(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183667
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】リザーバタンク及びブレーキ液圧発生装置
(51)【国際特許分類】
B60T 11/26 20060101AFI20231221BHJP
B60T 17/06 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B60T11/26 Z
B60T17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097305
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大棟 貴文
【テーマコード(参考)】
3D047
3D049
【Fターム(参考)】
3D047BB31
3D047CC13
3D047CC23
3D049BB31
3D049HH11
3D049HH41
(57)【要約】
【課題】一例として、設計の自由度を向上可能なリザーバタンクを得る。
【解決手段】実施形態に係るリザーバタンクは、一例として、アッパケースと、前記アッパケースに結合されたロアケースと、前記アッパケースから前記ロアケースに向かって延び、互いに結合された前記アッパケース及び前記ロアケースの内部の空間に含まれる第1の部屋と第2の部屋とを水平方向に区切る、隔壁と、前記第1の部屋を下方から覆う第1の壁と、前記第1の壁から上方に向かって突出するとともに前記隔壁に当接した第2の壁と、を有する区画部材と、を備え、前記隔壁に、当該隔壁の下方の縁に開口するとともに前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通する第1のスリットが設けられ、少なくとも前記第1のスリットの縁と前記第2の壁とが、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通するとともに前記第1の壁よりも上方に位置する第1の孔を形成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパケースと、
前記アッパケースの下方に位置するとともに当該アッパケースに結合されたロアケースと、
前記アッパケースから前記ロアケースに向かって延び、互いに結合された前記アッパケース及び前記ロアケースの内部の空間に含まれる第1の部屋と第2の部屋とを水平方向に区切る、隔壁と、
前記第1の部屋を下方から覆う第1の壁と、前記第1の壁から上方に向かって突出するとともに前記隔壁に当接した第2の壁と、を有する区画部材と、
を具備し、
前記隔壁に、当該隔壁の下方の縁に開口するとともに前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通する第1のスリットが設けられ、
少なくとも前記第1のスリットの縁と前記第2の壁とが、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通するとともに前記第1の壁よりも上方に位置する第1の孔を形成する、
リザーバタンク。
【請求項2】
前記第2の壁は、前記第1の壁の縁から突出するとともに前記第1の壁の縁に沿って無端状に延び、前記第1の部屋を囲む、
請求項1のリザーバタンク。
【請求項3】
前記第2の壁は、前記空間に含まれる第3の部屋と前記第1の部屋とを水平方向に区切り、前記第1の部屋と前記第3の部屋とを連通するとともに前記第1の孔よりも下方に位置する第2の孔が設けられた、
請求項2のリザーバタンク。
【請求項4】
前記隔壁は、前記第1の部屋と前記第3の部屋とを水平方向に区切り、
前記隔壁に、当該隔壁の下方の縁に開口するとともに前記第1の部屋と前記第3の部屋とを連通する第2のスリットが設けられ、
少なくとも前記第2のスリットの縁と前記第2の壁とが、前記第1の部屋と前記第3の部屋とを連通する第3の孔を形成する、
請求項3のリザーバタンク。
【請求項5】
ブレーキ液を加圧又は減圧可能な圧力調整装置と、
前記圧力調整装置に接続され、前記ブレーキ液を貯留可能な、請求項1乃至請求項4のいずれか一つのリザーバタンクと、
を具備するブレーキ液圧発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、リザーバタンク及びブレーキ液圧発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部の空間が複数の部屋に区切られたリザーバタンクが知られている(特許文献1)。例えば、複数の部屋は、個別に液体を貯留し、又は液体が所望の経路で流れるように互いに連通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、二つの部屋を連通する孔の配置が制限されることがある。例えば、孔がスライドコアを利用した射出成型により形成される場合、当該スライドコアが移動可能な部分を設けるようにリザーバタンクの設計が制限される。
