(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183622
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
G03G15/08 226
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097226
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 実
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諒
(72)【発明者】
【氏名】大久保 尭洋
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AB03
2H077AB14
2H077AC03
2H077AC04
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD17
2H077AD23
2H077AE03
2H077BA03
2H077EA15
2H077FA13
2H077FA16
2H077FA22
2H077FA26
2H077GA03
(57)【要約】
【課題】規制ブレードの機能が低下することを抑制する。
【解決手段】現像装置は、現像容器と、現像ローラーと、規制ブレードと、を備え、規制ブレードは、ベース部材と、シート部材と、を備え、ベース部材は、現像容器に固定される第1端部と、第1端部とは反対側の端部であって自由端である第2端部と、を有し、シート部材は、第2端部の一方面に対向して配置されるとともに、第2端部の先端で折り返されて第2端部の他方面に対向して配置され、第2端部は、シート部材が接着される接着部分と、接着部分よりも第2端部の先端側の部分であってシート部材が接着されない非接着部分と、を有し、シート部材のうち第2端部に接着されない部分が現像ローラーの外周面に接触することにより、トナー層の層厚が調整される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーからなる一成分現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器に回転可能に支持されるとともに、像担持体と対向して配置され、外周面に前記トナーを担持して回転することにより、前記像担持体に前記トナーを供給する現像ローラーと、
前記現像ローラーの外周面に接触することにより、前記現像ローラーの外周面に形成されるトナー層の層厚を調整する規制ブレードと、を備え、
前記規制ブレードは、
前記現像容器に固定され、前記現像ローラーに向かって延びる板状のベース部材と、
前記ベース部材に取り付けられる弾性変形可能なシート部材と、を備え、
前記ベース部材は、
前記現像容器に固定される第1端部と、
前記第1端部とは反対側の端部であって自由端である第2端部と、を有し、
前記シート部材は、前記第2端部の一方面に対向して配置されるとともに、前記第2端部の先端で折り返されて前記第2端部の他方面に対向して配置されることにより、前記第2端部の両面を覆い、
前記第2端部は、
前記シート部材が接着される接着部分と、
前記接着部分よりも前記第2端部の先端側の部分であって前記シート部材が接着されない非接着部分と、を有し、
前記シート部材のうち前記第2端部に接着されない部分が前記現像ローラーの外周面に接触することにより、前記トナー層の層厚が調整される、現像装置。
【請求項2】
前記シート部材のうち前記第2端部に接着される部分は、前記現像ローラーの外周面に接触しない、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記ベース部材は、前記現像ローラーの回転軸方向から見て、前記現像容器に対する固定箇所から前記現像ローラーに向かって所定方向に延び、
前記接着部分の前記所定方向の幅は、前記非接着部分の前記所定方向の幅以上である、請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第2端部の先端は、前記現像ローラーの外周面側とは反対側に向かって折り曲げられている、請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記シート部材は、50μm以上200μm以下の厚みを有するウレタンシートからなる、請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項6】
