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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183726
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097390
(22)【出願日】2022-06-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 陽介
(72)【発明者】
【氏名】友部 博教
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】組織の健全性(管理が行き届いているか)を判定する。
【解決手段】情報処理装置1は、組織内の従業員の業務実態に関する情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得する取得部11と、前記閲覧状況情報に基づいて、前記組織の状態を示す指標を算出する算出部12とを備える。例えば、前記情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に基づいて生成され、算出部12は、所定期間内に前記管理者が前記調査の結果を閲覧した回数に基づいて、前記指標を算出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織内の従業員の業務実態を示す勤務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得する取得手段と、
前記閲覧状況情報に基づいて、前記組織の状態を示す指標を算出する算出手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記勤務実態情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に基づいて生成される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、所定期間内に前記管理者が前記調査の結果を閲覧した回数に基づいて、前記指標を算出する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記従業員は複数の人員で構成され、
前記算出手段は、前記所定期間内に前記従業員に含まれる人員のうち前記調査の結果を閲覧した対象の人員の人数にさらに基づいて、前記指標を算出する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記従業員に関して前記管理者が取った行動を示す行動情報を取得し、
前記算出手段は、前記行動情報にさらに基づいて前記指標を算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記行動情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に対するフィードバック情報の生成、前記従業員へのヒアリング、および前記従業員についての業務上の目標の設定のうち少なくともいずれか一つを含む
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記指標には、前記管理者による調査の結果の閲覧の状況を示す第1指標と、前記管理者が前記従業員に対してとった行動の妥当性を示す第2指標とが含まれる
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、前記第1指標と前記第2指標との組み合わせによって定義される第3指標を生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第3指標は、前記第1指標と前記第2指標とで定義される二次元平面上において定義される領域に含まれる一の領域と対応付けられる
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出手段は、前記管理者の属性および前記従業員の属性のうち少なくともいずれか一方に対応付けて設定されたパラメータを用いて、前記指標を算出する
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従業員の管理を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等において、従業員に対してアンケートを実施し集計、分析をすることによる、従業員の満足度調査や意識調査が行われている。例えば、特許文献1には、従業員と従業員の上司に対してアンケートを行い、回答結果を評価し、評価結果を所定のフォーマットで出力する評価装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6438614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明によれば、職場の従業員のアンケートの回答結果や評価結果を、職場の管理者(上司)が端末上で確認することができる。しかしながら、そもそも、管理者の意識や意欲が低いこと等の原因によってこの端末が活用されなければ、従業員や職場の状態の改善には繋がらない。
本発明は、組織の構成員に対する管理(マネジメント)の状況を把握することを支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、組織内の従業員の業務実態を示す業務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得する取得手段と、前記閲覧状況情報に基づいて、前記組織の状態を示す指標を算出する算出手段とを備える情報処理装置を提供する。
本発明によれば、組織の構成員に対する管理の状況を把握することが支援される。
組織の健全性が判定される。
【0006】
好ましい態様において、前記業務実態情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に基づいて生成されることとしてもよい。
【0007】
好ましい態様において、前記算出手段は、所定期間内に前記管理者が前記調査の結果を閲覧した回数に基づいて、前記指標を算出することとしてもよい。
【0008】
好ましい態様において、前記従業員は複数の人員で構成され、前記算出手段は、前記所定期間内に前記従業員に含まれる人員のうち前記調査の結果を閲覧した対象の人員の人数にさらに基づいて、前記指標を算出することとしてもよい。
【0009】
