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特開2023-183494リアクトルおよびリアクトルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183494
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】リアクトルおよびリアクトルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 37/00 20060101AFI20231221BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20231221BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H01F37/00 M
H01F37/00 A
H01F37/00 C
H01F27/24 K
H01F41/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097039
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】熊 銘倩
(72)【発明者】
【氏名】福田 智仁
【テーマコード(参考)】
5E062
【Fターム(参考)】
5E062EE02
(57)【要約】
【課題】リアクトルの電気特性を容易に変更でき、かつ、組立作業の簡素化を実現可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】リアクトルは、互いの開口が対向するように上下に配置された一対のU字型コア1により構成されるコアユニット1011,1012,1013,1014と、2つの開口により形成された、コアユニット1011,1012,1013,1014の内部空間111を通って巻回されるコイル2とを備え、コイル2は、一対の直線部201と、一対の直線部201の両端をそれぞれ繋ぐ一対のエンド部202とを有し、コイル2の直線部201は、コアユニット1011,1012,1013,1014の内部空間111に収容される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの開口が対向するように上下に配置された一対のU字型コアにより構成されるコアユニットと、
2つの前記開口により形成された、前記コアユニットの内部空間を通って巻回されるコイルと、を備え、
前記コイルは、一対の直線部と、一対の前記直線部の両端をそれぞれ繋ぐ一対のエンド部とを有し、
前記コイルの前記直線部は、前記コアユニットの前記内部空間に収容される、リアクトル。
【請求項2】
一対の前記U字型コアは共に、同一形状および同一寸法である、請求項1に記載のリアクトル。
【請求項3】
前記コアユニットを複数有し、
前記コアユニットにおける前記直線部の延在方向に沿う方向の長さである軸長は、前記コアユニットごとに異なる、請求項1に記載のリアクトル。
【請求項4】
一対の前記U字型コアは共に、第1のU字型端面と、前記第1のU字型端面とは反対側の第2のU字型端面とを有し、
一対の前記U字型コアにおける2つの前記第1のU字型端面同士、および2つの前記第2のU字型端面同士は面一である、請求項1に記載のリアクトル。
【請求項5】
複数の前記コアユニットは、第1コアユニットと第2コアユニットとを含み、
前記第1コアユニットと前記第2コアユニットによりコアセットを構成し、
前記第1コアユニットと前記第2コアユニットは、同じ前記直線部に互いに離間した状態で配置される、請求項3に記載のリアクトル。
【請求項6】
前記コアセットを複数有し、
複数の前記コアセットは、第1コアセットと第2コアセットとを含み、
前記第1コアセットと前記第2コアセットは、互いに異なる前記直線部に配置される、請求項5に記載のリアクトル。
【請求項7】
前記第1コアユニットと前記第2コアユニットは互いに、前記軸長が異なっており、
前記第1コアセットに属する前記第1コアユニットおよび前記第2コアユニットの前記軸長の合計は、前記第2コアセットに属する前記第1コアユニットおよび前記第2コアユニットの前記軸長の合計と等しい、請求項6に記載のリアクトル。
【請求項8】
前記コイルと直接接触するように配置されたヒートシンクをさらに備える、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項9】
前記ヒートシンクの下端面は、前記第1コアユニットおよび前記第2コアユニットの下端面と同一平面上に位置する、請求項8に記載のリアクトル。
【請求項10】
請求項1に記載のリアクトルを製造するリアクトルの製造方法であって、
(a)一対の前記U字型コアのうち、下側の前記U字型コアに前記コイルの前記直線部が挟まれるように前記コイルを配置する工程と、
(b)一対の前記U字型コアにおける第1のU字型端面同士、および前記第1のU字型端面とは反対側の第2のU字型端面同士が面一になるように、上方から前記コイルの前記直線部を挟むように上側の前記U字型コアを配置する工程と、
を備える、リアクトルの製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載のリアクトルを製造するリアクトルの製造方法であって、
(c)下パンチの上面とダイスの内周面により形成されたキャビティ内に軟磁性材を充填する給粉工程と、
(d)前記ダイスの上方に配置された上パンチを下降させて、前記軟磁性材を上方向から加圧する上加圧工程と、
(e)前記上パンチおよび前記ダイスを同時にかつ同じ速度で下降させることによって、前記下パンチを相対的に上昇させるみなし下加圧工程と、
(f)前記キャビティ内から成形された前記U字型コアを取り出す取り出し工程と、
を備える、リアクトルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リアクトルおよびリアクトルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電力変換装置に含まれるリアクトルを小型化するための手段として、電力変換装置のスイッチング周波数を高周波化することが挙げられている。しかしながら、高周波化によってリアクトルに含まれるコアで発生する渦電流損等の損失が増加する。その対策として、鉄粉等の軟磁性材を圧縮成形しコアを製造する方法がある。また、リアクトルの使用中にコイルから発生した熱を外部に逃がすために、コアの内部を樹脂でモールドして、コアの外部をヒートシンクと接触させる等の方法もある。
【0003】
リアクトルに所望の電気特性を得るために、コアの仕様を変更して、磁路長または磁路の面積を変更したり、磁路に空隙を設けたりする必要がある。このような空隙はコアギャップと呼ばれる。コアの仕様を変更した場合、圧縮成形用の金型も新たに製作する必要があるため、リアクトルの開発時間が長くなる。また、新たな金型の製作および保管等にかかるコストが増加するという問題もある。
【0004】
このような問題を解消するために、同じ形状のコアを複数使用してリアクトルを構成する方法がある。例えば特許文献1には、予め同じ形状のコアを成形し、所望の電気特性に合わせて、非磁性のケース内に必要な数のコアを配置して構成したリアクトルが記載されている。特許文献1に記載の技術では、ケース内におけるコアの収容およびコアギャップを形成するために仕切りが設けられている。これにより、リアクトルの仕様変更を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/066631号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ケースおよび複数の仕切りが必要となるため、部品の種類が多くなっていた。その結果、リアクトルの組立作業が煩雑になるという問題があった。
【0007】
そこで、本開示は、リアクトルの電気特性を容易に変更でき、かつ、組立作業の簡素化を実現可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るリアクトルは、互いの開口が対向するように上下に配置された一対のU字型コアにより構成されるコアユニットと、2つの前記開口により形成された、前記コアユニットの内部空間を通って巻回されるコイルとを備え、前記コイルは、一対の直線部と、一対の前記直線部の両端をそれぞれ繋ぐ一対のエンド部とを有し、前記コイルの前記直線部は、前記コアユニットの前記内部空間に収容される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コアユニットの個数を変更することで磁路の面積を変更できることから、リアクトルの電気特性を容易に変更することができる。リアクトルの電気特性を変更する際に、コアユニットを収容するためのケースおよびケース内に配置される複数の仕切り等を必要としないため、部品の種類が少なくなり、リアクトルの組立作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係るリアクトルの斜視図である。
図2】実施の形態1に係るリアクトルの上面図である。
図3】実施の形態1に係るリアクトルが備えるU字型コアの斜視図である。
図4】実施の形態1に係るリアクトルが備えるU字型コアの他の例の斜視図である。
図5】実施の形態1に係るリアクトルが備えるコアユニットの斜視図である。
図6】U字型コアを製造するための圧縮成形用金型の断面図である。
図7】U字型コアを製造するための圧縮成形用金型の上面図である。
図8】U字型コアの製造方法である圧縮成形工程の概略図である。
図9】圧縮成形工程における上加圧工程を説明するための断面図である。
図10】圧縮成形工程におけるみなし下加圧工程を説明するための断面図である。
図11】圧縮成形工程における取り出し工程を説明するための断面図である。
図12】絶縁処理前のコイルの斜視図である。
図13】絶縁処理後のコイルの斜視図である。
図14】絶縁処理後のコイルの断面図である。
図15】下側のU字型コアにコイルを配置した状態を示す斜視図である。
図16】実施の形態2に係るリアクトルの斜視図である。
図17】実施の形態2に係るリアクトルの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
<リアクトルの構成>
実施の形態1について、図面を用いて以下に説明する。図1は、実施の形態1に係るリアクトルの斜視図である。図2は、実施の形態1に係るリアクトルの上面図である。
【0012】
