IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図1
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図2
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図3
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図4
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図5
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図6
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図7
  • 特開-電子機器および電子機器の制御方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183653
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】電子機器および電子機器の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/18 20210101AFI20231221BHJP
   H04N 23/40 20230101ALI20231221BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231221BHJP
【FI】
G03B17/18 Z
H04N5/225 000
G03B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097281
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 拓海
【テーマコード(参考)】
2H100
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H100AA11
2H100AA22
2H102AA71
5C122EA42
5C122FK19
5C122FL05
5C122GE02
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】操作部材に対するロック状態の設定および解除を支援する技術を提供する。
【解決手段】操作部材に対するユーザーの操作を無効とするロック状態の設定および解除を行うロック機能を備える電子機器は、ユーザーが指定した機能を割り当てることができる複数の第1操作部材と、複数の前記第1操作部材のうち、前記ユーザーが選択した少なくとも1つの前記第1操作部材に、前記ロック機能を割り当てる割り当て手段と、前記ユーザーから所定の操作を受け付けた場合に、前記ロック機能が割り当てられた前記第1操作部材であるロック設定部材の情報を表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材に対するユーザーの操作を無効とするロック状態の設定および解除を行うロック機能を備える電子機器であって、
前記ユーザーが指定した機能を割り当てることができる複数の第1操作部材と、
複数の前記第1操作部材のうち、前記ユーザーが選択した少なくとも1つの前記第1操作部材に、前記ロック機能を割り当てる割り当て手段と、
前記ユーザーから所定の操作を受け付けた場合に、前記ロック機能が割り当てられた前記第1操作部材であるロック設定部材の情報を表示する表示制御手段と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記ロック状態の設定および解除の対象となる第2操作部材をさらに有し、
前記所定の操作は、前記第2操作部材を前記ロック状態に設定するための前記ロック設定部材に対する操作である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ロック状態の設定および解除の対象となる第2操作部材をさらに有し、
前記所定の操作は、前記第2操作部材の前記ロック状態を解除するための前記ロック設定部材に対する操作である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ロック状態の設定および解除の対象となる第2操作部材をさらに有し、
前記所定の操作は、前記ロック状態に設定されている前記第2操作部材に対する操作である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記ロック設定部材の情報は、前記ロック設定部材の位置を示す画像を含み、
前記表示制御手段は、前記所定の操作を受け付けてから所定時間が経過すると前記画像を非表示とする
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
撮像手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記撮像手段による動画の撮影中は、前記ロック設定部材の情報を表示しない
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2操作部材は、前記ユーザーによって設定される
ことを特徴とする請求項2のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記ロック機能が割り当てられた複数の前記ロック設定部材がある場合、前記複数の前記ロック設定部材の情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記ロック機能が割り当てられた複数の前記ロック設定部材がある場合、前記所定の操作が行われた前記ロック設定部材の情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記ロック設定部材の情報は、前記第1操作部材のそれぞれを識別するための記号の情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
操作部材に対するユーザーの操作を無効とするロック状態の設定および解除を行うロック機能を備える電子機器の制御方法であって、
前記ユーザーが指定した機能を割り当てることができる複数の第1操作部材のうち、前記ユーザーが選択した少なくとも1つの前記第1操作部材に、前記ロック機能を割り当てる割り当てステップと、
前記ユーザーから所定の操作を受け付けた場合に、前記ロック機能が割り当てられた前記第1操作部材であるロック設定部材の情報を表示する表示制御ステップと
を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1~10のいずれか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1~10のいずれか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および電子機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置では、ユーザーの意図に反して操作部材が動くことにより、撮像パラメータが変更されてしまう場合がある。このような誤操作を防止するため、撮影装置はロックレバーまたはロックボタンを搭載し、操作部材のロック状態を設定および解除するロック機能を有する場合がある。特許文献1は、ロック操作があった場合に、どの操作部材がロック対象であるかを表示する電子機器を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-96279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロックの対象となった操作部材の情報が表示されても、ユーザーは、ロック状態の設定および解除を行うための操作部材(ロックレバーまたはロックボタン等)を失念した場合、ロックの解除方法が分からず混乱する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、操作部材に対するロック状態の設定および解除を支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、
操作部材に対するユーザーの操作を無効とするロック状態の設定および解除を行うロック機能を備える電子機器であって、
ユーザーが指定した機能を割り当てることができる複数の第1操作部材と、
複数の前記第1操作部材のうち、前記ユーザーが選択した少なくとも1つの前記第1操作部材に、前記ロック機能を割り当てる割り当て手段と、
前記ユーザーから所定の操作を受け付けた場合に、前記ロック機能が割り当てられた前記第1操作部材であるロック設定部材の情報を表示する表示制御手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作部材に対するロック状態の設定および解除を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】デジタルカメラの外観図である。
図2】デジタルカメラのブロック図である。
図3】実施形態1のロック設定解除情報の表示処理を示すフローチャートである。
図4】機能割り当てメニュー画面を例示する図である。
図5】ロック状態でロック設定解除ボタンの番号を表示する画面例である。
図6】ロック解除状態でロック設定解除ボタンの番号を表示する画面例である。
図7】実施形態2のロック設定解除情報の表示処理を示すフローチャートである。
図8】ロック設定解除ボタンの位置を表示する画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<デジタルカメラの外観図>
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1(A)、図1(B)は、本発明を適用可能な電子機器の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。図1(A)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(B)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。
【0010】
表示部28は、デジタルカメラ100の背面に設けられた表示部であり、画像や各種情報を表示する。タッチパネル70aは、表示部28の表示面(タッチ操作面)に対するタッチ操作を検出することができる。ファインダー外表示部43は、デジタルカメラ100の上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするデジタルカメラ100の様々な設定値を表示する。シャッターボタン61は、撮影指示を行うための操作部材である。モード切替スイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部材である。端子カバー40は、デジタルカメラ100を外部機器に接続する接続ケーブル等のコネクタ(不図示)を保護するカバーである。
【0011】
メイン電子ダイヤル71は回転操作部材であり、メイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のオンおよびオフを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は回転操作部材であり、サブ電子ダイヤル73を回すことで、選択枠(カーソル)の移動や画像送りなどを行える。
【0012】
削除ボタン70bは、画像を表示部28に表示させた状態で操作することで、再生画像を消去する操作部材である。4方向キー(十字キー)74は、上、下、左、右部分をそれぞれ押し込み可能に構成され、4方向キー74の押した部分に応じた操作が可能である。SETボタン75は、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
【0013】
LVボタン76は、ライブビュー表示(以下、LV表示)のオンとオフとを切り替えるボタン(操作部材)である。LVボタン76は、動画撮影モードにおいては、動画撮影(記録)の開始や停止の指示に用いられる。
【0014】
拡大ボタン77は、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのオンとオフとを切り替え、拡大モードでの拡大率を変更するためのボタンである。拡大ボタン77は、再生モードでは再生画像を拡大し、拡大率を増加させるための拡大ボタンとして機能する。縮小ボタン78は、拡大された再生画像の拡大率を低減させ、表示された画像を縮小させるためのボタンである。
【0015】
再生ボタン79は、撮影モードと再生モードとを切り替えるためのボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200に記録された画像のうち、最新の画像を表示部28に表示させることができる。
【0016】
