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  • 特開-支柱装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183760
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】支柱装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097436
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 正樹
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301HH18
2E301JJ05
2E301JJ09
2E301LL01
2E301LL26
(57)【要約】
【課題】外力が加わったとしても、支柱が躯体から上に抜け難い支柱装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる支柱装置1は、筒状の支柱11と、支柱11内に配置した芯材13とを備え、芯材13は躯体15に埋め込まれており、支柱11の内部に当接する一対の支柱当接部13c、13dと、支柱当接部13c、13d連結する連結部13eを有し、支柱当接部13c、13dと連結部13eとで断面がI字形状を成しており、連結部13eには、その一面に突状19aを成し且つ対応する他面が凹状19bを成して躯体15からの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部19が、プレス加工により形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の支柱と、支柱内に配置した芯材とを備え、
芯材は躯体に埋め込まれており、支柱内部に当接する一対の支柱当接部と、支柱当接部を連結する連結部を有し、支柱当接部と連結部とで断面がI字形状を成しており、
連結部には、その一面に突状を成し且つ対応する他面が凹状を成して躯体からの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部が、プレス加工により形成されていることを特徴とする支柱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
支柱内に芯材が入っている手すりが公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
係る手すりにおいて、風が吹いたり、人が寄りかかる等の外力が加わった場合に、支柱が躯体から上に抜け難いものが求められていた。
本発明は、外力が加わったとしても、支柱が躯体から上に抜け難い支柱装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、筒状の支柱と、支柱内に配置した芯材とを備え、芯材は躯体に埋め込まれており、支柱内部に当接する一対の支柱当接部と、支柱当接部を連結する連結部を有し、支柱当接部と連結部とで断面がI字形状を成しており、連結部には、その一面に突状を成し且つ対応する他面が凹状を成して躯体からの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部が、プレス加工により形成されていることを特徴とする支柱装置である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、外力が加わったとしても、支柱の芯材に形成されている浮き上がり防止部が、埋め込まれている躯体に引っ掛かることで、支柱が浮き上がることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施の形態であって、図5に示すA-A断面図である。
図2図1に示すB-B断面であって、芯材が躯体に埋め込まれた部分を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る芯材の図であり、(a)は図1のC-C方向から見た正面図であり、(b)は平面図である。
図4】(a)は芯材を図1のC-C方向から見た斜視図であり、(b)は(a)と反対側から見た芯材の斜視図である。
図5図6に示すE-E断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る支柱装置を備えた手すりを外部側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図6に、本実施形態に係る支柱装置1が用いられている手すり3を示す。この手すり3は、下弦材5と、笠木7と、パネル9とを備え、パネル9間に支柱装置1が設けてある。
図5に示すように、支柱装置1は、筒状の支柱11と、支柱11内に配置した芯材13とを備えている。
支柱11の下端12は、躯体15の上方に配置してあり、躯体15の上面15aとの間には下端12を覆うカバー17が設けてある。
図1に示すように、支柱11は、互いに対向する一方側壁11a及び他方側壁11bと、一方側壁11aと他方側壁11bを連結する左右の連結壁11c、11cとが設けてあり、略四角筒形状を成している。
他方側壁11bの下部には左右のパネル9を取り付ける取付具16が取り付けてある。また、支柱11には、連結具18が芯材13を左右に貫通して固定してあり、連結具18にビス20により下弦材5が固定されている。
【0008】
図5に示すように、芯材13は、その下端部13aが支柱11の下端12から下方に延設して配置してあり、下端部13aは躯体15に埋め込まれている。躯体15はモルタルやコンクリート等である。
図1に示すように、芯材13の支柱11内に挿通している支柱挿通部13bには、支柱11の内部に当接する一対の支柱当接部13c、13dと、一対の支柱当接部13c、13dを連結する連結部13eを有し、支柱当接部13c、13dと連結部13eとで断面がI字形状を成している。支柱11の内部において、一対の支柱当接部13c、13dのうちの一方の支柱当接部13cは支柱11の一方側(内部側)壁11aに当接すると共に支柱11の一方側に篏合し、他方の支柱当接部13dは支柱11の他方側(外部側)壁11bに当接すると共に支柱11の他方側に篏合している。
【0009】
図3及び図4に示すように、芯材13の連結部13eには、躯体15に埋め込まれている下端部13a(図5参照)に2つの浮き上がり防止部19がプレス加工により形成されている。
2つの浮き上がり防止部19は、芯材13の上下に間隔をあけて設けていると共に2つの浮き上がり防止部19は同じ構成としてある。
【0010】
各浮き上がり防止部19は、連結部13eの一面21側に突出する突状部19aと、突状部19aの対応する他面23に凹んだ凹状部19bとを備えており、突状部19aと凹状部19bとは、連結部13eをプレス加工することにより、同時に形成されるものである。
各浮き上がり防止部19の突状部19aと凹状部19bとは、互いに対応する円柱形状を成している。
【0011】
図3に示すように、芯材13の一対の支柱当接部13c、13dにおいて、他方の支柱当接部13dには、雌ネジ穴25が所定間隔を空けて上下2箇所に形成されており、各雌ネジ穴25に螺合するビス27(図5参照)で芯材13が支柱11に固定されている。
【0012】
次に、図2を参照して本実施の形態に係る支柱装置1の作用効果について説明する。
手すり3に、風が吹いたり人が寄り掛かったりして外力が加わった場合、支柱11の芯材13が躯体15に埋め込まれており、芯材13の突状部19aが躯体15に引っかかることで支柱11が浮き上がることを防止できると共に凹状部19bにも躯体15が入り込んで周囲の躯体15と一体になっているので、凹状部19bでも躯体15に引っかかることで支柱11が浮き上がることを防止できる。
即ち、図2に示すように、芯材13の突状部19aに作用する外力F1と凹状部19bに作用する外力F2とに対して、躯体15がそれぞれ抵抗となって作用するので、芯材13と共に支柱11が浮き上がることを防止できる。
【0013】
更に、本実施形態では、浮き上がり防止部19は、上下に2つ設けているので、上下2箇所の突状部19aと凹状部19bで、躯体15がそれぞれ抵抗となって作用するので、支柱1の浮き上がりを強固に防止できる。
浮き上がり防止部19は、その一面21に形成した突状部19aと対応する他面23に形成した凹状部19bとをプレス加工により同時に形成できるから、浮き上がり防止部19の製造が一度のプレス加工で容易にできる。
浮き上がり防止部19は、円柱形状の突状部19aと同じ円柱形状の凹状部19bであるから、形状が容易であり、製造が容易である。
【0014】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、支柱装置1は、手すり3の支柱とすることに限らず、支柱装置1を単体として車止めの支柱に用いても良いし、支柱装置1を複数設けて支柱装置1の各支柱11を鎖で連結したり、2つの支柱装置1の支柱11の上端をパイプで連結してコ字形状の車止めにしても良い。
芯材13に形成する浮き上がり防止部19は、上下に間隔を空けて2つ形成することに限らず、1つのみであっても良く、また3つ又は4つなどいくつ形成しても良い。更に、複数形成する場合には、上下に形成することに限らず、左右に形成したり、一面から見たときに千鳥状に配置しても良い。
浮き上がり防止部19の突状部19aと対応する凹状部19bは、同一の寸法であっても良いし、異なる寸法としても良い。
【符号の説明】
【0015】
1 支柱装置
11 支柱
13 芯材
13c 支柱当接部
13d 支柱当接部
13e 連結部
15 躯体
19 浮き上がり防止部
19a 突状部
19b 凹状部
21 一面
図1
図2
図3
図4
図5
図6