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特開2023-183785二酸化炭素含有ガス供給システム及び二酸化炭素含有ガス供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183785
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】二酸化炭素含有ガス供給システム及び二酸化炭素含有ガス供給方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/18 20060101AFI20231221BHJP
   A01G 7/02 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A01G9/18
A01G7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097486
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(72)【発明者】
【氏名】大山 孝政
(72)【発明者】
【氏名】宮下 真一
(72)【発明者】
【氏名】増田 正夫
(72)【発明者】
【氏名】川上 理亮
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 美志
(72)【発明者】
【氏名】藤森 一真
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
【Fターム(参考)】
2B022DA13
2B022DA15
2B022DA17
2B029JA02
2B029JA04
2B029SA02
2B029SA04
2B029TA00
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素含有ガスの需要部としての温室内への二酸化炭素含有ガスの供給に加え、同温室内の湿度管理が可能なシステムを提供する。
【解決手段】二酸化炭素含有ガスの需要部へ供給する二酸化炭素含有ガスを生成するボイラ20と、外気OAとの熱交換により、前記需要部への供給する前の二酸化炭素含有ガスを冷却する熱交換器31と、収容した吸着材Mに対する吸着質の吸着及び脱着により蓄熱運転と放熱運転を繰り返し可能に構成された蓄熱槽32と、前記需要部内の多湿空気RAを蓄熱槽32へと導入する往路管34と、蓄熱槽32での放熱運転により多湿空気RAを乾燥して生成された低湿空気SAを前記需要部へと導入する復路管35と、を備え、蓄熱槽32は、熱交換器31における二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された外気OAの導入により蓄熱運転を行い、前記需要部から供給される多湿空気RAの導入により放熱運転を行う、二酸化炭素含有ガス供給システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素含有ガスの需要部への二酸化炭素含有ガス供給システムであって、
燃料の燃焼により前記需要部へ供給する二酸化炭素含有ガスを生成するボイラと、
導入した外気との熱交換により、前記需要部への供給前の前記二酸化炭素含有ガスを冷却する熱交換器と、
収容した吸着材に対する吸着質の吸着及び脱着により蓄熱運転と放熱運転を繰り返し可能に構成された蓄熱槽と、
処理対象の室内空気を前記需要部から前記蓄熱槽へと供給する往路管と、
前記蓄熱槽での放熱運転により除湿された前記室内空気を前記蓄熱槽から前記需要部へと供給する復路管と、を備え、
前記蓄熱槽は、
前記熱交換器における前記二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された前記外気の導入により前記蓄熱運転を行い、
前記需要部から供給される前記室内空気の導入により前記放熱運転を行う、ことを特徴とする、二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項2】
前記需要部内の室温を調整するための温調用配管を備えることを特徴とする、請求項1に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項3】
前記ボイラにより生成された温水を熱媒として前記温調用配管に通流させることを特徴とする、請求項2に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項4】
前記放熱運転により除湿された後の室内空気との熱交換により、前記温調用配管を通流する熱媒を加熱する第2の熱交換器を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項5】
前記温調用配管を通流する熱媒との熱交換により、前記熱交換器における前記二酸化炭素含有ガスとの熱交換前の前記外気を加熱する予熱用熱交換器を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項6】
前記二酸化炭素含有ガスから得た熱を蓄熱するための蓄熱用タンクと、
前記二酸化炭素含有ガスを冷却するための冷却塔と、
前記蓄熱用タンク及び前記冷却塔の少なくともいずれかとの間で循環される冷媒との熱交換により、前記需要部への供給前の前記二酸化炭素含有ガスを冷却する第3の熱交換器と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項7】
前記第3の熱交換器は、前記二酸化炭素含有ガスの供給経路において、前記熱交換器の下流側に配置されることを特徴とする、請求項6に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項8】
前記需要部内の室温を調整するための温調用配管を備え、
前記冷却塔において生成された冷水を熱媒として前記温調用配管に通流させることを特徴とする、請求項6又は7に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項9】
前記需要部内の室温を調整するための温調用配管を備え、
前記蓄熱用タンクにおいて生成された温水を熱媒として前記温調用配管に通流させることを特徴とする、請求項6又は7のいずれか一項に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項10】
前記需要部内の二酸化炭素濃度及び温湿度を計測する計測手段と、
制御手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記計測手段による計測結果に基づいて、前記需要部内に導入する二酸化炭素含有ガスの風量及び温湿度を制御することを特徴とする、請求項1に記載の二酸化炭素含有ガス供給システム。
【請求項11】
二酸化炭素含有ガスの需要部への二酸化炭素含有ガス供給方法であって、
燃料の燃焼により二酸化炭素含有ガスを生成する工程と、
導入した外気との熱交換により、前記需要部への供給前の前記二酸化炭素含有ガスを冷却する工程と、
