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特開2023-183763部品供給システム、管理装置、部品供給方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183763
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】部品供給システム、管理装置、部品供給方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20231221BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20231221BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20231221BHJP
   G16Y 10/25 20200101ALI20231221BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
B65G1/137 A
G16Y10/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097449
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】綱代 雅裕
【テーマコード(参考)】
3C100
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100AA45
3C100AA47
3C100BB05
3C100BB36
3C100CC02
3C100DD05
3C100DD14
3C100DD23
3F522AA03
3F522BB03
3F522CC06
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD38
3F522EE13
3F522FF06
3F522GG17
3F522GG27
3F522GG47
3F522HH30
3F522LL46
3F522LL62
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】より簡易な構成で、各利用者が使用した部品を把握する。
【解決手段】利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と、前記自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得する供給情報取得部と、前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶する供給情報記憶部とを備えるサーバ装置とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の識別情報を読み取る読取部と、
供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、
選択された部品を取り出し口に排出する供給部と
を備える自動供給装置と、
前記自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得する供給情報取得部と、
前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶する供給情報記憶部と
を備えるサーバ装置と
を有する部品供給システム。
【請求項2】
前記供給部は、前記利用者の識別情報が利用可能な利用者の識別情報として登録されている場合に部品を供給する
請求項1に記載の部品供給システム。
【請求項3】
前記自動供給装置は、前記利用者に供給可能な部品を示す権限情報を記憶する記憶部から取得する権限情報取得部をさらに有し、
前記供給部は、前記権限情報において供給可能な部品として示されている部品について、前記選択入力された部品を供給する
請求項1に記載の部品供給システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、複数の利用者のうち、前記排出された部品の数量が他の利用者に対して乖離がある利用者を抽出する抽出部をさらに有する
請求項1に記載の部品供給システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、部品の使用数量が所定の基準値を超えている利用者を抽出する抽出部をさらに有する
請求項1に記載の部品供給システム。
【請求項6】
利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得する供給情報取得部と、
前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶する供給情報記憶部と、
を備える管理装置。
【請求項7】
供給情報取得部が、利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得し、
供給情報記憶部が、前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶する
部品供給方法。
【請求項8】
コンピュータに、