【0005】
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、設計の自由度を向上可能なリザーバタンク及びブレーキ液圧発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るリザーバタンクは、一例として、アッパケースと、前記アッパケースの下方に位置するとともに当該アッパケースに結合されたロアケースと、前記アッパケースから前記ロアケースに向かって延び、互いに結合された前記アッパケース及び前記ロアケースの内部の空間に含まれる第1の部屋と第2の部屋とを水平方向に区切る、隔壁と、前記第1の部屋を下方から覆う第1の壁と、前記第1の壁から上方に向かって突出するとともに前記隔壁に当接した第2の壁と、を有する区画部材と、を備え、前記隔壁に、当該隔壁の下方の縁に開口するとともに前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通する第1のスリットが設けられ、少なくとも前記第1のスリットの縁と前記第2の壁とが、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通するとともに前記第1の壁よりも上方に位置する第1の孔を形成する。よって、一例としては、リザーバタンクは、配置の自由度が高い第1の孔を、第1のスリットと区画部材との組み合わせにより形成することが可能である。従って、リザーバタンクは、設計の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一つの実施形態に係るブレーキ液圧発生装置を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、上記実施形態のリザーバタンクの一部を示す断面図である。
【
図3】
図3は、上記実施形態のリザーバタンクの断面を
図1のF3-F3線に沿って示す斜視図である。
【
図4】
図4は、上記実施形態のインナーキャップを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、上記実施形態のリザーバタンクの一部を
図2の反対側から示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、一つの実施形態について、
図1乃至
図5を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、本実施形態に係るブレーキ液圧発生装置10を概略的に示す図である。ブレーキ液圧発生装置10は、例えば、自動車のような車両1に搭載される。ブレーキ液圧発生装置10は、車両1のブレーキ装置の液路におけるブレーキ液の圧力(液圧)を発生させる。なお、ブレーキ液圧発生装置10は、この例に限られない。
【0010】
図1に示すように、ブレーキ液圧発生装置10は、ハイドロブースタ11と、リザーバタンク12と、ブレーキペダル13と、マスタシリンダ14とを有する。ハイドロブースタ11は、圧力調整装置の一例である。なお、圧力調整装置は、マスタシリンダ14のような、ブレーキ液を加圧又は減圧可能な他の部品であっても良い。ブレーキ液圧発生装置10は、ポンプのような種々の装置をさらに有し得る。
【0011】
ハイドロブースタ11は、ブレーキブースタであり、ブレーキ装置の液路に接続される。ハイドロブースタ11は、ブレーキペダル13の踏力を増幅して、マスタシリンダ14のブレーキ液を加圧する。
【0012】
例えば、マスタシリンダ14は、ブレーキ装置の液路を介して、複数のホイールシリンダ15に接続される。マスタシリンダ14のブレーキ液が加圧されることで、ホイールシリンダ15に接続されたブレーキパッドがブレーキディスクに押し付けられ、制動力を発揮する。なお、ブレーキ液圧発生装置10は、ディスクブレーキに限らず、ドラムブレーキのような他のブレーキ装置に搭載されても良い。
【0013】
リザーバタンク12は、ハイドロブースタ11に接続される。リザーバタンク12は、当該リザーバタンク12の内部に、ブレーキ液を貯留する。リザーバタンク12のブレーキ液は、ハイドロブースタ11に供給される。また、ハイドロブースタ11から排出されたブレーキ液は、リザーバタンク12に貯留され得る。リザーバタンク12は、マスタシリンダ14、及びポンプのような他の装置にさらに接続されても良い。
【0014】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、リザーバタンク12の幅に沿って設けられる。Y軸は、リザーバタンク12の長さに沿って設けられる。Z軸は、リザーバタンク12の高さに沿って設けられる。