前記熱交換により冷却された前記二酸化炭素含有ガスを前記需要部内に供給する工程と、
前記二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された前記外気を、吸着材を収容した蓄熱槽に導入して当該蓄熱槽の蓄熱運転を行う工程と、
前記需要部からの室内空気を前記蓄熱槽に導入して当該蓄熱槽の放熱運転を行う工程と、
前記放熱運転により除湿された前記室内空気を前記需要部内へ供給する工程と、を含むことを特徴とする、二酸化炭素含有ガス供給方法。
【請求項12】
前記需要部内の二酸化炭素濃度及び温湿度を計測する工程、を更に含み、
計測された前記需要部内の二酸化炭素濃度及び温湿度に基づいて、前記需要部内に導入する二酸化炭素含有ガスの風量及び温湿度を決定することを特徴とする、請求項11に記載の二酸化炭素含有ガス供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素含有ガスの需要部への二酸化炭素含有ガス供給システム及び二酸化炭素含有ガス供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビニールハウス等の温室を利用した施設園芸では、温室内の温度管理を目的として、重油や灯油などの燃料を燃焼することで生成した熱を、温風や温水として温室内に供給している。また、このような施設園芸では、作物の生育促進や収量の増加を目的として、前記した燃料の燃焼により生成される二酸化炭素含有ガスを温室内に供給し、作物の光合成を促進することが行われている。
【0003】
例えば特許文献1には、作物生産用施設へ二酸化炭素含有ガスと熱を供給する供給装置が開示されている。特許文献1に記載の供給装置は、燃料を燃焼する燃焼炉と、燃焼炉から排出された燃焼排ガスとの熱交換により熱を得て作物生産用施設へ熱を供給する熱交換器と、を備える。また特許文献1に記載の供給装置によれば、燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物、煤塵、窒素酸化物、一酸化炭素及びエチレンを除去し、これらの除去により浄化された燃焼排ガスを作物生産用施設へと供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-36334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの種の施設園芸においては、上記したような熱供給による温室内の温度管理や二酸化炭素含有ガスの供給による温室内の二酸化炭素濃度の管理に加え、同温室内の湿度管理が要求される場合がある。温室内の湿度管理が適切に行われない場合、これにより作物の光合成や呼吸に影響を及ぼすおそれや、害虫や病原菌の繁殖の原因となるおそれがある。
【0006】
一例として温室内の湿度管理は、換気扇の設置による温室内空気の循環、入れ換えにより行われる。しかしながら、このように温室内の湿度管理を換気扇により行う場合、過度の換気により土壌や作物から水分を奪ってしまうおそれがある。また、このように換気扇により温室内の湿度管理を行う場合、温室内の相対湿度を低下できる一方、温室内の絶対湿度を低下させることは困難であった。
【0007】
前記した従来技術では、かかる点の改善についての開示や示唆がされておらず、温室内に熱や二酸化炭素含有ガスを供給しつつ、更に温室内の湿度管理、特に除湿が可能なシステムの開発が待たれていた。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素含有ガスの需要部としての温室内への二酸化炭素含有ガスの供給に加え、同温室内の湿度管理が可能なシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記問題の解決を図るため、本発明は、二酸化炭素含有ガスの需要部へのへの二酸化炭素含有ガス供給システムであって、燃料の燃焼により需要部へ供給する二酸化炭素含有ガスを生成するボイラと、導入した外気との熱交換により、前記需要部への供給前の前記二酸化炭素含有ガスを冷却する熱交換器と、収容した吸着材に対する吸着質の吸着及び脱着により蓄熱運転と放熱運転を繰り返し可能に構成された蓄熱槽と、処理対象の室内空気を前記需要部から前記蓄熱槽へと供給する往路管と、前記蓄熱槽での放熱運転により除湿された前記室内空気を前記蓄熱槽から前記需要部へと供給する復路管と、を備え、前記蓄熱槽は、前記熱交換器における前記二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された前記外気の導入により前記蓄熱運転を行い、前記需要部から供給される前記室内空気の導入により前記放熱運転を行う、ことを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、ボイラから二酸化炭素含有ガスの需要部への二酸化炭素含有ガスの供給経路上に熱交換器を設け、当該熱交換器においてボイラからの二酸化炭素含有ガスと外気とを熱交換する。二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された外気は、吸着材を収容した蓄熱槽の蓄熱運転に供される。外気による蓄熱運転が行われた前記蓄熱槽においては、需要部から空気が導入されることで放熱運転が行われる。この放熱運転により室内空気が除湿され、その後、需要部に供給される。
すなわち本発明によれば、蓄熱槽での放熱運転により室内空気を除湿し、その後、除湿後の室内空気を需要部へと戻すことによって需要部の絶対湿度を下げることができる。
【0011】
また本発明によれば、前記した熱交換器の作用により、需要部への供給前の二酸化炭素含有ガスを冷却できる。これにより、特に需要部内での熱需要が小さい夏期運転に際して、ボイラからの熱を供給することなく二酸化炭素含有ガスのみを需要部内へと供給できる。
またこの時、二酸化炭素含有ガスから回収された熱は、蓄熱槽に収容された蓄熱材からの吸着質の脱着、すなわち蓄熱槽の蓄熱運転に供される。本発明によれば、このように吸着質の脱着により蓄熱を行うため、吸着材に蓄えられた熱は時間経過によりロスすることがなく、同吸着材による吸着質の吸着、すなわち蓄熱槽の放熱運転により室内空気を除湿できる。換言すれば、二酸化炭素含有ガスから回収した熱を用いて、任意のタイミングで適切に需要部内の湿度管理を行うことができる。
【0012】
二酸化炭素含有ガス供給システムは、前記需要部内の室温を調整するための温調用配管を備えていてもよい。
本発明によれば、前記した需要部内の湿度管理に加え、需要部内の温度管理を適切に行うことができ、これにより需要部内の温度を生育対象の作物に適した温度に維持できる。
【0013】
なお、前記温調用配管を通流する熱媒としては、前記ボイラにより生成された温水を用いることができる。
このように熱媒として温水を用いることで、特に熱需要の大きな冬期/中間期の運転に際して、適切に需要部内の暖房(温度管理)を行うことができる。また、このようにボイラからの温水を熱媒として用いることで、温調用配管に通流させるための熱媒を新たに用意する必要がなく、システム運用に際しての資源やエネルギーの消費量削減を図ることができる。