図1図2に示すように、リアクトルは、4つのコアユニット1011,1012,1013,1014と、コイル2と、3つのヒートシンク3とを備える。
【0013】
各コアユニット1011,1012,1013,1014は、互いの開口が対向するように上下に配置された一対のU字型コア1により構成される。一対のU字型コア1は共に、同一形状および同一寸法である。各コアユニット1011,1012,1013,1014は、2つの開口によりそれぞれ内部空間111(図5参照)を形成する。なお、コアユニット1011,1012,1013,1014について区別する必要がない場合は、それぞれをコアユニット1010と呼ぶ。
【0014】
コイル2は、亀甲形状に形成され、一対の直線部201と、一対の直線部201の両端をそれぞれ繋ぐ一対のエンド部202と、一対のエンド部202と結線するためのリード線部203とを有する。コイル2は、各コアユニット1010の内部空間111(図5参照)を通って巻回される。コイル2における一対の直線部201は、各コアユニット1010の内部空間111に収容される。
【0015】
<U字型コアの構成>
次に、U字型コア1について説明する。図3は、実施の形態1に係るリアクトルが備えるU字型コア1の斜視図である。図4は、実施の形態1に係るリアクトルが備えるU字型コア1の他の例の斜視図である。
【0016】
図3に示すように、U字型コア1は、一対の足部102と、一対の足部102の一端同士を繋ぐ繋ぎ部101とを有する。繋ぎ部101は、繋ぎ部内側面106と、繋ぎ部外側面107とを有する。各足部102は、足部端面103と、足部内側面104と、足部外側面105とを有する。一対の足部102は互いに平行であり、また繋ぎ部101と直交している。つまり、各足部102の足部内側面104と足部外側面105がそれぞれ平行であり、足部端面103と繋ぎ部内側面106と繋ぎ部外側面107がそれぞれ平行である。一対の足部102の足部内側面104と、繋ぎ部101の繋ぎ部内側面106により、U字型コア1の開口が形成される。
【0017】
一対の足部102の足部内側面104が共に繋ぎ部内側面106と直交しており、一対の足部102の足部外側面105が共に繋ぎ部外側面107と直交している。U字型コア1はさらに、対向する2つのU字型端面108を有する。2つのU字型端面108は互いに平行であり、足部端面103、足部内側面104、足部外側面105、繋ぎ部内側面106、および繋ぎ部外側面107と直交している。ここで、2つのU字型端面108が第1のU字型端面と、第1のU字型端面とは反対側の第2のU字型端面に相当する。
【0018】
また、U字型コア1は、鉄粉等の軟磁性材を圧縮成形することによって製造される。図3に示すように、足部内側面104が繋ぎ部内側面106と交わることによって形成された内側角部109と、足部外側面105が繋ぎ部外側面107と交わることによって形成された外側角部110は直角形状となっている。圧縮成形する際に圧力による金型に発生するクラックの防止、および金型からのU字型コア1の取り出しの容易化のために、内側角部109と外側角部110は直角形状でなくても良い。例えば図4に示すように、内側角部109と外側角部110を円弧形状にしても良い。
【0019】
次に、コアユニット1010を説明する。図5は、実施の形態1に係るリアクトルが備えるコアユニット1010の斜視図である。
【0020】
図3図5に示すように、上側のU字型コア1と下側のU字型コア1は、それぞれの一対の足部端面103が互いに対向するように配置され、1つのコアユニット1010を構成する。また、コアユニット1010を構成する一対のU字型コア1が、それぞれの一方のU字型端面108が同じ平面上にあり、それぞれの他方のU字型端面108が同じ平面上にある。このように配置された一対のU字型コア1のそれぞれの足部内側面104と繋ぎ部内側面106によって、コイル2を収容するための内部空間111が構成される。
【0021】
また、図1図2に示すように、コアユニット1011とコアユニット1012は、それぞれのU字型端面108が対向するように配置され、コアセット1015を構成する。コアユニット1013とコアユニット1014は、それぞれのU字型端面108が対向するように配置され、コアセット1016を構成する。コアセット1015は、コイル2における一対の直線部201のうちの一方に配置され、コアセット1016は、一対の直線部201のうちの他方に配置される。コアセット1015に属するコアユニット1011とコアユニット1012は、一方の直線部201に互いに離間した状態で配置される。コアセット1016に属するコアユニット1013とコアユニット1014は、他方の直線部201に互いに離間した状態で配置される。
【0022】
コアセット1015とコアセット1016に属する一対のU字型コア1における2つの第1のU字型端面同士、および2つの第2のU字型端面同士は面一となるように配置される。コアセット1015に属する一対のU字型コア1における足部外側面105と、コアセット1016に属する一対のU字型コア1における足部外側面105は対向するように配置される。ここで、コアセット1015が第1コアセットに相当し、コアセット1016が第2コアセットに相当する。
【0023】
