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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183772
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】通報装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/28 20060101AFI20231221BHJP
   B60Q 5/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H04R1/28 310Z
B60Q5/00 620A
B60Q5/00 630B
B60Q5/00 670A
B60Q5/00 680A
【審査請求】未請求
【請求項の数】36
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097469
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 正義
(72)【発明者】
【氏名】宮田 晋
【テーマコード(参考)】
5D018
【Fターム(参考)】
5D018AD17
5D018AD18
5D018AD22
5D018AF30
(57)【要約】
【課題】所望の方向への音量を確保しつつ、他の方向への音量を低減することができる通報装置を提供する。
【解決手段】音を発生させる発音体2と、発音体2を保持する筐体3と、を備え、筐体3は、発音体2が発生させた音を外部に放出する放音孔44が形成されたケース4と、筐体3の音響インピーダンスを調整するインピーダンス調整部5と、を備える。筐体3から放出される音の音圧は、筐体3の音響インピーダンスによって変化するため、筐体3の音響インピーダンスを調整することにより、所望の方向への音量を確保しつつ、他の方向への音量を低減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通報装置であって、
音を発生させる発音体(2)と、
前記発音体を保持する筐体(3)と、を備え、
前記筐体は、
前記発音体が発生させた音を外部に放出する放音孔(44)が形成されたケース(4)と、
前記筐体の音響インピーダンスを調整するインピーダンス調整部(5)と、を備える通報装置。
【請求項2】
前記ケースは、
板状の底部(41)と、
前記底部から立設された筒部(42)と、
前記筒部の開口部を覆う板状の正面部(43)と、を備え、
前記放音孔は、前記正面部に形成されており、
前記インピーダンス調整部は、前記底部を覆う壁部(51)を備える請求項1に記載の通報装置。
【請求項3】
前記底部と前記壁部との間に、前記底部および前記壁部と異なる材料で構成された中間層(53)が形成されている請求項2に記載の通報装置。
【請求項4】
前記中間層が空気で構成されている請求項3に記載の通報装置。
【請求項5】
前記底部と前記壁部とは、別体で構成されている請求項2ないし4のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項6】
前記壁部は、前記底部よりも材料の密度が高い請求項2ないし4のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項7】
前記壁部は、前記底部よりも厚く形成されている請求項2ないし4のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項8】
前記底部と前記壁部との間隔は、場所によって異なる請求項2ないし4のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項9】
前記底部の外壁面、および、前記壁部のうち前記底部に対向する面のいずれか一方または両方は、曲面とされている請求項8に記載の通報装置。
【請求項10】
前記底部の外壁面、および、前記壁部のうち前記底部に対向する面のいずれか一方または両方は、凹凸が形成されている請求項8に記載の通報装置。
【請求項11】
前記中間層には、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する熱変換部(6)が配置されている請求項3または4に記載の通報装置。
【請求項12】
前記熱変換部は、吸音材で構成されている請求項11に記載の通報装置。
【請求項13】
前記底部と前記壁部とは、互いに接触するように構成されており、
前記熱変換部は、前記底部と前記壁部とが、振動により該接触する面において摩擦することによって、音エネルギーを熱エネルギーに変換するように構成されている請求項11に記載の通報装置。
【請求項14】
前記インピーダンス調整部は、前記ケースの一部の音響インピーダンスを低下させることにより、該音響インピーダンスを低下させた部分に対して他の一部の音響インピーダンスを相対的に増加させる請求項1に記載の通報装置。
【請求項15】
前記インピーダンス調整部は、前記ケースを貫通するダクト(54)で構成されている請求項14に記載の通報装置。
【請求項16】
