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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183596
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】金属積層造形方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/37 20210101AFI20231221BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20231221BHJP
   B22F 10/66 20210101ALI20231221BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20231221BHJP
   B33Y 40/20 20200101ALI20231221BHJP
【FI】
B22F10/37
B22F10/28
B22F10/66
B33Y10/00
B33Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097193
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】三窪 裕幸
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA06
4K018AA24
4K018AA33
4K018BA03
4K018BA13
4K018BA17
4K018CA44
4K018EA60
4K018FA06
(57)【要約】
【課題】金属造形物を精度よく製造することができる金属積層造形方法を提供する。
【解決手段】金属積層造形方法は、金属粉末層を形成することと、金属粉末層の少なくとも一部を焼結させて金属層を形成することとを繰り返し、金属層を順次積層することによって金属造形物を造形する方法である。金属積層造形方法は、ベースプレート12上に、一部に保持層24を有した第1層26を、金属造形物を支持する支持造形物として第1金属層23によって形成する第1層形成工程と、第1層26上に、第2層28を金属造形物として第2金属層27によって形成する第2層形成工程と、を備える。第1層26における保持層24以外の部分である一般層25の密度は、保持層24の密度及び第2層28の密度よりも小さくなっている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末層を形成することと、前記金属粉末層の少なくとも一部を焼結させて金属層を形成することとを繰り返し、前記金属層を順次積層することによって金属造形物を造形する金属積層造形方法であって、
ベースプレート上に、一部に保持層を有した第1層を、前記金属造形物を支持する支持造形物として前記金属層によって形成する第1層形成工程と、
前記第1層上に、第2層を前記金属造形物として前記金属層によって形成する第2層形成工程と、
を備え、
前記第1層における前記保持層以外の部分の密度は、前記保持層の密度及び前記第2層の密度よりも小さくなっていることを特徴とする金属積層造形方法。
【請求項2】
前記第2層形成工程を行った後に、前記第2層を切削加工する切削工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の金属積層造形方法。
【請求項3】
前記保持層は、前記第1層における中央部に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属積層造形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属積層造形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属積層造形方法として、例えば特許文献1に示す3次元物体の製造方法が知られている。こうした3次元物体の製造方法では、まず、昇降可能な物体支持体の上面に平板を固定する。続いて、平板上に金属粉末材料を供給して第1層目の金属粉末材料層を形成した後、この金属粉末材料層を焼結することにより、造形する物体の第1層目を平板に強く接着する。この第1層目の上に物体の第2層目以上を上記第1層目と同様にして必要分だけ積層することで、物体の完成品が造形される。その後、物体の完成品は、金鋸によって平板から切り離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-281807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような3次元物体の製造方法では、金属粉末材料層の焼結によって生じる収縮応力が完成品の物体に残留した状態となっている。このため、この状態で物体を平板から切り離すと、物体に残留する収縮応力が解放されて物体が大きく変形してしまう。この結果、物体の精度が低下するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する金属積層造形方法は、金属粉末層を形成することと、前記金属粉末層の少なくとも一部を焼結させて金属層を形成することとを繰り返し、前記金属層を順次積層することによって金属造形物を造形する金属積層造形方法であって、ベースプレート上に、一部に保持層を有した第1層を、前記金属造形物を支持する支持造形物として前記金属層によって形成する第1層形成工程と、前記第1層上に、第2層を前記金属造形物として前記金属層によって形成する第2層形成工程と、を備え、前記第1層における前記保持層以外の部分の密度は、前記保持層の密度及び前記第2層の密度よりも小さくなっていることを要旨とする。
