(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183504
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理装置および称賛評価方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/85 20140101AFI20231221BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231221BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231221BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20231221BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20231221BHJP
【FI】
A63F13/85
A63F13/79
A63F13/69
A63F13/798
A63F13/30
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097051
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】池下 裕紀
(57)【要約】
【課題】プレイヤが一緒にゲームをプレイした別のプレイヤを称賛できる技術を提供する。
【解決手段】称賛情報取得部210は、プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報を取得する。第1ポイント付与部214は、称賛情報にもとづいて、別のプレイヤを称賛したプレイヤにポイントを付与する。第2ポイント付与部216は、称賛情報にもとづいて、称賛された別のプレイヤにポイントを付与する。評価部218は、プレイヤごとに、称賛したことで付与されたポイントと、称賛されたことで付与されたポイントを集計し、集計したポイントにもとづいて、称賛に関する評価を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置であって、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報を取得し、
前記称賛情報にもとづいて、別のプレイヤを称賛したプレイヤにポイントを付与し、
前記称賛情報にもとづいて、称賛された別のプレイヤにポイントを付与し、
プレイヤごとに、称賛したことで付与されたポイントと、称賛されたことで付与されたポイントを集計し、
集計したポイントにもとづいて、称賛に関する評価を行う、
サーバ装置。
【請求項2】
前記称賛情報は、別のプレイヤを称賛したプレイヤの識別情報と、称賛された別のプレイヤの識別情報とを少なくとも含む、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、
集計したポイントに応じたレベル値を決定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
称賛したことにより付与されるポイントは、称賛されたことにより付与されるポイントよりも相対的に小さい、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項5】
プレイヤが操作する情報処理装置であって、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報をサーバ装置に送信し、
プレイヤが別のプレイヤを称賛したことで付与されたポイントと、プレイヤが別のプレイヤにより称賛されたことで付与されたポイントとにもとづいて評価された情報を取得し、
評価された情報を表示する、
情報処理装置。
【請求項6】
称賛に関する評価を行う方法であって、
プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報を取得し、
前記称賛情報にもとづいて、別のプレイヤを称賛したプレイヤにポイントを付与し、
前記称賛情報にもとづいて、称賛された別のプレイヤにポイントを付与し、
プレイヤごとに、称賛したことで付与されたポイントと、称賛されたことで付与されたポイントを集計し、
集計したポイントにもとづいて、称賛に関する評価を行う、
