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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018369
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】作業範囲表示システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20230201BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
E02F9/26 A
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122446
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】福尾 展弘
(72)【発明者】
【氏名】野田 大輔
【テーマコード(参考)】
2D015
5C054
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB05
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054FC12
5C054FE05
5C054FE12
5C054FF03
5C054HA19
5C054HA26
(57)【要約】
【課題】自動運転作業機械の外部から、自動運転作業機械の作業範囲を人に視認させる。
【解決手段】作業範囲表示システム1は、作業範囲設定部16と、表示部40と、を備える。作業範囲設定部16は、自動運転作業機械10の作業範囲Aを設定する。表示部40は、作業範囲設定部16に設定された作業範囲Aの情報に基づいて、自動運転作業機械10の外部に、作業範囲Aの位置を表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転作業機械の作業範囲を設定する作業範囲設定部と、
前記作業範囲設定部に設定された前記作業範囲の情報に基づいて、前記自動運転作業機械の外部に、前記作業範囲の位置を表示する表示部と、
を備える、
作業範囲表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業範囲表示システムであって、
前記表示部は、前記自動運転作業機械の作業現場に光を照射する装置である、
作業範囲表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の作業範囲表示システムであって、
前記表示部は、前記作業範囲の中央部を照射する、
作業範囲表示システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の作業範囲表示システムであって、
前記表示部は、前記自動運転作業機械に搭載される、
作業範囲表示システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の作業範囲表示システムであって、
前記表示部は、前記自動運転作業機械の外部に設けられる、
作業範囲表示システム。
【請求項6】
請求項5に記載の作業範囲表示システムであって、
前記表示部は、遠隔操縦作業機械の遠隔操縦部に設けられる、
作業範囲表示システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の作業範囲表示システムであって、
前記作業範囲は、前記自動運転作業機械が作業対象物を捕捉することが予定されている範囲を含む、
作業範囲表示システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の作業範囲表示システムであって、
前記作業範囲は、前記自動運転作業機械が移動したときに通ることが予定されている範囲を含む、
作業範囲表示システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の作業範囲表示システムであって、
前記表示部は、前記表示部による表示の必要性に基づいて設定された表示実行条件が満たされた場合にのみ表示を行う、
作業範囲表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転作業機械の作業範囲を表示する作業範囲表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、作業機械の作業範囲(同文献では掘削範囲)を、この作業機械の運転室内のモニタに表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-121280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献に記載の技術では、作業機械の作業範囲を、この作業機械の外部から人が視認することはきない。また、自動運転される作業機械(自動運転作業機械)では作業範囲が設定されるところ、この作業範囲は情報であるため、人が作業範囲を視認することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、自動運転作業機械の外部から、自動運転作業機械の作業範囲を人に視認させることができる、作業範囲表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
