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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183544
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/32 20060101AFI20231221BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B41J2/32 J
B41J3/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097114
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠井 遼太郎
【テーマコード(参考)】
2C055
2C065
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC03
2C055CC05
2C065AB03
2C065AC04
2C065AD07
2C065AF01
2C065CJ01
2C065CJ03
(57)【要約】
【課題】加熱ヒータによりチューブを印刷前に加熱可能な記録装置において、生産性を低下させることなく最大消費電力を低減する。
【解決手段】チューブの搬送方向に関して記録ヘッド及びプラテンより上流に配置され、チューブを通電により加熱可能な加熱部を備える。制御部は、印刷ジョブの実行開始後、加熱部によりチューブを加熱しながら、搬送部によるチューブの搬送速度を加速してから定速にした状態で記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モード(t11-t14)を実行可能である。制御部は、加熱印刷モードにおいて、搬送部によるチューブの搬送速度が加速状態(t11-t12)及び減速状態(t13-t14)の少なくとも一方である時は、加熱部に通電しない。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状の記録媒体に画像を記録可能な記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに対向して配置され、記録媒体を前記記録ヘッドに圧接するプラテンと、
駆動源としてパルスモータを有し、前記記録ヘッド及び前記プラテンの間で記録媒体を押し潰して搬送する搬送部と、
記録媒体の搬送方向に関して前記記録ヘッド及び前記プラテンより上流に配置され、記録媒体を通電により加熱可能な加熱部と、
前記搬送部及び前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部により記録媒体を加熱しながら、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能であり、
前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、前記加熱部に通電しない、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
チューブ状の記録媒体に画像を記録可能な記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに対向して配置され、記録媒体を前記記録ヘッドに圧接するプラテンと、
駆動源としてパルスモータを有し、前記記録ヘッド及び前記プラテンの間で記録媒体を押し潰して搬送する搬送部と、
記録媒体の搬送方向に関して前記記録ヘッド及び前記プラテンより上流に配置され、記録媒体を通電により加熱可能な加熱部と、
前記搬送部及び前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部により記録媒体を加熱しながら、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能であり、
前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が定速状態である時は、前記加熱部に第1電流を通電し、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、前記加熱部に前記第1電流よりも小さい第2電流を通電する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記加熱印刷モードと、
印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部に通電することなく、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する非加熱印刷モードと、
を環境情報に基づいて選択的に実行可能である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記加熱印刷モードを実行する場合は、印刷ジョブの実行開始後、前記搬送部による記録媒体の搬送を停止した状態で前記加熱部に通電する前加熱モードを実行し、
