(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183668
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】リングオシレータ
(51)【国際特許分類】
H03K 3/011 20060101AFI20231221BHJP
H03K 3/03 20060101ALI20231221BHJP
H03K 3/354 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H03K3/011
H03K3/03
H03K3/354 B
H03K3/354 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097306
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】小我野 春輝
【テーマコード(参考)】
5J300
【Fターム(参考)】
5J300AA26
5J300LL01
(57)【要約】
【課題】簡素な構成により、広い温度範囲にわたって高精度で一定の発振周波数を有する基準クロック信号を生成することのできるリングオシレータを得る。
【解決手段】遅延要素として差動増幅回路を用いて構成され、基準電圧に基づいて基準クロック信号を発生させるリングオシレータであって、温度変化に対して出力信号の発振周波数が変化する温度特性を相殺するように、基準電圧を温度変化に応じて変化させた温度補償後の基準電圧を差動増幅回路に対して出力する温度補償回路を備え、差動増幅回路は、温度補償後の基準電圧とフィードバック電圧との比較を行うことで、動作電圧の変化に依存しない発振振幅を有するとともに、温度変化に依存しない一定の発振周波数を有するように、基準クロック信号を発生させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遅延要素として差動増幅回路を用いて構成され、基準電圧に基づいて基準クロック信号を発生させるリングオシレータであって、
温度変化に対して出力信号の発振周波数が変化する温度特性を相殺するように、前記基準電圧を前記温度変化に応じて変化させた温度補償後の基準電圧を前記差動増幅回路に対して出力する温度補償回路
を備え、
前記差動増幅回路は、前記温度補償後の基準電圧とフィードバック電圧との比較を行うことで、動作電圧の変化に依存しない発振振幅を有するとともに、前記温度変化に依存しない一定の発振周波数を有するように、前記基準クロック信号を発生させる
リングオシレータ。
【請求項2】
前記温度補償回路は、2つの抵抗値の比を設定変更することで、既知である前記温度特性を相殺するように、前記基準電圧を入力として、温度変化に応じて一定の傾きを有する信号として前記温度補償後の基準電圧を出力する回路構成を有する
請求項1に記載のリングオシレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基準クロック信号を発生させるリングオシレータに関する。
【背景技術】
【0002】
基準クロック信号を発生させる回路として、複数個の遅延要素をリング状に結合して構成されたリングオシレータ(Ring Oscillator)が多く使われている。このようなリングオシレータでは、温度変化により基準クロック信号の発振周波数が変化してしまう問題がある。
【0003】
この問題を解消するために、遅延要素としてインバータを用いたリングオシレータにおいて、温度に応じて可変した動作電圧を発生させる電圧発生部を備えた従来技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1において、電圧発生部は、温度上昇によって基準クロック信号の発振周波数が減少するように動作電圧を制御することによって、温度変化による発振周波数の変化を補償している。
【0004】
この結果、特許文献1では、0~100℃の温度範囲において、周波数変動を±2%に抑えることができるリングオシレータを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1に開示された従来技術では、温度上昇によって発振信号の周波数が増加する方向に動作電流を制御するバイアス回路と、温度によって変わる動作電圧を発生させる電圧発生部と、を備えることが必須である。従って、回路構成が複雑であった。
【0007】
さらに、特許文献1に開示された従来技術では、0~100℃の温度範囲において周波数変動を抑制している。しかしながら、種々の使用環境を考慮すると、より広い温度範囲にわたって高精度で一定の発振周波数を有する基準クロック信号を生成することが望まれる。