利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得するステップと、
前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給システム、管理装置、部品供給方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、機械などを組み立てる工場などでは、ボルトやナットなどの機械を組み立てるための消耗部品を、棚やラックなどから従業員が自由に取り出せるようになっていることが多い。そのため、従業員が実際の使用数より多く持っていったとしても、その把握が困難であった。よって、部品の使用数によるコスト管理が曖昧になることがある。また、欠品を防ぐための在庫確認も人手で行わなければならないが、ナットやボルトは種類が多いため、その管理に手間が掛かる。
【0003】
特許文献1には、ツールボックスに保管された工具、部品などを自動提供及び自動在庫管理するスマートIOTツールボックスシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6886730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、使用者端末や、スマートIOTツールボックスや、自動供給装置を導入しなければならず、構成が大掛かりでコストがかかる。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明は、より簡易な構成で、各利用者が利用した部品を把握することができる、部品供給システム、管理装置、部品供給方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る部品供給システムは、利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と、前記自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得する供給情報取得部と、前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶する供給情報記憶部とを備えるサーバ装置とを有する。
【0008】
本発明の一態様に係る管理装置は、利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得する供給情報取得部と、前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶する供給情報記憶部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る部品供給方法は、供給情報取得部が、利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得し、供給情報記憶部が、前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶する。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、利用者の識別情報を読み取る読取部と、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける入力部と、選択された部品を取り出し口に排出する供給部とを備える自動供給装置と通信を行い、前記排出された部品の種類および数量と、前記読み取った利用者の識別情報とを取得するステップと、前記供給した部品の種類および数量を、前記読み取った利用者の識別情報に対応付けて記憶するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より簡易な構成で、各利用者が利用した部品を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による部品供給システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態による本実施形態による自動供給装置に設置される部品選択ボタンの一例を示すイメージ図である。
図3】本発明の実施形態による自動供給装置およびサーバ装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態によるサーバ装置が記憶する権限情報テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
図5】本発明の実施形態によるサーバ装置が記憶する供給情報テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
図6】本発明の実施形態によるサーバ装置が記憶する在庫情報テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
図7】本発明の実施形態による部品供給処理の動作を示すシーケンス図である。
図8】本発明の実施形態による設計部端末に表示する部品使用状況画面の一例を示すイメージ図である。
図9】本発明の実施形態による管理端末に表示する抽出結果画面の一例を示すイメージ図である。
図10】本実施形態による管理端末に表示する従業員使用状況画面の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態による部品供給システム1の概略構成を示すブロック図である。