称賛評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレイヤが一緒にゲームをプレイした別のプレイヤに称賛を送ることができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤが同じセッションに参加するオンラインマルチゲームでは、プレイヤ同士が協力して試合を楽しむ。近年、互いに知らないプレイヤ同士が一緒にゲームプレイすることが一般的になっており、試合中に、あるプレイヤの振る舞いに感銘を受けたような場合には、そのプレイヤに対して称賛を送ることのできるシステムが構築されることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プレイヤは称賛を受けることで、自身の試合中の振る舞いが他のプレイヤから高く評価されたことを認識でき、マルチプレイへのモチベーションを高められる。別のプレイヤに対して称賛を送ることのできるシステムの利用を活性化させることで、オンラインマルチゲームの魅力をさらに高められることが期待される。
【0004】
そこで本開示は、プレイヤが一緒にゲームをプレイした別のプレイヤを称賛できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のサーバ装置は、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、1つ以上のプロセッサは、プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報を取得し、称賛情報にもとづいて、別のプレイヤを称賛したプレイヤにポイントを付与し、称賛情報にもとづいて、称賛された別のプレイヤにポイントを付与し、プレイヤごとに、称賛したことで付与されたポイントと、称賛されたことで付与されたポイントを集計し、集計したポイントにもとづいて、称賛に関する評価を行う。
【0006】
本開示の別の態様の情報処理装置は、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、1つ以上のプロセッサは、プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報をサーバ装置に送信し、プレイヤが別のプレイヤを称賛したことで付与されたポイントと、プレイヤが別のプレイヤにより称賛されたことで付与されたポイントとにもとづいて評価された情報を取得し、評価された情報を表示する。
【0007】
本開示のさらに別の態様の称賛評価方法は、称賛に関する評価を行う方法であって、プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報を取得し、称賛情報にもとづいて、別のプレイヤを称賛したプレイヤにポイントを付与し、称賛情報にもとづいて、称賛された別のプレイヤにポイントを付与し、プレイヤごとに、称賛したことで付与されたポイントと、称賛されたことで付与されたポイントを集計し、集計したポイントにもとづいて、称賛に関する評価を行う。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によると、プレイヤが一緒にゲームをプレイした別のプレイヤを称賛できる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図4】表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
【
図6】称賛の種類を選択する画面の例を示す図である。
【
図8】プレイヤに対して導出される評価情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本開示の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、複数のユーザにより操作される複数の情報処理装置10と、サーバ装置12とを備え、これらはインターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワーク3を介して接続している。アクセスポイント(以下、「AP」とよぶ)8は無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、情報処理装置10は無線または有線経由でAP8に接続して、ネットワーク3上のサーバ装置12と通信可能に接続する。
【0012】
情報処理装置10は、ユーザが操作する入力装置6と無線または有線で接続し、入力装置6はユーザが操作した情報を情報処理装置10に出力する。情報処理装置10は入力装置6から操作情報を受け付けるとシステムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの処理に反映し、出力装置4から処理結果を出力させる。情報処理システム1において情報処理装置10はゲームソフトウェアを実行するゲーム装置(ゲームコンソール)であり、入力装置6はゲームコントローラなど情報処理装置10に対してユーザの操作情報を供給する機器であってよい。なお入力装置6は、キーボードやマウスなどの入力インタフェースであってもよい。
【0013】