【0006】
通常、ベースプレート上に金属層を積層して金属造形物を造形すると、金属粉末層の焼結による金属層の形成によって生じる収縮応力が金属造形物に残留した状態となる。この状態で金属造形物をベースプレートから切り離すと、金属造形物に残留する収縮応力が解放されて金属造形物が大きく変形してしまう。この点、上記構成によれば、第1層(支持造形物)における保持層以外の部分の密度は、保持層の密度及び第2層(金属造形物)の密度よりも小さくなっている。このため、第1層上に第2層を形成すると、第2層に残留する収縮応力が第1層における保持層以外の部分による第2層の保持力よりも大きくなる。したがって、第2層に残留する収縮応力が解放されるので、第1層における保持層以外の部分と第2層との間にクラックが生じて第2層が変形する。このとき、第2層に残留する収縮応力は第1層における保持層による第2層の保持力よりも小さいため、第2層はほぼ保持層のみに保持された状態となる。つまり、第2層が保持層を介してベースプレートに繋がった状態で第2層に残留する収縮応力が解放された状態になる。この状態で変形した第2層の形状を切削加工して正規の形状にした後に、第2層を保持層から切り離しても、第2層に残留する収縮応力は既に解放されているため、第2層はほとんど変形しない。したがって、金属造形物(第2層)を精度よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の金属積層造形装置の側面模式図。
図2】ベースプレート上に第1層を形成したときの状態を示す平面模式図。
図3図2の3-3線矢視断面図。
図4】ベースプレート上の第1層の上に第2層を形成したときの状態を示す平面模式図。
図5図4の5-5線矢視断面図。
図6】ベースプレート上の第1層の上で第2層が収縮応力の解放によって変形したときの状態を示す断面模式図。
図7図6において変形した第2層を切削加工によって正規の形状にしたときの状態を示す断面模式図。
図8】完成した金属造形物の側面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、金属積層造形方法の一実施形態を図面に従って説明する。
<金属積層造形装置11>
図1に示すように、金属積層造形装置11は、矩形状のベースプレート12を支持する矩形板状のステージ13と、昇降機構14と、リコーター15と、レーザー発振器16と、ガルバノスキャナー17と、金属を切削する切削機構18とを備えている。
【0009】
ステージ13上には、ベースプレート12が例えばボルト(図示略)によって着脱自在に固定される。昇降機構14は、ステージ13を上下に移動させる。リコーター15は、ベースプレート12の上方において3次元的に自由に移動可能に構成されている。リコーター15は、移動しながら金属粉末材料19をベースプレート12上に薄く均一に敷くように供給する。
【0010】
レーザー発振器16は、ベースプレート12の上方に配置されたガルバノスキャナー17に向けてレーザービーム20を発振する。ガルバノスキャナー17は、レーザー発振器16から発振されたレーザービーム20を反射してベースプレート12上に敷かれた金属粉末材料19に照射する。
【0011】
ガルバノスキャナー17は、レーザー発振器16から発振されたレーザービーム20をベースプレート12上の任意の位置に照射可能に構成されている。ベースプレート12上に敷かれた金属粉末材料19におけるレーザービーム20が照射された部分は、レーザービーム20によって焼結される。
【0012】
切削機構18は、ベースプレート12の上方において3次元的に自由に移動可能に構成されている。切削機構18は、例えばエンドミルなどの回転工具21を有している。切削機構18における回転工具21は、種類が異なる例えばドリルなどの別の回転工具と自由に交換可能に構成されている。切削機構18における回転工具21の交換は、例えば自動的に行われる。
【0013】
<金属積層造形方法>
次に、金属積層造形装置11を用いた金属積層造形方法、すなわち粉末焼結法による金属造形物30の造形方法について説明する。
【0014】
金属造形物30(図8参照)は、例えば、内部に冷却媒体が流れる流路を有した樹脂成型用の金型である。金属造形物30(図8参照)は、第1層形成工程と、第2層形成工程と、切削工程とを経ることによって造形される。金属積層造形方法は、第1層形成工程と、第2層形成工程と、切削工程とを備えている。第1層形成工程、第2層形成工程、及び切削工程は、連続して行われる。
【0015】
<第1層形成工程>
図1及び図2に示すように、第1層形成工程では、まず、ステージ13上に固定されたベースプレート12上に、金属粉末材料19を薄く均一に敷くようにリコーター15を移動させながら供給することで、金属粉末層22を形成する。金属粉末材料19として用いられる金属としては、例えば、マルエージング鋼、ステンレス、チタンなどが挙げられる。続いて、金属粉末層22にレーザービーム20を照射しながら走査して金属粉末層22全体を焼結させることによって金属層の一例としての第1金属層23を形成する。
【0016】
