(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183554
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】管理装置
(51)【国際特許分類】
H04W 16/22 20090101AFI20231221BHJP
H04W 4/30 20180101ALI20231221BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20231221BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20231221BHJP
【FI】
H04W16/22
H04W4/30
H04W84/06
H04W16/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097127
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 隆汰
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 信二
(72)【発明者】
【氏名】山田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】牧内 章浩
(72)【発明者】
【氏名】亀山 博紀
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067BB06
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】飛行経路上における飛行体の通信状態を安定させる。
【解決手段】管理装置10は、基地局BのアンテナAから送信される飛行制御データに基づいて飛行する飛行体Fの飛行計画を管理する。取得部110は、飛行計画の候補である候補計画を取得する。予測部112は、アンテナAの指向方向を候補計画に沿って飛行する飛行体Fに追従して変化させた場合の、飛行体Fにおける通信品質を示す指標を予測する。判定部113は、予測部112による予測結果に基づいて、補計画を許可するか否かを判定する。管理部115は、判定部113の判定結果が肯定である場合に、許可済み飛行計画として候補計画を管理する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局のアンテナから送信される無線信号に基づいて飛行する飛行体の飛行計画を管理する管理装置であって、
前記飛行計画の候補である候補計画を取得する取得部と、
前記アンテナの指向方向を前記候補計画に沿って飛行する前記飛行体に追従して変化させた場合の、前記飛行体における通信品質を示す指標を予測する予測部と、
前記予測部による予測結果に基づいて、前記候補計画を許可するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が肯定である場合に、許可済み飛行計画として前記候補計画を管理する管理部と、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記予測部は、前記飛行体に追従して前記アンテナの仰俯角を変化させた場合の前記通信品質を示す指標を予測する、
請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記予測部は、前記通信品質を示す指標として、前記飛行体が受信する電波の強度を示す電波強度と、前記アンテナから受信する電波の強度と前記アンテナ以外から受信する電波の強度との比率を示す信号対雑音比と、を予測し、
前記判定部は、前記候補計画の経路上において前記電波強度が第1所定値未満の箇所がなく、かつ、前記信号対雑音比が第2所定値未満の箇所がない場合に、前記候補計画を許可する、
請求項1記載の管理装置。
【請求項4】
前記判定部により前記候補計画を許可しないと判定された場合に、前記電波強度が前記第1所定値未満の箇所がなく、かつ、前記信号対雑音比が前記第2所定値未満の箇所がない別経路を生成する生成部を更に備える、
請求項3記載の管理装置。
【請求項5】
前記飛行体は第1飛行体であり、前記候補計画は第1候補計画であり、前記アンテナは第1アンテナであり、
前記取得部は、前記第1飛行体とは異なる第2飛行体の飛行計画である第2候補計画を更に取得し、
前記予測部は、前記第1アンテナの指向方向を前記第1候補計画に沿って飛行する前記第1飛行体に追従して変化させ、かつ、前記第1アンテナとは異なる第2アンテナの指向方向を前記第2候補計画に沿って飛行する前記第2飛行体に追従して変化させた場合の、前記第1飛行体における前記通信品質を示す指標と、前記第2飛行体における前記通信品質を示す指標とを予測し、
前記判定部は、前記予測結果に基づいて、前記第1候補計画および前記第2候補計画のそれぞれを許可するか否かを判定する、
請求項1記載の管理装置。
【請求項6】
前記第1飛行体および前記第2飛行体は、飛行の目的に基づいて優先順位が設定されており、
前記判定部は、前記予測結果および前記優先順位に基づいて、前記第1候補計画および前記第2候補計画のそれぞれを許可するか否かを判定する、
請求項5記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体の飛行計画を管理する管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の飛行体の制御データを、セルラー通信用の基地局に設置されたアンテナから送信することで、安定した長距離飛行を実現する技術が開発されている。例えば、下記特許文献1に記載の無線通信システムにおいて、飛行体に搭載されたユーザ装置は、基地局からの無線信号を受信する受信部と、基地局からの無線信号を受信できない場合に、ユーザ装置の位置を測定し、測定された位置を示す位置情報を生成して中継装置に送信する送信部と、を有する。基地局は、3Dビームフォーミングをサポートし、ユーザ装置の位置情報を取得する取得部と、ユーザ装置の位置情報と基地局の位置情報とに基づいてビームを形成する方向を決定する決定部と、決定した方向にビームを形成して無線信号を送信する送信部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基地局は、地上付近が通信範囲としてカバーされるように複数配置されている。各基地局のアンテナは、通常は電波に干渉が生じないように配置されている。