好ましい態様において、前記取得手段は、前記従業員に関して前記管理者が取った行動を示す行動情報を取得し、前記算出手段は、前記行動情報にさらに基づいて前記指標を算出することとしてもよい。
【0010】
好ましい態様において、前記行動情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に対するフィードバック情報の生成、前記従業員へのヒアリング、および前記従業員についての業務上の目標の設定を含むこととしてもよい。
【0011】
好ましい態様において、前記指標には、前記管理者による調査の結果の閲覧の状況を示す第1指標と、前記管理者が前記従業員に対してとった行動の妥当性を示す第2指標とが含まれてもよい。
好ましい態様において、前記算出手段は、前記第1指標と前記第2指標との組み合わせによって定義される第3指標を生成することとしてもよい。
【0012】
好ましい態様において、前記第3指標は、前記第1指標と前記第2指標とで定義される二次元平面上において定義される領域に含まれる一の領域と対応付けられることとしてもよい。
【0013】
好ましい態様において、前記算出手段は、前記管理者の属性および前記従業員の属性のうち少なくともいずれか一方に対応付けて設定されたパラメータを用いて、前記指標を算出することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示した図。
図2】一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示したブロック図。
図3】一実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示したブロック図。
図4】一実施形態に係る情報処理装置における処理のフローチャートを示した図。
図5】一実施形態に係る端末装置におけるパルスサーベイの回答状況の表示例を示した図。
図6】一実施形態に係る端末装置におけるパルスサーベイの各従業員の回答内容の表示例を示した図。
図7】一実施形態に係る端末装置における、各従業員に対するメモを入力する画面の表示例を示した図。
図8】一実施形態に係る端末装置における1on1の記録、目標の設定を記入するための画面の表示例を示した図。
図9】一実施形態に係る情報処理装置における第1指標、第2指標の算出のための算出式で用いる係数の値を示した図。
図10】一実施形態に係る情報処理装置における第3指標を生成するための、第1指標と第2指標とで定義される二次元平面を示した図。
図11】一実施形態に係る情報処理装置における第3指標に基づいた、人事部門から管理者へのアクションの例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を説明する。図1は、一実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの構成を示した図である。情報処理システムSは、組織内の従業員の業務実態に関する情報に対する組織の管理者による閲覧状況を取得して、組織の状態を示す指標を算出する。
【0016】
情報処理システムSは、情報処理装置1とネットワーク回線2を介して接続される複数の端末装置3-1、3-2、・・・、3-n(以下、互いに区別する必要がない場合は、端末装置3と総称する)とから構成される。
【0017】
ネットワーク回線2は、インターネット等のネットワーク回線網である。情報処理装置1および端末装置3は、ネットワーク回線2に接続可能である。情報処理装置1および端末装置3は、各々がネットワーク回線2を介して、ネットワーク回線2に接続されている他の機器との通信が可能である。
【0018】
情報処理装置1は、例えば会社等の組織内の人事部門にて使用される。端末装置3は、例えば当該組織内の各部署における管理者(上司)により使用される。なお、図示は省略しているが、情報処理システムSにおいては、さらに、各部署における管理者以外の従業員が使用する端末装置が設けられている。
【0019】
人事部門は、情報処理装置1を用いて、組織内の従業員の業務実態に関する情報を取得し、その組織の管理者が端末装置3を用いて当該情報を閲覧することができるようになっている。管理者は、端末装置3を用いて、情報処理装置1で取得された組織内の従業員の業務実態に関する情報を閲覧することができる。
【0020】
なお、管理者と従業員との関係は、上司・部下といった職階や職位によって固定的に定められている必要はなく、例えば一つの部署においてプロジェクトに応じて管理者と従業員の立場が変化してもよい。また、情報処理装置1および端末装置3を使用できる権限は、管理者や従業員(当事者)、人事部門等の第三者のうち、いずれの者に付与してもよい。
【0021】
図2は、情報処理装置1のハードウェア構成を示したブロック図である。情報処理装置1は、プロセッサ101、メモリ102、インタフェース103、通信部104、表示部105および操作部106を有するコンピュータである。これらの構成は、例えばバスで、互いに通信可能に接続されている。
【0022】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより情報処理装置1の各部を制御する。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。メモリ102は、プロセッサ101に読み込まれるオペレーティングシステム、各種のプログラム、データ等を記憶する記憶装置である。
【0023】
メモリ102は、主記憶装置および補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置は、ソリッドステートドライブ又はハードディスクドライブを含む。インタフェース103は、プロセッサ101と通信部104、表示部105、操作部106と間の信号を中継する。通信部104は、ネットワーク回線2を介して他の装置、例えば端末装置3-1、3-2、・・・、3-nとの間で行う通信を制御する。
【0024】
表示部105は、画像や文字を視覚的に出力する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を含む。操作部106は、ユーザの操作に応じて各種情報の入力を受け付ける装置であり、キーボード、マウス、又はタッチスクリーン等を含む。
【0025】
なお、図示はしないが、端末装置3は、情報処理装置1と同様に、プロセッサ、メモリ、インタフェース、通信部、表示部および操作部を有するコンピュータであり、通信部により、ネットワーク回線2を介して情報処理装置1との間で通信が可能である。
【0026】