クイックリターンミラー12は、レンズを通った光を接眼ファインダー16に導くためのミラーであり、システム制御部50(後述)からの指示により不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。通信端子10はデジタルカメラ100がレンズ側(着脱可能)と通信を行うための通信端子である。
【0017】
接眼ファインダー16はフォーカシングスクリーン13(後述)を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型のファインダーである。蓋202は記録媒体200を格納したスロットの蓋である。
グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。
【0018】
デジタルカメラ100は、ユーザーが指定した機能を割り当てることが可能な機能割り当てボタンを有する。デジタルカメラ100は、複数の機能割り当てボタンを有することができる。各機能割り当てボタンには、それぞれのボタンを識別するための記号が印字されている。機能割り当てボタンに印字される記号は、例えば、数字で示される番号であり、図1の例ではLVボタン76は1、拡大ボタン77は6、縮小ボタン78は5が対応付けられている。なお、機能割り当てボタンに対応付けられる記号は、数字に限られず英字またはマークなどであってもよい。また、図1(B)は、機能割り当てボタンとして3つのボタンに番号(数字)を付した例を示すが、どのボタンを機能割り当てボタンとするかは、機種ごとに異なってもよい。
【0019】
<デジタルカメラのブロック図>
図2は、デジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、図2では簡略化をして一枚のレンズで示している。
【0020】
通信端子6はレンズユニット150がデジタルカメラ100側と通信を行うための通信端子であり、通信端子10はデジタルカメラ100がレンズユニット150側と通信を行うための通信端子である。レンズユニット150は、この通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信する。レンズユニット150は、内部のレンズシステム制御回路4によって、絞り駆動回路2を介して絞り1を制御する。また、レンズユニット150は、レンズシステム制御回路4によって、AF駆動回路3を介してレンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0021】
AEセンサー17は、レンズユニット150を通した被写体の輝度を測光する。焦点検出部11は、焦点の光軸方向へのずれ量であるデフォーカス量情報をシステム制御部50に出力する。システム制御部50は、デフォーカス量情報に基づいてレンズユニット150を制御し、位相差方式によるオートフォーカス処理(位相差AF)を行う。
【0022】
クイックリターンミラー12(以下、ミラー12)は、露光、ライブビュー撮影、動画撮影の際に、システム制御部50から指示を受けた不図示のアクチュエータによって、レンズ103側が上下に動作することで光の経路を切り替える。すなわち、ミラー12は、レンズ103から入射した光束を、接眼ファインダー16側と撮像部22側とに切り替える。ミラー12は、図2に示されるように、通常は光束を反射させて接眼ファインダー16に導くように配置される。これに対し、撮影またはライブビュー表示をする場合、ミラー12は、光束が撮像部22に導かれるように、レンズ103側が上方に跳ね上がり光束から待避する(ミラーアップ)。また、ミラー12の中央部は、光の一部が透過できるようにハーフミラーとなっている。光束の一部は、ミラー12の中央部を透過して、焦点検出を行うための焦点検出部11に入射する。
【0023】
撮影者は、ペンタプリズム14および接眼ファインダー16を介して、フォーカシングスクリーン13を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認が可能となる。
【0024】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0025】
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素
子である。撮像部22は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する撮像面位相差センサーを有していてもよい。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0026】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、またはメモリ制御部15からのデータに対し所定の処理(画素補間、縮小といったリサイズ処理、色変換処理等)を行う。また、画像処理部24は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。システム制御部50は、画像処理部24により得られた演算結果に基づいて、露光制御および測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、FE(フラッシュプリ発光)処理等が行われる。画像処理部24は更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0027】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24およびメモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。または、A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24を介さずにメモリ制御部15を介してメモリ32に書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0028】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28に表示される。表示部28は、LCD(液晶ディスプレイ)や有機EL等の表示器上で、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。
【0029】