【0015】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
【0016】
以下の記載は、車両1が水平な地面の上に配置された状態におけるリザーバタンク12について説明する。この場合、+Z方向は上方向であり、-Z方向は下方向である。なお、リザーバタンク12は、Z方向が鉛直方向と若干異なるようにブレーキ液圧発生装置10に搭載されても良い。
【0017】
図2は、本実施形態のリザーバタンク12の一部を示す断面図である。
図3は、本実施形態のリザーバタンク12の断面を
図1のF3-F3線に沿って示す斜視図である。
図1乃至
図3に示すように、リザーバタンク12は、アッパケース21と、ロアケース22と、インナーキャップ23と、複数のフィルタ24と、フロート25とを有する。インナーキャップ23は、区画部材の一例である。
【0018】
アッパケース21、ロアケース22、インナーキャップ23、及びフィルタ24は、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレンのような合成樹脂によって作られる。なお、アッパケース21、ロアケース22、インナーキャップ23、及びフィルタ24のうち少なくとも一つは、他の材料で作られても良い。
【0019】
アッパケース21、ロアケース22、インナーキャップ23、及びフィルタ24は、例えば、溶着によって互いに結合される。例えば、アッパケース21とインナーキャップ23とが互いに結合され、ロアケース22とフィルタ24とが互いに結合される。さらに、アッパケース21が、当該アッパケース21の下方に位置するロアケース22に結合される。互いに結合されたアッパケース21及びロアケース22は、箱状に形成され、内部に空間Sが設けられる。
【0020】
図1に示すように、アッパケース21は、上壁31と、側壁32と、複数の隔壁33,34とを有する。上壁31、側壁32、及び隔壁33,34は、一体に形成される。なお、上壁31、側壁32、及び隔壁33,34は、互いに異なる部材であっても良い。
【0021】
上壁31に、注油口35が設けられる。注油口35は、上壁31を略Z方向に貫通し、空間Sとリザーバタンク12の外部とを連通する。リザーバタンク12は、注油口35からブレーキ液を供給されることができる。注油口35は、例えば、キャップにより塞がれる。
【0022】
側壁32は、上壁31の縁から、略-Z方向に延びている。すなわち、側壁32は、アッパケース21からロアケース22に向かって延びている。側壁32は、上壁31の縁から、当該上壁31の縁に沿って無端状に延びている。言い換えると、側壁32は、筒状に形成される。側壁32は、空間Sを囲んでいる。
【0023】
-Z方向(下方向)における側壁32の縁32aは、水平方向に対して斜めに傾斜している。本実施形態では、-Z方向における側壁32の縁32aは、-Y方向に対して斜め下方に傾斜し、
図1における斜め右下に延びている。-Z方向における側壁32の縁32aは、略同一平面上に設けられる。なお、-Z方向における側壁32の縁32aは、この例に限られない。
【0024】
複数の隔壁33,34は、上壁31から略-Z方向に延びている。すなわち、隔壁33,34は、アッパケース21からロアケース22に向かって延びている。なお、隔壁33,34は、鉛直方向に対して斜めに傾斜した方向に延びていても良い。隔壁33,34のそれぞれは、空間Sのうちアッパケース21の内側の部分を、水平方向に複数の部屋に区切る。
【0025】
図3に示すように、隔壁33は、側壁32から離間している。隔壁33は、Y方向に長い略楕円の円筒状に形成されている。例えば、隔壁33は、二つの円弧状の部分37と、当該二つの円弧状の部分の間に位置する二つの直線状の部分38と、を有する。隔壁33の形状は、この例に限られない。隔壁34は、例えば、側壁32と隔壁33との間で延びている。
【0026】
図1に示すように、ロアケース22は、下壁41と、側壁42と、複数の隔壁43とを有する。下壁41、側壁42、及び隔壁43は、一体に形成される。なお、下壁41、側壁42、及び隔壁43は、互いに異なる部材であっても良い。
【0027】
下壁41は、アッパケース21よりも下方に位置する。側壁42は、下壁41の縁から、略+Z方向に延びている。側壁42は、下壁41の縁から、当該下壁41の縁に沿って無端状に延びている。言い換えると、側壁42は、筒状に形成される。側壁42は、空間Sを囲んでいる。
【0028】
+Z方向(上方向)における側壁42の縁42aは、アッパケース21の側壁32の縁32aに沿って、水平方向に対して斜めに傾斜している。+Z方向における側壁42の縁42aは、略同一平面上に設けられる。なお、+Z方向における側壁42の縁42aは、この例に限られない。
【0029】
