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特開2023-183535情報処理装置、プログラム、コンピューター読取可能な記録媒体、情報処理システム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183535
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、コンピューター読取可能な記録媒体、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097103
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水島 彰宏
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】リハビリテーション計画の適切な見直しを支援する動画像データーの表示を可能にする情報処理装置、プログラム、コンピューター読取可能な記録媒体、情報処理システム、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとを取得する取得部と、第1の動画像データーと第2の動画像データーとを対比可能に表示する表示部とを備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、前記被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとを取得する取得部と、
前記第1の動画像データーと前記第2の動画像データーとを対比可能に表示する表示部とを備えた、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示部は、第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を含み、
前記対比可能に表示することは、
前記第1表示領域に前記第1の動画像データーを表示すると同時に、前記第2表示領域に前記第2の動画像データーを表示することを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記第1の動画像データーとは異なる時刻における前記被介護者の日常動作を撮像した第3の動画像データーを取得し、
前記情報処理装置は、前記表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備え、
前記表示部は、前記入力部における表示内容の選択結果に基づいて、前記第2表示領域において前記第3の動画像データーを表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記第2の動画像データーとは異なる時刻における前記被介護者のリハビリテーション動作を撮像した第3の動画像データーを取得し、
前記情報処理装置は、前記表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備え、
前記表示部は、前記入力部における表示内容の選択結果に基づいて、前記第1表示領域において前記第3の動画像データーを表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の動画像データーは、前記被介護者の歩行動作、起床動作および起立動作のうち少なくとも1つの動作を撮像することにより得られた情報を含む、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の動画像データーおよび前記第2の動画像データーは、前記被介護者の特定の行動指標についての情報と各々対応づけられ、
前記情報処理装置は、前記表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備え、
前記表示部は、前記入力部において前記特定の行動指標が選択されたことに基づいて、前記第1の動画像データーおよび前記第2の動画像データーを表示する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の動画像データーおよび前記第2の動画像データーは時刻情報を各々含み、
前記情報処理装置は、
前記表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備え、
前記表示部は、前記入力部において特定の時刻が選択されたことに基づいて、前記特定の時刻における前記第1の動画像データーおよび前記第2の動画像データーを表示する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、端末装置であって、
前記取得部は、前記端末装置に通信可能に接続されたサーバー装置から、前記第1の動画像データーおよび前記第2の動画像データーを取得する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、前記被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとを取得するステップと、
前記第1の動画像データーと前記第2の動画像データーとを対比可能に表示するステップとを情報処理装置のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを格納したコンピューター読取可能な記録媒体。
【請求項11】
被介護者の動作を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置から動画像データーを取得するサーバー装置と、
前記サーバー装置と通信可能な端末装置とを備え、
前記端末装置は、
前記被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、前記被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとを前記サーバー装置から取得し、
前記第1の動画像データーと前記第2の動画像データーとを対比可能に表示する、情報処理システム。
【請求項12】
被介護者の日常動作を撮像した第1の動画像データーと、前記被介護者のリハビリテーション動作を撮像した第2の動画像データーとを取得するステップと、
前記第1の動画像データーと前記第2の動画像データーとを対比可能に表示するステップとを備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、プログラム、コンピューター読取可能な記録媒体、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーションの分野において、被介護者の動きを動画像で記録することが従来から行われている(たとえば特許文献1)。リハビリテーションによる回復の程度に応じて、リハビリテーション計画を適宜見直すことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-83519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被介護者の動画像データーを参照してリハビリテーション計画の見直しが行われる場合において、リハビリテーション実施時に被介護者(対象者)の体調がすぐれない等、普段と異なる事情があるときは、リハビリテーション実施時の動画像データーだけを参照しても、リハビリテーション計画が適切に見直されない場合が生じ得る。
