(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183794
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 1/18 20060101AFI20231221BHJP
E06B 1/32 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
E06B1/18 S
E06B1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097522
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桐野 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 知可
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 岳宏
(72)【発明者】
【氏名】小俣 貴寛
(72)【発明者】
【氏名】山本 理絵
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011CA01
2E011CA06
2E011CB01
2E011CC03
(57)【要約】
【課題】外気や室外の水が室内側に進入する事態を招来することなく部品の大型化に起因した問題を防止すること。
【解決手段】上枠13の樹脂形材90は、上内方見付け板部82の室内に臨む見付け面を覆うことにより内方側の上横レール13Bの樹脂レール部を構成する上内レール用カバー部92及び上内レール用内方カバー部100に継ぎ目101を有し、上内レール用カバー部92から室内側の上額縁カバー部94までの間が一体に成形された内方上樹脂成形体90Aと、上内レール用内方カバー部100から室外側の上外レール用内方カバー部97までの間が一体に成形された外方上樹脂成形体90Bとを備えて構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の縦枠、上枠、下枠が四周組された枠体と、前記上枠の延在方向にスライドする状態で前記枠体に配設した室内側の内障子及び室外側の外障子とを備える建具であって、
前記上枠は、金属によって成形された金属形材及び樹脂によって成形された樹脂形材を備え、
前記上枠には、前記内障子のスライドを案内する内方側の横レールと、前記外障子のスライドを案内する外方側の横レールとが設けられ、前記横レールは、前記金属形材に設けられた金属レール部と、前記樹脂形材に設けられた樹脂レール部とを備えて構成され、
前記上枠の樹脂形材は、前記外方側の横レールの室内に臨む見付け面から室内側までの間において前記金属形材を覆うように設けられ、かつ前記内方側の横レールの内周側となる部分から室内側の端縁までの間の位置において室内外に分割されていることを特徴とする建具。
【請求項2】
前記上枠の金属形材は、
前記内方側の横レールの前記金属レール部を構成する第1金属部と、
前記第1金属部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在する第2金属部と、
前記外方側の横レールの前記金属レール部を構成する第3金属部と、
前記第3金属部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在するとともに前記第1金属部の外周側となる部分に連結される第4金属部と
を有し、
前記上枠の樹脂形材は、
前記第1金属部の室内に臨む見付け面を覆うことにより前記内方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第1カバー部と、
前記第1カバー部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在することにより前記第2金属部を覆う第2カバー部と、
前記第2カバー部の室内側に位置する縁部から内周側に向けて延在する第3カバー部と、
前記第3カバー部の延在縁部から室内側に向けて延在する第4カバー部と、
前記第3金属部の室内に臨む見付け面を覆うことにより前記外方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第5カバー部と、
前記第5カバー部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在することにより前記第4金属部を覆う第6カバー部と、
前記第6カバー部の延在縁部から内周側に延在して前記第1金属部の室外に臨む見付け面を覆うことにより前記内方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第7カバー部と、
前記第7カバー部の内周側に位置する縁部から室内側に向けて延在して前記第1金属部の内周側となる表面を覆うとともに前記第1カバー部の内周側となる部分に連結されることにより前記内方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第8カバー部と
を有し、かつ前記第8カバー部から前記第2カバー部までの間において室内外に分割され、少なくとも分割された位置から前記第5カバー部までの間が一体に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記上枠の樹脂形材には、前記第4カバー部の内周側となる見込み面から内周側に向けて突出するように第9カバー部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記上枠の樹脂形材は、前記第1カバー部の中間部において分割され、