作業範囲表示システムは、作業範囲設定部と、表示部と、を備える。前記作業範囲設定部は、自動運転作業機械の作業範囲を設定する。前記表示部は、前記作業範囲設定部に設定された前記作業範囲の情報に基づいて、前記自動運転作業機械の外部に、前記作業範囲の位置を表示する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、自動運転作業機械の外部から、自動運転作業機械の作業範囲を人に視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】作業範囲表示システム1を上から見た図である。
図2図1に示す非自動運転作業機械20が遠隔操縦される場合の図1相当図である。
図3図1に示す作業範囲表示システム1のブロック図である。
図4図2に示す遠隔操縦モニタ27aを示す図である。
図5図1に示す作業範囲Aなどを上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図5を参照して、作業範囲表示システム1について説明する。
【0010】
作業範囲表示システム1は、図1に示すように、自動運転作業機械10の作業範囲Aを表示する。作業範囲表示システム1は、人(作業者やオペレータなど)に、作業範囲Aを視認させる。作業範囲表示システム1は、自動運転作業機械10と、図3に示す自動運転作業機械位置センサ15と、作業範囲設定部16と、非自動運転作業機械20(図1参照)と、非自動運転作業機械位置センサ25と、遠隔操縦部27と、コントローラ30と、表示部40と、を備える。
【0011】
自動運転作業機械10は、図1に示すように、自動運転により作業を行う作業機械である。自動運転作業機械10は、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルでもよく、クレーンでもよい(非自動運転作業機械20も同様)。以下では、自動運転作業機械10がショベルである場合について説明する(非自動運転作業機械20も同様)。自動運転作業機械10は、下部走行体11と、上部旋回体12と、アタッチメント13と、を備える。
【0012】
下部走行体11は、自動運転作業機械10を走行させる。下部走行体11は、例えばクローラを備える。
【0013】
上部旋回体12は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。上部旋回体12は、運転室12aと、カウンタウエイト12bと、を備える。運転室12aは、オペレータが自動運転作業機械10を操作することが可能な部分である。自動運転作業機械10が自動運転を行うときには、オペレータが運転室12aに搭乗する必要はない。カウンタウエイト12bは、自動運転作業機械10の前後方向のバランスをとるためのおもりである。
【0014】
アタッチメント13は、作業を行う部分である。例えば、アタッチメント13は、ブーム13aと、アーム13bと、先端アタッチメント13cと、を備える。ブーム13aは、上部旋回体12に起伏可能(上下方向に回転可能)に取り付けられる。アーム13bは、ブーム13aに対して回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント13cは、アタッチメント13の先端部に設けられ、アーム13bに回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント13cは、例えば土砂をすくうバケットでもよく、物を挟む装置(グラップルなど)でもよく、破砕や掘削などを行う装置(ブレーカなど)でもよい。
【0015】
自動運転作業機械位置センサ15(図3参照)は、自動運転作業機械10の位置を検出する。自動運転作業機械位置センサ15は、自動運転作業機械10の基準となる部位の、作業現場に対する位置および向きを検出する。自動運転作業機械10の基準となる部位は、例えば上部旋回体12または下部走行体11の特定の部位でもよく、例えば上部旋回体12へのブーム13aの取付部(ブームフット)でもよい。自動運転作業機械位置センサ15は、位置測位システム(例えば衛星測位システムなど)により検出を行うものでもよい。位置測位システムは、衛星測位システムでもよく、例えばGNSS(global navigation satellite system)でもよい。位置測位システムは、トータルステーションを用いたものでもよい。自動運転作業機械位置センサ15は、自動運転作業機械10に搭載されてもよく、自動運転作業機械10の外部に設置されてもよい。自動運転作業機械位置センサ15は、二次元画像または距離画像(距離の情報を有する画像)に基づいて位置を検出するものでもよい。
【0016】