しかしながら、上述した従来技術のように、アンテナの指向方向を飛行体に向けて変化させた場合、アンテナ間で電波干渉が生じる可能性がある。また、基地局のアンテナは通常指向方向を地上に向けており、地上における通信に最適化されているが、上空における電波の状況は必ずしも考慮されていない。例えばアンテナの指向方向の変化によって生じた高干渉エリアに飛行体が進入した場合、電波の断絶が生じて飛行に支障を及ぼす可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、飛行経路上における飛行体の通信状態を安定させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る管理装置は、基地局のアンテナから送信される無線信号に基づいて飛行する飛行体の飛行計画を管理する管理装置であって、前記飛行計画の候補である候補計画を取得する取得部と、前記アンテナの指向方向を前記候補計画に沿って飛行する前記飛行体に追従して変化させた場合の、前記飛行体における通信品質を示す指標を予測する予測部と、前記予測部による予測結果に基づいて、前記候補計画を許可するか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が肯定である場合に、許可済み飛行計画として前記候補計画を管理する管理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、飛行経路上における飛行体の通信状態を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態にかかる管理装置10を含む飛行管理システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2A】基地局Bに設置されたアンテナAの第1状態を模式的に示す図である。
【
図2B】基地局Bに設置されたアンテナAの第2状態を模式的に示す図である。
【
図3】管理装置10の構成を示すブロック図である。
【
図4】ユーザ端末20の構成を示すブロック図である。
【
図5A】追従アンテナおよび補間アンテナを模式的に示す図である。
【
図5B】追従アンテナおよび補間アンテナを模式的に示す図である。
【
図6】候補経路R1上における通信品質を示す指標を模式的に示す図である。
【
図7】候補経路R1上における通信品質を示す指標を模式的に示す図である。
【
図9】複数の飛行体F1,F2の飛行経路を模式的に示す図である。
【
図10】処理装置103の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.実施形態
A-1.飛行体Fの飛行方法
初めに、本実施形態における飛行体Fの飛行方法について説明する。本実施形態において、飛行体Fは、ドローン等の無人飛行体である。なお、飛行体Fは、航空機等の有人飛行体であってもよい。飛行体Fは、地上Gに配置された基地局B(例えばB1,B2)のアンテナA(例えばアンテナA1-1)から送信される飛行制御データを受信して飛行する。すなわち、飛行体Fは、基地局BのアンテナAから送信される無線信号に基づいて飛行する。無線信号は、例えば飛行体Fの飛行制御データを送信する信号である。飛行制御データとは、例えば飛行体Fに対して進行方向および進行速度を指示するためのデータである。本実施形態では、基地局Bは、セルラー通信用に設けられている。セルラー通信用に設けられた基地局BのアンテナAを用いて飛行体Fの飛行制御データを送信することによって、例えば飛行体Fと直接通信するコントローラを用いる場合と比較して、飛行体Fを遠方まで飛行させることができる。
【0010】
図2Aは、基地局B(B1,B2)に設置されたアンテナA(A1-1,A2-1)の第1状態を模式的に示す図である。
図2Bは、基地局Bに設置されたアンテナAの第2状態を模式的に示す図である。第1状態とは、基地局BのアンテナAが全て指向方向を地上Gに向けている状態である。第2状態とは、基地局BのアンテナAのうちの1つ(
図2の例ではアンテナA1-1)が指向方向を上空の飛行体Fに向けている状態である。
【0011】
アンテナAは、地上G付近に位置する通信機器D(D1,D2)または上空を飛行する飛行体Fとの間で無線通信を行う。通信機器Dは、例えばスマートフォン、セルラーモデルのタブレット端末、フィーチャーフォン等である。この場合、通信機器Dは、例えば通話用の音声データ、動画再生用の映像データ、動画配信用の映像データ、警察または消防等への緊急通報を行うための緊急通報用データ等を、セルラー通信網を用いて送受信する。基地局Bは、セルラー通信網の末端を構成し、通信機器Dまたは飛行体Fとの通信をセルラー通信網に中継する。基地局B間は有線回線または無線回線で接続される。
【0012】
図5A等に示すように、本実施形態では基地局Bには3つのアンテナAが設置されているが、図示の便宜上、
図2Aおよび
図2Bでは、基地局B1,B2の2つのアンテナA(A1-1,A1-2,A2-1,A2-2)のみが示されている。3つのアンテナAは、例えば
図2A等に示すように、基地局Bに設置された柱状部材(鉄塔など)に取り付けられる。より詳細には、3つのアンテナAは、柱状部材の外周に均等な間隔を置いて配置される。それぞれのアンテナAによって、基地局B(柱状部材)の周囲に3つの通信エリア(通信セル)が形成される。例えば、基地局Bnに設置されたアンテナAをアンテナAnと表記する。また、基地局Bnに設置された3つのアンテナAを区別する場合、アンテナAn-1、An-2およびAn-3と表記する。なお、本実施形態におけるアンテナAの数および配置は一例であり、アンテナAの数および配置は任意に変更可能である。
【0013】
通常時(飛行体Fが基地局B1,B2の周囲を飛行していない時)は、
図2Aに示すように、基地局B1のアンテナA1-1の指向方向は地上Gを向いており、エリアE1を通信エリアとしている。エリアE1に位置する通信機器D1は、アンテナA1-1との間で電波を送受信することによってセルラー通信網に接続する。基地局B2のアンテナA2-1の指向方向も地上Gを向いており、エリアE2を通信エリアとしている。エリアE2に位置する通信機器D2は、アンテナA2-1との間で電波を送受信することによってセルラー通信網に接続する。
【0014】
一方、飛行体Fが基地局B1,B2の周囲を飛行している場合、基地局B1,B2が備えるアンテナAのうち、いずれか1つが、指向方向を上空の飛行体Fを向けるように制御される。
