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特開2023-183758タイヤの試験装置及びタイヤの試験方法
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  • 特開-タイヤの試験装置及びタイヤの試験方法 図1
  • 特開-タイヤの試験装置及びタイヤの試験方法 図2
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  • 特開-タイヤの試験装置及びタイヤの試験方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183758
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】タイヤの試験装置及びタイヤの試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
G01M17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097433
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】前川 可那子
(57)【要約】
【課題】 タイヤ性能を正確に試験することができる。
【解決手段】 タイヤTの性能を試験するための試験装置1である。タイヤTを走行させるための走行路面8を有する回転可能なドラム5を備えたドラム試験機2と、走行路面8を清掃するための清掃具3とを含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの性能を試験するための試験装置であって、
前記タイヤを走行させるための走行路面を有する回転可能なドラムを備えたドラム試験機と、
前記走行路面を清掃するための清掃具とを含む、
タイヤの試験装置。
【請求項2】
前記走行路面は、前記ドラムの外周面又は内周面に設けられる、請求項1に記載のタイヤの試験装置。
【請求項3】
前記清掃具は、ブラシと、前記ブラシを前記走行路面に対して押し付けるための保持部とを含む、請求項2に記載のタイヤの試験装置。
【請求項4】
前記ブラシと前記保持部とは、脱着可能である、請求項3に記載のタイヤの試験装置。
【請求項5】
前記清掃具は、前記ドラム試験機に脱着可能に取り付けられている、請求項3に記載のタイヤの試験装置。
【請求項6】
前記ブラシは、前記走行路面のドラム軸方向に延び、かつ、前記走行路面のドラム軸方向の全幅と接触可能である、請求項3に記載のタイヤの試験装置。
【請求項7】
前記ブラシは、樹脂又は金属のベースと、前記ベースに植え付けられた複数の繊維又は毛が植え付けられている、請求項3に記載のタイヤの試験装置。
【請求項8】
前記走行路面は、アスファルトからなる、請求項1又は2に記載のタイヤの試験装置。
【請求項9】
前記走行路面に散水するための散水具をさらに含む、請求項1又は2に記載のタイヤの試験装置。
【請求項10】
走行路面を有する回転可能なドラムを用いてタイヤの性能を試験する方法であって、
前記タイヤを前記走行路面上で走行させて前記タイヤの性能を試験する試験工程と、前記試験工程の後、前記走行路面上を清掃する清掃工程とを含む、
タイヤの試験方法。
【請求項11】
前記試験工程と前記清掃工程とが交互に繰り返される、請求項10に記載のタイヤの試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの試験装置及びタイヤの試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、タイヤの性能評価方法に使用する試験装置が記載されている。この試験装置は、タイヤが走行可能な走行面を有するドラムを含んでいる。タイヤの性能は、前記走行面に前記タイヤを走行させることで評価されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-146508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイヤをドラムの走行面で走行させると、前記タイヤのトレッド部が摩耗し、薬品類を含むトレッドゴム粉が前記走行面に付着する。