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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183619
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ポリエステル系容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 23/08 20060101AFI20231221BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20231221BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65D23/08 B BRH
G09F3/00 Z
G09F3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097222
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 彩佳
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC02
3E062AC08
3E062BB02
3E062BB10
3E062DA02
3E062DA07
3E062JA04
3E062JB04
3E062JC02
3E062JC07
(57)【要約】
【課題】ポリエステル系容器と同素材からなる樹脂基材および粘着剤を備える粘着ラベルが貼付されたポリエステル系容器をリサイクルした際に、リサイクル品の黄色度やヘーズを所定値以下とすることができるポリエステル系容器を提供する。
【解決手段】ポリエステル系容器は、粘着ラベルが貼付されて構成するポリエステル系容器であって、前記粘着ラベルは、ポリエステル系樹脂基材と、ポリエステル系粘着剤層と、を有し、前記粘着ラベルの質量は、前記ポリエステル系容器から前記粘着ラベルを引いた質量の5%未満である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着ラベルが貼付されて構成するポリエステル系容器であって、
前記粘着ラベルは、
ポリエステル系樹脂基材と、
ポリエステル系粘着剤層と、を有し、
前記粘着ラベルの質量は、前記ポリエステル系容器から前記粘着ラベルを引いた質量の5%未満である、ポリエステル系容器。
【請求項2】
前記粘着ラベルの全光線透過率は70%以上である、請求項1に記載のポリエステル系容器。
【請求項3】
前記粘着ラベルは、
前記ポリエステル系樹脂基材の、前記ポリエステル系粘着剤が設けられる側と反対側に設けられ、ポリエステル系樹脂を含む脱離コート層をさらに有する、請求項1または2に記載のポリエステル系容器。
【請求項4】
前記粘着ラベルは、
前記脱離コート層の、前記ポリエステル系樹脂基材が設けられる側と反対側に設けられるアルカリ非溶解コート層をさらに有する、請求項3に記載のポリエステル系容器。
【請求項5】
前記アルカリ非溶解コート層は、ウレタン変性ポリエステル樹脂である、請求項4に記載のポリエステル系容器。
【請求項6】
前記アルカリ非溶解コート層に含まれる樹脂が架橋体である、請求項4に記載のポリエステル系容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境汚染、石油資源の枯渇などの問題から、ポリエステル系容器のリサイクル化が強く望まれている。ポリエステル系容器の中でも、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルのリサイクル化が望まれている。
【0003】
ポリエステル系容器のマテリアルリサイクル化においては、通常容器をフレーク状に破砕した後、加熱溶融して全体を均質化し、得られた再生樹脂をポリエステル系容器の素材として用いるものである。
【0004】
通常、PETボトルのようなポリエステル系容器には、その表面に様々な情報が記録された粘着ラベル(ラベルとも称する)が貼付されている。このようなラベル付PETボトルなどのポリエステル系容器をマテリアルリサイクル化する際に、ラベルの樹脂基材とポリエステル系容器を構成する樹脂とが相溶性を有しない場合には、ラベルを構成する樹脂基材および粘着剤が異物として作用し、再生樹脂の機械特性が低下するという問題が生じる。したがって、このような場合には、ポリエステル系容器に貼付されているラベルを剥離してから、ペレット状に破砕し、加熱溶融することが必要である。しかしながら、ポリエステル系容器からラベルを剥離する操作は、極めて煩雑で手間がかかるとともにリサイクル処理費が高くなり、作業上も経済上も不利になるという問題が生じている。
【0005】
これに関連して、例えば下記の特許文献1には、被着体であるポリエステル系容器と相溶性を有するポリエステル系の樹脂基材と、ポリエステル系の樹脂基材の片面に配置されるポリエステル系粘着剤と、を有する粘着ラベルが開示されている。このように構成されたラベルによれば、ポリエステル系容器と同素材からなる樹脂基材および粘着剤を使用することにより、ポリエステル系容器からラベルを剥がすことなくリサイクルが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-10489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、ポリエステル系容器と同素材からなる樹脂基材および粘着剤を備える粘着ラベルが貼付されたポリエステル系容器であってもリサイクルした際に、リサイクル品の黄色度やヘーズ(濁度)が所定値よりも高くなってしまい、製品として使用できない場合がある。「黄色度」とは、「イエローインデックス」とも称され、JIS K7373:2006により規定される。「ヘーズ」は、JIS K7136:2000により規定される。
【0008】
本発明者らは、上記課題を鑑みて、鋭意検討した結果、ポリエステル系容器と同素材からなる樹脂基材および粘着剤を備える粘着ラベルが貼付されたポリエステル系容器をリサイクルした際に、リサイクル品の黄色度やヘーズを所定値以下とすることができるポリエステル系容器を発明するに至った。
【0009】
本発明は、ポリエステル系容器と同素材からなる樹脂基材および粘着剤を備える粘着ラベルが貼付されたポリエステル系容器をリサイクルした際に、リサイクル品の黄色度やヘーズを所定値以下とすることができるポリエステル系容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0011】
(1)
粘着ラベルが貼付されて構成するポリエステル系容器であって、
前記粘着ラベルは、
ポリエステル系樹脂基材と、
ポリエステル系粘着剤層と、を有し、
前記粘着ラベルの質量は、前記ポリエステル系容器から前記粘着ラベルを引いた質量の5%未満である、ポリエステル系容器。
【0012】
(2)
前記粘着ラベルの全光線透過率は70%以上である、(1)に記載のポリエステル系容器。
【0013】
(3)
前記粘着ラベルは、
前記ポリエステル系樹脂基材の、前記ポリエステル系粘着剤が設けられる側と反対側に設けられ、ポリエステル系樹脂を含む脱離コート層をさらに有する、(1)または(2)に記載のポリエステル系容器。
