(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183762
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】撮像装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20231221BHJP
H04N 23/52 20230101ALI20231221BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20231221BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20231221BHJP
【FI】
H04N5/222 100
H04N5/225 430
G03B17/56 B
G03B17/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097442
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】関口 潔
【テーマコード(参考)】
2H104
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H104CC00
2H105AA03
2H105AA06
2H105AA11
5C122EA02
5C122EA03
5C122GD04
5C122GD11
5C122GE01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA81
(57)【要約】
【課題】撮像部の温度上昇を抑えつつ撮影を継続できるようにする。
【解決手段】撮像装置100は、被写体を撮影する撮像部101を移動可能に有する。撮像装置は、撮像部を移動させる駆動手段102と、撮像装置の温度を取得する温度取得手段103、104と、取得された温度に基づいて、駆動手段に撮像部を該撮像部の温度が低くなる位置または方向に移動させる制御手段105とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮像部を移動可能に有する撮像装置であって、
前記撮像部を移動させる駆動手段と、
前記撮像装置の温度を取得する温度取得手段と、
取得された前記温度に基づいて、前記駆動手段に前記撮像部を該撮像部の温度が低くなる位置または方向に移動させる制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像部は、前記撮像装置の本体により移動可能に保持されており、
前記制御手段は、前記駆動手段に前記撮像部を前記本体に対して移動させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記温度取得手段は、前記撮像装置における温度分布を取得し、該温度分布に基づいて前記撮像部を前記本体に対して移動させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記温度分布に基づいて、前記撮像部または該撮像部の周囲の温度が所定温度より低くなる位置に前記撮像部を移動させることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記温度分布において最も温度が低い位置に前記撮像部を移動させることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記温度取得手段は、
前記撮像装置を複数の領域に分割し、
前記領域単位での前記温度分布を取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記温度取得手段は、
前記撮像装置の内部の熱源の位置と前記撮像装置の前記領域間での熱抵抗から得られる熱分布データを保持し、
前記熱分布データと取得された前記温度から前記温度分布を取得すことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記駆動手段は、前記撮像装置を自走させることが可能であり、
前記制御手段は、前記駆動手段に前記撮像装置を前記撮像部の温度が低くなる方向に該撮像部が移動するように自走させることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記駆動手段に、前記撮像部または該撮像部の周囲の温度が所定温度より低くなる位置まで前記撮像装置を自走させることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記温度取得手段は、前記温度を所定時間ごとに取得することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記温度取得手段は、温度センサを用いて前記温度を取得することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記温度に基づいて、前記撮像装置のユーザによる移動を促す通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記撮像装置の本体の向きを変更する変更手段を有し、
該変更手段は、前記撮像部が前記本体に対して向きが異なるように移動した場合に、前記撮像部の向きと前記本体の向きとが互いに一致するように前記本体の向きを変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項14】
被写体を撮影する撮像部を移動可能に有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置の温度を取得するステップと、