また、タイヤの走行距離の増大に伴い、前記走行面への前記トレッドゴム粉の付着量も増加し、ひいては、前記走行面の摩擦係数等が変化する。このため、タイヤ性能の試験回数が増えると、前記走行面の状態が変化し、タイヤ性能を正確に試験することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、タイヤ性能を正確に試験することができるタイヤの試験装置及びタイヤの試験方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、タイヤの性能を試験するための試験装置であって、前記タイヤを走行させるための走行路面を有する回転可能なドラムを備えたドラム試験機と、前記走行路面を清掃するための清掃具とを含む、タイヤの試験装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のタイヤの試験装置及びタイヤの試験方法は、上記の構成を採用することで、タイヤ性能を正確に試験することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の試験装置の一実施形態を模式的に示す側面図である。
図2】(A)は、ドラムにブラシを取り付けた状態を模式的に示す側面図、(B)は、(A)のA-A線断面図である。
図3】他の実施形態の清掃具を模式的に示す側面図である。
図4】さらに他の実施形態の清掃具を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の試験装置(以下、単に「装置」ということがある。)1の一実施形態を模式的に示す側面図である。本実施形態の装置1は、タイヤTの性能を試験することができる。この装置1では、乗用車用、自動二輪車用、重荷重用等の空気入りタイヤ、及び、内部に圧縮空気が充填されない非空気式タイヤを含む種々のタイヤを試験することができる。また、この装置1では、耐摩耗性能、耐偏摩耗性能、耐久性能、騒音性能、氷路性能、排水性能及びハイドロプレーニング性能を含む種々のタイヤの性能を試験することができる。
【0010】
装置1は、例えば、室内で使用することができる。これにより、例えば、室内の温度及び湿度を制御することにより、測定条件を一定にすることができるので、精度良く試験をすることができる。
【0011】
本実施形態の装置1は、ドラム試験機(以下、単に「試験機」ということがある。)2と清掃具3とを含んでいる。清掃具3は、試験機2に脱着可能に取り付けられている。図1には、試験機2に清掃具3の一部が取り付けられた状態が示される。
【0012】
試験機2は、タイヤTを走行させるための走行路面8を有するドラム5を備えている。また、試験機2は、例えば、ドラム5を支持するためのドラム支持具6と、タイヤTを支持するためのタイヤ支持具7とをさらに含んでいる。
【0013】
ドラム5は、円筒状のドラム本体10と、ドラム本体10のドラム軸方向の両側に配される側壁体11とを含んでいる。ドラム本体10は、ドラム半径方向の外側を向いてドラム周方向に連続して延びる外周面10Aと、外周面10Aとはドラム半径方向の逆側を向く内周面10Bとを含んでいる。側壁体11は、ドラム本体10のドラム軸方向の一端側に配される第1側壁体11Aと、ドラム本体10のドラム軸方向の他端側に配される第2側壁体11Bとを具える。第1側壁体11Aは、例えば、ドラム本体10の側面を閉じるように円板状に形成されている。第2側壁体11Bは、例えば、ドラム本体10の内側にタイヤTを出し入れするための開口11kを有する円環状に形成されている。
【0014】
走行路面8は、本実施形態では、ドラム本体10の内周面10Bに形成されている。走行路面8は、例えば、ドラム5の中心軸(回転軸)5cと平行な面で形成されている。走行路面8は、本実施形態では、アスファルトからなる路面として形成されている。走行路面8は、例えば、ISO路面規格の粒度曲線(ISO10844の付属書C設計のガイドラインに記載のアスファルト混合物の粒度曲線許容範囲参照)に合わせた材料で形成されてもよい。また、走行路面8は、例えば、コンクリートからなる路面でも良いし、セーフティウォーク(紙やすり状の滑り止め材。住友3Mの商品名。)を用いて形成されても良い。なお、走行路面8は、ドラム本体10の外周面10Aに形成されてもよい。
