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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183708
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】測定治具および測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/22 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
G01B3/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097363
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古山 諄
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 大二郎
(72)【発明者】
【氏名】山形 寛
【テーマコード(参考)】
2F061
【Fターム(参考)】
2F061AA16
2F061AA31
2F061BB07
2F061FF72
2F061GG01
2F061JJ71
2F061SS12
2F061SS13
2F061SS16
2F061SS18
2F061SS28
(57)【要約】
【課題】より容易に測定対象物の突出部の突出量を測定することの可能な測定治具および測定装置を提供する。
【解決手段】測定治具40は、デジタルインジケータ20(本体部)に設けられ突出部3と当接する測定子30をZ方向(第一方向)に移動可能に支持するベース41を有し、ベース41の下端部41aには、Z方向と交差したY方向(第二方向)およびZ方向から見てY方向と交差したX方向(第三方向)に開放され測定子30を露出させる複数の窓部43,44と、複数の窓部43,44を介して互いにY方向およびX方向に離間した状態で基準面2aに設置される複数の脚部42と、が設けられたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の平坦な基準面から第一方向に突出した突出部の突出量を測定する測定装置の本体部を保持するための測定治具であって、
前記本体部に設けられ前記突出部と当接する測定子を前記第一方向に移動可能に支持するベースを有し、
前記ベースの下端部には、前記第一方向と交差した第二方向および前記第一方向から見て前記第二方向と交差した第三方向に開放され前記測定子を露出させる複数の窓部と、前記複数の窓部を介して互いに前記第二方向および前記第三方向に離間した状態で前記基準面に設置される複数の脚部と、が設けられたことを特徴とする測定治具。
【請求項2】
前記複数の窓部は、それぞれ前記ベースを前記第二方向および前記第三方向に貫通した状態に設けられたX字状の窓部であり、
前記複数の脚部は、前記窓部を介して互いに前記第二方向および前記第三方向に離間した状態に設けられた四つの脚部であることを特徴とする請求項1に記載の測定治具。
【請求項3】
前記複数の脚部は、それぞれ前記基準面と面しかつ前記第一方向から見て四角形状の接触面を有していることを特徴とする請求項1に記載の測定治具。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一つに記載の測定治具と、
前記測定治具に対して前記第一方向に移動可能に支持され、前記突出部と当接する測定子と、
前記測定子の前記第一方向の移動量を表示可能な表示部を有し、前記測定治具に保持される本体部と、
を備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項5】
前記測定子の側面には、前記第二方向の中心部を通りかつ前記第一方向に延びる第一溝部と、前記第三方向の中心部を通りかつ前記第一方向に延びる第二溝部と、が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記測定子および前記突出部のうち一方は、他方に向けて凸の状態で湾曲した曲面状の第一当接面を有し、前記他方は、前記第一方向と直交する平坦面状の第二当接面を有していることを特徴とする請求項4に記載の測定装置。
【請求項7】