【0008】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、簡素な構成により、広い温度範囲にわたって高精度で一定の発振周波数を有する基準クロック信号を生成することのできるリングオシレータを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係るリングオシレータは、遅延要素として差動増幅回路を用いて構成され、基準電圧に基づいて基準クロック信号を発生させるリングオシレータであって、温度変化に対して出力信号の発振周波数が変化する温度特性を相殺するように、基準電圧を温度変化に応じて変化させた温度補償後の基準電圧を差動増幅回路に対して出力する温度補償回路を備え、差動増幅回路は、温度補償後の基準電圧とフィードバック電圧との比較を行うことで、動作電圧の変化に依存しない発振振幅を有するとともに、温度変化に依存しない一定の発振周波数を有するように、基準クロック信号を発生させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、簡素な構成により、広い温度範囲にわたって高精度で一定の発振周波数を有する基準クロック信号を生成することのできるリングオシレータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る差動型リングオシレータにおいて、各段に用いられる基本回路の構成を示した図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係る差動型リングオシレータにおいて、動作電圧VDDの変化に依存しない発振周波数を得るための回路構成を示した図である。
【
図3】本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、3種の動作電圧に対する出力の発振振幅および発振周波数を測定した結果を示す図である。
【
図4】本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、
図3に示した測定結果から動作電圧変動に対する発振振幅および発振周波数の関係を示した特性図である。
【
図5】本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、5種の温度に対する出力の発振振幅および発振周波数を測定した結果を示す図である。
【
図6】本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、
図5に示した測定結果から温度変動に対する発振振幅および発振周波数の関係を示した特性図である。
【
図7】本開示の実施の形態1に係る差動型リングオシレータにおいて、発振周波数の動作電圧依存、および発振周波数の温度依存の両方を解消するための回路構成を示した図である。
【
図8】本開示の実施の形態1に係る
図7に示した回路構成において、5種の温度に対する出力の発振振幅および発振周波数を測定した結果を示す図である。
【
図9】本開示の実施の形態1に係る
図7に示した回路構成において、
図8に示した測定結果から温度変動に対する発振振幅および発振周波数の関係を示した特性図である。
【
図10】本開示の実施の形態1に係る負の温度特性を有する温度補償回路の具体的な回路構成を示した図である。
【
図11】本開示の実施の形態1に係る正の温度特性を有する温度補償回路の具体的な回路構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示のリングオシレータの好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。本開示に係るリングオシレータは、動作電圧の変動に依存して基準クロック周波数が変化しないように、遅延要素として差動増幅回路を用いるとともに、温度特性を相殺するように温度補償後の基準電圧を生成して差動増幅回路に供給する温度補償回路を備えることに技術的特徴を有するものである。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る差動型リングオシレータにおいて、各段に用いられる基本回路10の構成を示した図である。
図1に示す基本回路10の時定数τは、下式(1)となる。
【0014】
【0015】
また、発振周波数f0は、時定数τに比例するため、下式(2)となる。
【0016】
【0017】
図1におけるスイッチング素子M3およびスイッチング素子M4は、同サイズであり、同特性を有している。そこで、上式(1)、(2)において、「3、4」という添字は、M3とM4で共通の値であることを意味している。また、上式(1)、(2)におけるその他の記号は、以下のような技術的意味を示している。
Ron:on抵抗
μp:移動度
Cox:ゲート酸化膜の容量
W:ゲート幅
L:ゲート長
V
th:閾値電圧
【0018】
上式(2)におけるVth3,4は、温度によって変化する。従って、発振周波数f0は、温度に依存して変化する温度特性を有することとなる。また、上式(2)において、発振周波数f0は、動作電圧VDDが変化した場合にも変化する特性を有することとなる。ここで、動作電圧VDDは、リングオシレータを構成する回路に供給される電源電圧に相当する。
【0019】
図2は、本開示の実施の形態1に係る差動型リングオシレータにおいて、動作電圧VDDの変化に依存しない発振周波数f
0を得るための回路構成を示した図である。具体的には、
図1に示した基本回路10の前段に、動作電圧補償回路20がさらに設けられている。
【0020】
動作電圧補償回路20は、基準電圧VREFとフィードバック電圧VFBとの比較を行い、両電圧が等しくなるようにスイッチング素子M3,M4,M6のゲート電圧を制御する機能を備えた差動増幅回路21を有している。スイッチング素子M3、M4、M6には等しい電流ISSが流れているため、Va=Vb=VREFとなる。従って、差動型リングオシレータの発振振幅は、VDD-VREFに制御される。