【0014】
(4)
前記粘着ラベルは、
前記脱離コート層の、前記ポリエステル系樹脂基材が設けられる側と反対側に設けられるアルカリ非溶解コート層をさらに有する、(3)に記載のポリエステル系容器。
【0015】
(5)
前記アルカリ非溶解コート層は、ウレタン変性ポリエステル樹脂である、(4)に記載のポリエステル系容器。
【0016】
(6)
前記アルカリ非溶解コート層に含まれる樹脂が架橋体である、(4)または(5)に記載のポリエステル系容器。
【発明の効果】
【0017】
本発明のポリエステル系容器によれば、ポリエステル系容器をリサイクルした際に、リサイクル品の黄色度やヘーズを所定値以下とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る粘着ラベルを示す断面模式図である。
図2】本発明の他の実施形態に係る粘着ラベルを示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0020】
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等は、室温(20~25℃)/相対湿度45~55%RHの条件で測定する。
【0021】
粘着ラベルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルのようなポリエステル系容器に貼付される。以下、粘着ラベルが貼付される被着体として、PETボトルを例に挙げて説明する。粘着ラベルの形状としては、特に限定されないが、積層方向から視て、長方形であることが一般的である。なお、粘着ラベルの形状は、三角形や円形状であってもよい。また、ポリエステル系粘着剤層は、例えばポリエステル系樹脂基材の全面に配置されている。
【0022】
本実施形態に係る粘着ラベル10の質量は、ポリエステル系容器から粘着ラベルを引いた質量の0.05%以上5%未満であって、好ましくは、3%未満であって、より好ましくは1.5%以下である。このように粘着ラベルの量を低減することによって、ポリエステル系容器をリサイクルした際に、リサイクル品の黄色度やヘーズを所定値以下とすることができる。粘着ラベルは、情報を付与する目的なので、一定以上の大きさを有する。このようにラベルの大きさを一定以上確保しつつ、ポリエステル系容器が良好にリサイクルされるために、鋭意検討した結果、後述の実施例および比較例を参照すれば理解されるように、粘着ラベルの質量が5%を境に黄色度やヘーズが著しく低下することを見出したものである。黄色度やヘーズは後述する実施例の通り、測定される。
【0023】
また、粘着ラベル10の全光線透過率は、70%以上であって、好ましくは80%以上であって、より好ましくは85%以上である。このように全光線透過率を上記の数値範囲にすることによって、ポリエステル系容器をリサイクルした際に、リサイクル品の黄色度やヘーズを所定値以下とすることができる。なお、「全光線透過率」は、JIS K7361-1:1997により規定される値である。また、粘着ラベルが剥離ライナーを有する場合には、該剥離ライナーを除去した後、粘着剤層が露出した形態で全光線透過率を測定する。
【0024】
粘着ラベルの粘着力は、PETボトルへの接着性を考慮すると、3.5N/25mm以上であることが好ましく、5N/25mm以上であることがより好ましく、6.5N/25mm以上であることがさらにより好ましい。また、粘着ラベルの粘着力は、特に上限値の設定の必要はないが、30N/25mm以下であってもよく、20N/25mm以下であってもよい。なお、被着体への粘着力は、粘着ラベルのポリエステル系粘着剤層面をポリエチレンテレフタレート板に貼付し、24時間後にJIS Z0237:2009に従い、引張試験機により、180°方向に試験速度0.3m/分で測定する。より詳細には、被着体への粘着力は、以下の方法によって測定された値である;粘着ラベルを24時間標準環境下(23℃50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がしてポリエチレンテレフタレート板にポリエステル系粘着剤層面を貼付する。24時間標準環境下に静置後、JIS Z0237:2009にしたがい粘着力を測定する。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度0.3m/分で粘着ラベルを引き剥がし、粘着力を測定する。数値は、フィルム幅25mm当たりの引き剥がし力に換算したもの(N/25mm)である。
【0025】
粘着ラベルの表面積は、1cm以上であることが好ましい。粘着ラベルの表面積が1cm以上であることによって、粘着ラベルに対して、製品情報やリサイクル情報等の消費者に伝えるべき必要最低限の情報を、付与することができる。また、粘着ラベルの表面積は、容器の大きさにより異なるが、例えば100cm以下であることが好ましい。粘着ラベルの表面積が、100cm以下であることによって、黄色度やヘーズの増加を抑制することができる。
【0026】
以下、図1を参照して、粘着ラベル10の構成について説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る粘着ラベル10の断面概略図である。本発明の実施形態に係る粘着ラベル10は、図1に示すように、上から順に、印刷部13、脱離コート層14、ポリエステル系樹脂基材(以下、単に樹脂基材とも称する)16、ポリエステル系粘着剤層15、剥離ライナー30、を有する。剥離ライナー30は、剥離剤層12、剥離基材11がこの順に配置されてなる。脱離コート層14は、アルカリ水に接触すると分解・溶解し、粘着ラベル10から印刷部13を脱離(剥離)させる。これにより、脱離された印刷部13は、表面に浮いているため、回収が容易となる。なお、粘着ラベル10は、各層間または表面にプライマー層などの他の機能層を有していてもよい。ここで、ポリエステル系粘着剤層15は、ポリエステル系樹脂基材16の全面に設けられていることが好ましい。このように全面に設けられることによって、粘着ラベルのポリエステル系容器に対する粘着力が向上し、リサイクル完了までポリエステル系容器に対して粘着ラベルを好適に付着させられる。
【0028】
図2は、他の実施形態に係る粘着ラベル20の断面概略図である。粘着ラベル20は、印刷部13および脱離コート層14の間にアルカリ非溶解コート層17を有する。すなわち、アルカリ非溶解コート層17を、ポリエステル系樹脂基材16と相対する脱離コート層14上に有する。アルカリ非溶解コート層17は、アルカリ剥離の際には溶解せずに樹脂のまま残るために、上部の印刷部13とともに膜形状として脱離される。つまり、印刷部が細かくならずに一定以上の大きさをもっているため、回収が容易となる。ここで、「脱離コート層」上とは、脱離コート層と、アルカリ非溶解コート層と、が隣接している形態だけではなく、脱離コート層とアルカリ非溶解コート層との間に他の層が存在していてもよい。好ましい形態は、脱離コート層と、アルカリ非溶解コート層と、が隣接している形態である。
【0029】