前記突出部は、前記測定対象物としての真空ガラスを構成する一対のガラス板のうち一方の前記基準面から他方に向けて突出した複数の突出部であることを特徴とする請求項4に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定治具および測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、測定対象物としての真空ガラスを構成する一対のガラス板のうちの一方に他方に向けて突出する複数の突出部(スペーサ)が設けられた構造の真空ガラスの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-182567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の構造では、例えば、突出部の突出量(高さ)を管理、調整するために、当該突出部の突出量を測定する必要がある。従来では、この突出部の突出量を測定する方法として、高精度非接触形状測定機や、レーザー変位計、レーザー顕微鏡等が用いられていた。
【0005】
しかしながら、上述した測定方法では、測定対象物のサイズが限られており、例えば、専用の台座に載せるためには、100mm×100mm程度に測定対象物を切断する必要があった。また、高精度非接触形状測定機の場合は、特定の機関に測定を依頼することになり、費用と時間がかかってしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、より容易に測定対象物の突出部の突出量を測定することの可能な測定治具および測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる測定治具は、測定対象物の平坦な基準面から第一方向に突出した突出部の突出量を測定する測定装置の本体部を保持するための測定治具であって、前記本体部に設けられ前記突出部と当接する測定子を前記第一方向に移動可能に支持するベースを有し、前記ベースの下端部には、前記第一方向と交差した第二方向および前記第一方向から見て前記第二方向と交差した第三方向に開放され前記測定子を露出させる複数の窓部と、前記複数の窓部を介して互いに前記第二方向および前記第三方向に離間した状態で前記基準面に設置される複数の脚部と、が設けられたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる測定装置は、上記測定治具と、前記測定治具に対して前記第一方向に移動可能に支持され、前記突出部と当接する測定子と、前記測定子の前記第一方向の移動量を表示可能な表示部を有し、前記測定治具に保持される本体部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、測定対象物の平坦な基準面上に測定治具ひいては測定装置を所定の姿勢に設置して突出部の突出量を測定することができる。これにより、測定対象物を切断せずにより容易に測定対象物の突出部の突出量を測定することの可能な測定治具および測定装置を提供することができる。また、複数の脚部によって測定対象物との接触面積を減らすことができるため、例えば、測定対象物に複数の突出部が設けられているような場合に、突出部と測定治具との干渉を抑制することができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の測定装置が測定する測定対象物の例示的な平面図である。
図2】実施形態の測定装置が測定する測定対象物の例示的な断面図である。
図3】実施形態の測定装置の例示的な正面図である。
図4】実施形態の測定装置の例示的な側面図である。
図5】実施形態の測定装置の例示的な斜視図である。
図6】実施形態の測定装置の測定子の例示的な拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。
【0012】
なお、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0013】
[実施形態]
図1は、実施形態の測定装置10が測定する測定対象物1の例示的な平面図であり、図2は、測定対象物1の例示的な断面図である。なお、以下の説明では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。
【0014】
X方向は、測定対象物1の前後方向(縦幅方向)に沿うとともに、後述する測定装置10の前後方向に沿う。Y方向は、測定対象物1の左右方向(横幅方向)に沿うとともに、測定装置10の左右方向に沿う。Z方向は、測定対象物1の上下方向(厚さ方向)に沿うとともに、測定装置10の上下方向に沿う。
【0015】
なお、以下の説明では、便宜上、X方向(矢印側)を前、X方向の反対方向(矢印とは反対側)を後、Y方向を左、Y方向の反対方向を右、Z方向を上、Z方向の反対方向を下と称することとする。