【0014】
二酸化炭素含有ガス供給システムは、前記温調用配管を通流する熱媒を加熱するための第2の熱交換器を備えていてもよい。第2の熱交換器においては、前記放熱運転により除湿された後の室内空気と温調用配管を通流する熱媒の熱交換を行ってもよい。
本発明によれば、温調用配管を通流する熱媒との熱交換により除湿後の室内空気を冷却できるため、需要部内の雰囲気温度が過剰に上がることを抑制できる。またこの時、除湿後の室内空気との熱交換により温調用配管を通流する熱媒を加熱できるため、特に冬期/中間期の運転に際しての需要部内の暖房(温度管理)を、更に適切に行うことができる。
【0015】
二酸化炭素含有ガス供給システムは、前記温調用配管を通流する熱媒との熱交換により、前記熱交換器における前記二酸化炭素含有ガスとの熱交換前の前記外気を加熱する予熱用熱交換器を備えていてもよい。
本発明によれば、熱交換器における二酸化炭素含有ガスとの熱交換に先立って外気を予熱できる。これにより、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により蓄熱槽に導入する外気の温度をより高温にでき、同蓄熱槽における吸着材の乾燥(蓄熱運転)を更に効率的に行うことができる。
【0016】
二酸化炭素含有ガス供給システムは、前記二酸化炭素含有ガスから得た熱を蓄熱するための蓄熱用タンクと、前記二酸化炭素含有ガスを冷却するための冷却塔と、前記蓄熱用タンク及び前記冷却塔の少なくともいずれかとの間で循環される冷媒との熱交換により、前記需要部への供給前の前記二酸化炭素含有ガスを冷却する第3の熱交換器と、を備えていてもよい。
本発明によれば、需要部内に供給される二酸化炭素含有ガスの温度を更に低下させることができ、これにより、特に需要部内での熱需要が小さい夏期運転の効率を向上できる。
【0017】
なお、前記した第3の熱交換器は、前記二酸化炭素含有ガスの供給経路において、外気との熱交換を行う前記熱交換器の下流側に配置されることが望ましい。
本発明によれば、より高温の二酸化炭素含有ガスを熱交換器により回収し、蓄熱槽の蓄熱運転に供することができるため、当該蓄熱槽における蓄熱効率を向上できる。
【0018】
なお、前記温調用配管を通流する熱媒としては、前記冷却塔において生成された冷水を用いてもよい。
温調用配管を通流する熱媒として冷水を用いることで、特に冷熱需要の大きな夏期の運転に際して、需要部内の冷房(温度管理)を適切に行うことができる。また、冷却塔からの冷水を熱媒として用いることで、温調用配管に通流させるための熱媒を新たに用意する必要がなく、システム運用に際しての資源やエネルギーの消費量削減を図ることができる。
【0019】
また、前記蓄熱用タンクにおいて生成された温水を熱媒として前記温調用配管に通流させるようにしてもよい。
これにより、ボイラからの温水を熱媒として用いる場合と同様に、特に冬期/中間期に需要部内の暖房(温度管理)を適切に行うことができると共に、システム運用に係る資源やエネルギーの消費量削減を図ることができる。
【0020】
二酸化炭素含有ガス供給システムは、前記需要部内の二酸化炭素濃度及び温湿度を計測する計測手段と、制御手段と、を更に備えていてもよい。この時、前記制御手段は、前記計測手段による計測結果に基づいて、前記需要部内に導入する二酸化炭素含有ガスの風量及び温湿度を制御することが望ましい。
本発明によれば、需要部内の環境に基づいてシステム制御を行うため、温室内を生育対象の作物に適した環境により好適に維持でき、この結果、作物の品質や収量を向上できる。
【0021】
別な観点に係る本発明は、二酸化炭素含有ガスの需要部への二酸化炭素含有ガス供給方法であって、燃料の燃焼により二酸化炭素含有ガスを生成する工程と、導入した外気との熱交換により、前記需要部への供給前の前記二酸化炭素含有ガスを冷却する工程と、前記熱交換により冷却された前記二酸化炭素含有ガスを前記需要部内に供給する工程と、前記二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された前記外気を、吸着材を収容した蓄熱槽に導入して当該蓄熱槽の蓄熱運転を行う工程と、前記需要部からの室内空気を前記蓄熱槽に導入して当該蓄熱槽の放熱運転を行う工程と、前記放熱運転により除湿された前記室内空気を前記需要部内へ供給する工程と、を含むことを特徴としている。
【0022】
また、二酸化炭素含有ガス供給方法は、前記需要部内の二酸化炭素濃度及び温湿度を計測する工程を更に含んでいてもよい。この時、計測された前記需要部内の二酸化炭素濃度及び温湿度に基づいて、前記需要部内に導入する二酸化炭素含有ガスの風量及び温湿度を決定することが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、二酸化炭素含有ガスの需要部としての温室内への二酸化炭素含有ガスの供給に加え、同温室内の湿度管理が可能なシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施の形態にかかる二酸化炭素含有ガス供給システムの系統の概略を模式的に示した説明図である。
図2】吸着材を収容した蓄熱槽の構成の概略を示す説明図である。
図3】他の実施形態にかかる二酸化炭素含有ガス供給システムの系統の概略を模式的に示した説明図である。
図4】冬期/中間期の日中における二酸化炭素含有ガス供給システムの動作例を示す説明図である。
図5】冬期/中間期の日中における二酸化炭素含有ガス供給システムの他の動作例を示す説明図である。
図6】冬期/中間期の日中における二酸化炭素含有ガス供給システムの他の動作例を示す説明図である。
図7】冬期/中間期の夜間における二酸化炭素含有ガス供給システムの動作例を示す説明図である。
図8】夏期の日中における二酸化炭素含有ガス供給システムの動作例を示す説明図である。
図9】夏期の夜間における二酸化炭素含有ガス供給システムの動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施の形態にかかる二酸化炭素含有ガス供給システム1の系統の概略を模式的に示している。一実施形態において二酸化炭素含有ガス供給システム1は、温室10、ボイラ20、温湿度調整部30及び温度調整部40を備える。
【0026】
温室10は、植物工場やビニールハウス等の作物生産用施設であって、内部で作物等の生育(施設園芸)を行う。温室10には、内部供給管11、内部温調管12、温調用熱交換器13及び換気部14が設けられている。
【0027】
内部供給管11は、温室10内に後述するボイラ20からの二酸化炭素含有ガスを供給するための配管であって、上流側端部が後述する外部供給管21に接続され、下流側端部が温室10内における所望の位置に配置されている。
内部温調管12は、温室10内の温度調整をするための配管であって、一例において温室10に埋設され、後述する外部温調管22を介してボイラ20との間で熱媒としての温水や冷水を循環させることにより、地中から温室10内の温度を調整する。