前記前加熱モードにおいて前記加熱部が所定温度に到達した場合に、前記加熱印刷モードの実行を開始する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記録ヘッドにより画像が印刷された記録媒体を切断可能な切断部を備え、
前記制御部は、
前記加熱印刷モードを終了した後、前記搬送部による記録媒体の搬送を停止した状態で前記加熱部に通電する後加熱モードを実行し、
前記後加熱モードにおいて、前記切断部により記録媒体を切断する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録ヘッドは、複数の加熱素子を有し、インクリボンを介して記録媒体に印刷可能なサーマルヘッドであり、
前記制御部は、前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部の駆動中に前記サーマルヘッドを作動させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、長尺のチューブ状の記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺のチューブ状の記録媒体(以下、チューブという)に、印刷を行う記録装置が普及している。このような記録装置は、互いに対向して配置されたサーマルヘッド等の記録ヘッドとプラテンローラとを備えている。チューブの表面に印字を行う際には、チューブをプラテンローラと記録ヘッドとの間で圧接して、チューブが平面又は扁平状となるよう押し潰して変形させて印刷を行っている。
【0003】
例えば、塩化ビニルのような合成樹脂材料等で形成されたチューブに対して、記録装置の周囲気温が例えば15℃以下のような低温環境下で良好な印字を行うには、記録装置に内蔵された加熱ヒータによって印字前に予めチューブを加熱することが望まれる。これは、チューブの表面に印字する際に記録ヘッドを当接させチューブを平面又は扁平になるように変形させるが、上記のような低温環境下においてはチューブが硬化するため記録ヘッドによる当接が困難になり印字不良を起こす虞があるためである。このため、チューブに印刷する記録装置において加熱ヒータを備え、記録媒体に対して加熱を行うことにより低温時の印字不良を改善する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-218733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載した記録装置では、印刷時において周囲気温が低いときには、常に加熱ヒータを作動させ続けている。このため、印刷時に記録ヘッドと、搬送用モータと、加熱ヒータとを同時に駆動することになり、記録装置の印刷動作時の最大負荷電力が大きくなってしまい、バッテリの大容量化や電気系統の定格電力の増大など、コスト増や装置の大型化を招いてしまう。これを解決するために、加熱ヒータの加熱温度を下げることが考えられるが、その場合はチューブの搬送速度を低速にする必要があり、生産性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、加熱ヒータによりチューブを印刷前に加熱可能な記録装置において、生産性を低下させることなく最大消費電力を低減可能な記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の記録装置の第1の態様は、チューブ状の記録媒体に画像を記録可能な記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して配置され、記録媒体を前記記録ヘッドに圧接するプラテンと、駆動源としてパルスモータを有し、前記記録ヘッド及び前記プラテンの間で記録媒体を押し潰して搬送する搬送部と、記録媒体の搬送方向に関して前記記録ヘッド及び前記プラテンより上流に配置され、記録媒体を通電により加熱可能な加熱部と、前記搬送部及び前記加熱部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部により記録媒体を加熱しながら、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能であり、前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、前記加熱部に通電しないことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の記録装置の第2の態様は、チューブ状の記録媒体に画像を記録可能な記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して配置され、記録媒体を前記記録ヘッドに圧接するプラテンと、駆動源としてパルスモータを有し、前記記録ヘッド及び前記プラテンの間で記録媒体を押し潰して搬送する搬送部と、記録媒体の搬送方向に関して前記記録ヘッド及び前記プラテンより上流に配置され、記録媒体を通電により加熱可能な加熱部と、前記搬送部及び前記加熱部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部により記録媒体を加熱しながら、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能であり、前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が定速状態である時は、前記加熱部に第1電流を通電し、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、前記加熱部に前記第1電流よりも小さい第2電流を通電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加熱ヒータによりチューブを印刷前に加熱可能な記録装置において、生産性を低下させることなく最大消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る記録装置の概略の平面図。
図2】実施形態に係る記録装置の制御系を示すブロック図。
図3】比較例に係る記録装置の各部のシーケンスを示すタイムチャート。
図4】記録装置の各部の消費電流を示す表。
図5】比較例に係る記録装置の各部の消費電流を示すタイムチャート。
図6】実施例に係る記録装置の各部のシーケンスを示すタイムチャート。
図7】実施例に係る記録装置の各部の消費電流を示すタイムチャート。
図8】実施形態に係る記録装置によりチューブを加熱する際の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図1図8を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る記録装置の一例としてのプリンタ1の開閉カバーが開いた状態を示す平面図である。本実施形態のプリンタ1は、長尺のチューブ状の記録媒体(以下、チューブともいう)に記録を行うものであり、ノートタイプコンピュータと同様に持ち運び可能に構成されたものである。但し、チューブのみに記録を行うプリンタ1には限られず、例えば、長尺のテープなど記録媒体とチューブとを選択的に印刷可能なプリンタに適用してもよい。
【0012】
[記録装置の概要]
プリンタ1は、大別して、キーボードなどを備えた操作部2と、LCD(液晶ディスプレイ)や表示制御部を備えた表示部3と、供給されたチューブを加熱可能な加熱部4と、記録ヘッド51を有してチューブに記録を行う記録部5と、記録部5で記録されたチューブに切断処理を施す切断部6と、を備えている。また、プリンタ1は、チューブに記録ヘッド51からの熱を受けてインクを転写するためのインクリボンカートリッジ7を着脱可能に備えている。
【0013】
[操作部]
操作部2は、ファンクションキー、文字・数字・記号キー、スペースキー、変換キー、十字方向キー、リターンキー等を有している。ユーザはこれらのキーを操作することで、記録媒体の種類、サイズ、記録条件等を入力して、プリンタ1の記録情報を設定することができる。
【0014】
[表示部]
表示部3のLCDは、入力モード等を表示する各種情報表示エリアと、操作部2から入力された文字、数字、記号(以下、文字と略称する)を表示する文字情報表示エリアと、文字サイズ等を表示するパラメータ表示エリアと、の3つの表示エリアに分割されている。これにより、印刷に必要な設定や情報を表示することができる。
【0015】
[加熱部]
加熱部4は、加熱ヒータ40と、ヒータ温調用のサーミスタ41とを有している。加熱ヒータ40は、ヒータ管と、ヒータ管の内周面に設けられたヒータとを有している。加熱ヒータ40内にはチューブが通過可能になっており、通過する際にヒータによってチューブを加熱可能になっている。即ち、加熱部4は、チューブの搬送方向に関して記録ヘッド51及びプラテンローラ52より上流に配置され、チューブを通電により加熱可能になっている。
【0016】
[記録部]
記録部5は、チューブを搬送するための供給ローラ対50と、チューブの搬送方向において、供給ローラ対50の下流側に配置された記録ヘッド51及びプラテンローラ52と、記録ヘッド51及びプラテンローラ52の下流側に配置された搬送ローラ53とを有している。記録ヘッド51は、チューブを介してプラテンローラ52と対向するように設けられ、チューブ状の記録媒体に画像を記録可能である。記録ヘッド51は、例えばサーマルヘッドであり、チューブの幅方向(主走査方向)に複数の加熱素子を配列して有しており、これにより、インクリボンカートリッジ7のインクリボン上のインクをチューブに転写して印刷可能である。プラテンローラ52は、記録ヘッド51に対向して配置され、チューブを記録ヘッド51に圧接するプラテンの一例である。プラテンローラ52と記録ヘッド51との間で搬送されるチューブの記録ヘッド51側に、インクリボンカートリッジ7のインクリボンが搬送される。搬送ローラ53は、プラテンローラ52の周方向の下流側でプラテンローラ52と対向し、かつ、プラテンローラ52に対して若干の隙間を有する状態で配置される。