【0005】
本技術の目的は、リハビリテーション計画の適切な見直しを支援する動画像データーの表示を可能にする情報処理装置、プログラム、コンピューター読取可能な記録媒体、情報処理システム、および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術のある局面に従うと、情報処理装置は、被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとを取得する取得部と、第1の動画像データーと第2の動画像データーとを対比可能に表示する表示部とを備える。
【0007】
好ましくは、表示部は、第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を含む。対比可能に表示することは、第1表示領域に第1の動画像データーを表示すると同時に、第2表示領域に第2の動画像データーを表示することを含む。
【0008】
好ましくは、取得部は、第1の動画像データーとは異なる時刻における被介護者の日常動作を撮像した第3の動画像データーを取得する。情報処理装置は、表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備える。表示部は、入力部における表示内容の選択結果に基づいて、第2表示領域において第3の動画像データーを表示する。
【0009】
好ましくは、取得部は、第2の動画像データーとは異なる時刻における被介護者のリハビリテーション動作を撮像した第3の動画像データーを取得する。情報処理装置は、表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備える。表示部は、入力部における表示内容の選択結果に基づいて、第1表示領域において第3の動画像データーを表示する。
【0010】
好ましくは、第1の動画像データーは、被介護者の歩行動作、起床動作および起立動作のうち少なくとも1つの動作を撮像することにより得られた情報を含む。
【0011】
好ましくは、第1の動画像データーおよび第2の動画像データーは、被介護者の特定の行動指標についての情報と各々対応づけられる。情報処理装置は、表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備える。表示部は、入力部において特定の行動指標が選択されたことに基づいて、第1の動画像データーおよび第2の動画像データーを表示する。
【0012】
好ましくは、第1の動画像データーおよび第2の動画像データーは時刻情報を各々含む。情報処理装置は、表示部における表示内容を選択可能な入力部をさらに備える。表示部は、入力部において特定の時刻が選択されたことに基づいて、特定の時刻における第1の動画像データーおよび第2の動画像データーを表示する。
【0013】
好ましくは、情報処理装置は、端末装置である。取得部は、端末装置に通信可能に接続されたサーバー装置から、第1の動画像データーおよび第2の動画像データーを取得する。
【0014】
本開示の他の局面に従うと、プログラムは、被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとを取得するステップと、第1の動画像データーと第2の動画像データーとを対比可能に表示するステップとを情報処理装置のプロセッサに実行させる。
【0015】
本開示のさらに他の局面に従うと、記録媒体は、コンピューター読取可能なものであって、上述のプログラムを格納したものである。
【0016】
本開示のさらに他の局面に従うと、情報処理システムは、被介護者の動作を撮像する撮像装置と、撮像装置から動画像データーを取得するサーバー装置と、サーバー装置と通信可能な端末装置とを備える。端末装置は、被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとをサーバー装置から取得し、第1の動画像データーと第2の動画像データーとを対比可能に表示する。
【0017】
本開示のさらに他の局面に従うと、情報処理方法は、被介護者の日常動作を撮像した第1の動画像データーと、被介護者のリハビリテーション動作を撮像した第2の動画像データーとを取得するステップと、第1の動画像データーと第2の動画像データーとを対比可能に表示するステップとを備える。
【発明の効果】
【0018】
本技術によれば、被介護者の日常動作を撮像することにより得られた第1の動画像データーと、被介護者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた第2の動画像データーとを対比可能に表示することにより、リハビリテーション計画の適切な見直しを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】リハビリテーション支援システムの構成の一例を示す図である。
図2】居室900における利用者800の動作記録ないし活動記録の概要の一例を示す図である。
図3】センサーボックス100および携帯端末300Aのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】サーバー装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】居室900における利用者800の動作記録の一例を示す図である。
図6】リハビリテーション室950における利用者800の動作記録の一例を示す図である。
図7】リハビリテーション支援システムにおける利用者800の姿勢推定(動作種別の推定)方法の一例を示す図である。
図8】リハビリテーション支援システムを構成するセンサーボックス100、サーバー装置200、および端末装置300の機能的構成を説明するための機能ブロック図である。
図9】ある局面において端末装置300のディスプレイ305に表示されている画面を示した図(その1)である。
図10】ある局面において端末装置300のディスプレイ305に表示されている画面を示した図(その2)である。
図11】ある局面において端末装置300のディスプレイ305に表示されている画面を示した図(その3)である。
図12】ある局面において端末装置300のディスプレイ305に表示されている画面を示した図(その4)である。
図13】リハビリテーション支援システムにおいて実行される処理流れを示したシーケンス図である。
図14】端末装置300において実行される処理の流れを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0021】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。