このとき、図2に示すように、第1金属層23の中央部に保持層24を形成する。保持層24は、第1金属層23における保持層24以外の部分である一般層25よりも密度を大きくした部分である。この場合、一般層25を形成するときのレーザービーム20の走査速度は、保持層24を形成するときのレーザービーム20の走査速度よりも速くする。さらにこの場合、一般層25を形成するときのレーザービーム20の走査ピッチを、保持層24を形成するときのレーザービーム20の走査ピッチよりも大きくする。
【0017】
つまり、第1金属層23は、一般層25の方が保持層24よりも密度が小さくなるように形成する。一層分の第1金属層23を形成した後は、ステージ13を一層分の第1金属層23の厚さ分だけ下降させる。すなわち、ステージ13を第1金属層23の積層ピッチ分だけ下降させる。
【0018】
その後、上述した一層目の第1金属層23を形成する場合と同様にして、一層目の第1金属層23の上に二層目の第1金属層23を積層する。このようにして、第1金属層23を予め設定した所定数の分だけ積層する。これにより、図2及び図3に示すように、ベースプレート12上に、中央部(一部)に保持層24を有した第1層26を、金属造形物30(図8参照)を支持する支持造形物として第1金属層23によって形成する第1層形成工程が完了する。
【0019】
上述のように、第1層26は、金属粉末層22を形成することと、金属粉末層22の全部を焼結させて第1金属層23を形成することとを繰り返して第1金属層23を順次積層することによって形成される。したがって、第1層26は、積層された複数の第1金属層23によって構成される。このため、第1層26における第1金属層23の一般層25によって構成された部分の密度は、第1層26における第1金属層23の保持層24によって構成された部分の密度よりも小さくなっている。保持層24は、第1層26における中央部に配置されている。
【0020】
<第2層形成工程>
図1及び図4に示すように、第2層形成工程では、まず、第1層26上に、金属粉末材料19を薄く均一に敷くようにリコーター15を移動させながら供給することで、金属粉末層22を形成する。続いて、金属粉末層22にレーザービーム20を照射しながら走査して金属粉末層22における予め設定された領域である設定領域を焼結させることによって金属層の一例としての第2金属層27を形成する。
【0021】
金属粉末層22における設定領域は、金属造形物30(図8参照)の形状に合わせて予め設定される。第2金属層27における焼結された領域である被焼結領域以外の領域は、焼結されないので、金属粉末材料19のままになっている。この場合、第2金属層27の被焼結領域を焼結するときのレーザービーム20の走査速度及び走査ピッチは、上述した保持層24を形成するときのレーザービーム20の走査速度及び走査ピッチとそれぞれ同じにする。このため、第2金属層27の被焼結領域は、上述した保持層24と密度が同じになる。
【0022】
第1層26上に一層分の第2金属層27を形成した後は、ステージ13を一層分の第2金属層27の厚さ分だけ下降させる。すなわち、ステージ13を第2金属層27の積層ピッチ分だけ下降させる。その後、上述した一層目の第2金属層27を形成する場合と同様にして、一層目の第2金属層27の上に二層目の第2金属層27を積層する。
【0023】
このようにして、第2金属層27を予め設定した金属造形物30(図8参照)の形状及び大きさに合わせた所定数の分だけ積層する。積層される第2金属層27の各々の被焼結領域は、金属造形物30(図8参照)の形状及び大きさに合わせてそれぞれ設定される。これにより、図4及び図5に示すように、第1層26上に、第2層28を金属造形物30(図8参照)として第2金属層27によって形成する第2層形成工程が完了する。
【0024】
上述のように、第2層28は、金属粉末層22を形成することと、金属粉末層22の一部または全部を焼結させて第2金属層27を形成することとを繰り返して第2金属層27を順次積層することによって形成される。この場合、第2層28は、第1層26によって保持されている。そして、上述したように、第1層26における第1金属層23の一般層25によって構成された部分の密度は、第1層26における第1金属層23の保持層24によって構成された部分の密度よりも小さくなっている。
【0025】
このため、第1層26における第1金属層23の一般層25によって構成された部分による第2層28の保持力は、第1層26における第1金属層23の保持層24によって構成された部分による第2層28の保持力よりも小さくなる。本例では、第1層26における第1金属層23の一般層25によって構成された部分による第2層28の保持力は、第1層26における第1金属層23の保持層24によって構成された部分による第2層28の保持力の3割程度になっている。
【0026】
そして、第2層28は、第2金属層27の積層の過程で、第2金属層27の被焼結領域の焼結(溶融及び固化)を繰り返すため、例えば図5における第2層28の左右方向の両端部から左右方向の中央部に向かう収縮応力が残留した状態となる。
【0027】
この残留応力は、第1層26における第1金属層23の一般層25によって構成された部分による第2層28の保持力よりも大きいとともに、第1層26における第1金属層23の保持層24によって構成された部分による第2層28の保持力よりも小さくなる。このため、図6に示すように、第2層28の残留応力により、第2層28と第1層26における第1金属層23の一般層25によって構成された部分との間にクラック29が生じて第2層28が反るように変形する。
