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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183688
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20231221BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
E03D9/08 B
H05K7/20 P
H01L23/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097336
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】山村 早希
(72)【発明者】
【氏名】早田 修平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智理
(72)【発明者】
【氏名】吉田 教邦
【テーマコード(参考)】
2D038
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
2D038JC01
2D038JF00
5E322AA02
5E322AA05
5E322AB01
5E322DA04
5E322EA04
5E322FA01
5F136CB06
5F136CB11
(57)【要約】
【課題】ケーシングを小型化できるとともに、スイッチング素子と制御部とを1つの制御基板に搭載しても、制御部がスイッチング素子からの熱による影響を受けることを抑制できる衛生洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄水を吐出するノズルと、洗浄水を交流電力により加熱する熱交換器と、給水源から熱交換器に洗浄水を供給する冷水流路と、熱交換器への交流電力の供給状態を切り替えるスイッチング素子と、直流電力で作動しスイッチング素子を制御する制御部が搭載された制御基板と、スイッチング素子の熱を放出するための伝熱板と、ノズル、熱交換器、冷水流路、スイッチング素子、制御基板、及び伝熱板を収納するケーシングと、を備え、スイッチング素子は、制御基板に搭載され、冷水流路は、伝熱板を水冷する冷却部を有する、衛生洗浄装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部洗浄のための洗浄水を吐出するノズルと、
前記ノズルに供給される前記洗浄水を交流電力により加熱する熱交換器と、
給水源から前記熱交換器に前記洗浄水を供給する冷水流路と、
前記熱交換器への前記交流電力の供給状態を切り替えるスイッチング素子と、
直流電力で作動し前記スイッチング素子を制御する制御部が搭載された制御基板と、
前記スイッチング素子の熱を放出するための伝熱板と、
前記ノズル、前記熱交換器、前記冷水流路、前記スイッチング素子、前記制御基板、及び前記伝熱板を収納するケーシングと、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記制御基板に搭載され、
前記冷水流路は、前記伝熱板を水冷する冷却部を有する、衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記熱交換器は、瞬間式熱交換器であり、
前記熱交換器と前記スイッチング素子との間の距離は、前記冷却部と前記スイッチング素子との間の距離よりも長い、請求項1記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記ケーシングは、前記制御基板を立てた状態で収納可能な基板収納部を有し、
前記基板収納部は、前記ケーシングの後部に設けられ、
前記スイッチング素子は、前記制御基板の下部に搭載される、請求項1または2に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記冷水流路に設けられたバルブユニットをさらに備え、
前記伝熱板は、前後方向において前記バルブユニットと重なる位置に設けられ、
前記スイッチング素子は、前後方向において前記伝熱板と重なる位置に設けられる、請求項3記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、少なくとも一部が前記伝熱板の下方に位置し、前記伝熱板に生じた結露水を受けるための水受け部を有し、
前記伝熱板は、前記スイッチング素子から前記水受け部に向かって下方に傾斜している、請求項3記載の衛生洗浄装置。
【請求項6】
便蓋と、
前記便蓋を開閉するための便蓋開閉部と、
をさらに備え、
前記制御基板は、前記ケーシングの左右方向の一側に設けられ、
前記便蓋開閉部は、前記ケーシングの左右方向の他側に設けられる、請求項3記載の衛生洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
局部洗浄のための洗浄水を吐出するノズルを備えた衛生洗浄装置において、洗浄水を交流電力により加熱する熱交換器を設けることが知られている。このような衛生洗浄装置では、例えば、トライアックなどのスイッチング素子により、熱交換器への交流電力の供給状態を切り替えている。このようなスイッチング素子は、通常、衛生洗浄装置に含まれる各機能部と同様に、直流電力で作動する制御部により制御される。