前記シート部材は、両面テープを介して、前記第2端部に接着される、請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の現像装置を備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の現像装置は、現像ローラーを備える。現像ローラーは、外周面にトナーを担持して回転する。また、従来の現像装置は、現像ローラーの外周面に接触する規制ブレードを備える。現像ローラーの外周面に規制ブレードが接触することにより、層厚が均一なトナー層が現像ローラーの外周面に形成される。このような現像装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、規制ブレードの先端部には、シート部材(フィルム部材)が配置される。そして、規制ブレードのうち、その先端部に配置されたシート部材が現像ローラーの外周面に接触する。この構成では、シート部材の一部が剥がれたり、シート部材に折り目が付いたり、シート部材が裂けたりすると、規制ブレードの機能が低下するという不都合が生じる。なお、規制ブレードの機能が低下すると、現像ローラーの外周面に形成されるトナー層を均一にできず、画質が低下する場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、規制ブレードの機能が低下することを抑制することが可能な現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面による現像装置は、トナーからなる一成分現像剤を収容する現像容器と、現像容器に回転可能に支持されるとともに、像担持体と対向して配置され、外周面にトナーを担持して回転することにより、像担持体にトナーを供給する現像ローラーと、現像ローラーの外周面に接触することにより、現像ローラーの外周面に形成されるトナー層の層厚を調整する規制ブレードと、を備える。規制ブレードは、現像容器に固定され、現像ローラーに向かって延びる板状のベース部材と、ベース部材に取り付けられる弾性変形可能なシート部材と、を備える。ベース部材は、現像容器に固定される第1端部と、第1端部とは反対側の端部であって自由端である第2端部と、を有する。シート部材は、第2端部の一方面に対向して配置されるとともに、第2端部の先端で折り返されて第2端部の他方面に対向して配置されることにより、第2端部の両面を覆う。第2端部は、シート部材が接着される接着部分と、接着部分よりも第2端部の先端側の部分であってシート部材が接着されない非接着部分と、を有する。シート部材のうち第2端部に接着されない部分が現像ローラーの外周面に接触することにより、トナー層の層厚が調整される。
【0007】
本発明の第2の局面による画像形成装置は、上記現像装置を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成では、規制ブレードの機能が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による現像装置を備える画像形成装置の概略図である。
【
図3】一実施形態による現像装置の規制ブレードを現像ローラーの回転軸方向から見た図である。
【
図4】
図3の規制ブレードに現像ローラーの外周面が接触した状態の図である。
【
図5】変形例による現像装置の規制ブレードを現像ローラーの回転軸方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態による現像装置を備える画像形成装置について、モノクロプリンターを例にとって説明する。
【0011】
<画像形成装置の全体構成>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、現像装置1を備える。現像装置1は、画像(トナー像)を形成する。言い換えると、現像装置1は、静電潜像にトナーを供給して現像する。現像装置1の構成については、後に詳細に説明する。
【0012】
画像形成装置100には、給紙カセット200が着脱可能に装着される。給紙カセット200は、シート(図示せず)を収容する。画像形成装置100での印刷では、給紙カセット200内のシートが使用される。印刷で使用され得るシートとしては、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書およびトレーシングペーパーなどがある。
【0013】
給紙カセット200は、内部にリフト板201を有する。給紙カセット200内のシートは、リフト板201上に載置される。リフト板201は、一方端部(給紙方向上流側でありシート後端側)を支点とし、他方端部(給紙方向下流側でありシート前端側)を上下に振るように回動する。
【0014】
給紙カセット200の給紙方向下流側(シートの給紙口)には、給紙ローラー202が設けられる。リフト板201が上昇することにより、リフト板201上のシートが給紙ローラー202の外周面に接触する。給紙ローラー202は、シートが接触した状態で回転する。これにより、給紙カセット200からシートが送り出される。
【0015】
画像形成装置100は、画像形成部300を備える。画像形成部300は、給紙カセット200から送り出されたシートを受け入れる。画像形成部300は、トナー像を形成してシートに転写する。画像形成部300は、感光体ドラム301、転写ローラー302、帯電装置303および露光装置304を含む。感光体ドラム301は「像担持体」に相当する。なお、現像装置1は、画像形成部300の一構成要素である。