取得された前記温度に基づいて、前記撮像部を該撮像部の温度が低くなる位置または方向に移動させるステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
コンピュータに、請求項14に記載の制御方法に従う処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、様々な状況で任意の場所に設置可能な可搬式の置き撮り型カメラがある。このようなカメラは、パーティ、キャンプ場およびキッチン等の設置場所での状況に応じて自動的に構図を決定したり、被写体(人物)の表情を追尾する等して決定した適切なタイミングで自動的に撮影を行ったりする。ただし、カメラがキャンプの焚火やキッチンのコンロ等、熱源の近くで使用されると、カメラの撮像素子が高温になって故障したり画質劣化や撮影停止等の動作不良が生じたりする。
【0003】
特許文献1には、複数の撮像素子を有する撮像装置であって、複数の撮像素子のそれぞれの温度を測定し、測定された温度に基づいて複数の撮像素子から駆動する撮像素子を選択する撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された撮像装置とは異なり、単一の撮像素子しか有していない撮像装置では、撮像素子の温度が上昇した場合に撮影を一旦停止して撮像素子の温度が低下するのを待つ等の処理が必要となり、継続した撮影を行うことができない。
【0006】
本発明は、単一の撮像素子(撮像部)の温度上昇を抑えつつ撮影を継続できるようにした撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての撮像装置は、被写体を撮影する撮像部を移動可能に有する。該撮像装置は、撮像部を移動させる駆動手段と、撮像装置の温度を取得する温度取得手段と、取得された温度に基づいて、駆動手段に撮像部を該撮像部の温度が低くなる位置または方向に移動させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の他の一側面としての制御方法は、被写体を撮影する撮像部を移動可能に有する撮像装置に適用される。該制御方法は、撮像装置の温度を取得するステップと、取得された温度に基づいて、撮像部を該撮像部の温度が低くなる位置または方向に移動させるステップとを有することを特徴とする。なお、上記制御方法に従う処理をコンピュータに実行させるプログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像部を移動させることで撮像部の温度上昇を抑えつつ撮影を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の置き撮り型カメラの構成を示すブロック図。
【
図4】実施例1のカメラにおいて実行される処理を示すフローチャート。
【
図5】実施例2の置き撮り型カメラの構成を示すブロック図。
【
図6】実施例2のカメラにおいて実行される処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例0012】
図1は、実施例1の撮像装置としての置き撮り型カメラ(以下、単にカメラという)100の構成を示している。カメラ100は、撮像部101、駆動制御部102、温度情報取得部103、温度分布推定部104およびカメラマイクロコンピュータ(以下、カメラマイコンという)105を有する。また、
図3(A)~(D)は、カメラ100の外観(正面および上面等)を示している。駆動制御部102は駆動手段に、温度情報取得部103と温度分布推定部104が温度取得手段に、カメラマイコン105が制御手段にそれぞれ相当する。
【0013】
撮像部101は、被写体からの光を結像させるレンズと、該レンズにより形成された被写体像を光電変換して撮影する撮像素子(いずれも図示せず)とを有し、撮像素子の出力信号から撮影画像(映像データ)を生成する。撮像素子としては、CCDセンサやCMOSセンサ等が用いられる。撮像部101は、カメラ本体に移動可能に保持されている。カメラマイコン105は、CPUやメモリ等を含み、カメラ100の動作全体を制御する。
【0014】
カメラ100は、
図3(A)、(B)に示すように、土台部110と、旋回部111とを有する。
【0015】
土台部110は、カメラ100の本体となる部分であり、温度情報取得部103、温度分布推定部104およびカメラマイコン105を内蔵している。旋回部111は、土台部110の上部に配置され、撮像部101を保持している。旋回部111は、
図3(D)に示すように駆動制御部102に含まれる不図示のパンモータの駆動力によって土台部110に対して左右(パン)方向に移動(旋回)することができる。旋回部111がパン方向に旋回することで、撮像部101の向きをパン方向にて変更される。
【0016】
撮像部101は、旋回部111の上部により上下(チルト)方向に移動(回転)可能に保持されている。
図3(C)に示すように、撮像部101は、駆動制御部102に含まれる不図示のチルトモータの駆動力によって旋回部111に対して上下(チルト)方向に回転して、撮像部101の向きをチルト方向にて変更することができる。駆動制御部102は、カメラマイコン105からの指示に応じてパンモータとチルトモータの駆動を制御する。このように撮像部101の向きがパン方向とチルト方向にて変更されることで、被写体を追尾したり探索したりしながら撮影を行うことができる。なお、撮像部101を、その撮影光軸回りで回転(ロール)させてもよい。
【0017】
温度情報取得部103は、温度に応じた電気信号を出力する温度センサを含み、カメラ100の温度を温度情報として取得する。カメラ100の温度には、カメラマイコン105や撮像素子等、カメラ100の内部に配置された発熱する部品からの熱に起因する温度だけでなく、カメラ100の周囲の温度(気温や周囲に存在する熱源からの熱に起因する温度)も含まれる。温度センサとしては、サーミスタや熱電対等の接触型を用いてもよいし、放射温度センサや色温度センサ等の非接触型を用いてもよく、温度を取得できるものであればその種類は問わない。
