(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183482
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 7/116 20060101AFI20231221BHJP
F16H 1/32 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H02K7/116
F16H1/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097018
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 雄太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】神谷 剛
【テーマコード(参考)】
3J027
5H607
【Fターム(参考)】
3J027FA18
3J027FB01
3J027GA01
3J027GC03
3J027GC22
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
3J027GE29
3J027GE30
5H607AA08
5H607BB01
5H607BB04
5H607CC03
5H607EE33
5H607EE36
(57)【要約】
【課題】整備性に優れ、故障発生時に駆動対象の動作を許容するアクチュエータの提供。
【解決手段】アクチュエータ1は、駆動源としての電気モータMからの駆動力により駆動対象としてのパネル支持体を回動させるものであり、電気モータMおよび当該電気モータMにより回転駆動される出力部材18を含む第1アセンブリ10と、パネル支持体の被支持部材116に連結されると共に出力部材18と一体に回転するように当該出力部材18に対して軸方向に着脱自在に連結される回転部材25を含み、第1アセンブリ10が着脱自在に固定される第2アセンブリ20とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの駆動力により駆動対象を動作させるアクチュエータであって、
前記駆動源および前記駆動源により回転駆動される出力部材を含む第1アセンブリと、
前記駆動対象に連結されると共に前記出力部材と一体に回転するように前記出力部材に対して軸方向に着脱自在に連結される回転部材を含み、前記第1アセンブリが着脱自在に固定される第2アセンブリと、
を備えるアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記出力部材は、前記軸方向に延在するように外周面に形成されたスプラインを有する連結端部を含み、
前記回転部材は、前記出力部材の前記連結端部がスプライン嵌合される連結穴を含むアクチュエータ。
【請求項3】
請求項2に記載のアクチュエータにおいて、
前記第1アセンブリは、前記出力部材を回転自在に支持する第1ハウジングを含み、
前記第2アセンブリは、前記回転部材を回転自在に支持すると共に前記第1ハウジングが着脱自在に固定される第2ハウジングを含み、
前記回転部材は、前記連結穴を有すると共に前記第1アセンブリ側で軸受を介して前記第2ハウジングにより回転自在に支持される第1端部と、前記第1アセンブリ側とは反対側で軸受を介して前記第2ハウジングにより回転自在に支持される第2端部と、前記第1端部よりも小径かつ前記第2端部よりも大径に形成されると共に前記第1および第2端部の間で前記軸方向に延在する中間部とを含み、
前記駆動対象は、前記第2ハウジングに形成された開口を介して前記回転部材の前記中間部に連結されるアクチュエータ。
【請求項4】
請求項3に記載のアクチュエータにおいて、
前記第2ハウジングは、前記回転部材に一端部が連結される前記駆動対象の被支持部材と共にヒンジ機構を形成するアクチュエータ。
【請求項5】
請求項4に記載のアクチュエータにおいて、
前記被支持部材は、車両で利用されるパネルを支持するフレームに固定または一体化され、前記第2ハウジングは、前記車両の車体に固定されるアクチュエータ。
【請求項6】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記第1アセンブリは、前記駆動源からの回転トルクを増幅して前記出力部材に伝達する減速機構を含むアクチュエータ。
【請求項7】
請求項6に記載のアクチュエータにおいて、
前記減速機構は、前記出力部材に形成された複数の内歯よりも少ない複数の外歯を有する入力ギヤと、前記入力ギヤを前記出力部材に対して偏心するように支持すると共に前記駆動源により回転駆動される偏心シャフトと、前記第1アセンブリの第1ハウジングにより第1方向に沿って移動自在に支持されると共に、前記入力ギヤを前記第1方向と直交する第2方向に沿って移動自在に支持するオルダム継手部材とを含むアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動源からの駆動力により駆動対象を動作させるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄鋼工場等で用いられるウォーキングビームの昇降装置として、トラベルビームと、当該トラベルビームを昇降させるための偏芯タイヤと、偏芯タイヤの回転軸に同軸に取り付けられた分割型駆動ギヤと、当該分割型駆動ギヤに噛合するように駆動軸に取り付けられた平歯車とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この昇降装置の分割側駆動ギヤは、偏心タイヤの回転軸に係止されるボスと、当該ボスの外周から外方に広がるフランジ部と、当該フランジ部にボルト等の連結部材を介して着脱自在に装着される大径の環状ギヤとを含む。