【0016】
図1,2に示されるように、測定対象物1は、例えば、真空ガラスとして構成されており、一対のガラス板2や、一対のガラス板2のうちの一方から他方に向けて突出する複数の突出部3等を有している。なお、図1,2には、便宜上、一対のガラス板2のうちの一方のみが示されている。
【0017】
この測定対象物1としての真空ガラスは、スペーサとして機能する突出部3を介して互いに対向する一対のガラス板2の外周縁部を密閉し、当該外周縁部が密閉された一対のガラス板2の内部空間を真空引きすることによって製造される。突出部3は、ガラス板2と一体に同じ材料(ガラス)で作られている。
【0018】
ガラス板2は、平坦状の基準面2aを有している。基準面2aは、例えば、ガラス板2の上面によって構成されており、ガラス板2には、この基準面2aからZ方向に突出して複数の突出部3が設けられている。
【0019】
本実施形態では、ガラス板2には、X方向およびY方向に互いに等間隔で複数の突出部3が設けられている。言い換えると、ガラス板2には、X方向に互いに等間隔で並べられた複数の突出部3の列が、Y方向にも互いに等間隔で整列するように複数列設けられている。
【0020】
複数の突出部3は、それぞれ後述する測定装置10によってZ方向の突出量h1(高さ)が測定される。本実施形態では、Z方向は、第一方向の一例である。また、Y方向は、第一方向と交差した第二方向の一例であり、X方向は、第一方向から見て第二方向と交差した第三方向の一例である。
【0021】
図3は、実施形態の測定装置10の例示的な正面図であり、図4は、測定装置10の例示的な側面図である。図3,4に示されるように、測定装置10は、例えば、デジタルインジケータ20と、測定子30と、測定治具40と、を備えている。
【0022】
デジタルインジケータ20は、測定治具40によって所定の姿勢、すなわち上述した基準面2aに対して垂直な姿勢に保持されている。本実施形態では、デジタルインジケータ20は、測定装置10の本体部の一例である。このデジタルインジケータ20は、測定子30のZ方向の移動量を電気的にデジタル表示可能な測定器である。
【0023】
なお、測定装置10の本体部は、デジタルインジケータ20には限定されず、例えば、測定子30のZ方向の移動量を機械的にダイアル表示可能なダイアルゲージ等であってもよい。
【0024】
デジタルインジケータ20は、例えば、筐体21と、ステム22と、スピンドル23と、を有している。筐体21には、スピンドル23に取り付けられる測定子30のZ方向の移動量を表示する表示部24や、複数のスイッチ部25,26等が設けられている。スイッチ部25は、例えば、電源のオン・オフスイッチ等であり、スイッチ部26は、例えば、ゼロセットスイッチ等である。
【0025】
ステム22は、筐体21からZ方向に沿って下方に突出した状態に設けられている。ステム22は、Z方向に延びる中心軸を中心とした円筒形状に構成されている。スピンドル23は、ステム22の筒内に挿入されており、ステム22にZ方向に移動可能に支持されている。
【0026】
測定子30は、スピンドル23の下端部に取り付けられている。測定子30は、測定治具40に対してスピンドル23とともにZ方向に移動可能である。測定子30は、例えば、スピンドル23に設けられた雌ネジ部(ネジ穴)と噛み合う雄ネジ部を有し、当該雄ネジ部と雌ネジ部とが螺合することによってスピンドル23に固定されている。
【0027】
また、測定子30は、後述する突出部3と当接する当接面30aと、円筒面状の側面30bと、を有している。側面30bには、測定子30の周方向に互いに間隔をあけて複数の溝部31,32が設けられている。溝部31,32は、測定子30の突出部3に対するY方向およびX方向の位置合わせの目印として機能する。
【0028】
本実施形態では、溝部31は、第一溝部の一例であり、溝部32は、第二溝部の一例である。図3に示されるように、溝部31は、測定子30のY方向の中心部を通りかつZ方向に延びている。また、図4に示されるように、溝部32は、測定子30のX方向の中心部を通りかつZ方向に延びている。
【0029】
測定治具40は、デジタルインジケータ20のステム22およびスピンドル23がZ方向に挿入される不図示の中心孔が設けられたベース41を有している。ベース41は、例えば、全体としては略四角の角柱状に構成されている。
【0030】
測定治具40は、このベース41の中心孔にステム22が取り付けられることによってデジタルインジケータ20を所定の姿勢、すなわち基準面2aに対して垂直な姿勢に保持している。ベース41は、ステム22を介して測定子30およびスピンドル23をZ方向に移動可能に支持している。