前記発音体は、振動膜(21)の振動によって音を発生させる構成とされており、
前記筐体は、前記振動膜が所定の周波数で振動したとき、前記ケースの内部空間と前記ダクトの内部空間とにおいて、該周波数で共振が生じるように構成されている請求項15に記載の通報装置。
【請求項17】
前記共振は、Helmholtz共振である請求項16に記載の通報装置。
【請求項18】
前記共振の周波数をfとし、
前記ケースの内部空間の容積をVとし、
前記ダクトの開口面積をSとし、
前記ダクトの長さをLとし、
音速をcとし、
円周率をπとして、
f=(c/2π)√(S/VL)とされている請求項17に記載の通報装置。
【請求項19】
前記ダクトは、前記ケースの内部に突出している請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項20】
前記ダクトは、前記ケースの内部への突出高さが0である請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項21】
前記ダクトは、前記ケースの外側に突出している請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項22】
前記ダクトは、前記ケースの外側への突出高さが0である請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項23】
前記ケースの外壁面のうち前記放音孔が開口する面を正面(43a)として、
前記ダクトは、前記正面に開口している請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項24】
前記ケースの外壁面のうち、前記放音孔が開口する面を正面(43a)とし、前記正面とは反対側の面を背面(41a)とし、前記正面と前記背面とを連結する面を側面(42a)として、
前記ダクトは、前記側面に開口している請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項25】
前記ダクトは、車両構造物を貫通している請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項26】
前記車両構造物は、車両のアンダーカバー(101)である請求項25に記載の通報装置。
【請求項27】
前記ダクトは、前記車両構造物を貫通して、車両外部に連通している請求項25に記載の通報装置。
【請求項28】
前記発音体が発生させた音は、周波数に応じて前記放音孔または前記ダクトの開口部から放音される請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項29】
前記ダクトは、前記放音孔と同じ方向に向かって音を放出するように開口している請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項30】
前記発音体は、振動することによって音を発生させる振動膜(21)を備えており、
前記振動膜の圧力変動と、前記ダクトの開口部における圧力変動とが、同相である請求項29に記載の通報装置。
【請求項31】
前記発音体は、振動することによって音を発生させる振動膜(21)を備えており、
前記振動膜の圧力変動と、前記ダクトの開口部における圧力変動とが、逆相である請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項32】
前記ダクトは、前記放音孔と逆方向に向かって音を放出するように開口している請求項31に記載の通報装置。
【請求項33】
前記ダクトの長さは、前記放音孔から発せられた音が前記ダクトの開口部に到達したときの音圧位相と、前記ダクトの開口部から放出される音の音圧位相とが、逆相となるように設定されている請求項31に記載の通報装置。
【請求項34】
前記ケースは、
板状の底部(41)と、
前記底部から立設された筒部(42)と、
前記筒部の開口部を覆う板状の正面部(43)と、を備え、
前記放音孔は、前記正面部に形成されており、
前記インピーダンス調整部は、前記底部を覆う壁部(51)を備える請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項35】
前記ダクトは、前記ケースと別体とされている請求項15ないし17のいずれか1つに記載の通報装置。
【請求項36】
前記ダクトは、前記ケースを車両に取り付けるための車両取付部(7)に固定されている請求項35に記載の通報装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