温調用熱交換器13は、例えば内部温調管12を通流する熱媒との熱交換により、温室10の雰囲気を温度調整する。換言すれば、内部温調管12は、温調用熱交換器13において温室10内の空気との熱交換を行うための枝管12aに分岐されていてもよい。
一実施形態において換気部14は換気扇、開口部及び除湿器の少なくともいずれかを含み得る。換気部14は、例えば作物からの蒸発散や土壌表面からの水分蒸発、又は人為的な加湿等により高まった温室10内の湿度(相対湿度)を低下させる。
【0028】
なお、温調用熱交換器13に熱媒を供給するための枝管12aには、温調用熱交換器13に対する熱媒の通流を制御するための図示しないダンパが設けられていてもよい。
【0029】
ボイラ20は、供給された燃料を燃焼して、排ガスである高温の二酸化炭素含有ガスを排出する。ボイラ20に供給される燃料は、二酸化炭素含有ガスを生成できるものであれば、任意に選択できる。例えば、燃料としては重油や灯油などの液体燃料、又は天然ガスなどの気体燃料を選択し得る。ボイラ20で生成された二酸化炭素含有ガスは、外部供給管21及び内部供給管11を介して温室10内に供給される。
【0030】
二酸化炭素含有ガスの供給経路である外部供給管21には、温湿度調整部30の後述する第1の熱交換器31、送気手段21a、及び温度調整部40の後述する第3の熱交換器41が上流側からこの順に配置されている。
【0031】
一実施形態において送気手段21aはファンを含む。送気手段21aのファンは、インバータ制御されるファンであってもよい。送気手段21aは、入口側(ボイラ20側)に設けられた図示しないダンパを介して二酸化炭素含有ガスを導入し、導入した二酸化炭素含有ガスを、下流側に配置された第3の熱交換器41に向けて送風する。
【0032】
またボイラ20においては、前記した燃料の燃焼に際して温水が生成される。生成された温水は、外部温調管22を介して内部温調管12(温室10)との間で循環され、温室10内の温度調整に供される。
なお本実施形態においては、外部温調管22と内部温調管12が、本発明に係る「温調用配管」に相当する。
【0033】
熱媒の循環経路である外部温調管22には、循環手段22aが配置されている。一実施形態において循環手段22aはポンプを含む。循環手段22aのポンプは、インバータ制御されるポンプであってもよい。本実施形態において温調用配管には、この循環手段22aの作用により熱媒としての温水や冷水が循環される。
【0034】
温湿度調整部30は、第1の熱交換器31、蓄熱槽32、第2の熱交換器33、往路管34及び復路管35を備える。温湿度調整部30では、ボイラ20から供給される二酸化炭素含有ガスを冷却すると共に、温室10から供給される多湿空気RAの湿度を低下させる。
【0035】
第1の熱交換器31は、二酸化炭素含有ガスの供給経路である外部供給管21において、前記した送気手段21aの上流側に配置されている。第1の熱交換器31では、導入した外気OAとの熱交換により、ボイラ20から排出された温室10に供給される前の二酸化炭素含有ガスの温度を低下させる。
二酸化炭素含有ガスとの熱交換に供された外気OAは、少なくとも第1の熱交換器31へ導入する前の外気OAと比較して高温低湿の乾燥空気DAとして、外気導入管31aを介して後述の蓄熱槽32に導入される。
【0036】
一実施形態において外気導入管31aには、第1の熱交換器31へ外気OAを導入するための送気手段31cが接続されている。送気手段31cはファンを含む。送気手段31cのファンは、インバータ制御されるファンであってもよい。送気手段31cは、入口側から外気OAを導入し、導入した外気OAを、下流側に配置された第1の熱交換器31に向けて送風する。
【0037】
図2に示すように、蓄熱槽32は、通気性のある仕切り板で区画して吸着材Mを充填した充填部32aを有し、充填部32aの上流側及び下流側には、空間32b、32cが設けられている。上流側の空間32bには、外気導入管31aと往路管34が接続されている。下流側の空間32cには、外気排出管31bと復路管35が接続されている。
【0038】
なお、図2においては上流側の空間32bには、外気導入管31aと往路管34が合流された後に接続される場合、すなわち1本の管のみが空間32bに接続される場合を例に図示を行っているが、図1に示したように、外気導入管31aと往路管34は、独立して空間32bに接続されてもよい。同様に、上流側の空間32cには、図2に示すように外気排出管31bと復路管35を一の管として接続してその後に分岐させてもよいし、図1に示すように外気排出管31bと復路管35を独立して接続してもよい。
なお、以降の説明で用いる図面(図3図9)においては、説明の明瞭化のため、蓄熱槽32に対して外気導入管31a、往路管34、外気排出管31b及び復路管35が独立して接続される場合を例に図示を行っている。
【0039】
蓄熱槽32に接続された外気導入管31a、外気排出管31b、往路管34及び復路管35には、図2に示したように、各々に対応するダンパd1~d4が設けられている。温湿度調整部30では、これらダンパd1~d4の開閉を制御することで、蓄熱槽32に対する乾燥空気DAや後述する多湿空気RAの導入が制御される。なお、これらダンパd1~d4については、例えば制御が容易なモーターダンパが用いられ得る。
【0040】
また、温室10からの多湿空気RAを蓄熱槽32に導入する往路管34には、送気手段34aが設けられている。
一実施形態において送気手段34aはファンを含む。送気手段34aのファンは、インバータ制御されるファンであってもよい。送気手段34aは、入口側(温室10側)に設けられた図示しないダンパを介して多湿空気RAを導入し、導入した多湿空気RAを、下流側に配置された蓄熱槽32に向けて送風する。
【0041】
一実施形態において、充填部32aに充填される吸着材Mとしては、例えば造粒された吸着材を使用できる。この吸着材Mには、例えばシリカゲルやゼオライト等の吸着質を吸着することで発熱する公知の吸着材を用いることができ、通風抵抗や熱/物質伝達など、所望の性能を有する吸着材の造粒体を、蓄熱機能を有する吸着材として用いることができる。かかる場合、非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性粘土からなる複合体、例えばハスクレイ(登録商標)や高分子収着剤の低温再生型吸着材、或いは、従来の吸着材(シリカゲルやゼオライト等)を吸着材Mとして適用できる。
【0042】
蓄熱槽32では、外気導入管31aを介して導入される乾燥空気DAにより吸着材Mからの吸着質の脱着、すなわち蓄熱運転を行う。蓄熱槽32の蓄熱運転に供された乾燥空気DAは、外気排出管31bを介して蓄熱槽32の外部に排出される。
また蓄熱槽32では、往路管34を介して温室10から導入される多湿空気RAにより吸着材Mへの吸着質の吸着、すなわち放熱運転を行う。蓄熱槽32の放熱運転に供された多湿空気RAは、当該放熱運転に伴う吸着材Mの発熱及び吸着材Mへの吸着質の吸着により加熱及び乾燥され、少なくとも多湿空気RAよりも高温低湿の低湿空気SAとして温室10へと供給される。
【0043】