なお、コアユニット1011とコアユニット1012は離間せずに互いに接触していてもよいし、コアユニット1013とコアユニット1014も離間せずに互いに接触していてもよい。また、各コアセット1015,1016に含まれるコアユニット1010の個数は2つに限定されることなく、1つ以上であればよい。すなわち、コアユニット1010を配置する空間および必要なリアクトルの性能に合わせて、コアユニット1010の個数および配置を変更してもよい。
【0024】
<U字型コアの製造方法>
次に、リアクトルの製造方法の一部であるU字型コア1の製造方法を説明する。図6は、U字型コア1を製造するための圧縮成形用金型の断面図である。図7は、U字型コア1を製造するための圧縮成形用金型の上面図である。図8は、U字型コア1の製造方法である圧縮成形工程の概略図である。
【0025】
図6図7に示すように、圧縮成形用金型は、ダイス4と、下パンチ5と、ダイス4の上方に配置される上パンチ6と、芯棒7と、鉄粉等の軟磁性材を収容するダイスキャビティ401と、ダイス4のダイス上端面402に配置されるばね機構8とを備える。
【0026】
ダイス4のダイス外側面404は上下方向に延びる円筒形状であり、ダイス4のダイス内側面403に囲まれた空間が上下方向に延びる立方体形状となっている。芯棒7は上下方向に延びる立方体形状であり、ダイス4のダイス内側面403に囲まれた立方体形状の空間に配置される。このような配置によって、芯棒7の芯棒外側面701とダイス4のダイス内側面403で囲まれた空間が上下方向に延びるU字形状になり、上下方向に延びるU字形状のダイスキャビティ401を構成する。
【0027】
下パンチ5と上パンチ6はU字形状、具体的には、下パンチ上端面503と上パンチ下端面603がU字形状である。また、下パンチ5は、下パンチ内側面501が芯棒外側面701と、下パンチ外側面502がダイス内側面403と対向するように、ダイスキャビティ401内に挿入される。また、下パンチ内側面501と芯棒外側面701との間のクリアランス、および下パンチ外側面502とダイス内側面403との間のクリアランスは、使用する軟磁性材の粒径等に応じて設定される。この設定値は、別途実験および検討により決められる。
【0028】
また、本実施の形態で使用されるプレス機は単軸プレスである。つまり、プレス自体の機構が上方向からのみ加圧することができ、下方向からの加圧は不可であるため、金型では、ダイス4と、上パンチ6と、ばね機構8が可動であり、下パンチ5と芯棒7は固定である。
【0029】
図8に示すように、圧縮成形には、下パンチ5の下パンチ上端面503とダイス4のダイス内側面403により形成されたダイスキャビティ401内に例えば鉄粉等の軟磁性材を充填する給粉工程と、ダイス4の上方に配置された上パンチ6を下降させて、軟磁性材を上方向から加圧する上加圧工程と、上パンチ6およびダイス4を同時にかつ同じ速度で下降させることによって、下パンチ5を相対的に上昇させるみなし下加圧工程と、ダイスキャビティ401内から成形されたU字型コア1を取り出す取り出し工程が含まれている。
【0030】
次に、圧縮成形工程の各工程を説明する。図9は、圧縮成形工程における上加圧工程を説明するための断面図である。図10は、圧縮成形工程におけるみなし下加圧工程を説明するための断面図である。図11は、圧縮成形工程における取り出し工程を説明するための断面図である。
【0031】
図9に示すように、ダイス4のダイスキャビティ401内に例えば鉄粉9を充填し、給粉する。給粉方法として、設計仕様からU字型コア1の体積を計算し、この体積に目標の密度を掛けることで、U字型コア1の重量を計算し、計算によって得られた重量に相当する鉄粉9を、ダイスキャビティ401内に充填する方法がある。または他の給粉方法として、ダイス4の上部で鉄粉が入った粉箱(図示しない)を揺動させ、ダイスキャビティ401に鉄粉を充填した後、粉箱でダイス4のダイス上端面402、および芯棒7の芯棒上端面702にはみだした鉄粉を擦切る方法がある。
【0032】
この場合、目標となるU字型コア1の重量を、鉄粉のかさ密度で割ることで、給粉後の鉄粉の体積を計算し、さらに計算によって得られた体積をダイスキャビティ401のU字形状の断面の面積で割ることで、給粉後の鉄粉の高さを計算する。計算で得られた給粉後の鉄粉の高さに従い、下パンチ5の下パンチ上端面503とダイス上端面402との距離を決める必要がある。また、粉箱がダイス4のダイス上端面402を擦切るため、粉箱が芯棒7と衝突しないように、芯棒7の芯棒上端面702とダイス4のダイス上端面402が同じ平面になるようにする必要がある。
【0033】
給粉完了後、図9に示すように、ばね機構8をダイス4のダイス上端面402に配置し、上パンチ6を下降させ、上パンチ内側面601が芯棒外側面701と、上パンチ外側面602がダイス内側面403と対向するように、ダイスキャビティ401に挿入する。ダイスキャビティ401に挿入された上パンチ6を更に下降させ、鉄粉9と接触させることで、鉄粉9を上方向から加圧する。
【0034】
このとき、ばね機構8にも圧力がかかっている可能性がある。つまり、ばね機構8の下側に配置されているダイス4にも上方向からの圧力がかかっている可能性があるため、予め決められた上加圧のストローク距離が圧縮されるまで、ダイス4がばね機構8のばね力によって下方向に下がらないように、ばね機構8を選定する必要がある。