【0016】
感光体ドラム301は、回転可能に支持される。転写ローラー302は、感光体ドラム301の外周面に圧接し、感光体ドラム301との間で転写ニップを形成する。帯電装置303は、感光体ドラム301の外周面を帯電させる。露光装置304は、感光体ドラム301の外周面上に静電潜像を形成する。現像装置1は、感光体ドラム301の外周面上の静電潜像をトナー像に現像する。
【0017】
また、画像形成装置100は、定着部400を備える。定着部400は、定着ローラー401と加圧ローラー402とを含む。定着ローラー401は、ヒーターを内蔵する。加圧ローラー402は、定着ローラー401に圧接し、定着ローラー401との間で定着ニップを形成する。
【0018】
給紙カセット200から送り出されるシートは、転写ニップに進入する。シートが転写ニップを通過するとき、シートに対して画像が印刷される。具体的には、感光体ドラム301の外周面上のトナー像がシートに転写される。その後、シートは、定着ニップに進入し、加熱および加圧される。これにより、シートにトナー像が定着される。定着ニップを抜けた印刷済みのシートは、排出トレイETに排出される。
【0019】
<現像装置の構成>
図2に示すように、現像装置1は、現像容器10を備える。現像容器10は、トナーからなる一成分現像剤を収容する。具体的には、現像容器10は、支持部材110とカバー部材120とを含む。支持部材110とカバー部材120とを組み合わせることにより、内部に収容スペースを有する現像容器10が構成される。現像容器10の収容スペースには、トナーのみからなる非磁性一成分現像剤が収容される。
【0020】
現像容器10の収容スペースには、攪拌パドルSPが設けられる。攪拌パドルSPは、収容スペース内のトナーを攪拌する。なお、図示しないトナー補給装置により、トナーコンテナから現像容器10に対してトナーが補給される。
【0021】
現像容器10は、感光体ドラム301が配置される側に開口を有する。現像容器10の開口は、感光体ドラム301へのトナーの供給口となる。
【0022】
現像装置1は、供給ローラー11および現像ローラー12を備える。供給ローラー11および現像ローラー12は、この順番で、現像容器10の内部(すなわち、収容スペース)から外部に向かって並ぶ。現像ローラー12は、その外周面が供給ローラー11の外周面と対向するよう配置される。また、現像ローラー12は、その外周面が感光体ドラム301の外周面と対向するよう配置される。言い換えると、現像ローラー12は、供給ローラー11と感光体ドラム301との間に配置される。さらに言い換えると、供給ローラー11は、現像容器10の内部に配置され、現像ローラー12は、現像容器10の開口(トナーの供給口)に配置される。
【0023】
供給ローラー11は、支持部材110に回転可能に支持される。すなわち、供給ローラー11は、現像容器10に回転可能に支持される。供給ローラー11は、一方向(
図2では、反時計回り方向)に回転する。また、供給ローラー11は、収容スペース内のトナーを外周面に担持する。供給ローラー11は、外周面にトナーを担持して回転することにより、現像ローラー12にトナーを供給する。
【0024】
現像ローラー12は、感光体ドラム301に対して所定の圧力で押圧される。また、現像ローラー12は、支持部材110に回転可能に支持される。すなわち、現像ローラー12は、現像容器10に回転可能に支持される。現像ローラー12は、供給ローラー11と同方向(
図2では、反時計回り方向)に回転する。供給ローラー11と現像ローラー12との対向位置では、供給ローラー11および現像ローラー12の各外周面の進行方向は互いに逆向きとなる。
【0025】
現像ローラー12は、供給ローラー11からトナーの供給を受け、トナーを外周面に担持する。現像ローラー12は、外周面にトナーを担持して回転することにより、感光体ドラム301にトナーを供給する。現像ローラー12から感光体ドラム301へのトナーの移動を効率的に行うため、現像ローラー12に対して所定の現像電圧を印加することが好ましい。
【0026】
現像ローラー12は、回転軸(符号省略)およびその回転軸に取り付けられるローラー部材(符号省略)を有する。ローラー部材は、回転軸と共に回転する。ローラー部材は、円筒状の部材である。たとえば、ローラー部材は、基材ゴム(たとえば、シリコーンゴム)を有する。基材ゴムの表面には、ウレタンなどの凹凸のあるコーティング材によってコート層が積層される。すなわち、現像ローラー12は、その外周面に凹凸を有する。これにより、現像ローラー12の外周面にトナーが担持される。現像ローラー12の外周面には、トナー層が形成される。
【0027】