これにより、連結部材を取り外し、環状ギヤを回転軸や駆動軸の軸受と干渉しない方向にずらして当該回転軸から抜き取ることで、軸受等の周辺機器を取り外すことなく、摩耗した環状ギヤを交換することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駆動源からの駆動力により駆動対象を動作させるアクチュエータでは、整備性を向上させると共に、当該アクチュエータの故障時であっても駆動対象を動かせるようにすることが求められる。従って、アクチュエータにおいても、特許文献1に記載されたような分割構造を採用することが考えられるが、上記特許文献1には、アクチュエータにおける好適な分割構造が開示も示唆もされていない。
【0005】
そこで、本開示は、整備性に優れ、故障発生時に駆動対象の動作を許容するアクチュエータの提供を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のアクチュエータは、駆動源からの駆動力により駆動対象を動作させるアクチュエータであって、前記駆動源および前記駆動源により回転駆動される出力部材を含む第1アセンブリと、前記駆動対象に連結されると共に前記出力部材と一体に回転するように前記出力部材に対して軸方向に着脱自在に連結される回転部材を含み、前記第1アセンブリが着脱自在に固定される第2アセンブリとを含むものである。
【0007】
本開示のアクチュエータは、第1アセンブリと、当該第1アセンブリが着脱自在に固定される第2アセンブリとを含む。そして、第1アセンブリは、駆動源および当該駆動源により回転駆動される出力部材を含み、第2アセンブリは、駆動対象に連結されると共に第1アセンブリの出力部材と一体に回転するように当該出力部材に対して軸方向に着脱自在に連結される回転部材を含む。これにより、第1および第2アセンブリ同士の固定を解除し、第1および第2アセンブリを出力部材および回転部材の軸方向に離間させることで、回転部材を介して駆動対象に連結された第2アセンブリから第1アセンブリを取り外すことができる。また、出力部材が回転部材に連結されるように第1および第2アセンブリを軸方向に接近させて両者を互いに固定することで、第1アセンブリを第2アセンブリに容易に取り付けることができる。従って、例えば駆動源等の故障が発生したときには、第1アセンブリを容易かつ速やかに交換することが可能となる。更に、故障等により駆動源からの動力によって駆動対象を動作させ得なくなっても、第1アセンブリを第2アセンブリから取り外すことで回転部材の回転が許容されるので、駆動対象を手動で動かすことができる。この結果、本開示のアクチュエータでは、整備性を向上させること共に、当該アクチュエータの故障発生時に駆動対象の動作を許容することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示のアクチュエータの使用状態を示す斜視図である。
【
図2】本開示のアクチュエータを示す斜視図である。
【
図3】本開示のアクチュエータを示す部分断面図である。
【
図5】本開示のアクチュエータに含まれる出力部材を示す斜視図である。
【
図7】本開示のアクチュエータに含まれる回転部材を示す斜視図である。
【
図8】本開示のアクチュエータの第1アセンブリと第2アセンブリとを分離させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示のアクチュエータ1の使用状態を示す斜視図であり、
図2は、アクチュエータ1を示す斜視図であり、
図3は、アクチュエータ1を示す部分断面図である。本実施形態において、アクチュエータ1は、
図1に示すように、例えば太陽光パネルあるいはキャンピングカーに装備される庇といった車両Vで利用されるパネルPを支持する駆動対象としてのパネル支持体100を車両Vの車体Bに対して回動させるのに用いられる。パネル支持体100は、パネルPが固定される金属製のフレーム110を含み、フレーム110は、長方形状の外枠を形成する第1辺部111、第2辺部112、第3辺部113および第4辺部114と、ビーム115とを含む。
【0011】
図1に示すように、第1および第2辺部111,112は、同一の長手方向長さを有し、間隔をおいて平行に延在する。第3辺部113は、第1および第2辺部111,112よりも短い長手方向長さを有し、第1および第2辺部111,112の一端部同士の間で両者に直交するように延在する。第4辺部114は、第3辺部113と同一の長手方向長さを有し、第1および第2辺部111,112の他端部同士の間で両者に直交するように延在する。ビーム115は、第1辺部111の長手方向における中央部と第2辺部112の長手方向における中央部との間に架設され、第3および第4辺部113,114と平行に延在する。かかるフレーム110は、切削加工等により一体に形成されてもよく、複数の棒材を溶接により接合するか、あるいは複数のボルトを介して締結することにより形成されてもよい。また、第1から第4辺部111-114およびビーム115の