A/D変換器23によってA/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ信号に変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、表示部28は、電子ビューファインダ(EVF)として機能することができる。このように、表示部28は、電子ビューファインダとして、スルー画像表示(ライブビュー表示)をすることができる。
【0030】
ファインダー内表示部41には、ファインダー内表示部駆動回路42を介して、現在オートフォーカスが行われている測距点を示す枠(AF枠)や、カメラの設定状態を表すアイコンなどが表示される。ファインダー外表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0031】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等である。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいうプログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0032】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、本実施形態における各処理を実現する。システムメモリ52は、例えばRAMである。システム制御部50は、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等をシステムメモリ52に展開する。また、システム制御部はメモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0033】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0034】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続された外部機器との間で、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また、通信部54は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth Low Energyでも外部機器と通信可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
【0035】
姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を、撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。
【0036】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインタ
ーフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0037】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、使用される電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池およびリチウム電池等の一次電池、NiCd電池、NiMH電池およびLi電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0038】
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付ける入力部であり、システム制御部50に各種の動作指示を入力するために使用される。図2に示すように、操作部70は、モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、電源スイッチ72、タッチパネル70a、削除ボタン70b、その他の操作部材を含む。操作部70は、その他の操作部材として、例えば、メイン電子ダイヤル71、サブ電子ダイヤル73、4方向キー74、SETボタン75、LVボタン76、拡大ボタン77、縮小ボタン78、再生ボタン79、等を含む。
【0039】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60により、ユーザーは、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに直接切り替えることができる。また、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、他の操作部材を用いて選択することにより、表示された複数のモードのいずれかに切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードは、複数のモードを含んでもよい。
【0040】
シャッターボタン61は、第1シャッタースイッチ62および第2シャッタースイッチ64を備える。第1シャッタースイッチ62は、シャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、FE(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0041】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2が発生すると、撮像部22から信号を読み出し、撮像された画像を画像データとして記録媒体200に書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0042】
操作部70の操作部材の一部は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能を割り当てることができる。各種機能が割り当てられたボタン(機能割り当てボタン)は、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン、ロックボタン等として作用する。例えば、ロックボタンが押下され、ロック状態に設定されると、デジタルカメラ100は、誤操作防止のためにロック対象の操作部材(以下、ロック対象部材と称される)を無効にする状態へ遷移する。ロック状態で再びロックボタンが押下されると、デジタルカメラ100は、ロック対象部材を有効にする状態へ遷移する。
【0043】
操作部70の一つであるタッチパネル70aは、表示部28と一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aは、光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成され、表示部28の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28の表面上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供できる。