図2Bの例では、基地局B1のアンテナA1-1が、指向方向を上空の飛行体Fに向けている。アンテナA1-1は、飛行体Fを追尾するように指向方向を変更してビームフォーミングを行うことで、上空の飛行体Fに飛行制御データを送信する。以下、飛行体Fの位置に追従して指向方向を変化させるアンテナAを「追従アンテナ」という。
【0015】
一般に、飛行体Fは何らかの目的を持って飛行する。具体例には、カメラで地上等を撮影する空撮、地形等のセンシング、農薬の散布、荷物の配送等が、飛行体Fの飛行目的となる場合がある。例えば飛行体Fの飛行目的が空撮の場合、撮影した映像がリアルタイムで他の端末装置に送信され、利用される場合がある。また、例えば飛行体Fの飛行目的がセンシングの場合、センサの出力値(センシングデータ)がリアルタイムで他の端末装置に送信され、利用される場合がある。このように、飛行体Fから送信するデータについても、アンテナAを用いて送受信される。
【0016】
アンテナAの指向方向は、図示しないアンテナ制御装置によって変更される。アンテナ制御装置は、無線基地局装置と、アンテナAのチルト角を変更するチルト角制御システムとを含む。アンテナ制御装置は、例えば基地局B(B1~Bn)毎に配置され、当該基地局Bに配置されたアンテナAを制御する。アンテナ制御装置は、基地局B毎に配置されるに限らず、例えばアンテナA毎に設けられていてもよいし、複数の基地局Bに対して1つ設けられていてもよい。または、アンテナ制御装置の機能を、後述する管理装置10が有していてもよい。
【0017】
基地局B1のアンテナ制御装置は、例えば
図2Bに示すように、アンテナA1-1のチルト角(仰俯角)を、機器を用いて変更する(機械チルト方式)。アンテナA1-1のチルト角が変更されることにより、アンテナA1-1の指向方向が上下方向に変化する。または、アンテナ制御装置は、アンテナA1-1の指向方向を、アンテナA1-1から放射される電波の位相を変化させることで変更してもよい(電気チルト方式)。
【0018】
ここで、飛行体Fに向けてアンテナA1-1の指向方向が変更された場合、アンテナA1-1の通信エリアであった地上GのエリアE1はアンテナA1-1の通信エリア外となり、エリアE1に位置する通信機器D1はセルラー通信網に接続できなくなる。よって、周辺の基地局B2のアンテナA2-1でエリアE1をカバーするように、アンテナ制御装置(基地局B2に設けられたアンテナ制御装置)は、アンテナA2-1の指向方向を変更する。
【0019】
よって、エリアE1に位置する通信機器D1がアンテナA2-1との間で電波を送受信することが可能となり、セルラー通信網への接続が可能となる。アンテナA2-1の指向方向の変更には、例えばアンテナA1-1と同様に機械チルト方式が用いられる。なお、アンテナA2-1の指向方向は、電気チルト方式で変更されてもよい。
図2BにおけるアンテナA2-1のように、追従アンテナの通信エリアに向けて指向方向を変更するアンテナAを、以下「補間アンテナ」という。なお、追従アンテナの通信エリア内に通信機器D1が位置しない場合には、補間アンテナによる追従アンテナの通信エリアのカバーを行わなくてもよい。飛行体FがアンテナA1-1の通信エリアを通過した後は、アンテナA1―1は指向方向を地上Gに戻す。また、アンテナA2-1も指向方向を元の方向に戻す。
【0020】
A-2.システム構成
図1は、実施形態にかかる管理装置10を含む飛行管理システム1の構成を示すブロック図である。飛行管理システム1は、管理装置10と、少なくとも1つのユーザ端末20とを含む。本実施形態では、ユーザ端末20は、複数設けられているものとする。管理装置10とユーザ端末20とは、ネットワークNで接続されている。本実施形態では、ネットワークNは、例えば基地局Bが構成するセルラー通信網を含んでいてもよい。
【0021】
管理装置10は、飛行体Fの飛行計画を管理する。より詳細には、管理装置10は、飛行体Fの飛行に先立って、飛行計画の候補である候補計画をユーザ端末20から受け付ける。飛行計画とは、飛行経路(経路の各点の位置情報(緯度、経度、高度))、飛行開始時刻および終了時刻、飛行経路の各点の通過予定時刻、飛行速度および飛行の目的等を含む。すなわち、飛行計画は、飛行経路のみならず、飛行体Fがどのタイミングで飛行経路上の各点を通過するかの情報を含んでいる。ユーザ端末20は、候補計画に関するこれらの情報を含んだ候補計画情報を管理装置10に送信する。
【0022】
管理装置10は、ユーザ端末20から受信した候補計画を許可するか否かを判定する。詳細は後述するが、候補計画を許可するか否かは、飛行経路上の電波状態が安定しているかによって判定される。電波状態が安定している、とは、例えば飛行経路上に高干渉エリアがなく、かつ弱電界エリアがないことを指す。
【0023】
候補計画を許可する場合、管理装置10は、ユーザ端末20に候補計画の許可を通知するとともに、候補計画を許可済み飛行計画として後述する飛行計画データベースDB2(
図3参照)に登録する。飛行計画データベースDB2は、例えば
図2Aおよび
図2Bで説明したようなアンテナAの制御に用いられる。候補計画を許可しない場合、管理装置10は、ユーザ端末20に候補計画の不許可を通知する。また、管理装置10は、候補計画を許可しない場合、電波状態が安定した他の経路をユーザ端末20に提案してもよい。
【0024】
ユーザ端末20は、飛行体Fのユーザが保持する端末装置である。ユーザ端末20は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末20は、例えば飛行計画を入力可能なアプリケーションを実行可能である。ユーザは、ユーザ端末20に飛行計画を入力し、飛行計画を管理装置10に送信する。
【0025】
A-3.管理装置10
次に、
図1に示す各構成の詳細について説明する。
図3は、管理装置10の構成を示すブロック図である。管理装置10は、通信装置101と、記憶装置102と、処理装置103とを備える。通信装置101と、記憶装置102と、処理装置103とは、バス104によって相互に接続される。
【0026】
通信装置101は、無線通信または有線通信を用いてユーザ端末20と通信する。本実施形態において、通信装置101は、ネットワークNに接続可能なインターフェースを備え、ネットワークNを介してユーザ端末20の通信装置201(
図4参照)と通信する。
【0027】
記憶装置102は、処理装置103が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置102は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0028】
