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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183484
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ネジ締め構造
(51)【国際特許分類】
   B43K 3/00 20060101AFI20231221BHJP
   B43K 7/00 20060101ALI20231221BHJP
   F16L 15/06 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B43K3/00 H
B43K7/00 100
F16L15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097022
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000108328
【氏名又は名称】ゼブラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 有生
(72)【発明者】
【氏名】田口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】水鳥 元嵩
【テーマコード(参考)】
2C350
【Fターム(参考)】
2C350GA03
2C350GA04
2C350KF01
(57)【要約】
【課題】少ない回転量でネジ締めできるねじ締め構造を提供することを課題とする。
【解決手段】一端に雄ネジ部を有する第1部材と、一端に雌ネジ部を有する第2部材とを連結するネジ締め構造において、前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであることを特徴とするネジ締め構造。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に雄ネジ部を有する第1部材と、一端に雌ネジ部を有する第2部材とを連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、
又は、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである
ことを特徴とするネジ締め構造。
【請求項2】
1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする請求項1に記載されたネジ締め構造。
【請求項3】
1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする請求項1に記載されたネジ締め構造。
【請求項4】
前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする請求項1に記載されたネジ締め構造。
【請求項5】
前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な2つの筒状ケースの何れか一方及び他方であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
【請求項6】
前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な容器及び蓋の何れか一方及び他方であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する蓋付き容器。
【請求項7】
前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材及び第2棒状部材の何れか一方又は他方であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【請求項8】
一端に雄ネジ部を有する第1部材、一端に雌ネジ部を有する第2部材、及び/又は、一端及び他端に雄ネジ部又は雌ネジ部を有する第3部材を連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雄ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部とを締結し、
及び/又は、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部とを締結する
ことを特徴とするネジ締め構造。
【請求項9】
1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする請求項8に記載されたネジ締め構造。
【請求項10】
1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする請求項8に記載されたネジ締め構造。
【請求項11】
前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする請求項8に記載されたネジ締め構造。
【請求項12】
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な3つ以上の筒状ケースの何れか一つであることを特徴とする請求項8~11の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
【請求項13】
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材、第2棒状部材及び第3棒状部材の何れか一つであることを特徴とする請求項8~11の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【請求項14】
一端に雄ネジ部を有する第1部材と、一端に雌ネジ部を有する第2部材とを連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個(n:自然数)の1/(2n+1)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、