第2の熱交換器33は、蓄熱槽32からの低湿空気SAの供給経路上、すなわち復路管35に配置されている。第2の熱交換器33では、例えば外部温調管22を通流する熱媒との熱交換により、蓄熱槽32から導出された高温の低湿空気SAの温度を低下させる。換言すれば、外部温調管22は、第2の熱交換器33において低湿空気SAとの熱交換を行うための枝管22bに分岐されていてもよい。
【0044】
なお、外部温調管22における枝管22bとの分岐部分には、第2の熱交換器33に対する熱媒の通流を制御するための図示しないダンパが設けられていてもよい。このダンパの開閉により、外部温調管22を循環する熱媒を第2の熱交換器33を介して温室10へと供給するか、又は第2の熱交換器33を介さずに温室10へと供給するかを選択できる。
【0045】
温度調整部40は、第3の熱交換器41、冷媒管42、ヒートストレージ43、冷却塔44を備える。温度調整部40では、ボイラ20から供給される二酸化炭素含有ガスを冷却する。
【0046】
第3の熱交換器41は、二酸化炭素含有ガスの供給経路である外部供給管21において、前記した送気手段21aの下流側に配置されている。換言すれば、温度調整部40は温湿度調整部30の下流側に配置される。また第3の熱交換器41は、冷媒管42を介して後述するヒートストレージ43及び冷却塔44と接続され、これらヒートストレージ43、冷却塔44との間で冷媒を循環可能に構成されている。
【0047】
第3の熱交換器41では、冷媒管42の内部を循環する冷媒との熱交換により、ボイラ20から排出された二酸化炭素含有ガスの温度を低下させる。より具体的には、温室10に供給する二酸化炭素含有ガスの除湿が必要ない場合(温湿度調整部30を動作する必要がない場合)に、ボイラ20からの二酸化炭素含有ガスの温度を低下させる。第3の熱交換器41において冷却された二酸化炭素含有ガスは、その後、温室10に供給される。
第3の熱交換器41により二酸化炭素含有ガスから回収された熱は、後述するように冷媒管42を介してヒートストレージ43に送られ、該ヒートストレージ43に蓄熱される。
【0048】
ただし、第3の熱交換器41は、温室10に供給する二酸化炭素含有ガスの除湿が必要ない場合に限らず、ボイラ20から排出され、第1の熱交換器31による冷却後の二酸化炭素含有ガスの温度を更に低下させたい場合においても、用いられてもよい。
【0049】
冷媒の循環経路である冷媒管42には、循環手段42aが配置されている。一実施形態において循環手段42aはポンプを含む。循環手段42aのポンプは、インバータ制御されるポンプであってもよい。本実施形態において温度調整部40では、この循環手段42aの作用により冷媒管42内に冷媒が循環される。
【0050】
ヒートストレージ43は、上記したように、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された冷媒を導入することで、当該ヒートストレージ43内に収容された蓄熱材(例えば水)に二酸化炭素含有ガスから得られた熱を蓄える。
なお、ヒートストレージ43における蓄熱方法は特に限定されず、すなわち顕熱蓄熱が行われてもよいし、潜熱蓄熱が行われてもよい。
【0051】
またヒートストレージ43は、接続配管43aを介して温調用配管としての外部温調管22に接続されている。接続配管43aには図示しないダンパが設けられており、外部温調管22に対する接続配管43aの接続を任意に切り替え可能に構成されている。
ヒートストレージ43では、図示しないダンパの開放により接続配管43aを外部温調管22と接続させることで温室10との間で熱媒を循環させることができ、これにより蓄熱材に蓄えた熱により熱媒の加熱を行うことができる。
【0052】
冷却塔44は、冷媒の循環経路である冷媒管42において、ヒートストレージ43の下流側に配置される。冷却塔44では、第3の熱交換器41における二酸化炭素含有ガスとの熱交換、及びヒートストレージ43における蓄熱材への蓄熱に供されて温度が上昇した冷媒を冷却する。
冷却塔44で冷却された冷媒は、冷媒管42を介して、第3の熱交換器41へと再度供給され、二酸化炭素含有ガスの冷却に供される。
【0053】
また冷却塔44は、接続配管44aを介して温調用配管としての外部温調管22に接続されている。接続配管44aには図示しないダンパが設けられており、外部温調管22に対する接続配管44aの接続を任意に切り替え可能に構成されている。
そして冷却塔44では、図示しないダンパの開放により接続配管44aを外部温調管22と接続させることで温室10との間で熱媒としての冷水を循環させることができ、温室10の内部温度を低下させることができる。
【0054】
なお、このように冷却塔44からの冷水を温調用配管に循環させる場合、換言すれば、温調用配管に冷水系統を接続する場合には、当該温調用配管は、ボイラ20や第2の熱交換器33などの温水系統とは流体的に分離されることが望ましい。この温水系統と冷水系統との切換えは、例えば、図示しないダンパの開閉により実現し得る。
【0055】
また冷媒管42には、ヒートストレージ43及び/又は冷却塔44に対する冷媒の通流を制御するための図示しないダンパが更に設けられていてもよい。このダンパの開閉により、冷媒管42を循環する冷媒をヒートストレージ43と冷却塔44の両方に循環させるか、又は、これらのうちいずれか一方のみに循環させるかを選択できる。
【0056】
以上のように構成された二酸化炭素含有ガス供給システム1には制御手段2が設けられていてもよい。制御手段2は二酸化炭素含有ガス供給システム1と一体に構成されていてもよいし、又は二酸化炭素含有ガス供給システム1を遠隔で制御可能に構成されてもよい。制御手段2は、一例として、二酸化炭素含有ガス供給システム1が備える各種ダンパ、送気手段、循環手段の動作を個別に制御し得る。また制御手段2は、一例として、図示しない計測手段により計測された温室10の内部環境(例えば内部温度、内部湿度や二酸化炭素濃度)に基づいて、二酸化炭素含有ガス供給システム1が備える各種要素の動作を制御し、温室10に供給する二酸化炭素含有ガスの風量や温度、熱媒の温度や流量等を適宜変更可能に構成されてもよい。
【0057】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0058】
例えば、上記実施形態においてはボイラ20が排ガス(二酸化炭素含有ガス)と同時に温水を生成可能な温水ボイラである場合を例に説明を行った。しかしながら、ボイラ20に代えて、少なくとも二酸化炭素含有ガスを生成、供給できる装置が接続されてもよい。この場合、ボイラ20で生成される温水を温調用配管に循環させることに代え、他の熱媒供給手段を用いて温調用配管に熱媒を循環、又は供給してもよい。
【0059】
例えば、上記実施形態においては、第1の熱交換器31においてボイラ20からの二酸化炭素含有ガスと外気OAとの熱交換を行ったが、二酸化炭素含有ガスとの熱交換は必ずしも外気OAと行われる必要はない。すなわち、少なくともボイラ20からの二酸化炭素含有ガスよりも低温であり、当該二酸化炭素含有ガスとの熱交換後に蓄熱槽32の蓄熱運転に供することができれば、例えば工場用力や、その他の排ガスが用いられてもよい。
【0060】