部品供給システム1は、機械などを組み立てる工場などにおいて、ボルトやナットなどの消耗部品を自動で従業員に供給するシステムである。
本図に示す例では、部品供給システム1は、自動供給装置10と、サーバ装置20と、設計部端末30と、購買部端末40と、管理端末50とを備えている。サーバ装置20と、自動供給装置10、設計部端末30、購買部端末40、および管理端末50とは、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワークを介して相互に通信接続する。
なお、本図に示す例では、自動供給装置10、設計部端末30、購買部端末40、および管理端末50をそれぞれ1台ずつ示しているが、自動供給装置10、設計部端末30、購買部端末40、および管理端末50は複数台あってもよい。
【0014】
自動供給装置10は、機械などを組み立てる工場などにおいて、ボルトやナットなどの消耗部品を自動で供給する装置である。自動供給装置10は、例えば、飲料水や菓子類などの既存の自動販売機における、内部に蓄積された物品のうち、操作子から指定された種別に応じた物品を排出する機能を流用してもよい。
自動供給装置10は、供給する部品を選択するための部品選択ボタンが1または複数配置されたボタンエリア11と、従業員の識別情報である従業員IDを接触または非接触により社員証CDから読み取るリーダ12と、供給された部品を取り出すための取り出し口13とをその正面に有する。
社員証CDは、自動供給装置10を利用する利用者を識別する識別情報が記録された記録媒体である。この記録媒体としては、識別情報が記録されていればよく、社員証CD以外に、例えば、IDカード等であってもよい。すなわち、自動供給装置10について、社員以外の関係者についても利用が許可されている場合には、社員証ではなく、IDカードを利用するようにしてもよい。
社員証CDは、予め従業員IDを記憶しているIC(Integrated Circuit)チップを搭載したICカードであってもよいし、従業員IDを示す二次元コードやバーコードが印刷されたものであってもよい。社員証CDがICカードである場合、リーダ12は、NFC(Near Field Communication)などによる非接触または接触によりICチップと通信し、従業員IDを読み取る。また、社員証CDにバーコードや二次元コードに印刷されている場合、リーダ12は、バーコードまたは二次元コードから従業員IDを読み取る。なお、本実施形態では、従業員IDを読み取る媒体を社員証CDとしているが、これに限らず、各従業員が持つスマートフォンなどの携帯端末などであってもよい。
【0015】
自動供給装置10は、リーダ12に社員証CDがかざされると、リーダ12で社員証CDから従業員IDを読み取り、部品選択ボタンによりその従業員に供給する部品の選択入力を受け付ける。従業員は、部品選択ボタンを押下することにより、使用する部品を選択する。自動供給装置10は、従業員により部品が選択されると、選択された部品を取り出し口13に払い出すことで、従業員に部品を自動で供給する。部品は、例えば、袋や、ケース、ペットボトル、ビン、缶などに複数個梱包された状態で払い出される。
【0016】
サーバ装置20は、部品供給システム1を統括して制御する管理装置である。
設計部端末30は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末などであり、部品を使って組み立てる機械を設計する設計部が有する端末装置である。
購買部端末40は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末などであり、工場などで使用する部品の発注などを行う購買部が有する端末装置である。
管理端末50は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末などであり、工場の従業員を管理する管理者が使用する端末装置である。
【0017】
図2は、本実施形態による自動供給装置10に設置される部品選択ボタンの一例を示すイメージ図である。
自動供給装置10の正面には、部品を選択するための部品選択ボタンBT1~BT6が配置されている。以下、説明の便宜を図るため、部品選択ボタンBT1~BT6を特に区別しないときには、単に「部品選択ボタンBT」または「各部品選択ボタンBT」と記す。部品選択ボタンBTは、その内部にLED(Light-Emitting Diode)などのライトを備えており、点灯可能である。部品選択ボタンBTは、部品の選択入力を受け付ける。
【0018】
図示する例では、自動供給装置10のボタンエリア11には、Aボルトを10セット供給するための部品選択ボタンBT1と、Bボルトを20セット供給するための部品選択ボタンBT2と、Cボルトを10セット供給するための部品選択ボタンBT3と、Dナットを10セット供給するための部品選択ボタンBT4と、Eナットを30セット供給するための部品選択ボタンBT5と、Fナットを10セット供給するための部品選択ボタンBT6とが配置されている。本例で示す部品選択ボタンBTは一例であり、ボタンエリア11に配置される部品選択ボタンBTの数や、各部品選択ボタンBTに対応する部品の種類および数量は、自動供給装置10で供給する部品に応じて任意に変更可能である。