作業範囲設定部16(図3参照)は、自動運転作業機械10の作業範囲Aを設定する。作業範囲Aの詳細は後述する。
【0017】
非自動運転作業機械20は、自動運転作業機械10とは異なる作業機械である。非自動運転作業機械20は、オペレータの操縦に従って作動する。非自動運転作業機械20は、非自動運転作業機械20に搭乗したオペレータに操作される作業機械(人搭乗作業機械)でもよい。図2に示すように、非自動運転作業機械20は、遠隔操縦部27での遠隔操縦により操作される作業機械(遠隔操縦作業機械)でもよい。図1に示すように、非自動運転作業機械20は、自動運転作業機械10と同様に、下部走行体21と、上部旋回体22と、アタッチメント23と、を備える。上部旋回体22は、運転室22aを備える。
【0018】
非自動運転作業機械位置センサ25(図3参照)は、非自動運転作業機械20の位置を検出する。非自動運転作業機械位置センサ25の具体例は、自動運転作業機械位置センサ15と同様である。
【0019】
遠隔操縦部27は、図2に示すように、非自動運転作業機械20が遠隔操縦作業機械である場合に、オペレータが非自動運転作業機械20の操縦を行う部分(遠隔操縦席およびその周辺機器など)である。遠隔操縦部27は、遠隔操縦モニタ27aを備える。遠隔操縦モニタ27aは、非自動運転作業機械20(例えば運転室22a)で撮影された映像を表示する(図4参照)。遠隔操縦部27のオペレータは、遠隔操縦モニタ27aの映像を見ながら非自動運転作業機械20を操縦する。
【0020】
コントローラ30(図3参照)は、信号の入出力、演算(処理)、情報の記憶などを行うコンピュータである。例えば、コントローラ30の機能は、コントローラ30の記憶部に記憶されたプログラムが演算部で実行されることにより実現される。コントローラ30は、表示部40の制御を行う。例えば、コントローラ30は、図1に示す自動運転作業機械10、および非自動運転作業機械20の少なくともいずれかと通信可能でもよい。図3に示すように、コントローラ30は、自動運転作業機械位置センサ15、作業範囲設定部16、非自動運転作業機械位置センサ25、および遠隔操縦部27の少なくともいずれかと通信可能でもよい。例えば、コントローラ30は、表示部40の表示内容の決定、表示部40の表示位置の制御などを行う。
【0021】
表示部40は、作業範囲A(図1参照)の位置を表示する。表示部40は、作業範囲設定部16に設定された作業範囲Aの情報に基づいて、作業範囲Aの位置を表示する。表示部40は、作業範囲Aに関する情報であって作業範囲Aの位置以外の情報を表示してもよい。図1に示すように、表示部40は、自動運転作業機械10の外部に、作業範囲Aの位置を表示する。
【0022】
この表示部40は、例えば、照射装置40aでもよく、モニタ40b(図2参照)でもよく、拡張現実装置40cでもよい。以下では、コントローラ30については図3を参照して説明する。
【0023】
照射装置40aは、図1に示すように、自動運転作業機械10の作業現場に光を照射する装置である。照射装置40aは、作業範囲Aの位置を作業現場に直接的に表示する。照射装置40aの照射位置(方向)は、コントローラ30からの指示により制御(調整)される。照射装置40aの照射の内容は、コントローラ30からの指示により制御されてもよい。例えば、照射装置40aが照射する光は、電球による光でもよく、レーザー光でもよい。照射装置40aは、機械搭載照射装置40a1でもよく、現場設置照射装置40a2でもよい。
【0024】
機械搭載照射装置40a1は、自動運転作業機械10に搭載され、例えば上部旋回体12に搭載されてもよく、例えばアタッチメント13に搭載されてもよい。図1に示す例では、機械搭載照射装置40a1は、上部旋回体12の後部(例えばカウンタウエイト12bまたはその近傍)に配置される。この例では、機械搭載照射装置40a1は、上部旋回体12の後部から、上部旋回体12よりも後側(上部旋回体12に対してアタッチメント13が突出する向きとは反対側)に、照射を行う。この場合、機械搭載照射装置40a1が照射する光がアタッチメント13に遮られることがない。なお、機械搭載照射装置40a1は、上部旋回体12から前(上部旋回体12に対してアタッチメント13が突出する向き)に向けて照射を行ってもよく、横に向けて照射を行ってもよい。機械搭載照射装置40a1は、上部旋回体12の周囲の全周(または略全周)に照射可能に構成されてもよい。
【0025】
この機械搭載照射装置40a1の上部旋回体12に対する向き(角度、照射方向)は、可変である。上部旋回体12に対する機械搭載照射装置40a1の上下方向の向きは、可変であり、例えばコントローラ30の指令により制御される。
【0026】
この機械搭載照射装置40a1の上部旋回体12に対する横方向(左右方向)の向きは、固定でもよく、可変でもよい。上部旋回体12に対する機械搭載照射装置40a1の横方向の向きは、所定範囲内でのみ可変でもよく、全周(360°)にわたって可変でもよい。作業現場に対する機械搭載照射装置40a1の横方向の向きは、下部走行体11に対する上部旋回体12の旋回、および、上部旋回体12に対する機械搭載照射装置40a1の横方向の向きの変更、の少なくともいずれかにより制御される。