図3は、情報処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、取得部11、算出部12、出力部13、記憶部14、設定部15として機能する。
【0027】
取得部11は、組織内の従業員の業務実態に関する情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得する。組織内の従業員の業務実態に関する情報は、例えば、従業員に対して実施された調査の結果に基づいて生成される。
【0028】
また、取得部11は、従業員に関して管理者が取った行動を示す行動情報を取得する。行動情報は、例えば、従業員に対して実施された調査の結果に対するフィードバック情報の生成、従業員へのヒアリング、および従業員についての業務上の目標の設定を含む。
取得部11は、プロセッサ101、通信部104によって機能する。
【0029】
算出部12は、取得部11が取得した閲覧状況情報に基づいて、組織の状態を示す指標を算出する。算出部12は、所定期間内に管理者が、従業員に対して実施された調査の結果を閲覧した回数に基づいて、指標を算出してもよい。また、算出部12は、複数の人員で構成された従業員に含まれる人員のうち、従業員に対して実施された調査の結果を閲覧した対象の人員に基づいて、指標を算出してもよい。
【0030】
算出部12は、取得部11が取得した従業員に関して管理者が取った行動を示す行動情報に基づいて、指標を算出してもよい。
指標には、例えば、管理者による調査の結果の閲覧の状況を示す第1指標と、管理者が従業員に対してとった行動の妥当性を示す第2指標とが含まれる。
【0031】
そして、算出部12は、第1指標と第2指標との組み合わせによって定義される第3指標を生成してもよい。第3指標は、第1指標と第2指標とで定義される二次元平面上において定義される領域に含まれる一の領域と対応付けられるものとしてもよい。
【0032】
また、算出部12は、管理者の属性および従業員の属性のうち少なくともいずれか一方に対応づけて設定されたパラメータを用いて、指標を算出してもよい。
算出部12は、プロセッサ101によって機能する。
【0033】
出力部13は、端末装置3からの閲覧要求に応じて、送信する組織内の従業員の業務実態に関する情報を出力する。また、出力部13は、算出した指標に関する情報、算出した指標に基づいた報告事項を表示部105に表示する等により、人事部門の管理者へ報知することができる。出力部13は、通信部104、表示部105によって機能する。
【0034】
記憶部14は、取得部11により取得された情報(閲覧状況情報、行動情報等)の記憶、算出部12により算出された指標の記憶等を行う。記憶部14は、メモリ102によって機能する。
【0035】
設定部15は、操作者による操作に基づいて、記憶部16に記憶される情報の設定、変更を行う。例えば、算出部12により指標の算出を行う周期(1ヶ月毎、2週間毎等)、指標の算出の際に用いる係数の値等の設定、変更を行う。設定部15は、プロセッサ101、操作部106によって機能する。
【0036】
図4は、情報処理装置1における処理のフローチャートを示した図である。情報処理装置1が、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、図4に示す処理が実行される。
【0037】
図4に示す処理を実行する前提として、情報処理装置1の取得部11は、業務実態情報の取得のための処理を行う。業務実態情報の取得は、例えば、パルスサーベイと呼ばれる比較的短期間の周期で繰り返し実施する簡易的な調査により、従業員の業務に対する意識や満足度を数値化することにより行う。
あるいは、業務実態情報の取得は、情報処理システムSに接続された図示せぬ従業員用の端末装置を用いて従業員自身が自分のコンディションに関する方法を入力することで行われてもよい。あるいは、体温計や血圧計などのバイタル情報を測定する機器や加速度センサなどの従業員の活動を検出する機器従業員に装着させ、当該機器によって検出した従業員のコンディションに関する情報を取得して情報処理装置1に送信してもよい。あるいは、情報処理システムSに従業員の勤怠データを管理するデータベースを接続し、情報処理装置1はこのデータベースに記憶された情報を参照して従業員のコンディションを推定し、推定した情報に基づいて業務実態情報を生成してもよい。
【0038】
パルスサーベイは、具体的には、情報処理装置1から従業員が使用する端末装置に対してネットワーク回線2を介して複数の質問からなるアンケートを送信して、従業員が回答を返送することにより行う。各々の従業員のアンケートの回答結果は、業務実態情報として情報処理装置1の記憶部14に記憶される。
【0039】
図4のフローチャートにおいて、まず、取得部11は、管理者が使用する端末装置3から業務実態情報の閲覧要求があったか否かを判断する(ステップS401)。端末装置3からの閲覧要求は、ブラウザアプリにおいて所定のURLが入力されることにより行われる。閲覧要求があった場合(ステップS401:YES)、情報処理装置1の取得部11は、記憶部14に記憶されている業務実態情報のうち、閲覧要求をした管理者(ログインIDにより識別される)の部署の従業員のデータを閲覧要求があった端末装置3に対して送信する(ステップS402)。
【0040】
また、取得部11は、閲覧要求をした管理者のIDと閲覧要求がされた日時とを関連付けた閲覧履歴として記憶部14内に作成されている閲覧履歴データテーブルに記憶する(ステップS403)。閲覧履歴データテーブルには、管理者からの閲覧要求がある毎に閲覧履歴(管理者のIDと閲覧要求がされた日時)が順次記憶されていく。
【0041】
図5および図6は、端末装置3で管理者によって閲覧される業務実態情報の表示例である。
図5は、端末装置3で管理者によって閲覧される業務実態情報の表示例であり、パルスサーベイの回答状況の表示例を示した図である。図5において、回答状況表示画面51は、部署表示欄511、回答対象者数表示欄512、回答率表示欄513、リンクボタン514とから構成されている。
【0042】
部署表示欄511には、複数の部署名が表示され、部署表示欄511の右側の回答対象者数表示欄512における各々の部署名の対応する位置に、各々の部署の回答対象者(パルスサーベイによるアンケート調査の対象になっている従業員)の数が表示される。そして、回答対象者数表示欄512の右側の回答率表示欄513における各々の部署名の対応する位置に、各々の部署の回答率(回答対象者数に対する回答済の対象者の割合)が表示される。
【0043】