記憶装置102は、プログラムPG1、基地局データベースDB1および飛行計画データベースDB2を記憶する。
図3中、「データベース」を「DB」と表記する。プログラムPG1は、管理装置10を動作させるためのプログラムである。
【0029】
基地局データベースDB1は、基地局Bの位置情報および各基地局Bに設置されたアンテナAの通信エリアを特定するエリア情報が記憶される。エリア情報には、アンテナAの指向方向を地上Gに向けた場合の通信エリアを示す情報と、アンテナAの指向方向を上空に向けた場合の通信エリアを示す情報とが含まれている。また、エリア情報には、アンテナAのチルト角を所定角度刻みで変化させた場合の、それぞれのチルト角における通信エリアを示す情報が含まれてもよい。また、エリア情報には、通信エリア内の電波強度の分布を示す情報および信号対雑音比を示す情報が含まれる。電波強度および信号対雑音比の詳細については後述する。
【0030】
飛行計画データベースDB2は、管理装置10が許可した飛行計画である許可済み飛行計画に関する情報が記憶される。許可済み飛行計画に関する情報とは、例えば飛行経路、飛行開始時刻および終了時刻、飛行経路の各点の通過予定時刻、飛行速度および飛行の目的等が記憶される。また、飛行計画データベースDB2には、許可済み飛行計画を実行する飛行体Fを識別する飛行体識別情報と、当該飛行体Fのユーザを識別するユーザ識別情報とが含まれてもよい。また、飛行計画データベースDB2には、許可済み飛行計画に沿って飛行体Fが飛行する際の、各地点における追従アンテナおよび補間アンテナを特定する情報が含まれていてもよい。
【0031】
処理装置103は、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。1または複数のCPUは、1または複数のプロセッサの一例である。プロセッサおよびCPUの各々は、コンピュータの一例である。
【0032】
処理装置103は、記憶装置102からプログラムPG1を読み取る。処理装置103は、プログラムPG1を実行することによって、取得部110、決定部111、予測部112、判定部113、生成部114および管理部115として機能する。取得部110、決定部111、予測部112、判定部113、生成部114および管理部115のうち少なくとも1つは、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路によって構成されてもよい。取得部110、決定部111、予測部112、判定部113、生成部114および管理部115の詳細は後述する。
【0033】
A-4.ユーザ端末20
図4は、ユーザ端末20の構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、通信装置201と、入力装置202と、表示装置203と、記憶装置204と、処理装置205とを備える。通信装置201と、入力装置202と、表示装置203と、記憶装置204と、処理装置205とは、バス206によって相互に接続される。
【0034】
通信装置201は、無線通信または有線通信を用いてユーザ端末20と通信する。本実施形態において、通信装置201は、ネットワークNに接続可能なインターフェースを備え、ネットワークNを介して管理装置10の通信装置101(
図3参照)と通信する。
【0035】
入力装置202は、ユーザからの入力を受け付ける。入力装置202は、例えばキーボード、マウス、操作ボタン等である。表示装置203は、ユーザに各種情報を表示する。表示装置203は、例えば表示パネルと、表示パネルに画像を投影する投影装置とを備える。ユーザ端末20は、入力装置202と表示装置203とが一体となったタッチパネルを備えてもよい。
【0036】
記憶装置204は、処理装置205が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置204は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM、EPROMおよびEEPROMである。揮発性メモリーは、例えば、RAMである。記憶装置204は、プログラムPG2を記憶する。プログラムPG2は、ユーザ端末20を動作させるためのプログラムである。
【0037】
処理装置205は、1または複数のCPUを含む。1または複数のCPUは、1または複数のプロセッサの一例である。プロセッサおよびCPUの各々は、コンピュータの一例である。
【0038】
処理装置205は、記憶装置204からプログラムPG2を読み取る。処理装置205は、プログラムPG2を実行することによって、動作制御部211として機能する。動作制御部211は、DSP、ASIC、PLDおよびFPGA等の回路によって構成されてもよい。動作制御部211は、ユーザ端末20の動作を制御する。例えば、動作制御部211は、表示装置203に候補計画の入力画面を表示させ、入力装置202によりユーザから候補計画に関する各種の情報の入力を受け付ける。この時、動作制御部211は、上記飛行体識別情報およびユーザ識別情報の入力を受け付けてもよい。また、動作制御部211は、ユーザから入力された情報を候補計画情報として管理装置10に送信する。
【0039】
A-4.処理装置103の詳細
つぎに、処理装置103がプログラムPG1を実行することによって実現する、取得部110、決定部111、予測部112、判定部113、生成部114および管理部115の詳細について説明する。
【0040】
取得部110は、飛行体Fの飛行計画の候補である候補計画を取得する。取得部110は、例えばユーザ端末20から上述した候補計画情報を受信することにより、候補計画を取得する。
【0041】
決定部111は、候補計画に基づく経路(以下、候補経路という)上の各点において、飛行体Fに対して飛行制御データを送信する追従アンテナを決定する。決定部111は、候補計画に基づいて飛行体Fの候補経路R1を特定し、基地局データベースDB1に基づいて、候補経路R1上の各点における追従アンテナを決定する。より詳細には、決定部111
は、チルト角を上空に向けて変更した場合に、候補経路R1上の区間を通信エリアに含むアンテナAを、当該区間における追従アンテナとして決定する。追従アンテナの候補が複数ある場合には、例えば当該区間との距離が最も短いアンテナAを追従アンテナに決定してもよい。
【0042】
なお、例えば
図2Bのように、基地局B2に近い領域を飛行体Fが飛行する場合であっても、追従アンテナが基地局B2のアンテナA2-1~2-3ではない場合がある。これは、飛行体Fの位置が基地局B2の真上に近く、基地局B2のアンテナA2-1~A2-3のチルト角を上空に向けて変更しても、通信エリアに飛行体Fが入らないためである。この場合、決定部111は、基地局B2の周辺に位置する基地局B1のアンテナA(