【0022】
<システム構成>
図1および図2を参照して、リハビリテーション支援システム(情報処理システム)の全体像について説明する。本実施の形態に係るリハビリテーション支援システムは、主に高齢者のいる住居、特別老人ホームや介護施設など(以下、これらを総称して「施設」という。)で使用されることを想定している。以降の説明において、施設内で介護を受ける側である被介護者を「利用者」といい、施設内で介護作業を行う側の介護者を「スタッフ」という。
【0023】
図1は、本実施の形態に従うリハビリテーション支援システムの構成の一例を示す図である。図1を参照して、リハビリテーション支援システムは、センサーボックス100と、サーバー装置200と、端末装置300とを含む。
【0024】
施設10は、少なくとも、居室900と、リハビリテーション室950とを備える。居室900は、利用者800が日常生活を送るための部屋である。リハビリテーション室950は、利用者800が運動能力の向上などを目的としたリハビリテーション(体力測定を含む。)を行なう部屋である。図1に示す例では、利用者800Aが、居室900で日常生活を送っており、利用者800Bが、リハビリテーション室950でリハビリテーションを受けている。
【0025】
センサーボックス100は、センサーボックス100に内蔵されたカメラおよびセンサー、および他の各種センサーを用いて、居室900内の利用者800の動作(本明細書では、「日常動作」という。)ないし活動(本明細書では、「日常活動」という。)の記録を取得し得る。センサーボックス100は、内部ネットワークを介して、サーバー装置200に、取得した利用者800の日常動作の記録を送信する。また、センサーボックス100は、リハビリテーション室950にも設置され得る。リハビリテーション室950のセンサーボックス100は、利用者800のリハビリテーション室950における動作(本明細書では、「リハビリテーション動作」という。)ないし活動(本明細書では、「リハビリテーション活動」)の記録を取得し得る。
【0026】
なお、本明細書において、利用者800の「動作」は、利用者800の体の動きを伴う行動を意味する。また、利用者800の「活動」は、体の動きの有無に関わらず、利用者800の行動全般を意味する。たとえば、「睡眠」、「読書」などは、必ずしも利用者800の体の動きを伴わなくても、「活動」に含まれる。本明細書では、「日常動作」および「リハビリテーション動作」を総称して「動作」といい、「日常活動」および「リハビリテーション活動」を総称して「活動」という。また、カメラ、センサーなどにより取得した動作ないし活動の記録を「動作記録」ないし「活動記録」という。
【0027】
利用者800の動作記録は、たとえば、カメラによって撮像された動画像データーを含む。利用者800の活動記録は、たとえば、センサーによって取得された利用者800の睡眠時間、心拍数などの情報を含む。
【0028】
利用者800の動作は、一例として、立位の状態で利用者800の位置が変化する「歩行」と、利用者800の体勢が臥位から座位に変化する「起床」と、利用者800の体勢が座位から立位に変化する「起立」とを含む。利用者800の動作記録は、上記の動作以外の任意の動作を含んでいてもよい。
【0029】
リハビリテーション支援システムは、さらに、ゲートウェイサーバー11と、交換装置12と、アクセスポイント13とを含み得る。
【0030】
ゲートウェイサーバー11は、施設10の内部ネットワークと、施設10の外部ネットワークとを相互接続する。内部ネットワークは、有線と無線とからなるローカルネットワークであってもよい。外部ネットワークは、たとえば、インターネット網や公衆電話回線網である。内部ネットワークまたは外部ネットワークに接続された機器は、たとえば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)およびICMP(Internet Control Message Protocol)などの通信プロトコルを用いて、データーを送受信する。
【0031】
ゲートウェイサーバー11は、セキュリティに関する機能を備えていてもよい。たとえば、ゲートウェイサーバー11は、ファイヤーウォールまたはフィルタリング機能などにより、外部ネットワークに接続された機器が、内部ネットワークの各機器にアクセスできないようにしてもよい。逆に、ゲートウェイサーバー11は、内部ネットワークに接続された各機器に対して、外部ネットワーク上の特定のウェブページを参照できなくするなどの制限を設けてもよい。
【0032】
交換装置12は、施設10の内部ネットワーク上の各機器を相互接続する。ある局面において、ルーターまたはスイッチが交換装置12として使用されてもよい。交換装置12は、複数のイーサーネット(登録商標)の通信ポートを備え、各機器とイーサーネットケーブルを介して接続され得る。さらに、交換装置12は、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)などに対応した無線アンテナを備えていてもよい。その場合、交換装置12は、有線および無線の両方の手段で、各機器と通信し得る。図1に示す例では、交換装置12の数は1であるが、交換装置12の数はこれに限定されない。施設10の内部ネットワークは、複数の交換装置12の組み合わせによって構成されてもよい。
【0033】
アクセスポイント13は、無線アンテナを備えており、無線通信を介して、各機器を内部ネットワークに接続する。ある局面において、Wi-Fiルーターが、アクセスポイント13として使用されてもよい。ある局面において、交換装置12およびアクセスポイント13は、一体型であってもよい。
【0034】
センサーボックス100は、内部ネットワークを介して、サーバー装置200に、取得した利用者800の動作記録ないし活動記録を送信する。
【0035】
サーバー装置200は、リハビリテーション支援システムのプログラムや各種データーを管理する。また、サーバー装置200は、利用者800の居室900における動作記録ないし活動記録と、利用者800のリハビリテーション室950における動作記録ないし活動記録とを保存する。
【0036】
サーバー装置200は、外部ネットワーク上のクラウドサーバーであってもよい。その場合、サーバー装置200は、ゲートウェイサーバー11を介して、内部ネットワークの各機器と通信することになる。
【0037】
端末装置300は、個々のスタッフが使用する携帯端末300Aと、施設10の管理者が使用する管理者端末300Bとを含み得る。管理者端末300Bは、施設10の管理者がサーバー装置200にログインするための端末として使用され得る。図1に示す例では、2つの携帯端末300A1,300A2と、1つの管理者端末300Bとが図示されているが、携帯端末300Aおよび管理者端末300Bの数は、特に限定されない。
【0038】