側壁42の縁42aは、側壁32の縁32aに当接する。側壁32の縁32aと側壁42の縁42aとが互いに溶着されることで、アッパケース21とロアケース22とが、互いに結合する。なお、アッパケース21とロアケース22とは、他の方法で互いに結合されても良い。
【0030】
下壁41及び側壁42に、複数のポート48が設けられる。ポート48のそれぞれは、下壁41又は側壁42を貫通し、空間Sとリザーバタンク12の外部とを連通する。ポート48は、例えば、ブレーキ装置の液路を介して、マスタシリンダ14やハイドロブースタ11に接続される。なお、複数のポート48のうち少なくとも一つは、他の装置に接続されても良い。
【0031】
複数の隔壁43は、下壁41から略+Z方向に延びている。なお、隔壁43は、鉛直方向に対して斜めに傾斜した方向に延びていても良い。隔壁43のそれぞれは、空間Sのうちロアケース22の内側の部分を、水平方向に複数の部屋に区切る。
【0032】
インナーキャップ23は、空間Sに配置される。インナーキャップ23は、例えば、下方から、アッパケース21の隔壁33の内側に挿入される。なお、インナーキャップ23は、この例に限られない。
【0033】
図4は、本実施形態のインナーキャップ23を示す斜視図である。
図4に示すように、インナーキャップ23は、底壁51と、周壁52と、複数のリブ53とを有する。底壁51は、第1の壁の一例である。周壁52は、第2の壁の一例である。
【0034】
底壁51は、Y方向に長い略楕円の板状に形成される。底壁51は、傾斜部61と、水平部62とを有する。傾斜部61は、側壁32,42の縁32a,42aと略平行に、+Y方向に対して斜め下方に傾斜している。水平部62は、+Y方向における傾斜部61の端部から、略+Y方向に延びている。
【0035】
周壁52は、底壁51から上方、例えばアッパケース21の上壁31に向かって突出している。本実施形態では、周壁52は、底壁51の縁から略+Z方向に突出するとともに、底壁51の縁及び隔壁33に沿って無端状に延びている。言い換えると、Y方向に長い略楕円の円筒状に形成されている。例えば、周壁52は、二つの円弧状の部分65と、当該二つの円弧状の部分の間に位置する二つの直線状の部分66と、を有する。
【0036】
図2に示すように、隔壁33は、第1の内面33aと、下縁33bと、外面33cと、第2の内面33dと、段33eとを有する。下縁33bは、隔壁の下方向の縁の一例である。
【0037】
第1の内面33aは、筒状の隔壁33の内側に向く、略楕円の円筒状の曲面である。下縁33bは、隔壁33の-Z方向における縁である。下縁33bは、側壁32の縁32aに沿って、水平方向に対して斜めに傾斜している。下縁33bは、側壁32の縁32aと略同一平面上に設けられる。なお、下縁33bは、この例に限られない。
【0038】
外面33cは、筒状の隔壁33の外側に向く、略楕円の円筒状の曲面である。外面33cは、第1の内面33aの反対側に位置する。-Z方向における外面33cの端は、下縁33bに接続される。一方、-Z方向における第1の内面33aの端は、下縁33bよりも上方に位置する。
【0039】
第2の内面33dは、外面33cの反対側に位置するとともに、少なくとも部分的に第1の内面33aよりも下方に位置する。第2の内面33dは、筒状の隔壁33の内側に向く、略楕円の円筒状の曲面である。-Z方向における第2の内面33dの端は、下縁33bに接続される。
【0040】
第2の内面33dは、水平方向において、第1の内面33aと外面33cとの間に位置する。すなわち、隔壁33のうち、第2の内面33dと外面33cとの間の部分は、第1の内面33aと外面33cとの間の部分よりも薄い。
【0041】
段33eは、-Z方向における第1の内面33aの端と、+Z方向における第2の内面33dの端と、に接続される。段33eは、略水平な平面であり、略-Z方向に向く。なお、段33eは、水平方向に対して斜めに傾斜していても良い。
【0042】
周壁52は、第2の内面33dの内側に嵌め込まれるとともに、段33eに当接している。周壁52は、内面52aと、上縁52bと、外面52cとを有する。
【0043】
内面52aは、筒状の周壁52の内側に向く、略楕円の円筒状の曲面である。上縁52bは、周壁52の+Z方向における縁である。上縁52bは、略水平な平面であり、略+Z方向に向く。上縁52bは、隔壁33の段33eに当接する。
【0044】
周壁52の上縁52bと、隔壁33の段33eとは、アッパケース21の側壁32の縁32aに沿って、部分的に水平方向に対して斜めに傾斜しても良い。この場合、アッパケース21、ロアケース22、及びインナーキャップ23の溶着が容易になる。
【0045】
外面52cは、筒状の周壁52の外側に向く、略楕円の円筒状の曲面である。外面52cは、内面52aの反対側に位置するとともに、隔壁33の第2の内面33dに当接する。なお、外面52cと第2の内面33dとの間に、隙間が設けられても良い。
【0046】