【0044】
システム制御部50は、タッチパネル70aへの以下の操作または状態を検出できる。・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと、すなわちタッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)
・指やペンがタッチパネル70aをタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンがタッチパネル70aから離れた(リリースされた)こと、すなわちタッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)
【0045】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出された場合も、同時にタッチオンが検出される。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0046】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は
、内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。システム制御部50は、通知された情報に基づいてタッチパネル70a上でどのような操作(タッチ操作)が行われたかを判定する。システム制御部50は、タッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向および位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分ごとに、タッチムーブの操作が行われたと判定することができる。システム制御部50は、所定距離以上のタッチムーブを検出した場合、スライド操作が行われたと判定する。
【0047】
タッチパネル70a上にタッチした指先を弾むように素早く動かして、タッチパネル70aから離す操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。システム制御部50は、所定距離以上を所定速度以上でタッチムーブされ、タッチアップを検出すると、フリックが行われたと判定することができる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。
【0048】
複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトおよびピンチインを総称してピンチ操作(または単にピンチ)と称する。タッチパネル70aの検出方式は、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のうちいずれの方式であってもよい。また、タッチパネル70aの検出方式は、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式であっても、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式であってもよい。
【0049】
<実施形態1>
実施形態1では、デジタルカメラ100は、ユーザーからロック機能が割り当てられたロック設定部材に対する操作(所定の操作)を受け付け、ロック機能を発動させた場合に、ロックを解除するための情報をユーザーに提示する。ロック機能とは、ロック対象部材に対するユーザーの操作を無効とするロック状態の設定および解除を行う機能である。以下、ロック設定部材は、ロック設定解除ボタンとして説明する。
【0050】
デジタルカメラ100は、ユーザーが指定した機能を割り当てることが可能な複数の機能割り当てボタン(第1操作部材)を有する。ユーザーは、複数の機能割り当てボタンのうち、ユーザーが選択した少なくとも1つの機能割り当てボタンに、ロック機能を割り当てることができる。
【0051】
デジタルカメラ100本体において、機能割り当てボタンには各ボタンを識別するための記号が印字されている。機能割り当てボタンに印字される記号は、例えば、数字、英字またはマークなどである。以下では、デジタルカメラ100本体の機能割り当てボタンに印字される記号は、数字で示される番号であるものとして説明する。ユーザーは、ロック機能が割り当てられた機能割り当てボタンに対応する番号の情報が表示部28等に示されれば、容易にロック状態の設定および解除を行うことができる。
【0052】
ロック機能は、ユーザーが不用意にまたは誤ってボタン等の操作部材を操作してしまうことを防ぐための機能である。ロック状態の設定および解除の対象となる操作部材(第2操作部材、ロック対象部材)は、あらかじめ設定されてもよく、ユーザーによって設定されてもよい。
【0053】
図3は、実施形態1に係るロック設定解除情報の表示処理を例示するフローチャートである。デジタルカメラ100は、ロック機能が割り当てられている機能割り当てボタン(ロック設定解除ボタン)が押下され、ロック機能を発動する場合に、ロック設定解除ボタンについての情報をユーザーに提示する。ロック設定解除ボタンは、押下によりロック状
態のオン、オフを切り替えるためのボタンである。
【0054】
図3に示すロック設定解除情報の表示処理における各ステップの処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムを、システムメモリ52に展開して実行することにより実現される。図3に示す処理は、例えば、ユーザーがデジタルカメラ100の電源を入れること、またはデジタルカメラ100の動作モードを撮影モードに切り替えることにより開始される。
【0055】
ステップS301では、システム制御部50は、デジタルカメラ100を撮影待機状態に遷移させる。撮影待機状態は、デジタルカメラ100がユーザーから撮影に関連する操作を待機している状態である。
【0056】
ステップS302では、システム制御部50は、ユーザーによりデジタルカメラ100のいずれかのボタンが押されたか否かを判定する。ボタンが押下された場合、処理はステップS303に進む。ボタンが押下されていない場合、処理はステップS302に戻る。
【0057】
ステップS303では、システム制御部50は、押下されたボタンに割り当てられた機能の情報を取得する。ステップS302で押下されたボタンが機能割り当てボタンである場合、システム制御部50は、ボタンに割り当てられた機能の情報を、不揮発性メモリ56から読み出す。