図1における上面は、平坦(面一)に形成されており、パネルPは、第1から第4辺部111-114およびビーム115の当該上面に図示しないボルト等を介して固定される。
【0012】
更に、パネル支持体100は、それぞれ対応するアクチュエータ1に連結される2つの被支持部材116を含む。各被支持部材116は、例えば金属により棒状に形成されており、その一端部には、被支持部としての筒状部116tが形成されている。
図1に示すように、2つの被支持部材116の一方は、第1および第2辺部111,112の延在方向における第3辺部113とビーム115との間で、筒状部116tが第1辺部111から車体B側に突出するように第1および第2辺部111,112の図中下面に溶接あるいはボルトにより固定される。また、2つの被支持部材116の他方は、第1および第2辺部111,112の延在方向における第4辺部114とビーム115との間で、筒状部116tが第1辺部111から車体B側に突出するように第1および第2辺部111,112の図中下面に溶接あるいはボルトにより固定される。また、各被支持部材116の筒状部116t以外の部分は、対応する筒状部116tの根元部から第2辺部112まで第3および第4辺部113,114と平行に延在し、フレーム110のビームとして機能する。
【0013】
なお、被支持部材116のビームとして機能する部分すなわち筒状部116t以外の部分がフレーム110と一体に形成されてもよい。この場合、筒状部116tは、当該ビームの近傍で車体B側に向けて突出するように第1辺部111と一体に形成されてもよい。また、筒状部116tのみが第1辺部111と一体に形成されてもよく、フレーム110とは別に製造されたビームが第1辺部111の当該筒状部116tの近傍と第2辺部112との間に架設されてもよい。
【0014】
アクチュエータ1は、
図2および
図3に示すように、駆動対象としてのパネル支持体100(フレーム110)を回動させるための駆動力(回転トルク)を発生する駆動源としての電気モータ(例えば、DCモータ)Mを含む第1アセンブリ10と、当該第1アセンブリ10が着脱自在に固定されると共にパネル支持体100の2つの被支持部材116の対応する一方に連結される第2アセンブリ20とを含む。また、
図3に示すように、第1アセンブリ10は、第1ハウジング11と、減速機構15とを含み、第2アセンブリ20は、第2ハウジング22と、回転部材25とを含む。
【0015】
第1アセンブリ10の第1ハウジング11は、ハウジング本体12と、カバー13とを含む。ハウジング本体12は、例えば金属により略円筒状に形成されており、電気モータMが固定されるモータ支持部121と、当該モータ支持部121から電気モータM側とは反対側に延出された薄肉円筒状の胴部123と、胴部123の端部(
図3における右端)から径方向外側に延出された環状のフランジ部125とを含む。フランジ部125には、複数のボルト孔が周方向に間隔をおいて形成されている。
【0016】
カバー13は、例えば金属により形成されており、ハウジング本体12の胴部123よりも小径かつ短尺の筒状部131と、当該筒状部131の端部(
図3における右端)から径方向外側に延出された環状のフランジ部135とを含む。フランジ部135は、ハウジング本体12のフランジ部125と同一の外径を有し、当該フランジ部135には、複数のボルト孔が周方向に間隔をおいて形成されている。カバー13の筒状部131は、フランジ部135がハウジング本体12のフランジ部125に突き当たるように胴部123の内部に挿入され、カバー13は、図示しない位置決めピン等を介してハウジング本体12に係止される。そして、ハウジング本体12のフランジ部125とカバー13のフランジ部135とは、複数のボルト14を介して第2アセンブリ20の第2ハウジング22に着脱自在に固定(締結)される。
【0017】
減速機構15は、電気モータMの図示しないロータの回転を減速させて当該電気モータMからの回転トルクを増幅するサイクロイド式の減速機構(内接式遊星歯車機構)であり、偏心シャフト16と、入力ギヤ(駆動部材)17と、出力部材(従動部材)18と、オルダム継手部材19とを含む。減速機構15の偏心シャフト16は、電気モータMの図示しないロータに固定され、当該電気モータMにより当該ロータの軸心A0(
図3参照)の周りに回転駆動される。本実施形態において、偏心シャフト16は、例えば金属により形成されており、電気モータM(ロータ)の軸心A0と同軸に延在する短尺円柱状の第1被支持部161と、第1被支持部161の電気モータM側とは反対側で当該電気モータMの軸心A0と同軸に延在する短尺円柱状の第2被支持部162と、第1および第2被支持部161,162の軸方向における間に形成された偏心部163とを含む。
【0018】
図3に示すように、偏心シャフト16の第1被支持部161は、ボールベアリング等の軸受Br1を介してハウジング本体12のモータ支持部121により回転自在に支持される。また、偏心シャフト16の第2被支持部162は、ボールベアリング等の軸受Br2等を介してカバー13の筒状部131により回転自在に支持される。偏心シャフト16の偏心部163は、