ここで、現像装置1は、規制ブレード13を備える。規制ブレード13は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、その一端側の部分が現像容器10のカバー部材120に固定される。また、規制ブレード13は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、現像容器10に対する取付箇所から現像ローラー12に向かって延びる。規制ブレード13のうち一端側(現像容器10に対する固定側)とは反対の他端側の部分が現像ローラー12の外周面と接触する。規制ブレード13の構成については、後で詳細に説明する。
【0028】
規制ブレード13は、板バネである。規制ブレード13は、所定の圧力で現像ローラー12の外周面に接触し、撓む。これにより、現像ローラー12の外周面にある余分なトナーが掻き落とされる。その結果、現像ローラー12の外周面に形成されるトナー層を均一な厚さに調整できる。すなわち、規制ブレード13は、現像ローラー12の外周面に接触することにより、現像ローラー12の外周面に形成されるトナー層の層厚を調整する。また、現像ローラー12の外周面上のトナー層が規制ブレード13を通過することで、トナーと規制ブレード13、および、トナーと現像ローラー12の外周面が摩擦帯電する。
【0029】
現像装置1は、シール部材14を備える。シール部材14は、現像ローラー12の外周面に接触するよう支持部材110に固定される。シール部材14は、現像ローラー12の外周面と支持部材110との隙間を塞ぐ。これにより、現像ローラー12の外周面と支持部材110との隙間からのトナーの漏出を抑制できる。すなわち、現像容器10の内部から外部へのトナーの漏出を抑制できる。
【0030】
<規制ブレードの詳細構成>
現像装置1は、
図3に示す規制ブレード13を備える。規制ブレード13は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、現像容器10に対する取付箇所から所定方向PDに沿って延ばされることによって現像ローラー12に至る。そして、規制ブレード13は、現像ローラー12と感光体ドラム301とが対向する位置よりも現像ローラー12の回転方向における上流側の位置で現像ローラー12の外周面に接触する。
【0031】
言い換えると、規制ブレード13の一方端部は、固定端であり、現像容器10に固定される。規制ブレード13の一方端部とは反対側の他方端部は、自由端であり、現像ローラー12の外周面に接触する。
【0032】
規制ブレード13は、ベース部材130と、シート部材30と、を備える。ベース部材130は、規制ブレード13の本体である。ベース部材130にシート部材30が取り付けられる。
【0033】
ベース部材130は、金属製の薄板からなる。すなわち、ベース部材130は、金属製の板状部材である。ベース部材130は、一方面S1および一方面S1の反対面である他方面S2を有する。ベース部材130の構成材料は、特に限定されない。たとえば、ベース部材130の構成材料は、ステンレス製の薄板である。
【0034】
ベース部材130は、現像容器10に固定される。具体的には、ベース部材130は、第1端部131を有する。第1端部131は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、ベース部材130のうち所定方向PDの一方側の端部である。第1端部131は、L字状に板金加工された支持板金111にスポット溶接される。そして、支持板金111(
図2参照)が現像容器10のカバー部材120に取り付けられることにより、ベース部材130が現像容器10に固定される。
【0035】
また、ベース部材130は、第2端部132を有する。第2端部132は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、ベース部材130のうち所定方向PDの一方側とは反対の他方側の端部である。第2端部132は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、少なくとも一部が現像ローラー12の外周面上に配置される。第1端部131が固定端であるのに対し、第2端部132は自由端である。
【0036】
シート部材30は、50μm以上200μm以下の厚みを有するウレタンシートからなる。ただし、シート部材30の構成材料は、特に限定されない。ウレタンシート以外のシートをシート部材30として使用してもよい。
【0037】
シート部材30は、弾性シートである。すなわち、シート部材30は、弾性変形可能である。シート部材30は、ベース部材130のうち第2端部132に取り付けられる。
【0038】
なお、第2端部132は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、現像ローラー12の外周面上に配置される。このため、シート部材30の少なくとも一部が現像ローラー12の外周面に接触する。規制ブレード13は、シート部材30の少なくとも一部を現像ローラー12の外周面に接触させることにより、現像ローラー12の外周面に形成されるトナー層の層厚を調整する。