【0003】
近年、衛生洗浄装置において、デザイン性を向上させるために、ケーシングを小型化することが求められている。様々な機能部を内部に収納しつつケーシングを小型化するために、従来別々の制御基板に搭載していたスイッチング素子と制御部とを1つの制御基板に搭載することが考えられる。しかし、スイッチング素子は、切り替えの制御により発熱するため、スイッチング素子と制御部とを1つの制御基板に搭載すると、制御部がスイッチング素子からの熱による影響を受けるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2827900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、ケーシングを小型化できるとともに、スイッチング素子と制御部とを1つの制御基板に搭載しても、制御部がスイッチング素子からの熱による影響を受けることを抑制できる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、局部洗浄のための洗浄水を吐出するノズルと、前記ノズルに供給される前記洗浄水を交流電力により加熱する熱交換器と、給水源から前記熱交換器に前記洗浄水を供給する冷水流路と、前記熱交換器への前記交流電力の供給状態を切り替えるスイッチング素子と、直流電力で作動し前記スイッチング素子を制御する制御部が搭載された制御基板と、前記スイッチング素子の熱を放出するための伝熱板と、前記ノズル、前記熱交換器、前記冷水流路、前記スイッチング素子、前記制御基板、及び前記伝熱板を収納するケーシングと、を備え、前記スイッチング素子は、前記制御基板に搭載され、前記冷水流路は、前記伝熱板を水冷する冷却部を有する、衛生洗浄装置である。
【0007】
この衛生洗浄装置によれば、制御部が搭載される制御基板にスイッチング素子を搭載することで、スイッチング素子と制御部とを別々の制御基板に搭載する場合に比べて、部品数を減らして、ケーシングを小型化できる。また、スイッチング素子の熱を放出するための伝熱板を設けるとともに、伝熱板を水冷する冷却部を設けることで、スイッチング素子の熱を効果的に放出することができる。これにより、スイッチング素子と制御部とを1つの制御基板に搭載しても、制御部がスイッチング素子からの熱による影響を受けることを抑制できる。また、冷水流路が冷却部を有することで、給水源から熱交換器に供給される加熱前の洗浄水を利用して、伝熱板を水冷することができる。これにより、伝熱板を冷却する手段を別途設ける必要がなく、ケーシングを小型化できる。また、伝熱板を水冷することで、伝熱板を空冷する場合に比べて、より効率的に伝熱板(スイッチング素子)を冷却することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記熱交換器は、瞬間式熱交換器であり、前記熱交換器と前記スイッチング素子との間の距離は、前記冷却部と前記スイッチング素子との間の距離よりも長い、衛生洗浄装置である。
【0009】
この衛生洗浄装置によれば、熱交換器とスイッチング素子との間の距離を、冷却部とスイッチング素子との間の距離よりも長くすることで、発熱源である熱交換器をスイッチング素子から離して配置するとともに、冷却部をスイッチング素子に近づけて配置することができる。これにより、スイッチング素子と同じ制御基板に搭載された制御部が熱交換器からの熱による影響を受けることを抑制できる。また、冷却部とスイッチング素子との間に熱交換器が位置することを抑制できるため、冷却部を流れる水が熱交換器からの熱によって加熱されることを抑制できる。これにより、より効率的に伝熱板(スイッチング素子)を冷却することができる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記ケーシングは、前記制御基板を立てた状態で収納可能な基板収納部を有し、前記基板収納部は、前記ケーシングの後部に設けられ、前記スイッチング素子は、前記制御基板の下部に搭載される、衛生洗浄装置である。
【0011】
この衛生洗浄装置によれば、例えば、ケーシングの後方側の高さがケーシングの前方側の高さよりも大きい場合に、ケーシングの後部に制御基板を立てた状態で収納可能な基板収納部を設けることで、ケーシングが大型化することを抑制できるとともに、ケーシング内部の空間を有効活用できる。また、冷水流路はケーシングの下部に設けられることが多いため、立てた状態の制御基板の下部にスイッチング素子を搭載することで、立てた状態の制御基板の上部にスイッチング素子を搭載する場合に比べて、冷却部を小型化できる。これにより、ケーシングを小型化できる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記冷水流路に設けられたバルブユニットをさらに備え、前記伝熱板は、前後方向において前記バルブユニットと重なる位置に設けられ、前記スイッチング素子は、前後方向において前記伝熱板と重なる位置に設けられる、衛生洗浄装置である。
【0013】