また、樹脂基材16およびポリエステル系粘着剤層15の間には、脱離コート層がない形態が好ましい。好適な一形態は、樹脂基材16とポリエステル系粘着剤層15とが隣接してなる。樹脂基材16とポリエステル系粘着剤層15との間には、脱離コート層がなく、樹脂基材16と印刷部13、または樹脂基材16とアルカリ非溶解コート層17の間に脱離コート層14があることで、アルカリ水に接触した時に樹脂基材16は、ポリエステル容器(被着体)から剥離せず、ポリエステル系粘着剤層15と樹脂基材16はポリエステル容器に貼付された状態のままになる。ゆえに、樹脂基材16およびポリエステル系粘着剤層15の双方をリサイクルすることが可能となる。
【0030】
「ラベル」の概念には、フィルム、シート、テープ等と称されるものが包含される。
【0031】
以下、各構成要素について説明する。
【0032】
<印刷部13>
印刷部は情報を表示するための層であり、本発明においては任意の層である。印刷部がどのように形成されるか特に限定されず、例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等によって形成される。
【0033】
印刷部に標示される情報は、例えば、文字、数字、イラスト、写真、グラフ等であってもよく、または、それらの組み合わせ等であってもよい。
【0034】
<アルカリ非溶解コート層17>
アルカリ非溶解コート層は印刷部の下層に配置される層であり、アルカリ剥離の際には溶解せずに樹脂のまま残るために、印刷部が膜形状として脱離され、印刷部の回収が行われやすい。このため、アルカリ非溶解コート層は、印刷面に配置されることが好ましい。アルカリ非溶解コート層は、本発明において、任意の層である。
【0035】
アルカリ非溶解コート層は樹脂を主成分とする。ここで、主成分とは、アルカリ非溶解コート層中、60質量%以上(上限100質量%)含むことを指す。樹脂はアルカリ非溶解性である。ここで、アルカリ非溶解性とは、例えば、70℃1.5質量%水酸化ナトリウム水溶液(pH13.6)に対して溶解量が20質量%以下(下限0質量%)、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下であることを指す。
【0036】
アルカリ非溶解コート層を形成する樹脂としては、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル(共)重合体、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。中でも高い印刷密着性が得られることから、アルカリ非溶解コート層を形成する樹脂は、ウレタン変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。また、アルカリ非溶解コート層を形成する樹脂は、アルカリ水への溶解性を低下させることから、酸価が3KOHmg/g以下であることが好ましく、2KOHmg/g以下であることがより好ましい。
【0037】
ウレタン変性ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリオールとカルボン酸成分とを縮重合させて得られた重合体の末端にヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールに、各種のポリイソシアネート化合物を反応させて得られた重合体(ポリエステルウレタン)等を挙げることができる。
【0038】
ポリイソシアネート化合物としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびナフタレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0039】
ウレタン変性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000~100,000であることが好ましく、5,000~50,000であることがより好ましい。ここで、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算による数平均分子量である。
【0040】
ウレタン変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、例えば、100℃以下であることが好ましく、-40~100℃であることがより好ましい。
【0041】
なお、本発明において、数平均分子量(Mn)の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される標準ポリスチレン換算の値であり、具体的には以下に記載の方法に基づいて測定した値である
(1)数平均分子量(Mn)
ゲル浸透クロマトグラフ装置(東ソー社製、製品名「HLC-8320」)を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて測定した値を用いる。
・カラム:「TSK guard column super H-H」「TSK gel super HM-H(×2)」「TSK gel super H2000」(いずれも東ソー社製)
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1.0mL/min
(2)ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121:2012に準拠し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、製品名「DSC Q2000」)を用いて、昇温速度20℃/分にて測定する。
【0042】
ウレタン変性ポリエステル樹脂は市販品を用いてもよく、市販品としては、バイロンシリーズ(商品名):東洋紡社製などが挙げられ、バイロンUR-2300(数平均分子量32,000、Tg18℃、酸価1KOHmg/g未満)、バイロンUR-3200(数平均分子量40,000、Tg-3℃、酸価1KOHmg/g未満)、バイロンUR-3210(数平均分子量40,000、Tg-3℃、酸価1KOHmg/g未満)、バイロンUR-6100(数平均分子量25,000、Tg-30℃、酸価1KOHmg/g未満)、バイロンUR-8200(数平均分子量25,000、Tg73℃、酸価1KOHmg/g未満)、バイロンUR-8300(数平均分子量30,000、Tg23℃、酸価1KOHmg/g未満)、バイロンUR-8700(数平均分子量32,000、Tg-22℃、酸価1KOHmg/g未満)などを好ましく用いることができる。
【0043】
アルカリ非溶解コート層中、樹脂の含有量は、80~100質量%であることが好ましく、90~99質量%であることがより好ましい。
【0044】
アルカリ非溶解コート層に含まれる樹脂は架橋体であることが好ましい。樹脂が架橋体であることで、アルカリ水への溶解性が一層低下するため好ましい。樹脂を架橋体とするためには、後述する、アルカリ非溶解コート層を形成するためのアルカリ非溶解コート層形成用組成物中に架橋剤を含有させればよい。この際、架橋剤は、樹脂中の架橋性反応基と反応する架橋剤が適宜選択される。特に架橋性反応基であるカルボキシル基と反応する架橋剤を選択することで、樹脂に残存するカルボキシル基を架橋させることができ、アルカリ水に対する溶解性が一層低下するため、好ましい。
【0045】
カルボキシル基と反応しうる架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。
