
また、その他の表示手段としては、遊技実績に基づいて得られる特定情報を表示する特定情報表示手段(例えばベース値を表示するベースモニタ)や、上述した設定値に関する情報を表示する設定情報表示手段等が考えられる。それら特定情報表示手段、設定情報表示手段は、例えば主制御基板ケース102の外側から視認可能な状態で主制御基板101に配置される。特定情報表示手段と設定情報表示手段を共通の表示手段により構成してもよい。
【0284】
第1~第3の実施形態では、電源ハーネス129の電源基板123に対する接続部を電源スイッチ128の近傍に配置したが、電源ハーネス129の接続部は、電源スイッチ128から離れた位置に配置してもよい。また、電源ハーネス129の接続部の配置位置は、電源基板123における前枠3の開閉端側に限られるものではなく、電源基板123の下縁側近傍に配置してもよいし、電源基板123における前枠3のヒンジ端側に配置してもよい。この場合、第1配線経路131aは短く、又は不要となる。
【0285】
また、第1~第3の実施形態ではRAMクリアスイッチ107を主制御基板101に設けた例を示したが、これに限られるものではなく、その他の基板等、例えば払出発射制御基板125に設けてもよい。またこの場合、払出発射制御基板125に設けたRAMクリアスイッチをエラー解除ボタンと兼用してもよい。
【0286】
第6の実施形態(図36)の変形例として、非当りリーチ演出の結果表示前演出で対戦型の演出を行い、引き分けと負けの何れかの演出結果となるように構成し、引き分けの場合に次のリーチ演出に発展させることにより、図柄が大当り演出態様(特定態様)となることを想起させない演出を実行するように構成してもよい。
【0287】
第9の実施形態(図39)では、操作対象画像606の形成完了(ボタン形成期間の終了)から第1時間(0.5s)経過後に進行状況報知画像608を表示するように構成した例を示したが、操作対象画像606の形成完了と略同時に進行状況報知画像608を表示し、その後のボタン形成後待ち期間は進行状況報知画像608を開始待ちの状態で表示するように構成してもよい。
【0288】
第10の実施形態(図40)では、強リーチ演出の場合は操作有効示唆演出の演出時間が操作有効時間よりも長く、弱リーチ演出の場合は操作有効示唆演出の演出時間が操作有効時間よりも短くなるように設定した例を示したが、弱リーチ演出と強リーチ演出との何れかの場合に操作有効示唆演出の演出時間と操作有効時間とを略同じに設定してもよい。
【0289】
第11の実施形態(図41)では、発展予告演出が出現した場合についても煽り、タメの結果表示前演出を実行するように構成したが、発展予告演出が出現した場合は煽り、タメの結果表示前演出を実行することなく発展結果表示を行うように構成してもよい。また、第11の実施形態(図41)では発展予告演出を通常変動中に実行するように構成したが、発展予告演出をリーチ後(例えばNリーチ演出中)に実行するように構成してもよい。
【0290】
また第11の実施形態(図41)では、当該図柄変動中に発展予告演出を実行する例を示したが、発展予告演出を、当該図柄変動(ターゲット変動)の開始前に実行する先読み演出として実行してもよい。この先読み演出は、上述した先読み連続演出と先読み保留変化演出のどちらでもよい。先読み連続演出を発展予告演出とする場合、ターゲット変動がSPリーチ変動パターンとなる旨の先読み判定結果が得られることを条件に、ターゲット変動までの複数回の演出図柄変動で「雪」の背景画像を使用することが考えられる。また先読み保留変化演出を発展予告演出とする場合、ターゲット変動がSPリーチ変動パターンとなる旨の先読み判定結果が得られることを条件に、そのターゲット変動に対応する保留表示画像を「●(赤丸)」等の特定画像とすることが考えられる。
【0291】
第5~第11の実施形態は、夫々第4の実施形態を一部変更したものとなっているが、第5~第11の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。また、第1~第11の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。
【0292】
実施形態は本発明をパチンコ機に採用した例を示したが、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0293】
2 外枠
3 前枠
4 第1ヒンジ(ヒンジ部)
5 施錠手段
5a 鍵穴
39 発射ハンドル
107 RAMクリアスイッチ(RAMクリア操作部)
128 電源スイッチ(電源操作部)
538 演出図柄表示手段(図柄表示手段)
542 演出制御基板(演出制御手段)
564a 大当り判定手段(抽選手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41