【0017】
チューブは、ユーザによって加熱ヒータ40を通して供給ローラ対50のローラへ当接されることにより初期設置される。印刷時は、インクリボンカートリッジ7のインクリボンを挟んで記録ヘッド51をチューブに押圧するとともに、操作部2から入力された記録データに従って記録ヘッド51の発熱素子を選択的に発熱させる。これにより、インクリボンのインクを溶融して、チューブに発熱素子の配列方向の文字列を1ラインずつ記録する。その際、チューブはプラテンローラ52と、記録ヘッド51及び搬送ローラ53とに挟持され、さらに供給ローラ対50に挟持された状態で駆動されることで所定の方向に搬送される。更に、以上の構成によりチューブはプラテンローラ52に巻き付けられた状態となり、扁平した状態となる。これにより、記録ヘッド51の押圧動作によって、安定してチューブの記録幅を確保することができる。チューブが扁平した状態で記録ヘッド51の直上を移動されることで、チューブに連続的に印刷が行われる。
【0018】
尚、供給ローラ対50及び搬送ローラ53は、パルスモータの一例である搬送モータ85(図2参照)によって同時駆動される。搬送モータ85としては、制御部8によって位置制御を行うためパルスモータなどが使用される。即ち、供給ローラ対50及び搬送ローラ53は、駆動源として搬送モータ85を有し、記録ヘッド51及びプラテンローラ52の間でチューブを押し潰して搬送する搬送部の一例である。
【0019】
なお、本実施形態で記録媒体として用いるチューブの材質の一例としては、PVC(ポリ塩化ビニル)が挙げられる。PVC製のチューブは、記録部5において記録ヘッド51とプラテンローラ52を通過する際に潰されるが、記録部5を通過した後には、潰された状態から元の管状に復元する。
【0020】
記録部5の搬送方向上流側で加熱部4との間には、信号の変化によってチューブの有無を検出する第1センサ11が配置されている。第1センサ11は、例えば透過型光検出センサからなり、特にチューブの後端を検出するように設けられている。記録部5の搬送方向下流側で切断部6との間には、信号の変化によってチューブの有無を検出する第2センサ12が配置されている。第2センサ12は、例えば透過型光検出センサからなり、特にチューブの先端を検出するように設けられている。
【0021】
[切断部]
切断部6は、記録部5における搬送ローラ53の搬送方向の下流側に配置され、記録ヘッド51により画像が印刷されたチューブを切断可能である。切断部6では不図示のカッタ刃とカッタ受け部材を用いて、記録部5で記録されたチューブに対して半切り又は全切り処理を行う。カッタ刃は、カットモータ86(図2参照)により駆動され、その裁断機構としては例えばカッタ刃によるギロチン駆動機構が用いられる。切断されたチューブは、機外に排出される。
【0022】
[制御構成]
図2は、プリンタ1の各部を制御するための制御系ブロック図である。プリンタ1には制御部8が設けられている。制御部8には、電源部84、操作部2、記録ヘッド51、第1センサ11、第2センサ12、搬送モータ85、カットモータ86、加熱ヒータ40、サーミスタ41、外気温センサ87などが接続されている。電源部84は、プリンタ1に設けられ、制御部8、操作部2、記録ヘッド51、搬送モータ85、カットモータ86、加熱ヒータ40等の動作に必要な電力を供給するユニットである。
【0023】
制御部8は、CPU80(Central Processing Unit)、RAM81(Random Access Memory)、ROM82(Read Only Memory)、I/F83を有している。CPU80は、ROM82に格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。RAM81には、作業用データや入力データが格納されており、CPU80は、前述のプログラム等に基づいてRAM81に収納されたデータを参照して制御を行う。CPU80は、I/F83を介して、制御部8に接続された操作部2や記録ヘッド51等との間で信号を送受信する。
【0024】
操作部2は、制御部8に対して操作入力及び画像情報を入力する。制御部8は、記録ヘッド51の通電加熱制御を実行することにより、制御部8に入力された画像情報を記録ヘッド51の位置に搬送されたチューブに対してインクリボンカートリッジ7のインクリボンによって印刷する。制御部8は、第1センサ11及び第2センサ12の検出信号に基づいて、搬送モータ85及びカットモータ86を制御する。
【0025】
外気温センサ87は、プリンタ1の周囲の雰囲気温度を検出する。例えば、周囲環境が所定温度である15℃程度以下のような低温環境時においては、制御部8は加熱ヒータ40によって印字前の事前にチューブを加熱することができる。尚、ここでは所定温度を15℃程度としているが、これには限られず、10℃や5℃などに設定してもよい。記録ヘッド51の発熱素子の温度は複数段階で変更することが可能となっており、外気温センサ87で検出した気温が低い場合、チューブの表面温度が低くなっているためインクリボンに加える熱量を増やすことが望まれる。その際、記録ヘッド51の発熱素子に通電する時間を長くし温度を上げることにより、低温環境下でも印字濃度を下げずに印字するようにしてもよい。