【0046】
中でも、架橋後のコート層において高い印刷密着性が得られることから、架橋剤がイソシアネート系架橋剤であることが好ましい。イソシアネート系架橋剤としては、上述したポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
【0047】
上記架橋剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0048】
架橋剤の添加量は、樹脂の架橋性反応基量などを考慮して適宜設定されるが、樹脂100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましい。
【0049】
アルカリ非溶解コート層の厚さは、印刷部の回収のしやすさ、および薄膜性を考慮すると、0.05~1μmであることが好ましく、0.05~0.5μmであることがより好ましい。
【0050】
アルカリ非溶解コート層は、触媒、紫外線吸収剤、顔料、フィラーなどの添加剤を含んでいてもよい。
【0051】
<脱離コート層14>
脱離コート層は、酸価が10KOHmg/g以上である水性ポリエステル系樹脂を含むコート層形成用組成物から形成された層である。脱離コート層は、本発明において、任意の層である。
【0052】
脱離コート層の厚さは、アルカリ浸漬したときの脱墨性(印刷インクの除去性)の観点から、0.01~3μmであることが好ましく、0.03~1μmであることがより好ましく、0.05~0.5μmであることがさらにより好ましい。
【0053】
脱離コート層の形成材料である脱離コート層形成用組成物は、酸価が10KOHmg/g以上である水性ポリエステル系樹脂(以下、単に「水性ポリエステル系樹脂」ともいう)を含む。
【0054】
「水性ポリエステル系樹脂」は、水性溶媒に溶解して水溶液の形態をとり得るポリエステル系樹脂、もしくは、水性溶媒中にエマルションとして分散した水分散体の形態をとり得るポリエステル系樹脂を意味する。このような「水性」のポリエステル系樹脂を用いることで、塗工時の揮発性有機化合物排出量の削減が可能である。ここで、水性溶媒とは水を60質量%以上(上限100質量%)含有されたものを指し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上であり、最も好ましくは水系溶媒が95質量%以上である。
【0055】
水性溶媒中に含まれる水以外の成分としては、水に溶解する有機溶剤を挙げることができる。水に溶解する有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテルなどが挙げられる。
【0056】
なお、本発明の一態様において、水中で水性ポリエステル系樹脂のエマルションとして分散した水分散体とするために、本発明の効果を損なわない範囲において、少量の乳化剤や界面活性剤等を用いてもよい。
【0057】
ただし、乳化剤や界面活性剤等の低分子量成分は、脱離コート層中で局在化することで、接着性が低下し、層間密着性の低下の原因となる場合がある。当該現象を抑制する観点から、本発明の一態様において、水性ポリエステル系樹脂は、自己乳化型の水性ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
【0058】
自己乳化型の水性ポリエステル系樹脂であれば、層間密着性の低下の原因となる乳化剤や界面活性剤等の低分子量成分を使用せずにエマルションを形成することもできるため、得られる粘着シートの層間密着力をより向上させることができる。なお、「自己乳化型」とは、樹脂骨格に何らかの親水性基を化学的に導入し、乳化剤や界面活性剤の添加を必要とせず、樹脂自体が乳化能を有することを意味する。
【0059】
水性ポリエステル系樹脂の酸価は、10KOHmg/g以上であり、好ましくは15KOHmg/g以上、より好ましくは20KOHmg/g以上、更に好ましくは30KOHmg/g以上、より更に好ましくは40KOHmg/g以上、特に好ましくは50KOHmg/g以上である。本明細書において、水性ポリエステル系樹脂の酸価は、JIS K 0070:1992に準拠して測定した値である。
【0060】
本発明の一態様で用いる水性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、樹脂基材との層間密着性を向上させる観点から、好ましくは30~55℃、より好ましくは33~50℃、更に好ましくは36~48℃である。
【0061】
水性ポリエステル系樹脂の数平均分子量(Mn)としては、水への溶解性又は分散性を良好とし、形成されるプライマー層と、基材及び/又は粘着剤層との層間密着性を向上させる観点から、好ましくは1,000~15,000、より好ましくは1,500~10,000、更に好ましくは2,000~5,000である。水性ポリエステル系樹脂のMnが比較的低分子であるこのような範囲であれば、水への溶解性や分散性が十分に高くなり、塗工液を長期間安定的に保存可能であるため好ましい。
【0062】
本発明の一態様で用いる水性ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる共重合体、及び当該共重合体の変性物等が挙げられる。
【0063】
当該共重合体の変性物としては、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる共重合体の末端に有するヒドロキシル基とポリイソシアナート化合物とが反応して得られるポリウレタン変性ポリエステル系樹脂等が挙げられる。本発明においては、このような水性ポリエステル樹脂の変性物も「水性ポリエステル系樹脂」に含まれる。
【0064】
アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを使用することができる。
【0065】
具体的なアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、3-メチル-4,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル等のグリコール類;これらのグリコール類にε-カプロラクトン等のラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のポリエステルジオール類;1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、スピログリコール、ジヒドロキシメチルトリシクロデカン等の二価環式アルコール;ビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等の三価以上の多価アルコールが挙げられる。これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0066】
カルボン酸成分としては、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸を使用することができる。
【0067】