図2の例でではアンテナA1-1)を追従アンテナに決定する。
【0043】
また、決定部111は、追従アンテナが指向方向を飛行体Fに追従して変化させている期間に、追従アンテナの通信エリアに指向方向を向ける補間アンテナを決定する。決定部111は、基地局データベースDB1に基づいて、チルト角を変更することによって、追従アンテナが地上Gに指向方向を向けている際の通信エリアをカバー可能なアンテナAを、補間アンテナとして決定する。
【0044】
なお、補間アンテナは複数であってもよい。例えば、第1補間アンテナと第2補間アンテナとで、追従アンテナの通信エリアを分割してカバーしてもよい。または、第1補間アンテナが追従アンテナの通信エリアに向けて指向方向を変更した結果、元々の通信エリアをカバーできなくなった場合、第2補間アンテナによって第1補間アンテナがカバーできなくなった通信エリアをカバーしてもよい。
【0045】
図5Aおよび
図5Bは、追従アンテナおよび補間アンテナを模式的に示す図である。
図5Aおよび
図5Bに示す候補経路R1は、飛行体Fの候補計画に沿った経路である。また、
図5Aおよび
図5Bにおいて、実線はアンテナAの指向方向が上空に向いていることを示し、二点破線はアンテナAの指向方向が地上Gに向いていることを示す。
【0046】
決定部111は、飛行体Fの候補計画に基づいて、候補経路R1の周辺の基地局Bを特定する。
図5Aの例では、基地局B1~B5が候補経路R1の周辺に位置する。決定部111は、基地局データベースDB1に基づいて、チルト角を変更することによって候補経路R1の各地点を通信エリアに含み得るアンテナAを特定し、当該アンテナAを追従アンテナに決定する。
【0047】
図5Aの例では、候補経路R1のうち区間P1-P2では基地局B1のアンテナA1―1が追従アンテナに決定される。以下同様に、区間P2-P3では基地局B3のアンテナA3―1、区間P3-P4では基地局B4のアンテナA4―1、区間P4-P5では基地局B5のアンテナA5―1が、それぞれ追従アンテナに決定される。
【0048】
図5Bに示すように、例えば飛行体Fが区間P1-P2に位置する場合、基地局B1のアンテナA1―1が追従アンテナとなり、アンテナA1―1は指向方向を飛行体Fに向ける。この間、アンテナA1―1の通信エリアに通信機器Dが存在すると推定される場合、基地局B1に隣接する基地局B2のアンテナA2-1が補間アンテナとしてアンテナA1―1の通信エリアをカバーする。すなわち、アンテナA2-1は、アンテナA1-1の通信エリアに向けて指向方向を変更し、アンテナA1-1の通信エリアに位置する通信機器Dの通信が途切れないようにする。なお、飛行体Fが区間P1-P2を通過した後は、アンテナA1―1は指向方向を地上Gに戻す。また、アンテナA2-1も指向方向を元の方向に戻す。
【0049】
なお、本実施形態では、管理装置10が追従アンテナおよび補間アンテナを決定するものとするが、これに限らず、他の装置で決定された追従アンテナおよび補間アンテナの情報を管理装置10が取得して、以降に説明する機能部に提供してもよい。
【0050】
予測部112は、基地局データベースDB1を用いて、飛行体Fに対して追従アンテナからビームフォーミングが行われた場合の、候補経路R1上における電波状態をシミュレーションする。すなわち、予測部112は、追従アンテナの指向方向を候補計画に沿って飛行する飛行体Fに追従して変化させた場合の、飛行体Fにおける通信品質を示す指標を予測する。なお、飛行体Fにおける通信品質とは、例えば飛行体Fの位置における一般的な通信品質であってもよいし、飛行体Fに搭載された通信装置の特性を反映させた通信品質であってもよい。以下、予測部112が通信品質を示す指標を予測することを、単に「通信品質を予測する」という場合がある。本実施形態では、従属アンテナはチルト角を変更することによって、指向方向を飛行体Fに追従させる。よって、予測部112は、飛行体Fに追従して追従アンテナの仰俯角を変化させた場合の通信品質を示す指標を予測する。
【0051】
本実施形態では、予測部112は、通信品質を示す指標として、飛行体Fが受信する電波の強度を示す電波強度(RSRP:Reference Signal Received Power)と、追従アンテナから受信する電波の強度と追従アンテナ以外から受信する電波の強度との比率を示す信号対雑音比と、を予測する。電波強度は、飛行体Fが追従アンテナから受信する電波の強度である。ある地点における電波強度が高いほど、当該地点における通信状況は良好となる。信号対雑音比は、追従アンテナから送信される電波(信号)に対する、他のアンテナAからの電波(雑音)の比を示す。信号対雑音比は、干渉の強さを表す指標であり、SN比(Signal-to-Noise ratio)またはSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)とも呼ばれる。ある地点における信号対雑音比が大きいほど、当該地点における通信状況は良好となる。
【0052】
なお、本実施形態では、予測部112は、通信品質を示す指標として電波強度および信号対雑音比を予測するものとするが、これに限らず、予測部112は、例えば電波強度および信号対雑音比のいずれか一方のみを推定してもよい。この場合、後述する判定部113は、予測部112が予測した電波強度および信号対雑音比のいずれか一方のみを用いて候補計画を許可するか否かを判定する。
【0053】
また、予測部112は、候補経路R1上、すなわち飛行体Fの飛行高度における通信品質を予測する他、更に地上Gにおける通信品質を予測してもよい。上述したように、従属アンテナが飛行体Fに向けて指向方向を変更すると、地上Gにおける電波の状態も変化する。従属アンテナが飛行体Fに向けて指向方向を変更した結果、地上Gに通信品質が悪化するエリアが生じる場合、当該エリアに位置する通信機器Dの通信状態が悪化してしまう。よって、このような場合は、決定部111が追従アンテナを決め直してもよい。
【0054】
判定部113は、予測部112による予測結果に基づいて、候補計画を許可するか否かを判定する。本実施形態では、判定部113は、飛行体Fが候補経路R1上で従属アンテナから十分な強度で飛行制御データを受信できるか、および、飛行体Fに追従して従属アンテナの指向方向を変更した結果、電波干渉が生じるエリアが候補経路R1上にないかを判定する。判定部113は、候補経路R1上に電波強度が低い弱電界エリアがなく、かつ、電波干渉が生じている高干渉エリアがない場合に、候補計画を許可する。すなわち、判定部113は、候補経路上において電波強度が第1所定値未満の箇所がなく、かつ、信号対雑音比が第2所定値未満の箇所がない場合に、候補計画を許可する。