この衛生洗浄装置によれば、伝熱板を前後方向においてバルブユニットと重なる位置に設けるとともに、スイッチング素子を前後方向において伝熱板と重なる位置に設けることで、伝熱板を前後方向においてバルブユニットと重ならない位置に設ける場合やスイッチング素子を前後方向において伝熱板と重ならない位置に設ける場合に比べて、冷却部を小型化できる。これにより、ケーシングを小型化できる。
【0014】
第5の発明は、第3の発明において、前記ケーシングは、少なくとも一部が前記伝熱板の下方に位置し、前記伝熱板に生じた結露水を受けるための水受け部を有し、前記伝熱板は、前記スイッチング素子から前記水受け部に向かって下方に傾斜している、衛生洗浄装置である。
【0015】
この衛生洗浄装置によれば、伝熱板に生じた結露水を受けるための水受け部を伝熱板の下方に設けるとともに、伝熱板がスイッチング素子から水受け部に向かって下方に傾斜することで、伝熱板に生じた結露水が制御基板側に流れることを抑制できる。これにより、結露水による制御基板の故障を抑制できる。
【0016】
第6の発明は、第3の発明において、便蓋と、前記便蓋を開閉するための便蓋開閉部と、をさらに備え、前記制御基板は、前記ケーシングの左右方向の一側に設けられ、前記便蓋開閉部は、前記ケーシングの左右方向の他側に設けられる、衛生洗浄装置である。
【0017】
この衛生洗浄装置によれば、ケーシングの左右方向の一側に制御基板を設けるとともに、ケーシングの左右方向の他側に便蓋開閉部を設けることで、ケーシング内部の空間を有効活用できる。これにより、ケーシングを小型化できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、ケーシングを小型化できるとともに、スイッチング素子と制御部とを1つの制御基板に搭載しても、制御部がスイッチング素子からの熱による影響を受けることを抑制できる衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視図である。
図2】実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図3】実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す斜視図である。
図4】実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す平面図である。
図5】実施形態に係る衛生洗浄装置のスイッチング素子の周辺を表す斜視図である。
図6】実施形態に係る衛生洗浄装置のスイッチング素子の周辺を表す平面図である。
図7】実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す断面図である。
図8】実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す断面図である。
図9】実施形態に係る衛生洗浄装置の冷水流路の一部を表す斜視図である。
図10】実施形態に係る衛生洗浄装置のケーシングの一部を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視図である。
図1に表したように、実施形態に係るトイレ装置500は、衛生洗浄装置100と、洋式腰掛便器(以下、説明の便宜上、単に「便器」と称する)200と、を備える。衛生洗浄装置100は、便器200の上に設けられている。衛生洗浄装置100は、ケーシング10と、便座20と、便蓋25と、を有する。
【0021】
本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」は、図1に表すように、便座20に座った使用者から見た方向である。
【0022】
ケーシング10は、ケースプレート11と、ケースカバー12と、を有する。ケースプレート11は、ケーシング10の下部に位置する。ケースプレート11は、便器200の後部の上に載置される。ケースカバー12は、ケースプレート11の上に設けられ、ケースプレート11の上方を覆う。ケーシング10は、ケースプレート11とケースカバー12とで囲まれた空間の内部に後述するノズル30などの機能部を収納する。
【0023】
便座20は、後述の便座開閉部21を介して、ケーシング10に対して開閉自在に軸支されている。便蓋25は、後述の便蓋開閉部26を介して、ケーシング10に対して開閉自在に軸支されている。図1では、便座20及び便蓋25が閉じた状態を表している。便座20及び便蓋25が閉じた状態において、便蓋25は、便座20の上方を覆っている。
【0024】
図2は、実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を表すブロック図である。
図2では、衛生洗浄装置100の水路系の要部構成と電気系の要部構成とを併せて表している。
図2に表したように、衛生洗浄装置100は、ノズル30と、熱交換器40と、冷水流路50と、温水流路55と、スイッチング素子60と、制御基板70と、を備える。ノズル30、熱交換器40、冷水流路50、温水流路55、スイッチング素子60、及び制御基板70などは、ケーシング10の内部に収納されている。
【0025】
ノズル30は、局部洗浄のための洗浄水を吐出する。ノズル30の先端部には、洗浄水を吐出するための吐出口31が設けられている。ノズル30は、水道や貯水タンクなどの給水源WSから供給された洗浄水を吐出口31から吐出して、便座20に座った使用者の局部(例えば「おしり」など)を洗浄する。