【0031】
図5は、測定装置10の例示的な斜視図である。図5に示されるように、本実施形態では、ベース41の下端部41aには、複数の脚部42と、複数の窓部43,44と、が設けられている。
【0032】
窓部43は、X方向に開放されており、ベース41の中心孔に挿入されたスピンドル23に取り付けられる測定子30をX方向に露出させるための開口部として機能する。窓部44は、Y方向に開放されており、測定子30をY方向に露出させるための開口部として機能する。
【0033】
本実施形態では、複数の窓部43,44は、それぞれベース41をX方向およびY方向に貫通した状態に設けられたX字状の窓部43,44として構成されている。すなわち、複数の窓部43,44は、X方向の両端部が開放されるとともにY方向の両端部が開放されている。
【0034】
なお、複数の窓部43,44は、この例には限定されず、例えば、X方向の一端部やY方向の一端部が閉じられX方向の他端部やY方向の他端部が開放されたL字状の窓部43,44として構成されてもよい。
【0035】
複数の脚部42は、複数の窓部43,44を介して互いにY方向およびX方向に離間した状態に設けられている。本実施形態では、複数の脚部42は、X字状の窓部43,44を介して互いにY方向およびX方向に離間した状態に設けられた四つの脚部42として構成されている。
【0036】
複数の脚部42は、上述した基準面2aに設置可能である。複数の脚部42は、それぞれ基準面2aと面する接触面42aを有している。本実施形態では、接触面42aは、それぞれZ方向から見て四角形状に構成されている。言い換えると、複数の脚部42は、それぞれが略四角の角柱状に構成されている。
【0037】
図6は、測定装置10の測定子30の例示的な拡大図である。図6に示されるように、測定子30は、突出部3の当接面3aと当接する当接面30aを有している。本実施形態では、当接面30aは、Z方向と直交する平坦面状に構成され、当接面3aは、当接面30a側に向けて凸の状態で湾曲した曲面状(ドーム状)に構成されている。
【0038】
本実施形態では、当接面3aは、第一当接面の一例であり、当接面30aは、第二当接面の一例である。なお、当接面3a,30aは、この例には限定されず、例えば、突出部3の当接面3aが平坦面状に構成され、測定子30の当接面30aが曲面状に構成されてもよい。
【0039】
次に、測定装置10による突出部3のZ方向の突出量h1(図2参照)の測定方法の一例について説明する。
【0040】
まず、図6に示されるように、測定子30の当接面30aが突出部3とX方向またはY方向に隣接した位置の基準面2aと当接する第一位置P1に位置するよう測定装置10を移動させる(ステップS1)。そして、測定子30の当接面30aと基準面2aとが当接した状態でスイッチ部26(図3参照)を押して表示部24のデジタル表示をゼロにする(ステップS2)。
【0041】
次に、図6に示されるように、測定子30の当接面30aが突出部3の当接面3aと当接する第二位置P2に位置するよう測定装置10を移動させる(ステップS3)。そして、測定子30の当接面30aと突出部3の当接面3aとが当接した状態で表示部24に表示されたデジタル表示によって突出部3の突出量h1を測定する(ステップS4)。
【0042】
次に、上述したステップS3およびステップS4を繰り返し行い、すべての突出部3のZ方向の突出量h1を測定する(ステップS5)。この時、本実施形態によれば、ベース41の下端部41aに設けられた複数の窓部43,44と複数の脚部42とによって、突出部3とベース41との干渉を抑制することができる。
【0043】
したがって、測定装置10をX方向またはY方向にスライドさせることで、比較的容易に突出部3と測定子30とを位置合わせしながら複数の突出部3の突出量h1を測定することができる。
【0044】
以上のように、本実施形態では、測定治具40は、デジタルインジケータ20(本体部)に設けられ突出部3と当接する測定子30をZ方向(第一方向)に移動可能に支持するベース41を有し、ベース41の下端部41aには、Z方向と交差したY方向(第二方向)およびZ方向から見てY方向と交差したX方向(第三方向)に開放され測定子30を露出させる複数の窓部43,44と、複数の窓部43,44を介して互いにY方向およびX方向に離間した状態で基準面2aに設置される複数の脚部42と、が設けられたことを特徴とする。
【0045】