図3および
図4に示すように、第1および第2被支持部161,162よりも大径の円柱状に形成されており、当該偏心部163の軸心A3は、電気モータM、第1および第2被支持部161,162に共通の軸心A0から所定距離(偏心量)aだけ径方向に離間している。
【0019】
減速機構15の入力ギヤ17は、それぞれ例えばトロコイド系の曲線歯形を有する複数の外歯17tを含む例えば金属製の外歯歯車である。また、入力ギヤ17は、偏心シャフト16の偏心部163の外径よりも僅かに大きい内径を有すると共に当該入力ギヤ17(複数の外歯17t)の軸心を中心とした中心孔173(
図4参照)を有し、当該中心孔173には、偏心シャフト16の偏心部163が嵌合される。これにより、入力ギヤ17は、偏心シャフト16(偏心部163)により電気モータM、第1および第2被支持部161,162の軸心A0に対して偏心するように支持される。更に、入力ギヤ17の軸方向における一端(
図3における左端)からは、複数の外歯17tの歯先円よりも大径かつ環状のフランジ部175(
図3参照)が径方向外側に延出されている。
【0020】
減速機構15の出力部材18は、例えば金属により形成されており、
図3および
図5に示すように、内歯ギヤ部181と、中間部183と、連結端部185とを含む。内歯ギヤ部181は、円筒状に形成されており、当該内歯ギヤ部181の内周面には、入力ギヤ17の複数の外歯17tよりも多い数の内歯18tが形成されている。複数の内歯18tは、それぞれ例えばトロコイド系の曲線歯形を有し、入力ギヤ17の複数の外歯17tの一部に噛合する。中間部183は、内歯ギヤ部181よりも小径の有底円筒状に形成されており、内歯ギヤ部181の端部(
図3における右端)に形成された環状壁部182から複数の内歯18t側で開口するように当該内歯ギヤ部181と同軸に延出されている。連結端部185は、中間部183の閉鎖端部184から内歯ギヤ部181および中間部183と同軸に延出されており、当該連結端部185の外周面には、スプラインの一種であるセレーション(複数のセレーション歯)185sが出力部材18の軸方向に延在するように形成されている。本実施形態において、連結端部185のセレーション185sは、連結端部185の回転方向におけるトルク伝達を許容すると共に、出力部材18の軸方向における連結端部185と相手方との相対移動すなわち着脱を許容するインボリュートセレーションである。
【0021】
また、出力部材18の中間部183内には、
図3に示すように、偏心シャフト16の第2被支持部162を支持する軸受Br2が配置される。更に、中間部183は、ボールベアリング等の軸受Br3を介してカバー13の筒状部131により電気モータM、第1および第2被支持部161,162の軸心A0の周りに回転自在に支持される。すなわち、軸受Br2と軸受Br3とは、径方向からみて軸方向に重なり合うように第1ハウジング11内に配置される。これにより、第1アセンブリ10ひいてはアクチュエータ1の軸長の増加を抑制しつつ、第1ハウジング11により偏心シャフト16の第2被支持部162および出力部材18の中間部183を同軸かつ回転自在に支持することが可能となる。
【0022】
減速機構15のオルダム継手部材19は、例えば金属により形成されており、
図6に示すように、本体191と、当該本体191に形成された中心孔193と、本体191の外周部から突出する一対のキー19kと、本体191に形成された一対のガイド溝19gとを含む。オルダム継手部材19の中心孔193は、偏心シャフト16の偏心部163の外径よりも大きい内径を有する円孔であり、当該偏心部163は、中心孔193内に遊嵌される。一対のキー19kは、本体191から予め定められた第1方向d1(
図3および
図6における上下方向)に沿って互いに逆方向に突出するように中心孔193(オルダム継手部材19の中心)に関して対称に形成されている。一対のガイド溝19gは、第1方向d1と直交する第2方向d2(
図6における左右方向)に沿って延在するように中心孔193(オルダム継手部材19の中心)に関して対称に本体191に形成されている。
【0023】
また、
図6に示すように、ハウジング本体12のモータ支持部121には、オルダム継手部材19を支持するための凹部121rおよび一対のガイド溝121gが形成されている。凹部121rは、オルダム継手部材19の本体191を移動自在に収容可能に形成されている。また、一対のガイド溝121gは、電気モータM(ロータ)の軸心A0に関して対称にハウジング本体12に形成され、それぞれ上記第1方向d1に沿って延在して凹部121rに連続する。更に、入力ギヤ17のフランジ部175には、中心孔173(入力ギヤ17の中心)に関して対称に一対のキー17kが形成されている。各キー17kは、フランジ部175の外周部から複数の外歯17t側とは反対側(
図3における左側、
図6における紙面奥側)に突出する。
【0024】