センサーボックス100は、居室900またはリハビリテーション室950における利用者800の動作記録ないし活動記録を解析し、当該解析結果をサーバー装置200に送信し得る。解析結果は、一例として、利用者800の動作記録に含まれる各動作の動作種別の推定結果、および各動作の動作時間または動作速度などの情報を含み得る。さらに、センサーボックス100は、利用者800が睡眠状態にあるか覚醒状態にあるかを推定し得る。
【0039】
センサーボックス100は、さらに、位置情報をサーバー装置200に送信してもよい。ここでの位置情報とは、居室900、リハビリテーション室950、食堂およびその他の共有スペースなどに関する情報を含んでいてもよい。他の局面において、センサーボックス100は、取得した情報の全てまたは一部を携帯端末300Aに送信してもよい。その場合、携帯端末300Aは、センサーボックス100から取得した各種情報をサーバー装置200に送信し得る。
【0040】
センサーボックス100は、居室900内の利用者800の動作を検出するためのセンサーを内蔵する。センサーの一例は、物体の動作を検出するためのドップラーセンサーである。
【0041】
携帯端末300Aは、施設10で介護に従事するスタッフにより使用される。スタッフは、携帯端末300Aを用いて、利用者800のリハビリテーション動作の記録をサーバー装置200に送信し得る。スタッフは、携帯端末300Aを用いて、利用者800のリハビリテーションを行なう。たとえば、スタッフは、携帯端末300Aをストップウォッチとして使用して、歩行、起床および起立などの動作の時間を計測し得る。その場合、携帯端末300Aは、各動作のタイムスタンプ(開始時間および終了時間)をサーバー装置200に送信し得る。
【0042】
図1の例では、施設10に含まれる居室900およびリハビリテーション室950の数は各々1つであるが、本実施の形態に従うリハビリテーション支援システムは、任意の数の居室900と、任意の数のリハビリテーション室950を持つ施設10で使用することができる。同様に、携帯端末300A、アクセスポイント13および交換装置12などの他の機器の数に関しても、図1の例示に限定されない。
【0043】
居室900は、設備として、たとえば、ベッド901を含む。利用者800は、当該利用者800のバイタル情報を検出するバイタルセンサー400を装着している。検出されるバイタル情報の一例は、利用者の体温である。他の例は、利用者の呼吸である。さらに他の例は、利用者の心拍数である。さらに他の例は、これらの情報の中の2以上の種類の情報である。
【0044】
図2は、居室900における利用者800の動作記録ないし活動記録の概要の一例を示す図である。センサーボックス100と、サーバー装置200と、携帯端末300Aとは、互いに有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して接続され得る。図2に示す例は、居室900であるが、リハビリテーション支援システムは、リハビリテーション室950においても同様の手順で利用者800の動作記録ないし活動記録を取得し得る。
【0045】
センサーボックス100は、カメラ105(撮像装置)と、任意のセンサー110(マイク、赤外線センサー、ドップラーセンサーまたはこれらの組み合わせなど)とを含む。センサーボックス100は、一例として、センサー110が利用者800の動作を検知したときのみ、カメラ105で利用者800の動作を撮影し、その動作記録として動画像データーをサーバー装置200に送信してもよい。他の例として、センサーボックス100は、常に利用者800の動作を撮影し続け、センサー110から一定間隔で取得した検出値を付加した動画像データーをサーバー装置200に送信してもよい。
【0046】
サーバー装置200は、受信した動作記録を解析して、利用者800の識別情報とともに、その解析結果を保存し得る。端末装置300は、サーバー装置200から取得した情報をディスプレイに表示し得る。
【0047】
カメラ105は、居室900内を撮影する。カメラ105は、可動軸が2軸以上の可動式カメラであってもよい。カメラ105は、赤外線カメラであってもよい。さらに、カメラ105は、可動式の赤外線カメラであってもよい。その場合、センサーボックス100は、夜間の消灯時間においても、利用者800の睡眠を妨げることなく、居室900内を撮影することができる。さらに、他の局面において、カメラ105は、通常のカメラおよび外線カメラの両方を含んでいてもよい。その場合、センサーボックス100は、通常のカメラにより日中の居室900内を撮影し、赤外線カメラにより夜間の居室900内を撮影し得る。
【0048】
センサー110は、利用者800の動作を検出または解析のためのデーターを取得し得る。センサー110は、たとえば、利用者800の動作の開始時間、動作の終了時間および位置情報などを取得し得る。センサーボックス100またはサーバー装置200は、動画像データーと、センサー110から取得した情報とに基づいて、高精度に利用者800の動作を解析することができる。
【0049】
リハビリテーション室950における利用者800の動作(リハビリテーション動作)の動画像データーは、携帯端末300Aにより取得し得る。リハビリテーション動作の動画像データーは、居室900における動作(日常動作)と同様に、センサーボックス100のカメラ105により取得されてもよい。
【0050】
<ハードウェア構成>
次に、図3および図4を参照して、センサーボックス100、サーバー装置200、および携帯端末300Aのハードウェア構成について説明する。図3は、センサーボックス100および携帯端末300Aのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0051】
図3を参照して、センサーボックス100は、居室900またはリハビリテーション室950における利用者800の動作ないし活動を記録し、動作記録ないし活動記録として、取得した情報をサーバー装置200に送信する。センサーボックス100は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、カメラ105と、ドップラーセンサー106と、無線通信装置107と、記憶装置108とを備える。
【0052】
制御装置101は、センサーボックス100を制御する。制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。
【0053】
ROM102は、制御装置101が実行する各種プログラムおよび設定を保存し得る。RAM103は、ROM102または記憶装置108からロードされたプログラムなどを一時的に記憶する。制御装置101は、RAM103に読み込まれたプログラムを実行する。
【0054】
通信インターフェイス104は、アンテナ(図示せず)などに接続される。センサーボックス100は、当該アンテナを介して、他の通信機器との間でデーターをやり取りする。他の通信機器は、たとえば、サーバー装置200、携帯端末300A、アクセスポイント13およびその他の通信端末などを含む。ある局面において、通信インターフェイス104は、有線接続で他の通信機器と接続されてもよい。