例えば、上記実施形態においては、二酸化炭素含有ガスの供給経路である外部供給管21に、温湿度調整部30(第1の熱交換器31)と温度調整部40(第3の熱交換器41)を上流側からこの順に配置したが、温度調整部40を温湿度調整部30の上流側に配置することも可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態においては温湿度調整部30において蓄熱槽32を1つのみ配置したが、ボイラ20から供給される二酸化炭素含有ガスの温度に応じ、蓄熱槽32の数は適宜変更可能である。この時、複数の蓄熱槽32は、二酸化炭素含有ガスの供給経路である外部供給管21に対して直列に接続されてもよいし、並列に接続されてもよい。
【0062】
更に例えば、上記実施形態においては、蓄熱槽32に導入される外気OAをボイラ20からの二酸化炭素含有ガスとのみ熱交換させたが、図3に示すように、蓄熱槽32に対する外気OAの供給経路(外気導入管31a)における熱交換器31の上流側に予熱用熱交換器50を設けてもよい。
二酸化炭素含有ガスとの熱交換に先立って、温調用配管を循環する熱媒と外気OAの熱交換を行うことで、蓄熱槽32に導入する二酸化炭素含有ガスとの熱交換後の乾燥空気DAを高温化することができ、蓄熱槽32における吸着材Mの蓄熱密度を大きくできる。
また後述のように、特に夏期運転に際しては温調用配管を循環する熱媒としての冷水と外気OAの熱交換を行うことで、第1の熱交換器31に導入する外気OAを低温化することができ、温室10に供給する二酸化炭素含有ガスの温度を低下できる。
【0063】
本実施形態に係る二酸化炭素含有ガス供給システム1は、以上のように構成されている。次に、上記した二酸化炭素含有ガス供給システム1の季節別、時間別の制御例について、図を参照して説明する。
【0064】
<冬期/中間期の日中における制御例>
図4は、冬期/中間期の日中における二酸化炭素含有ガス供給システム1の動作例を示す概略図である。なお、図4においては、黒抜き部及び太線部が稼働部を表し、白抜き部及び細線部が非稼働部を表す。
二酸化炭素含有ガス供給システム1では、温室10内の作物が光合成を行う日中においては、蓄熱槽32の蓄熱運転を行うと共に、温室10内へ二酸化炭素含有ガスを供給する。
【0065】
具体的には、先ず、ボイラ20に燃料を供給し、燃焼させることで、二酸化炭素含有ガス及び温水を生成する。
生成された二酸化炭素含有ガスは、外部供給管21及び内部供給管11を介して温室10へと供給され、これにより温室10内での作物の光合成を促進する。なお、温室10内の二酸化炭素濃度は、一例において大気中濃度の約3倍(1000~1200ppm程度)に制御されることが望ましい。過剰分の二酸化炭素含有ガスは、外部供給管21に接続された図示しない排気管を介して温室10の外部に排出され得る。
また、生成された温水は、日中において外気温が高く温室10の内部温度を上昇させる必要がない場合には、温室10内に循環させる必要はなく、外部温調管22に接続された図示しない排出管を介して温室10の外部に排出され得る。一方、例えば雨天等の外気温が低い場合で、温室10の内部を暖房する必要がある場合には、ボイラ20からの温水を熱媒として温室10との間で循環させてもよい。
【0066】
ここで、ボイラ20からは、燃料の燃焼により高温の二酸化炭素含有ガスが排出されるが、この高温の二酸化炭素含有ガスをそのまま温室10へと供給した場合、温室10の内部温度が過剰に上昇するおそれがある。これにより温室10の内部温度が生育対象の作物の適正温度を超えた場合、例えば作物の光合成能力の低下や呼吸量の増加を引き起こし、この結果、作物の品質や収量が低下するおそれがある。
【0067】
そこで本実施形態に係る二酸化炭素含有ガス供給システム1では、温湿度調整部30を用いて二酸化炭素含有ガスの温度を低下させた後、温室10内へ当該二酸化炭素含有ガスを供給する。
【0068】
具体的には、ボイラ20から排出された高温の二酸化炭素含有ガスは、温湿度調整部30の第1の熱交換器31において、少なくともボイラ20からの二酸化炭素含有ガスと比較して低温の外気OAと熱交換される。この外気OAとの熱交換により二酸化炭素含有ガスが冷却される。
【0069】
そして、第1の熱交換器31により冷却された二酸化炭素含有ガスは温室10へと供給され、作物の光合成に供される。
【0070】
なお、第1の熱交換器31により冷却された二酸化炭素含有ガスが、例えば温室10に供給できる程度まで冷却されていない場合には、図5に示すように、温度調整部40の第3の熱交換器41において更に二酸化炭素含有ガスを冷却してもよい。第3の熱交換器41における冷媒による二酸化炭素含有ガスの冷却量、換言すれば第3の熱交換器41に導入される冷媒の温度は、一例として、図示しない計測手段により取得された第1の熱交換器31による冷却後の二酸化炭素含有ガスの温度と、温室10に供給する二酸化炭素含有ガスの目標温度(又は温室10の内部温度)との差分に基づいて決定されてもよい。第3の熱交換器41に導入される冷媒の温度、換言すれば冷却塔44による冷媒の冷却能力は、例えば制御手段2により制御され得る。
【0071】
第1の熱交換器31における高温の二酸化炭素含有ガスとの熱交換に供された外気OAは、かかる熱交換により加熱及び除湿され、少なくとも第1の熱交換器31に導入する前の外気OAと比較して高温低湿の乾燥空気DAとして蓄熱槽32に導入される。
【0072】
蓄熱槽32では、乾燥空気DAの導入により蓄熱運転が行われる。具体的に蓄熱槽32では、外気導入管31a及び外気排出管31bに対応するダンパd1、d2(図2を参照)を開放、往路管34及び復路管35に対応するダンパd3、d4を閉止する。これによって第1の熱交換器31からの乾燥空気DAは、蓄熱槽32の空間32cから充填部32aへと送られ、充填部32aに充填されている吸着材Mを通過し、乾燥空気DAよりも低温高湿の排出空気として空間32bから外気排出管31bを通って排出される。この時、高温低湿の乾燥空気DAによって吸着材Mから水分(吸着質)が脱着され、これにより吸着材Mが再生され、蓄熱槽32の放熱運転が可能になる。
【0073】
第3の熱交換器41において二酸化炭素含有ガスの冷却を行う場合において、第3の熱交換器41における二酸化炭素含有ガスとの熱交換に供された冷媒は、かかる熱交換により加熱された後、ヒートストレージ43、冷却塔44にこの順で循環される。
ヒートストレージ43では、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により得た熱を、当該ヒートストレージ43に収容された蓄熱材(例えば水)に蓄熱する。
冷却塔44では、導入された冷媒の再冷却を行い、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により得た熱を廃棄する。
【0074】
なお、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により得た熱が小さい場合、ヒートストレージ43への冷媒の供給は適宜省略されてもよく、この場合、第3の熱交換器からの冷媒は冷却塔44のみに循環されてもよい。
【0075】