前記第9カバー部は、分割された位置よりも内周側となる位置まで突出されていることを特徴とする請求項3に記載の建具。
【請求項5】
前記内障子には、前記第1カバー部の室内に臨む表面に当接するようにタイト材が設けられ、
前記第1カバー部は、前記タイト材の当接位置よりも外周側となる部分において分割されていることを特徴とする請求項4に記載の建具。
【請求項6】
前記内障子には、前記第7カバー部に当接するようにタイト材が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項5に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性を考慮した建具に関する。
【背景技術】
【0002】
枠体に内障子及び外障子を備えた引き違い窓や片引き窓等の建具には、断熱性を考慮して、アルミニウム合金等の金属によって成形された金属形材と、樹脂によって成形された樹脂形材とによって枠体を構成するようにしたものがある。この種の建具では、上枠において室外側のレールの室内に臨む見付け面から室内側となる部分までの間を樹脂形材によって覆い、室内側から見た場合に金属形材が外部に露出しないようにすることで外観品質を向上させるようにしたものもある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-70943号公報
【特許文献2】特開2013-87562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の建具のように、室外側のレールの室内に臨む見付け面から室外側となる部分までの間を一体の樹脂形材によって覆うようにしたものでは、部品が大型化するため取り扱いが煩雑となる懸念がある。また、部品が大型化した場合には、成形誤差の影響も大きくなり、組み立てる際の作業性が煩雑化するおそれもある。
【0005】
一方、特許文献2に記載の建具のように、室外側のレールの室内に臨む見付け面からレールの相互間を覆う樹脂形材の室外側部分と、室内側のレールの室内に臨む見付け面から室内側となる部分までの間を覆う樹脂形材の室内側部分とに分割すれば、部品の大型化に起因した上述の問題を防ぐことが可能となる。しかしながら、内障子側においては、樹脂形材の室外側部分と金属形材との接合面が室外に露出した状態となる。このため、これら樹脂形材と金属形材との隙間から外気や室外の水が室内側に進入する事態が生じ得る。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、外気や室外の水が室内側に進入する事態を招来することなく部品の大型化に起因した問題を防止することのできる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、左右の縦枠、上枠、下枠が四周組された枠体と、前記上枠の延在方向にスライドする状態で前記枠体に配設した室内側の内障子及び室外側の外障子とを備える建具であって、前記上枠は、金属によって成形された金属形材及び樹脂によって成形された樹脂形材を備え、前記上枠には、前記内障子のスライドを案内する内方側の横レールと、前記外障子のスライドを案内する外方側の横レールとが設けられ、前記横レールは、前記金属形材に設けられた金属レール部と、前記樹脂形材に設けられた樹脂レール部とを備えて構成され、前記上枠の樹脂形材は、前記外方側の横レールの室内に臨む見付け面から室内側までの間において前記金属形材を覆うように設けられ、かつ前記内方側の横レールの内周側となる部分から室内側の端縁までの間の位置において室内外に分割されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、樹脂形材が室内外に分割された構成であるため、部品の大型化に起因して取り扱いが煩雑となったり、組立作業が煩雑化するおそれがない。しかも、樹脂形材の継ぎ目が外方側の横レールから内方側の横レールの室外に臨む見付け面までの間に存在しないため、樹脂形材の継ぎ目から外気や室外の水が室内側に進入する事態を招来する懸念がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態である建具を室内側から見た姿図である。
【
図4】
図1に示した建具に適用する左縦枠を示すもので、(a)は横断面図、(b)は分解横断面図である。
【
図5】
図1に示した建具に適用する右縦枠を示すもので、(a)は横断面図、(b)は分解横断面図である。
【
図6】
図1に示した建具に適用する上枠を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は分解縦断面図である。
【
図7】
図1に示した建具に適用する下枠を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は分解縦断面図である。
【
図8】
図1に示した建具に適用する下枠の平面図である。
【
図9】
図1に示した建具に適用する下枠を召し合わせの位置で分断した縦断面図である。
【
図10】
図1に示した建具に適用する下枠を内障子の位置で分断した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0011】
図1~