【0027】
この機械搭載照射装置40a1の上部旋回体12に対する向きが制御される際に、コントローラ30は、自動運転作業機械10を停止させてもよい。この場合、自動運転作業機械10を停止させない場合に比べ、機械搭載照射装置40a1の照射方向の制御が簡易になり、コントローラ30の計算負荷を減らすことができる。自動運転作業機械10が作動しながら、上部旋回体12に対する機械搭載照射装置40a1の向きが制御されてもよい。この場合、自動運転作業機械10が作動していても、機械搭載照射装置40a1が作業範囲Aの位置を確実に表示することができる。その結果、例えば自動運転作業機械10の周囲の物体(非自動運転作業機械20、作業者など)と自動運転作業機械10との干渉が抑制されてもよい。
【0028】
現場設置照射装置40a2は、自動運転作業機械10の外部に設けられる。現場設置照射装置40a2は、作業現場に設置される。現場設置照射装置40a2は、非自動運転作業機械20に搭載されてもよい(非自動運転作業機械20は、「作業現場」に含まれてもよい)。現場設置照射装置40a2は、1か所のみに設けられてもよく、複数か所に設けられてもよい。現場設置照射装置40a2が1か所のみに設けられる場合は、物体(例えば自動運転作業機械10などの)陰になる位置には、現場設置照射装置40a2は照射できない。現場設置照射装置40a2が複数か所に設けられる場合は、1か所のみに設けられる場合に比べ、現場設置照射装置40a2による照射可能な範囲が広くなる。
【0029】
モニタ40bは、図2に示すように、自動運転作業機械10の外部に設けられる。モニタ40bは、例えば、遠隔操縦モニタ27aである。図4に示すように、遠隔操縦モニタ27aは、非自動運転作業機械20(図2参照)から(例えば運転室22aから)撮影された作業現場の映像を表示する。モニタ40bは、この作業現場の映像に、作業範囲Aを示す表示を重畳させる。さらに詳しくは、図3に示す非自動運転作業機械位置センサ25は、図2に示す非自動運転作業機械20の位置および方向を検出する。コントローラ30は、非自動運転作業機械20の位置および方向の座標系と、運転室22aから撮影された作業現場の映像の座標系と、作業範囲Aの座標系と、を統一する(例えば作業現場の座標系に統一する)。コントローラ30は、図4に示すように、モニタ40bに表示される作業現場の映像における、作業範囲Aの位置を算出する。そして、モニタ40bは、実際の(現実の)作業現場における作業範囲Aの位置に、作業範囲Aの位置を示す表示が行われているように、作業範囲Aを示す表示を作業現場の映像に重畳して表示する。なお、非自動運転作業機械20が遠隔操縦される場合に、図1に示すように機械搭載照射装置40a1による作業範囲Aの位置の表示が行われてもよい。
【0030】
拡張現実装置40cは、実際の作業現場の風景または作業現場の映像に、作業範囲Aを示す表示を重ねるような表示(例えば図4に示すような表示)を行う装置である。拡張現実装置40cは、例えば、図2に示す遠隔操縦部27のオペレータが装着するスマートグラスでもよい。図1に示す拡張現実装置40cは、非自動運転作業機械20(人搭乗作業機械)に搭乗するオペレータや作業現場の作業者が装着するスマートグラスでもよい。拡張現実装置40cは、作業現場の映像に作業範囲Aを重畳させて表示するタブレット端末などでもよい。拡張現実装置40cは、オペレータが搭乗する非自動運転作業機械20(人搭乗作業機械)の運転室22aに投影を行う装置(ヘッドアップディスプレイなど)でもよい。
【0031】
(作業範囲A)
上記のように、表示部40は、作業範囲Aの位置を表示する。この作業範囲Aは、例えば次のように設定される。[例1]作業範囲Aは、自動運転作業機械10によって作業対象物Oに関する作業が行われることが予定されている範囲(目標範囲)でもよい。作業対象物Oは、土砂でもよく、石でもよく、木材でもよく、金属でもよく、構造物でもよく、廃棄物でもよい。[例1a]作業範囲Aは、自動運転作業機械10が作業対象物Oを捕捉することが予定されている範囲(捕捉範囲A1a)でもよい。例えば、作業対象物Oが土砂の場合、捕捉範囲A1aは、土砂の掘削が行われる範囲であり、例えば土砂山が存在する範囲などである。[例1b]図5に示すように、作業範囲Aは、自動運転作業機械10が作業対象物Oを解放することが予定されている範囲(解放範囲A1b)でもよい。例えば、作業対象物Oが土砂の場合、解放範囲A1bは、排土が行われる範囲であり、例えば輸送車の荷台が存在する範囲などである。
【0032】