【0026】
ノズル30の周辺には、ノズル洗浄室32が設けられている。ノズル洗浄室32は、その内部に設けられた図示しない吐水部から殺菌水または洗浄水を吐出することにより、ノズル30の外周表面(胴体)を殺菌または洗浄することができる。ノズル洗浄室32は、ケーシング10の内部に収納された状態のノズル30の吐出口31の部分を殺菌または洗浄することができる。
【0027】
ノズル30は、ノズルモータ33の駆動力を受けて進退する。ノズルモータ33は、駆動力により、ノズル30を便器200のボウル内に進出させたり、ノズル30をケーシング10の内部に後退させたりする。ノズル30は後退した状態において、ケーシング10の内部に収納される。
【0028】
熱交換器40は、ノズル30に供給される洗浄水を交流電力により加熱する。熱交換器40は、例えば、セラミックヒータである。熱交換器40は、例えば、タンクを有さない瞬間式熱交換器である。瞬間式熱交換器は、タンクなどに水を溜めることなく、内部に水を流しながら加熱を行う。熱交換器40は、例えば、タンクを有する貯湯式熱交換器であってもよい。貯湯式熱交換器は、タンクに貯めた水を加熱する。
【0029】
この例では、熱交換器40は、第1ヒータ41と、第2ヒータ42と、を有する。第1ヒータ41は、例えば、出力が大きいメインヒータである。第2ヒータ42は、例えば、出力が小さいサブヒータである。第2ヒータ42の抵抗値は、例えば、第1ヒータ41の抵抗値よりも低い。熱交換器40は、給水源WSから供給された洗浄水を第1ヒータ41及び第2ヒータ42によって加熱する。熱交換器40に設けられるヒータの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0030】
冷水流路50は、給水源WSから熱交換器40に洗浄水を供給する。冷水流路50は、給水源WSと熱交換器40との間に設けられ、給水源WSと熱交換器40とを接続する。冷水流路50には、熱交換器40で加熱される前の洗浄水(冷水)が流れる。冷水流路50は、熱交換器40よりも上流側の流路である。
【0031】
冷水流路50には、バルブユニット51が設けられている。バルブユニット51は、電気的に制御可能な弁である。バルブユニット51は、開閉により、給水源WSから熱交換器40への洗浄水の供給の開始及び停止を制御する。バルブユニット51は、例えば、電磁弁を含む。バルブユニット51は、例えば、電磁弁と、減圧弁と、を含んでいてもよい。
【0032】
温水流路55は、熱交換器40からノズル30に洗浄水を供給する。温水流路55は、熱交換器40とノズル30との間に設けられ、熱交換器40とノズル30とを接続する。温水流路55には、熱交換器40で加熱された後の洗浄水(温水)が流れる。温水流路55は、熱交換器40よりも下流側の流路である。
【0033】
温水流路55には、流量の調整を行う流量切替弁56と、ノズル30やノズル洗浄室32への給水の開始及び停止や給水先の切替を行う流路切替弁57と、が設けられている。流量切替弁56は、ノズル30へ流れる水の流量を調整する。流路切替弁57は、給水先(温水流路55の接続先)をノズル30及びノズル洗浄室32のいずれかに切り替えることができる。流量切替弁56及び流路切替弁57は、1つのユニットとして設けられていてもよい。
【0034】
スイッチング素子60は、熱交換器40への交流電力の供給状態を切り替える。より具体的には、スイッチング素子60は、熱交換器40のヒータへの交流電力の供給状態を切り替える。スイッチング素子60は、熱交換器40のヒータへ交流電力を供給する状態と、熱交換器40のヒータへ交流電力を供給しない状態(すなわち、ヒータへの交流電力の供給を停止した状態)と、を切り替える。これにより、スイッチング素子60は、熱交換器40における加熱の開始及び停止を制御する。
【0035】
スイッチング素子60は、例えば、半導体スイッチである。スイッチング素子60には、例えば、サイリスタまたはトライアックが用いられる。スイッチング素子60は、例えば、電流のオン・オフを制御でき、かつ電流を少なくとも一方向に流すことができる任意の素子でよい。スイッチング素子60は、例えば、複数の半導体スイッチなどを組み合わせて構成してもよい。
【0036】
この例では、スイッチング素子60は、第1スイッチング素子61と、第2スイッチング素子62と、を有する。第1スイッチング素子61は、第1ヒータ41と電気的に接続されており、第1ヒータ41への交流電力の供給状態を切り替える。第2スイッチング素子62は、第2ヒータ42と電気的に接続されており、第2ヒータ42への交流電力の供給状態を切り替える。スイッチング素子60の数は、熱交換器40に設けられるヒータの数と同じであればよく、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0037】
衛生洗浄装置100は、便座開閉部21及び便蓋開閉部26を有する。便座開閉部21は、例えば、便座20を電動で開閉するための電動開閉ユニットを含む。便座開閉部21は、例えば、便座20をゆっくり開閉するためのダンパー機構を含んでもよい。便蓋開閉部26は、例えば、便蓋25を電動で開閉するための電動開閉ユニットを含む。便蓋開閉部26は、例えば、便蓋25をゆっくり開閉するためのダンパー機構を含んでもよい。便座開閉部21及び便蓋開閉部26は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0038】