【0028】
これにより、第2層28は、その残留応力がほぼ解放された状態になる。そして、第2層28は、ほぼ第1層26における第1金属層23の保持層24によって構成された部分のみによって支持された状態となる。
【0029】
<切削工程>
切削工程は、第2層形成工程の後に、第2層形成工程で変形した図6に示す第2層28を図1に示す切削機構18の回転工具21によって切削加工することにより、第2層28が図7に示す正規の形状となるように仕上げる工程である。
【0030】
図7に示すように、切削工程で第2層28を正規の形状に仕上げた後は、ステージ13上からベースプレート12を取り外す。その後、後工程で第2層28を図7における二点鎖線Lで示す切断位置において切断する。つまり、第2層28における金属造形物30として採用する部分をベースプレート12側から切り離すことで、図8に示す金属造形物30が得られる。このとき、切り離した図8に示す金属造形物30は、その残留応力がほぼ解放された状態になっているため、残留応力によって変形することはほとんどない。したがって、図8に示す金属造形物30を精度よく製造できる。
【0031】
<実施形態の効果>
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)金属積層造形方法は、ベースプレート12上に、一部に保持層24を有した第1層26を、金属造形物30を支持する支持造形物として第1金属層23によって形成する第1層形成工程と、第1層26上に、第2層28を金属造形物30として第2金属層27によって形成する第2層形成工程と、を備える。第1層26における保持層24以外の部分の密度は、保持層24の密度及び第2層28の密度よりも小さくなっている。
【0032】
通常、ベースプレート上に金属層を積層して金属造形物を造形すると、金属粉末層の焼結(溶融及び固化)による金属層の形成によって生じる収縮応力が金属造形物に残留した状態となる。この状態で金属造形物をベースプレートから切り離すと、金属造形物に残留する収縮応力が解放されて金属造形物が大きく変形してしまう。この点、上記構成によれば、第1層26(支持造形物)における保持層24以外の部分である一般層25の密度は、保持層24の密度及び第2層28(金属造形物30)の密度よりも小さくなっている。このため、第1層26上に第2層28を形成すると、第2層28に残留する収縮応力が第1層26の一般層25による第2層28の保持力よりも大きくなる。したがって、第2層28に残留する収縮応力が解放されるので、第1層26の一般層25と第2層28との間にクラック29が生じて第2層28が変形する。このとき、第2層28に残留する収縮応力は第1層26の保持層24による第2層28の保持力よりも小さいため、第2層28はほぼ保持層24のみに保持された状態となる。つまり、第2層28が保持層24を介してベースプレート12に繋がった状態で第2層28に残留する収縮応力が解放された状態になる。この状態で変形した第2層28の形状を切削加工して正規の形状にした後に、第2層28を保持層24から切り離しても、この切り離した第2層28である金属造形物30に残留する収縮応力は既に解放されているため、金属造形物30はほとんど変形しない。したがって、金属造形物30(第2層28)を精度よく製造することができる。
【0033】
(2)金属積層造形方法は、第2層形成工程を行った後に、第2層28を切削加工する切削工程を備える。
上記構成によれば、第2層形成工程で形成されるとともに収縮応力の解放によって変形した第2層28は、保持層24によって保持された状態で切削工程が行われる。このため、第2層形成工程と切削工程とを連続して行うことができる。したがって、第2層28を保持層24から切り離した後に、後工程で切削工程を行う場合に比べて、金属造形物30(第2層28)を効率よく製造することができる。
【0034】
(3)金属積層造形方法において、保持層24は、第1層26における中央部に配置されている。
上記構成によれば、第2層28に残留する収縮応力が解放されて第1層26の一般層25と第2層28との間にクラック29が生じて第2層28が変形した場合でも、第2層28を保持層24のみによって安定して保持することができる。
【0035】
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0036】
・保持層24は、必ずしも第1層26における中央部に配置する必要はない。すなわち、保持層24は、例えば第1層26における端部に配置してもよい。
・金属積層造形方法において、切削工程は、省略してもよい。この場合、切削工程は、後工程で行われる。
【0037】
・第1層26における保持層24の密度は、一般層25の密度よりも大きければ、第2層28の密度よりも小さくしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
11…金属積層造形装置
12…ベースプレート
13…ステージ
14…昇降機構
15…リコーター
16…レーザー発振器
17…ガルバノスキャナー
18…切削機構
19…金属粉末材料
20…レーザービーム
21…回転工具
22…金属粉末層
23…金属層の一例としての第1金属層
24…保持層
25…一般層
26…第1層
27…金属層の一例としての第2金属層
28…第2層
29…クラック
30…金属造形物
L…二点鎖線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8