【0015】
ドラム支持具6は、ドラム5を回転可能に支持する機能を有する。本実施形態のドラム支持具6は、ドラム5の第1側壁体11Aに一端部が固定されて水平に延びる支持軸6Aと、この支持軸6Aを回転自在に支持する支持台6Bと、支持軸6Aを回転駆動する駆動手段6Cとを具える。支持軸6Aは、ドラム5の回転軸5cに沿って延びている。駆動手段6Cは、支持軸6Aの回転速度を制御することができる周知構造を有している。
【0016】
タイヤ支持具7は、走行路面8とタイヤTの外周面とを所定の荷重で接触させながらタイヤTを回転可能に支持する機能を有する。タイヤ支持具7は、タイヤTを回転可能に支持して水平に延びる支持軸7Aと、支持軸7Aを移動し得る移動部7Bとを含んでいる。支持軸7Aは、例えば、タイヤTを脱着可能とする周知構造の脱着部13を有している。移動部7Bは、支持軸7Aをドラム軸方向、鉛直、及び、ドラム軸方向と鉛直とに直交する方向(図1の奥行方向)に移動可能な周知な構造を有している。また、移動部7Bは、鉛直を中心として支持軸7Aに支持されたタイヤTを旋回し得る周知な旋回機構を有していても良い。移動部7Bは、例えば、複数のアクチェータを有し、ラックピニオン、シリンダー、ボールねじ等の周知の機構で形成されている。このように、本実施形態の試験機2は、全体として周知構造で構成されている。
【0017】
清掃具3は、走行路面8を清掃するためのものである。図2(A)は、清掃具3が試験機2に取り付けられた状態を示す側面図である。図2(B)は、図2(A)のA-A線断面図である。図2に示されるように、清掃具3は、ドラム5に取り付けられる。清掃具3は、例えば、ブラシ15と、ブラシ15を走行路面8に対して押し付けるための保持部16とを含んでいる。
【0018】
ブラシ15は、樹脂又は金属のベース18と、ベース18に植え付けられた複数の繊維又は毛(以下、「繊維等19」という)とを含んでいる。ベース18は、例えば、直線状に延びる棒状体として形成される。ベース18は、その横断面が矩形状である。繊維等19としては、例えば、太さ0.3~1.0mmのナイロン等の合成繊維のものが好適に採用される。
【0019】
保持部16は、本実施形態では、第1側壁体11A及び第2側壁体11Bの内向側に配された一対のレール部20、20と、各レール部20、20のそれぞれに沿って相対移動可能な一対の移動部21、21とを含んでいる。
【0020】
各レール部20は、本実施形態では、ドラム周方向に連続して延びている。レール部20は、例えば、その横断面が、略C字状に形成されている。本実施形態のレール部20は、ドラム半径方向に延びて各側壁体11に固定される基部20Aと、基部20Aの両端からドラム軸方向に延びる一対の軸方向部20Bと、各軸方向部20Bの端からドラム半径方向に延びる一対の短辺部20Cとを含んでいる。これにより、レール部20は、基部20Aと軸方向部20Bと短辺部20Cとで囲まれた空間部Kが形成される。空間部Kは、一対の短辺部20Cの間に形成される開口K1を有している。レール部20は、例えば、ドラム5の回転軸5cを中心として、ドラム5とともに回転する。
【0021】
各移動部21は、空間部K内に位置する遮蔽部21Aと、遮蔽部21Aに繋がって開口K1から外方に突出する露出部21Bとを含んでいる。遮蔽部21Aのドラム半径方向の長さは、開口K1のドラム半径方向の長さよりも大きい。このため、遮蔽部21Aは、空間部K内に抜け止め状態で保持されている。また、遮蔽部21Aは、空間部K内をドラム周方向に移動可能な形状で形成されている。各露出部21Bは、ブラシ15のベース18を脱着可能に保持する周知の保持機構を有している(図示省略)。前記保持機構は、例えば、ボルトナット、クランプ、マグネット、かしめなどが採用される。
【0022】
各移動部21の露出部21Bにブラシ15が保持されると、ブラシ15の自重によって、移動部21は、レール部20の最も下方となる位置に移動するとともに、ブラシ15の繊維等19が、走行路面8に押し付けられるように接触される。移動部21は、レール部20に対して相対移動し得るので、ドラム5が回転した場合でも、移動部21とブラシ15とは、レール部20の最も下方となる位置に居続けることができる。なお、ドラム5が回転した場合でも、移動部21とブラシ15とをレール部20の最も下方となる位置に居続けさせるための周知の保持部材(図示省略)によって、ドラム5と相対移動可能にブラシ15が保持されても良い。