【0026】
[印刷動作の初期プロセス]
印刷動作の初期プロセスでは、チューブがプリンタ1に上に設置されているか第1センサ11の検出結果に基づいて判断する。CPU80は、第1センサ11の検出結果に基づいてチューブの初期設置が行われていると判断した場合は、印刷データを受信して印刷制御動作へ移行する。外気温センサ87で検出した気温が低いことにより、加熱ヒータ40を使用する場合は、チューブを搬送する前に加熱ヒータ40の温調制御を実施する。加熱ヒータ40は、操作部2によって予め使用の是非がユーザにより選択される。加熱ヒータ40が目標温度に到達したときは、チューブの搬送制御を開始する。
【0027】
[比較例]
次に、比較例により1ページを印刷する場合における制御シーケンスを図3に示す。加熱ヒータ40は、印刷ジョブの受信(印刷制御開始、t0)により温調加熱制御を開始する。加熱ヒータ40が一定温度に到達後、印字制御を開始する(t1)。印刷動作中は、加熱ヒータ40の温調制御は常に駆動される(t1-t5)。印字動作と搬送動作は同時に実施される。記録ヘッド51の駆動パルスは印字搬送中に常に駆動状態になり、印刷画像に応じた駆動パルスが印加される(t1-t4)。
【0028】
制御部8は、搬送モータ85が停止状態から一定速度(例えば、960PPS)に落ち着くまで加速制御を実行する(t1-t2)。搬送モータ85の回転速度は一定時間入力されるパルス数で制御され、目標到達速度到達までのパルス数はいくつであるか、予めテーブルに設定されている。この加速用パルス数は目標制御速度によって異なるため、ここでは変数Nとする。Nは例えば30である。そのため、制御部8が現在のステータスに基づいたモータ駆動テーブルを設定することで、搬送モータ85の速度管理が行われる。
【0029】
加速用パルスがN回印加され搬送モータ85の加速制御が終了すると、定速制御に移行する(t2)。定速制御中は、定速駆動テーブルに設定される所定のパルス数が印加される。このパルス数は、印刷画像の1ページ分の長さで決定される。ここでは、定速パルス数は変数Mとする。定速用パルスがM回印加され搬送モータ85の定速制御が終了すると、減速制御に移行する(t3)。減速制御は加速制御と同様であり、一定時間内にN回のパルスを印加する(t3-t4)。即ち、CPU80は、印刷ジョブの実行開始後、加熱部4によりチューブを加熱しながら、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送速度を加速してから定速にした状態で記録ヘッド51により印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モード(t1-t4)を実行可能である。
【0030】
減速制御が終了すると、搬送モータ85が停止する(t4)。また同時に、1ページ分の印刷も完了するため、記録ヘッド51に駆動も停止する。チューブ状印字媒体を1ページ分に裁断するため、カットモータ86が駆動する(t4)。カットモータ86の駆動終了により、1ページ分の印刷が完了する(t5)。また同時に、加熱ヒータ40の駆動も停止する。
【0031】
ここで、印字搬送制御中の消費電流ピークについて考察する。図4は、各タイミングにおける印字搬送制御時の消費電流の一例を示したものである。図4に示すように、印刷/加減速制御時が最も消費電流が大きくなることが分かる。印刷/加減速制御時は、搬送モータ85の起動トルクの都合上、必要電流が大きくなる。その状態に、記録ヘッド51の駆動電流及び加熱ヒータ40の駆動電流が重なり合うため、このタイミングは印刷制御中で最も消費電流が大きくなるタイミングとなる。
【0032】
次に、図3に示す比較例での印刷制御における消費電流のシーケンスを図5に示す。時刻t0~t5は図3に示す時刻と一致する。図5に示すように、搬送モータ85の加速制御中(t1-t2)及び減速制御中(t3-t4)が、消費電流のピークタイミングであることが分かる。
【0033】
[実施例]
そこで、本実施形態では、消費電流のピークタイミングである搬送モータ85の加減速制御時に消費電流を低下させる制御を行う。上述した実施形態を適用した実施例により1ページを印刷する場合における制御シーケンスを図6に示す。この場合も、CPU80は、印刷ジョブの実行開始後、加熱部4によりチューブを加熱しながら、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送速度を加速してから定速にした状態で記録ヘッド51により印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能である。そして、図3に示す比較例との差異は、搬送モータ85の加減速制御時は加熱ヒータ40の温調制御を停止することである。即ち、CPU80は、加熱印刷モードにおいて、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、加熱部4に通電しない。以下、具体的に説明する。