また、本実施形態に係る二酸化炭素含有ガス供給システム1では、このように温室10内の除湿を行う必要がなく、且つ、同温室10内に供給する二酸化炭素含有ガスの冷却を行いたい場合には、図4に示した温湿度調整部30の第1の熱交換器31による二酸化炭素含有ガスの冷却に代え、図6に示すように、温度調整部40の第3の熱交換器41のみを用いて二酸化炭素含有ガスの冷却を行ってもよい。
この場合、第3の熱交換器41における二酸化炭素含有ガスとの熱交換に供された冷媒は、かかる熱交換により加熱された後、ヒートストレージ43に循環され、該ヒートストレージ43において、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により得た熱を蓄熱材(例えば水)に蓄熱する。
かかる温度調整部40の第3の熱交換器41のみを用いた二酸化炭素含有ガスの冷却は、例えば蓄熱槽32において吸着材Mに対する蓄熱が十分に行われた状態で行われる。
【0076】
本実施形態によれば、このようにボイラ20から温室10への二酸化炭素含有ガスの供給経路(外部供給管21)上に温湿度調整部30を設けることで、温室10への供給前の二酸化炭素含有ガスを冷却する。これにより、二酸化炭素含有ガスの供給により温室10の内部温度が過剰に上昇することが抑制され、この結果、作物の品質や収量の低下を抑制できる。
【0077】
また本発明によれば、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された外気OAが、吸着材Mを収容した蓄熱槽32の蓄熱運転、すなわち吸着材Mからの吸着質の脱着に供される。
従来、二酸化炭素含有ガスから得た熱は、例えばヒートストレージ43において蓄熱材に蓄熱していたが、この場合、時間経過に伴う放熱ロスが発生するという問題があった。
この点本発明では、二酸化炭素含有ガスから得た熱を吸着材Mからの吸着質の脱着という形で蓄熱することで従来のような放熱ロスをなくすことができ、時間や季節を超えた長期的な蓄熱を行うことができる。また、蓄熱槽32に収容する吸着材Mとして蓄熱密度の大きな材料を選定することで、従来と比較して二酸化炭素含有ガスからより多くの熱を蓄えることができる。
【0078】
また本実施形態によれば、二酸化炭素含有ガスの供給経路(外部供給管21)上に温度調整部40を更に設けることで、例えば温湿度調整部30により二酸化炭素含有ガスを十分に冷却できない場合、又は蓄熱槽32に収容する吸着材Mへの蓄熱が完全に進行した後であっても、温室10への供給前の二酸化炭素含有ガスを適切に冷却できる。
【0079】
<冬期/中間期の夜間における制御例>
図7は、冬期/中間期の夜間における二酸化炭素含有ガス供給システム1の動作例を示す概略図である。二酸化炭素含有ガス供給システム1では、温室10内の作物が光合成を行わない夜間においては、蓄熱槽32の放熱運転により温室10内の除湿、及び温室10内への熱の供給を行う。
【0080】
ここで、作物が光合成を行わない夜間においては、温室10内では、外気温の低下に伴う内部温度の低下、作物の呼吸等に伴う湿度の上昇が進行する。上記したように、温室10の内部湿度が過剰に上昇した場合、例えば作物の呼吸に影響を及ぼすおそれや、害虫や病原菌の繁殖の原因となるおそれがある。
【0081】
そこで本実施形態においては、先ず、ボイラ20への燃料の供給を停止し、温室10への二酸化炭素含有ガス及びボイラ20からの温水の供給を停止する。
次に、往路管34の送気手段34aを作動させ、当該往路管34を介して、温室10の湿度が上昇した多湿空気RAを蓄熱槽32へと導入する。
【0082】
蓄熱槽32では、多湿空気RAの導入により放熱運転が行われる。具体的に蓄熱槽32では、外気導入管31a及び外気排出管31bに対応するダンパd1、d2を閉止、往路管34及び復路管35に対応するダンパd3、d4を開放する。これによって送気手段34aからの多湿空気RAは、蓄熱槽32の空間32bから充填部32aへと送られ、充填部32aに充填されている吸着材Mを通過する。この時、多湿空気RA中の水分(吸着質)が吸着材Mに吸着され、これにより吸着材Mが発熱して、多湿空気RAよりも高温低湿の低湿空気SAとして、空間32cから復路管35へ導出される。これにより吸着材Mが乾燥され、蓄熱槽32においては、外気導入管31aから乾燥空気DAを再度導入することで蓄熱運転が可能である。
【0083】
蓄熱槽32から導出された高温の低湿空気SAは、次に、第2の熱交換器33へと導入される。上記したように、温室10に高温の空気が導入され、内部温度が過剰に上昇した場合、これにより作物に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで本実施形態に係る温湿度調整部30では、蓄熱槽32から導出された高温の低湿空気SAを、温調用配管を循環する熱媒との熱交換により冷却し、温度を低下させた後に温室10の内部へと供給する。
【0084】
第2の熱交換器33における高温の低湿空気SAとの熱交換に供された熱媒は、かかる熱交換により加熱され、これにより温水が生成される。次いで、低湿空気SAとの熱交換により生成された温水は、枝管22b及び外部温調管22を介して内部温調管12へと導入され、温室10の温度調節に供される。
【0085】
内部温調管12に導入された温水は、当該内部温調管12を通流することで温室10の内部を地中から調整してもよいし、又は、枝管12aを介して温調用熱交換器13に導入されることで、温室10の室内空気との熱交換により温度調整をしてもよい。
なお、温室10の内部温度を上昇させる必要がない場合、すなわち温室10の内部が十分に暖かい場合には、生成された温水は外部温調管22に接続された図示しない排出管を介して温室10の外部に排出され得る。
一方、温室10の内部温度を更に上昇させる必要がある場合、すなわち温室10の蓄熱槽32の放熱運転のみによっては温室10の充分な温調効果を得られない場合には、ヒートストレージ43に蓄えられた熱を用いて温調用配管を通流する熱媒の更なる加熱を行ってもよい。
【0086】
本実施形態によれば、日中にボイラ20からの排ガスである高温の二酸化炭素含有ガスを用いて蓄熱運転を行った蓄熱槽32を、温室10内の多湿空気RAを用いて放熱運転させる。蓄熱槽32の放熱運転に供された多湿空気RAは、蓄熱槽32に収容された吸着材Mの放熱により加熱及び除湿され、低湿空気SAとして温室10内へと戻される。これにより、温室10内の空気が多湿空気RAから低湿空気SAへと換気され、この結果、温室10内の絶対湿度を低下できる。
【0087】
また本実施形態によれば、蓄熱槽32の放熱運転により生成された熱を、高温の低湿空気SAとの熱交換により、温調用配管を循環する熱媒の加熱に利用する。これにより、日中に二酸化炭素含有ガスから得た熱を利用して、夜間に温室10内の温度を調整できる。
【0088】
本実施形態によれば、このように夜間においてはボイラ20を稼働させることなく、日中の蓄熱運転により吸着材Mに蓄えた熱のみを用いて、温室10内の温度管理(温水供給)に加え、湿度管理(除湿)を更に行うことができる。また、このように夜間にボイラ20を稼働させる必要がないため、従来と比較してボイラ20における燃料の使用量を削減できる。