又は、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである
ことを特徴とするネジ締め構造。
【請求項15】
1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする請求項14に記載されたネジ締め構造。
【請求項16】
1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする請求項14に記載されたネジ締め構造。
【請求項17】
前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする請求項14に記載されたネジ締め構造。
【請求項18】
前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な2つの筒状ケースの何れか一方及び他方であることを特徴とする請求項14~17の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
【請求項19】
前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な容器及び蓋の何れか一方及び他方であることを特徴とする請求項14~17の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する蓋付き容器。
【請求項20】
前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材及び第2棒状部材の何れか一方又は他方であることを特徴とする請求項14~17の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【請求項21】
一端に雄ネジ部を有する第1部材、一端に雌ネジ部を有する第2部材、及び/又は、一端及び他端に雄ネジ部又は雌ネジ部を有する第3部材を連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個(n:自然数)の1/(2n+1)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部とを締結し、
及び/又は、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部とを締結する
ことを特徴とするネジ締め構造。
【請求項22】
1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする請求項21に記載されたネジ締め構造。
【請求項23】
1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする請求項21に記載されたネジ締め構造。
【請求項24】
前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする請求項21に記載されたネジ締め構造。
【請求項25】
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な3つ以上の筒状ケースの何れか一つであることを特徴とする請求項21~24の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
【請求項26】
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材、第2棒状部材及び第3棒状部材の何れか一つであることを特徴とする請求項21~24の何れか1項に記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールペン、シャープペンシル、サインペンなどの筆記具のほか、アイライナーペンなどの化粧具、容器及び蓋からなる収納容器一般、各種用具の持ち手等に使用されるネジ締め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筆記具、化粧具、収納容器、用具の持ち手等に用いられるネジ締め構造は、少なくとも1条のらせん状のネジを備えた普通のネジ締め構造であり、ネジを締結するためには、ネジが設けられた部材を何周も回転させる必要があり、使用者が面倒に感じることがあり、また、製造時にも生産性が落ちる要因にもなっていた。
また、ネジは締め付けすぎると、ネジ山が変形あるいは破損して、ネジが空転してしまい、締結できなくなることもある。
さらに、ネジは摩擦力により固定する手段であり、締緩を繰り返すと、締結したネジが緩みやすくなることがある。
そこで、少ない回転量で締結できるネジや、ネジの締結終端部にストッパやネジの緩み止めを設けたネジが提案されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願昭59-34146号(実開昭60-146054号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたネジ締め構造は、雄ネジが1周分形成されており、ネジの締結には、最小で1周、最大で2周回転させる必要があり、まだ、回転量が多い。そのうえ、2つのストッパ片の当接面は、回転方向に対して直交する面であるから、大きな締結力が加わると、変形あるいは破損して空回りしてしまう可能性が少なからずある。さらに、ネジの緩みを防止する戻り防止片は、外周方向に突出する薄い突状部となっていて、多数回の開閉が行われる容器と蓋のネジ締め手段などに使用する場合、耐久性に不安が残るものであった。
【0005】
そこで、本発明は、少ない回転量でネジ締めできるねじ締め構造を提供することを課題とする。
また、締めすぎによるネジの空回りを確実に防止することができるネジ締め構造を提供することを課題とする。
また、ネジの緩みを確実に防止するとともに、耐久性の高い緩み止めを備えるネジ締め構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