具体的なカルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4-ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン-4,4'-ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸及びこれらの無水物;トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、テトラクロロヘキセントリカルボン酸等のトリカルボン酸及びこれらの無水物;1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸等のテトラカルボン酸及びその無水物等が挙げられる。これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0068】
本発明の一態様で用いる水性ポリエステル系樹脂は、酸価を上記範囲に調整する観点から、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸に由来する構成単位を有することが好ましく、トリカルボン酸又はトリカルボン酸の無水物に由来する構成単位を有することがより好ましい。
【0069】
また、本発明の一態様で用いる水性ポリエステル系樹脂は、上記と同様の観点から、カルボキシル基を含有する水性ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
【0070】
(粒子)
脱離コート層形成用組成物は、耐ブロッキング性を向上させるなどの目的で、粒子を含有していてもよい。
【0071】
粒子としては、水分散性であれば無機粒子、有機粒子のいずれであってもよい。無機粒子としては、例えば、ジルコニア、シリカ、二酸化チタン、カオリン、アルミナ、チタニア、ゼオライト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、ガラス、マイカ、タルクなどが挙げられる。有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ポリスチレン系粒子、スチレン-アクリル系樹脂粒子、ポリカーボネート系粒子などが挙げられる。中でも、シリカであることが好ましい。
【0072】
脱離コート層形成用組成物中の粒子の含有量は、所望の目的(例えば、耐ブロッキング性向上)を達成するために適宜設定されるが、例えば、水性ポリエステル系樹脂100質量部に対して、0.1~10質量部である。
【0073】
粒子の平均粒子径は、所望の目的を考慮して適宜設定されるが、例えば、耐ブロッキング性向上を目的とすれば、0.1~1μmであることが好ましく、0.3~0.6μmであることがより好ましい。本明細書において、平均粒子径は、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径を言い、例えば、粒子の分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(ベックマン・コールター社製TA-II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
【0074】
(汎用添加剤、他の樹脂成分)
本発明の一態様で用いる脱離コート層形成用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、上述の水系ポリエステル系樹脂や粒子以外に、酸化防止剤などの汎用添加剤を含有していてもよい。
【0075】
<樹脂基材16>
樹脂基材として、被着体のPETボトルと相溶性を有する同じ素材であるポリエステル系フィルムを使用することが必要である。すなわち、樹脂基材は、ポリエステル系樹脂基材である。再生樹脂の機械特性などの品質の点から、ポリエステル系フィルムの樹脂基材としては、PETボトルに使用されている樹脂の組成に近いものを用いることが特に有利である。このポリエステル系フィルムに使用される樹脂基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂を挙げることができ、これらの中から、被着体のPETボトルに使用されている樹脂の種類に応じて、それと相溶性のある樹脂基材が得られるように、一種又は二種以上を適宜選択して用いればよい。
【0076】
ここで、相溶性とは、PETボトルを加熱溶融する際の温度で溶融し、かつ溶融したPETボトルの樹脂基材とよく混和し、その再生品の特性を低下させないことを意味する。なお、PETボトルを構成する樹脂基材が、相溶性のある樹脂二種以上の混合物である場合、樹脂基材16の樹脂としては、PETボトルを構成する樹脂混合物の中の1つの樹脂を用いることができる。
【0077】
樹脂基材16の厚さは特に制限はなく、用途などに応じて適宜選定されるが、一般には25~100μmの範囲であることが好ましい。粘着ラベルを容器に貼付する際に、生産効率の観点から、ラベリング装置を用いて容器に粘着ラベルを貼付するラベリング工程を設ける場合がある。樹脂基材16の厚みを25μm以上とすることで、ラベリング工程での剥離ライナー30からの粘着ラベルの剥離性に優れる。また、樹脂基材16の厚みを100μm以下とすることで、ラベリング装置に設置するロールの巻き長を十分に長くでき、ロールの交換頻度を下げて、作業効率を高めることができる。この樹脂基材16としては、従来公知の方法、例えば押出し法、カレンダー法、溶液コーティング法、キャスティング法など、いずれの製膜方法により得られたものであってもよい。
【0078】
本発明においては、この樹脂基材16には、その上に設けられるコート層や、反対面に設けられるポリエステル系粘着剤層15との密着性を向上させる目的で、所望により、片面あるいは両面に表面処理を施すことができる。この表面処理方法としては、例えばサンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面の酸化処理などが挙げられる。また、樹脂基材16には、顔料などの着色剤が含まれていてもよい。
【0079】
<ポリエステル系粘着剤層15>
次に、ポリエステル系粘着剤層15について説明する。ポリエステル系粘着剤層15は、ポリエステル系樹脂(A)を主成分とするポリエステル系粘着剤組成物から形成される。
【0080】
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(A)は、構成原料として、多価カルボン酸成分(A1)及びポリオール成分(A2)を含む共重合成分を共重合することにより得られる。
【0081】
〔多価カルボン酸成分(A1)〕
本発明で用いられる多価カルボン酸成分(A1)としては、例えば、
テレフタル酸、イソフタル酸、ベンジルマロン酸、ジフェン酸、4、4′-オキシジ安息香酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;
マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2、2-ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸;
1、3-シクロペンタンジカルボン酸、1、2-シクロヘキサンジカルボン酸、1、3-シクロペンタンジカルボン酸、1、4-シクロヘキサンジカルボン酸、2、5-ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;