このような構成によれば、例えば、測定対象物1の平坦な基準面2a上に測定治具40ひいては測定装置10を所定の姿勢に設置して突出部3の突出量h1を測定することができる。これにより、測定対象物1を切断せずにより容易に測定対象物1の突出部3の突出量h1を測定することの可能な測定治具40を提供することができる。また、複数の脚部42によって測定対象物1との接触面積を減らすことができるため、例えば、測定対象物1に複数の突出部3が設けられているような場合に、突出部3と測定治具40との干渉を抑制することができるという利点もある。
【0046】
また、本実施形態では、複数の窓部43,44は、それぞれベース41をY方向およびX方向に貫通した状態に設けられたX字状の窓部43,44であり、複数の脚部42は、X字状の窓部43,44を介して互いにY方向およびX方向に離間した状態に設けられた四つの脚部42であることを特徴とする。
【0047】
このような構成によれば、例えば、複数の窓部43,44のY方向の一端部やX方向の一端部が閉じられた構成(L字状の溝部)と比べて、窓部43,44内の照度が確保されやすくなり、ひいては測定子30と突出部3との位置合わせをより容易に行うことができる。また、四つの脚部42によって、測定対象物1に複数の突出部3がX方向およびY方向に整列して設けられているような場合に、突出部3と測定治具40との干渉をより一層抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、複数の脚部42は、それぞれ基準面2aと面しかつZ方向から見て四角形状の接触面42aを有していることを特徴とする。
【0049】
このような構成によれば、例えば、四角形状の接触面42aによって、測定対象物1に複数の突出部3がX方向およびY方向に整列して設けられているような場合に、基準面2aとの接触面積をより最大に確保しつつ、突出部3と測定治具40との干渉を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態では、測定装置10は、測定治具40と、測定治具40に対してZ方向に移動可能に支持され、突出部3と当接する測定子30と、測定子30のZ方向の移動量を表示可能な表示部24を有し、測定治具40に保持されるデジタルインジケータ20(本体部)と、を備えたことを特徴とする。
【0051】
このような構成によれば、例えば、測定対象物1を切断せずにより容易に測定対象物1の突出部3の突出量h1を測定することの可能な測定装置10を提供することができる。
【0052】
また、本実施形態では、測定子30の側面30bには、Y方向の中心部を通りかつZ方向に延びる溝部31(第一溝部)と、X方向の中心部を通りかつZ方向に延びる溝部32(第二溝部)と、が設けられたことを特徴とする。
【0053】
このような構成によれば、例えば、二つの溝部31,32を利用して測定子30を突出部3に対してX方向およびY方向に位置合わせできるため、測定子30と突出部3との位置合わせ作業をより容易に、より円滑に、あるいはより精度よく行うことができる。
【0054】
また、本実施形態では、測定子30および突出部3のうち一方は、他方に向けて凸の状態で湾曲した曲面状の当接面3a(第一当接面)を有し、他方は、Z方向と直交する平坦面状の当接面30a(第二当接面)を有していることを特徴とする。
【0055】
このような構成によれば、例えば、曲面状の当接面3aの頂部と平坦状の当接面30aとを点接触させて突出部3の突出量h1を測定することができ、ひいては突出部3の測定精度をより高めることができる。
【0056】
また、本実施形態では、突出部3は、測定対象物1としての真空ガラスを構成する一対のガラス板2のうち一方の基準面2aから他方に向けて突出した複数の突出部3であることを特徴とする。
【0057】
このような構成によれば、例えば、測定装置10によって測定対象物1としての真空ガラスを構成する一対のガラス板2のうち一方の基準面2aに設けられた複数の突出部3の突出量h1を測定することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…測定対象物、2…ガラス板、2a…基準面、3…突出部、3a…当接面(第一当接面)、10…測定装置、20…デジタルインジケータ(本体部)、24…表示部、30…測定子、30a…当接面(第二当接面)、30b…側面、31…溝部(第一溝部)、32…溝部(第二溝部)、40…測定治具、41…ベース、41a…下端部、42…脚部、43,44…窓部、h1…突出量、X…第三方向、Y…第二方向、Z…第一方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6