[例2]作業範囲Aは、自動運転作業機械10が移動したときに通ることが予定されている範囲(目標軌跡、目標移動経路など)でもよい。「自動運転作業機械10が移動したとき」は、例えば、下部走行体11が走行したとき、上部旋回体12が旋回したとき、およびアタッチメント13が作動したとき、の少なくともいずれかなどである。自動運転作業機械10の「移動」は、自動運転作業機械10の「作業」に含まれる。[例2a]作業範囲Aは、自動運転作業機械10が旋回するときに、アタッチメント13が通ることが予定されている範囲(旋回範囲A2a)でもよく、上部旋回体12が通ることが予定されている範囲でもよい。例えば、旋回範囲A2aは、先端アタッチメント13cが作業対象物Oを捕捉した状態で捕捉範囲A1aから解放範囲A1bに向かって移動するとき(持上旋回するとき)に、アタッチメント13が通ることが予定されている範囲を含んでもよい。例えば、旋回範囲A2aは、先端アタッチメント13cが作業対象物Oを解放した状態で解放範囲A1bから捕捉範囲A1aに向かって移動するとき(復帰旋回するとき)に、アタッチメント13が通ることが予定されている範囲を含んでもよい。[例2b]作業範囲Aは、自動運転作業機械10が走行するときに自動運転作業機械10が通ることが予定されている範囲(目標移動経路)でもよい。
【0033】
(作業範囲Aの設定)
作業範囲Aは、ティーチングにより設定されてもよく、ティーチング以外の方法(例えば数値入力など)により設定されてもよい。
【0034】
ティーチングは、例えば次のように行われる。オペレータが、図1に示す自動運転作業機械10に搭乗して自動運転作業機械10を操作する、または、遠隔操縦により自動運転作業機械10を遠隔操作する。例えば、オペレータは、自動運転作業機械10を操作することで、捕捉範囲A1aとして設定したい範囲の特定の位置に、アタッチメント13の特定部位(例えばアタッチメント13の先端部)を配置する。そして、アタッチメント13の特定部位が配置された位置に基づいて、作業範囲Aとして設定したい範囲が決定される。
【0035】
具体的には例えば、捕捉範囲A1aは、次のように設定されてもよい。ここでは、捕捉範囲A1aが、上から見たときに長方形であるとする。この場合、例えば、オペレータが自動運転作業機械10を操作することで、アタッチメント13の特定部位が、捕捉範囲A1aの対角となる点Paおよび点Pcに配置される。そして、点Paの座標(xa,ya,za)と、点Pcの座標(xc,yc,zc)と、が取得される。点Paと点Pcとの中点Pmの座標は、((xa+xc)/2,(ya+yc)/2,(za+zc)/2)となる。ここでは、上部旋回体12が中点Pmを向いたと仮定したときの上部旋回体12の前後方向(アタッチメント13が延びる方向)を、長方形の捕捉範囲A1aの2辺が延びる方向とする。この場合、長方形の捕捉範囲A1aの残りの2点(点Pbおよび点Pd)の座標は、自動的に決定される。その結果、捕捉範囲A1aの位置(座標)が決定される。なお、捕捉範囲A1aが長方形である場合に3点以上がティーチングされてもよい。捕捉範囲A1aは、上から見て長方形でなくてもよい。また、解放範囲A1bも捕捉範囲A1aと同様にティーチングにより設定されてもよい。
【0036】
また、例えば、図5に示す旋回範囲A2aは、次のように設定されてもよい。例えば、オペレータが自動運転作業機械10を操作することで、持上旋回(または復帰旋回)の作動を自動運転作業機械10に行わせる。このときにアタッチメント13の特定部位が移動した軌跡が、目標軌跡として設定される。そして、アタッチメント13の特定部位が目標軌跡に沿って移動したと仮定したときに、アタッチメント13が通ることが予定される範囲が、旋回範囲A2aとして設定される。なお、これらの作業範囲Aの設定方法は一例であり、作業範囲Aは様々に設定可能である。
【0037】
(作業範囲Aの位置の表示)
図1に示す表示部40による作業範囲Aの位置の表示は、様々に行うことができる。表示部40が表示する、作業範囲Aの位置を示す図形は、作業範囲Aの一部(例えば中央部)を示す図形でもよく、作業範囲Aの外周を示す図形(枠状、環状など)でもよく、作業範囲Aの内部全体(または略全体)を示す図形でもよい。作業範囲Aの位置を示す図形は、点状でもよく、線状でもよく、多角形状でもよく、円形状でもよく、楕円形状でもよく、これらに類似する形状でもよい。
【0038】
表示部40は、作業範囲Aの中央部の位置を表示してもよい。例えば、照射装置40aは、作業範囲Aの中央部を照射してもよい。この場合、コントローラ30は、照射装置40aが作業範囲Aの中央部を向くように照射装置40aの向き(照射方向)を制御する。モニタ40b(図2参照)や拡張現実装置40cが、作業範囲Aの中央部の位置を表示してもよい。上記「作業範囲Aの中央部」は、具体的には例えば、上から見た作業範囲Aの図心およびその周辺の領域である。さらに具体的には、作業範囲Aが、上から見て四角形の捕捉範囲A1aの場合、作業範囲Aの中央部は、中点Pmおよびその周辺の領域(例えば土砂山の中央部など)である。
【0039】
表示部40は、作業範囲Aの領域の外周の位置を表示してもよい。例えば、作業範囲Aが上から見て多角形である場合、表示部40は、この多角形の枠状の図形を表示してもよい(図4参照)。例えば、作業範囲Aが上から見て円形や楕円形である場合、表示部40は、この円形や楕円形の環状の図形を表示してもよい。表示部40は、作業範囲Aの領域の内部全体(または略全体)を示す図形を表示してもよい。さらに詳しくは、表示部40は、作業範囲Aの領域内を塗りつぶしたような図形を表示してもよい。
【0040】