【0039】
シート部材30は、その少なくとも一部が第2端部132に固定される。たとえば、シート部材30の第2端部132に対する固定では、両面テープ310が使用される。シート部材30は、両面テープ310を介して、第2端部132に接着固定される。なお、シート部材30および第2端部132の少なくとも一方に接着剤を塗布し、その接着剤を介して、シート部材30と第2端部132とを接着固定してもよい。
【0040】
シート部材30は、第2端部132の一方面S1および一方面S1の反対面である他方面S2にそれぞれ対向して配置される。第2端部132の一方面S1は、現像ローラー12側とは反対側を向く面である。第2端部132の他方面S2は、現像ローラー12側を向く面である。
【0041】
シート部材30は、単一のシートからなる。しかし、シート部材30は、第2端部132の一方面S1および他方面S2の両面に配置される。すなわち、シート部材30は、第2端部132の一方面S1および他方面S2の両面を覆う。そこで、シート部材30は、第2端部132の一方面S1に対向して配置されるとともに、第2端部132の先端132aで折り返されて第2端部132の他方面S2に対向して配置される。これにより、第2端部132の両面が単一のシート部材30で覆われた状態となる。なお、第2端部132の先端132aは、言い換えると、現像ローラー12の回転軸方向から見て、ベース部材130のうち、現像容器10に対する固定側とは反端側の端部の先端であり、現像ローラー12の外周面上に配置される部分の先端であり、所定方向PDの一方側(現像容器10に対する固定側)とは反対の他方側の先端である。
【0042】
ここで、第2端部132は、2種類の部分に分けられる。第2端部132は、接着部分1321および非接着部分1322を有する。
【0043】
接着部分1321は、シート部材30が接着される部分である。すなわち、接着部分1321は、両面テープ310が配置される部分である。シート部材30は、両面テープ310を介して、第2端部132のうち、一方面S1の接着部分1321および他方面S2の接着部分1321にそれぞれ接着される。
【0044】
非接着部分1322は、シート部材30が接着されない部分である。非接着部分1322には、両面テープ310が配置されない。シート部材30は、第2端部132のうち、接着部分1321には接着されるが、非接着部分1322には接着されない。シート部材30の第2端部132に対する固定は、シート部材30を第2端部132の接着部分1321にのみ接着することによって行われる。
【0045】
接着部分1321は、現像ローラー12の回転軸方向から見て、第2端部132のうち所定方向PDの一方側(現像容器10に対する固定側)の部分である。すなわち、接着部分1321は、第2端部132のうち先端132a側とは反対側の部分である。
【0046】
非接着部分1322は、接着部分1321に対して所定方向PDに隣接する。非接着部分1322は、第2端部132のうち所定方向PDの一方側とは反対の他方側の部分である。すなわち、非接着部分1322は、第2端部132のうち先端132a側の部分である。非接着部分1322は、接着部分1321よりも第2端部132の先端132a側の部分である。
【0047】
接着部分1321の所定方向PDの幅は、非接着部分1322の所定方向PDの幅以上である。たとえば、接着部分1321の所定方向PDの幅は、非接着部分1322の所定方向PDの幅の2倍以上である。接着部分1321の所定方向PDの幅が約5mmで、非接着部分1322の所定方向PDの幅が約2.5mmである。すなわち、接着部分1321の所定方向PDの幅は、非接着部分1322の所定方向PDの幅よりも大きい。接着部分1321の所定方向PDの幅と非接着部分1322の所定方向PDの幅とが同じであってもよい。
【0048】
なお、シート部材30は、弾性変形することにより、第2端部132の先端132aで折り返される。したがって、シート部材30のうち一方面S1および他方面S2に配置される各部分は、それぞれ、シート部材30の復元力により、一方面S1および他方面S2から離れようとする。
【0049】
しかし、シート部材30は、第2端部132の接着部分1321に接着される。このため、シート部材30がベース部材130から脱落することはない。一方で、シート部材30は、第2端部132の非接着部分1322には接着されない。したがって、シート部材30のうち非接着部分1322に配置される部分30Nは、シート部材30の復元力により、第2端部132から離間する。シート部材30のうち一方面S1の非接着部分1322に対向配置される部分30Nは、一方面S1から離間する。シート部材30のうち他方面S2の非接着部分1322に対向配置される部分30Nは、他方面S2から離間する。これにより、規制ブレード13のうち現像容器10に対する固定側とは反対側の先端部では、シート部材30が膨らんだようになる。