一端に雄ネジ部を有する第1部材と、一端に雌ネジ部を有する第2部材とを連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、
又は、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである
ことを特徴とするネジ締め構造。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する雄ネジ又は雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した第1部材と、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雌ネジ又は雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した第2部材とを締結することにより、最小で1/(2n)周、最大で3/(2n)周の回転量で締結することができる。
また、本発明は、締めすぎによるネジの空回りを確実に防止することができる。
また、本発明は、ネジの緩みを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態1のボールペン1の斜視図である。
図2】本発明に係る実施形態1のボールペン1を前側筒状ケース21と後側筒状ケース22の2つに分解した斜視図である。
図3】本発明に係る実施形態1のボールペン1の前側筒状ケース21の正面図と側面図である。
図4】本発明に係る実施形態1のボールペン1の前側筒状ケース21の雄ネジ部3の拡大斜視図である。
図5】本発明に係る実施形態1のボールペン1の後側筒状ケース22の縦断面図である。
図6】本発明に係る実施形態1のボールペン1の後側筒状ケース22の雌ネジ部4の一部切断拡大斜視図である。
図7図1のVII-VII線断面図である。
図8図1のVIII-VIII線断面図である。
図9】本発明に係る実施形態1のボールペン1の雄ネジ部3と雌ネジ部4の締結の様子を示す図である。
図10】本発明に係る実施形態2の用具の持ち手を分解した1つの部品5の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態1のネジ締め構造を、筆記具であるボールペン1を例示して説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0010】
[ボールペンの全体構造]
図1は本発明の実施形態1に係るボールペン1の斜視図、図2は本発明に係る実施形態1のボールペン1を前側筒状ケース21と後側筒状ケース22の2つに分解した斜視図である。
ボールペン1は、前側筒状ケース21と後側筒状ケース22とからなる筒状ケース2を有する。
筒状ケース2内には、中芯やノック機構(いずれも図示していない)が収納されている。
前側筒状ケース21と後側筒状ケース22は、前側筒状ケース21に設けられた雄ネジ部3と、後側筒状ケース22に設けられた雌ネジ部4とが締結されることにより、一体化して筒状ケース2を構成する。
【0011】
[雄ネジ部の構造]
図3は、本発明に係る実施形態1のボールペン1の前側筒状ケース21の正面図と側面図、図4は、本発明に係る実施形態1のボールペン1の前側筒状ケース21の雄ネジ部3の拡大斜視図である。
前側筒状ケース21は、後端側に外径を小さくして、雄ネジ部3を形成した突出部211が段差部212を介して設けられている。
雄ネジ部3は、2条の雄ネジ31、第1スライダ部32、第1咬合部33、第1リブ34を有する。なお、雄ネジ31は、2条に限らず、1条でもよいし、3条以上でもよい。
【0012】
雄ネジ31は、1/4周の長さに設けられた雄ネジ条が前側筒状ケース21の軸方向に2条設けられた雄ネジ条対311を有する。この雄ネジ条対311が、周方向に、1/4周の長さの空隙部312を介して、2か所に設けられている。なお、空隙部とは、周方向で、ネジとネジの間のネジのない部分を示す。(以下、同じ。)
【0013】
第1スライダ部32は、各雄ネジ条対311の、ネジ締結時の回転方向上流側端部には、空隙部312の一部を埋めるように設けられている。
第1スライダ部32は、各雄ネジ条対311のうちのネジ締結時の挿入方向先端側のネジ条3111の先端側の面に連なるように形成され、ネジ締結時の回転方向下流側から上流側に行くにつれて挿入方向先端側から離反する方向に湾曲する曲面321が形成された凸部である。
【0014】
第1咬合部33は、各雄ネジ条対311のうちのネジ締結時の挿入方向後端側のネジ条3112のネジ締結時の回転方向上流側端部に、第1スライダ部32の挿入方向後端側に連なるように前側筒状ケース21の軸方向に延設された凸部である。そして、図7に示すように、回転方向下流側に向けて突出するくさび状の第1咬合突起331を有する。
【0015】
第1リブ34は、挿入方向後端側のネジ条3112の挿入方向後端側に、挿入方向後端側のネジ条3112から離間し、かつ、第1咬合突起331のネジ締結時の回転方向下流側に、第1咬合突起331から離間した位置に、前側筒状ケース21の軸方向に延設されている。
【0016】
[雌ネジ部の構造]
図5は、本発明に係る実施形態1のボールペン1の後側筒状ケース22の縦断面図、図6は、本発明に係る実施形態1のボールペン1の後側筒状ケース22の雌ネジ部4の一部切断拡大斜視図である。
後側筒状ケース22は、先端側の内周面に雌ネジ部4が形成されている。
雌ネジ部は、2条の雌ネジ41、第2スライダ部42、第2咬合部43、第2リブ44を有する。なお、雌ネジ41は、2条に限らず、1条でもよいし、3条以上でもよい。
【0017】
雌ネジ41は、1/4周以下の長さに設けられた雌ネジ条が後側筒状ケース22の軸方向に2条設けられた雌ネジ条対411を有する。この雌ネジ条対411が、周方向に、1/4周以上の長さの空隙部412を介して、2か所に設けられている。なお、これら雌ネジ条対411と空隙部412は、雌ネジ条対411の長さと空隙部412の長さを合わせると、1/2周の長さになるように設けられている。