定速走行時の静粛性が高い電気自動車やハイブリッド自動車では、車の接近を周囲へ報知するための通報装置の搭載および作動が義務付けられている。通報音の周波数は、例えば630~1600Hzとされる。通報装置で用いられる発音器は、例えば特許文献1に記載のように、音を発生させる振動膜と、振動膜を駆動する駆動部と、振動膜および駆動部を保持する有底筒状のケースとを備え、ケースの正面部に形成された放音孔から音を放出する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-25558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通報装置においては、車外には十分な音量を出し、車室内に入る音量を抑えることが望ましい。しかしながら、一般的な発音器においては、ケースの底部および側壁が薄く形成されているため、遮音性能の確保が困難であり、車室内の静粛性が低下する。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、所望の方向への音量を確保しつつ、他の方向への音量を低減することができる通報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、通報装置であって、音を発生させる発音体(2)と、発音体を保持する筐体(3)と、を備え、筐体は、発音体が発生させた音を外部に放出する放音孔(44)が形成されたケース(4)と、筐体の音響インピーダンスを調整するインピーダンス調整部(5)と、を備える。
【0007】
筐体から放出される音の音圧は、筐体の音響インピーダンスによって変化するため、筐体の音響インピーダンスを調整することにより、所望の方向への音量を確保しつつ、他の方向への音量を低減することができる。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図2図1のII部分の拡大図である。
図3】比較例の断面図である。
図4】音圧の測定結果を示す図である。
図5】第2実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図6】第2実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図7】第2実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図8】第3実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図9】第3実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図10】第3実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図11】第4実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図12】第5実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図13】第6実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図14】第6実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図15】第7実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図16】第8実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図17】他の実施形態にかかる通報装置の断面図である。
図18】他の実施形態にかかる通報装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。本実施形態の通報装置は、車両の接近を周囲へ報知するためのものであり、図1に示す発音器1を備えている。発音器1は、音を発生させる発音体2と、発音体2を保持する筐体3とを備えている。
【0012】
発音体2は、振動膜21と、駆動部22とを備えている。振動膜21は、筐体3の正面方向に広がる中空円錐台形状の薄膜とされている。駆動部22は、振動膜21を振動させるものである。駆動部22は、振動膜21に接合されたボビンと、ボビンに巻かれたボイスコイルに磁界を印加する磁気回路部とで構成されており、ボイスコイルに磁界を印加しつつ電流を流すことにより、ボビンが変位し、振動膜21が振動して音が発生する。
【0013】
筐体3は、有底筒状のケース4と、インピーダンス調整部5とを備えている。本実施形態のケース4は、有底四角筒状とされており、矩形板状の底部41と、底部41の外縁から立設された四角筒状の筒部42と、筒部42の開口部を覆う矩形板状の正面部43とを備えている。発音体2は、ケース4の内部に配置されている。ケース4は、樹脂で構成されている。
【0014】
ケース4の外壁面のうち、底部41の外壁面を背面41aとする。ケース4の外壁面のうち、背面41aとは反対側の面、すなわち、正面部43の外壁面を正面43aとする。ケース4の外壁面のうち、正面43aと背面41aとを連結する面、すなわち、筒部42の外壁面を側面42aとする。正面部43には、正面43aに開口する放音孔44が形成されており、発音体2が発生させた音は、放音孔44を通って、筐体3の正面43a側の外部に放出される。
【0015】
本実施形態ではケース4は全体が一体に構成されているが、ケース4が複数の部材を組み合わせて構成されていてもよい。例えば、底部41と筒部42とが別体で構成されていてもよい。この場合には、剛性を確保するために、底部41と筒部42とを全周にわたって接着等で接合することが望ましい。