オルダム継手部材19の本体191は、モータ支持部121の凹部121r内に配置され、各キー19kは、モータ支持部121の対応するガイド溝121g内に摺動自在に配置される。これにより、オルダム継手部材19は、ハウジング本体12すなわち第1ハウジング11により第1方向d1に沿って摺動自在に支持される。また、各キー19kがモータ支持部121により第2方向d2における両側から支持されることで、第2方向d2におけるオルダム継手部材19とハウジング本体12(第1ハウジング11)との相対移動が規制される。更に、入力ギヤ17の各キー17kは、オルダム継手部材19の対応するガイド溝19g内に摺動自在に配置される。
【0025】
これにより、入力ギヤ17は、オルダム継手部材19およびハウジング本体12(第1ハウジング11)に対して第2方向d2に沿って摺動可能となる。また、各キー17kがオルダム継手部材19の本体191により第1方向d1における両側から支持されることで、第1方向d1おける入力ギヤ17とオルダム継手部材19との相対移動が規制される。従って、当該入力ギヤ17は、オルダム継手部材19と一体になって第1方向d1に沿って摺動可能となる。すなわち、入力ギヤ17は、オルダム継手部材19を介してハウジング本体12(第1ハウジング11)により第1方向d1および第2方向d2の双方において移動自在に支持される。
【0026】
かかる減速機構15では、偏心シャフト16が電気モータMにより回転駆動されて軸心A0の周りに回転すると、入力ギヤ17の中心孔173の内周面が偏心シャフト16の偏心部163により押圧される。これにより、入力ギヤ17は、複数の外歯17tの一部が複数の内歯18tの一部に噛合する状態で偏心シャフト16の回転軸となる軸心A0の周りに公転し、それに伴って出力部材18が極低速で自転する。この結果、電気モータMから偏心シャフト16に伝達された回転トルクが減速機構15により増幅されて出力部材18に伝達されることになる。ここで、入力ギヤ17の外歯17tの歯数をZiとし、出力部材18の内歯18tの歯数をZoとすれば、減速機構15の減速比γは、γ=Zi/(Zo-Zi)と表される。従って、減速機構15では、入力ギヤ17の外歯17tの歯数をより多く(好ましくは、Zo-Zi=1に)することで、減速比γをより大きくすることができる。
【0027】
一方、第2アセンブリ20の第2ハウジング22は、例えば金属により形成されており、
図2および
図3に示すように、底部220と、それぞれ底部220から延出された第1壁部221および第2壁部222とを含む。本実施形態において、底部220は、平坦な板状に形成され、図示しないボルト等を介して車両Vの車体Bの例えばルーフ部に固定される。第1壁部221は、底部220と直交するように当該底部220から延出されており、それぞれ上述のボルト14が螺合される複数のネジ孔223を有する。また、第2壁部222は、底部220と直交すると共に第1壁部221と所定の間隔をおいて対向するように底部220から延出されている。
【0028】
第2アセンブリ20の回転部材25は、例えば金属により形成されており、
図3および
図7に示すように、第1端部251と、第2端部252と、中間部253とを含む。第1端部251は、比較的短尺の有底円筒状に形成されており、第1アセンブリ10の出力部材18の連結端部185が着脱自在にセレーション嵌合される連結穴255を有する。すなわち、連結穴255を画成する第1端部251の内周面には、連結端部185のセレーション185sと嵌まり合うセレーション(複数のセレーション溝)255sが回転部材25の軸方向に延在するように形成されている。連結穴255のセレーション255sも、連結端部185の回転方向におけるトルク伝達を許容すると共に、回転部材25の軸方向における第1端部251(連結穴255)と相手方である連結端部185との相対移動すなわち着脱を許容するインボリュートセレーションである。また、第1端部251は、
図3に示すように、第1壁部221に形成された軸受穴224内に配置されるボールベアリング等の軸受Br4を介して第2ハウジング22により回転自在に支持される。
【0029】
回転部材25の第2端部252は、第1端部251の外径よりも小さい外径を有する比較的短尺の円柱状に形成されており、第1端部251の反対側で当該第1端部251と同軸に延在する。
図3に示すように、第2端部252は、第2壁部222に形成された軸受穴225内に配置されるボールベアリング等の軸受Br5を介して第2ハウジング22により第1端部251と同軸かつ回転自在に支持される。回転部材25の中間部253は、第2ハウジング22の第1および第2壁部221,222同士の間隔に応じた軸長を有し、第1および第2端部251,252の間で両者と同軸に延在する。
図7に示すように、中間部253は、第1端部251よりも小径かつ第2端部252よりも大径に形成されており、当該中間部253の外周面には、セレーション(複数のセレーション歯)253sが回転部材25の軸方向に延在するように形成されている。本実施形態において、中間部253のセレーション253sも、上述のようなインボリュートセレーションである。
【0030】
図2および
図3に示すように、回転部材25の中間部253には、駆動対象であるパネル支持体100の被支持部材116の筒状部116tが一体に回転するように連結(固定)される。回転部材25に被支持部材116を連結する際、被支持部材116の筒状部116tは、第1および第2壁部221,222の間に画成される開口227を介して第2ハウジング22内に差し込まれる。更に、回転部材25が第1壁部221側から筒状部116tを貫通するように第2ハウジング22に対して組み付けられる。これにより、筒状部116tすなわちパネル支持体100に対してセレーション253sを介して回転部材25すなわち第2アセンブリ20を容易に組み付けることが可能となる。