【0018】
図3(A)、(B)に示すように、温度情報取得部103は、カメラ100の正面、背面、右側面および左側面の4箇所に配置されており、これによりカメラ100の周囲のうち前方、後方、右方および左方の熱源の存在を検出することができる。また、温度情報取得部103をカメラ100の上面に配置することで、カメラ100内の撮像部101により近い位置での温度情報を取得することができる。
【0019】
カメラ100内部の温度は、動画撮影を継続して行っている間のカメラマイコン105や撮像素子からの発熱によって上昇する。一方、カメラ100が撮影を停止している場合は、温度は上昇しないか低下する。カメラ100は撮影と撮影停止を切り替えながら動作するが、静止画撮影でのカメラ100の動作時間は非常に短い(例えば秒単位)ことが多く、動画撮影での動作時間は長い(例えば分単位)であることが多い。このため、これらの撮影の種類に応じて温度情報を定期的に取得する温度取得周期としての一定時間(所定時間)を設定するとよい。
【0020】
温度分布推定部104は、カメラ100における温度分布を推定(取得)する。
図2は、カメラ100の温度分布を示す。温度分布推定部104は、カメラ100を複数の領域(ブロック)A~Fに分割し、隣り合う領域間の熱抵抗を取得する。例えば、領域A、B間の熱抵抗をR
AB、領域A、C間の熱抵抗をR
ACとして示している。なお、
図2ではカメラ100を平面的に示すが、実際のカメラ100は立体物であるため、水平、垂直および奥行き方向のそれぞれにて複数の領域に分割することが望ましい。また、領域については、カメラマイコン105やそれが搭載された基板、さらに基板を保持する筐体等の部材ごとに分割してもよい。熱抵抗は、計算、解析および測定等の手法を用いて取得することができる。
【0021】
さらに温度分布推定部104は、温度情報取得部103から得られる温度情報と熱抵抗とに基づいて撮像部101の位置の温度を推定する。カメラマイコン105は、撮像部101の位置の温度が高い場合は駆動制御部102に撮像部101を温度が低い位置にパン方向やチルト方向に移動させる。温度が低い位置とは、移動後の撮像部101の周囲温度が所定温度以下となる位置である。所定温度は、例えば40℃であり、撮像部101の撮像素子が正常に動作する上限の周囲温度である。撮像部101の周囲温度が所定温度を超えると、撮像部101自身が発生する熱による温度上昇分との合計温度が高温になり過ぎて故障や動作不良の原因となる。このため、撮像部101を上述した旋回部111のパン方向での旋回や撮像部101のチルト方向での回転によって撮像部101の温度が低くなる位置または方向に移動させるように制御する必要がある。
【0022】
例えば、
図2において領域Eの温度が高く、領域Fの温度が低い場合には、旋回部111をパン方向に旋回させること、撮像部101を領域Fに移動させる。カメラ100の周辺に熱源が存在しない場合は、カメラ100の内部の熱源であるカメラマイコン105からの熱抵抗が大きい位置へ撮像部101を移動させる。また、キッチンやキャンプ場においてカメラ100の周辺にコンロや焚火といった熱源が存在する場合には、撮像部101が熱源の方向を向いていると温度上昇が大きくなる。このような場合、熱源とは反対側の方が温度が低いため、撮像部101を熱源と反対方向に移動させる。
【0023】
なお、ここでは、撮像部101の周囲温度が所定温度以下となる位置に移動させることについて説明したが、撮像部101自体の温度が撮像部101自身が発生する熱による温度上昇分を加味して設定された所定温度以下となる位置に移動させるようにしてもよい。また、撮像部101を温度分布において最も温度が低い位置に移動させるようにしてもよい。
【0024】
撮像部101が移動すると、移動前と同じ画角での撮影を継続することはできなくなるが、新しい画角や新しい被写体の撮影を行うことが可能となり、これはカメラ100の特徴の1つである。
【0025】
またカメラ100の内部の熱源については予め特定することができる。このため、熱源の位置と熱抵抗から導出したカメラ100の内部の熱分布を予めテーブルデータ(熱分布データ)として保持しておいてもよい。温度分布推定部104に熱分布テーブルを用いてカメラ100の温度分布を推定させることで、温度分布推定部104が実行する処理を簡略化することができる。例えば、熱分布テーブルにおいて領域Aの温度が40℃のときに、領域Bが41℃、領域Cが35℃であるとする。また、領域Aの温度が35℃のときに、領域Bが36℃、領域Cが30℃であるとする。この場合、領域Aの温度をa℃とすると、領域Bがa+1℃、領域Cがa-5℃と定義することができる。このように、ある特定の領域を起点とした他の領域の温度のテーブルを用意することで、簡易的に領域単位での温度分布を推定することが可能となる。温度分布推定部104の処理の簡略化により、撮像部101の移動速度の向上やカメラ100全体の消費電力の削減の効果が期待できる。
【0026】
図4のフローチャートは、カメラマイコン105がプログラムに従って実行する処理(制御方法)を示している。
【0027】
ステップS101においてカメラ100の電源がONになると、カメラマイコン105は、ステップS102で温度情報取得部103から温度情報を取得する。
【0028】
次にステップS103では、カメラマイコン105は、温度分布推定部104にステップS102で得られた温度情報と上述した熱分布データを用いてカメラ100の温度分布を推定させる。
【0029】
次にステップS104では、カメラマイコン105は、推定された温度分布から撮像部101を配置可能な領域を設定する。