【0016】
インピーダンス調整部5は、筐体3の音響インピーダンスを調整するものである。本実施形態のインピーダンス調整部5は、筐体3の背面部の音響インピーダンスを増加させるように構成されている。また、インピーダンス調整部5は、筐体3と空気との音響インピーダンスの差を調整して、発音体2が発生させた音の筐体3での反射量を増加させ、外部へ放出される音を低減するように構成されている。
【0017】
具体的には、インピーダンス調整部5は、背面41aを覆う矩形板状の壁部51と、壁部51の外縁から立設された四角筒状の筒部52とを備えている。壁部51および筒部52は、樹脂で構成されている。なお、ケース4と壁部51および筒部52とは、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。壁部51は、底部41よりも材料の密度が高くされている。また、壁部51は、底部41よりも厚く形成されている。
【0018】
筒部52は、壁部51とは反対側の端部において底部41に接着等で接合されており、底部41と壁部51との間には、底部41および壁部51と異なる材料で構成された中間層53が形成されている。本実施形態では、底部41と壁部51との間に隙間が形成されており、中間層53は空気で構成されている。中間層53の厚さは例えば3mmとされる。
【0019】
なお、筒部52とケース4との間に隙間が形成されていてもよい。この場合には、例えば、壁部51の内周部に棒状の部材を立設し、この棒状の部材を底部41に接着して壁部51を底部41に固定することにより、底部41から壁部51への振動伝達を低減することができる。また、底部41に凹部を形成し、この凹部に、壁部51に立設された棒状の部材を差し込んで壁部51を底部41に固定することにより、底部41から壁部51への振動伝達を低減してもよい。この棒状の部材は、例えばゴムや硬質ウレタンで構成される。
【0020】
前述したように、発音体2で発生した音は、放音孔44を通って筐体3の正面43a側の外部に放出される。また、発音体2で発生した音は、底部41および筒部42を透過して、筐体3の背面41a側および側面42a側の外部にも放出される。
【0021】
図2の矢印A1で示すように底部41に向かう音は、一部が矢印A2で示すように底部41の内壁面で反射し、残りは矢印A3で示すように底部41を透過して中間層53に放出される。中間層53に放出された音は、一部が矢印A4で示すように壁部51の底部41に対向する内壁面51aで反射し、残りは矢印A5で示すように壁部51を透過して筐体3の外部に放出される。
【0022】
なお、底部41と空気とのインピーダンス差、および、壁部51と空気とのインピーダンス差が大きいほど、音の反射量が多くなる。また、底部41、壁部51を構成する材料の密度が高いほど、また、厚さが大きいほど、これらの音響インピーダンスが増加する。
【0023】
図3に示す比較例では、発音器1がインピーダンス調整部5を備えず、ケース4の背面41aが露出している。この比較例では、矢印A6で示すように底部41に向かう音は、一部が矢印A7で示すように底部41の内壁面で反射し、残りは矢印A8で示すように底部41を透過して筐体3の外部に放出される。
【0024】
このように、本実施形態では背面41aが壁部51によって覆われているため、比較例よりも音の反射回数が多くなり、筐体3の背面41a側への音の放出が低減される。
【0025】
図4は、本発明者らが発音器の周囲における音圧を測定した結果を示している。図4において、実線は本実施形態の発音器1の測定結果であり、破線は比較例の測定結果を示している。なお、この実験において、発生させる音の周波数は800Hzとした。図4に示すように、本実施形態では、正面における音圧は比較例と同程度に維持された。一方、背面における音圧は低減され、比較例よりも8.9dB小さくなった。
【0026】
以上説明したように、本実施形態では、インピーダンス調整部5によって筐体3の音響インピーダンスを調整することにより、所望の方向への音量を確保しつつ、他の方向への音量を低減することができる。
【0027】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0028】
(1)インピーダンス調整部5は、底部41を覆う壁部51を備える。これによれば、筐体3の背面部の音響インピーダンスが増加する。また、底部41の外側において音響インピーダンスの変化が設けられ、筐体3の内部で発生した音が筐体3の背面部を透過して外部へ向かうときの音の反射量が増加する。したがって、筐体3の背面側における音圧が低減される。
【0029】
エンジンコンパートメント内に配置される発音器では、体格の小型化が必要であり、ケースの板厚確保が困難である。しかしながら、薄厚のケースのみで発音器の筐体を構成すると、特に透過が大きい低周波音においては、音量が必要な方向、例えば正面方向と、音量が不要な方向、例えば背面方向とで音量差を形成することが困難である。また、鉛材等の特殊な材料を用いると、発音器の製造コストが増加する。
【0030】