【0035】
予め決められたストローク距離を上方向から圧縮した後、図10に示すように、更に上パンチ6とばね機構8に上方向から加圧する。上記のように、予め決められた上加圧のストローク距離が圧縮されるまでは、ダイス4がばね機構8のばね力によって下方向に下がらないようにする必要があるが、予め決められたストローク距離を上方向から圧縮したら、上パンチ6とダイス4を同時にかつ同じ速度で下降させる必要がある。そのため、ダイス4がばね機構8のばね力によって上パンチ6と同時にかつ同じ速度で下降できるように、ばね機構8を選定する必要がある。
【0036】
こうすることによって、ダイス4がばね機構8によって間接的に加圧され、上パンチ6と共に下方向に移動するが、上パンチ6とダイス4の移動速度が同じであるため、両者の相対位置が変わらず、鉄粉9の上面と上パンチ6およびダイス4の相対位置も変わらない。
【0037】
また、下パンチ5が固定されているため、ダイス4が下方向に移動すると、下パンチ5の位置が相対的に上方に移動し、下パンチ5と接触している鉄粉9の下面も上昇する。つまり、鉄粉9は下方向から圧縮されることになる。鉄粉9は実質的に下方向から圧縮されるが、下パンチ5が動作していないため、下パンチ5が動作する一般的な下加圧と区別するために、本工程をみなし下加圧工程と呼ぶ。
【0038】
みなし下加圧工程を完了した後、プレス機を操作して圧力を解放し、上パンチ6を上昇させる。このとき、ばね機構8にかかった圧力も解放される。つまり、ダイス4にかかっている上方向からの圧力も解放されるが、ダイスキャビティ401内に給粉された鉄粉9が径方向の外側、つまり、ダイス内側面403に向かって膨張するため、鉄粉9とダイス内側面403との摩擦力によって、ダイス4が上昇せずに、みなし下加圧工程完了後の位置を保つことができる。ただし、鉄粉9とダイス内側面403との摩擦力が弱い等の原因で、ダイス4が上昇しても構わない。
【0039】
その後、図11に示すように、ばね機構8のみに上方向から圧力をかけ、ばね機構8を通して間接的にダイス4を下降させる。このとき、鉄粉9は既に上加圧工程とみなし下加圧工程によって、U字型コア1に圧縮成形されている。また、U字型コア1は下パンチ5の下パンチ上端面503上にあり、下パンチ5は固定されているため、ダイス4が下降すると、U字型コア1はダイス4に対して相対的に上昇する。圧力をかけ続けてU字型コア1全体がダイス上端面402よりも上方に上昇したとき、ダイス4が下降したままの状態で、U字型コア1を取り出す。その後、ばね機構8にかかった圧力を解放し、ダイス4を上昇させて、ダイス4を給粉が可能な位置に戻す。
【0040】
圧縮成形工程には、上加圧工程とみなし下加圧工程が含まれている。例えば上加圧のみで圧縮成形を行う場合、粉同士、および粉と金型との摩擦により、上方向から下方向に向けて、圧力が徐々に減衰し、圧縮成形されたU字型コア1の密度も上から下に向けて徐々に低くなる。つまり、上加圧工程のみで圧縮成形されたU字型コア1の軸方向の密度は、上パンチ6と接触していた部分が最も高く、下方向に向かって徐々に低くなり、下パンチ5と接触していた部分の密度が最も低くなる。このように成形されたU字型コア1には密度のばらつきが生じているため、U字型コア1の強度および電気特性にもばらつきが生じ、製品不良が起きる可能性がある。ここで、軸方向とは、図1に示すコアユニット1010における直線部201の延在方向に沿う方向である。
【0041】
U字型コア1の軸方向の密度ばらつきを抑制するために、一般には、多軸プレスを使用し、上下両方向から加圧する方法を採っているが、多軸プレスは高価で、金型の構造も複雑なため、本実施の形態では、単軸プレスを用いている。圧縮成形工程に上加圧工程とみなし下加圧工程を含めることで、多軸プレスの場合と同様に、U字型コア1の軸方向の密度ばらつきを抑制する効果が得られる。
【0042】
また、上加圧工程とみなし下加圧工程におけるそれぞれのストローク量は、U字型コア1の軸方向の密度ばらつきが最も小さくなるように予め別途の検証実験を行うことによって決められる。また、軸長が短いU字型コア1等、上加圧工程のみでも軸方向の密度のばらつきが少ないU字型コア1に関しては、みなし加圧工程を省略してもよい。
【0043】
次に、コイル2の配置方法を説明する。図12は、絶縁処理前のコイル2の斜視図である。図13は、絶縁処理後のコイル2の斜視図である。図14は、絶縁処理後のコイル2の断面図である。図15は、下側のU字型コア1にコイル2を配置した状態を示す斜視図である。
【0044】
上記で簡単に説明したが、図12に示すように、コイル2は、亀甲形状に形成され、一対の直線部201と、一対のエンド部202と、リード線部203とを有する。
【0045】
また、各エンド部202は2つのエンド斜線部2021を有し、2つのエンド斜線部2021がこれらの間に位置するエンド峰部2022で交わる。別途の巻線工程でコイル2を巻線した後に、図13に示すように、U字型コア1とコイル2の絶縁のために、コイル2の外周に例えば絶縁テープ10等の絶縁材が巻き付けられて絶縁処理される。絶縁テープ10等の絶縁材が巻き付けられたコイル2は、上記で説明したように、一対のU字型コア1のそれぞれの足部内側面104と繋ぎ部内側面106によって、構成された内部空間111に配置される。
【0046】