制御基板70には、上述した衛生洗浄装置100の各部を制御するための制御部71が搭載されている。制御部71は、直流電力で作動する。制御部71は、スイッチング素子60(第1スイッチング素子61及び第2スイッチング素子62)と電気的に接続されており、スイッチング素子60(第1スイッチング素子61及び第2スイッチング素子62)を制御する。制御部71は、例えば、バルブユニット51と電気的に接続されており、バルブユニット51を制御する。制御部71は、例えば、流量切替弁56及び流路切替弁57と電気的に接続されており、流量切替弁56及び流路切替弁57を制御する。制御部71は、例えば、ノズルモータ33と電気的に接続されており、ノズルモータ33を制御する。制御部71は、例えば、便座開閉部21及び便蓋開閉部26と電気的に接続されており、便座開閉部21及び便蓋開閉部26を制御する。
【0039】
使用者は、例えば、操作部75を操作することにより、ノズル30からの洗浄水の吐出を開始させたり、停止させたりすることができる。使用者は、例えば、操作部75を操作することにより、熱交換器40において加熱される洗浄水の温度を設定することができる。操作部75は、例えば、トイレ室の壁などに設置して使用されるリモコンである。操作部75は、例えば、衛生洗浄装置100のケーシング10に一体的に設けられる操作パネルなどでもよい。
【0040】
熱交換器40には、供給電源PSから交流電力が供給される。供給電源PSは、交流電源である。供給電源PSは、例えば、AC100V(実効値)の商用電源である。
【0041】
供給電源PSからの交流電力は、入力回路72を介して、熱交換器40に供給される。入力回路72は、供給電源PSと熱交換器40のヒータとの間の経路上設けられている。熱交換器40のヒータ(第1ヒータ41及び第2ヒータ42)は、スイッチング素子60(第1スイッチング素子61及び第2スイッチング素子62)を介して、入力回路72に接続されている。
【0042】
供給電源PSから入力回路72に供給された交流電力の一部は、スイッチング素子60(第1スイッチング素子61及び第2スイッチング素子62)を介して、熱交換器40のヒータ(第1ヒータ41及び第2ヒータ42)に供給される。第1スイッチング素子61は、ON状態において、供給電源PS(入力回路72)から供給された交流電力を第1ヒータ41に供給する。第1スイッチング素子61は、OFF状態において、供給電源PS(入力回路72)から供給された交流電力の第1ヒータ41への供給を停止する。第2スイッチング素子62は、ON状態において、供給電源PS(入力回路72)から供給された交流電力を第2ヒータ42に供給する。第2スイッチング素子62は、OFF状態において、供給電源PS(入力回路72)から供給された交流電力の第2ヒータ42への供給を停止する。
【0043】
供給電源PSから入力回路72に供給された交流電力の別の一部は、電源回路73により直流電力に変換され、制御部71に供給される。電源回路73は、入力回路72と制御部71との間の経路上に設けられ、供給電源PSから供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部71に供給する。制御部71は、例えば、電源回路73から供給される直流電力に基づいて、作動する。
【0044】
入力回路72及び電源回路73は、制御基板70に設けられている。入力回路72及び電源回路73は、供給電源PSから供給された交流電力の一部を交流電力の状態で熱交換器40に供給し、供給電源PSから供給された交流電力の別の一部を直流電力の状態で制御部71に供給する。
【0045】
なお、制御部71は、供給電源PSとは異なる直流電源(例えば、電池など)から供給される直流電力に基づいて、作動してもよい。この場合、電源回路73は、省略可能である。
【0046】
実施形態において、スイッチング素子60は、制御基板70に搭載されている。言い換えれば、スイッチング素子60と制御部71とは、同じ1つの制御基板70に搭載されている。このように、制御部71が搭載される制御基板70にスイッチング素子60を搭載することで、スイッチング素子60と制御部71とを別々の制御基板に搭載する場合に比べて、部品数を減らして、ケーシング10を小型化できる。
【0047】
一方で、スイッチング素子60は、熱交換器40への交流電力の供給状態を切り替える制御により発熱する。そのため、スイッチング素子60と制御部とを1つの制御基板70に搭載すると、制御部71がスイッチング素子60からの熱による影響を受けるおそれがある。そこで、実施形態においては、スイッチング素子60を冷却するための冷却機構を設けている。
【0048】
以下、スイッチング素子60を冷却するための冷却機構について、説明する。
図3は、実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す斜視図である。
図4は、実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す平面図である。
図5は、実施形態に係る衛生洗浄装置のスイッチング素子の周辺を表す斜視図である。