【0031】
そして、第2アセンブリ20の第2ハウジング22は、上述のように車両Vの車体B(ルーフ部等)に固定され、回転部材25およびパネル支持体100の対応する各被支持部材116と共にヒンジ機構を形成する。これにより、
図1に示す車両Vでは、各アクチュエータ1の電気モータMを作動させて偏心シャフト16を回転させることで、当該電気モータMからの回転トルクを減速機構15により増幅して出力部材18から回転部材25に伝達し、被支持部材116すなわちフレーム110および当該フレーム110に固定されたパネルPを車体Bに対して任意の角度に回動させることが可能となる。また、本実施形態において、第2ハウジング22および筒状部116t(ヒンジ機構)は、被支持部材116(フレーム110)を第2ハウジング22(車体B)に対して180°だけ回動させることができるように形成されている。従って、車両Vでは、2つのアクチュエータ1によりフレーム110およびパネルPを車体B側に回動させて当該車体B(ルーフ部)上に格納すると共に、フレーム110およびパネルPを車体Bから水平に張り出すように回動させることが可能となる。
【0032】
上述のように、アクチュエータ1は、第1アセンブリ10と、当該第1アセンブリ10が複数のボルト14を介して着脱自在に固定される第2アセンブリ20とを含む。また、第1アセンブリ10は、駆動源としての電気モータMおよび当該電気モータMにより回転駆動される出力部材18を含む。更に、第2アセンブリ20は、駆動対象としてのパネル支持体100の被支持部材116に連結されると共に第1アセンブリ10の出力部材18と一体に回転するように当該出力部材18に対して軸方向に着脱自在に連結される回転部材25を含む。
【0033】
これにより、複数のボルト14を緩めて第1および第2アセンブリ10,20同士の固定を解除し、第1および第2アセンブリ20を出力部材18および回転部材25の軸方向(軸心A0の延在方向)に離間させることで、
図8に示すように、回転部材25を介してパネル支持体100の被支持部材116に連結された第2アセンブリ20から第1アセンブリ10を取り外すことができる。また、出力部材18が回転部材25に連結されるように第1および第2アセンブリ20を軸方向に接近させて複数のボルト14により両者を互いに固定することで、第1アセンブリ10を第2アセンブリ20に容易に取り付けることができる。従って、例えば電気モータMや減速機構15の故障が発生したときには、第1アセンブリ10を容易かつ速やかに交換することが可能となる。更に、電気モータMや減速機構15等の故障により当該電気モータMからの駆動力によってパネル支持体100を車体Bに対して回動させ得なくなっても、第1アセンブリ10を第2アセンブリ20から取り外すことで回転部材25の回転(空転)が許容されるので、パネル支持体100を手動で回動させることができる。この結果、アクチュエータ1では、整備性を向上させること共に、当該アクチュエータ1の故障発生時に駆動対象としてのパネル支持体100の動作を許容することが可能となる。
【0034】
また、出力部材18は、軸方向に延在するように外周面に形成されたセレーション(スプラインの一種)185sを有する連結端部185を含み、回転部材25は、出力部材18の連結端部185がセレーション嵌合(スプライン嵌合)される連結穴255を含む。これにより、出力部材18と回転部材25と容易に着脱自在にしつつ、両者を一体に回転するように連結することが可能となる。
【0035】
更に、第1アセンブリ10は、出力部材18を回転自在に支持する第1ハウジング11を含み、第2アセンブリ20は、回転部材25を回転自在に支持すると共に第1ハウジング11が着脱自在に固定される第2ハウジング22を含む。また、回転部材25は、連結穴255を有すると共に第1アセンブリ10側で軸受B4を介して第2ハウジング22の第1壁部221により回転自在に支持される第1端部251と、第1アセンブリ10側とは反対側で軸受B5を介して第2ハウジング22の第2壁部222により回転自在に支持される第2端部252と、第1端部251よりも小径かつ第2端部252よりも大径に形成されると共に第1および第2端部251,252の間で軸方向に延在する中間部253とを含む。更に、駆動対象であるパネル支持体100の被支持部材116(筒状部116t)は、第1および第2壁部221,222の間の開口227を介して回転部材25の中間部253に連結(固定)される。これにより、回転部材25を第2ハウジング22により安定に支持すると共に、パネル支持体100の被支持部材116に対する第2アセンブリ20の組付性を良好に確保することが可能になる。
【0036】