コイル2を内部空間111に配置する際は、図15に示すように、コアセット1015とコアセット1016を構成するコアユニット1011,1012,1013,1014の一対のU字型コア1のうち、下側に設置されたU字型コア1における一対の足部102の間にコイル2の直線部201が挟まれるようにコイル2を配置する。
【0047】
次に、図1に示すように、一対のU字型コア1におけるU字型端面108同士、およびU字型端面108とは反対側のU字型端面108同士が面一になるように、上方からコイル2の直線部201を挟むように上側のU0字型コア1を配置する。
【0048】
また、必要なリアクトルの特性、例えばインダクタンスに合わせて、一対のU字型コア1における足部端面103(図3参照)同士を接触させる。または事前に特性に合わせて計算された距離だけ離す。こうすることでコイル2の直線部201がコアユニット1010の内部空間111に収容される。つまり、コイル2の一方の直線部201がコアセット1015に収容され、他方の直線部201がコアセット1016に収容されることになる。
【0049】
コイル2の配置が完了した後、コアユニット1010の固定を、例えば接着剤により接着してもよいし、SUSバンド等のバンドで縛って固定してもよい。コイル2は丸線を、巻き始めと巻き終りのリード線の両方がコイル2の外周側へ形成されるα巻で巻線されたものであるが、必ずしもα巻でなくでもよい。例えば、巻き始めがコイル2の内周側にあり、巻き終わりがコイル2の外周側にあるような巻き方であってもよい。また、コイル2の種類は例えば平角線コイルであってもよい。またコイル2の形状が亀甲形状ではなく、例えばエンド部202のエンド斜線部2021とエンド峰部2022がなく、エンド部202が円弧形状であってもよい。更に、エンド部202が直線状、つまりコイル2の形状が矩形状であってもよい。
【0050】
コイル2から発生した熱を外部に逃がすために、例えばアルミ材質で構成されたヒートシンク3が、図1図2に示すように、コイル2の直線部201とエンド部202と直接接触するように設けられる。直線部201に設けられるヒートシンク3は、コアユニット1011とコアユニット1012との間、およびコアユニット1013とコアユニット1014との間にある直線部201の下側に配置される。エンド部202に設けられるヒートシンク3は、コアユニット1011,1012,1013,1014が配置されていないエンド部202の下側に配置される。
【0051】
また、電力変換装置に対するリアクトルの設置面を平坦化することで、リアクトルの設置を容易にすることができる。そのため、ヒートシンク3の下端面と、コアユニット1010を構成する2つのU字型コア1のうち、下側に配置されたU字型コア1の繋ぎ部外側面107と平面になるようにヒートシンク3を設計および配置することが望ましい。
【0052】
<効果>
以上のように、実施の形態1に係るリアクトルは、互いの開口が対向するように上下に配置された一対のU字型コア1により構成されるコアユニット1011,1012,1013,1014と、2つの開口により形成された、コアユニット1011,1012,1013,1014の内部空間111を通って巻回されるコイル2とを備え、コイル2は、一対の直線部201と、一対の直線部201の両端をそれぞれ繋ぐ一対のエンド部202とを有し、コイル2の直線部201は、コアユニット1011,1012,1013,1014の内部空間111に収容される。
【0053】
したがって、コアユニット1010の個数を変更することで磁路の面積を変更できることから、リアクトルの電気特性を容易に変更することができる。リアクトルの電気特性を変更する際に、コアユニット1010を収容するためのケースおよびケース内に配置される複数の仕切り等を必要としないため、部品の種類が少なくなり、リアクトルの組立作業を容易に行うことができる。これにより、リアクトルの歩留りが向上する。
【0054】
一対のU字型コア1は共に、同一形状および同一寸法であるため、部品の種類が更に少なくなる。そのため、U字型コア1を成形するための金型も複数種類必要でなく、1種類だけで対応することができる。
【0055】
一対のU字型コア1は共に、第1のU字型端面と、第1のU字型端面とは反対側の第2のU字型端面とを有し、一対のU字型コア1における2つの第1のU字型端面同士、および2つの第2のU字型端面同士は面一である。したがって、コイル2の直線部201を収容する内部空間111を構成することができる。また、一対のU字型コア1における足部端面103同士が対向するように配置されるため、一対のU字型コア1が閉じた形状になり、コイル2に電流を流すことによって作られる磁束の通り道になる。また、一対のU字型コア1の足部端面103同士を接触させる、または離すように配置し磁束の通り道に隙間を設けることによって、リアクトルにおける異なる要求性能に対応可能となる。
【0056】
複数のコアユニット1010は、コアユニット1011,1013とコアユニット1012,1014とを含み、コアユニット1011とコアユニット1012、およびコアユニット1013とコアユニット1014によって、それぞれコアセット1015およびコアセット1016を構成し、コアユニット1011とコアユニット1012、およびコアユニット1013とコアユニット1014は、それぞれ同じ直線部201に互いに離間した状態で配置される。また、リアクタンスは、コアセットを複数有し、複数のコアセットは、コアセット1015とコアセット1016とを含み、コアセット1015とコアセット1016は、互いに異なる直線部201に配置される。