リンクボタン514は、各々の部署名に対応して表示される。リンクボタン514に対してクリック操作することにより、そのリンクボタン514に対応する部署の各従業員の回答状況を示す画面(図6)が表示されるようになっている。
【0044】
図6は、端末装置3において閲覧される業務実態情報の表示例であり、パルスサーベイの各従業員の回答内容の表示例を示した図である。図6において、回答内容表示画面61は、従業員データ表示欄611、回答状況表示欄612、コンディション表示欄613、アラート表示欄614、メモ件数表示欄615、リンクボタン616とから構成されている。
【0045】
従業員データ表示欄611には、複数の従業員の各々の名前と所属部署が表示されている。従業員データ表示欄611の右側の回答状況表示欄612には、当該従業員がパルスサーベイによるアンケート調査の回答を済ませているか否か(「回答済み」あるいは「未回答」)が表示される。
【0046】
回答状況表示欄612の右側のコンディション表示欄613には、アンケート調査に回答済みの従業員について、回答結果に基づいて分析された当該従業員のコンディション(「良好」、「不良」、「逼迫」、「判断不可」等)が表示される。
【0047】
コンディション表示欄613に右側のアラート表示欄614には、各々の従業員の直近のアンケート調査結果によるコンディションあるいは過去のアンケート調査結果を含めたコンディションの変化に応じて警告(「警戒」、「注意」、「情報」等)が表示される。
【0048】
アラート表示欄614の右側のメモ件数表示欄615には、各々の従業員に対して管理者あるいは他の従業員によって記入されたメモの件数が表示される。メモ件数表示欄615の右側には、各々の従業員に対応したリンクボタン616が表示されており、リンクボタン616に対してクリック操作することにより、そのリンクボタン616に対応する従業員に対してのメモを記入する画面(図7)が表示される。
【0049】
図4に戻って、端末装置3から閲覧要求がされない場合(ステップS401:NO)、ステップS402およびS403の処理は行わず、以下の処理へと進む。
続いて、取得部11は、管理者によって行動情報の更新が行われたか否かを判断する(ステップS404)。行動情報は、従業員に関して管理者が取った行動を示す情報である。
【0050】
行動情報としては、例えば、管理者が部下である従業員の業務実態情報を閲覧した結果に対するフィードバック情報として、業務実態情報のメモ記入欄にコメントとしてのメモを記入するという行動がある。また、管理者が、部下である従業員へのヒアリングとして1on1(1対1の面談)を実施するという行動がある。また、管理者が従業員の目標の設定あるいは再設定をするという行動がある。管理者は、これらの行動情報を端末装置3にて入力可能である。
【0051】
図7および図8は、端末装置3で管理者によって行動情報を入力するための画面の表示例である。
図7は、各従業員に対するメモを入力することが可能な画面の表示例である。図7の画面は、図6に示した回答内容表示画面61のリンクボタン616をクリックすることにより表示させることができる。
【0052】
図7において、メモ記入画面71は、従業員データ表示欄711、コンディション表示欄712、メモ表示欄713、およびメモ入力欄714から構成されている。
画面左上の従業員データ表示欄711には、図6にリンクボタン616によって選択された従業員に関するデータ(名前、所属部署名等)が表示される。
【0053】
従業員データ表示欄711の下側のコンディション表示欄712には、表示されている従業員がアンケート調査に回答済みである場合、回答結果に基づいて分析された当該従業員のコンディション、アラートが表示される。表示内容は、図6のコンディション表示欄613、アラート表示欄614の表示内容と同様である。
【0054】
画面右側のメモ表示欄713には、表示された従業員に対して管理者あるいは他の従業員によって記入されたメモの内容が記入した管理者あるいは他の従業員の名前とともに表示される。
【0055】
メモ表示欄713の下側のメモ入力欄714には、新たなメモを記入することができる。メモ入力欄714の「メモを入力」と表示されたボタンをクリックすることにより、新たなメモが記入可能となる。記入されたメモは、記入した管理者の名前とともに、メモ表示欄713に表示される。
【0056】
図8は、1on1の記録、目標の設定を記入するための画面の表示例を示した図である。図8において、1on1記録画面81は、従業員データ表示欄811、1on1実施状況欄812、1on1実施内容欄813、目標表示・設定欄814とから構成されている。
【0057】
画面左上の従業員データ表示欄811には、別の画面で選択された従業員に関するデータ(名前等)が表示される。従業員データ表示欄811の下側の1on1実施状況欄812には、過去に実施された当該従業員との1on1の日付と概略内容が表示される。
【0058】
画面中央部の1on1実施内容欄813には、実施した1on1の実施内容が表示される。図8においては、直近に実施された1on1の内容が表示されている。管理者あるいは従業員本人は、新たに1on1を実施した場合は、この欄に実施した内容を入力することができる。この欄に入力された内容は、1on1実施状況欄812にも表示される。
【0059】
画面右側の目標表示・設定欄814には、当該従業員の目標が表示されている。管理者あるいは従業員本人は、目標の進捗に関する情報、目標の再設定に関する情報を入力することができる。
【0060】
図4に戻って、取得部11は、管理者によって端末装置3にて行動情報が更新されたと判断した場合、すなわち、端末装置3を介して上述の図7図8の画面から新たな行動が記入されたことを認識した場合(ステップS404:YES)、記憶部14内に作成されている行動履歴データテーブルに記憶する(ステップS405)。
【0061】
行動履歴データテーブルには、端末装置3において新たな行動が記入された場合に、記入した管理者のIDと、その管理者がした行動の内容(メモ、1on1の実施、目標設定等)と日時が順次記憶されていく。
【0062】
例えば、取得部11は、図7のメモ記入画面71において、管理者によってメモが新たに入力されていることを認識すると、行動履歴データテーブルに、管理者のID、行動内容がメモの記入であること、および記入された日時を記憶する。
【0063】
また、取得部11は、図8の1on1記録画面81において、新たに1on1を実施したこと、あるいは目標の設定(再設定を含む)を実施したことが記入されていることを認識すると、行動履歴データテーブルに、管理者のID、行動内容が1on1あるいは目標設定の実施であること、および記入された日時(あるいは実施された日時)を記憶する。