表示部40は、作業範囲Aの位置を示す表示の色や形状などを、何らかの条件に応じて変えてもよい。
【0041】
(作業範囲Aの位置以外の、作業範囲Aに関する情報の表示)
表示部40は、作業範囲Aの位置以外の、作業範囲Aに関する情報を表示してもよい。表示部40は、作業範囲Aの位置以外の作業範囲Aに関する情報に基づいて、作業範囲Aの位置の表示の態様(表示を行うか否か、表示の色や形状など)を変化させてもよい。表示部40は、作業範囲Aの位置以外の作業範囲Aに関する情報の表示を、作業範囲Aの位置の表示とは別に行ってもよい。作業範囲Aの位置以外の作業範囲Aに関する情報の表示の具体例は、次の通りである。
【0042】
(自動運転作業機械10の作業の開始までの時間を示す表示)
表示部40は、自動運転作業機械10の作業の開始までの時間を示す表示を行ってもよい。例えば、表示部40は、自動運転作業機械10の自動運転による作業(例えば作業対象物Oに対する作業)の開始までの時間を示す表示を行ってもよい。表示部40は、自動運転作業機械10の自動運転による移動(旋回や走行)の開始までの時間を示す表示を行ってもよい。例えば、表示部40は、自動運転作業機械10の作業が開始されるまでの残り時間を示す数字を、カウントダウンするように表示してもよい。例えば、表示部40は、自動運転作業機械10の作業が開始されるまでの残り時間に応じて、作業範囲Aの位置を示す表示の態様(表示を行うか否か、表示の色や形状など)を変化させてもよい。
【0043】
具体的には例えば、非自動運転作業機械20が捕捉範囲A1aで作業している最中に、自動運転作業機械10が動き出すと、非自動運転作業機械20と自動運転作業機械10とが干渉するおそれがある。表示部40が、自動運転作業機械10の作業の開始までの時間を示す表示を行った場合、非自動運転作業機械20のオペレータは、この干渉が生じないように対処することができる。
【0044】
(自動運転作業機械10の作業の進行に関する情報の表示)
表示部40は、自動運転作業機械10の作業の進行に関する情報を表示してもよい。例えば、非自動運転作業機械20と自動運転作業機械10とが連携して作業している場合に、自動運転作業機械10の作業の情報を表示部40が表示することで、非自動運転作業機械20のオペレータにとって利便性が向上する。
【0045】
具体的には例えば、自動運転作業機械10が捕捉範囲A1aで作業対象物Oを捕捉する作業を行っているときに、捕捉範囲A1aに残っている作業対象物Oの量に関する情報を、表示部40が表示してもよい。表示部40は、作業対象物Oの量が閾値以下か否かに基づいて表示の態様(表示を行うか否か、表示の色や形状など)を変化させてもよい。なお、作業対象物Oの量は、例えば図示しない撮像装置などにより監視されてもよい。
【0046】
(自動運転作業機械10の作動に関する情報の表示)
例えば、表示部40は、自動運転作業機械10が作動しているか否か(停止しているか)を示す表示を行ってもよい。具体的には例えば、表示部40は、自動運転作業機械10が作動しているときに、自動運転作業機械10が作動していることを示す表示を行ってもよい。この場合、自動運転作業機械10と、自動運転作業機械10の周囲の非自動運転作業機械20や作業者と、が干渉することを抑制することができる。
【0047】
(表示実行条件を満たした場合のみの表示)
表示部40は、表示実行条件が満たされた場合にのみ表示を行ってもよい。表示実行条件は、表示部40による表示の必要性に基づいてコントローラ30に設定され、様々に設定可能である。
【0048】
表示実行条件が満たされた場合にのみ表示部40が表示を行うことで、コントローラ30による計算負荷を抑制することができる。例えば、表示部40が機械搭載照射装置40a1の場合、コントローラ30は、自動運転作業機械10の作動に伴って、機械搭載照射装置40a1の照射位置を制御する必要がある。表示実行条件が満たされた場合にのみ表示部40が表示を行うことで、この制御のためのコントローラ30の計算負荷が抑制される。例えば、表示部40が現場設置照射装置40a2の場合、現場設置照射装置40a2が照射した光が、自動運転作業機械10や非自動運転作業機械20などにより遮られ、作業範囲Aとは関係のない位置が照射される可能性がある。表示実行条件が満たされた場合にのみ表示部40が表示を行うことで、作業範囲Aとは関係のない位置が照射される可能性を減らすことができる。また、表示部40が、図4に示すモニタ40bであって遠隔操縦モニタ27aである場合、表示実行条件が満たされた場合にのみ表示部40が表示を行うことで、運転室22aから撮影された作業現場の映像が見やすくなる。
【0049】
例えば、表示実行条件には、図1に示す非自動運転作業機械20が作業対象物Oを捕捉範囲A1aに補充すべき(例えば土砂山に土砂を補充すべき)状態であることが含まれてもよい。例えば、表示実行条件には、捕捉範囲A1aの作業対象物Oの量がある閾値(第1閾値とする)以下であることが含まれてもよい。また、例えば、表示実行条件には、非自動運転作業機械20において、作業対象物Oを捕捉範囲A1aに補充する状態であることが設定されていることが含まれてもよい。具体的には例えば、コントローラ30は、作業対象物Oを捕捉範囲A1aに補充する状態であることを示す指令(土砂山補充信号)を受信した場合に、捕捉範囲A1aの位置を表示部40に表示させてもよい。例えば、非自動運転作業機械20による作業対象物Oの補充が完了した場合に、コントローラ30は、補充が完了したことを示す指令(補充完了信号)を非自動運転作業機械20から受信し、表示部40に表示を終了させてもよい。