【0055】
図6および
図7は、候補経路R1上における通信品質を示す指標を模式的に示す図である。
図6および
図7では、信号対雑音比が第2所定値未満の箇所を高干渉エリアIN、電波強度が第1所定値以上の箇所を強電界エリアHW、電波強度が第1所定値未満の箇所を弱電界エリアLWとして表記している。
図6では、候補経路R1上が全て強電界エリアHWとなっており、弱電界エリアLW(
図7参照)がない。また、
図6では、候補経路R1上に高干渉エリアINがない。よって、判定部113は、候補計画を許可する。
【0056】
なお、通信品質を示す指標として、電波強度および信号対雑音比以外の他の種類の通信品質に関する指標を用いてもよい。具体的には、例えば候補経路R1上の下りおよび上りのスループットを用いてもよい。スループットは、電波強度および信号対雑音比の数値に基づいて推測することができる(厳密には周波数の帯域幅等も考慮する)。通信品質を示す指標としてスループットを用いる場合、予測部112は、候補経路R1上のスループットを予測する。判定部113は、候補経路R1上にスループットが第3所定値未満の箇所がない場合に、候補計画を許可する。例えば、飛行体Fがリアルタイムの映像伝送を行う場合には、スループットが高いエリアを航行することが重要となる。通信品質に関する指標としてスループットを用いることで、飛行目的により適した経路の選択が可能となる。なお、通信品質を示す指標としてスループットを用いる場合、基地局データベースDB1のエリア情報には、通信エリア内のスループットを示す情報が含まれる。
【0057】
管理部115は、判定部113の判定結果が肯定である場合に、許可済み飛行計画として候補計画を管理する。具体例には、管理部115は、判定部113が候補計画を許可すると判定した場合、ユーザ端末20に対して候補計画の許可を通知する。また、管理部115は、飛行計画データベースDB2に、許可済み飛行計画として候補計画を記憶する。
【0058】
一方、
図7では、候補経路R1上のP2~P3間に高干渉エリアINが位置する。また候補経路上のP4以降が、電波強度が第1所定値未満の弱電界エリアLWとなっている。なお、弱電界エリアLWが生じるのは、例えば基地局B(
図7の例では基地局B4)から候補経路R1までの距離が長い場合等である。この場合、判定部113は、候補計画を許可しない。判定部113が候補計画を許可しないと判定した場合、管理部115は、ユーザ端末20に対して候補計画の不許可を通知する。
【0059】
生成部114は、判定部113により候補計画を許可しないと判定された場合に、電波強度が第1所定値未満の箇所がなく、かつ、信号対雑音比が第2所定値未満の箇所がない別経路R2を生成する。すなわち、生成部114は、予測部112によって予測された候補経路R1周辺の通信品質に基づいて、飛行体Fの飛行に支障がない通信品質を確保できる別経路R2を生成し、ユーザに提案する。
【0060】
図8は、別経路R2の一例を模式的に示す図である。
図8における候補経路R1上の通信品質を示す指標の分布は、
図7と同様である。生成部114は、例えば
図8に示すように、弱電界エリアLWおよび高干渉エリアINを回避した別経路R2を生成する、この場合、管理部115は、別経路R2の情報をユーザ端末20に送信する。飛行体Fのユーザから別経路R2での飛行が了承された場合、管理部115は、飛行計画データベースDB2に、候補経路R1を別経路R2に差し替えた候補計画を、許可済み飛行計画として記憶する。
【0061】
ここで、管理装置10は、複数のユーザ端末20から候補計画を受け付ける。複数の飛行体Fが同時刻に近接した領域を飛行する可能性もあり、これらが相互に与える影響が問題となる。この場合、予測部112は、飛行計画データベースDB2に記憶されている許可済み飛行計画の実行時におけるアンテナAの状態を反映して、候補経路R1上における電波状態をシミュレーションするのが好ましい。
【0062】
例えば、飛行体F1と同時刻にその周囲を他の飛行体F2が飛行する場合、他の飛行体F2に対するビームフォーミングの影響で、飛行体F1の候補経路R1上の電波状態が通常時(他の飛行体F2に対するビームフォーミングが行われていない時)と異なる場合がある。よって、予測部112は、飛行計画データベースDB2を参照し、許可済み飛行計画における追従アンテナおよび補間アンテナの状態をシミュレーションに反映させる。これにより、候補経路R1上の通信品質をより精度よく予測することができる。
【0063】
図9は、複数の飛行体F1,F2の飛行経路を模式的に示す図である。飛行体F1に対して、符号R3で示す候補経路を飛行する飛行計画(第1候補計画)が許可されているものとする。なお、当該飛行計画は許可済み飛行計画であるが、後述するように、他の飛行体F2の飛行の目的によっては、許可が取り消される可能性があるため、便宜上「第1候補計画」と呼ぶ。飛行体F1は第1飛行体の一例であり、飛行体F1が候補経路R3を飛行する際の追従アンテナは第1アンテナの一例である。
【0064】
その後、他の飛行体F2のユーザから、符号R4で示す候補経路での飛行(第2候補計画)が申請されたものとする。飛行体F2の飛行時刻は、飛行体F1の飛行時刻とほぼ同時刻であるものとする。飛行体F2は第2飛行体の一例であり、飛行体F2が候補経路R4を飛行する際の追従アンテナは第2アンテナの一例である。
【0065】
この場合、管理装置10は、飛行体F1が候補経路R3を飛行する際に行われるビームフォーミング(アンテナAのチルト角の変更)を反映して、飛行体F2が候補経路R4を飛行する際の追従アンテナの決定、および通信品質のシミュレーションを行う。すなわち、予測部112は、アンテナA1-1,A3-1,A4-1,A5-1の指向方向を第1候補計画に沿って飛行する飛行体F1に追従して変化させ、かつ、アンテナA1-1,A3-1,A4-1,A5-1とは異なる他のアンテナAの指向方向を第2候補計画に沿って飛行する飛行体F2に追従して変化させた場合の、飛行体F1における通信品質を示す指標と、飛行体F2における通信品質を示す指標とを予測する。
【0066】
シミュレーションの結果、飛行体F1および飛行体F2双方の飛行に問題がない場合(候補経路R3,R4のいずれにも弱電界エリアLWおよび高干渉エリアINが生じない場合)、判定部113は、飛行体F2の第2候補計画を許可する。