【0064】
取得部11は、行動情報が更新されていないと判断した場合、すなわち、端末装置3を介して新たな行動が記入されていないことを認識した場合(ステップS404:NO)、行動履歴データテーブルへの新たな情報の記憶は行わず、ステップS406へ進む。
【0065】
続いて、算出部12による指標の算出処理が行われる。算出部12は、所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS406)。ここで、所定期間とは、パルスサーベイを実施する周期より長い期間とするのが好ましい。例えば、パルスサーベイを毎週実施する(1週間の周期)のであれば、ここでの所定期間は1ヶ月程度あるいは2週間程度とすればよい。所定期間は、設定部15により予め設定することができる。
【0066】
所定期間が経過していない場合(ステップS406:NO)、ステップS401へ戻り、取得部11によるステップS401~S405の処理を繰り返す。所定期間が経過している場合(ステップS406:YES)、以下に説明するように、算出部12による指標の算出処理を行う。
【0067】
まず、算出部12は、第1指標CCを算出する(ステップS407)。具体的には、以下の数式(1)により算出する。
CC=W1×B1+W2×B2 ・・・(1)
数式(1)において、CC:第1指標、B1:閲覧率、B2:閲覧日数率、W1、W2:係数である。
【0068】
第1指標CCは、調査の結果の管理者による閲覧の状況を示す指標、すなわち、管理者が部下である従業員の状態をどの程度チェックしているかを示す指標である。第1指標CCは、本実施形態では、数式(1)に示すように、2つの指標値である閲覧率B1、閲覧日数率B2から算出する。これらの指標値は、記憶部14に格納された閲覧履歴データテーブルに記憶されたデータに基づいて算出する。
【0069】
閲覧率B1は、0以上1以下の値であり、所定期間内にその管理者の部下の従業員の人数のうち何人の従業員のパルスサーベイの結果を閲覧したかに基づいて算出する数値である。すなわち、部下の従業員数に対する、結果を管理者が閲覧した従業員数の割合であり、例えば、従業員数が10人で、管理者が閲覧した従業員の数が6人であれば、閲覧率は0.6(60%)となる。
【0070】
閲覧日数率B2は、0以上1以下の値であり、所定期間内の決められた日数に対して、管理者がパルスサーベイの結果を閲覧した日数の割合を示す数値であり、1を超える場合は1とする。閲覧日数率B2は、管理者による調査の結果の閲覧頻度を示している。
【0071】
「決められた日数」は、パルスサーベイを実施する周期および1on1の実施頻度に合わせて設定すればよい。「決められた日数」は、好ましくは、パルスサーベイを実施する頻度と1on1などの管理者と従業員とのコミュニケ―ションの機会が設けられる頻度のうち高いほうの頻度に基づいて決定される。例えば、パルスサーベイが月1回の実施、1on1が週1回(月4回)の実施であれば、管理者に期待される閲覧頻度は毎週1回閲覧する程度であり、1ヶ月に閲覧する日数は4日となるから、「決められた日数」は「4日」と設定される。
【0072】
例えば、「決められた日数」が4日であり、管理者が所定期間内に閲覧した日が2日あった場合、閲覧日数率B2は、0.5(50%)となる。
係数W1、W2については後述する。
【0073】
続いて、算出部12は第2指標CAを算出する(ステップS408)。具体的には、以下の数式(2)により算出する。
CA=W3×N+W4×M+W5×G ・・・(2)
数式(2)において、CA:第2指標、N:メモ記入率、M:1on1実施率、G:目標設定率、W3、W4、W5:係数である。
【0074】
第2指標CAは、管理者が従業員に対してとった行動の妥当性を示す指標である。
第2指標CAは、本実施形態では、数式(2)に示すように、3つの指標値であるメモ記入率N、1on1実施率M、目標設定率Gを用いて算出する。これらの指標値は、記憶部14に格納された行動履歴データテーブルに記憶されたデータに基づいて算出する。
【0075】
メモ記入率Nは、0以上1以下の数値であり、所定期間内において、管理者が部下の従業員の総数のうち、上述の図7に示したメモ記入画面71において何人に対してメモを記入したかに基づいて算出する数値である。すなわち、部下の従業員数に対する、管理者がメモを記入した従業員数の割合である。
【0076】
1on1実施率Mは、0以上1以下の値であり、所定期間内において、管理者が部下の従業員の総数のうち、何人に対して1on1を実施したかに基づいて算出する数値である。すなわち、部下の従業員数に対する、管理者が1on1を実施した従業員数の割合である。算出部12は、管理者が1on1を実施したことは、上述の図8の1on1記録画面81において、1on1を実施したことが記入されたことによって認識する。
【0077】
目標設定率Gは、0以上1以下の値であり、所定期間内において、管理者が部下の従業員の総数のうち、何人に対して従業員の目標の設定あるいは目標の再設定を実施したかに基づいて算出する数値である。すなわち、部下の従業員数に対する、管理者が目標の設定あるいは再設定を実施した従業員数の割合である。算出部12は、管理者が従業員の目標設定あるいは再設定を実施したことは、上述の図8の1on1記録画面81において、目標の設定あるいは再設定を実施したことが記入されたことによって認識する。
【0078】
ここで、数式(1)の係数W1、W2、および数式(2)の係数W3、W4、W5について説明する。これらの係数は、通常はすべて「1」とするが、以下に説明するように、いずれかの指標値に重み付けをするために1より大きい数値とする場合もある。この場合、管理者の属性あるいは従業員の属性に対応付けられて設定されたパラメータ(例えば、所属部署等)を用いて重み付けを決定することが好ましい。
【0079】
図9は、数式(1)、数式(2)における係数W1~W5の重み付けを示した図である。管理者とその部下の従業員の所属する部署により、業務の性質上コミュニケーションスタイルが変わるため、それを踏まえて係数の重み付けをする。
【0080】
図9に示すように、営業担当者が主要なメンバーとなっている部署Aの場合、第2指標CAの算出において、目標設定やメモに記入を重視し、数式(2)におけるメモ記入率N、目標設定率Gに重み付けをする。そのため、係数W3、W5を各々「2」とする。
【0081】
エンジニアが主要なメンバーとなっている部署Bの場合、第2指標CAの算出において、メモの記入とともに1対1での面談によるコミュニケーションを重視し、数式(2)において、メモ記入率N、1on1実施率Mに重み付けをする。特に、1on1実施率Mへの重み付けを大きくする。そのため、係数W3を「2」、係数W4を「3」とする。