【0050】
本実施形態の構成では、シート部材30のうち非接着部分1322に配置される部分30Nが現像ローラー12の外周面に接触する。言い換えると、シート部材30のうちベース部材130に接着されていない部分30Nが現像ローラー12の外周面に接触する。
【0051】
これにより、シート部材30の部分30Nが弾性変形可能な状態で維持される。したがって、シート部材30が裂けたり、シート部材30に折り目が付いたりすることを抑制できる。
【0052】
さらに、現像ローラー12の外周面にシート部材30が接触することによってシート部材30に力が加わるが、その力をシート部材30の部分30Nが弾性変形することによって吸収し、シート部材30のうちベース部材130に接着された部分に力が加わることを抑制できる。これにより、シート部材30がベース部材130から剥離することを抑制できる。なお、シート部材30が弾性変形した状態を
図4に模式的に示す。
【0053】
これらの結果、規制ブレード13の機能が低下することを抑制できる。具体的には、現像ローラー12に対する規制ブレード13の接触状態が経年的に変化することを抑制できる。すなわち、現像ローラー12に対する規制ブレード13の接触状態が目標設計値に対してずれることを抑制できる。
【0054】
また、本実施形態の構成では、シート部材30のうち第2端部132に接着されていない部分30Nが現像ローラー12の外周面に接触することにより、現像ローラー12の外周面に形成されるトナー層の層厚が調整される。一方で、シート部材30のうち第2端部132に接着されている部分(シート部材30のうち接着部分1321に配置される部分)は現像ローラー12の外周面に接触しない。
【0055】
言い換えると、シート部材30の部分30Nのみが現像ローラー12の外周面に接触するよう規制ブレード13の配置位置が設定される。さらに言い換えると、シート部材30の部分30Nのみが現像ローラー12の外周面に接触するよう非接着部分1322の所定方向PDの幅(現像ローラー12の回転軸方向から見た場合の幅)が設定される。これにより、シート部材30のうち第2端部132に接着されている部分が現像ローラー12に接触してシート部材30がベース部材130から剥がれ易くなることを抑制できる。
【0056】
たとえば、現像ローラー12の周方向における規制ブレード13と現像ローラー12の外周面との接触幅の目標値が予め定められる。そして、非接着部分1322の所定方向PDの幅の方が接触幅の目標値よりも大きくなるよう設定される。これにより、シート部材30の部分30Nのみを現像ローラー12の外周面に接触させ易くできる。すなわち、シート部材30のうち第2端部132に接着されている部分が現像ローラー12に接触することを抑制できる。
【0057】
また、本実施形態の構成では、接着部分1321の所定方向PDの幅を非接着部分1322の所定方向PDの幅以上とすることにより、非接着部分1322が存在しても、ベース部材130に対するシート部材30の接着強度の低下を抑制できる。すなわち、シート部材30がベース部材130から剥がれ易くなることを抑制できる。
【0058】
また、本実施形態の構成では、シート部材30として50μm以上200μm以下のウレタンシートを使用することにより、容易に、単一のシート部材30で第2端部132の両面を覆うことができる。仮に、シート部材30の厚みが50μmよりも小さければ、シート部材30が扱い難くなり、第2端部132に対するシート部材30の貼付作業が困難になる場合がある。また、シート部材30の厚みが200μmよりも大きければ、第2端部132の先端132aでシート部材30を折り返す作業を行うとき、シート部材30の復元力が強すぎることにより、当該作業が困難になる場合がある。したがって、シート部材30の厚みとしては、50μm以上200μm以下であることが好ましい。
【0059】
また、本実施形態の構成では、両面テープ310を介して第2端部132にシート部材30を接着することにより、容易に、第2端部132にシート部材30を固定できる。
【0060】
なお、変形例として、
図5に示すように、ベース部材130の現像容器10に対する固定側とは反対側の先端部に曲げ加工を施してもよい。具体的には、変形例では、第2端部132の先端132aは、現像ローラー12の外周面側とは反対側に向かって折り曲げられている。これにより、第2端部132の強度が高くなる。したがって、ベース部材130そのものに変形が生じることを抑制できる。
【0061】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1 現像装置
10 現像容器
12 現像ローラー
13 規制ブレード
30 シート部材
100 画像形成装置
131 第1端部
132 第2端部
132a 先端
301 感光体ドラム(像担持体)
310 両面テープ
1321 接着部分
1322 非接着部分
S1 一方面
S2 他方面