【0055】
カメラ105は、一実現例では、近赤外カメラである。近赤外カメラは、近赤外光を投光するIR(Infrared)投光器を含み、夜間でも居室900の内部を表わす映像および/または写真を撮影できる。他の実現例では、カメラ105は、可視光のみを受光する監視カメラである。さらに他の実現例では、カメラ105として、3Dセンサーやサーモグラフィーカメラが用いられてもよい。センサーボックス100およびカメラ105は、一体的に構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
【0056】
ドップラーセンサー106は、たとえばマイクロ波ドップラーセンサーであり、電波を放射および受信して、居室900内の物体の挙動(動作)を検出する。これにより、居室900内の利用者800の生体情報が検出され得る。一例では、ドップラーセンサー106は、24GHz帯のマイクロ波を各居室900のベッド901に向けて放射し、利用者800で反射したマイクロ波(以下「反射波」という。)を受信する。反射波は、利用者800の動作により、ドップラーシフトしている。ドップラーセンサー106は、当該反射波から、利用者800の呼吸状態や心拍数を検出し得る。ドップラーセンサー106は、図2で示した利用者800の動作を検出するセンサー110に相当する。ある局面において、センサーボックス100は、ドップラーセンサー106以外にも利用者800の動作を検出する任意のセンサーを備えていてもよい。
【0057】
無線通信装置107は、バイタルセンサー400からの各信号を受信し、当該信号を制御装置101へ送信する。バイタルセンサー400は、それぞれの検出出力を無線通信装置107へ送信する。
【0058】
記憶装置108は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置108は、カメラ105によって取得された動画像データーと、ドップラーセンサー106の検出情報とを保存し得る。ある局面において、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)が、記憶装置108として使用されてもよい。
【0059】
携帯端末300Aは、利用者800の動作記録ないし活動記録などを表示する。また、携帯端末300Aは、利用者800のリハビリテーション動作の記録の入力を受け付けて、受け付けたリハビリテーション動作の記録をサーバー装置200に送信する。携帯端末300Aは、制御装置301と、RAM303と、通信インターフェイス304と、ディスプレイ305と、入力デバイス306と、カメラ307と、内部メモリー308とを含む。
【0060】
制御装置301は、携帯端末300Aを制御する。制御装置301は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。RAM303は、内部メモリー308からロードされたプログラムなどを一時的に記憶する。制御装置301は、RAM303に読み込まれたプログラムを実行する。
【0061】
通信インターフェイス304は、アンテナ(図示せず)などに接続される。携帯端末300Aは、当該アンテナおよびアクセスポイント13を介して、外部の通信機器との間でデーターをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス100、サーバー装置200などを含む。
【0062】
ディスプレイ305は、たとえば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイによって実現される。入力デバイス306は、たとえばディスプレイ305に重ねられたタッチセンサーによって実現される。当該タッチセンサーは、携帯端末300Aに対する各種操作をタッチ操作で受け付け、当該操作の内容を制御装置301へ出力する。ディスプレイ305は、介護記録を入力するための画面を表示し、スタッフの介護記録の入力を受け付けてもよい。カメラ307(撮像装置)は、利用者800の動作情報としての動画像データーを取得可能である。
【0063】
内部メモリー308は、たとえば、eMMC(Embedded Multimedia Card)などの記憶媒体である。一例として、内部メモリー308は、制御装置301によって実行されるプログラムを格納するが、当該プログラムは、制御装置301がアクセス可能な記憶装置であれば、内部メモリー308以外の記憶装置に格納されていてもよい。たとえば、端末装置300(コンピューター)が読取可能な記録媒体に上記プログラムを格納してもよい。
【0064】
図4は、サーバー装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。図4を参照して、サーバー装置200のハードウェア構成と、各構成の機能とについて説明する。サーバー装置200は、一例として、PC(Personal Computer)またはワークステーションであってもよい。
【0065】
サーバー装置200は、制御装置201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、表示インターフェイス205と、操作インターフェイス206と、記憶装置207とを含む。
【0066】
制御装置201は、サーバー装置200を制御する。制御装置201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。
【0067】
ROM202は、制御装置201が実行する各種プログラムおよび設定を保存し得る。RAM203は、ROM202または記憶装置207からロードされたプログラムなどを一時的に記憶する。制御装置201は、RAM203に読み込まれたプログラムを実行する。
【0068】
通信インターフェイス204には、アンテナ(図示せず)などが接続される。サーバー装置200は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデーターをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス100および携帯端末300Aを含む。
【0069】
表示インターフェイス205は、ディスプレイ208と接続され、制御装置201などからの指令に従って、ディスプレイ208に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ある局面において、ディスプレイ208は、利用者800の各動作の改善の期待値、リハビリテーションプランおよびリハビリテーションの記録などを表示し得る。
【0070】
操作インターフェイス206は、たとえば、USB(Universal Serial Bus)端子であり、入力デバイス209に接続される。操作インターフェイス206は、入力デバイス209からのユーザー操作を示す信号を受ける。入力デバイス209は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザーの入力操作を受け付けることが可能なその他の装置である。