【0082】
マーケティング担当者が主要なメンバーとなっている部署Cの場合、第1指標CCの算出において、定期的に閲覧されて確認がなされていることを重視する。そのため、数式(1)において、係数W2を「2」とする。また、第2指標CAの算出において、目標設定がなされているか否かを特に重視する。そのため、数式(2)において、係数W5を「3」とする。
【0083】
以上のようにして、各々の管理者について、第1指標CCおよび第2指標CAを算出する。
図4に戻って、続いて、算出部12は、第3指標を生成する(ステップS409)。第3指標は、上述の数式(1)で算出された第1指標CCと、数式(2)で算出された第2指標CAとで二次元平面を定義し、その二次元平面上において複数の領域を定義し、その複数の領域のいずれか1つの領域と対応付けられる指標である。
【0084】
図10は、第3指標の生成を説明するための図であり、第1指標CCと第2指標CAとで定義される二次元平面を示した図である。
図10において、縦軸は第1指標CCであり、横軸は第2指標CAである。縦軸と横軸により分割された4つの領域(象限)を、組織状態良好ゾーン91、要コミュニケーションゾーン92、要コンディションチェックゾーン93、組織放置状態ゾーン94とする。
【0085】
縦軸と横軸とが交差する中心点Pの座標値は、以下のように定める。
中心点Pの縦軸方向の座標値、横軸方向の座標値は、各々、第1指標CCの取り得る値の範囲の中心値、第2指標CAの取り得る値の範囲の中心値とする。第1指標CC、第2指標CAは、ともに最小値は0となる。係数W1~W5がすべて1であれば、第1指標CCの最大値は2、第2指標CAの最大値は3となる。この場合、中心点Pの縦軸方向の座標値は、第1指標CCの範囲である0~2の中心値である「1」、中心点Pの横軸方向の座標値は、第2指標CAの範囲である0~3の中心値である「1.5」となる。
【0086】
図9に示したように、係数W1~W5に重み付けをする場合は、中心点Pの座標値は、管理者あるいは従業員の属性(図9の場合は部署)によって異なる値となる。例えば、図9における部署Aの場合は、第2指標CAの値は0~5の範囲の値を取り得るので、中心点Pの横軸方向の座標値は「2.5」となる(縦軸方向の座標値は上述と同様に「1」である)。
【0087】
また、図9における部署Bの場合は、第2指標CAの値は0~6の範囲の値を取り得るので、中心点Pの横軸方向の座標値は「3」となる(縦軸方向の座標値は上述と同様に「1」である)。また、図9における部署Bの場合は、第1指標CCの値は0~3の範囲の値を取り得るので、中心点Pの縦軸方向の座標値は「1.5」となる。第2指標CAの値は0~5の範囲の値を取り得るので、中心点Pの横軸方向の座標値は「2.5」となる。
【0088】
算出部12は、このようにして中心点Pの座標を設定し、算出した第1指標CC、第2指標CAに基づいて、各々の管理者(あるいは管理者の所属部署)が図10に示した二次元平面内のどのゾーンに属するかを決定する。決定されたゾーンが第3指標となる。
【0089】
第1指標CC、第2指標CAともに中心点Pの座標値よりも大きい場合、組織状態良好ゾーン91に属することになる。組織状態良好ゾーン91の管理者の部署では、組織に対して定期的にチェックがなされており、コミュニケーションも取られている状態であると判断される。
【0090】
第1指標CCが中心点Pの座標値よりも大きいが、第2指標CAが中心点Pの座標値よりも小さい場合、要コミュニケーションゾーン92に属することになる。要コミュニケーションゾーン92の管理者の部署では、組織の状態はパルスサーベイなどで把握されているが、部下である従業員に対してのアクションが取られていないので、1on1の実施等、積極的なコミュニケーションが必要であると判断される。
【0091】
第1指標CCが中心点Pの座標値よりも小さいが、第2指標CAが中心点Pの座標値よりも大きい場合、要コンディションチェックゾーン93に属することになる。要コンディションチェックゾーン93の管理者の部署では、管理者による従業員へのアクションは行われているが、パルスサーベイの結果の定期的にチェックがなされていないと判断される。
【0092】
第1指標CC、第2指標CAともに中心点Pの座標値よりも小さい場合、組織放置状態ゾーン94に属することになる。組織放置状態ゾーン94の管理者の部署では、組織に対する定期的なチェックもされておらず、従業員に対するアクションも行われていないと判断される。
【0093】
算出部12は、以上のような、第3指標の生成(4つのゾーン分け)と判断に基づいて、情報処理装置1の表示部105への表示出力等の出力処理を行う(ステップS410)。
例えば、各管理者(あるいは管理者の所属部署)がどのゾーンの属しているかが視認可能な画面を表示部105に表示する。また、情報処理装置1を運用している人事部門から、各管理者へのアクションを示す情報を出力する。
【0094】
図11は、第3指標に基づいた人事部門から管理者へのアクションを示す情報の例を示した図である。管理者が属するゾーンの各々の状態を示す記述と、人事部門から管理者へのアクション内容が記述されている。
【0095】
組織状態良好ゾーン91の管理者については、現状の組織ないし従業員の状態は良好であるものの、油断することなく、従業員の状態のチェックおよび従業員へのコミュニケーションを引き続き維持するというアクションを推奨している。
【0096】
要コミュニケーションゾーン92の管理者については、1on1や目標設定等の実施状況を確認すること、実施されていないようであれば、実施をサポートすることを推奨している。
【0097】
要コンディションチェックゾーン93の管理者については、管理者がパルスサーベイ以外で従業員のコンディションの把握ができているか確認しつつ、パルスサーベイによるコンディションチェックをするよう促進することを推奨している。
【0098】
組織放置状態ゾーン94の管理者については、まずはパルスサーベイで従業員のコンディションのチェックするように促進し、1on1や目標設定等の実施状況を確認し、実施をサポートすることを推奨している。
【0099】
上述した実施形態によれば、管理者が端末装置3を用いて従業員の業務実態に関する情報を閲覧した状況(閲覧が行われた回数や頻度、閲覧対象の従業員の数など)に基づいて、当該管理者が管理する組織の状態を示す指標が算出される。そして、算出した指標に基づいて、組織の管理・運営の適切性を示す指標が出力される。このように、一般的に客観的評価が難しい組織マネジメント業務について、当該業務の遂行度を数値として提示することで、人事部門その他の当事者に対して、組織マネジメント業務の適切性ないし遂行度を客観的かつ分かりやすく提示する。この結果、人事部門等における、組織の状態の把握や評価、今後の改善策など策定が支援される。また、当事者(管理者や従業員)にとっても、組織の現状を客観的に把握することができる点で有益である。