隔壁33のうち第2の内面33dと外面33cとの間の部分は、周壁52を囲む。言い換えると、隔壁33と、周壁52とは、水平方向において少なくとも部分的に重なる。なお、隔壁33は、周壁52と重ならなくても良い。
【0047】
図4に示すように、リブ53は、略三角形の板状に形成され、底壁51の傾斜部61と、周壁52とを接続する。リブ53は、例えば、周壁52のうち、直線状の部分66に接続される。これにより、リブ53は、直線状の部分66が倒れることを抑制できる。なお、リブ53は、この例に限られない。
【0048】
図3に示すように、フィルタ24は、空間Sに配置される。フィルタ24は、例えば、上方から、空間Sのうちロアケース22の側壁42と隔壁43との間の部分に挿入される。なお、フィルタ24は、この例に限られない。
【0049】
フィルタ24は、濾過壁71と、周壁72とを有する。濾過壁71は、略水平に設けられる。濾過壁71は、少なくとも部分的にメッシュ状に形成されている。ブレーキ液は、濾過壁71で濾過されて当該濾過壁71を通過することができる。周壁72は、濾過壁71の縁から略-Z方向に延びている。例えば、周壁72から突出した突起が、隔壁43に設けられた切欠きに嵌め込まれる。これにより、ロアケース22がフィルタ24を支持する。
【0050】
空間Sは、導入室Ciと、フィルタ室Cfと、バイパス室Cbとを含む。導入室Ciは、第1の部屋の一例である。フィルタ室Cfは、第3の部屋の一例である。バイパス室Cbは、第2の部屋の一例である。
【0051】
導入室Ciは、隔壁33及び周壁52の内側に設けられた空間Sの一部である。隔壁33及び周壁52は、導入室Ciを囲む。フィルタ室Cfとバイパス室Cbとのそれぞれは、隔壁33の外側であって、側壁32と隔壁33との間に設けられた空間Sの一部である。
【0052】
隔壁33及び周壁52は、導入室Ciとフィルタ室Cfとを、水平方向に区切る。また、隔壁33及び周壁52は、導入室Ciとバイパス室Cbとを、水平方向に区切る。複数の隔壁34のうち一つは、フィルタ室Cfとバイパス室Cbとを、水平方向に区切る。
【0053】
図2に示すように、インナーキャップ23の底壁51は、導入室Ciを下方から覆う。導入室Ciは、上壁31、隔壁33、及び底壁51によって形成(区画、規定)される。なお、導入室Ciは、この例に限られない。導入室Ciは、注油口35を介して、リザーバタンク12の外部に連通している。
【0054】
空間Sは、複数の下部室Clをさらに含む。下部室Clは、ロアケース22の内側に設けられた空間Sの一部である。インナーキャップ23の底壁51は、導入室Ciと、複数の下部室Clのうち少なくとも一つと、を鉛直方向に区切る。フィルタ24の濾過壁71は、フィルタ室Cfと、複数の下部室Clのうち少なくとも一つと、を鉛直方向に区切る。なお、フィルタ室Cfと下部室Clとは、濾過壁71の網目を通じて互いに連通している。バイパス室Cbは、複数の下部室Clのうち少なくとも一つに連通している。複数の下部室Clのうち少なくとも一つは、ポート48を介して、リザーバタンク12の外部に連通している。
【0055】
フロート25は、下部室Clに配置される。フロート25は、下壁41と、底壁51の水平部62と、の間に位置する。フロート25は、リザーバタンク12に貯留されたブレーキ液に浮く。水平部62は、フロート25に当接することで、フロート25が+Z方向に移動することを制限する。
【0056】
フロート25には、例えば、磁石が取り付けられる。ブレーキ液圧発生装置10は、当該磁石の磁力に基づき、鉛直方向におけるフロート25の位置を検知するセンサをさらに有する。ブレーキ液圧発生装置10は、フロート25の位置を検知することで、リザーバタンク12に貯留されたブレーキ液の液位を検知することができる。
【0057】
図5は、本実施形態のリザーバタンク12の一部を
図2の反対側から示す断面図である。隔壁33に、
図5に示す第1のスリット81と、
図2に示す第2のスリット82と、が設けられる。第1のスリット81及び第2のスリット82のそれぞれは、隔壁33の下縁33bに開口し、下縁33bから略+Z方向に延びている。なお、第1のスリット81及び第2のスリット82は、他の方向に延びていても良い。
【0058】
第1のスリット81及び第2のスリット82のそれぞれは、隔壁33を略水平方向に貫通し、隔壁33の第1の内面33a、外面33c、第2の内面33d、及び段33eに開口している。
【0059】
図3に示すように、第1のスリット81は、導入室Ciとバイパス室Cbとを連通する。リブ53は、Y方向において、第1のスリット81と水平部62との間に位置する。第2のスリット82は、導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通する。第2のスリット82は、Y方向において、フィルタ室Cfとバイパス室Cbとを区切る隔壁34と、水平部62と、の間に位置する。さらに、リブ53は、Y方向において、第2のスリット82と水平部62との間に位置する。