【0018】
第2スライダ部42は、各雌ネジ条対411のうちのネジ締結時の挿入方向先端側のネジ条4111の先端側の面に連続して挿入方向先端側に突出するように設けられており、その挿入方向先端側の面は、ネジ締結時の回転方向下流側から上流側に行くにつれて挿入方向先端側から離反する方向に湾曲する曲面421が形成された凸部である。
【0019】
第2咬合部43は、各雌ネジ条対411のうちのネジ締結時の挿入方向先端側のネジ条4111及び第2スライダ部42のネジ締結時の回転方向下流側端部に設けられている。
そして、第2咬合部43として、図7に示すように、回転方向下流側に向けて突出するくさび状の第2咬合突起431を有する。
【0020】
第2リブ44は、挿入方向後端側のネジ条4112の挿入方向後端側に、挿入方向後端側のネジ条4112から離間し、かつ、第2咬合突起431のネジ締結時の回転方向下流側に、第2咬合突起431から離間した位置に、後側筒状ケース22の軸方向に延設されている。
【0021】
[咬合部の構造]
図7は、図1のVII-VII線断面図であり、第1咬合部33と第2咬合部43の咬合構造を示した図である。
雄ネジ部3の第1咬合突起331と雌ネジ部4の第2咬合突起431は、先端部が同程度の角度であり、それぞれ、30°~60°の鋭角をなしている。
この構造により、大きな締結力が加わり、雄ネジ条対311、雌ネジ条対411が破損したり、変形したりして、雄ネジ31、雌ネジ41が空回りすることを確実に防止することができる。
これら第1咬合突起331及び第2咬合突起431の先端部の角度が30°より小さいと、第1咬合突起331及び第2咬合突起431はしっかり咬合するものの、第1咬合突起331及び第2咬合突起431自体が薄くなってしまい、大きな締結力が加わると、破損しやすくなる。
逆に、これら先端部が60°より大きいと、大きな締結力が加わったときに、第1咬合突起331、第2咬合突起431、前側筒状ケース21、後側筒状ケース22が変形して、雄ネジ31、雌ネジ41が互いに乗り越えて、ネジが空転しやすくなる。
【0022】
[リブの構造]
図8は、図1のVIII-VIII線断面図であり、第1リブ34と第2リブ44の咬合構造を示した図である。
第1リブ34は、挿入方向後端側のネジ条3112の後端側に、挿入方向後端側のネジ条3112から離間し、かつ、第1咬合突起331のネジ締結時の回転方向下流側に、第1咬合突起331から離間した位置に、前側筒状ケース21の軸方向に延設されている。
第1リブ34のネジ締結時の回転方向上流側の面は、下流側の面に比べて急傾斜とされている。
この形状により、締結時には、第1リブ34の下流側の面が第2リブ44を乗り越えるので、回転力が小さくてもよいが、逆に、ネジが緩む方向には、第1リブ34の上流側の急な面が第2リブ44を乗り越える必要があるので、小さい力ではネジが緩まないという効果を奏し得る。
【0023】
なお、第2リブ44のネジ締結時の回転方向上流側の面を、下流側の面に比べて急傾斜としてもよいし、第1リブ34及び第2リブ44のネジ締結時の回転方向上流側の面を、それぞれ、下流側の面に比べて急傾斜としてもよい。
また、第1リブ34及び第2リブ44を形成する箇所は、第1リブ34及び第2リブ44が、締結時に互いに乗り越えるような箇所であって、雄ネジと雌ネジの締結を阻害しない箇所であれば、どのような箇所でもよい。
【0024】
[ネジの締結]
図9は、本発明に係る実施形態1のボールペン1の雄ネジ部3と雌ネジ部4の締結の様子を示す図である。
前側筒状ケース21の突出部211を後側筒状ケース22の先端側に挿入すると、図9(a)に示されるように、雄ネジ31の挿入方向先端側のネジ条3111の先端側の面と、雌ネジ41の第2スライダ部42の挿入方向先端側の面が当接する。
その後、前側筒状ケース21と後側筒状ケース22を相対的に回転させると、挿入方向先端側のネジ条3111の先端側の面と、第2スライダ部42の先端側の面が滑りながら、それぞれ、回転方向下流側に進行する。そして、図9(b)に示されるように、第1スライダ部32の曲面321と第2スライダ部42の曲面421が当接しながら、雄ネジ部3と雌ネジ部4は、それぞれ、挿入方向にも進行していく。
このとき、曲面321、曲面421同士が当接することにより、回転方向から挿入方向への進行方向の向きの変換がスムーズに行われることにより、ネジの締結動作をスムーズに行うことができる。
雌ネジ部4全体が、雄ネジ部3の空隙部312に進むと、図9(c)に示されるように、雄ネジ部3と雌ネジ部4は、それぞれ、さらに挿入方向に進行する。
【0025】
図9(d)に示されるように、後側筒状ケース22の先端部が前側筒状ケース21の段差部212に当接すると、挿入方向への進行が止まる。この状態で、雌ネジ部4の挿入方向後端側のネジ条4112が、雄ネジ部3の2つのネジ条3111と3112の間に嵌合可能に、雄ネジ部3の挿入方向後端側のネジ条3112が、雌ネジ部4の2つのネジ条4111と4112の間に嵌合可能に位置することになる。
さらに、回転させると、図9(e)に示されるように、雌ネジ部4の挿入方向後端側のネジ条4112が、雄ネジ部3の2つのネジ条3111と3112の間に進入し、雄ネジ部3の挿入方向後端側のネジ条3112が、雌ネジ部4の2つのネジ条4111と4112の間に進入していく。
最後に、図9(f)に示されるように、雄ネジ部3の第1リブ34と、雌ネジ部4の第2リブ44が、互いに乗り越えて、雄ネジ部3の第1咬合部33と雌ネジ部4の第2咬合部43が噛み合って停止し、雄ネジ部3と雌ネジ部4の締結が完了する。
【0026】
図9では、雄ネジ部3を雌ネジ部4に挿入して(図9(a))から、締結完了(図9(f))までに、3/4周弱の回転量が必要となる。
なお、前側筒状ケース21の突出部211を後側筒状ケース22の先端側に挿入したとき、雄ネジ31の雄ネジ条対311の先端側の面の回転方向下流側端部と、雌ネジ41の第2スライダ部42の挿入方向先端側の面の回転方向下流側端部が、図9(a)に示されるよりも、さらに、ギリギリで当接した場合、ほぼ3/4周という最大の回転量が必要となる。