これに対して本実施形態では、筐体の体格が大型化するのは壁部51および筒部52を設けた部分のみである。また、壁部51は樹脂で構成することができる。したがって、体格の大型化を小さく抑えるとともに、製造コストの増加を抑制することができる。
【0031】
(2)底部41と壁部51との間に、底部41および壁部51と異なる材料で構成された中間層53が形成されている。これによれば、音が反射する箇所が増えるため、筐体3の内部に戻る音量が増加し、筐体3の背面側における音圧がさらに低減される。
【0032】
(3)中間層53が空気で構成されている。これによれば、壁部51と中間層53との音響インピーダンスの差が大きくなるため、音の反射量が増え、筐体3の背面側における音圧がさらに低減される。
【0033】
(4)壁部51は、底部41よりも材料の密度が高くされている。これによれば、外側に配置された壁部51の音響インピーダンスが内側の底部41よりも高くなるため、筐体3の内部に戻る音量が増加し、筐体3の背面側における音圧がさらに低減される。
【0034】
(5)壁部51は、底部41よりも厚く形成されている。これによれば、外側に配置された壁部51の音響インピーダンスが内側の底部41よりも高くなるため、筐体3の内部に戻る音量が増加し、筐体3の背面側における音圧がさらに低減される。
【0035】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して底部41と壁部51との間隔を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0036】
本実施形態では、底部41と壁部51との間隔が、場所によって異なる。具体的には、背面41aおよび内壁面51aのいずれか一方または両方は、連続的な形状の曲面とされており、これにより、底部41と壁部51との間に、複数通りの間隔が形成されている。
【0037】
例えば図5に示すように、背面41aを曲面とすることにより、底部41と壁部51との間に、矢印で示すように複数通りの間隔が形成される。また、背面41aおよび内壁面51aの両方を曲面としてもよい。また、背面41aおよび内壁面51aのうち、内壁面51aのみを曲面としてもよい。
【0038】
あるいは、背面41aおよび内壁面51aのいずれか一方または両方は、凹凸が形成されており、これにより底部41と壁部51との間に、複数通りの間隔が形成されている。
【0039】
例えば図6に示すように、底部41に第1凸部411、および、第1凸部411と突出高さが異なる第2凸部412による凹凸を形成することにより、底部41と壁部51との間に、矢印で示すように3通りの間隔が形成される。
【0040】
また、図7に示すように、壁部51に、第1、第2凸部411、412に対向するように、第3凸部511、および、第3凸部と突出高さが異なる第4凸部512を形成して、3通りの間隔を形成してもよい。また、底部41に凹凸を形成せず、壁部51のみに凹凸を形成してもよい。
【0041】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0043】
(1)底部41と壁部51との間隔は、場所によって異なる。遮音効果の周波数特性は、底部41、壁部51、中間層53の材質等の他、底部41と壁部51との間隔によっても決まる。そのため、底部41と壁部51との間隔を場所によって部分的に変化させることにより、複数の周波数帯で遮音効果を得ることができる。
【0044】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して音エネルギーを消費するための構成を追加したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0045】
本実施形態では、図8に示すように、熱変換部6が中間層53に配置されている。熱変換部6は、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消費するものである。具体的には、熱変換部6は吸音材で構成されており、壁部51の内壁面に接着等により接合されて中間層53に配置されている。
【0046】
また、図9に示すように、中間層53を樹脂等で構成し、吸音材で構成された熱変換部6を、底部41および壁部51から離された状態で中間層53に配置してもよい。
【0047】
また、底部41と壁部51とを互いに接触するように構成し、底部41と壁部51とが、振動により該接触する面において摩擦することによって、音エネルギーを熱エネルギーに変換するように熱変換部6を構成してもよい。
【0048】
例えば、図10に示すように、底部41に第5凸部413、第6凸部414を形成し、壁部51に第7凸部513を形成し、第5、第6凸部413、414と接触するように、これらの間に第7凸部513を配置してもよい。このような第5、第6、第7凸部413、414、513で熱変換部6を構成した場合には、底部41または壁部51が音で振動すると、第7凸部513と第5、第6凸部413、414との接触面において摩擦で熱が発生し、音エネルギーが熱エネルギーに変換される。
【0049】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0051】