【0067】
一方、飛行体F1または飛行体F2の少なくともいずれかの飛行に問題が生じる場合、判定部113は、飛行体F1および飛行体F2の飛行の目的を参照し、優先順位の高い目的のために飛行する飛行体Fを優先させる。優先順位の高い目的とは、例えば犯罪者の追跡、要救護者の緊急搬送、災害現場の撮影等である。すなわち、飛行体F1および飛行体F2は、飛行の目的に基づいて優先順位が設定されており、判定部113は、予測部112の予測結果および飛行の目的の優先順位に基づいて、第1候補計画および第2候補計画を許可するか否かをそれぞれ判定する。
【0068】
例えば、飛行体F2の飛行の目的が、飛行体F1の飛行の目的よりも優先順位が高い場合には、飛行体F2の第2候補計画を優先させる。この結果、第1候補計画の許可が取り消される可能性がある。また、飛行体F2の飛行の目的の優先順位と、飛行体F1の飛行の目的の優先順位とが同じ場合には、より早く飛行計画の申請を行った飛行体F1の飛行が優先されてもよい。
【0069】
このように、複数の飛行体F1,F2の飛行に伴う電波状況の変化を反映させて、各飛行体Fにおける通信品質を予測することにより、複数の飛行体F1,F2が同じエリア内を飛行する際の安全性を向上させることができる。また、複数の飛行体F1,F2が飛行することにより通信品質が維持できない場合、優先順位の高い目的で飛行する飛行体Fの飛行計画を優先することによって、公益を保護することができる。
【0070】
A-5.処理装置103の動作
図10は、処理装置103の動作を示すフローチャートである。処理装置103は、取得部110としてとして機能し、ユーザ端末20から飛行体Fの候補計画情報を取得する(ステップS101)。処理装置103は、決定部111として機能し、候補経路R1上の各点における追従アンテナおよび補間アンテナを決定する(ステップS102)。
【0071】
処理装置103は、予測部112として機能し、候補計画に沿って飛行する飛行体Fにおける通信品質を示す指標を予測する(ステップS103)。上述のように、本実施形態において、通信品質を示す指標とは、電波強度と信号対雑音比である。処理装置103は、判定部113として機能し、候補経路R1上において電波強度が第1所定値未満の弱電界エリアがなく、かつ、信号対雑音比が第2所定値未満の高干渉エリアがないか否かを判定する(ステップS104)。
【0072】
候補経路R1上に弱電界エリアおよび高干渉エリアがない場合(ステップS104:YES)、処理装置103は、管理部115として機能し、ユーザに候補計画の許可を通知する(ステップS105)。また、処理装置103は、ステップS108に移行し、候補計画を許可済み飛行計画として飛行計画データベースDB2に記憶して(ステップS108)、本フローチャートの処理を終了する。
【0073】
また、候補経路R1上に弱電界エリアまたは高干渉エリアのいずれかがある場合(ステップS104:NO)、処理装置103は、生成部114として機能し、弱電界エリアまたは高干渉エリアを含まない別経路R2を生成する(ステップS106)。処理装置103は、別経路R2の情報をユーザ端末20に送信する。ユーザが別経路R2を了承した場合(ステップS107:YES)、処理装置103は、飛行経路を別経路R2に変更した飛行計画を許可済み飛行計画として飛行計画データベースDB2に記憶して(ステップS108)、本フローチャートの処理を終了する。ユーザが別経路R2を了承しない場合(ステップS107:NO)、処理装置103は本フローチャートの処理を終了する。
【0074】
A-6.実施形態のまとめ
以上説明したように、実施形態によれば、管理装置10は、基地局BにおけるアンテナAの指向方向の変更により生じる通信品質の変化を予測して、候補計画を許可するか否かを判定する。よって、管理装置10は、飛行経路上における飛行体Fの通信状態を安定させることができる。本実施形態では、飛行体FとアンテナAとの間の通信により飛行制御データが送受信される。よって、管理装置10は、飛行体Fとの飛行制御データの送受信の際に通信不良が生じるのを防止し、飛行体Fの飛行状態を安定させることができる。
【0075】
また、実施形態によれば、管理装置10は、飛行体Fに追従してアンテナAの仰俯角(チルト角)を変化させた場合の通信品質を示す指標を予測する。アンテナAが仰角方向に指向方向を変更することにより、通常は電波が送信されていない領域にも電波が送信されることになる。既存のデータが少ない領域の電波状態を予測することにより、飛行体Fとの通信不良が生じないかを、より精度よく判定することができる。
【0076】
また、実施形態によれば、管理装置10は、候補計画の経路上において電波強度が第1所定値未満の箇所がなく、かつ、信号対雑音比が第2所定値未満の箇所がない場合に、候補計画を許可する。よって、飛行体Fと追従アンテナとの通信に必要な電波強度を確保し、かつ他のアンテナA等との電波干渉が生じない飛行経路を選択することができ、通信不良による不具合を防止することができる。
【0077】
また、実施形態によれば、管理装置10は、候補計画を許可しないと判定された場合に、電波強度が前記第1所定値未満の箇所がなく、かつ、信号対雑音比が第2所定値未満の箇所がない別経路R2を生成する。これにより、別経路R2を用いた飛行計画を検討することが可能となり、ユーザによる飛行計画の決定を補助することができる。
【0078】
また、実施形態によれば、管理装置10は、複数の飛行体F1,F2の飛行に伴う電波状況の変化を反映させて、各飛行体F1,F2における通信品質を予測する。よって、複数の飛行体F1,F2が同じエリア内を飛行する際の安全性を向上させることができる。
【0079】
また、実施形態によれば、管理装置10は、複数の飛行体F1,F2の優先順位に基づいて、それぞれの飛行体F1,F2の候補計画を許可するか否かを判定する。よって、優先順位の高い目的で飛行する飛行体Fの飛行を優先させることができ、多くの飛行体Fが飛行する場合における利便性を向上させることができる。
【0080】
B:その他
(1-1)上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)または送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0081】
(1-2)情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0082】