逆に、前側筒状ケース21の突出部211を後側筒状ケース22の先端側に挿入したとき、雄ネジ31の雄ネジ条対311の回転方向下流側端部と、雌ネジ41の雌ネジ条対411の回転方向下流側端部がスレスレで当接せずに、雄ネジ31の空隙部312に、雌ネジ部4の雌ネジ条対411が嵌入した場合に、ほぼ1/4周という最小の回転量で済むことになる。
【0027】
[変形例1]
上記実施形態1は、1/4周の長さに設けられた雄ネジ条を有する雄ネジ部3と、1/4周以下の長さに設けられた雌ネジ条を有する雌ネジ部4の組み合わせであったが、逆に、1/4周の長さに設けられた雌ネジ条を有する雌ネジ部と、1/4周以下の長さに設けられた雄ネジ条を有する雄ネジ部の組み合わせでもよい。
この変形例1では、雌ネジ部が、第1スライダ部、第1咬合部、第2リブを有し、雄ネジ部が、第2スライダ部、第2咬合部、第1リブを有するように構成される。
【0028】
実施形態1とその変形例1をまとめると、1/4周の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第1スライダ部、第1咬合部を、1/4周以下の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第2スライダ部、第2咬合部を有し、雄ネジ部が第1リブを、雌ネジ部が第2リブを有するように構成されることになる。
【0029】
[変形例2]
上記実施形態1は、雄ネジ部3では、1/4周の長さの雄ネジ条を1/4周の長さの空隙部312を介して2カ所に、雌ネジ部4では、1/4周以下の長さの雌ネジ条を1/4周以上の長さの空隙部412を介して2カ所に設けたものであったが、この他に、雄ネジ部では、1/6周の長さの雄ネジ条を1/6周の長さの空隙部を介して3カ所に、雌ネジ部では、1/6周以下の長さの雌ネジ条を1/6周以上の長さの空隙部を介して3カ所に設けてもよい。なお、1/6周以下の長さの雌ネジ条の長さと、1/6周以上の長さの空隙部の長さを合わせると、1/3周の長さになるように設けられている。
【0030】
すなわち、一般化すると、雄ネジ部では、nを自然数として、1/(2n)周の長さの雄ネジ条を1/(2n)周の長さの空隙部を介してnカ所に、雌ネジ部では、1/(2n)周以下の長さの雌ネジ条を1/(2n)周以上の長さの空隙部を介してnカ所に設ければよい。なお、1/(2n)周以下の長さの雌ネジ条の長さと、1/(2n)周以上の長さの空隙部の長さを合わせると、1/n周の長さになるように設けられている。
また、逆に、雌ネジ部では、1/(2n)周の長さの雌ネジ条を1/(2n)周の長さの空隙部を介してnカ所に、雄ネジ部では、1/(2n)周以下の長さの雄ネジ条を1/(2n)周以上の長さの空隙部を介してnカ所に設ければよい。なお、1/(2n)周以下の長さの雄ネジ条の長さと、1/(2n)周以上の長さの空隙部の長さを合わせると、1/n周の長さになるように設けられている。
【0031】
雄ネジ条とその空隙部、雌ネジ条とその空隙部として、1/2n周という長さを挙げたが、この数式で示される値である必要はなく、この値から外れていてもよいが、雄ネジ条とその空隙部を足した長さ、雌ネジ条とその空隙部を足した長さが、1/nとなるように設定する。
【0032】
なお、変形例2での締結時の回転量は、最小でほぼ1/(2n)周、最大でほぼ3/(2n)周となる。
また、nは小さいと、締結に必要な回転量が増え、逆にnが大きいと、一つ一つのネジの長さが小さくなりすぎて、締結力が弱くなったり、破損や変形を生じやすくなったりするので、雄ネジ部、雌ネジ部のサイズにもよるが、n=2~4程度が最適である。
【0033】
この変形例2では、1/(2n)周の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第1スライダ部、第1咬合部を、1/(2n)周以下の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第2スライダ部、第2咬合部を有し、雄ネジ部が第1リブを、雌ネジ部が第2リブを有するように構成される。
逆に、1/(2n)周の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第2スライダ部、第1咬合部を、1/(2n)周以下の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第1スライダ部、第2咬合部を有し、雄ネジ部が第1リブを、雌ネジ部が第2リブを有するように構成してもよい。
【0034】
[変形例3]
さらに、雄ネジ部では、nを自然数として、1/(2n+1)周以下の長さの雄ネジ条をn/((2n+1)(n+1))周以上の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に、雌ネジ部では、n/((2n+1)(n+1))周の長さの雌ネジ条を1/(2n+1)周の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に設けてもよい。なお、1/(2n+1)周以下の長さの雄ネジ条の長さと、n/((2n+1)(n+1))周以上の長さの空隙部の長さを合わせると、1/(n+1)周の長さになるように設けられている。
例えば、n=2のとき、雄ネジ部では、1/5周以下の長さの雄ネジ条を2/15周以上の長さの空隙部を介して3カ所に、雌ネジ部では、2/15周の長さの雌ネジ条を1/5周の長さの空隙部を介して3カ所に設ける。
逆に、雄ネジ部では、nを自然数として、1/(2n+1)周の長さの雄ネジ条をn/((2n+1)(n+1))周の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に、雌ネジ部では、n/((2n+1)(n+1))周以下の長さの雌ネジ条を1/(2n+1)周以上の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に設けてもよい。なお、n/((2n+1)(n+1))周以下の長さの雌ネジ条の長さと、1/(2n+1)周以上の長さの空隙部の長さを合わせると、1/(n+1)周の長さになるように設けられている。