【0058】
機能割り当てボタンに割り当てられる機能は、ユーザーによって変更することができる。図4は、機能割り当てメニュー画面400を例示する図である。図4に示す機能割り当てメニュー画面400は、デジタルカメラ100の平面図の画像を表示し、9番に対応する機能割り当てボタン401を強調表示する。ユーザーは、例えば、サブウィンドウ(不図示)に表示される機能の一覧からキーロック(ロック機能)を選択して、9番の機能割り当てボタン401に割り当てることができる。
【0059】
機能割り当てメニュー画面400は、デジタルカメラ100の平面図に限られず、機能割り当てボタンを備える面から見た画像を表示し、強調表示された機能割り当てボタンに対して、選択された機能を割り当てる操作を受け付ける。このように、ユーザーは、機能割り当てメニュー画面400において、複数の機能割り当てボタンに対して、所望の機能を割り当てることができる。ユーザーは、1つの機能を複数の機能割り当てボタンに割り当てることも可能である。
【0060】
システム制御部50は、機能割り当てボタンの番号と、ユーザーによって割り当てられた機能の情報とを対応付けて不揮発性メモリ56に格納する。機能の情報は、例えば、機能割り当てボタンに割り当てられる機能を特定する値(設定値)、機能の名称等を含む。システム制御部50は、機能割り当てボタンの番号および対応する機能の情報を不揮発性メモリ56から読み出すことにより、各機能割り当てボタンにどの機能が割り当てられているかを判定することができる。
【0061】
ステップS304では、システム制御部50は、ステップS303で取得した機能の情報に基づいて、ステップS302で押下されたボタンに、ロック機能が割り当てられているか否かを判定する。ロック機能が割り当てられている場合、処理はステップ305に進む。ロック機能が割り当てられていない場合、処理はステップ302に戻る。
【0062】
ステップS305では、システム制御部50は、ロック機能が発動されているか、すなわちロック対象部材がロック状態に設定されているか否かを判定する。ロック対象部材がロック状態に設定されている場合、処理はステップ306に進む。ロック対象部材がロッ
ク状態に設定されていない場合、処理はステップ307に進む。
【0063】
ステップS306では、システム制御部50はロック機能を解除する。すなわち、システム制御部50は、ロック対象部材のロック状態を解除する。システム制御部50はロック機能を解除するとステップS309に進む。
【0064】
ステップS307では、システム制御部50は、ロック機能を発動し、ロック対象部材をロック状態に設定する。ロック機能が発動されると、ロック状態に設定された操作部材に対するユーザーの操作は受け付けられなくなる。
【0065】
ステップS308では、システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報を表示部28に表示する。システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報として、例えば、ロック機能が割り当てられた機能割り当てボタンの番号を表示する。
【0066】
図5(A),5(B)を参照して、ロック機能が割り当てられた機能割り当てボタンの情報の表示例を説明する。図5(A)は、ロック機能が発動される前の画面500を示す。画面500は、ステップS301で撮影待機状態に遷移したときの画面例である。
【0067】
図5(B)は、ロック機能が発動されたロック状態で、ロック設定解除ボタンの情報を表示する画面510を例示する。画面510は、ロック対象部材がロック状態であることを示すアイコン511を表示する。アイコン511内には、ロック設定解除ボタンに対応する番号9が表示されている。ロック設定解除ボタンに対応する番号9が表示されることで、ユーザーは、ロック状態を解除する方法を容易に確認することができる。したがって、ユーザーは、所望のタイミングで容易にロック対象部材のロック状態を解除することができる。
【0068】
なお、ロック設定解除ボタンが複数存在する場合、表示部28は、それぞれのロック設定解除ボタンに対応する複数の番号を表示してもよい。ただし、表示部28は、ロック設定解除ボタンが複数存在する場合でも、ステップS302で押下されたロック設定解除ボタン(機能割り当てボタン)に対応する番号のみを表示してもよい。また、ロック設定解除ボタンの番号は、アイコン511内ではなく、アイコン511の周囲に表示されてもよい。アイコン511によるロック設定解除ボタンの情報は、ロック状態が解除されるまで表示される。
【0069】
ステップS309では、システム制御部50は、撮影待機状態が終了したか否かを判定する。システム制御部50は、例えば、撮影が開始された場合、または撮影モード以外の動作モードに切り替えられた場合に、撮影待機状態が終了したと判定することができる。撮影待機状態が終了していない場合、処理はステップS302に戻る。撮影待機状態が終了した場合、図3に示すロック設定解除情報の表示処理は終了する。
【0070】
上記の実施形態1によれば、デジタルカメラ100は、ロック対象部材をロック状態に設定するためのロック設定解除ボタンに対する操作(所定の操作)を受け付けた場合に、表示部28にロック設定解除ボタンの情報を表示する。これにより、デジタルカメラ100は、ユーザーによるロック状態の解除を支援することができる。
【0071】
<実施形態1の変形例>
実施形態1は、ユーザーからロック設定解除ボタンに対する操作を受け付け、ロック対象部材がロック状態に設定された場合に、ロック設定解除ボタンの情報をユーザーに提示する。実施形態1の変形例では、ユーザーからロック設定解除ボタンに対する操作を受け付け、ロック状態が解除された場合に、ロック設定解除ボタンの情報をユーザーに提示す
る。実施形態1の変形例では、図3のステップS306でロック対象部材のロック状態が解除された後、システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報を表示部28に表示する。なお、実施形態1の変形例は、実施形態1と組み合わせてデジタルカメラ100に適用することも可能である。
【0072】
図6は、ロック解除状態でロック設定解除ボタンの情報を表示する画面600を例示する。画面600は、ロック対象部材がロック解除状態であることを示すアイコン601を表示する。アイコン601内には、ロック設定解除ボタンに対応する番号9が表示されている。ロック設定解除ボタンに対応する番号9が表示されることで、ユーザーは、ロック状態に設定する方法を容易に確認することができる。したがって、ユーザーは、所望のタイミングで、容易にロック対象部材をロック状態に設定することができる。