また、上記実施形態において、パネル支持体100の被支持部材116は、車両Vで利用されるパネルPを支持するフレーム110に固定または一体化される。更に、第2アセンブリ20の第2ハウジング22は、回転部材25の中間部253に一端側の筒状部116tが連結(固定)される被支持部材116と共にヒンジ機構を形成する。これにより、部品点数を削減しつつ、駆動対象としてのパネル支持体100を第2ハウジング22により回動自在に支持することが可能となる。加えて、第2ハウジング22の底部220を車両Vの車体Bに固定することで、フレーム110を車体Bに回動自在に取り付けると共にアクチュエータ1により当該フレーム110を車体Bに対して回動させることができる。ただし、アクチュエータ1の駆動対象は、パネル支持体100以外の車載機器であってもよく、車載機器以外の要素であってもよい。
【0037】
更に、第1アセンブリ10は、電気モータMの回転を減速させて当該電気モータMからの回転トルクを増幅して出力部材18に伝達する減速機構15を含む。これにより、電気モータMの大型化を抑制しつつ、大きなトルクを出力部材18から回転部材25に出力することが可能となる。なお、アクチュエータ1の駆動源は、電気モータMに限られるものではなく、アクチュエータ1は、駆動源として例えば油圧モータ(揺動モータ)等を含む油圧アクチュエータであってもよい。
【0038】
また、上記実施形態において、減速機構15は、出力部材18に形成された複数の内歯18tの一部に噛合する複数の外歯17tを有する入力ギヤ17と、入力ギヤ17を出力部材18に対して偏心するように支持すると共に電気モータMにより回転駆動される偏心シャフト16と、第1ハウジング11により第1方向d1に沿って移動自在に支持されると共に、入力ギヤ17を第1方向d1と直交する第2方向d2に沿って移動自在に支持するオルダム継手部材19とを含む。
【0039】
このようなサイクロイド式の減速機構15では、偏心シャフト16を回転させると、複数の外歯17tの一部が複数の内歯18tの一部に噛合する状態で入力ギヤ17が偏心シャフト16の回転軸である軸心A0の周りに公転し、それに伴って出力部材18が極低速で自転する。従って、減速機構15では、減速比γをより大きくすることが可能となる。加えて、かかる減速機構15では、入力ギヤ17の外歯17tの歯面および出力部材18の内歯18tの歯面を調整することで、出力部材18の内歯18tの歯面に作用する力の分力を当該出力部材18の中心(軸心A0)に向かうようにして出力部材18に作用する逆転方向の力をより小さくすることができる。従って、アクチュエータ1では、電気モータMの回転が停止したときに、出力部材18の回転を規制する、いわゆるセルフロック機能を減速機構15にもたせることが可能となる。
【0040】
ただし、減速機構15は、上述のようなオルダム継手部材19を含む内接式遊星歯車機構に限られるものではない。すなわち、アクチュエータ1の減速機構15は、ピン式の継手機構を含むKHV型遊星歯車機構であってもよく、2KH型遊星歯車機構であってもよい。これらの遊星歯車機構を減速機構15として採用しても、減速比γをより大きくすると共に、減速機構15にセルフロック機構をもたせることができる。
【0041】
以上説明したように、本開示のアクチュエータは、駆動源(M)からの駆動力により駆動対象(100)を動作させるアクチュエータ(1)であって、前記駆動源(M)および前記駆動源(M)により回転駆動される出力部材(18)を含む第1アセンブリ(10)と、前記駆動対象(100)に連結されると共に前記出力部材(18)と一体に回転するように前記出力部材(18)に対して軸方向に着脱自在に連結される回転部材(25)を含み、前記第1アセンブリ(10)が着脱自在に固定される第2アセンブリ(20)とを含むものである。
【0042】
本開示のアクチュエータは、第1アセンブリと、当該第1アセンブリが着脱自在に固定される第2アセンブリとを含む。そして、第1アセンブリは、駆動源および当該駆動源により回転駆動される出力部材を含み、第2アセンブリは、駆動対象に連結されると共に第1アセンブリの出力部材と一体に回転するように当該出力部材に対して軸方向に着脱自在に連結される回転部材を含む。これにより、第1および第2アセンブリ同士の固定を解除し、第1および第2アセンブリを出力部材および回転部材の軸方向に離間させることで、回転部材を介して駆動対象に連結された第2アセンブリから第1アセンブリを取り外すことができる。また、出力部材が回転部材に連結されるように第1および第2アセンブリを軸方向に接近させて両者を互いに固定することで、第1アセンブリを第2アセンブリに容易に取り付けることができる。従って、例えば駆動源等の故障が発生したときには、第1アセンブリを容易かつ速やかに交換することが可能となる。更に、故障等により駆動源からの動力によって駆動対象を動作させ得なくなっても、第1アセンブリを第2アセンブリから取り外すことで回転部材の回転が許容されるので、駆動対象を手動で動かすことができる。この結果、本開示のアクチュエータでは、整備性を向上させること共に、当該アクチュエータの故障発生時に駆動対象の動作を許容することが可能となる。
【0043】
また、前記出力部材(18)は、前記軸方向に延在するように外周面に形成されたスプライン(185s)を有する連結端部(185)を含むものであってもよく、前記回転部材(25)は、前記出力部材(18)の前記連結端部(185)がスプライン嵌合される連結穴(255)を含むものであってもよい。
【0044】
これにより、出力部材と回転部材と容易に着脱自在にしつつ、両者を一体に回転するように連結することが可能となる。