(1)中間層53には、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する熱変換部6が配置されている。中間層53では音が反射を繰り返すため、中間層53に熱変換部6を配置し、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消費することにより、筐体3の背面側における音圧がさらに低減される。
【0052】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してインピーダンス調整部5の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0053】
本実施形態では、ケース4の背面41aに加えて側面42aもインピーダンス調整部5によって覆われている。具体的には、図11に示すように、筒部52は、筒部42を覆うように延設されており、先端部において筒部42のうち底部41とは反対側の端部に接合されている。筒部42と筒部52との間には空間が形成されており、中間層53は、底部41と壁部51との間、および、筒部42と筒部52との間に形成されている。
【0054】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
(1)筒部42が筒部52に覆われている。これによれば、筐体3の背面側に加えて側面側においても音圧を低減することができる。
【0057】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してインピーダンス調整部5の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0058】
本実施形態のインピーダンス調整部5は、ケース4の一部の音響インピーダンスを低下させることにより、該音響インピーダンスを低下させた部分に対して他の一部の音響インピーダンスを相対的に増加させる構成とされている。
【0059】
具体的には、図12に示すように、インピーダンス調整部5は、筒部42を貫通するダクト54で構成されている。ダクト54は、側面42a側に開口してケース4の内部空間をケース4の外部に連通させており、これにより、筒部42のうちダクト54が形成された部分の音響インピーダンスが低下し、この部分に対して底部41の音響インピーダンスが相対的に増加している。ダクト54は、例えば樹脂で構成される。
【0060】
このような構成の筐体3では、振動膜21が所定の周波数で振動したとき、ケース4の内部空間とダクト54の内部空間とにおいて、該周波数でHelmholtz共振が生じる。具体的には、共振の周波数をfとし、ケース4の内部空間の容積をVとし、ダクト54の開口面積をSとし、ダクト54の長さをLとし、音速をcとし、円周率をπとすると、f=(c/2π)√(S/VL)となる。なお、本実施形態では振動膜21が正面部43の開口端部に接合されており、ケース4の内部空間が振動膜21によってケース4の外部空間と分けられている。
【0061】
ケース4とダクト54における共振により、発音体2が発生させた音のほぼすべての音量は、周波数に応じて放音孔44またはダクト54の開口部から放音される。具体的には、共振周波数fより高い周波数では、ほぼすべての音量が正面側から放出されるが、共振周波数f以下の周波数では、ダクト54から放出される音量が大きくなる。
【0062】
ダクト54は、車両構造物を貫通して、車両外部に連通している。具体的には、ダクト54は、車両のアンダーカバー101を貫通して、アンダーカバー101の下側の面に開口しており、発音体2が発生させた音は、車両の下側へ放出される。
【0063】
本発明者らが行った実験では、ダクト54を設けずケース4によって発音体2の背面側の空間を密閉した場合には、発音体2から630Hzの音を発生させると、発音器1の正面側の音圧は105dB程度となり、背面側の音圧は90dB程度となった。また、1600Hzの音を発生させると、発音器1の正面側の音圧は95dB程度となり、背面側の音圧は85dB程度となった。
【0064】
一方、本実施形態の発音器1では、発音体2から630Hzの音を発生させると、発音器1の下側で100dB程度の音圧が測定され、正面側および背面側の音圧は85dB程度となった。また、1600Hzの音を発生させると、発音器1の下側の音圧は85dB程度となり、正面側の音圧は95dB程度となり、背面側の音圧は85dB程度となった。
【0065】
このように、直進性の高い高周波音では、正面側および背面側において、ダクト54を設けない場合と同程度の音圧となった。回折しやすい低周波音では、ダクト54を設けることによって、発音器1の下側に音が放出され、背面側の音圧が低減された。
【0066】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
(1)インピーダンス調整部5は、ケース4の一部の音響インピーダンスを低下させることにより、該音響インピーダンスを低下させた部分に対して他の一部の音響インピーダンスを相対的に増加させる構成とされている。これによれば、音響インピーダンスが低下した部分から音が放出されるようになり、他の一部から放出される音の音圧を低減することができる。