【0057】
したがって、コアユニット1011とコアユニット1012間、およびコアユニット1013とコアユニット1014間の距離を変更することで、磁束の通り道の幅が変わるため、リアクトルにおける異なる要求性能に対応可能となる。また、コイル2の大きさの変更、すなわち、直線部201の長さの変更にも対応可能となる。
【0058】
実施の形態1に係るリアクトルは、コイル2と直接接触するように配置されたヒートシンク3をさらに備えるため、コイル2からの熱を素早く外部に放出できる。
【0059】
ヒートシンク3の下端面は、コアユニット1010の下端面と同一平面上に位置するため、ヒートシンク3の設置性が向上する。
【0060】
実施の形態1に係るリアクトルの製造方法は、一対のU字型コア1のうち、下側のU字型コア1にコイル2の直線部201が挟まれるようにコイル2を配置する工程(a)と、一対のU字型コア1における第1のU字型端面同士、および第1のU字型端面とは反対側の第2のU字型端面同士が面一になるように、上方からコイル2の直線部201を挟むように上側のU字型コア1を配置する工程(b)とを備える。したがって、一対のU字型コア1に対するコイル2の組み立てが簡単になる。
【0061】
また、実施の形態1に係るリアクトルの製造方法は、下パンチ5の上面とダイス4の内周面により形成されたダイスキャビティ401内に軟磁性材である鉄粉9を充填する給粉工程(c)と、ダイス4の上方に配置された上パンチ6を下降させて、鉄粉9を上方向から加圧する上加圧工程(d)と、上パンチ6およびダイス4を同時にかつ同じ速度で下降させることによって、下パンチ5を相対的に上昇させるみなし下加圧工程(e)と、ダイスキャビティ401内から成形されたU字型コア1を取り出す取り出し工程(f)とを備える。
【0062】
したがって、単軸プレスを使用することで、多軸プレスを使用する場合と比べて、成形工程がシンプルであり、プレス機と金型の構造が簡単になる。そのため、一対のU字型コア1の製造コスト、ひいてはリアクトルの製造コストを低減できる。また、一般的な片方向だけの加圧成形の場合、製品の加圧の接触面に近いところの密度が高く、接触面から離れると密度が低くなるが、本実施の形態では、みなし下加圧工程が行われるため、U字型コア1における軸方向の密度が均一になる。これにより、U字型コア1の品質不良を抑制できる。
【0063】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2に係るリアクトルについて説明する。図16は、実施の形態2に係るリアクトルの斜視図である。図17は、実施の形態2に係るリアクトルの上面図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0064】
図16図17に示すように、各U字型コア1のU字型端面108の形状と寸法は同じであるが、コアユニット1011とコアユニット1012は互いに軸長が異なっており、コアユニット1013とコアユニット1014も互いに軸長が異なっている。また、コアセット1015に属するコアユニット1011およびコアユニット1012の軸長の合計は、コアセット1016に属するコアユニット1011およびコアユニット1012の軸長の合計と等しい。このように異なる軸長のU字型コア1を用いることで、リアクトルの電気特性であるインダクタンスを調整することができる。
【0065】
各コアユニット1010を構成する一対のU字型コア1は共に、同一形状および同一寸法である。具体的には、コアユニット1011を構成する一対のU字型コア1は共に、同一形状および同一寸法であり、コアユニット1012を構成する一対のU字型コア1は共に、同一形状および同一寸法である。また、コアユニット1013を構成する一対のU字型コア1は共に、同一形状および同一寸法であり、コアユニット1014を構成する一対のU字型コア1は共に、同一形状および同一寸法である。
【0066】
本実施の形態のU字型コア1の製造方法は実施の形態1の場合と同じである。軸長が異なるU字型コア1を製造する場合は、設計仕様からU字型コア1の体積を計算し、目標の密度を掛けることで、U字型コア1の重量を計算し、計算によって得られた重量に相当する鉄粉を、ダイスキャビティ401内に充填すればよい。U字型端面108の形状と寸法が同じであるため、金型を変更する必要がない。また、コイル2の配置方法についても実施の形態1の場合と同じである。
【0067】
<効果>
以上のように、実施の形態2に係るリアクトルは、コアユニット1010を複数有し、コアユニット1010における直線部201の延在方向に沿う方向の長さである軸長は、コアユニット1010ごとに異なる。したがって、軸長が異なるコアユニット1010を組み合わせることで、リアクトルにおける異なる要求性能に対応可能となる。また、U字型端面108が同じであるため、同じ金型を使用してコアユニット1010を製造することができる。U字型コア1を成形する際は、金型に充填する原材料の粉の量を調整することで、U字型コア1の軸長を調整できる。
【0068】