なお、どの部品を供給するための部品選択ボタンBTであるかをわかりやすくするため、部品選択ボタンBTまたはその近傍(例えば、上部など)に、該当する部品の写真やイラストやサンプル品を展示するようにしてもよい。
【0019】
図3は、本実施形態による自動供給装置10およびサーバ装置20の概略構成を示すブロック図である。
自動供給装置10は、読取部101と、権限情報取得部102と、入力部103と、供給部104と、供給情報送信部105とを備えている。
【0020】
読取部101は、利用者の識別情報を読み取る。利用者は、自動供給装置10を利用する者である。利用者の識別情報は、例えば、利用者が携行する従業員IDを用いることができる。上述したリーダ12であり、社員証CDから従業員IDを読み取る。
権限情報取得部102は、サーバ装置20と通信を行い、読み取った従業員IDに対応する権限情報をサーバ装置20から取得する。例えば、権限情報取得部102は、従業員IDを含む要求をサーバ装置20に送信し、その応答として権限情報をサーバ装置20から受信する。権限情報は、該当する従業員に対し供給可能な部品を示す。
入力部103は、供給する対象の部品の選択入力を受け付ける。入力部103は、タッチパネルであってもよいし、物理的に押下可能なボタンであってもよい。入力部103は、供給する対象の部品が複数種類である場合、その部品の種別毎に異なる複数のボタンとして設けられる。
例えば、入力部103は、取得した権限情報に基づいて、供給可能な部品の部品選択ボタンBTを点灯させ、点灯させた部品選択ボタンBTからのみ部品の選択入力を受け付ける。
【0021】
供給部104は、自動供給装置10の内部に蓄積された物品のうち、入力部103に対する操作内容に従い、選択入力された物品を取り出し口に排出する。物品は、例えば製品の製造に利用可能な部品である。部品は、ボルトやナット等であってもよいし、棒状の部材、板状部材等のような部材(資材)であってもよい。
供給部104は、従業員IDが利用可能な利用者の識別情報として登録されている場合に、選択入力を受け付けた部品選択ボタンBTに対応する部品を、その数量だけ取り出し口13に払い出して、従業員に部品を供給する。例えば、供給部104は、読取部101によって識別情報を読み取ることができた場合に、入力部103から指定された部品を排出してもよいし、読取部101によって読み取られた識別情報に対して供給可能な部品として割り当てられた部品の範囲内において、入力部103から指定された部品を排出してもよい。例えば、供給部104は、サーバ装置20に記憶されている権限情報に示された、従業員IDに対応付けされた供給可能な部品のみを供給するようにしてもよい。
【0022】
供給情報送信部105は、サーバ装置20と通信を行い、従業員に供給した部品を示す供給情報をサーバ装置20に送信する。供給情報には、読み取った従業員IDと、供給した部品の種類および数量と、部品を供給した日時と、自動供給装置10を識別する供給機IDと、供給した部品の自動供給装置10内における在庫数量とが含まれる。
【0023】
サーバ装置20は、権限情報送信部201と、権限情報記憶部202と、供給情報取得部203と、供給情報記憶部204と、部品使用情報生成部205と、部品在庫情報生成部206と、抽出部207とを備えている。
【0024】
権限情報送信部201は、自動供給装置10と通信を行い、自動供給装置10からの要求に応じて、要求に含まれる従業員IDに対応する権限情報を権限情報記憶部202から読み出し、読み出した権限情報を自動供給装置10に送信する。
権限情報記憶部202は、各従業員の権限情報を示す権限情報テーブルを記憶する。
【0025】
供給情報取得部203は、自動供給装置10と通信を行い、自動供給装置10から供給情報を受信し、受信した供給情報を供給情報記憶部204に書き込む。
供給情報記憶部204は、自動供給装置10における部品の供給履歴を示す供給情報テーブルと、自動供給装置10における各部品の在庫状況を示す在庫情報テーブルとを記憶する。供給情報テーブルは、自動供給装置10で供給した部品の種類および数量を、自動供給装置10が読み取った従業員IDに対応付けて記憶する。
【0026】
部品使用情報生成部205は、供給情報記憶部204が記憶する供給情報テーブルに基づいて、各部品の使用状況を示す部品使用情報を生成し、生成した部品使用情報を設計部端末30に送信する。
部品在庫情報生成部206は、供給情報記憶部204が記憶する在庫情報テーブルに基づいて、各部品の在庫状況を示す部品在庫情報を生成し、生成した部品在庫情報を購買部端末40に送信する。
抽出部207は、複数の従業員のうち、排出された部品の数量が他の従業員に対して乖離がある利用者、または、排出された部品の数量が予め定められた基準値を超えた利用者について、供給情報テーブルを参照することで抽出する。そして、抽出部207は、抽出結果を管理端末50に通知する。
【0027】
図4は、本実施形態によるサーバ装置20が記憶する権限情報テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
図示するように、権限情報テーブルは、従業員IDと、作業内容と、許可部品との各項目を有する。
作業内容は、従業員が当日担当する作業の内容である。許可部品は、自動供給装置10において従業員に対し当日供給可能な部品の種類を示す。供給可能な部品とは、従業員に対し供給が許可されている部品である。