図3及び図4では、ケースカバー12を外した状態を表している。
図3図5に表したように、スイッチング素子60の下方には、スイッチング素子60の熱を放出するための伝熱板80が設けられている。
【0049】
伝熱板80は、例えば、金属製の板である。この例では、伝熱板80は、スイッチング素子60に接した状態で、スイッチング素子60に対して固定されている。伝熱板80は、スイッチング素子60の近傍(例えば、スイッチング素子60の熱が伝わる位置)に設けられていればよく、スイッチング素子60に接していなくてもよい。また、伝熱板80は、スイッチング素子60に対して固定されていなくてもよい。
【0050】
伝熱板80は、第1部分81と、第2部分82と、を有する。第1部分81は、例えば、制御基板70から前方に向かって略水平に延びている。第1部分81は、例えば、スイッチング素子60の下方に位置している。第1部分81は、スイッチング素子60に接した状態で、スイッチング素子60に対して固定されている。第1部分81は、例えば、下方からスイッチング素子60にねじ止めなどにより固定されている。第2部分82は、第1部分81から前方に向かって下方に傾斜するように延びている。
【0051】
また、冷水流路50は、伝熱板80を水冷する冷却部52を有する。冷却部52は、伝熱板80の第2部分82に接した状態で、伝熱板80の第2部分82に対して固定されている。この例では、冷却部52は、バルブユニット51と熱交換器40との間に設けられている。つまり、この例では、冷却部52は、バルブユニット51よりも下流に設けられている。冷却部52は、バルブユニット51よりも上流に設けられていてもよい。
【0052】
給水源WSから冷水流路50に供給された洗浄水は、バルブユニット51及び冷却部52を通って、熱交換器40に供給される。その際、冷却部52は、冷却部52を通る洗浄水によって、スイッチング素子60からの熱を吸収した伝熱板80を水冷する。つまり、伝熱板80及び冷却部52は、スイッチング素子60の熱を放出するためのヒートシンクとして機能する。
【0053】
スイッチング素子60の熱を放出するための伝熱板80を設けるとともに、伝熱板80を水冷する冷却部52を設けることで、スイッチング素子60の熱を効果的に放出することができる。これにより、スイッチング素子60と制御部71とを1つの制御基板70に搭載しても、制御部71がスイッチング素子60からの熱による影響を受けることを抑制できる。また、冷水流路50が冷却部52を有することで、給水源WSから熱交換器40に供給される加熱前の洗浄水を利用して、伝熱板80を冷却することができる。これにより、伝熱板80を冷却する手段を別途設ける必要がなく、ケーシング10を小型化できる。また、伝熱板80を水冷することで、伝熱板80を空冷する場合に比べて、より効率的に伝熱板80(スイッチング素子60)を冷却することができる。
【0054】
熱交換器40は、スイッチング素子60から離して配置することが好ましい。また、冷却部52は、スイッチング素子60に近づけて配置することが好ましい。より具体的には、熱交換器40とスイッチング素子60との間の距離L2は、冷却部52とスイッチング素子60との間の距離L1よりも長いことが好ましい。
【0055】
距離L2を距離L1よりも長くすることで、発熱源である熱交換器40をスイッチング素子60から離して配置するとともに、冷却部52をスイッチング素子60に近づけて配置することができる。これにより、スイッチング素子60と同じ制御基板70に搭載された制御部71が熱交換器40からの熱による影響を受けることを抑制できる。また、冷却部52とスイッチング素子60との間に熱交換器40が位置することを抑制できるため、冷却部52を流れる水が熱交換器40からの熱によって加熱されることを抑制できる。これにより、より効率的に伝熱板80(スイッチング素子60)を冷却することができる。
【0056】
ケーシング10は、制御基板70を立てた状態で収納可能な基板収納部13を有する。制御基板70は、例えば、回路が形成される面が前後方向に向くように配置される。制御基板70は、例えば、スイッチング素子60を搭載する面が前方に向くように配置される。制御基板70は、鉛直方向に沿って配置されていてもよいし、鉛直方向に対して前方または後方に傾斜するように配置されていてもよい。また、制御基板70を傾斜させて配置する場合には、傾斜角度は、鉛直方向に対して45度以下とすることが好ましく、鉛直方向に対して30度以下とすることがより好ましく、鉛直方向に対して15度以下とすることがさらに好ましい。
【0057】
基板収納部13(制御基板70)は、例えば、ケーシング10の後部に設けられる。基板収納部13の少なくとも一部は、例えば、ケーシング10の前後方向の中央CL1よりも後方に位置する。基板収納部13の前端は、例えば、ケーシング10の前後方向の中央CL1よりも後方に位置する。
【0058】
例えば、ケーシング10の後方側の高さがケーシング10の前方側の高さよりも大きい場合に、ケーシング10の後部に制御基板70を立てた状態で収納可能な基板収納部13を設けることで、ケーシング10が大型化することを抑制できるとともに、ケーシング10内部の空間を有効活用できる。
【0059】