【0073】
なお、ロック設定解除ボタンが複数存在する場合、表示部28は、それぞれのロック設定解除ボタンに対応する複数の番号を表示してもよい。ただし、表示部28は、ロック設定解除ボタンが複数存在する場合でも、ロック状態を解除する際に押下されたロック設定解除ボタン(機能割り当てボタン)に対応する番号のみを表示してもよい。また、ロック設定解除ボタンの番号は、アイコン601内ではなく、アイコン601の周囲に表示されてもよい。アイコン601によるロック設定解除ボタンの情報は、ロック状態が解除されている間は表示されるようにしてもよい。
【0074】
上記の変形例によれば、デジタルカメラ100は、ロック対象部材のロック状態を解除するためのロック設定解除ボタンに対する操作(所定の操作)を受け付けた場合に、表示部28にロック設定解除ボタンの情報を表示する。これにより、ロック対象部材のロック状態が解除された場合でも、ユーザーは、ロック機能がどの機能割り当てボタンに割り当てられているかを容易に確認し、再度ロック状態に設定することができる。このように、デジタルカメラ100は、ユーザーによるロック状態の設定を支援することができる。
【0075】
<実施形態2>
実施形態1では、デジタルカメラ100は、ユーザーからロック設定解除ボタンに対する操作を受け付けた場合に、ロック設定解除ボタンの情報をユーザーに提示する。これに対し、実施形態2では、デジタルカメラ100は、ユーザーからロック状態に設定されているロック対象部材に対する操作(所定の操作)を受け付けた場合に、ロック設定解除ボタンの情報をユーザーに提示する。
【0076】
実施形態1と同様に、デジタルカメラ100は、複数の機能割り当てボタン(第1操作部材)を有する。ユーザーは、複数の機能割り当てボタンのうち、ユーザーが選択した少なくとも1つの機能割り当てボタンに、ロック機能を割り当てることができる。
【0077】
図8は、実施形態2に係る設定解除情報の表示処理を例示するフローチャートである。デジタルカメラ100は、ロック対象部材がロックされた状態で押下された場合に、ロック設定解除ボタンについての情報をユーザーに提示する。
【0078】
図7に示すロック設定解除情報の表示処理における各ステップの処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。図7に示す処理は、例えば、ユーザーがデジタルカメラ100の電源を入れること、またはデジタルカメラ100の動作モードを撮影モードに切り替えることにより開始される。
【0079】
ステップS701~ステップS707の処理は、それぞれ図3のステップS301~ステップS307の処理と同様であるため詳細な説明は省略し、異なる処理について説明す
る。ステップS706でロック機能を解除した後、およびステップS707でロック機能を発動した後、処理はステップS710に進む。
【0080】
ステップS704では、システム制御部50は、ステップS702で押下されたボタンに、ロック機能が割り当てられているか否かを判定する。ステップS702で押下されたボタンにロック機能が割り当てられていない場合、処理はステップS708に進む。
【0081】
ステップS708では、システム制御部50は、ステップS702で押下されたボタンがロック対象部材であって、ロック状態に設定されているか否かを判定する。ステップS702で押下されたボタンがロック状態である場合、処理はステップS709に進む。ステップS702で押下されたボタンがロック状態でない場合、処理はステップS710に進む。
【0082】
ステップS709では、システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報を表示部28に表示する。ロック対象部材がロック状態に設定されている場合には、ロック対象部材に対するユーザーの操作は無効となる。ロック設定解除ボタンの情報が表示部28に表示されることで、ユーザーは、ロック状態を解除する方法を容易に確認することができる。したがって、ユーザーは、所望のタイミングでロック状態を解除し、ロック対象部材に対するユーザーの操作を有効にすることができる。
【0083】
ステップS709で表示されるロック設定解除ボタンの情報は、図5(B)と同様に、機能割り当てボタンの番号とともに表示されるアイコン511であってもよい。システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報として、ロック設定解除ボタンの物理的な位置を表示してもよい。図8は、ロック設定解除ボタンの位置を表示する画面800を例示する。図8の例では、ロック設定解除ボタンは、9番の機能割り当てボタン(アサインボタン)に割り当てられている。
【0084】
画面800は、ロック設定解除ボタン802の位置を示すデジタルカメラ100の画像801を表示する。デジタルカメラ100の画像801において、ロック設定解除ボタン802は、例えば、他のボタンと異なる色によって強調表示される。ロック設定解除ボタン802は、他のボタンとは異なる態様で強調して表示されればよく、点滅表示などによって示されてもよい。また、画面800は、ロック状態(キーロック中)であること、ロック設定解除ボタン802がアサインボタン9に割り当てられていることをユーザーに示すメッセージ803を表示してもよい。さらに、画面800は、図5(B)と同様に、ロックが設定されていることを示すアイコン511を表示してもよい。
【0085】
システム制御部50は、ステップS702でロック対象部材が押下されてから所定の時間(例えば、5秒間)が経過すると、画像801およびメッセージ803を非表示にしてもよい。表示部28は、ロック設定解除ボタンの位置の情報が非表示になると、ステップS702でロック対象部材が押下される前の表示に戻る。ロック設定解除ボタンの位置の情報が非表示になった場合でも、ロックが設定されていることを示すアイコン511は、表示されたままであってもよい。
【0086】
ステップS710では、システム制御部50は、図3のステップS309と同様に、撮影待機状態を終了したか否かを判定する。撮影待機状態が終了していない場合、処理はステップS702に戻る。撮影待機状態が終了した場合、図7に示すロック設定解除情報の表示処理は終了する。
【0087】
なお、実施形態2では、ロック設定解除ボタンの情報は、ロック状態のロック対象部材が押下された場合に表示されるが、実施形態1と組み合わせて、ロック設定解除ボタンが