【0035】
また、雌ネジ部では、nを自然数として、1/(2n+1)周以下の長さの雌ネジ条をn/((2n+1)(n+1))周以上の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に、雄ネジ部では、n/((2n+1)(n+1))周の長さの雄ネジ条を1/(2n+1)周の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に設けてもよい。なお、1/(2n+1)周以下の長さの雌ネジ条の長さと、n/((2n+1)(n+1))周以上の長さの空隙部の長さを合わせると、1/(n+1)周の長さになるように設けられている。
逆に、雌ネジ部では、1/(2n+1)周の長さの雌ネジ条をn/((2n+1)(n+1))周の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に、雄ネジ部では、n/((2n+1)(n+1))周以下の長さの雄ネジ条を1/(2n+1)周以上の長さの空隙部を介して(n+1)カ所に設けてもよい。なお、n/((2n+1)(n+1))周以下の長さの雄ネジ条の長さと、1/(2n+1)周以上の長さの空隙部の長さを合わせると、1/(n+1)周の長さになるように設けられている。
【0036】
雄ネジ条とその空隙部、雌ネジ条とその空隙部として、1/(2n+1)周、n/((2n+1)(n+1))周という長さを挙げたが、この数式で示される値である必要はなく、この値から外れていてもよいが、雄ネジ条とその空隙部を足した長さ、雌ネジ条とその空隙部を足した長さが、1/(n+1)となるように設定する。
【0037】
なお、変形例3での締結時の回転量は、最小でほぼ1/(2n+1)周、最大でほぼ(3n+2)/((2n+1)(n+1))周となる。
また、nは小さいと、締結に必要な回転量が増え、逆にnが大きいと、一つ一つのネジの長さが小さくなりすぎて、締結力が弱くなったり、破損や変形を生じやすくなったりするので、雄ネジ部、雌ネジ部のサイズにもよるが、n=2~4程度が最適である。
【0038】
この変形例3では、1/(2n+1)周又は1/(2n+1)周以下の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第1スライダ部、第1咬合部を、n/((2n+1)(n+1))周又は((2n+1)(n+1))周以下の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第2スライダ部、第2咬合部を有し、雄ネジ部が第1リブを、雌ネジ部が第2リブを有するように構成される。
逆に、1/(2n+1)周又は1/(2n+1)周以下の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第2スライダ部、第1咬合部を、n/((2n+1)(n+1))周又はn/((2n+1)(n+1))周以下の長さに設けられたネジ条を有するネジ部が、第1スライダ部、第2咬合部を有し、雄ネジ部が第1リブを、雌ネジ部が第2リブを有するように構成してもよい。
【0039】
[実施形態1の他の例]
上記実施形態1は、ボールペン1の筒状ケース2を前後の2つに分割したものの連結に、ネジ締め構造を適用した例であるが、このほかに、筒状ケースと先端ケースを有するボールペンにおいて、筒状ケースと先端ケースを着脱自在とする構造に適用してもよい。また、このほかに、筒状ケースの先端にキャップをネジ締めで取り付けるための構造や筒状ケースの後端部に部材を着脱自在にねじ止めする構造等に適用してもよい。
【0040】
さらに、筆記具として、ボールペンに限らず、シャープペンシル、サインペン等の他の筆記具でもよい。
また、実施形態1は、上記のような筆記具に限らず、アイライナーペンなどの化粧具、蓋(キャップ)及び容器からなる収納容器等にも適用することができる。
【0041】
[実施形態2]
実施形態1は、1つの部材の一端にネジ部を設けたものであったが、実施形態2は、1つの部材の両端にネジ部を設けたものである。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態2のネジ締め構造を、用具(モップ、ブラシのような掃除道具等)の持ち手(取っ手、柄、把手、グリップ)を例示して説明する。
図10は、本発明に係る実施形態2の用具の持ち手を分解した1つの部品5を示す斜視図である。
【0042】
部品5は、一端に雄ネジ部3、他端に雌ネジ部4を有する。
雄ネジ部3、雌ネジ部4は、それぞれ、実施形態1又はその変形例1~3のものと同じである。
この部品5を複数個連結して、長い持ち手を組み立てる。
さらに、部品5を複数個連結した長い持ち手の一端に実施形態1の前側筒状ケース21のような一端に雄ネジ部を有する部材を、他端に実施形態1の後側筒状ケース22のような一端に雌ネジ部を有する部材を連結してもよい。
【0043】
[変形例4]
実施形態2では、部品5は一端に雄ネジ部3、他端に雌ネジ部4を有するものであったが、両端に雄ネジ部を有するもの、両端に雌ネジ部を有するものであってもよい。
【0044】
[実施形態2の他の例]
実施形態2は、上記のような用具の持ち手に限らず、指示棒、アンテナのような長尺物、ハンガーのようなものを吊るすための棒や棚を支持するための棒や自撮り棒のような物を支持するための棒状部材等において、短い部材に分解するための構造として、適用することができる。
【0045】
以上、本発明に係る実施形態1及び実施形態2を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の各実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【0046】
[発明の他の実施形態]
(1)一端に雄ネジ部を有する第1部材と、一端に雌ネジ部を有する第2部材とを連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、