また、基板収納部13(制御基板70)は、例えば、ケーシング10の左右方向の一側に設けられる。便蓋開閉部26は、例えば、ケーシング10の左右方向の他側に設けられる。この例では、基板収納部13(制御基板70)は、ケーシング10の右側に設けられており、便蓋開閉部26は、ケーシング10の左側に設けられている。基板収納部13(制御基板70)は、例えば、左右方向において、ノズル30を挟んで、便蓋開閉部26とは反対側に設けられる。
【0060】
ケーシング10の左右方向の一側に制御基板70を設けるとともに、ケーシング10の左右方向の他側に便蓋開閉部26を設けることで、ケーシング10内部の空間を有効活用できる。これにより、ケーシング10を小型化できる。
【0061】
スイッチング素子60は、制御基板70から前方に向かって突出するように設けられている。第1スイッチング素子61及び第2スイッチング素子62は、制御基板70において、左右方向に並ぶように設けられている。
【0062】
スイッチング素子60は、例えば、制御基板70の下部に搭載される。スイッチング素子60の少なくとも一部は、例えば、制御基板70の上下方向の中央CL2よりも下方に位置する。スイッチング素子60の上端は、例えば、制御基板70の上下方向の中央CL2よりも下方に位置する。
【0063】
冷水流路50はケーシング10の下部に設けられることが多いため、立てた状態の制御基板70の下部にスイッチング素子60を搭載することで、立てた状態の制御基板70の上部にスイッチング素子60を搭載する場合に比べて、冷却部52を小型化できる。これにより、ケーシング10を小型化できる。
【0064】
伝熱板80は、例えば、前後方向においてバルブユニット51と重なる位置に設けられる。また、スイッチング素子60は、例えば、前後方向において伝熱板80と重なる位置に設けられる。伝熱板80は、例えば、前後方向において、バルブユニット51とスイッチング素子60との間に設けられる。
【0065】
伝熱板80を前後方向においてバルブユニット51と重なる位置に設けるとともに、スイッチング素子60を前後方向において伝熱板80と重なる位置に設けることで、伝熱板80を前後方向においてバルブユニット51と重ならない位置に設ける場合やスイッチング素子60を前後方向において伝熱板80と重ならない位置に設ける場合に比べて、冷却部52を小型化できる。これにより、ケーシング10を小型化できる。
【0066】
以下、冷却部52における洗浄水の流れについて、さらに詳しく説明する。
図6は、実施形態に係る衛生洗浄装置のスイッチング素子の周辺を表す平面図である。
図7は、実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す断面図である。
図8は、実施形態に係る衛生洗浄装置の一部を表す断面図である。
図9は、実施形態に係る衛生洗浄装置の冷水流路の一部を表す斜視図である。
図6では、基板収納部13を省略している。
図7は、図6に示したA1-A2線による断面図である。
図8は、図6に示したB1-B2線による断面図である。
図6図9に表したように、冷却部52は、流入部52aと、流出部52bと、第1~第3流路52c~52eと、を有する。
【0067】
流入部52aは、冷却部52の上流側の端部に設けられている。流出部52bは、冷却部52の下流側の端部に設けられている。この例では、流出部52bは、熱交換器40と接続されている。第1流路52c、第2流路52d、及び第3流路52eは、流入部52aと流出部52bとの間に設けられている。第1~第3流路52c~52eは、上流側から、第1流路52c、第2流路52d、第3流路52eの順に並んでいる。
【0068】
この例では、第1流路52cは、流入部52aから後方に向かって略水平に延びている。第2流路52dは、第1流路52cと第2流路52dとの接続部分から後方に迂回してから前方に延びている。第2流路52dと第3流路52eとの接続部分は、第1流路52cと第2流路52dとの接続部分よりも前方に位置している。第3流路52eは、第2流路52dと第3流路52eとの接続部分から上方及び前方に向かって延びている。流出部52bは、第3流路52eの上部から左側方に向かって略水平に延びている。
【0069】
流入部52aから流入した水は、第1流路52cを通って、第2流路52dに達する。第2流路52dを流れた水は、第3流路52eを通って、流出部52bに達し、熱交換器40に流出する。
【0070】
冷却部52は、第2流路52dにおいて、伝熱板80の第2部分82に接している。冷却部52は、第2流路52dを流れる水によって、伝熱板80の第2部分82を水冷する。第2流路52dに迂回する構造を設けることで、伝熱板80の冷却効率を向上させることができる。
【0071】
熱交換器40は、例えば、左右方向において、冷却部52と重なる位置に設けられる。熱交換器40は、例えば、左右方向において、流入部52aと重なる位置に設けられる。
【0072】
図10は、実施形態に係る衛生洗浄装置のケーシングの一部を表す斜視図である。
図10では、ケースプレート11のみを表している。
図10に表したように、ケースプレート11には、伝熱板80に生じた結露水を受けるための水受け部14が設けられている。
【0073】
図7及び図8に表したように、水受け部14の少なくとも一部は、伝熱板80(第2部分82)の下方に位置する。伝熱板80の第2部分82は、スイッチング素子60から水受け部14に向かって下方に傾斜している。これにより、伝熱板80に生じた結露水は、第2部分82を伝って水受け部14に排出される。