【0023】
本実施形態では、ブラシ15が保持部16に取り付けられると、ブラシ15は、走行路面8のドラム軸方向に延び、かつ、走行路面8のドラム軸方向の全幅と接触可能となるように形成されるのが望ましい。これにより、走行路面8がドラム軸方向に均一の圧力で清掃されるので、走行路面8はドラム軸方向に亘って一定の状態に保たれる。
【0024】
また、装置1は、例えば、散水具4(図1に示す)を含んでいる。散水具4は、走行路面8に散水するための機能を有している。散水具4は、例えば、走行路面8に水を供給するための散水ノズル4Aと、走行路面8に供給された水の水深を調節する水量調節器とを含んでいる(図示省略)。散水ノズル4A及び水量調節器は、周知の構造が採用される。
【0025】
次に、本実施形態の装置1を用いたタイヤTの試験方法が説明される。試験方法は、タイヤTを走行路面8上で走行させてタイヤの性能を試験する試験工程と、試験工程の後、走行路面8上を清掃する清掃工程とを含んでいる。
【0026】
本実施形態の試験工程は、周知の工程が採用されるので、その詳細な説明が省略される。なお、試験工程によるタイヤTの走行によって、タイヤTのトレッドゴム粉が走行路面8に脱落し、走行路面8に付着した状態となる。また、本実施形態の試験工程では、図1に示されるように、ブラシ15は保持部16と離隔されている。
【0027】
清掃工程は、本実施形態では、先ず、タイヤTがドラム5から離隔される。次に、図2に示されるように、保持部16にブラシ15が固定される。このとき、ブラシ15の繊維等19が走行路面8と接触するように位置される。また、ブラシ15の繊維等19は、走行路面8の最も下方の位置と接触する。次に、散水具4によって、走行路面8が散水される。そうすると、繊維等19が水に濡れた状態になる。次に、ドラム5がドラム支持具6によって回転される。なお、ドラム5が回転した場合でも、本実施形態の保持部16は、ブラシ15の自重によって、走行路面8の最も下方の位置にてブラシ15を保持するとともに、繊維等19が走行路面8を押し付けた状態とする。これにより、ブラシ15は、ドラム5の回転によって、走行路面8をドラム周方向に連続して、走行路面8上に付着したトレッドゴム粉を除去することができる。また、ドラム5の回転によって、ベース18も濡れることになるが、樹脂又は金属で形成されているので、ベース18の過度の変形が抑制されるため、走行路面8と繊維等19との接触が維持される。これにより、繰り返し清掃工程を行った場合でも、走行路面8が一定状態となるように清掃される。清掃工程では、ドラム5の周速度を10~20km/hとするのが望ましい。これにより、トレッドゴム粉を効果的に除去することができる。なお、走行路面8は、散水具4で散水されるとともに、トレッドゴム粉を除去するための除去剤が散布されても良い。
【0028】
次に、走行路面8に付着したトレッドゴム粉が除去されると、例えば、ドラム5の回転が停止されて、走行路面8上のトレッドゴム粉を含む水が除去される。この水の除去には、例えば、湿式の図示しない周知のバキューム装置を用いるのが望ましい。
【0029】
このように、試験工程の後に清掃工程を行うことで、走行路面8は、トレッドゴム粉を除去した状態とすることができる。このため、試験工程と清掃工程とを交互に繰り返した場合でも、各回の試験工程において、トレッドゴム粉を除去した一定の状態に走行路面8を保つことができる。
【0030】
なお、清掃工程の後に行われる試験工程が、走行路面8をドライ状態にして行われる場合、周知のドライヤ(図示省略)によって走行路面8を乾燥させるのが望ましい。また、清掃工程の後に行われる試験工程が、走行路面8をウェット状態にして行われる場合、散水具4によって、走行路面8が散水される。なお、実車走行試験が行われる場合も、清掃工程を含むのが望ましい。
【0031】