図3は、本発明の実施の形態である建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体10と、枠体10の室外側となる部分に配設した外障子20Aと、枠体10の室内側となる部分に配設した内障子20Bとを備えた引き違い窓と称されるものである。枠体10は、左右の縦枠11,12、上枠13、下枠14を四周組することによって四角形状に構成したものである。外障子20Aは、四角形状を成す複層ガラス21Aと、複層ガラス21Aの四周に配設した縦框22A、上框23A、下框24A、縦框25Aとを備えて構成したものである。内障子20Bも同様に、四角形状を成す複層ガラス21Bと、複層ガラス21Bの四周に配設した縦框22B、上框23B、下框24B、縦框25Bとを備えて構成したものである。本実施の形態では、外障子20A及び内障子20Bが枠体10に対して上枠13及び下枠14の長手に沿って移動可能に配設してあり、室内側から見て枠体10の左側に外障子20Aを配置し、かつ右側に内障子20Bを配置した場合に、枠体10の開口を閉じることが可能である。枠体10の開口を閉じた状態においては、室内側から見て外障子20Aの右側に配置される縦框(以下、召し合わせ框25Aという)と、内障子20Bの左側に配置される縦框(以下、召し合わせ框25Bという)とが召し合わせとなって互いに見込み方向に並設された状態となる。障子20A,20Bを構成する縦框22A,22B、上框23A,23B、下框24A,24B、召し合わせ框25A,25Bは、いずれも樹脂によって成形した押し出し形材であり、それぞれ長手に沿った全長にわたってほぼ一様となる断面形状を有するように構成してある。本実施の形態では特に、縦框22A,22B、上框23A,23B、下框24A,24Bとして、同一の断面形状で同一の色相となるものを適用して障子20A,20Bが構成してある。召し合わせ框25A,25Bについては縦框22Aと同一の色相であるものの、異なる断面形状となるものを適用している。これに対して枠体10を構成する縦枠11,12、上枠13、下枠14は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材からなる金属形材と、樹脂によって成形した押し出し形材からなる樹脂形材とを備えて構成した複合型のものである。金属形材及び樹脂形材についても長手に沿った全長にわたってほぼ一様となる断面形状を有するように構成してある。
【0012】
以下、障子20A,20Bの框及び枠体10を構成する縦枠11,12、上枠13、下枠14の構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。なお、上述したように障子20A,20Bの框22A,22B、23A,23B、24A,24Bについては同一であるため、外障子20Aの縦框22Aについてのみ説明し、他の框については同一の符号が付してある。召し合わせ框25A,25Bについては互いにほぼ同一であるため、外障子20Aの召し合わせ框25Aについてのみ説明し、内障子20Bの召し合わせ框25Bについては同一の符号が付してある。また以下においては便宜上、室内側から見て左方に位置する縦枠を左縦枠11と称し、右方に位置する縦枠を右縦枠12と称する。
【0013】
(縦框22A)
図3に示すように、縦框22Aは、框基部31、ガラス挟持片32、内方レールガイド33、外方レールガイド34を一体に成形したものである。框基部31は、断面が略四角形の中空状を成すものである。框基部31の内周側において室外側となる縁部には、押縁装着溝31aを介して押縁35が設けてある。押縁35は、ガラス挟持片32との間に複層ガラス21Aを挟持するものである。ガラス挟持片32は、框基部31の内周側において室内側となる縁部から内周側に突出したものである。内方レールガイド33は、框基部31の外周側において室内側となる縁部から外周側に突出したものであり、外方レールガイド34は、框基部31の外周側において室外側となる縁部から外周側に突出したものである。内方レールガイド33及び外方レールガイド34には、相互間に隙間が確保してあり、互いに対向する部分にタイト材36が設けてある。タイト材36は、内方レールガイド33及び外方レールガイド34の外周側に位置する部分から互いに近接する方向に延在したものである。
【0014】
(召し合わせ框25A)
召し合わせ框25Aは、框基部31、ガラス挟持片32を一体に成形したものである。框基部31は、断面が略四角形の中空状を成すものである。框基部31の内周側において室外側となる縁部には、押縁装着溝31aを介して押縁35が設けてある。押縁35は、ガラス挟持片32との間に複層ガラス21Aを挟持するものである。ガラス挟持片32は、框基部31の内周側において室内側となる縁部から内周側に突出したものである。
【0015】
(左縦枠11)
図3、
図4に示すように、左縦枠11の金属形材40は、左枠基部41、左内端見付け板部42、左固定用見付け板部43、左レール用突出部44を一体に成形したものである。左枠基部41は、見込み方向に沿って延在した平板状を成すものである。左内端見付け板部42は、左枠基部41の室内側に位置する縁部から外周側に向けて延在した平板状を成すものである。左固定用見付け板部43は、左枠基部41から外周側に向けて延在した平板状を成すものである。図示の例では、左枠基部41の室内側に位置する縁部からほぼ1/3となる部分に左固定用見付け板部43が設けてある。この左固定用見付け板部43は、左枠基部41からの外周側への延在長さが左内端見付け板部42よりも大きく設定してある。左レール用突出部44は、外障子20Aに対応した外縦レール11Aの金属レール部を構成するためのもので、左枠基部41から内周側に向けて延在した後、室内側に向けて見込み方向に延在している。左レール用突出部44の延在長さは、枠体10に対して外障子20Aを閉じ位置に配設した場合に、戸先となる縦框22Aに設けたタイト材36を超えて内周側に位置するように設定してある。左レール用突出部44において室内側に延在した延在縁部には、左側方嵌合部44aが設けてある。左側方嵌合部44aは、後述する樹脂形材50の左側方嵌合部52aに嵌合することにより、相互に離反する見込み方向の移動を制限するためのものである。図示の例では、左レール用突出部44の室内側に位置する延在縁部から外周側に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲し、さらに内周側に向けて屈曲することによって左レール用突出部44の左側方嵌合部44aが構成してある。左レール用突出部44を設ける位置は、左枠基部41の室外側に位置する縁部からほぼ1/4となっている。