又は、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである
ことを特徴とするネジ締め構造。
(2)1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする前記(1)に記載されたネジ締め構造。
(3)1周にn個の1/(2n)周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載されたネジ締め構造。
(4)前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする前記(1)~(3)の何れか一つに記載されたネジ締め構造。
(5)前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な2つの筒状ケースの何れか一方及び他方であることを特徴とする前記(1)~(4)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
(6)前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な容器及び蓋の何れか一方及び他方であることを特徴とする前記(1)~(4)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する蓋付き容器。
(7)前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材及び第2棒状部材の何れか一方又は他方であることを特徴とする前記(1)~(4)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【0047】
(8)一端に雄ネジ部を有する第1部材、一端に雌ネジ部を有する第2部材、及び/又は、一端及び他端に雄ネジ部又は雌ネジ部を有する第3部材を連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雄ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雌ネジ部は、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
1周にn個(n:自然数)の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部とを締結し、
及び/又は、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した雌ネジ部とを締結する
ことを特徴とするネジ締め構造。
(9)1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする前記(8)に記載されたネジ締め構造。
(10)1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn個の1/(2n)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする前記(8)又は(9)に記載されたネジ締め構造。
(11)前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする前記(8)~(10)の何れか一つに記載されたネジ締め構造。
(12)前記第1部材、前記第2部材及び第3部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な3つ以上の筒状ケースの何れか一つであることを特徴とする前記(8)~(11)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
(13)前記第1部材、前記第2部材及び第3部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材、第2棒状部材及び前記第3棒状部材の何れか一つであることを特徴とする前記(8)~(11)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【0048】
(14)一端に雄ネジ部を有する第1部材と、一端に雌ネジ部を有する第2部材とを連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個(n:自然数)の1/(2n+1)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、
又は、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである
ことを特徴とするネジ締め構造。
(15)1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする前記(14)に記載されたネジ締め構造。
(16)1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする前記(14)又は(15)に記載されたネジ締め構造。
(17)前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする前記(14)~(16)の何れか一つに記載されたネジ締め構造。
(18)前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な2つの筒状ケースの何れか一方及び他方であることを特徴とする前記(14)~(17)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
(19)前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な容器及び蓋の何れか一方及び他方であることを特徴とする前記(14)~(17)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する蓋付き容器。