【0074】
また、ケースプレート11には、ケースプレート11上の水を便器200のボウル内に排出するための排水部15と、水受け部14と排水部15とを接続する排水流路16と、が設けられている。図10では、水受け部14で受けた水が排水流路16を通って排水部15から排出される際の水の流れを破線の矢印で示している。
【0075】
排水流路16は、水受け部14で受けた水を排水部15に導く。排水流路16は、例えば、水受け部14から排水部15に向かって下方に傾斜している。図3に表したように、この例では、排水部15は、ノズル30の下方に設けられている。排水部15は、これに限定されず、便器200のボウルと上下方向に重なる位置に設けられていればよい。
【0076】
伝熱板80に生じた結露水を受けるための水受け部14を伝熱板80の下方に設けるとともに、伝熱板80がスイッチング素子60から水受け部14に向かって下方に傾斜することで、伝熱板80に生じた結露水が制御基板70側に流れることを抑制できる。これにより、結露水による制御基板70の故障を抑制できる。
【0077】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0078】
(構成1)
局部洗浄のための洗浄水を吐出するノズルと、
前記ノズルに供給される前記洗浄水を交流電力により加熱する熱交換器と、
給水源から前記熱交換器に前記洗浄水を供給する冷水流路と、
前記熱交換器への前記交流電力の供給状態を切り替えるスイッチング素子と、
直流電力で作動し前記スイッチング素子を制御する制御部が搭載された制御基板と、
前記スイッチング素子の熱を放出するための伝熱板と、
前記ノズル、前記熱交換器、前記冷水流路、前記スイッチング素子、前記制御基板、及び前記伝熱板を収納するケーシングと、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記制御基板に搭載され、
前記冷水流路は、前記伝熱板を水冷する冷却部を有する、衛生洗浄装置。
【0079】
(構成2)
前記熱交換器は、瞬間式熱交換器であり、
前記熱交換器と前記スイッチング素子との間の距離は、前記冷却部と前記スイッチング素子との間の距離よりも長い、構成1記載の衛生洗浄装置。
【0080】
(構成3)
前記ケーシングは、前記制御基板を立てた状態で収納可能な基板収納部を有し、
前記基板収納部は、前記ケーシングの後部に設けられ、
前記スイッチング素子は、前記制御基板の下部に搭載される、構成1または2に記載の衛生洗浄装置。
【0081】
(構成4)
前記冷水流路に設けられたバルブユニットをさらに備え、
前記伝熱板は、前後方向において前記バルブユニットと重なる位置に設けられ、
前記スイッチング素子は、前後方向において前記伝熱板と重なる位置に設けられる、構成1~3のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【0082】
(構成5)
前記ケーシングは、少なくとも一部が前記伝熱板の下方に位置し、前記伝熱板に生じた結露水を受けるための水受け部を有し、
前記伝熱板は、前記スイッチング素子から前記水受け部に向かって下方に傾斜している、構成1~4のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【0083】
(構成6)
便蓋と、
前記便蓋を開閉するための便蓋開閉部と、
をさらに備え、
前記制御基板は、前記ケーシングの左右方向の一側に設けられ、
前記便蓋開閉部は、前記ケーシングの左右方向の他側に設けられる、構成1~5のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【0084】
以上のように、実施形態によれば、ケーシングを小型化できるとともに、スイッチング素子と制御部とを1つの制御基板に搭載しても、制御部がスイッチング素子からの熱による影響を受けることを抑制できる衛生洗浄装置が提供される。
【0085】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、衛生洗浄装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0086】
10:ケーシング
11:ケースプレート
12:ケースカバー
13:基板収納部
14:水受け部
15:排水部
16:排水流路
20:便座
21:便座開閉部
25:便蓋
26:便蓋開閉部
30:ノズル
31:吐出口
32:ノズル洗浄室
33:ノズルモータ
40:熱交換器
41:第1ヒータ
42:第2ヒータ
50:冷水流路
51:バルブユニット
52:冷却部
52a:流入部
52b:流出部
52c~52e:第1~第3流路
55:温水流路
56:流量切替弁
57:流路切替弁
60:スイッチング素子
61:第1スイッチング素子
62:第2スイッチング素子
70:制御基板
71:制御部
72:入力回路
73:電源回路
75:操作部
80:伝熱板
81:第1部分
82:第2部分
100:衛生洗浄装置
200:便器
500:トイレ装置
PS:供給電源
WS:給水源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10