図示する例では、従業員ID「P001」の作業内容は「X工程」であり、許可部品は「Aボルト」および「Dナット」である。また、従業員ID「P002」の作業内容は「Y工程」であり、許可部品は「Bボルト」および「Eナット」である。
権限情報テーブルは、当日の各従業員の作業内容に応じて生成され、予め権限情報記憶部202に記憶されている。作業内容に対応する許可部品は、予め設定されている。
【0028】
なお、本例で示す権限情報テーブルでは、当日従業員に供給可能な部品を示しているが、これに限らず、所定期間(例えば、1週間や1か月、あるいは、従業員が所定の作業内容(例えば、同一の工程)を行う期間)内に供給可能な部品を示すようにしてもよい。
【0029】
図5は、本実施形態によるサーバ装置20が記憶する供給情報テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
図示するように、供給情報テーブルは、日時と、供給機IDと、従業員IDと、使用部品と、使用数量との各項目を有する。日時は、自動供給装置10から従業員に部品を供給した日時である。使用部品は、自動供給装置10から従業員に供給した部品の種類である。使用数量は、自動供給装置10から従業員に供給した部品の数量である。
図示する例では、1行目のレコードは、日時「2022/4/1 9:00:00」に、供給機ID「M011」の自動供給装置10から従業員ID「P001」の従業員に対し、使用部品「Aボルト」を使用数量「10」供給したことを示している。また、2行目のレコードは、日時「2022/4/1 10:00:00」に、供給機ID「M011」の自動供給装置10から従業員ID「P002」の従業員に対し、使用部品「Bボルト」を使用数量「20」供給したことを示している。
供給情報テーブルは、自動供給装置10から受信する供給情報に基づいて、供給情報取得部203により更新される。
【0030】
図6は、本実施形態によるサーバ装置20が記憶する在庫情報テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
図示するように、在庫情報テーブルは、供給機IDと、部品と、在庫数量との各項目を有する。部品は、自動供給装置10が供給する部品の種類である。在庫数量は、対応する部品の在庫数量である。
図示する例では、供給機ID「M011」の自動供給装置10における部品「Aボルト」の在庫数量は「100」であり、部品「Bボルト」の在庫数量は「200」である。
在庫情報テーブルは、自動供給装置10から受信する供給情報に基づいて、供給情報取得部203により更新される。
【0031】
続いて、本部品供給システム1の動作について説明する。
図7は、本実施形態による部品供給処理の動作を示すシーケンス図である。
まず、従業員は、使用する部品を取得する際、自動供給装置10のリーダ12に社員証CDをかざす。自動供給装置10の読取部101は、リーダ12に社員証CDがかざされると、社員証CDから従業員IDを読み取る(ステップS101)。そして、権限情報取得部102が、読み取った従業員IDを含む権限情報の要求をサーバ装置20に送信する(ステップS102)。サーバ装置20の権限情報送信部201は、権限情報の要求を受信すると、受信した要求に含まれる従業員IDに対応する権限情報を権限情報記憶部202から読み出す。そして、権限情報送信部201は、読み出した権限情報を自動供給装置10に送信する(ステップS103)。
【0032】
自動供給装置10の権限情報取得部102は、サーバ装置20から権限情報を受信する。入力部103は、受信した権限情報に応じて、部品選択ボタンBTを点灯させる(ステップS104)。このとき、入力部103は、権限情報において許可されている供給可能な部品を供給するための部品選択ボタンBTのみを点灯させる。そして、入力部103は、点灯している(従業員に供給可能な部品の)部品選択ボタンBTを押下する入力のみを受け付ける(ステップS105)。従業員は、点灯している部品選択ボタンBTを押下することにより、使用する部品とその数量とを選択する。供給部104は、点灯している部品選択ボタンBTが押下されると、対応する部品を対応する数量だけ取り出し口13に払い出して供給する(ステップS106)。なお、供給部104は、点灯していない(権限情報において許可されていない部品の)部品選択ボタンBTが押下された場合には、部品を供給しない。供給情報送信部105は、部品を供給した日時と、供給機IDと、社員証CDから読み取った従業員IDと、供給した部品の種類および数量と、自動供給装置10における供給した部品の在庫数量とを含む供給情報をサーバ装置20に送信する(ステップS107)。
【0033】
サーバ装置20の供給情報取得部203は、自動供給装置10から供給情報を受信し、受信した供給情報に基づいて、供給情報記憶部204が記憶する供給情報テーブルおよび在庫情報テーブルを更新する(ステップS108)。その後、処理を終了する。
【0034】