【0089】
<夏期の日中における制御例>
続いて、夏期における二酸化炭素含有ガス供給システム1の制御例について説明する。図8は、夏期の日中における二酸化炭素含有ガス供給システム1の動作例を示す概略図である。なお、以下の夏期の制御例に係る説明においては、冬期/中間期と実質的に同一の制御については、詳細な説明を省略する。
【0090】
先ず、ボイラ20に燃料を供給し、燃焼させることで、二酸化炭素含有ガスを生成する。
生成された二酸化炭素含有ガスは、外部供給管21及び内部供給管11を介して温室10へと供給され、これにより温室10内での作物の光合成を促進する。この時、ボイラ20で生成される二酸化炭素含有ガスは高温であるため、冬期/中間期の運転と同様に、温湿度調整部30を用いて二酸化炭素含有ガスの温度を低下させた後、温室10内へ当該二酸化炭素含有ガスを供給する。
また、第1の熱交換器31における高温の二酸化炭素含有ガスとの熱交換に供された外気OAは、かかる熱交換により加熱及び除湿され、蓄熱槽32の蓄熱運転に供される。
【0091】
なお、夏期運転に際しては外気温が高く、温室10内に温水を循環させる必要がない。そこで、ボイラ20において生成された温水は、外部温調管22に接続された図示しない排出管を介して温室10の外部に排出し得る。
またこのような夏期運転に際しては、上記したように温室10に熱媒としての温水を循環させない場合であっても、外気温に起因して温室10の室内温度が生育対象の作物の適正温度を超えてしまうおそれがある。
そこで本実施形態に係る二酸化炭素含有ガス供給システム1の夏期運転に際しては、ボイラ20からの温水に代えて、冷却塔44からの冷水を熱媒として温調用配管に循環させる。ボイラ20を含む温水系統と冷却塔44を含む冷水系統との接続切替は、上記したように図示しないダンパの開閉により行い得る。
【0092】
本実施形態によれば、二酸化炭素含有ガス供給システム1の夏期運転に際しても、冬期/中間期の運転と同様に温室10に二酸化炭素含有ガスを供給し、作物の光合成を促進できる。またこの時、二酸化炭素含有ガスとの熱交換により加熱された外気OAにより、適切に蓄熱槽32の蓄熱運転を行うことができる。
【0093】
また本実施形態にかかる夏期運転に際しては、ボイラ20からの温水に代えて、冷却塔44からの冷水を熱媒として温調用配管に循環させる。これにより、外気温の高い夏期運転に際しても温室10内の温度を低下させ、適切に作物の適正温度に維持できる。
【0094】
なお上記したように、二酸化炭素含有ガス供給システム1の夏期運転に際しては、熱媒としての温水を温室10(内部温調管12)に循環させる必要がない。換言すれば、温調用配管を循環する熱媒を加熱する必要がない。
かかる観点から、上記したヒートストレージ43での放熱ロスを鑑み、夏期運転に際しては温度調整部40の冷媒管42を循環する冷媒をヒートストレージ43には供給せず、冷却塔44のみに循環させるようにしてもよい。温度調整部40における冷媒の循環経路は、上記したように図示しないダンパの開閉動作により制御し得る。
【0095】
なお、図示は省略するが、第1の熱交換器31により冷却された二酸化炭素含有ガスが例えば温室10に供給できる程度まで冷却されていない場合には、図5に示した例と同様に、ボイラ20からの二酸化炭素含有ガスを温度調整部40の第3の熱交換器41において更に冷却してもよい。
【0096】
<夏期の夜間における制御例>
図9は、夏期の夜間における二酸化炭素含有ガス供給システム1の動作例を示す概略図である。なお、以下の夏期の制御例に係る説明においては、冬期/中間期と実質的に同一の制御については、詳細な説明を省略する。
【0097】
先ず、ボイラ20への燃料の供給を停止し、温室10への二酸化炭素含有ガスの供給を停止する。
次に、往路管34の送気手段34aを作動させ、当該往路管34を介して、温室10から湿度が上昇した多湿空気RAを蓄熱槽32へと導入する。蓄熱槽32では、温室10からの多湿空気RAにより放熱運転が進行する。
蓄熱槽32の放熱運転により加熱及び除湿された低湿空気SAは、第2の熱交換器33における温調用配管を循環する熱媒との熱交換により冷却され、温室10へと戻される。
【0098】
ここで、夏期の夜間運転に際しても、第2の熱交換器33での低湿空気SAとの熱交換により温水が生成されるが、上記したように、夏期においては外気温に影響して温室10の室内温度が生育対象の作物の適正温度を超えてしまうおそれがある。
そこで、上記した夏期日中の運転と同様、夏期の夜間運転に際しても、ボイラ20からの温水に代えて、冷却塔44からの冷水を熱媒として温調用配管に循環させ、この冷水により熱媒の冷却、及び温室10の冷房を行うようにしてもよい。
【0099】
本実施形態によれば、二酸化炭素含有ガス供給システム1の夏期の夜間運転に際しても、冬期/中間期の夜間運転と同様に、蓄熱槽32の放熱運転により温室10の空気を多湿空気RAから低湿空気SAへと換気でき、この結果、温室10内の絶対湿度を低下できる。
【0100】
また本実施形態によれば、日中運転と同様に、温調用配管にボイラ20からの温水に代えて冷却塔44からの冷水を循環させる。これにより、外気温の高い夏期運転に際しても温室10内の温度を低下させ、適切に作物の適正温度に維持できる。
【0101】
また本実施形態によれば、このように夜間においてはボイラ20を稼働させることなく、日中の蓄熱運転により吸着材Mに蓄えた熱のみを用いて、温室10内の湿度管理(除湿)を行うことができるとともに、従来と比較してボイラ20における燃料の使用量を削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、施設園芸における温室内の温湿度管理に供される二酸化炭素含有ガス供給システムに有用である。
ただし、本発明に係る二酸化炭素含有ガス供給システム1が適用されるのは上記した施設園芸における温室には限られず、二酸化炭素含有ガスを種々の目的で利用する各種需要部において適用できる。二酸化炭素含有ガスの利用方法としては、例えば、上記した農業利用の他、藻類育成利用、化学製品(微生物反応、メタネーション化)への利用、酸素・ギ酸(人口光合成)への利用、コンクリート製造への利用、ドライアイス製造への利用、アーク溶接への利用などが考えられる。
すなわち本発明に係る二酸化炭素含有ガス供給システムは、二酸化炭素含有ガスの需要部としての、施設園芸における温室、化学プラント、化学実験施設、人口光合成施設、コンクリート製造施設、ドライアイス製造施設及びアーク溶接現場、等においても有用である。
【符号の説明】
【0103】
1 二酸化炭素含有ガス供給システム
2 制御手段
10 温室
20 ボイラ
30 温湿度調整部
31 第1の熱交換器
32 蓄熱槽
33 第2の熱交換器
34 往路管
35 復路管
40 温度調整部
41 第3の熱交換器
43 ヒートストレージ
44 冷却塔
50 予熱用熱交換器
DA 乾燥空気
M 吸着材
OA 外気
RA 多湿空気
SA 低湿空気
図1
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図9