【0069】
例えば、発音器1をエンジンコンパートメント内のバンパー裏のフレーム等に取り付けることにより、直進性の高い高周波音を見通しの良いグリル開口部等の開けた場所から放出することができる。そして、ダクト54をアンダーカバー101に開口させ、回折しやすい低周波音を車室から離れた場所で放出する。これにより、車両周囲に対しては回折によって音量を確保しつつ、発音器1を他の装置に接続するための配線通路等から低周波音が車室内に放出されることを抑制し、車室内の静粛性を改善することができる。
【0070】
(2)インピーダンス調整部5は、ケース4を貫通するダクト54で構成されている。これによれば、振動膜21が所定の周波数で振動したとき、ケース4の内部空間とダクト54の内部空間とにおいて、該周波数でHelmholtz共振が生じる。そのため、音がダクト54を通過するときの音響インピーダンスが、ケース4を透過するときの音響インピーダンスに比べて著しく低下し、音の大部分がダクト54の方向に誘導される。したがって、他の方向では音圧が低減される。
【0071】
(3)ダクト54は、側面42aに開口している。これによれば、底部41の音響インピーダンスが相対的に増加するため、発音器1の背面側における音圧が低減される。
【0072】
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対してダクト54の構成を変更したものであり、その他については第5実施形態と同様であるため、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
本実施形態のダクト54は、開口部が筐体3の正面側に向けられている。具体的には、図13に示すように、ダクト54は底部41を貫通しており、U字状に湾曲して、放音孔44と同じ方向に向かって音を放出するように開口している。ダクト54の開口部は、筐体3の前後方向における位置が放音孔44と等しくなるように配置されている。
【0074】
あるいは、図14に示すように、ダクト54は正面部43のうち放音孔44から離れた位置を貫通し、放音孔44と同じ方向に向かって音を放出するように正面43aに開口している。ダクト54は、正面43aからの突出高さが0とされている。
【0075】
ダクト54を通る音は、振動膜21の背面側から発生する音であるため、振動膜21の正面側から発生する音と逆相となる。ダクト54の長さは、振動膜21の圧力変動と、ダクト54の開口部における圧力変動とが、同相となるように設定されている。すなわち、ダクト54の長さは、振動膜21の背面側から発生する音の音圧位相が反転して、放音孔44から放出される音の音圧位相と、ダクト54から放出される音の音圧位相とが、同相となるように設定されている。
【0076】
また、ケース4の内部空間の容積Vと、ダクト54の長さLおよび開口面積Sは、所定の周波数において、放音孔44から放出される音の音圧位相と、ダクト54から放出される音の音圧位相とが、同相となるように設定されている。
【0077】
本実施形態は、第5実施形態と同様の構成および作動からは第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0079】
(1)ダクト54は、放音孔44と同じ方向に向かって音を放出するように開口している。これによれば、放音孔44から放出される音の音圧位相と、ダクト54から放出される音の音圧位相とが同相となるようにダクト54の長さを設定することで、2つの音が強め合うため、筐体3の正面側における音圧を上げることができる。
【0080】
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対してダクト54の構成を変更したものであり、その他については第5実施形態と同様であるため、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0081】
本実施形態のダクト54は、放音孔44と逆方向に向かって音を放出するように開口している。具体的には、図15に示すように、ダクト54は、U字状に湾曲してケース3の背面側に回り込み、背面側に向かって音を放出するように開口している。放音孔44から放出された音は、一部が矢印A9で示すように筐体3の正面側に伝搬し、他の一部が矢印A10で示すように回折して筐体3の背面側に回り、ダクト54から放出された音と合成される。
【0082】
ダクト54の長さは、振動膜21の圧力変動と、ダクト54の開口部における圧力変動とが逆相となるように設定されている。また、ダクト54の長さは、放音孔44から放出された音がダクト54の開口部に到達したときの音圧位相と、ダクト54の開口部から放出される音の音圧位相とが逆相となるように設定されている。
【0083】
本実施形態は、第5実施形態と同様の構成および作動からは第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0085】