【0030】
次にステップS105では、カメラマイコン105は、撮像部101がステップS104で設定された配置可能領域に位置しているか否かを判定する。撮像部101が配置可能領域に位置している場合はステップS107に進み、配置可能領域に位置していない場合はステップS106に進む。
【0031】
ステップS106では、カメラマイコン105は、撮像部101が配置可能領域に移動するように駆動制御部(パンモータまたはチルトモータ)102を制御する。
【0032】
次にステップS107では、カメラマイコン105は、配置可能領域に移動した撮像部101に自動撮影を行わせる。この際、被写体を追尾するため、駆動制御部102による撮像部101のパン方向またはチルト方向への駆動が行われる。
【0033】
次にステップS108では、カメラマイコン105は、ステップS102での温度情報の取得から前述した温度取得周期としての一定時間が経過したか否かを判定する。一定時間が経過している場合は、カメラマイコン105はステップS102に戻り、再度、温度情報取得部103から温度情報を取得する。一方、一定時間が経過していない場合は、カメラマイコン105は、ステップS109に進み、カメラ100の電源がOFFされたか否かを判定する。そして電源がOFFされない場合はステップS107に戻って撮影を継続し、電源がOFFされた場合は本処理を終了する。
【0034】
以上説明したように、本実施例によれば、撮像部101の温度上昇による故障や動作不良の発生を抑制することが可能な耐久性が高いカメラ100を提供することができる。
通知部106は、ユーザ(または被写体)に対してカメラ100Aを熱源から遠ざけるように移動させることを促す通知を行う。通知としては、音声、警告音、光による通知に加えて、ユーザが携帯する外部機器(カメラ用リモコンやスマートフォン等)への通信による通知が含まれる。カメラ100Aが周囲の熱源に近くてカメラ100A内での撮像部101の移動だけでは熱源からの熱による撮像部101の過度の温度上昇を回避できないに場合に、カメラ100A自体の移動をユーザに促すことで、撮像部101の過度の温度上昇を回避することができる。この際、温度情報取得部103で得られる温度情報から、温度がより低い方向へのカメラ100Aの移動を促す通知を行うとさらによい。
撮影方向回転部(変更手段)107は、カメラ100Aの本体(土台部110)向きを変更するように本体を回転させる。この本体の回転は、例えば本体の正面部にのみマイクが設けられている場合に有効である。撮像部101の向きが本体の正面部の向きから駆動制御部102によってパン方向に変更されたときには、撮影自体は可能であるが、音声を適切に取得(録音)することができない。このため、撮影方向回転部107は、本体の正面部と撮像部101の向きとを互いに一致させるように本体を回転させる。
自走部108は、カメラ100Aの土台部110に設けられ、カメラ100A全体が移動するように走行するために複数の車輪を有する。自走部108は、カメラ100Aごと撮像部101を移動させる。すなわち、駆動制御部102に加えて、自走部108も駆動手段に相当する。
カメラ100Aが周囲の熱源に近くてカメラ100A内での撮像部101の移動だけでは熱源からの熱による撮像部101の過度の温度上昇を回避できないに場合に、カメラマイコン105が自走部108を制御してカメラ100Aを自走させる。この際カメラマイコン105は、温度情報取得部103で得られる温度情報から、熱源から遠ざかる方向(熱源とは反対方向)や撮像部101の温度が所定温度以下になる位置(場所)を判断して自走部108を制御する。これにより、撮像部101の過度の温度上昇を回避することができる。
なお、本実施例では、通知部106、撮影方向回転部107および自走部108のすべてがカメラ100Aに含まれる場合について説明したが、これらのうち少なくとも1つが設けられていてもよい。
ステップS105にて撮像部101が配置可能領域に位置していないと判定したカメラマイコン105は、ステップS201に進み、撮像部101が配置可能領域に移動できるか否かを判定する。撮像部101が配置可能領域に移動できない場合はステップS202に進み、撮像部101が配置可能領域に移動できる場合はステップS205に進む。また、ステップS105にて撮像部101が配置可能領域に位置していると判定したカメラマイコン105はステップS205に進む。
続いてステップS203では、カメラマイコン105は、ユーザがカメラ100を移動させたか否かを判定し、カメラ100を移動させた場合はステップS107に進み、ユーザがカメラ100を移動させなかった場合はステップS204に進む。
ステップS204では、カメラマイコン105は、自走部108にカメラ100Aを撮像部101の温度が低くなる方向(熱源から遠ざかる方向)、かつ該温度が所定温度以下となる位置まで自走させ、ステップS105に戻る。
一方、ステップS205では、カメラマイコン105は、カメラ100Aの正面と撮像部101とが同じ方向を向いているか否かを判定し、同じ方向を向いている場合はステップS107に進み、同じ方向を向いていない場合はステップS206に進む。
ステップS206では、カメラマイコン105は、撮影方向回転部107にカメラ100の正面と撮像部101の方向とを合わせさせる。そしてステップS107に進む。
なお、本フローチャートは通知部106と撮影方向回転部107と自走部108のすべてに動作を行わせる処理を示しているが、これらのうち少なくとも1つに動作を行わせる処理であればよい。また、まず自走部108に自走させた後に通知部106に通知を行わせるようにしてもよい。さらに、撮像部101をカメラの本体に対して移動させることなく、カメラを自走させて撮像部101を熱源から遠ざかる方向に移動させるようにしてもよい。