【0045】
更に、前記第1アセンブリ(10)は、前記出力部材(18)を回転自在に支持する第1ハウジング(11,12,13)を含むものであってもよく、前記第2アセンブリ(20)は、前記回転部材(25)を回転自在に支持すると共に前記第1ハウジング(11,12,13)が着脱自在に固定される第2ハウジング(22)を含むものであってもよく、前記回転部材(25)は、前記連結穴(255)を有すると共に前記第1アセンブリ(10)側で軸受(B4)を介して前記第2ハウジング(22,221)により回転自在に支持される第1端部(251)と、前記第1アセンブリ(10)側とは反対側で軸受(B5)を介して前記第2ハウジング(22,222)により回転自在に支持される第2端部(252)と、前記第1端部(251)よりも小径かつ前記第2端部(252)よりも大径に形成されると共に前記第1および第2端部(251,252)の間で前記軸方向に延在する中間部(253)とを含むものであってもよく、前記駆動対象(100,116,116t)は、前記第2ハウジング(22)に形成された開口(227)を介して前記回転部材(25)の前記中間部(253)に連結されてもよい。
【0046】
これにより、回転部材を第2ハウジングにより安定に支持すると共に、駆動対象に対する第2アセンブリの組付性を良好に確保することが可能になる。
【0047】
また、前記第2ハウジング(22)は、前記回転部材(25)に一端部(116t)が連結される前記駆動対象(100)の被支持部材(116)と共にヒンジ機構を形成するものであってもよい。
【0048】
これにより、部品点数を削減しつつ、駆動対象を第2ハウジングにより回動自在に支持することが可能となる。
【0049】
更に、前記被支持部材(116)は、車両(V)で利用されるパネル(P)を支持するフレーム(110)に固定または一体化されてもよく、前記第2ハウジング(22,210)は、前記車両(V)の車体(B)に固定されてもよい。
【0050】
すなわち、かかるアクチュエータによれば、車両で利用されるパネルを支持するフレームを当該車両の車体に回動自在に取り付けると共に当該フレームを車体に対して回動させることが可能となる。
【0051】
また、前記第1アセンブリ(10)は、前記駆動源(M)からの回転トルクを増幅して前記出力部材(18)に伝達する減速機構(15)を含むものであってもよい。
【0052】
これにより、駆動源の大型化を抑制しつつ、大きなトルクを出力部材から回転部材に出力することが可能となる。
【0053】
更に、前記減速機構(15)は、前記出力部材(18)に形成された複数の内歯(18t)の一部に噛合する複数の外歯(17t)を有する入力ギヤ(17)と、前記入力ギヤ(17)を前記出力部材(18)に対して偏心するように支持すると共に前記駆動源(M)により回転駆動される偏心シャフト(16)と、前記第1アセンブリ(10)の第1ハウジング(11,12,121)により第1方向(d1)に沿って移動自在に支持されると共に、前記入力ギヤ(17)を前記第1方向(d1)と直交する第2方向(d2)に沿って移動自在に支持するオルダム継手部材(19)とを含むものであってもよい。
【0054】
このようなサイクロイド式の減速機構(内接式遊星歯車機構)では、偏心シャフトを回転させると、複数の外歯の一部が複数の内歯の一部に噛合する状態で入力ギヤが偏心シャフトの回転軸の周りに公転し、それに伴って出力部材が極低速で自転することから、減速比をより大きくすることが可能となる。加えて、かかる減速機構では、入力ギヤの外歯の歯面および出力部材の内歯の歯面を調整することで、出力部材の内歯の歯面に作用する力の分力を当該出力部材の中心に向かうようにして出力部材に作用する逆転方向の力をより小さくすることができる。従って、駆動源の回転が停止したときに、出力部材の回転を規制する、いわゆるセルフロック機能を減速機構にもたせることが可能となる。
【0055】
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示の発明は、アクチュエータの製造産業等において利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 アクチュエータ、10 第1アセンブリ、11 第1ハウジング、12 ハウジング本体、121g ガイド溝、14 ボルト、15 減速機構、16 偏心シャフト、163 偏心部、17 入力ギヤ、17t 外歯、17k キー、18 出力部材、18t 内歯、181 内歯ギヤ部、183 中間部、185 連結端部、185s セレーション(スプライン)、19 オルダム継手部材、19g ガイド溝、19k キー、20 第2アセンブリ、22 第2ハウジング、221 第1壁部、222 第2壁部、223 ネジ孔、227 開口、25 回転部材、251 第1端部、252 第2端部、253 中間部、253s セレーション(スプライン)、255 連結穴、255s セレーション(スプライン)、100 パネル支持体、100 フレーム、116 被支持部材、116t 筒状部(一端部)、A0,A3 軸心、B 車体、Br1,Br2,Br3,Br4,Br5 軸受、d1 第1方向、d2 第2方向、M 電気モータ(駆動源)、P パネル、V 車両。