補助記憶装置2はHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの大容量記憶装置であり、内蔵型記憶装置であってよく、またUSB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記憶装置であってもよい。出力装置4は画像を出力するディスプレイおよび音声を出力するスピーカを有するテレビであってよく、またヘッドマウントディスプレイであってもよい。出力装置4は、情報処理装置10に有線ケーブルで接続されてよく、無線接続されてもよい。
【0014】
撮像装置であるカメラ7は出力装置4の近傍に設けられ、出力装置4周辺の空間を撮像する。
図1ではカメラ7が出力装置4の上部に取り付けられている例を示しているが、出力装置4の側部または下部に配置されてもよく、いずれにしても出力装置4の前方に位置するユーザを撮像できる位置に配置される。カメラ7はステレオカメラであってもよい。実施例においてユーザは、音声チャット(ボイスチャット)をするためのヘッドセット9を装着する。
【0015】
サーバ装置12は、管理サーバ14およびセッションサーバ16を備え、情報処理システム1の運営主体により保守、管理される。サーバ装置12は、他の種類のサーバを有して構成されてよい。ユーザは自身を一意に識別するユーザアカウントを有し、ユーザアカウントを利用して管理サーバ14にサインインすることで、管理サーバ14およびセッションサーバ16が提供するサービスを利用できるようになる。サーバ装置12は、複数のサーバから構成されてよいが、複数の機能が1つのサーバに集約されてもよい。
【0016】
セッションサーバ16は、ゲームが作成するセッションの状態を管理する。セッションサーバ16は、ゲームが作成するセッションについて、ゲームのタイトル、セッションを作成したユーザ(セッションリーダ)のユーザアカウント、セッションに参加しているユーザのユーザアカウント、セッションの維持時間などの情報を管理する。情報処理装置10のシステムソフトウェアは、セッションの状態に変化があると、その変化を示す情報をセッションサーバ16に送信し、セッションサーバ16は、セッションの最新の状態を管理してよい。
【0017】
1人のユーザ(たとえばユーザA)がゲームを起動後、ゲームのマルチプレイヤモードを選択すると、ゲームは、ゲームに関するセッションを作成する。作成されたゲームセッションに、別のユーザが参加することで、複数のユーザがゲームセッション上で一緒にゲームをプレイし、チャットできるようになる。ゲームセッションに参加する方法は様々あるが、ユーザは、たとえばセッションリーダに参加を希望するメッセージを送信して、セッションリーダの許可を受けることで、セッションに参加できる。
【0018】
実施例では、複数のユーザがゲームをプレイしながら、音声チャットを行う。以下、ゲームをプレイするユーザを「プレイヤ」とも呼ぶ。プレイヤの情報処理装置10同士がP2P(Peer to Peer:ピアツーピア)で接続し、複数の情報処理装置10の間でゲームの操作情報を送受信することで、オンラインマルチプレイが実現される。また複数の情報処理装置10の間で音声チャットデータを送受信することで、音声チャットが実現される。なおサーバ装置12にチャットサーバが設けられ、チャットサーバ経由で、複数の情報処理装置10の間で音声チャットデータが送受信されてもよい。
【0019】
管理サーバ14は、プレイヤから、当該プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す情報(以下、「称賛情報」とも呼ぶ)を受け付ける機能を有する。実施例の情報処理システム1において、プレイヤは、試合中の振る舞いが協力的であったり、友好的であったりするプレイヤに遭遇すると、試合終了後に、当該プレイヤに匿名で称賛を送ることができる。情報処理装置10は、オンラインマルチプレイが終了すると、一緒にゲームをプレイした参加者のリストを表示し、プレイヤは、参加者リストから1人のプレイヤを選択して称賛を送ることができる。なお称えたいプレイヤがいない場合、無理に誰かに称賛を送る必要はない。
【0020】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
【0021】
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。メインCPUはOSを起動し、OSが提供する環境下において、補助記憶装置2にインストールされたゲームプログラムを実行する機能をもつ。サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラなどを備え、GPUを備えない。
【0022】