【0100】
[変形例]
上述した実施形態は様々に変形することができる。以下にそれらの変形の例を示す。なお、上述した実施形態および以下に示す変形例は適宜組み合わされてもよい。
【0101】
上述の実施形態において、組織における管理の適切性ないし管理の結果としての組織の健全性を示す指標は、第1指標および第2指標を用いて算出されたが、いずれか一方のみを用いて算出されてもよい。あるいは、従業員の状態ないし管理業務の適切性に関係する指標であれば、第1指標および第2指標に加えてまたは替えて、用いてもよい。
要するに、本発明の情報処理システムにおいて、組織内の従業員の業務実態を示す勤務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す情報および当該管理者が従業員に対してとった行動の妥当性を示す情報のうち少なくともいずれか一方を取得するステップと、該取得した情報に基づいて前記組織の状態を示す指標を算出するステップとが実行されていればよい。
【0102】
上述の実施形態において、第1指標CCの算出に関し、数式(1)において閲覧率B1および閲覧日数率B2という2つの指標値を用いたが、これらの2つの指標値を用いることに限定されない。例えば、2つの指標値のうち一方のみを用いて算出してもよい。また、上記2つ以外の指標値を用いて算出してもよい。
【0103】
また、上述の実施形態において、第1指標CCの算出に関し、数式(2)においてメモ記入率N、1on1実施率M、および目標設定率Gという3つの指標値を用いて第2指標を算出するものとしたが、これらの3つの指標値を用いることに限定されない。例えば、3つの指標値のうち1つ又は2つのみを用いて算出してもよい。また、これら3つ以外指標値を用いて算出してもよい。
【0104】
上述の実施形態においては、管理者によるメモ、1on1の実施、目標の設定の記入は、端末装置3でのブラウザアプリによる閲覧要求により表示される画面(図7図8)で行うものとしたが、端末装置3での記入方法はこれに限定されない。
【0105】
例えば、端末装置3において、文書ファイルやスプレッドシートファイルを編集するアプリケーションソフトを起動させることにより、当該ファイルにメモ、1on1の実施、目標の設定等の情報を記入して保存することとしてもよい。この場合、文書ファイルやスプレッドシートファイルは、端末装置3内の記憶部、又はネットワーク回線2に接続されたサーバ(情報処理装置1を含む)等、情報処理装置1がアクセス可能な場所に保存されていればよい。情報処理装置1は、これらのファイルにアクセスすることにより、情報が更新されたことを認識することができる。
【0106】
上述の実施形態においては、管理者による業務実態情報の閲覧履歴、および行動情報の更新履歴は、各々情報処理装置1の記憶部14に格納された閲覧履歴データテーブルおよび行動履歴データテーブルに記憶するものとしたが、端末装置3の記憶部に記憶するものとしてもよい。すなわち、各々の端末装置3の記憶部に閲覧履歴データテーブル、行動履歴データテーブルを設け、その端末装置3で閲覧履歴、更新履歴は、その端末装置3の記憶部内の閲覧履歴データテーブル、行動履歴データテーブルに記憶するものとしてもよい。そして、情報処理装置1は、ネットワーク回線2を介して、各端末装置3から閲覧履歴データテーブル、行動履歴データテーブル内のデータを収集し、指標の算出、生成を行えばよい。
【0107】
上述の実施形態においては、パルスサーベイは、情報処理装置1から従業員が使用する端末装置に複数の質問からなるアンケートを送信することにより実施するものとしたが、これに代えて、管理者が使用する端末装置3から当該管理者の部下の従業員が使用する端末装置にアンケートを送信するものとしてもよい。
【0108】
上述の実施形態においては、係数W1~W5は、図9に示すように整数としたが、小数であってもよい。
【符号の説明】
【0109】
1・・情報処理装置、2・・ネットワーク回線、3・・端末装置、11・・取得部、12・・算出部、13・・出力部、14・・記憶部、15・・設定部、51・・回答状況表示画面、511・・部署表示欄、512・・回答対象者数表示欄、513・・回答率表示欄、514・・リンクボタン、61・・回答内容表示画面、611・・従業員データ表示欄、612・・回答状況表示欄、613・・コンディション表示欄、614・・アラート表示欄、615・・メモ件数表示欄、616・・リンクボタン、71・・メモ記入画面、711・・従業員データ表示欄、712・・コンディション表示欄、713・・メモ表示欄、714・・メモ入力欄、81・・1on1記録画面、811・・従業員データ表示欄、812・・1on1実施状況欄、813・・1on1実施内容欄、814・・目標表示・設定欄、91・・組織状態良好ゾーン、92・・要コミュニケーションゾーン、93・・要コンディションチェックゾーン、94・・組織放置状態ゾーン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織内の従業員の業務実態を示す業務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得する取得手段と、
前記閲覧状況情報に基づいて、前記組織の状態を示す指標を算出する算出手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記業務実態情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に基づいて生成される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、所定期間内に前記管理者が前記調査の結果を閲覧した回数に基づいて、前記指標を算出する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記従業員は複数の人員で構成され、
前記算出手段は、前記所定期間内に前記従業員に含まれる人員のうち前記調査の結果を閲覧した対象の人員の人数にさらに基づいて、前記指標を算出する
請求項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記従業員に関して前記管理者が取った行動を示す行動情報を取得し、