【0034】
加熱ヒータ40は、印刷ジョブの受信(印刷制御開始、t10)により温調加熱制御を開始する。加熱ヒータ40が一定温度に到達後、印字制御を開始する(t11)。このとき、加熱ヒータ40は停止される(t11-t12)。即ち、加熱印刷モードを実行する場合は、印刷ジョブの実行開始後、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送を停止した状態で加熱部4に通電する前加熱モード(t10-t11)を実行する。CPU80は、前加熱モードにおいて加熱部4が所定温度に到達した場合に、加熱印刷モード(t11-t14)の実行を開始する。印字動作と搬送動作は同時に実施される。即ち、CPU80は、加熱印刷モードにおいて、搬送モータ85の駆動中に記録ヘッド51を作動させる。記録ヘッド51の駆動パルスは印字搬送中に常に駆動状態になり、印刷画像に応じた駆動パルスが印加される(t11-t14)。
【0035】
制御部8は、搬送モータ85が停止状態から一定速度(例えば、960PPS)に落ち着くまで加速制御を実行する(t11-t12)。加速用パルスがN回印加され搬送モータ85の加速制御が終了すると、定速制御に移行する(t12)。定速制御の実行中は、加熱ヒータ40が駆動される(t12-t13)。定速用パルスがM回印加され搬送モータ85の定速制御が終了すると、減速制御に移行する(t13)。減速制御は加速制御と同様であり、一定時間内にN回のパルスを印加し、その間、加熱ヒータ40は停止される(t13-t14)。
【0036】
減速制御が終了すると、搬送モータ85が停止する(t14)。また同時に、1ページ分の印刷も完了するため、記録ヘッド51に駆動も停止する。チューブ状印字媒体を1ページ分に裁断するため、カットモータ86が駆動する(t14)。CPU80は、加熱印刷モードを終了した後、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送を停止した状態で加熱部4に通電する後加熱モード(t14-t15)を実行する。即ち、加熱ヒータ40は、搬送モータ85の停止に伴い駆動され、印刷制御が終了するまで駆動を継続する(t14-t15)。即ち、後加熱モードにおいて、切断部6によりチューブを切断する。カットモータ86の駆動終了により、1ページ分の印刷が完了する(t15)。
【0037】
次に、図6に示す実施例での印刷制御における消費電流のシーケンスを図7に示す。時刻t10~t15は図6に示す時刻と一致する。図7に示すように、加速制御中(t11-t12)及び減速制御中(t13-t14)における消費電流は、比較例では4.1Aであったのに対し、実施例では3.6Aに低減している。これは、チューブの加減速中に加熱ヒータ40の駆動を停止している効果である。
【0038】
ここで、チューブの加減速中に加熱ヒータ40の駆動を一時的に停止していることによる加熱ヒータ40の温度低下の影響を考察する。本実施形態のようなチューブに印刷するプリンタ1では、搬送モータ85の加減速時間は数十msec程度であり、印加するパルス数は30クロック程度であると想定される。それに対し、加熱ヒータ40の温度変化の勾配は、例えば0.1℃/sec程度であり、加減速時間を考慮する温度低下は小さい。そのため、チューブの加減速中に加熱ヒータ40の駆動を停止しても、加熱ヒータ40の温度は殆ど変化せずに維持することができる。
【0039】
次に、本実施形態に係るプリンタ1により印刷を実行する際の処理手順を、図8に示すフローチャートを用いて説明する。プリンタ1は、印刷ジョブの受信を受けて印刷制御を開始する。ここで、CPU80は、印刷ジョブの実行開始後、加熱部4によりチューブを加熱しながら、供給ローラ対50及び搬送ローラ53によるチューブの搬送速度を加速してから定速にした状態で記録ヘッド51により印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能であるものとする。以下、加熱印刷モードを実行しているものとして説明する。
【0040】
プリンタ1の外気温が15℃以下の低温状態であるときは、チューブの搬送制御を開始する前に、CPU80は加熱ヒータ40の加熱制御を開始する(ステップS1)。CPU80は、サーミスタ41の検知結果に基づいて、加熱ヒータ40が所定の目標温度に到達したか否かを判断する(ステップS2)。CPU80は、加熱ヒータ40が所定の目標温度に到達していないと判断した場合(ステップS2のNO)、加熱制御を継続する(ステップS1)。
【0041】
CPU80は、加熱ヒータ40が所定の目標温度に到達したと判断した場合(ステップS2のYES)、加熱を停止し(ステップS3)、搬送モータ85を駆動して搬送制御を開始する(ステップS4)。CPU80は、搬送制御が加速制御又は減速制御であるか否かを判断する(ステップS5)。CPU80は、搬送制御が加速制御又は減速制御であると判断した場合(ステップS5のYES)、加熱ヒータ40の停止状態を維持したまま、搬送モータ85へパルスを印加し、印加パルス数をカウントする(ステップS6)。即ち、CPU80は、加熱印刷モードにおいて、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、加熱部4に通電しない。