押下された場合にも表示されてもよい。すなわち、システム制御部50は、ステップS706でロック機能を解除した後、実施形態1の変形例1と同様に、ロック設定解除ボタンの情報を表示してもよい。また、システム制御部50は、ステップS707でロック機能を発動した後、実施形態1と同様に、ロック設定解除ボタンの情報を表示してもよい。
【0088】
上記の実施形態2によれば、デジタルカメラ100は、ロック状態に設定されているロック対象部材に対する操作(所定の操作)を受け付けた場合に、表示部28にロック設定解除ボタンの情報を表示する。ユーザーは、ロック状態のロック対象部材を操作して、所望の機能が実行されなかった場合でも、表示部28に表示された情報に基づいて、容易にロック状態を解除することができる。このように、デジタルカメラ100は、ユーザーによるロック状態の解除を支援することができる。
【0089】
なお、上記の実施形態1および実施形態2は、撮影待機状態でユーザーから所定の操作を受け付けた場合に、ロック設定解除ボタンの情報を表示する例を示すが、ロック設定解除ボタンの情報は、撮影待機状態で表示される場合に限られない。各実施形態は、ロック機能を備える電子機器であって、ユーザーからの操作を受け付け可能な状態の電子機器に対しても適用可能である。
【0090】
ただし、デジタルカメラ100で動画の撮影中など、撮影時の視認性の妨げとなる場合には、システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報を表示しないように制御してもよい。例えば、ロック設定解除ボタンの情報が表示されている場合には、ユーザーが動画撮影を開始すると、システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報を非表示とする。また、動画の撮影中にユーザーから所定の操作を受け付けた場合でも、システム制御部50は、ロック設定解除ボタンの情報を表示しないように制御する。動画の撮影中はロック設定解除ボタンの情報が表示されないようにすることで、ユーザーは、表示部28の画面が確認しやすくなり撮影に集中することができる。
【0091】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0092】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0093】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法、プログラムおよび媒体を含む。
(構成1)
操作部材に対するユーザーの操作を無効とするロック状態の設定および解除を行うロック機能を備える電子機器であって、
ユーザーが指定した機能を割り当てることができる複数の第1操作部材と、
複数の前記第1操作部材のうち、前記ユーザーが選択した少なくとも1つの前記第1操作部材に、前記ロック機能を割り当てる割り当て手段と、
前記ユーザーから所定の操作を受け付けた場合に、前記ロック機能が割り当てられた前記第1操作部材であるロック設定部材の情報を表示する表示制御手段と
を有することを特徴とする電子機器。
(構成2)
前記ロック状態の設定および解除の対象となる第2操作部材をさらに有し、
前記所定の操作は、前記第2操作部材を前記ロック状態に設定するための前記ロック設定部材に対する操作である
ことを特徴とする構成1に記載の電子機器。
(構成3)
前記ロック状態の設定および解除の対象となる第2操作部材をさらに有し、
前記所定の操作は、前記第2操作部材の前記ロック状態を解除するための前記ロック設定部材に対する操作である
ことを特徴とする構成1に記載の電子機器。
(構成4)
前記ロック状態の設定および解除の対象となる第2操作部材をさらに有し、
前記所定の操作は、前記ロック状態に設定されている前記第2操作部材に対する操作である
ことを特徴とする構成1に記載の電子機器。
(構成5)
前記ロック設定部材の情報は、前記ロック設定部材の位置を示す画像を含み、
前記表示制御手段は、前記所定の操作を受け付けてから所定時間が経過すると前記画像を非表示とする
ことを特徴とする構成4に記載の電子機器。
(構成6)
撮像手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記撮像手段による動画の撮影中は、前記ロック設定部材の情報を表示しない
ことを特徴とする構成1~5のいずれか1項に記載の電子機器。
(構成7)
前記第2操作部材は、前記ユーザーによって設定される
ことを特徴とする構成2、4のいずれか1項に記載の電子機器。
(構成8)
前記表示制御手段は、前記ロック機能が割り当てられた複数の前記ロック設定部材がある場合、前記複数の前記ロック設定部材の情報を表示する
ことを特徴とする構成1~7のいずれか1項に記載の電子機器。
(構成9)
前記表示制御手段は、前記ロック機能が割り当てられた複数の前記ロック設定部材がある場合、前記所定の操作が行われた前記ロック設定部材の情報を表示する
ことを特徴とする構成1~7のいずれか1項に記載の電子機器。
(構成10)
前記ロック設定部材の情報は、前記第1操作部材のそれぞれを識別するための記号の情報を含む
ことを特徴とする構成1~9のいずれか1項に記載の電子機器。
(方法)
操作部材に対するユーザーの操作を無効とするロック状態の設定および解除を行うロック機能を備える電子機器の制御方法であって、
ユーザーが指定した機能を割り当てることができる複数の第1操作部材のうち、前記ユーザーが選択した少なくとも1つの前記第1操作部材に、前記ロック機能を割り当てる割り当てステップと、
前記ユーザーから所定の操作を受け付けた場合に、前記ロック機能が割り当てられた前記第1操作部材であるロック設定部材の情報を表示する表示制御ステップと
を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
(プログラム)
コンピュータを、構成1~10のいずれか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
(媒体)
コンピュータを、構成1~10のいずれか1項に記載の電子機器の各手段として機能さ
せるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【符号の説明】
【0094】
100:デジタルカメラ、50:システム制御部、28:表示部、70:操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8