【0021】
すなわち、
図2に示すように、差動対の片側に電流I
SSが流れていた場合には、3種の電圧Va、Vb、VDD-VREFの関係に着目すると、下式(3)、(4)が成り立つ。
【0022】
【0023】
従って、
図2に示した回路の時定数τは、下式(5)となる。
【0024】
【0025】
発振周波数f0は、時定数τの逆数に比例するため、下式(6)の関係が成り立つ。
【0026】
【0027】
上式(6)から明らかなように、差動増幅回路21から出力される電圧の振幅を一定とすれば、発振周波数f0は、動作電圧VDDが変動した場合にも一定となり、発振周波数の動作電圧依存をなくすことができる。
【0028】
発振周波数の動作電圧依存がなくなる状態を、
図3および
図4を用いて補足説明する。
図3は、本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、3種の動作電圧に対する出力の発振振幅および発振周波数を測定した結果を示す図である。
【0029】
具体的には、
図3(A)~
図3(D)として、以下の測定波形が示されている。
図3(A):動作電圧VDDの振幅を3.0Vとしたときのフィードバック電圧VFBの波形
図3(B):動作電圧VDDの振幅を3.3Vとしたときのフィードバック電圧VFBの波形
図3(C):動作電圧VDDの振幅を3.6Vとしたときのフィードバック電圧VFBの波形
図3(D):3種の動作電圧VDDのそれぞれに基づいて生成された出力の発振振幅および発振周波数の波形
【0030】
図4は、本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、
図3に示した測定結果から動作電圧変動に対する発振振幅および発振周波数の関係を示した特性図である。具体的には、横軸を動作電圧VDD[V]、縦軸を発振振幅[V]および発振周波数[MHz]としたときの、3.0V、3.3V、3.6Vの各動作電圧に対する測定結果を示している。
【0031】
図3および
図4から明らかなように、基本回路10の前段に動作電圧補償回路20を設けた
図2の回路構成を採用することにより、発振振幅を基準電圧VREFの電圧と等しくすることができ、結果的に、動作電圧VDDが変動した場合にも発振周波数f
0を一定とすることができ、発振周波数の動作電圧依存をなくすことができることがわかる。
【0032】
ただし、上式(6)で示した比例関係式には温度に依存する変数が含まれていないが、
図2に示した実際の回路構成では、MOSのスイッチング速度が温度によって変化する。より具体的には、温度が上がるにつれて、発振周波数f
0は低下する比例関係を有することとなる。
【0033】
温度に依存して発振周波数f
0が変動する状態を、
図5および
図6を用いて補足説明する。
図5は、本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、5種の温度に対する出力の発振振幅および発振周波数を測定した結果を示す図である。
【0034】
具体的には、
図5(A)~
図5(F)として、以下の測定波形が示されている。
図5(A):温度を-40℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図5(B):温度を0℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図5(C):温度を+40℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図5(D):温度を+80℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図5(E):温度を+120℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図5(F):5種の温度のそれぞれに基づいて生成された出力の発振振幅および発振周波数の波形
【0035】
図6は、本開示の実施の形態1に係る
図2に示した回路構成において、
図5に示した測定結果から温度変動に対する発振振幅および発振周波数の関係を示した特性図である。具体的には、横軸を温度Ta[℃]、縦軸を発振振幅[V]および発振周波数[MHz]としたときの、-40℃、0℃、+40℃、+80℃、+120℃の各温度に対する測定結果を示している。
【0036】
図5および
図6から明らかなように、基本回路10の前段に動作電圧補償回路20を設けた
図2の回路構成を採用することにより、発振周波数の動作電圧依存をなくすことはできるものの、発振周波数の温度依存が残っていることがわかる。
【0037】
そこで、
図2の回路構成に対して、発振周波数の温度依存をなくすための本開示の回路構成について説明する。
図7は、本開示の実施の形態1に係る差動型リングオシレータにおいて、発振周波数の動作電圧依存、および発振周波数の温度依存の両方を解消するための回路構成を示した図である。具体的には、
図2に示した動作電圧補償回路20の前段に、温度補償回路30がさらに設けられている。
【0038】
温度補償回路30は、基準電圧VREFを入力とし、温度変化に対して出力信号の発振周波数f