メインCPUは補助記憶装置2やROM媒体44にインストールされているゲームプログラムを実行する機能をもつ一方で、サブCPUはそのような機能をもたない。しかしながらサブCPUは補助記憶装置2にアクセスする機能、サーバ装置12との間でデータを送受信する機能を有している。サブCPUは、このような制限された処理機能のみを有して構成されており、したがってメインCPUと比較して小さい消費電力で動作できる。これらのサブCPUの機能は、メインCPUがスタンバイ状態にある際に実行される。
【0023】
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。
【0024】
クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。
【0025】
デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
【0026】
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアである。
【0027】
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続してもよい。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、たとえば入力装置6と無線通信する。有線通信モジュール40は、外部機器と有線通信し、たとえばAP8を介してネットワーク3に接続する。
【0028】
図3は、情報処理装置10の機能ブロックを示す。実施例の情報処理装置10は、処理部100および通信部102を備え、ユーザ(プレイヤ)が一緒にプレイしたプレイヤを称賛する情報をサーバ装置12に送信し、またユーザ自身についての称賛に関する評価をサーバ装置12から受信する機能を有する。
【0029】
処理部100は、操作受付部104、ゲーム実行部110、システム画像生成部120、チャット管理部130、称賛情報送信部140、評価情報取得部142および出力処理部150を備える。ゲーム実行部110は、ゲーム画像生成部112、ゲーム音声生成部114およびセッション管理部116を有する。
【0030】
情報処理装置10はコンピュータを備え、コンピュータがプログラムを実行することによって、
図3に示す様々な機能が実現される。コンピュータは、プログラムをロードするメモリ、ロードされたプログラムを実行する1つ以上のプロセッサ、補助記憶装置、その他のLSIなどをハードウェアとして備える。プロセッサは、半導体集積回路やLSIを含む複数の電子回路により構成され、複数の電子回路は、1つのチップ上に搭載されてよく、または複数のチップ上に搭載されてもよい。
図3に示す機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアとの連携によって実現され、したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0031】
通信部102は、入力装置6の入力部をユーザが操作した操作情報を受信し、操作受付部104に提供する。また通信部102は、管理サーバ14やセッションサーバ16と通信して、様々な情報やデータを送受信する。通信部102は無線通信モジュール38および有線通信モジュール40の機能を併せ持ってよい。
【0032】
操作受付部104は、通信部102を介して、入力装置6の操作情報を受け付ける。実施例でゲーム実行部110はゲームプログラムを実行して、ゲームの画像データおよび音声データを生成する。ゲーム実行部110として示す機能は、システムソフトウェア、ゲームプログラム、レンダリング処理などを実行するGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアなどにより実現される。なおゲームはアプリケーションの一例であり、ゲーム実行部110は、ゲーム以外のアプリケーションを実行してもよい。
【0033】
ユーザによりゲームのマルチプレイヤモードが選択されると、セッション管理部116は、ネットワーク3との接続環境が良好であることを条件としてセッションを作成し、セッションサーバ16に、ユーザのユーザIDと、ゲームの識別情報(ゲームID)などを含むセッション情報を通知する。なおゲームは、明示的に「セッションを作成する」ためのメニュー項目を用意しておき、ユーザが当該メニュー項目を選択することで、セッション管理部116がセッションを作成してもよい。実施例ではユーザA(プレイヤA)が、マルチプレイヤモードを選択して、セッションを作成する。
【0034】
セッションが作成されると、セッションサーバ16は、セッションの識別情報(セッションID)をゲームに返し、セッションの状態を管理する。ユーザAがセッションの公開を許可する場合、セッションサーバ16が当該セッションをネットワーク3上で公開することで、他のユーザが当該セッションを見つけて参加できるようになる。セッションに参加する複数のユーザの情報処理装置10は、互いにP2P通信で接続される。
【0035】