等の二価カルボン酸があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
【0082】
これらの中でも、凝集力を付与する点から、芳香族ジカルボン酸を含むことが好ましい。
【0083】
かかる芳香族ジカルボン酸の含有割合としては、多価カルボン酸成分(A1)全体に対して、50モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは5~40モル%、特に好ましくは10~30モル%である。かかる含有割合が多すぎるとガラス転移温度が高くなり、充分な粘着性能が得られなくなる傾向がある。
【0084】
また、タック感を付与する点からは、脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましく、特には炭素数が4~12の脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましい。
【0085】
かかる脂肪族ジカルボン酸の含有割合としては、多価カルボン酸成分(A1)全体に対して、20モル%以上であることが好ましく、より好ましくは50モル%~95モル%、さらに好ましくは70~90モル%である。かかる含有割合が低すぎるとガラス転移温度が高くなり充分な粘着力が得られなくなる傾向があり、かかる含有割合が高すぎると密着成分が少なくなることにより、極性被着体への粘着力が低下する傾向がある。
【0086】
本発明においては、粘着物性のバランスの点から、多価カルボン酸成分(A1)として、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸を併用することが好ましく、含有比率(モル比)としては、芳香族ジカルボン酸/脂肪族ジカルボン酸=1/99~90/10であることが好ましく、より好ましくは芳香族ジカルボン酸/脂肪族ジカルボン酸=5/95~49/51、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸/脂肪族ジカルボン酸=10/90~30/70である。
【0087】
なお、ポリエステル系樹脂(A)中に分岐点を増やす目的で、三価以上の多価カルボン酸を用いることもでき、かかる三価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、アダマンタントリカルボン酸、トリメシン酸等があげられる。中でも比較的、ゲル化が発生しにくい点でトリメリット酸を用いることが好ましい。かかる三価以上の多価カルボン酸の含有割合としては、粘着剤の凝集力を高めることができる点で、多価カルボン酸成分(A1)全体に対して、好ましくは10モル%以下、特に好ましくは0.1~5モル%であり、かかる含有量が多すぎるとポリエステル系樹脂(A)の製造時にゲル化が生じやすい傾向がある。
【0088】
〔ポリオール成分(A2)〕
本発明で用いられるポリオール成分(A2)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2、4-ジメチル-2-エチルヘキサン-1、3-ジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1、3-シクロブタンジオール等の脂環族ジオール;4,4′-チオジフェノール、4,4′-メチレンジフェノール、4,4′-ジヒドロキシビフェニル、o-、m-及びp-ジヒドロキシベンゼン、2,5-ナフタレンジオール、p-キシレンジオール及びそれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体等の芳香族ジオール;等の二価アルコールが挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
【0089】
これらの中でも、反応性に優れる点で、脂肪族ジオール、脂環族ジオールが好ましく、特に好ましくは、脂肪族ジオールとしてはエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールであり、脂環族ジオールとしては1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1、4-シクロヘキサンジメタノールである。
【0090】
また、ポリエステル系樹脂(A)中に分岐点を増やす目的で三価以上の多価アルコールを用いることもでき、三価以上の多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1、3、6-ヘキサントリオール、アダマンタントリオール等があげられる。かかる三価以上の多価アルコールの含有割合としては、ポリオール成分(A2)全体に対して、好ましくは10モル%以下、特に好ましくは0.1~5モル%であり、かかる含有割合が多すぎるとポリエステル系樹脂(A)の製造が困難となる傾向がある。
【0091】
多価カルボン酸成分(A1)とポリオール成分(A2)の配合割合としては、多価カルボン酸成分(A1)1当量あたり、ポリオール成分(A2)が1~2当量であることが好ましく、特に好ましくは1.1~1.7当量である。ポリオール成分(A2)の含有割合が低すぎると、酸価が高くなり高分子量化が困難となる傾向があり、高すぎると収率が低下する傾向がある。
【0092】
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(A)は、上記多価カルボン酸成分(A1)とポリオール成分(A2)を任意に選び、これらを触媒存在下、公知の方法により重縮合反応させることにより製造される。
【0093】
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(A)の数平均分子量は、凝集力、耐熱性、機械的強度、粘着性などの観点から、5,000~100,000であることが好ましく、より好ましくは10,000~100,000、さらに好ましくは15,000~80,000である。
【0094】
通常はポリエステル系樹脂(A)を架橋剤を用いて架橋させることにより凝集力に優れたものとなり、粘着剤としての性能を発揮する。かかる架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物(イソシアネート系架橋剤)、ポリエポキシ化合物など、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基および/またはカルボキシル基と反応する官能基を有する化合物があげられる。これらの中でも初期粘着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、特に好ましくはポリイソシアネート化合物である。ポリイソシアネート系化合物としては、アルカリ非溶解コート層17の説明で記載したものが使用できる。
【0095】
かかる架橋剤の配合量は、ポリエステル系樹脂(A)の分子量と用途目的により適宜選択できるが、通常は、粘着性等を考慮すると、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、0.5~5質量部とすることが好ましい。
【0096】