(1-3)本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、6th generation mobile communication system(6G)、xth generation mobile communication system(xG)(xG(xは、例えば整数、小数))、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、New radio access(NX)、Future generation radio access(FX)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-Wide Band)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張、修正、作成、規定された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい
【0083】
(1-4)本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0084】
(1-5)本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0085】
(1-6)情報等(※「情報、信号」の項目参照)は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0086】
(1-7)入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0087】
(1-8)判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0088】
(1-9)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0089】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0090】
(2-1)ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0091】
(2-2)本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0092】
(2-3)本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0093】
(2-4)また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。更に、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0094】
(2-5)本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。本開示において、基地局が端末に情報を送信することは、基地局が端末に対して、情報に基づく制御・動作を指示することと読み替えられてもよい。
【0095】
(2-6)本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0096】
(2-7)基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、移動可能な物体をいい、移動速度は任意である。また移動体が停止している場合も当然含む。当該移動体は、例えば、車両、輸送車両、自動車、自動二輪車、自転車、コネクテッドカー、ショベルカー、ブルドーザー、ホイールローダー、ダンプトラック、フォークリフト、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶(ship and other watercraft)、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン(登録商標)、マルチコプター、クアッドコプター、気球、およびこれらに搭載される物を含み、またこれらに限らない。また、当該移動体は、運行指令に基づいて自律走行する移動体であってもよい。乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0097】
(3-1)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリー中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0098】
(3-2)「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0099】
(3-3)参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0100】
(3-4)本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0101】
(3-5)本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0102】
(3-6)上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0103】
(3-7)本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0104】
(3-8)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0105】
(3-9)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0106】
(4)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…飛行管理システム、10…管理装置、20…ユーザ端末、101…通信装置、102…記憶装置、103…処理装置、110…取得部、111…決定部、112…予測部、113…判定部、114…生成部、115…管理部、201…通信装置、202…入力装置、203…表示装置、204…記憶装置、205…処理装置、211…動作制御部、A(A1-1~An-3)…アンテナ、B(B1~Bn)…基地局、D(D1,D2)…通信機器、DB1…基地局データベース、DB2…飛行計画データベース、F(F1,F2)…飛行体、G…地上、HW…強電界エリア、IN…高干渉エリア、LW…弱電界エリア、N…ネットワーク。