【0071】
記憶装置207は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置207は、一例として、日常動作の記録、リハビリテーション動作の記録、動作記録の解析結果、各利用者800の各動作の改善の期待値および各利用者800のリハビリテーションの記録などを保存する。ある局面において、HDDまたはSSDが、記憶装置207として使用されてもよい。
【0072】
<動作記録ないし活動記録の取得>
次に、図5および図6を参照して、リハビリテーション支援システムにおける利用者800の動作記録ないし活動記録の取得処理について説明する。
【0073】
図5は、日常動作の記録の一例を示す図である。図5に示す例は、居室900の天井に設けられたセンサーボックス100のカメラ105から見た居室900である。行動導線500は、利用者800が移動した軌跡を表す。
【0074】
センサーボックス100は、カメラ105により、居室900を撮像する。センサーボックス100は、当該動画像データーにタイムスタンプおよびセンサー110の検出データーなど付加して、日常動作ないし日常活動の記録を生成する。センサーボックス100は、定期的に、日常動作ないし日常活動の記録をサーバー装置200に送信する。
【0075】
サーバー装置200は、日常動作ないし日常活動の記録に含まれる動画像データーおよびセンサー110の検出データーを解析し、行動導線500を抽出する。次に、サーバー装置200は、行動導線500に基づく利用者800の位置の変化量と、利用者800の位置が変化するときのタイムスタンプとに基づいて、日常生活下の利用者800の歩行速度を算出する。ある局面において、センサーボックス100が日常生活下の利用者800の歩行速度を算出し、当該算出の結果をサーバー装置200に送信してもよい。
【0076】
図6は、リハビリテーション動作の記録の一例を示す図である。図6に示す例では、利用者800は、スタッフの指導を受けながら、歩行のリハビリテーションを受けている。センサーボックス100は、居室900と同様にリハビリテーション室950の天井に設けられている。
【0077】
利用者800は、スタッフの指示に従いスタート地点601からゴール地点602まで歩行する。一例において、利用者800のリハビリテーション動作は、携帯端末300Aのカメラ307により撮像される。他の例において、利用者800のリハビリテーション動作は、センサーボックス100のカメラ105により撮像される。これらの動画像データーにタイムスタンプおよびセンサー110の検出データーなどが付加され、リハビリテーション動作の記録が生成される。生成されたリハビリテーション動作の記録は、サーバー装置200に保存される。
【0078】
<動作種別の推定>
図7は、本実施の形態に従うリハビリテーション支援システムにおける利用者800の姿勢推定(動作種別の推定)方法の一例を示す図である。サーバー装置200は、動作記録に基づいて利用者800の姿勢を推定し、利用者800の姿勢の変化を検出することで、利用者800の動作種別を推定し得る。利用者800の姿勢推定方法は、次の4つのステップを含む。
【0079】
ステップ810において、サーバー装置200は、動作記録から、時系列が連続した複数の画像を抽出する。ある局面において、サーバー装置200は、ある一定期間の映像を抽出してもよい。
【0080】
ステップ820において、サーバー装置200は、ステップ810にて抽出した各画像に含まれる利用者800を特定する。ある局面において、サーバー装置200は、既存の画像認識技術を用いて、画像に含まれる利用者800を特定してもよい。ステップ830において、サーバー装置200は、ステップ810にて抽出した各画像に含まれる利用者800の頭部の大きさと、頭部および全身の関節の位置とを特定する。
【0081】
ステップ840において、サーバー装置200は、時系列順に隣接する画像同士を比較し、利用者800の頭部の大きさの変化と、頭部および全身の関節の位置関係の変化とに基づいて、利用者800の動作を推定する。各画像にはタイムスタンプが紐付けられており、サーバー装置200は、タイムスタンプに基づいて、利用者800の動作の速度も算出し得る。
【0082】
ある局面において、サーバー装置200は、記憶装置207に、利用者800の頭部の大きさの変化と、頭部および全身の関節の位置関係とのパターン情報と、利用者800の姿勢とを関連付けた第1の関連情報を記憶してもよい。その場合、サーバー装置200は、当該第1の関連情報に基づいて、各画像における利用者800の姿勢を推定し得る。さらに、サーバー装置200は、各画像における利用者800の姿勢の変化に基づいて、利用者800の動作種別を推定し得る。一例として、サーバー装置200は、利用者800の姿勢が座位から立位に変化した場合は、利用者800は動作「起立」をしたと推定する。
【0083】
<機能的構成>
図8は、リハビリテーション支援システム1を構成するセンサーボックス100、サーバー装置200、および端末装置300の機能的構成を説明するための機能ブロック図である。図8に示されるように、サーバー装置200は、取得部210と、出力部220とを含む。端末装置300(情報処理装置)は、取得部310と、表示部320と、入力部330とを含む。
【0084】
サーバー装置200の取得部210は、センサーボックス100および端末装置300から動画像データーを取得する。出力部220は、端末装置300からの要求に応じて、取得部210が取得した動画像データーを端末装置300に出力する。サーバー装置200の取得部210および出力部220は、制御装置201に含まれる。
【0085】
本実施の形態における例示において、取得部210は、センサーボックス100のカメラ105により、利用者800(被介護者)の居室900における日常動作を撮像することにより得られた動画像データー(第1の動画像データー)を取得する。取得部210は、端末装置300のカメラ307により、利用者800のリハビリテーション室950におけるリハビリテーション動作を撮像することにより得られた動画像データー(第2の動画像データー)を取得する。取得部210に取得された動画像データーは、記憶装置207に格納される。
【0086】
端末装置300の取得部310は、サーバー装置200の出力部220が出力した動画像データーを取得する。取得部310が取得した動画像データーは、表示部320に送られる。
【0087】
表示部320は、表示制御部320Aと、ディスプレイ305とを含む。表示制御部320Aは、ディスプレイ305の表示内容を制御する。表示制御部320Aは、サーバー装置200の出力部220から動画像データーを受信する。ディスプレイ305は、居室900における日常動作を撮像することにより得られた動画像データー(第1の動画像データー)と、リハビリテーション室950におけるリハビリテーション動作を撮像することにより得られた動画像データー(第2の動画像データー)とを視覚的に対比可能に表示する。ここでいう「対比可能」の意義については、後述する。