ポリエステル系粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、従来公知の、加水分解抑制剤、軟化剤、紫外線吸収剤、安定剤、耐電防止剤、粘着付与剤などの添加剤を配合することができる。
【0097】
ポリエステル系粘着剤層15の貯蔵弾性率は、23℃、周波数1Hzにおいて、好ましくは1×10~100×10Pa、より好ましくは5×10~50×10Paの範囲である。ポリエステル系粘着剤層15の貯蔵弾性率G’が100×10Pa以下であれば、粘着力が担保されやすい。一方、粘着剤層の貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上であれば、凝集力が担保されやすい。粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、粘着剤層に含まれる重合体(粘着剤)を構成するモノマーの種類、分子量及び配合比、並びに重合体の重合度、さらに架橋剤を含む場合には、架橋剤量(重合体の架橋密度)などを適宜変更することによって調整することができる。
【0098】
粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて決定する。2枚の剥離ライナー間に500μm~1mmの厚み(例えば、800μm)の粘着剤層を形成した積層体を直径8mmの円盤状に打抜き、剥離ライナーを除去した後のものを、粘着剤層試料とする。-50℃~150℃の温度範囲において5℃/分の昇温速度及び周波数1Hzの剪断モードで測定を行ったときの、23℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を記録する。
【0099】
粘着剤層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、5~100μmであり、10~50μmであってもよい。
【0100】
<剥離ライナー30>
剥離ライナー30は、図1に示すように、剥離基材11と、剥離剤層12と、を有する。本発明において、剥離ライナーは任意の層である。
【0101】
剥離基材としては、紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、またはポリエステル系フィルムが挙げられる。
【0102】
熱可塑性樹脂のラミネート層の厚みは、例えば、10~40μmである。
【0103】
ラミネート紙における紙基材としては、グラシン紙、上質紙などが挙げられる。
【0104】
ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等を用いることができる。
【0105】
剥離ライナー30の厚みは、25~100μmであることが好ましい。剥離ライナー30の厚みを25μm以上とすることで、粘着ラベルの抜き加工適性に優れる。また、剥離ライナー30の厚みを100μm以下とすることで、ラベリング工程での剥離ライナーのポリエステル系粘着剤層に対する剥離性に優れる。
【0106】
剥離剤を構成する剥離剤としては、シリコーン系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、フッ素系剥離剤、ゴム系剥離剤などが挙げられる。これらの中では、シリコーン系剥離剤が好ましい。剥離剤層の厚みは、通常0.01~5μm程度である。
【0107】
<製造方法>
本発明の粘着ラベルの製造方法は、特に限定されるものではないが、粘着ロールまたはシートを作製した後、必要に応じ印刷、半抜き加工、カス上げを行い、粘着ラベルを製造する方法が挙げられる。粘着ロールまたはシートの製造方法は、(1)剥離ライナー上にポリエステル系粘着剤組成物を塗工してポリエステル系粘着剤層を形成した後、これを樹脂基材に貼り合わせる方法、(2)樹脂基材上にポリエステル系粘着剤組成物を直接塗工してポリエステル系粘着剤層を形成した後に剥離ライナーを貼り合わせる方法等が挙げられる。
【0108】
粘着剤組成物の樹脂基材または剥離ライナーへの塗工方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。
【0109】
また、樹脂基材には、予め、コート層、アルカリ非溶解コート層を形成することができる。
【0110】
各コート層は、樹脂、必要に応じて添加剤、さらに溶媒を混合してコート層形成用組成物(脱離コート層形成用組成物またはアルカリ非溶解コート層形成用組成物、以下、まとめて単にコート層形成用組成物とも称する。)を準備する。溶媒は、樹脂の形態によって適宜選択され、樹脂が水系ポリエステル樹脂の場合には、溶媒は、例えば、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール等)が好ましく、水がより好ましい。溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、樹脂がウレタン変性ポリエステル樹脂の場合には、溶媒は、例えば、トルエンやメチルエチルケトン、酢酸エチルである。
【0111】
その後、樹脂基材やコート層に対して、コート層形成用組成物を塗布してコート層(脱離コート層またはアルカリ非溶解コート層)を形成する。塗布の方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法、例えば、樹脂基材上にコート層形成用組成物を塗布し、乾燥させて、各コート層を形成する方法等を採用することができる。塗布方法としては特に限定されるものではないが、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーブレードコーター、グラビアコーター、バーコーター、多段ロールコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター等の各種塗工装置を適宜選択して塗布する方法を採用することができる。
【0112】
コート層形成用組成物を塗布した後、乾燥工程に供してもよい。乾燥条件は適宜設定されるが、例えば、80~160℃で10~60秒である。
【0113】
<ポリエステル系容器>
本発明は、上記粘着ラベルが貼付されてなる、ポリエステル系容器をも提供する。ポリエステル系容器とは、ポリエステル系樹脂から構成される容器を指す。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。容器は、ポリエステル系樹脂を射出成形、真空成形、圧空成形等することにより製造することができる。
【0114】
<ラベリング方法>
次に、ラベリング方法について説明する。粘着ラベル10のポリエステル系容器に対するラベリングは、例えば特許第5956220号に開示されているようなラベリング装置を用いて行われる。
【0115】
ラベリングの際、剥離ライナー30に貼られた状態の粘着ラベル10が搬送されていき、粘着ラベルを剥離ライナーから剥離する際に、剥離ライナーが折り返される。このとき、粘着剤層が露出し、露出した粘着剤層をポリエステル系容器に対して貼付する。ここで、樹脂基材16の厚みが薄すぎる、または剥離ライナー30の厚みが厚すぎる場合には、剥離ライナー30が折り返されても、ポリエステル系粘着剤層15が露出しにくく、粘着ラベルをポリエステル系容器に貼付できない場合がある。なお、ラベリング装置の粘着ラベル10の搬送速度(ラベリング速度)は、特に限定されないが、20~150m/分である。