【0050】
例えば、作業対象物Oの量がある量よりも多くなり、例えば土砂山が高く積み上げられると、捕捉範囲A1aの位置を表示する必要がなくなる場合がある。そこで、表示実行条件には、捕捉範囲A1aの作業対象物Oの量が、ある閾値(第2閾値とする)以下であることが含まれてもよい。なお、第2閾値は上記の第1閾値よりも十分大きい値である。
【0051】
(具体例)
作業範囲表示システム1の作動の、さらなる具体例を説明する。ここでは、自動運転作業機械10が、自動運転により、捕捉範囲A1aで作業対象物Oを捕捉(例えば掘削)し、解放範囲A1bで輸送車に解放(例えば排土)する場合について説明する。自動運転作業機械10が自動運転により作業を行っている間、非自動運転作業機械20は、自動運転作業機械10が作業を行っている位置とは異なる位置で、「他の作業」(例えば捕捉範囲A1aとは異なる位置の土砂山の成形や法面の成形など)を行う。このとき、非自動運転作業機械20のオペレータは、捕捉範囲A1aの作業対象物Oがあるか否かを確認しながら、上記「他の作業」を行う場合がある。ここで、捕捉範囲A1aの作業対象物Oの量が第1閾値以下になったとき、その旨の表示(捕捉範囲A1aの作業対象物Oの量が第1閾値以下になったことを示す表示)を表示部40が行う。この場合、オペレータは、捕捉範囲A1aの作業対象物Oが第1閾値以下になったことを知ることができる。
【0052】
自動運転作業機械10が捕捉可能な作業対象物Oが無くなる(または略無くなる)と、自動運転作業機械10が停止する。具体的には、捕捉範囲A1aの作業対象物Oの量がある閾値(第3閾値とする)以下になると、自動運転作業機械10が停止する。なお、上記第3閾値は、第1閾値と等しくてもよく、第1閾値未満の値でもよい。自動運転作業機械10が停止したとき、その旨の表示(自動運転作業機械10が停止したことを示す表示)を表示部40が行う。この場合、オペレータは、自動運転作業機械10が停止したことを知ることができる。
【0053】
例えば、作業対象物Oが第1閾値以下になったことを示す表示、および自動運転作業機械10が停止したことを示す表示などの表示を確認したオペレータは、非自動運転作業機械20を捕捉範囲A1aの近傍に移動させる。また、オペレータの操作などにより、作業対象物Oを捕捉範囲A1aに補充する状態であることを示す指令(土砂山補充信号)が、非自動運転作業機械20または遠隔操縦部27(図2参照)から、コントローラ30に送信される。すると、コントローラ30は、表示部40に、捕捉範囲A1aの位置を表示させる。すると、オペレータは、捕捉範囲A1aの位置を視認することができる。例えば、捕捉範囲A1aが、土砂山のない平坦な地面であっても、オペレータは、捕捉範囲A1aの位置を視認することができる。そして、オペレータの操作により、非自動運転作業機械20が、捕捉範囲A1aに作業対象物Oを補充する(例えば土砂山を作る)。
【0054】
その後、捕捉範囲A1aへの作業対象物Oの補充が完了する。このとき、オペレータの操作などにより、捕捉範囲A1aへの作業対象物Oの補充が完了したことを示す指令(補充完了信号)が、非自動運転作業機械20または遠隔操縦部27(図2参照)から、コントローラ30に送信されてもよい。また、捕捉範囲A1aへの作業対象物Oの補充が完了したことが、図示しない撮像装置などにより検出されてもよい。捕捉範囲A1aへの作業対象物Oの補充が完了したとき(または土砂山が十分高くなったとき)、コントローラ30は、表示部40の表示を終了させる。
【0055】
捕捉範囲A1aへの作業対象物Oの補充が完了した後、自動運転作業機械10は、捕捉範囲A1aでの作業対象物Oを捕捉する作業を開始(再開)する。自動運転作業機械10が作業を開始する前に、表示部40は、自動運転作業機械10が作業を開始するまでの時間を示す表示を行う。また、自動運転作業機械10が作業を開始する前に、表示部40は、自動運転作業機械10が作業を開始するときにどの向きに旋回するか(旋回範囲A2a)を表示する。この場合、自動運転作業機械10と、自動運転作業機械10の周囲の物体(非自動運転作業機械20や作業者)と、の干渉が抑制される。
【0056】
(第1の発明の効果)
図1に示す作業範囲表示システム1による効果は次の通りである。作業範囲表示システム1は、作業範囲設定部16(図3参照)と、表示部40と、を備える。
【0057】
[構成1]作業範囲設定部16(図3参照)は、自動運転作業機械10の作業範囲Aを設定する。表示部40は、作業範囲設定部16に設定された作業範囲Aの情報に基づいて、自動運転作業機械10の外部に、作業範囲Aの位置を表示する。
【0058】