(20)前記第1部材及び前記第2部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材及び第2棒状部材の何れか一方又は他方であることを特徴とする前記(14)~(17)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【0049】
(21)一端に雄ネジ部を有する第1部材、一端に雌ネジ部を有する第2部材、及び/又は、一端及び他端に雄ネジ部又は雌ネジ部を有する第3部材を連結するネジ締め構造において、
前記第1部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個(n:自然数)の1/(2n+1)周以下の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第2部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雄ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
前記第3部材の前記雌ネジ部は、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものである、又は、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置したものであり、
1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部とを締結し、
及び/又は、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部と、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部とを締結する
ことを特徴とするネジ締め構造。
(22)1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雄ネジの1条及び最先端側の前記雌ネジの1条の先端側面の、締結時の回転方向上流側端部に、回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第1スライダ部を連設形成し、
及び/又は、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の先端側面に、締結時の回転方向下流側から上流側にいくにつれて最先端側から離反する方向に湾曲する曲面状に形成した先端側面を有する第2スライダ部を連接形成した
ことを特徴とする前記(21)に記載されたネジ締め構造。
(23)1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部、及び、1周にn+1個の1/(2n+1)周以下の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部の、それぞれ、少なくとも最後端側の前記雄ネジの1条及び最後端側の前記雌ネジの1条の、締結時の回転方向上流側端部に、それぞれ、前記雄ネジ及び前記雌ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように、締結時の回転方向下流側に突出する第1咬合部を形成し、
1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雌ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雌ネジ部、及び、1周にn+1個のn/((2n+1)(n+1))周の長さを有する前記雄ネジの少なくとも1条を周方向に等間隔に配置した前記雄ネジ部の、それぞれ、少なくとも最先端側の前記雌ネジの1条及び最先端側の前記雄ネジの1条の、締結時の回転方向下流側端部に、それぞれ、前記雌ネジ及び前記雄ネジの回転軸方向に延び、前記回転軸方向断面視が楔状になるように第2咬合部を形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1咬合部と前記第2咬合部が互いに咬合することを特徴とする前記(21)又は(22)に記載されたネジ締め構造。
(24)前記雄ネジを形成した外周面に、前記雄ネジの回転軸方向に延びる第1リブを形成し、
前記雌ネジを形成した内周面に、前記雌ネジの回転軸方向に延びる第2リブを形成し、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との締結時に、前記第1リブと前記第2リブが互いに乗り越えて係合することを特徴とする前記(21)~(23)の何れか一つに記載されたネジ締め構造。
(25)前記第1部材、前記第2部材及び第3部材が、それぞれ、筆記具の互いに着脱可能な3つ以上の筒状ケースの何れか一つであることを特徴とする前記(21)~(24)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する筆記具。
(26)前記第1部材、前記第2部材及び第3部材が、それぞれ、互いに着脱可能な第1棒状部材、第2棒状部材及び前記第3棒状部材の何れか一つであることを特徴とする前記(21)~(24)の何れか一つに記載されたネジ締め構造を有する棒状部材。
【符号の説明】
【0050】
1 ボールペン
2 筒状ケース
21 前側筒状ケース
211 突出部
212 段差部
22 後側筒状ケース
3 雄ネジ部
31 雄ネジ
311 雄ネジ条対
3111 挿入方向先端側のネジ条
3112 挿入方向後端側のネジ条
312 空隙部
32 第1スライダ部
321 曲面
33 第1咬合部
331 第1咬合突起
34 第1リブ
4 雌ネジ部
41 雌ネジ
411 雌ネジ条対
4111 挿入方向先端側のネジ条
4112 挿入方向後端側のネジ条
412 空隙部
42 第2スライダ部
421 曲面
43 第2咬合部
431 第2咬合突起
44 第2リブ
5 持ち手を分解した1つの部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10