セッション管理部116は、セッションに参加する複数のユーザの識別情報(ユーザID)を保持して、参加ユーザをセッショングループのプレイヤとして管理する。ユーザIDはユーザアカウントであってもよいが、ユーザアカウントとは異なる識別情報であってよく、たとえばオンライン上で使用されるオンラインIDであってよい。セッション管理部116は、新たにセッションに参加するプレイヤ、またはセッションから退出するプレイヤを管理し、セッショングループを構成する全てのプレイヤのユーザIDをチャット管理部130に提供する。これによりチャット管理部130は、セッションに参加している全てのプレイヤを認識する。
【0036】
チャット管理部130は、セッションに参加するプレイヤからチャット参加要求を受け付けると、当該プレイヤをチャットルームに参加させる。実施例ではセッションリーダが「ユーザA」であり、他のプレイヤがチャットルームに参加することで、複数のプレイヤがチャットをしながら、オンラインマルチプレイの試合を楽しむことができる。
【0037】
試合中、操作受付部104は、プレイヤAによる入力装置6の操作情報および他のプレイヤによる入力装置の操作情報をゲーム実行部110に供給し、ゲーム画像生成部112は、操作情報をもとに、仮想空間内で、複数のプレイヤが操作するキャラクタおよびNPC(ノンプレイヤーキャラクタ)を動かす演算処理を行う。ゲーム画像生成部112はGPUを含み、仮想空間における演算処理結果を受けて、仮想空間内の視点位置(仮想カメラ)からのゲーム画像データを生成する。ゲーム音声生成部114は、仮想空間内の視点位置からのゲーム音声データを生成する。
【0038】
図4は、出力装置に表示されるゲーム画像の一例を示す。出力処理部150は、出力装置4からゲーム画像を表示し、ヘッドセット9からゲーム音声を出力する。なおユーザがヘッドセット9を装着していない場合、出力処理部150は、出力装置4のスピーカからゲーム音声を出力してもよい。
【0039】
実施例の情報処理システム1では、オンラインマルチプレイの試合が終了すると、プレイヤは、試合に参加した別のプレイヤに称賛を送ることができる。
図5は、試合終了後に表示されるプレイヤリストの例を示す。試合が終了すると、ゲーム画像生成部112は、試合に参加したプレイヤのリストを生成し、出力処理部150が出力装置4に表示する。
図5には、プレイヤAが一緒にプレイしたプレイヤ名がリスト表示される。なおプレイヤリストには、プレイヤAが他のプレイヤを特定できるように、試合中に他のプレイヤが使用していたキャラクタ名や、アイコンなどの特徴が表示されることが好ましい。プレイヤAは、称賛を誰にも送りたくなければ、「称賛をおくりません」のボタンを押下し、このプレイヤリスト画面から抜ける。
【0040】
プレイヤAは、1試合でたとえば1人にだけ称賛を送ることができる。称賛を送ることができる人数は、情報処理システム1の運営主体により適宜定められてよいが、無制限に送れることは好ましくなく、送れる人数は所定数に制限されることが好ましい。たとえば参加したプレイヤ数に応じて、称賛を送れる人数が定められてよく、参加プレイヤ数が所定数以下であれば1人、所定数を超えると複数人に称賛を送れるようにしてもよい。また特定のプレイヤに集中して称賛を送ることができないように、あるプレイヤに称賛を送った後、所定時間(たとえば12時間)以内に同じプレイヤに称賛を送ることが制限されてもよい。
【0041】
なお仲間内で称賛を送りあえないようにするために、プレイヤAは、自身のフレンドに称賛を送ることができないように制限されてよい。そのためプレイヤAがフレンドと一緒に試合をした場合、フレンドは、フレンドリストから除外されて非表示とされるか、またはフレンドリストに含まれていても、選択できないように表示される。
【0042】
図5に示す例では、プレイヤAは、称賛を送る相手として「プレイヤD」を選択している。プレイヤAは「プレイヤD」を選択した後、「選択したプレイヤに称賛をおくります」のボタンを押下することで、プレイヤDに称賛を匿名で送ることができる。
【0043】
図6は、称賛の種類を選択する画面の例を示す。
図5に示すプレイヤリスト画面において、プレイヤAが「選択したプレイヤに称賛をおくります」のボタンを押下すると、ゲーム画像生成部112は、称賛の種類を選択するための画面を生成し、出力処理部150が出力装置4に表示する。称賛種類の選択画面には、以下の4つの種類の称賛が用意されてよい。
・ “Helpful”
思いやり、好感のあるコミュニケーション、チームワーク
・ “Good Sport”
積極的、良心的、礼儀正しさ
・ “Leader”
先導、決断力、計画性
・ “Welcoming”
寛容さ、オープン、友好的
【0044】
プレイヤAは、“Helpful”、“Good Sport”、“Leader”、“Welcoming”の中から、プレイヤDに相応しい称賛を選択した後、「称賛をおくります」のボタンを押下する。