【0042】
搬送モータ85への印加パルス数は、搬送制御条件に応じて予めテーブル値が設定されており、CPU80はテーブル値からN(例えば、30)を取得する。CPU80は、印加パルス数がN回に達したか否かを判断する(ステップS7)。CPU80は、印加パルス数がN回に達していないと判断した場合(ステップS7のNO)、パルスカウントを継続する(ステップS6)。CPU80は、印加パルス数がN回に達したと判断した場合(ステップS7のYES)、実行していた加速制御又は減速制御を終了する(ステップS8)。
【0043】
CPU80は、実行していた加速制御又は減速制御を終了した後、あるいは、ステップS5において搬送制御が加速制御又は減速制御でないと判断した場合(ステップS5のNO)、搬送制御が定速制御であるか否かを判断する(ステップS9)。ここで、加速制御の終了後は定速制御を実行し、減速制御の終了後は定速制御を実行しないものとする。CPU80は、搬送制御が定速制御であると判断した場合(ステップS9のYES)、加熱ヒータ40を駆動して(ステップS10)、搬送モータ85へパルスを印加し、印加パルス数をカウントする(ステップS11)。ここでは、CPU80はテーブル値からMを取得する。
【0044】
CPU80は、印加パルス数がM回に達したか否かを判断する(ステップS12)。CPU80は、印加パルス数がM回に達していないと判断した場合(ステップS12のNO)、パルスカウントを継続する(ステップS11)。CPU80は、印加パルス数がM回に達したと判断した場合(ステップS12のYES)、実行していた定速制御を終了する(ステップS13)。
【0045】
一方、CPU80は、ステップS9において搬送制御が定速制御でないと判断した場合(ステップS9のNO)、即ち減速制御が終了した後は、処理を終了する。1ページの印刷処理の終了後、次の印刷が連続した場合も、上記のような制御を繰り返すことで、搬送制御の加減速時に加熱ヒータ40の駆動を停止することが可能となる。
【0046】
尚、CPU80は、印刷ジョブの受信を受けて印刷制御を開始するときに、プリンタ1の外気温が15℃を超える場合は、印刷ジョブの実行開始後、加熱部4に通電することなく、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送速度を加速してから定速にした状態で記録ヘッド51により印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する非加熱印刷モードを実行可能である。即ち、CPU80は、加熱印刷モードと非加熱印刷モードとを、例えば外気温という環境情報に基づいて選択的に実行可能である。
【0047】
上述したように、本実施形態のプリンタ1によれば、制御部8は、加熱印刷モードにおいて、供給ローラ対50及び搬送ローラ53によるチューブの搬送速度が加速状態であるとき及び減速状態であるときは、加熱部4に通電しない。搬送モータ85を加減速制御するときは特に消費電力が大きいため、そのときに加熱ヒータ40の通電を止めることで全体としての最大消費電力を低減することができる。しかも、加熱ヒータ40の通電を止める時間は短いので、加熱ヒータ40の温度低下は殆ど考慮する必要はない程度である。これにより、加熱ヒータ40の温度を殆ど下げずに生産性を低下させることなく、プリンタ1の最大消費電力を低減することができる。
【0048】
また、本実施形態のプリンタ1によれば、加熱印刷モードの他に非加熱印刷モードを有している。このため、外気温が所定温度(例えば、15℃)より低いときだけ加熱印刷モードを実行するようにでき、加熱が必要ないときは消費電力を低減することができる。
【0049】
また、本実施形態のプリンタ1によれば、加熱印刷モードの実行時に、加熱印刷モードの開始前に前加熱モードを実行しているので、加熱印刷モードの開始時には加熱部4を十分に加熱しておくことができる。このため、生産性を向上することができる。
【0050】
<他の実施形態>
上述の実施形態では、加熱印刷モードにおいて、チューブの搬送速度が加速状態であるとき及び減速状態であるときは、加熱部4に通電しないようにしているが、これには限られない。例えば、図6に示す実施例で、加熱印刷モード(t11-t14)において、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送速度が定速状態である時は、加熱部4に第1電流を通電するものとする。これに対し、搬送モータ85の駆動によるチューブの搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、加熱部4に第1電流よりも小さい第2電流を通電する(図中、二点鎖線)。この場合も、搬送モータ85を加減速制御するときに加熱ヒータ40の通電の電流を小さくすることで全体としての最大消費電力を低減することができ、加熱ヒータ40の温度を殆ど下げずに生産性を低下させることなく、プリンタ1の最大消費電力を低減することができる。