【0060】
上述のように、インナーキャップ23の周壁52は、第2の内面33d及び段33eに当接する。このため、周壁52は、第1のスリット81のうち第2の内面33dに開口する部分と段33eに開口する部分とを塞ぐ。
【0061】
図2に示すように、少なくとも第1のスリット81の縁81aと周壁52の上縁52bとが、第1の孔85を形成する。第1の孔85は、第1のスリット81の一部である。すなわち、周壁52は、第1のスリット81を狭めることで、第1の孔85を形成する。
【0062】
図5に示すように、周壁52に、第2の孔86が設けられる。第2の孔86は、周壁52を略水平方向に貫通し、内面52a及び外面52cに開口する。第2の孔86は、底壁51に隣接した位置に設けられ、周壁52の上縁52bよりも下方に位置する。第2の孔86は、第2のスリット82のうち第2の内面33dに開口する部分に連通する。第2の孔86は、第2のスリット82を介して、導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通する。
【0063】
第2の孔86は、周壁52の上縁52bから下方に離間している。このため、周壁52のうち上縁52bに隣接する部分は、第2の孔86によって途切れず、無端状に延びて強度の低下を抑制できる。
【0064】
少なくとも第2のスリット82の縁82aと周壁52の上縁52bとが、第3の孔87を形成する。第3の孔87は、第2のスリット82の一部である。すなわち、周壁52は、第2のスリット82を狭めることで、第3の孔87を形成する。
【0065】
第1の孔85は、第1のスリット81と同じく、導入室Ciとバイパス室Cbとを連通する。第3の孔87は、第2のスリット82と同じく、導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通する。
【0066】
第1の孔85及び第3の孔87のそれぞれは、底壁51よりも上方に位置するとともに、周壁52の上縁52bを下端としてその上方に位置する。さらに、第1の孔85及び第3の孔87のそれぞれは、隔壁33の下縁33bよりも上方に位置する。第2の孔86は、第1の孔85及び第3の孔87よりも下方に位置する。なお、第2の孔86の上端は、上述の例に代えて、例えば、周壁52の上縁52bまで延びていても良い。すなわち、第2の孔86はその上端が解放されたスリット状を呈していても良い。
【0067】
図4に示すように、インナーキャップ23は、周壁52の外面52cから略水平方向に突出する突起91をさらに有する。突起91は、第2のスリット82のうち第2の内面33dに開口する部分に嵌る。突起91は、インナーキャップ23の位置決めを補助する。
【0068】
例えば、ブレーキ液は、注油口35から導入室Ciに供給される。導入室Ciのブレーキ液は、第2の孔86を通って、フィルタ室Cfに流出する。しかし、第1の孔85及び第3の孔87が周壁52の上縁52bの上に位置するため、ブレーキ液は、通常、第1の孔85及び第3の孔87から導入室Ciの外に流出しない。
【0069】
フィルタ室Cfのブレーキ液は、濾過壁71を通過し、複数の下部室Clのうち少なくとも一つに供給される。下部室Clのブレーキ液は、ポート48から、マスタシリンダ14やハイドロブースタ11、又は他の装置に供給される。
【0070】
一方、例えばフィルタ24に目詰まりが発生した場合、フィルタ室Cfのブレーキ液が、濾過壁71を通過し難くなる。この場合、ブレーキ液がフィルタ室Cf及び導入室Ciに溜まり、導入室Ciにおけるブレーキ液の液位が上昇する。
【0071】
導入室Ciにおけるブレーキ液の液位が周壁52の上縁52bを越えて上昇すると、ブレーキ液は、第1の孔85を通って、バイパス室Cbに流出する。バイパス室Cbのブレーキ液は、例えば、濾過されることなく、下部室Clに供給される。このように、フィルタ24に目詰まりが発生した場合であっても、導入室Ciのブレーキ液が下部室Clに供給され得る。従って、マスタシリンダ14やハイドロブースタ11においてブレーキ液が不足することが抑制される。
【0072】
図1に示すように、アッパケース21に、上限目盛Muが設けられる。上限目盛Muは、周壁52の上縁52bと略同一の高さに設けられる。ユーザは、導入室Ciにおけるブレーキ液の液位が上限目盛Muを越えないように注油口35にブレーキ液を供給することで、濾過されないブレーキ液が下部室Clに供給されることを抑制できる。
【0073】
また、ロアケース22に、下限目盛Mlが設けられる。空間Sにおけるブレーキ液の液位が下がると、フロート25の位置も下がる。例えば車両1のECU(Electronic Control Unit)は、センサによる当該フロート25の位置の検知に基づき、空間Sにおけるブレーキ液の液位が下限目盛Mlより下がっているか否かを判定することができる。