図3は、他の実施形態の清掃具3を示す装置1の側面図である。図3は、便宜上、ドラム支持具6の主要部とタイヤ支持具7とが取り除かれて示されている。本実施形態の構成と同じ構成には同じ符号が付されて、その説明が省略される場合がある。この実施形態の清掃具3は、ブラシ15と、ブラシ15を走行路面8に対して押し付けるための保持部16とを含んでいる。保持部16は、この実施形態では、ベース18を把持する把持部25と、把持部25をドラム5に対して相対移動し得る移動部26とを含んでいる。把持部25は、ベース18を脱着可能に保持する周知の保持機構を有している(図示省略)。前記保持機構は、例えば、ボルトナット、クランプ、マグネット、かしめなどが採用される。移動部26は、例えば、把持部25をドラム軸方向、鉛直、及び、ドラム軸方向と鉛直とに直交する方向(図3の奥行方向)に移動可能な周知な構造を有している。この実施形態の清掃工程では、タイヤ支持具7とタイヤTとがドラム5から離隔された後に、移動部26によってブラシ15を把持した把持部25がドラム本体10の内部に入れられる。そして、移動部26によって、ブラシ15が走行路面8に押し付けられるとともに、ドラム支持具6によってドラム5が回転される。これにより、走行路面8が清掃される。
【0032】
図4は、さらに他の実施形態の清掃具3を示す装置1の側面図である。本実施形態の構成と同じ構成には同じ符号が付されて、その説明が省略される場合がある。この実施形態では、タイヤ支持具7の支持軸7Aの脱着部13が、清掃具3の保持部16と兼用されている。ブラシ15は、円筒状の芯部15aと、芯部15aの外周面上に連続して配された繊維等19とを含んで形成されている。本実施形態では、脱着部13に芯部15aが取り付けられる。この実施形態の清掃工程は、試験工程の後、タイヤTが脱着部13から取り外しされるとともに、ブラシ15の芯部15aが脱着部13に回転可能に取り付けられる。そして、タイヤ支持具7によって繊維等19が走行路面8に対して押し付けられる。次に、ドラム支持具6によってドラム5が回転される。これにより、ブラシ15の芯部15aが回転するとともに、走行路面8が清掃される。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
【0034】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0035】
[本発明1]
タイヤの性能を試験するための試験装置であって、
前記タイヤを走行させるための走行路面を有する回転可能なドラムを備えたドラム試験機と、
前記走行路面を清掃するための清掃具とを含む、
タイヤの試験装置。
[本発明2]
前記走行路面は、前記ドラムの外周面又は内周面に設けられる、本発明1に記載のタイヤの試験装置。
[本発明3]
前記清掃具は、ブラシと、前記ブラシを前記走行路面に対して押し付けるための保持部とを含む、本発明1又は2に記載のタイヤの試験装置。
[本発明4]
前記ブラシと前記保持部とは、脱着可能である、本発明3に記載のタイヤの試験装置。
[本発明5]
前記清掃具は、前記ドラム試験機に脱着可能に取り付けられている、本発明3又は4に記載のタイヤの試験装置。
[本発明6]
前記ブラシは、前記走行路面のドラム軸方向に延び、かつ、前記走行路面のドラム軸方向の全幅と接触可能である、本発明3ないし5のいずれか1項に記載のタイヤの試験装置。
[本発明7]
前記ブラシは、樹脂又は金属のベースと、前記ベースに植え付けられた複数の繊維又は毛が植え付けられている、本発明3ないし6のいずれか1項に記載のタイヤの試験装置。
[本発明8]
前記走行路面は、アスファルトからなる、本発明1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤの試験装置。
[本発明9]
前記走行路面に散水するための散水具をさらに含む、本発明1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤの試験装置。
[本発明10]
走行路面を有する回転可能なドラムを用いてタイヤの性能を試験する方法であって、
前記タイヤを前記走行路面上で走行させて前記タイヤの性能を試験する試験工程と、前記試験工程の後、前記走行路面上を清掃する清掃工程とを含む、
タイヤの試験方法。
[本発明11]
前記試験工程と前記清掃工程とが交互に繰り返される、本発明10に記載のタイヤの試験方法。
【符号の説明】
【0036】
1 試験装置
2 ドラム試験機
3 清掃具
5 ドラム
8 走行路面
T タイヤ
図1
図2
図3
図4