上記[構成1]により、次の効果が得られる。自動運転作業機械10の作業範囲Aは、例えば座標などの情報であり、そのままでは人(オペレータや作業者など)は認識できない。そこで、上記[構成1]では、表示部40が、自動運転作業機械10の外部に、作業範囲Aを表示する。よって、自動運転作業機械10の外部から、自動運転作業機械10の作業範囲Aを人に視認させることができる。
【0059】
(第2の発明の効果)
[構成2]表示部40(照射装置40a)は、自動運転作業機械10の作業現場に光を照射する装置である。
【0060】
上記[構成2]により、表示部40による表示を、作業現場で直接的に人に目視させることができる。よって、表示部40の位置を確実に人に目視させることができる。
【0061】
(第3の発明の効果)
[構成3]表示部40(照射装置40a)は、作業範囲Aの中央部を照射する。
【0062】
上記[構成3]により、作業範囲Aの外周や作業範囲Aの内部全面などを照射する必要がある場合に比べ、表示部40(照射装置40a)を簡素に構成することができる。
【0063】
(第4の発明の効果)
[構成4]表示部40(機械搭載照射装置40a1)は、自動運転作業機械10に搭載される。
【0064】
上記[構成4]により、自動運転作業機械10とは異なる位置に表示部40を設ける必要がない。よって、作業範囲表示システム1を簡素に構成することができる。なお、作業範囲表示システム1が上記[構成4]を備える場合に、作業範囲表示システム1のうち表示部40以外の構成要素(例えば作業範囲設定部16(図3参照)など)が、自動運転作業機械10の外部に配置されてもよい。
【0065】
(第5の発明の効果)
[構成5]表示部40(現場設置照射装置40a2)は、自動運転作業機械10の外部に設けられる。
【0066】
上記[構成5]により、表示部40(機械搭載照射装置40a1)が自動運転作業機械10に搭載される場合に比べ、表示部40(現場設置照射装置40a2)による表示位置の自由度を高くすることができる。
【0067】
(第6の発明の効果)
[構成6]図2に示すように、表示部40(例えばモニタ40b)は、遠隔操縦作業機械(遠隔操縦される非自動運転作業機械20)の遠隔操縦部27に設けられる。
【0068】
上記[構成6]により、遠隔操縦される非自動運転作業機械20のオペレータに、自動運転作業機械10の作業範囲Aを視認させることができる。
【0069】
(第7の発明の効果)
[構成7]作業範囲Aは、自動運転作業機械10が作業対象物Oを捕捉することが予定されている範囲(捕捉範囲A1a)を含む。
【0070】
上記[構成7]により、捕捉範囲A1aの位置を人に視認させることができる。
【0071】
その結果、次の効果が得られてもよい。例えば、作業対象物Oを補充すべき位置を、人に知らせることができる。また、例えば、作業対象物Oを捕捉するために自動運転作業機械10が侵入する領域を人に知らせることができる。その結果、自動運転作業機械10の周囲の物体(非自動運転作業機械20や作業者)と自動運転作業機械10との干渉を抑制することができてもよい。
【0072】
(第8の発明の効果)
[構成8]図5に示すように、作業範囲Aは、自動運転作業機械10が移動したときに通ることが予定されている範囲(例えば旋回範囲A2a)を含む。
【0073】
上記[構成8]により、自動運転作業機械10がどのように移動するかを人に知らせることができる。その結果、自動運転作業機械10の周囲の物体(非自動運転作業機械20や作業者など)と自動運転作業機械10との干渉を抑制することができる。
【0074】
(第9の発明の効果)
[構成9]図1に示す表示部40は、表示部40による表示の必要性に基づいて設定された表示実行条件が満たされた場合にのみ表示を行う。
【0075】
上記[構成9]により、表示部40が無駄な表示を行うことを抑制することができる。その結果、例えば、表示部40の表示を制御する装置(例えばコントローラ30(図3参照))の計算負荷を抑制することができてもよい。例えば、表示部40の表示が煩雑になることを抑制することができてもよい。
【0076】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の各構成要素の作用機能、配置、形状、作動などが、変更されてもよく、一部のみ行われてもよい。例えば、図3に示す各構成要素どうしの接続は変更されてもよい。例えば、閾値や範囲などは、一定でもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じて自動的に変えられてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。具体的には例えば、作業範囲設定部16とコントローラ30とは別々に設けられても、一体的に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 作業範囲表示システム
10 自動運転作業機械
16 作業範囲設定部
20 非自動運転作業機械(遠隔操縦作業機械)
27 遠隔操縦部
40 表示部
A 作業範囲
O 作業対象物
図1
図2
図3
図4
図5