図6に示す例では、“Good Sport”が選択されている。称賛情報送信部140は、プレイヤAがプレイヤDを称賛したことを示す情報(称賛情報)を、通信部102を介して管理サーバ14に送信する。
【0045】
以上は、プレイヤAが、同じセッションに参加していたプレイヤを称賛するケースについて説明したが、他のプレイヤB~Fのそれぞれも、同様に自分以外のプレイヤを称賛できる。たとえばプレイヤCがプレイヤAを称賛して、プレイヤCの情報処理装置10が、プレイヤCがプレイヤAを称賛したことを示す情報を管理サーバ14に送信してもよい。なお別のプレイヤを称賛する行為は強制ではないため、無理に別のプレイヤを称賛する必要はない。
【0046】
図7は、管理サーバ14の機能ブロックを示す。実施例の管理サーバ14は、処理部200、通信部202および記録部230を備え、各プレイヤの情報処理装置10から送信される称賛情報を処理する機能を有する。処理部200は、称賛情報取得部210、ポイント付与部212、評価部218および提供部220を備え、ポイント付与部212は、第1ポイント付与部214および第2ポイント付与部216を有する。
【0047】
管理サーバ14はコンピュータを備え、コンピュータがプログラムを実行することによって、
図7に示す様々な機能が実現される。コンピュータは、プログラムをロードするメモリ、ロードされたプログラムを実行する1つ以上のプロセッサ、補助記憶装置、その他のLSIなどをハードウェアとして備える。プロセッサは、半導体集積回路やLSIを含む複数の電子回路により構成され、複数の電子回路は、1つのチップ上に搭載されてよく、または複数のチップ上に搭載されてもよい。
図7に示す機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアとの連携によって実現され、したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0048】
称賛情報取得部210は、通信部202を介して、プレイヤが別のプレイヤを称賛したことを示す称賛情報を取得し、記録部230に記録する。称賛情報は、別のプレイヤを称賛したプレイヤの識別情報(ユーザID)と、称賛された別のプレイヤの識別情報(ユーザID)と、選択された称賛の種類を特定する情報(種類情報)とを少なくとも含んでよい。上記した例では、プレイヤAがプレイヤDを“Good Sport”の観点から称賛しており、プレイヤAの情報処理装置10から送信された称賛情報には、称賛したプレイヤの識別情報としてプレイヤAのユーザIDと、称賛されたプレイヤの識別情報としてプレイヤDのユーザIDと、種類情報として“Good Sport”とが含まれている。ポイント付与部212はプレイヤごとに、称賛に関するポイントを積算して導出する。
【0049】
第1ポイント付与部214は、称賛情報にもとづいて、別のプレイヤを称賛したプレイヤにポイントを付与する機能を有する。1回称賛したことにより付与するポイント数は、Xポイントである。たとえばプレイヤAがプレイヤDを称賛した場合、第1ポイント付与部214は、プレイヤAに、Xポイントを付与して、称賛したことでこれまで積み重ねた累計ポイントにXポイントを加算する。プレイヤAが、別のプレイヤをN回称賛したことがある場合、第1ポイント付与部214は、プレイヤAのポイント数を、N×Xポイントと導出する。
【0050】
第2ポイント付与部216は、称賛情報にもとづいて、称賛されたプレイヤにポイントを付与する機能を有する。1回称賛されたことにより付与するポイント数は、Yポイントである。たとえばプレイヤCがプレイヤAを称賛した場合、第2ポイント付与部216は、プレイヤAに、Yポイントを付与して、称賛されたことでこれまで積み重ねた累計ポイントにYポイントを加算する。プレイヤAが、別のプレイヤからM回称賛されたことがある場合、第2ポイント付与部216は、プレイヤAのポイント数を、M×Yポイントと導出する。
【0051】
評価部218は、プレイヤごとに、別のプレイヤを称賛したことで付与されたポイントと、別のプレイヤにより称賛されたことで付与されたポイントを集計したポイントにもとづいて、称賛に関する評価を行う。プレイヤAの例でいえば、評価部218は、称賛したことで付与されたポイント(N×Xポイント)と、称賛されたことで付与されたポイント(M×Yポイント)を加算し、加算したポイント数に応じたレベル値を決定する。レベル値は、ポイント数を複数の段階に区分したときの1つの段階を表現し、レベル値が高いほど、別のプレイヤから称賛を受けた回数が多く、また別のプレイヤを称賛した回数が多いことを意味する。
【0052】
評価部218は、以下の(式1)を用いて、レベル値を決定してよい。
(N×X+M×Y)/L ・・(式1)
Lは定数であって、たとえば100であってよい。