【0088】
入力部330は、入力受付部330Aと、入力デバイス306とを含む。入力受付部330Aは、入力デバイス306を介して入力された情報を受け付ける。入力受付部330Aは、入力デバイス306に入力された情報に基づいて、サーバー装置200の取得部210にリクエスト信号を送信する。このリクエスト信号に対するレスポンス信号として、サーバー装置200の出力部220から端末装置300の取得部310に動画像データーが送信される。入力受付部330Aは、入力デバイス306に入力された情報に基づいて、表示制御部320Aに表示選択信号を送信する。表示制御部320Aは、サーバー装置200の出力部220から受信した動画像データーと、入力受付部330Aから受信した表示選択信号とに基づいて、ディスプレイ305の表示内容を制御する。
【0089】
端末装置300の取得部310、表示制御部320A、および入力受付部330Aは、制御装置301に含まれる。
【0090】
<ユーザーインターフェイス(「対比可能」に表示)>
図9から図12は、ディスプレイ305に表示される画面の例を示した図である。図9ないし図11に示すように、ディスプレイ305は、第1表示領域305Aと、第2表示領域305Bとを含む。第1表示領域305Aおよび第2表示領域305Bは互いに隣接ないし近接して設けられる。
【0091】
図9の例では、2021年8月1日5時32分(第1の時刻)の居室900における起床動作(日常動作)を撮像することにより得られた動画像データー1000(第1の動画像データー)が表示され、それと同時に、2021年8月2日13時15分(第2の時刻)のリハビリテーション室950における歩行訓練動作(リハビリテーション動作)を撮像することにより得られた動画像データー2000(第2の動画像データー)が第2表示領域305Bに表示されている。このようにすることで、日常動作を記録した動画像データー1000とリハビリテーション動画を記録した動画像データー2000とが視覚的に「対比可能」に表示される。
【0092】
ただし、「対比可能に表示」はこれに限定されず、たとえば、動画像データー1000と動画像データー2000とがディスプレイ305上において交互に表示されるものであってもよい。また、3つ以上の動画像データーを「対比可能」に表示してもよい。また、「対比可能に表示」は必ずしも単一のディスプレイ305上に表示することに限定されず、複数の表示装置に同時に表示することも含み得る。
【0093】
図10の例では、動画像データー1000とは異なる時刻(2021年8月2日5時32分)の起床動作(日常動作)を撮像することにより得られた動画像データー1000A(第3の動画像データー)が第2表示領域305Bに表示されている。図10に示す表示状態は、入力部330において表示内容を選択することによって実現される。表示内容の選択結果は、表示選択信号として表示制御部320Aに送られる。表示部320は、入力部330における表示内容の選択結果に基づいて、第2表示領域305Bにおいて、図9の動画像データー2000に代えて動画像データー1000Aを表示する。
【0094】
図11の例では、動画像データー2000とは異なる時刻(2021年8月1日13時15分)の歩行訓練動作(リハビリテーション動作)を撮像することにより得られた動画像データー2000A(第3の動画像データー)が第1表示領域305Aに表示されている。図11に示す表示状態は、入力部330において表示内容を選択することによって実現される。表示内容の選択結果は、表示選択信号として表示制御部320Aに送られる。表示部320は、入力部330における表示内容の選択結果に基づいて、第1表示領域305Aにおいて、図9の動画像データー1000に代えて動画像データー2000Aを表示する。
【0095】
図12の例では、居室900における歩行動作を撮像することにより得られた動画像データー1000Bと、リハビリテーション室950における歩行訓練動作を撮像することにより得られた動画像データー2000Bとがディスプレイ305上に並んで表示されている。
【0096】
図12の例において、動画像データー1000B,2000Bは、「居室での歩行速度」および「リハビリテーション時の歩行速度」の経時変化を示すグラフと並んで表示される。
【0097】
動画像データー1000B,2000Bは、「歩行」という特定の行動指標と各々対応づけられている。入力部330において「歩行」についての動画像データーを表示することが入力(表示モード選択)されると、「歩行」動作に対応づけられた動画像データー1000B,2000Bがディスプレイ305上に表示される。表示モードの選択結果は、表示選択信号として入力受付部330Aから表示制御部320Aに送られる。
【0098】
動画像データー1000B,2000Bは、時刻情報を各々含む。グラフ上における特定の時刻(C1,C2)を指定することにより、その特定の時刻における動画像データー1000B,2000Bがディスプレイ305上に表示される。時刻の特定情報は、表示選択信号として入力受付部330Aから表示制御部320Aに送られる。
【0099】
<処理の流れ>
図13は、リハビリテーション支援システムにおいて実行される情報処理方法の流れを示したシーケンス図である。図13に示されるように、センサーボックス100および端末装置300からサーバー装置200に対して動画像データーが送信される。シーケンスSQ1において、端末装置300は、表示対象(利用者ID、日時、動作種別等)を特定する入力を受け付ける。
【0100】
シーケンスSQ2において、端末装置300は、表示対象を特定する入力に基づき、リクエスト信号をサーバー装置200に送信する。シーケンスSQ3において、サーバー装置200は、リクエスト信号に基づき、表示対象となる動画像データーを抽出する。シーケンスSQ4において、サーバー装置200は、レスポンス信号(動画像データを含む信号)を端末装置300に送信する。シーケンスSQ5において、端末装置300は、入力に応じた動画像データーを表示する。
【0101】
図14は、端末装置300において実行される処理の流れを説明するためのフロー図である。図14に示されるように、ステップS10において、端末装置300は、サーバー装置200から出力された動画像データーを取得する。
【0102】
次に、ステップS20Aにおいて、特定の行動指標(たとえば「歩行動作」など)に関するグラフを表示するか否かの選択が入力デバイス306を介して行われる。
【0103】
ステップS20Aにおいて「グラフを表示する」ことが選択された場合、ステップS21Aにおいて、図12の例のように、「居室での歩行速度」および「リハビリテーション時の歩行速度」の経時変化を示すグラフとともに、「歩行」と対応づけられた動画像データー1000B,2000Bが表示される。
【0104】