【0051】
また、上述の実施形態では、前加熱モード、加熱印刷モードの定速制御時、後加熱モードのいずれも加熱ヒータ40への印加電流を同等にしているが、これには限られず、適宜異ならせてもよい。また、上述の実施形態では、加速制御時と減速制御時の両方で加熱ヒータ40への通電を停止しているが、これには限られず片方のみでもよい。例えば、加速制御時と減速制御時の一方では通電を停止し、他方では通電を停止せずに電流値を下げるようにしてもよい。
【0052】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(構成1)
チューブ状の記録媒体に画像を記録可能な記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに対向して配置され、記録媒体を前記記録ヘッドに圧接するプラテンと、
駆動源としてパルスモータを有し、前記記録ヘッド及び前記プラテンの間で記録媒体を押し潰して搬送する搬送部と、
記録媒体の搬送方向に関して前記記録ヘッド及び前記プラテンより上流に配置され、記録媒体を通電により加熱可能な加熱部と、
前記搬送部及び前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部により記録媒体を加熱しながら、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能であり、
前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、前記加熱部に通電しない、
ことを特徴とする記録装置。
(構成2)
チューブ状の記録媒体に画像を記録可能な記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに対向して配置され、記録媒体を前記記録ヘッドに圧接するプラテンと、
駆動源としてパルスモータを有し、前記記録ヘッド及び前記プラテンの間で記録媒体を押し潰して搬送する搬送部と、
記録媒体の搬送方向に関して前記記録ヘッド及び前記プラテンより上流に配置され、記録媒体を通電により加熱可能な加熱部と、
前記搬送部及び前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部により記録媒体を加熱しながら、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する加熱印刷モードを実行可能であり、
前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が定速状態である時は、前記加熱部に第1電流を通電し、前記搬送部による記録媒体の搬送速度が加速状態及び減速状態の少なくとも一方である時は、前記加熱部に前記第1電流よりも小さい第2電流を通電する、
ことを特徴とする記録装置。
(構成3)
前記制御部は、
前記加熱印刷モードと、
印刷ジョブの実行開始後、前記加熱部に通電することなく、前記搬送部による記録媒体の搬送速度を加速してから定速にした状態で前記記録ヘッドにより印刷処理を実行し、印刷処理後に搬送速度を減速する非加熱印刷モードと、
を環境情報に基づいて選択的に実行可能である、
ことを特徴とする構成1又は2に記載の記録装置。
(構成4)
前記制御部は、
前記加熱印刷モードを実行する場合は、印刷ジョブの実行開始後、前記搬送部による記録媒体の搬送を停止した状態で前記加熱部に通電する前加熱モードを実行し、
前記前加熱モードにおいて前記加熱部が所定温度に到達した場合に、前記加熱印刷モードの実行を開始する、
ことを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載の記録装置。
(構成5)
前記記録ヘッドにより画像が印刷された記録媒体を切断可能な切断部を備え、
前記制御部は、
前記加熱印刷モードを終了した後、前記搬送部による記録媒体の搬送を停止した状態で前記加熱部に通電する後加熱モードを実行し、
前記後加熱モードにおいて、前記切断部により記録媒体を切断する、
ことを特徴とする構成1乃至4のいずれか1つに記載の記録装置。
(構成6)
前記記録ヘッドは、複数の加熱素子を有し、インクリボンを介して記録媒体に印刷可能なサーマルヘッドであり、
前記制御部は、前記加熱印刷モードにおいて、前記搬送部の駆動中に前記サーマルヘッドを作動させる、
ことを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の記録装置。
【符号の説明】
【0053】
1…プリンタ(記録装置)、4…加熱部、6…切断部、8…制御部、50…供給ローラ対(搬送部)、51…記録ヘッド、52…プラテンローラ(プラテン)、53…搬送ローラ(搬送部)、85…搬送モータ(パルスモータ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8