(1)ダクト54は、放音孔44と逆方向に向かって音を放出するように開口している。また、ダクト54の長さは、振動膜21の圧力変動とダクト54の開口部の圧力変動とが逆相となり、放音孔44から放出された音がダクト54の開口部に到達したときの音圧位相と、ダクト54の開口部から放出される音の音圧位相とが逆相となるように設定される。これによれば、放音孔44から放出された音が回折して筐体3の背面側に到達したときに、回折音とダクト54から放出される音とが弱め合うため、筐体3の背面側における音圧を低減することができる。
【0086】
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対して筐体3の構成を変更したものであり、その他については第5実施形態と同様であるため、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0087】
本実施形態では、ダクト54がケース4と別体とされている。具体的には、図16に示すように、筒部42の下部が除去されており、ケース4は下側に開口している。そして、インピーダンス調整部5は、樹脂で構成された有底四角筒状の取付治具55を備えており、取付治具55は、矩形板状の底部においてケース4の下側の開口部を塞ぐようにして、ケース4に接合されている。ダクト54は、取付治具55と一体に構成されており、取付治具55を貫通して、ケース4および取付治具55の内部空間を、筐体3の外部に連通させている。
【0088】
取付治具55は、樹脂で構成された棒状の車両取付部7に、ねじ止め等によって接合されており、ダクト54は、取付治具55を介して車両取付部7に固定されている。車両取付部7は、一方の端部において取付治具55に接合されており、他方の端部は、車両のラジエータ102が取り付けられたフレーム103の正面に接合されている。
【0089】
本実施形態は、第5実施形態と同様の構成および作動からは第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0091】
(1)ダクト54がケース4と別体とされており、取付治具55を介して車両取付部7に固定されている。
【0092】
最適な通報音の周波数スペクトルやダクト54の位置は、車種によって異なる。しかしながら、発音器1の構造を車種毎に変えると、製造コストが増加する。
【0093】
これに対して、ダクト54および取付治具55をケース4とは別体とすることにより、発音体2およびケース4を複数の車種で共通の設計にしつつ、ダクト54および取付治具55の設計によって車種毎に所望の周波数スペクトルを得ることができる。したがって、製造コストを低減することができる。
【0094】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0095】
例えば、第3、第4実施形態において、第2実施形態のように底部41と壁部51との間に複数の間隔を設けてもよい。また、第4実施形態において、第3実施形態のように熱変換部6を設けてもよい。
【0096】
また、第5~第8実施形態において、第1~第4実施形態のように壁部51を設けてもよい。これにより、筐体3の背面側における音圧をさらに低減することができる。
【0097】
第4実施形態と第5実施形態とを組み合わせた場合には、図17に示すように、ダクト54が筒部42および筒部52を貫通して筐体3の下側に開口する。第5~第8実施形態において壁部51を設ける場合には、壁部51、筒部52と同様の構成によってダクト54を覆ってもよい。すなわち、ダクト54の外壁面のうちケース4から露出した部分を、樹脂で構成された筒状の部材で覆い、ダクト54の壁を透過して筐体3の外部に放出される音の音圧を低減してもよい。
【0098】
また、第8実施形態において、第6実施形態のようにダクト54の開口部を筐体3の正面側に向けてもよいし、第7実施形態のようにダクト54の開口部を筐体3の背面側に向けてもよい。
【0099】
また、第1実施形態では底部41および筒部42と壁部51および筒部52とが別体で構成されているが、これらが一体に構成されていてもよい。
【0100】
また、第1実施形態において、インピーダンス調整部5が複数の壁部の積層構造を備えていてもよい。すなわち、壁部51の外側に、さらに1つまたは複数の壁部が積層されていてもよい。また、第1実施形態において、図18に示すように、底部41と壁部51との間に中間層53が形成されず、底部41と壁部51とが密着していてもよい。
【0101】
また、第1実施形態において、壁部51と底部41とで材料の密度が等しくされていてもよいし、底部41の材料の密度が壁部51よりも高くされていてもよい。また、第1実施形態において、壁部51と底部41とで厚さが等しくされていてもよいし、底部41が壁部51よりも厚く形成されていてもよい。
【0102】
また、ダクト54がケース4の内部に突出していてもよいし、ケース4の内部への突出高さが0とされていてもよい。また、ダクト54がケース4の外側に突出していてもよいし、ケース4の外側への突出高さが0とされていてもよい。
【符号の説明】
【0103】
2 発音体
3 筐体
4 ケース
44 放音孔
5 インピーダンス調整部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図18