ステップS20Aにおいて「グラフを表示しない」ことが選択された場合、ステップS20Bにおいて、動画表示モードの選択が入力デバイス306を介して行われる。
【0105】
ステップS20Bにおいて「モード1」が選択された場合、ステップS21Bにおいて、図9の例のように、居室900における動作を記録した動画像データー1000とリハビリテーション室950における動作を記録した動画像データー2000とが表示される。
【0106】
ステップS20Bにおいて「モード2」が選択された場合、ステップS22Bにおいて、図10の例のように、居室900における動作を記録した動画像データー1000,1000Aが表示される。
【0107】
ステップS20Bにおいて「モード3」が選択された場合、ステップS23Bにおいて、図11の例のように、リハビリテーション室950における動作を記録した動画像データー2000,2000Aが表示される。
【0108】
<プログラム>
端末装置300の内部メモリー308には、制御装置301において上述の情報処理を実行するためのプログラムが格納される。内部メモリー308に格納されたプログラムは、利用者800の日常動作を撮像することにより得られた動画像データー1000と、利用者のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた動画像データー2000とを取得するステップと、動画像データー1000,2000を対比可能に表示するステップとを制御装置301(プロセッサ)に実行させる。
【0109】
<小括>
上述した例示的内容について要約すると、以下のとおりとなる。リハビリテーション支援システム1は、利用者800の動作を撮像するカメラ105,307(撮像装置)と、カメラ105,307から動画像データーを取得するサーバー装置200と、サーバー装置200と通信可能な端末装置300とを備える。端末装置300は、利用者800の日常動作を撮像することにより得られた動画像データー1000と、利用者800のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた動画像データー2000とをサーバー装置200から取得する。
【0110】
端末装置300(情報処理装置)は、利用者800(被介護者)の日常動作を撮像することにより得られた動画像データー1000(第1の動画像データー)と、利用者800のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた動画像データー2000(第2の動画像データー)とを取得する取得部310と、動画像データー1000,2000を対比可能に表示する表示部320とを備える。
【0111】
端末装置300の取得部310は、端末装置300に通信可能に接続されたサーバー装置200から、動画像データー1000,2000を取得する。表示部320は、第1表示領域305Aおよび第2表示領域305Bを有するディスプレイ305(表示装置)を含む。
【0112】
図9の例において、第1表示領域305Aに動画像データー1000を表示すると同時に、第2表示領域305Bに動画像データー2000を表示することにより、動画像データー1000,2000が対比可能に表示される。
【0113】
端末装置300は、表示部320における表示内容を選択可能な入力部330をさらに備える。
【0114】
図10の例において、取得部310は、動画像データー1000とは異なる時刻における利用者800の日常動作を撮像した動画像データー1000A(第3の動画像データー)を取得する。表示部320は、入力部330における表示内容の選択結果に基づいて、第2表示領域305Bにおいて動画像データー1000Aを表示する。
【0115】
図11の例において、取得部310は、動画像データー2000とは異なる時刻における利用者800のリハビリテーション動作を撮像した動画像データー2000A(第3の動画像データー)を取得する。表示部320は、入力部330における表示内容の選択結果に基づいて、第1表示領域305Aにおいて動画像データー2000Aを表示する。
【0116】
日常動作の記録である動画像データー1000は、利用者800の歩行動作、起床動作および起立動作のうち少なくとも1つの動作を撮像することにより得られた情報を含む。
【0117】
図12の例において、動画像データー1000B,2000Bは、利用者800の特定の行動指標(たとえば「歩行動作」など)についての情報と各々対応づけられる。表示部320は、入力部330において特定の行動指標が選択されたことに基づいて、動画像データー1000B,2000Bを表示する。
【0118】
図12の例において、動画像データー1000B,2000Bは、時刻情報を各々含む。表示部320は、入力部330において特定の時刻(C1,C2)が選択されたことに基づいて、特定の時刻(C1,C2)における動画像データー1000B,2000Bを表示する。
【0119】
本実施の形態によれば、利用者800の日常動作を撮像することにより得られた動画像データー1000と、利用者800のリハビリテーション動作を撮像することにより得られた動画像データー2000とを視覚的に対比可能に表示することにより、居室900における利用者800の日常動作とリハビリテーション室950における利用者800のリハビリテーション動作とを比較しながら確認しやすくなり、リハビリテーション計画の適切な見直しが行いやすくなる。
【0120】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0121】
1 リハビリテーション支援システム、10 施設、11 ゲートウェイサーバー、12 交換装置、13 アクセスポイント、100 センサーボックス、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、105 カメラ、106 ドップラーセンサー、107 無線通信装置、108 記憶装置、110 センサー、200 サーバー装置、201 制御装置、202 ROM、203 RAM、204 通信インターフェイス、205 表示インターフェイス、206 操作インターフェイス、207 記憶装置、208 ディスプレイ、209 入力デバイス、210 取得部、220 出力部、300 端末装置、300A,300A1,300A2 携帯端末、300B 管理者端末、301 制御装置、303 RAM、304 通信インターフェイス、305 ディスプレイ、305A 第1表示領域、305B 第2表示領域、306 入力デバイス、307 カメラ、308 内部メモリー、310 取得部、320 表示部、320A 表示制御部、330 入力部、330A 入力受付部、400 バイタルセンサー、500 行動導線、601 スタート地点、602 ゴール地点、800,800A,800B 利用者、900 居室、901 ベッド、950 リハビリテーション室、1000,1000A,1000B,2000,2000A,2000B 動画像データー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14