このように、部品を自動供給装置10で供給することにより、部品の在庫数量を正確に計数することができるため、ボルトやナットなどの消耗部品の管理を正確な数字で行うことができる。よって、消耗部品の管理を徹底し、在庫管理やコスト管理を正確かつ容易にすることができる。例えば、部品在庫情報生成部206は、供給情報記憶部204が記憶する在庫情報テーブルに基づいて、在庫数量が、各部品に予め設定された基準値以下の部品の発注を購買部端末40に要求するようにしてもよい。これにより、購買部の購買担当者が、欠品する前に部品を発注することができるため、部品の欠品による組み立て工程の遅れを抑制することができる。また、購買担当者が在庫数量の確認を手作業で行う必要がなくなるため、発注業務を簡略化することができる。
【0035】
また、社員証CDをかざすことで部品の供給を可能にすることにより、従業員以外の第三者による部品の不正な取り出しを防止することができる。さらに、従業員に対し許可されている部品のみを供給可能にすることで、不要な部品の取り出しを防ぐことができる。
【0036】
また、読み取った従業員IDを、供給した部品の種類および数量と対応付けて記憶することにより、どの従業員がどの部品をどれだけ使用したかを容易に管理することができる。さらに、従業員の担当する作業内容に基づき、各工程における各部品の実使用数量を正確に計数することができる。
【0037】
図8は、本実施形態による設計部端末30に表示する部品使用状況画面の一例を示すイメージ図である。
サーバ装置20の部品使用情報生成部205は、例えば、設計部端末30からの要求に応じて、部品使用情報を設計部端末30に送信することにより、本図に示す部品使用状況画面700を設計部端末30に表示させる。
本図には、所定期間(例えば、1日)におけるX工程での使用部品の種類と数量を示す部品使用状況画面700を例示している。図示する例では、部品使用状況画面700には、作業内容「X工程」701と、X工程における組立品「A100」702と、組立品の組立数量「20」703と、各部品の使用状況を示すテーブル704とが表示されている。テーブル704には、使用部品と、使用数量と、設計数量とが対応付けて表示される。使用部品は、作業内容「X工程」を担当する作業員に自動供給装置10から供給した部品、すなわち、作業内容「X工程」で使用した部品の種類である。使用数量は、対応する部品を自動供給装置10から供給した数量、すなわち、部品を実際に使用した数量である。設計数量は、作業内容「X工程」における設計上の部品の使用数量である。使用数量および設計数量は、組立数量あたりの数量であってもよいし、組立品1つあたりの数量であってもよい。
図示する例では、使用部品「Aボルト」は、使用数量「100」と設計数量「100」とで同数であるのに対し、使用部品「Bボルト」は、使用数量「200」が設計数量「100」に比べて倍多い。
これにより、組立品「A100」の作業内容「X工程」において、使用部品「Bボルト」が設計よりも多く使われていることがわかる。このため、部品使用状況画面700を設計部端末30にて確認した設計者は、表示されている情報を足掛かりにして、設計変更などが必要であるか否かを判断することができる。また、部品の使用数量に基づいて、組立品のコストをより正確に算出することができる。
【0038】
図9は、本実施形態による管理端末50に表示する抽出結果画面の一例を示すイメージ図である。
サーバ装置20の抽出部207は、例えば、管理端末50からの要求に応じて、所定期間(例えば、1日、1週間、1か月など、あるいは、組立品の製造期間など)内において、作業内容が同一である複数の従業員のうち、部品の総使用量が他の従業員と乖離があるフォロー従業員を抽出し、その抽出結果を示す抽出結果画面800を管理端末50に表示させる。抽出の対象となる所定期間や作業内容は、管理端末50において指定可能である。
図示する例では、抽出結果画面には、抽出したフォロー従業員の従業員ID「P001,P100」801と、各従業員が所定期間内に使用した部品の総数量を示すテーブル802とが表示されている。テーブル802には、従業員IDと、総使用数量とが対応付けて表示される。総使用数量は、対応する従業員に自動供給装置10が部品を供給した総数量、すなわち、対応する従業員が使用した部品の総数量である。
図示する例では、従業員ID「P001」および従業員ID「P100」の従業員の総使用数量「200」および「250」が、他の従業員の総使用数量「100」と比べて略2倍であり、乖離している。
【0039】
このように、フォロー従業員の抽出結果を管理端末50に表示することにより、管理者は、フォロー従業員に対するフォローをすることができる。また、このようにフォロー従業員を抽出できることを周知することにより、部品の不正使用を抑止する効果が期待できる。また、テーブル802を表示することにより、管理者は、各従業員の部品の使用状況や、フォロー従業員の使用数量が他の従業員とどの程度乖離しているかなどを確認することができる。
【0040】
なお、テーブル802において、フォロー従業員を他の従業員と判別し易くするために、フォロー従業員のレコードを他の従業員と異なる色(例えば、赤字で表示する、或いは、背景色を異なる色にするなど)や太字で強調表示するようにしてもよい。
また、本例では、抽出部207は、総使用数量が他の従業員と乖離している従業員を抽出しているが、これに限らず、予め設定された所定の基準値を超えた従業員を抽出するようにしてもよい。
また、本例では、抽出部207は、全ての部品の総使用数量に基づき従業員を抽出しているが、これに限らず、特定の1または複数の部品の使用数量に基づき従業員を抽出するようにしてもよい。
【0041】