評価部218は、(式1)を計算して、(商)と(剰余)を取得する。
【0053】
ここで剰余が0である場合、評価部218は、(商)をレベル値に決定する。したがって(N×X+M×Y)=300であって、(商)=3、(剰余)=0であるとき、評価部218は、プレイヤAの称賛に関するレベル値を「3」と評価する。
【0054】
一方、余りが0以外である場合、評価部218は、((商)+1)をレベル値に決定する。したがって(N×X+M×Y)=301であって、(商)=3、(剰余)=1であるとき、評価部218は、プレイヤAの称賛に関するレベル値を「4」と評価する。
【0055】
評価部218が、別のプレイヤを称賛したことによるポイントを加味して称賛に関する評価を行うことで、プレイヤが別のプレイヤを称賛することに対するモチベーションを高めることができる。これにより称賛を送るユーザ行動を活性化させることができる。
【0056】
なお称賛したことにより付与されるポイント数Xは、称賛されたことにより付与されるポイント数Yよりも相対的に小さくてよい。たとえばポイント数Xが1であるとき、ポイント数Yは2であってよい。X<Yの関係とすることで、レベル値を算出する際に、称賛されたことの相対的価値を高めることが可能となる。Yは、Xの3倍以上であってもよい。
【0057】
評価部218は、記録部230に記録された称賛情報にもとづいて、称賛された回数の種類ごとの割合を導出する。以下、称賛の各種類について受けた称賛の回数を示す。
・Helpful 18回
・Good Sport 78回
・Leader 30回
・Welcoming 24回
【0058】
したがって評価部218は、各種類の割合を、以下のように導出する。
・Helpful 12%
・Good Sport 52%
・Leader 20%
・Welcoming 16%
評価部218は、各種類の割合を記録部230に記録する。
【0059】
プレイヤAは、称賛に関する評価情報の送信を、管理サーバ14に要求できる。情報処理装置10が評価情報のリクエストを管理サーバ14に送信すると、提供部220が、プレイヤAの称賛に関する評価情報を記録部230から読み出し、通信部202を介して情報処理装置10に送信する。評価情報は、称賛に関する評価値であるレベル値と、称賛を受けた種類ごとの割合を含んでよい。
【0060】
評価情報取得部142は、管理サーバ14から評価情報を取得すると、システム画像生成部120が、評価情報を含むシステム画像を生成し、出力処理部150が出力装置4に表示する。
図8は、プレイヤAに対して導出される評価情報の表示例を示す。評価情報は、称賛を受けた回数の種類ごとの割合と、レベル値とを含む。プレイヤAは、称賛の割合を見ることで、自分がどのようなプレイを評価されているか認識できる。またプレイヤAは、レベル値を見ることで、称賛レベルを上げる振る舞いをすることへのモチベーションを高めることができる。
【0061】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0062】
実施例では、称賛したことにより付与されるポイント数Xが、称賛されたことにより付与されるポイント数Yよりも相対的に小さくてよいことを説明した。変形例で、ポイント数Yは、プレイヤのプレイ履歴によって変動してもよい。たとえばプレイ履歴の少ないプレイヤによって称賛されたときに付与されるポイント数は、プレイ履歴の多いプレイヤによって称賛されたときに付与されるポイント数より小さくてもよい。
【0063】
実施例では、プレイヤが別のプレイヤを称賛する仕組みについて説明したが、この仕組みを、プレイヤが、マナーの悪い不良プレイヤを通報する際に利用してもよい。この場合、プレイヤは、試合後、マナーの悪かった不良プレイヤを参加者リストの中から選択して、管理サーバ14に通報する。このとき、当該プレイヤの行為を複数の選択肢から選択できるようにしてもよい。管理サーバ14は、不良プレイヤごとに通報回数をカウントして、ユーザ情報の一つとして保持してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1・・・情報処理システム、10・・・情報処理装置、12・・・サーバ装置、14・・・管理サーバ、16・・・セッションサーバ、100・・・処理部、102・・・通信部、104・・・操作受付部、110・・・ゲーム実行部、112・・・ゲーム画像生成部、114・・・ゲーム音声生成部、116・・・セッション管理部、120・・・システム画像生成部、130・・・チャット管理部、140・・・称賛情報送信部、142・・・評価情報取得部、150・・・出力処理部、200・・・処理部、202・・・通信部、210・・・称賛情報取得部、212・・・ポイント付与部、214・・・第1ポイント付与部、216・・・第2ポイント付与部、218・・・評価部、220・・・提供部、230・・・記録部。