コアユニット1011とコアユニット1012は互いに、軸長が異なっており、またコアユニット1013とコアユニット1014は互いに、軸長が異なっており、コアセット1015に属するコアユニット1011およびコアユニット1012の軸長の合計は、コアセット1016に属するコアユニット1013およびコアユニット1014の軸長の合計と等しい。したがって、コアセット1015側とコアセット1016側において磁束の分布が同じになり、磁束の分布のばらつきを抑制できる。
【0069】
<実施の形態1,2の変形例>
コイル2のエンド部202にコアユニット1010が配置されないため、いずれの実施の形態でもエンド部202にヒートシンク3を配置できるが、直線部201に配置されるヒートシンク3に関しては、U字型コア1の軸長、コアユニット1010の個数、および直線部201の長さによってはヒートシンク3を配置できない可能性がある。この際、コイル2の発熱が基準値を満たしていれば、必ずしも直線部201にヒートシンク3を配置しなくてもよい。
【0070】
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【0071】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0072】
(付記1)
互いの開口が対向するように上下に配置された一対のU字型コアにより構成されるコアユニットと、
2つの前記開口により形成された、前記コアユニットの内部空間を通って巻回されるコイルと、を備え、
前記コイルは、一対の直線部と、一対の前記直線部の両端をそれぞれ繋ぐ一対のエンド部とを有し、
前記コイルの前記直線部は、前記コアユニットの前記内部空間に収容される、リアクトル。
【0073】
(付記2)
一対の前記U字型コアは共に、同一形状および同一寸法である、付記1に記載のリアクトル。
【0074】
(付記3)
前記コアユニットを複数有し、
前記コアユニットにおける前記直線部の延在方向に沿う方向の長さである軸長は、前記コアユニットごとに異なる、付記1に記載のリアクトル。
【0075】
(付記4)
一対の前記U字型コアは共に、第1のU字型端面と、前記第1のU字型端面とは反対側の第2のU字型端面とを有し、
一対の前記U字型コアにおける2つの前記第1のU字型端面同士、および2つの前記第2のU字型端面同士は面一である、付記1に記載のリアクトル。
【0076】
(付記5)
複数の前記コアユニットは、第1コアユニットと第2コアユニットとを含み、
前記第1コアユニットと前記第2コアユニットによりコアセットを構成し、
前記第1コアユニットと前記第2コアユニットは、同じ前記直線部に互いに離間した状態で配置される、付記3に記載のリアクトル。
【0077】
(付記6)
前記コアセットを複数有し、
複数の前記コアセットは、第1コアセットと第2コアセットとを含み、
前記第1コアセットと前記第2コアセットは、互いに異なる前記直線部に配置される、付記5に記載のリアクトル。
【0078】
(付記7)
前記第1コアユニットと前記第2コアユニットは互いに、前記軸長が異なっており、
前記第1コアセットに属する前記第1コアユニットおよび前記第2コアユニットの前記軸長の合計は、前記第2コアセットに属する前記第1コアユニットおよび前記第2コアユニットの前記軸長の合計と等しい、付記6に記載のリアクトル。
【0079】
(付記8)
前記コイルと直接接触するように配置されたヒートシンクをさらに備える、付記5から付記7のいずれか1項に記載のリアクトル。
【0080】
(付記9)
前記ヒートシンクの下端面は、前記第1コアユニットおよび前記第2コアユニットの下端面と同一平面上に位置する、付記8に記載のリアクトル。
【0081】
(付記10)
付記1に記載のリアクトルを製造するリアクトルの製造方法であって、
(a)一対の前記U字型コアのうち、下側の前記U字型コアに前記コイルの前記直線部が挟まれるように前記コイルを配置する工程と、
(b)一対の前記U字型コアにおける第1のU字型端面同士、および前記第1のU字型端面とは反対側の第2のU字型端面同士が面一になるように、上方から前記コイルの前記直線部を挟むように上側の前記U字型コアを配置する工程と、
を備える、リアクトルの製造方法。
【0082】
(付記11)
付記1に記載のリアクトルを製造するリアクトルの製造方法であって、
(c)下パンチの上面とダイスの内周面により形成されたキャビティ内に軟磁性材を充填する給粉工程と、
(d)前記ダイスの上方に配置された上パンチを下降させて、前記軟磁性材を上方向から加圧する上加圧工程と、
(e)前記上パンチおよび前記ダイスを同時にかつ同じ速度で下降させることによって、前記下パンチを相対的に上昇させるみなし下加圧工程と、
(f)前記キャビティ内から成形された前記U字型コアを取り出す取り出し工程と、
を備える、リアクトルの製造方法。
【符号の説明】
【0083】
1 U字型コア、2 コイル、3 ヒートシンク、4 ダイス、5 下パンチ、6 上パンチ、108 U字型端面、111 内部空間、201 直線部、202 エンド部、401 ダイスキャビティ、1010,1011,1012,1013,1014 コアユニット、1015,1016 コアセット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17