【0074】
図3に示すように、フィルタ室Cfとバイパス室Cbとを区画する隔壁34に、第4の孔95が設けられても良い。第4の孔95は、第1の孔85と略同一の高さに設けられ、フィルタ室Cfとバイパス室Cbとを連通する。フィルタ24に目詰まりが発生した場合、フィルタ室Cfに溜まったブレーキ液は、第4の孔95を通ってバイパス室Cbに流出することができる。
【0075】
以上説明された実施形態に係るブレーキ液圧発生装置10において、隔壁33は、アッパケース21からロアケース22に向かって延び、互いに結合されたアッパケース21及びロアケース22の内部の空間Sに含まれる導入室Ciとバイパス室Cbとを水平方向に区切る。インナーキャップ23は、底壁51と、周壁52とを有する。底壁51は、導入室Ciを下方から覆う。周壁52は、底壁51から上方に向かって突出するとともに、隔壁33に当接する。隔壁33に、当該隔壁33の下縁33bに開口するとともに導入室Ciとバイパス室Cbとを連通する第1のスリット81が設けられる。少なくとも第1のスリット81の縁81aと周壁52とが、導入室Ciとバイパス室Cbとを連通するとともに底壁51よりも上方に位置する第1の孔85を形成する。鉛直方向における底壁51と第1の孔85との間の距離は、例えば周壁52の長さを変更することで、容易に変更され得る。一方で、導入室Ciとバイパス室Cbとを連通する孔が例えばスライドコアを利用した射出成型により形成される場合、当該スライドコアが移動可能な部分(スライドコアの移動空間)を設けるようにリザーバタンク12の設計が制限される。しかし、リザーバタンク12は、配置の自由度が高い第1の孔85を、第1のスリット81とインナーキャップ23との組み合わせにより形成することが可能である。従って、リザーバタンク12は、設計の自由度を向上させることができる。例えば、空間Sのうち周壁52の外周側であって上縁52bよりも上方の部分が、該上縁52bよりも下方の部分と比較して水平方向に関して狭いなど、上述のスライドコアの移動空間の確保が困難な場合には、本実施形態の構造は特に有用である。
【0076】
周壁52は、底壁51の縁から突出するとともに当該底壁51の縁に沿って無端状に延び、導入室Ciを囲む。言い換えると、周壁52は、底壁51の縁の略全周から突出している。これにより、周壁52は、例えば導入室Ciに存在するブレーキ液が導入室Ciの外に望まぬ場所から流出することを抑制できる。さらに、周壁52は、当該周壁52の剛性を向上させることができる。
【0077】
周壁52は、空間Sに含まれるフィルタ室Cfと導入室Ciとを水平方向に区切る。周壁52に、第2の孔86が設けられる。第2の孔86は、導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通するとともに、第1の孔85よりも下方に位置する。これにより、導入室Ciに存在するブレーキ液は、第2の孔86を通って導入室Ciからフィルタ室Cfへ流出する。一方、導入室Ciに存在するブレーキ液の液位が周壁52の上方の縁よりも高くなった場合、当該ブレーキ液は、第1の孔85を通って導入室Ciからバイパス室Cbへ流出する。すなわち、第1の孔85は、導入室Ciに存在するブレーキ液の液位が所定の液位を越えた場合に、導入室Ciからブレーキ液をバイパス室Cbに排出することができる。従って、リザーバタンク12は、導入室Ciのブレーキ液の液位が所望の液位を越えることを抑制できる。さらに、当該所望の液位は、例えば、周壁52の長さを変更することで、容易に変更され得る。
【0078】
隔壁33は、導入室Ciとフィルタ室Cfとを水平方向に区切る。隔壁33に、当該隔壁33の下縁33bに開口するとともに導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通する第2のスリット82が設けられる。少なくとも第2のスリット82の縁82aと周壁52とが、導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通する第3の孔87を形成する。これにより、リザーバタンク12は、導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通する孔(第2の孔86及び第3の孔87)の大きさが周壁52の長さによって制限されることを抑制できる。また、リザーバタンク12は、第3の孔87を第2のスリット82とインナーキャップ23との組み合わせにより形成するため、導入室Ciとフィルタ室Cfとを連通する孔が例えばスライドコアを利用した射出成型により隔壁33に形成される場合に比べ、設計の自由度を向上させることができる。
【0079】