前記算出手段は、前記行動情報にさらに基づいて前記指標を算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記行動情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に対するフィードバック情報の生成、前記従業員へのヒアリング、および前記従業員についての業務上の目標の設定のうち少なくともいずれか一つを含む
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記指標には、前記管理者による調査の結果の閲覧の状況を示す第1指標と、前記管理者が前記従業員に対してとった行動の妥当性を示す第2指標とが含まれる
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、前記第1指標と前記第2指標との組み合わせによって定義される第3指標を生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第3指標は、前記第1指標と前記第2指標とで定義される二次元平面上において定義される領域に含まれる一の領域と対応付けられる
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出手段は、前記管理者の属性および前記従業員の属性のうち少なくともいずれか一方に対応付けて設定されたパラメータを用いて、前記指標を算出する
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
好ましい態様において、前記従業員は複数の人員で構成され、前記算出手段は、前記所定期間内に前記従業員に含まれる人員のうち前記調査の結果を閲覧した対象の人員の人数にさらに基づいて、前記指標を算出することとしてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
上述の実施形態において、組織における管理の適切性ないし管理の結果としての組織の健全性を示す指標は、第1指標および第2指標を用いて算出されたが、いずれか一方のみを用いて算出されてもよい。あるいは、従業員の状態ないし管理業務の適切性に関係する指標であれば、第1指標および第2指標に加えてまたは替えて、用いてもよい。
要するに、本発明の情報処理システムにおいて、組織内の従業員の業務実態を示す業務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す情報および当該管理者が従業員に対してとった行動の妥当性を示す情報のうち少なくともいずれか一方を取得するステップと、該取得した情報に基づいて前記組織の状態を示す指標を算出するステップとが実行されていればよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織内の従業員の業務実態を示す業務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得する取得手段と、
前記閲覧状況情報から特定される、所定期間内に前記管理者が前記業務実態情報を閲覧した回数に基づいて、前記組織の状態を示す指標を算出する算出手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記業務実態情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に基づいて生成される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記所定期間内の決められた日数に対して前記管理者が前記業務実態情報を閲覧した日数の割合に基づいて、前記指標を算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記従業員は複数の人員で構成され、
前記算出手段は、前記所定期間内に、前記従業員に含まれる人員のうち前記調査の結果を閲覧した対象の人員の人数にさらに基づいて、前記指標を算出する
請求項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記従業員に関して前記管理者が取った行動を示す行動情報を取得し、
前記算出手段は、前記行動情報にさらに基づいて前記指標を算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記行動情報は、前記従業員に対して実施された調査の結果に対するフィードバック情報の生成、前記従業員へのヒアリング、および前記従業員についての業務上の目標の設定のうち少なくともいずれか一つを含む
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記指標には、前記管理者による調査の結果の閲覧の状況を示す第1指標と、前記管理者が前記従業員に対してとった行動の妥当性を示す第2指標とが含まれる
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、前記第1指標と前記第2指標との組み合わせによって定義される第3指標を生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第3指標は、前記第1指標と前記第2指標とで定義される二次元平面上において定義される領域に含まれる一の領域と対応付けられる
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出手段は、前記管理者の属性および前記従業員の属性のうち少なくともいずれか一方に対応付けて設定されたパラメータを用いて、前記指標を算出する
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置の取得手段が、組織内の従業員の業務実態を示す業務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得するステップと、
前記情報処理装置の算出手段が、前記閲覧状況情報から特定される、所定期間内に前記管理者が前記業務実態情報を閲覧した回数に基づいて、前記組織の状態を示す指標を算出するステップと
を有する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
組織内の従業員の業務実態を示す業務実態情報について、当該組織の管理者による閲覧の状況を示す閲覧状況情報を取得するステップと、
前記閲覧状況情報から特定される、所定期間内に前記管理者が前記業務実態情報を閲覧した回数に基づいて、前記組織の状態を示す指標を算出するステップと
を実行させるためのプログラム。