【実施例0116】
次に実施例について説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
【0117】
(実施例1)
ポリエステル系樹脂(三菱ケミカル社製、商品名「NP-110S50EO」)100質量部(固形分)に対し、架橋剤(東ソー社製、商品名「コロネートL」)2質量部(固形分)、酢酸エチル40質量部を添加・混合してポリエステル系粘着剤組成物を調製した。
【0118】
得られたポリエステル系粘着剤組成物を、ポリエチレンラミネートグラシン紙上にシリコーン系剥離剤を塗工した剥離ライナー(厚さ:88μm)上にナイフコーターにより乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布した後、90℃下で1分間乾燥させポリエステル系粘着剤層を形成した。
【0119】
自己乳化型水性ポリエステル系樹脂溶液(固形分25質量%、粘度10mPa・s(20℃)、水溶媒、ポリエステル系樹脂:酸価50mgKOH/g、カルボキシル基含有、数平均分子量3,000、Tg46℃)100質量部、およびシリカ(平均粒径0.45μm)を水性ポリエステル系樹脂固形分100質量部に対して1質量部混合し、脱離コート層形成用組成物を得た。厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ポリエステル系樹脂基材)上に脱離コート層形成用組成物をバーコーターにより乾燥膜厚0.06μmとなるように塗布・乾燥した。得られた脱離コート層上に、ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロンUR-8200)および樹脂固形分100質量部に対して架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネート、東ソー社製、商品名「コロネートHX」)を3質量部混合し、メチルエチルケトンにて希釈したアルカリ非溶解コート層形成用組成物をバーコーターにより乾燥膜厚0.08μmとなるように塗布・乾燥し、アルカリ非溶解コート層を形成した。
【0120】
ポリエチレンテレフタレートフィルムの脱離コート層と反対側の面に剥離ライナーが積層された粘着剤層を貼付し、標準環境下(23℃50%RH)に7日間静置して、粘着ラベルを得た。このとき、ポリエステル系粘着剤層は15g/mであった。また、実施例1の粘着ラベルの全光線透過率は、85%であった。
【0121】
そして、容器のリサイクルを想定したフィルム製造を行った。まず、得られた粘着ラベルを、70℃の1.5質量%水酸化ナトリウム水溶液に投入し撹拌して、ラベルから脱離コート層とアルカリ非溶解性コート層を脱離させた。次に、ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部および上記の粘着ラベル0.1質量部を混合し、小型二軸混練押出機でコンパウンドペレットを製造し、製造したペレットを用いて小型Tダイ押出装置により厚み65μmのフィルムを得た。このとき、前記フィルムに占めるポリエステル系粘着剤層の割合は、0.018質量%であった。
【0122】
(実施例2)
実施例1において、ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、粘着ラベルを混合する量を1質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このとき、前記フィルムに占めるポリエステル系粘着剤層の割合は、0.17質量%であった。
【0123】
(実施例3)
実施例1において、ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、粘着ラベルを混合する量を1.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このとき、前記フィルムに占めるポリエステル系粘着剤層の割合は、0.26質量%であった。
【0124】
(実施例4)
実施例1において、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(酸化チタン含有量15質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。また、実施例4の粘着ラベルの全光線透過率は、10%であった。
【0125】
(実施例5)
実施例1において、ポリエステル系粘着剤に白色の顔料を加えた(酸化チタン含有量23質量%)こと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。また、実施例5の粘着ラベルの全光線透過率は、30%であった。
【0126】
(比較例1)
実施例1において、ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、粘着ラベルを混合する量を5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このとき、前記フィルムに占めるポリエステル系粘着剤層の割合は、0.84質量%であった。
【0127】
(比較例2)
比較例1において、ポリエステル系粘着剤をアクリル系粘着剤に変更したこと以外は、比較例1と同様にしてフィルムを得た。
【0128】
(参考例1)
粘着ラベルを混合せず、ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部のみを使用して小型二軸混練押出機でコンパウンドペレットを製造し、製造したペレットを用いて小型Tダイ押出装置により厚み65μmのフィルムを得た。
【0129】
[黄色度の測定]
実施例1~実施例5、および比較例1、2、ならびに参考例1で得られたフィルムに対して、JIS K7373:2006に規定する透過測定方法により、黄色度を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0130】
[ヘーズの測定]
実施例1~実施例4、および比較例1、2で得られたフィルムに対して、JIS K7136:2000により規定されるヘーズを測定した。ヘーズはヘーズメーター(例えば、日本電色工業社製、商品名「NDH5000」)によって測定できる。その結果を下記の表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
上記で示されるように、実施例のフィルムは、黄色度およびヘーズを所定値以下とすることができた。
【0133】
以上、実施形態および実施例を通じて本発明に係る粘着ラベルの構成について説明したが、本発明は上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0134】
例えば、上述した実施形態では、粘着ラベルは脱離コート層やアルカリ非溶解コート層を有していたが、脱離コート層やアルカリ非溶解コート層を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0135】
10 粘着ラベル、
11 基材、
12 剥離剤層、
13 印刷部、
14 脱離コート層、
15 ポリエステル系粘着剤層、
16 樹脂基材、
17 アルカリ非溶解コート層、
30 剥離ライナー。
図1
図2