また、抽出部207は、管理端末50においてテーブル802からレコードが選択されると、選択されたレコードに対応する従業員の所定期間内の各部品の使用数量を示す従業員使用状況画面を管理端末50に表示する。
【0042】
図10は、本実施形態による管理端末50に表示する従業員使用状況画面の一例を示すイメージ図である。
本図には、抽出結果画面800において選択された従業員の所定期間(抽出結果画面800と同一の期間)内における、各部品の使用状況を示す従業員使用状況画面900を例示している。図示する例では、従業員使用状況画面900には、選択された従業員の従業員ID「P001」901と、部品の総使用数量「200」902と、各部品の使用数量を示すテーブル903とが表示されている。テーブル903には、使用部品と、使用数量とが対応付けて表示される。使用部品は、当該従業員に対し自動供給装置10から供給した部品、すなわち、当該従業員が使用した部品の種類である。使用数量は、当該従業員に対し自動供給装置10から供給した数量、すなわち、当該従業員が使用した数量である。
図示する例では、従業員ID「P001」の使用部品「Aボルト」の使用数量は「30」であり、使用部品「Bボルト」の使用数量は「20」である。
このように、特定の従業員による各部品の使用状況を管理端末50に表示することにより、管理者は、各従業員がどの部品をどれだけ使用したかを正確に知ることができるため、従業員をフォローする際の手助けとなる。
【0043】
このように、本実施形態よれば、部品供給システム1は、従業員の識別情報を読み取る読取部101と、部品の選択入力を受け付ける入力部103と、選択された部品を取り出し口13に払い出して従業員に供給する供給部104とを備える自動供給装置10と、自動供給装置10と通信を行い、供給した部品の種類および数量と、読み取った従業員の識別情報とを取得する供給情報取得部203と、供給した部品の種類および数量を、読み取った従業員の識別情報に対応付けて記憶する供給情報記憶部204とを備えるサーバ装置20とを有する。
【0044】
上述した構成により、各従業員に供給した部品の種類および数量を記録することができるため、より簡易な構成で、各従業員が使用した部品を自動管理することができる。これにより、部品の使用数量などを社内の関係部署にて共有できるようになる。また、供給した部品の数量を記録することにより、部品の在庫管理を正確な数字で行うことができる。これにより、適したタイミングに部品を発注することができるため、部品の欠品などによる組立工程の遅れを抑制することができる。
【0045】
また、供給部104は、従業員の識別情報を読み取った場合にのみ、部品を供給する。このような構成により、従業員と関係者以外の第三者による不正な部品の取り出しを防止することができる。
【0046】
また、自動供給装置10は、従業員に供給可能な部品を示す権限情報を取得する権限情報取得部102をさらに有し、供給部104は、従業員に供給可能な部品のみを供給する。このような構成により、従業員による不要な部品の持ち出しを防止し、無駄なコストの低減を図ることができる。
【0047】
また、サーバ装置20は、複数の従業員のうち、部品の使用数量が他の従業員と乖離がある従業員を抽出する抽出部207をさらに有する。このような構成により、例えば、部品の使用数量が他の従業員と比べて多い従業員を特定し、その従業員に対するフォローを実施することができる。これにより、部品の無駄な使用を抑制することができる。
【0048】
また、サーバ装置20は、部品の使用数量が所定の基準値を超えている従業員を抽出する抽出部207をさらに有する。このような構成により、部品の使用数量が多い従業員を特定し、その従業員に対するフォローを実施することができる。これにより、部品の無駄な使用を抑制することができる。
【0049】
上述した実施形態における自動供給装置10、サーバ装置20、設計部端末30、購買部端末40、または管理端末50の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0050】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0051】
例えば、上述した実施形態では、自動供給装置10は、権限情報において許可されている部品を無制限に供給できるようにしているが、これに限らず、各従業員に供給可能な上限数量を権限情報に含めてもよい。上限数量は、部品ごとに設定してもよいし、全ての部品の総数量で設定してもよい。自動供給装置10の供給部104は、権限情報に上限数量が設定されている場合には、従業員に対する部品の供給数量が上限数量を超えない範囲で、従業員に対し部品を供給する。
【符号の説明】
【0052】
1…部品供給システム
10…自動供給装置
11…ボタンエリア
12…リーダ
13…取り出し口
101…読取部
102…権限情報取得部
103…入力部
104…供給部
105…供給情報送信部
20…サーバ装置
201…権限情報送信部
202…権限情報記憶部
203…供給情報取得部
204…供給情報記憶部
205…部品使用情報生成部
206…部品在庫情報生成部
207…抽出部
30…設計部端末
40…購買部端末
50…管理端末
図1
図2
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図10