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係るリザーバタンクは、一例として、アッパケースと、前記アッパケースの下方に位置するとともに当該アッパケースに結合されたロアケースと、前記アッパケースから前記ロアケースに向かって延び、互いに結合された前記アッパケース及び前記ロアケースの内部の空間に含まれる第1の部屋と第2の部屋とを水平方向に区切る、隔壁と、前記第1の部屋を下方から覆う第1の壁と、前記第1の壁から上方に向かって突出するとともに前記隔壁に当接した第2の壁と、を有する区画部材と、を備え、前記隔壁に、当該隔壁の下方の縁に開口するとともに前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通する第1のスリットが設けられ、少なくとも前記第1のスリットの縁と前記第2の壁とが、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを連通するとともに前記第1の壁よりも上方に位置する第1の孔を形成する。よって、一例としては、鉛直方向における第1の壁と第1の孔との間の距離は、例えば第2の壁の長さを変更することで、容易に変更され得る。一方で、第1の部屋と第2の部屋とを連通する孔が例えばスライドコアを利用した射出成型により形成される場合、当該スライドコアが移動可能な部分を設けるようにリザーバタンクの設計が制限される。しかし、リザーバタンクは、配置の自由度が高い第1の孔を、第1のスリットと区画部材との組み合わせにより形成することが可能である。従って、リザーバタンクは、設計の自由度を向上させることができる。
【0080】
上記リザーバタンクでは、一例として、前記第2の壁は、前記第1の壁の縁から突出するとともに前記第1の壁の縁に沿って無端状に延び、前記第1の部屋を囲む。よって、一例としては、第2の壁が第1の壁の縁の略全周から突出することにより、第2の壁は、例えば第1の部屋に存在する液体が第1の部屋の外に望まぬ場所から流出することを抑制できる。さらに、第2の壁は、当該第2の壁の剛性を向上させることができる。
【0081】
上記リザーバタンクでは、一例として、前記第2の壁は、前記空間に含まれる第3の部屋と前記第1の部屋とを水平方向に区切り、前記第1の部屋と前記第3の部屋とを連通するとともに前記第1の孔よりも下方に位置する第2の孔が設けられる。よって、一例としては、第1の部屋に存在する液体は、第2の孔を通って第1の部屋から第3の部屋へ流出する。一方、第1の部屋に存在する液体の液位が第2の壁の上方の縁よりも高くなった場合、当該液体は、第1の孔を通って第1の部屋から第2の部屋へ流出する。すなわち、第1の孔は、第1の部屋に存在する液体の液位が所定の液位を越えた場合に、第1の部屋から液体を第2の部屋に排出することができる。従って、リザーバタンクは、第1の部屋の液体の液位が所望の液位を越えることを抑制できる。さらに、当該所望の液位は、例えば、第2の壁の長さを変更することで、容易に変更され得る。
【0082】
上記リザーバタンクでは、一例として、前記隔壁は、前記第1の部屋と前記第3の部屋とを水平方向に区切り、前記隔壁に、当該隔壁の下方の縁に開口するとともに前記第1の部屋と前記第3の部屋とを連通する第2のスリットが設けられ、少なくとも前記第2のスリットの縁と前記第2の壁とが、前記第1の部屋と前記第3の部屋とを連通する第3の孔を形成する。よって、一例としては、リザーバタンクは、第1の部屋と第3の部屋とを連通する孔(第2の孔及び第3の孔)の大きさが第2の壁の長さによって制限されることを抑制できる。また、リザーバタンクは、第3の孔を第2のスリットと区画部材との組み合わせにより形成するため、第1の部屋と第3の部屋とを連通する孔が例えばスライドコアを利用した射出成型により形成される場合に比べ、設計の自由度を向上させることができる。
【0083】
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係るリザーバタンクは、一例として、ブレーキ液を加圧又は減圧可能な圧力調整装置と、前記圧力調整装置に接続され、前記ブレーキ液を貯留可能な、上記リザーバタンクと、を備える。よって、一例としては、リザーバタンクは、設計の自由度を向上させることができる。
【0084】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。
【0085】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0086】
10…ブレーキ液圧発生装置、11…ハイドロブースタ(圧力調整装置)、12…リザーバタンク、21…アッパケース、22…ロアケース、23…インナーキャップ(区画部材)、33…隔壁、33b…下縁(縁)、51…底壁(第1の壁)、52…周壁(第2の壁)、81…第1のスリット、81a…縁、82…第2のスリット、82a…縁、85…第1の孔、86…第2の孔、87…第3の孔、S…空間、Ci…導入室(第1の部屋)、Cb…バイパス室(第2の部屋)、Cf…フィルタ室(第3の部屋)。