0が変化する先の
図6に示したような温度特性を相殺するように、入力した基準電圧を温度変化に応じて変化させることで温度補償後の基準電圧VREF
*を生成し、差動増幅回路21に供給する機能を備えている。
【0039】
より具体的には、温度補償回路30は、温度が上がるにつれて、基準電圧の発振振幅が低下する比例関係を有するような温度補償後の基準電圧VREF
*を出力することで、先の
図6に示したような温度特性を相殺している。
【0040】
図7の回路構成を採用することで、発振周波数の動作電圧依存がなくなるとともに、発振周波数の温度依存もなくなる状態を、
図8および
図9を用いて補足説明する。
図8は、本開示の実施の形態1に係る
図7に示した回路構成において、5種の温度に対する出力の発振振幅および発振周波数を測定した結果を示す図である。
【0041】
具体的には、
図8(A)~
図8(F)として、以下の測定波形が示されている。
図8(A):温度を-40℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図8(B):温度を0℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図8(C):温度を+40℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図8(D):温度を+80℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図8(E):温度を+120℃としたときのフィードバック電圧VFBの波形
図8(F):5種の温度のそれぞれに基づいて生成された出力の発振振幅および発振周波数の波形
【0042】
図9は、本開示の実施の形態1に係る
図7に示した回路構成において、
図8に示した測定結果から温度変動に対する発振振幅および発振周波数の関係を示した特性図である。具体的には、横軸を温度Ta[℃]、縦軸を発振振幅[V]および発振周波数[MHz]としたときの、-40℃、0℃、+40℃、+80℃、+120℃の各温度に対する測定結果を示している。
【0043】
図8および
図9から明らかなように、動作電圧補償回路20の前段に温度補償回路30を設けた
図7の回路構成を採用し、温度補償後の基準信号を差動増幅回路21に供給することにより、発振周波数の動作電圧依存をなくすことができるとともに、発振周波数の温度依存もなくすことができることがわかる。
【0044】
換言すると、
図7の回路構成を採用することにより、上式(7)による動作電圧依存の影響をなくし、かつ、
図7の回路構成におけるMOSのスイッチング速度が温度によって変化する温度依存の影響をなくし、-40℃から+120℃までの広い温度範囲にわたって高精度で一定の発振周波数を有する基準クロック信号を発生させることのできるリングオシレータを実現することができる。
【0045】
最後に、温度補償回路30の具体的な構成について説明する。先の
図9に示した発振振幅の温度特性は、温度変化に対して出力信号である基準クロック信号の発振周波数が変化する温度特性を相殺するように、温度が上昇するに従って発振振幅を低下させる「負の温度特性」を有している。
【0046】
図10は、本開示の実施の形態1に係る負の温度特性を有する温度補償回路30aの具体的な回路構成を示した図である。先の
図6に示したような発振周波数の温度特性は、使用する回路素子により既知である。従って、
図10に示した温度補償回路30a内の2つの抵抗R1、R2に関して、既知の温度特性を相殺するように抵抗値の比を適切な値に設定変更することで、基準電圧VREFを入力として、温度変化に応じて一定の傾きを有するような温度補償後の基準電圧VREF
*を生成する回路を実現できる。
【0047】
図11は、本開示の実施の形態1に係る正の温度特性を有する温度補償回路30bの具体的な回路構成を示した図である。
図11に示した温度補償回路30b内の2つの抵抗R1、R2に関して、既知の正の温度特性を相殺するように抵抗値の比を適切な値に設定変更することで、基準電圧VREFを入力として、温度変化に応じて一定の傾きを有するような温度補償後の基準電圧VREF
*を生成する回路を実現できる。
【0048】
以上のように、実施の形態1によれば、動作電圧補償回路および温度補償回路を備えている。具体的には、動作電圧補償回路において、動作電圧の変動に依存して基準クロック周波数が変化しないように、遅延要素として差動増幅回路を用いる構成を採用している。さらに、温度補償回路において、温度により周波数が変動する温度特性を相殺するように、温度補償後の基準電圧を生成して差動増幅回路に供給する構成を採用している。
【0049】
さらに、実施の形態1によれば、特許文献1に開示されたような複雑な構成を採用することなしに、動作電圧補償回路および温度補償回路を備えた、従来技術よりも簡素な回路構成を採用することで、発振周波数の動作電圧依存、および発振周波数の温度依存の両方を解消している。この結果、簡易な回路構成により、広い温度範囲にわたって高精度で一定の発振周波数を有する基準クロック信号を発生させることのできるリングオシレータを実現できる。
【符号の説明】
【0050】
10 基本回路、20 動作電圧補償回路、21 差動増幅回路、30、30a、30b 温度補償回路。