【0016】
この左縦枠11の金属形材40には、左枠基部41の内周側となる部分に複数の装着用左縦爪部45が設けてある。装着用左縦爪部45は、左枠基部41の内周側に後述する樹脂形材50を装着した状態に維持するためのものである。図示の例では、左枠基部41の室内側に位置する縁部、左レール用突出部44の外周側となる部分にそれぞれ装着用左縦爪部45が設けてあるとともに、左枠基部41の室内側に位置する縁部と左レール用突出部44とのほぼ中間となる部分に装着用左縦爪部45が設けてある。
【0017】
左縦枠11の樹脂形材50は、互いに別体に成形した左縦樹脂成形体50A及び内周カバー体50Bを備えている。これら左縦樹脂成形体50A及び内周カバー体50Bは、それぞれが左縦枠11において上枠13と下枠14との間に位置する部分の全長にわたる長さを有したものである。図には明示していないが、左縦樹脂成形体50A及び内周カバー体50Bは、外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈するように構成してある。但し、必ずしも左縦樹脂成形体50A及び内周カバー体50Bが外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈する必要はない。
【0018】
左縦樹脂成形体50Aは、左カバー基部51、左レール用カバー部52、左見付けカバー部53、左額縁カバー部54を一体に成形したものである。左カバー基部51は、金属形材40の内周側となる見込み面において左レール用突出部44よりも室内側となる部分を覆う板状を成すものである。左カバー基部51の中間部分には、台状部51a、中空部51b、フック部51cが設けてある。台状部51aは、金属形材40との間に空間を構成するように内周側に向けて突出したものである。中空部51bは、台状部51aよりも内周側となる部分に設けた断面が略四角の筒状を成すもので、室外に臨む見付け面が左枠基部41のほぼ中間位置となるように構成してある。中空部51bには、室外側の見付け面及び室内側の見付け面の内周側となる部分にそれぞれ係合突部51dが設けてある。フック部51cは、台状部51aから外周側に向けて突出した後、室内側に向けて屈曲したもので、左枠基部41の中間部分に設けた装着用左縦爪部45に対応する位置に設けてある。この左カバー基部51は、室外側となる縁部を左レール用突出部44に設けた装着用左縦爪部45と左枠基部41との間に挿入するとともに、室内側となる縁部を室内側の装着用左縦爪部45と左枠基部41との間に挿入し、さらにフック部51cを左枠基部41の中間部分に設けた装着用左縦爪部45に係合することにより、左枠基部41に着脱可能に装着してある。左レール用カバー部52は、外障子20Aに対応した外縦レール11Aの樹脂レール部を構成するためのもので、左カバー基部51から内周側に向けて延在している。左レール用カバー部52の内周側となる縁部には、左側方嵌合部52aが設けてある。左側方嵌合部52aは、左レール用カバー部52の延在縁部から室外側に向けて延在した後、外周側に向けて屈曲したものである。左レール用カバー部52は、左側方嵌合部52aを左レール用突出部44の左側方嵌合部44aに嵌合することにより左レール用突出部44との間に空間部を確保した状態で左レール用突出部44の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。左見付けカバー部53は、左カバー基部51の室内側となる縁部から内周側に向けて延在したものである。左額縁カバー部54は、左見付けカバー部53の内周側となる縁部から室内側に向けて見込み方向に延在したものである。
【0019】
内周カバー体50Bは、カバー板部55、外方挟持板部56、内方挟持板部57を一体に成形したものである。カバー板部55は、見込み方向に沿って延在した板状を成すもので、左見付けカバー部53から中空部51bの室外に臨む見付け面までの寸法に対応した長さに形成してある。外方挟持板部56は、カバー板部55の室外側に位置する縁部から外周側に向けて延在したものである。内方挟持板部57は、外方挟持板部56との間に中空部51bを挟持するもので、カバー板部55から外周側に向けて延在している。外方挟持板部56及び内方挟持板部57には、外周側に位置する縁部の互いに対向する部分に係止突部56a,57aが設けてあり、さらに内方挟持板部57には係止突部57aよりも内周側となる部分に室外側に向けて当接片部57bが設けてある。この内周カバー体50Bは、外方挟持板部56の係止突部56a及び内方挟持板部57の係止突部57aを係合突部51dに係合させることにより、中空部51bの内周側に取り付けた状態となる。外方挟持板部56の外周側となる縁部を台状部51aに当接させるとともに内方挟持板部57の当接片部57bを中空部51bの内周側となる見込み面に当接させた場合には、カバー板部55の内周側となる見込み面と、左額縁カバー部54の内周側となる見込み面とが、互いにほぼ同一の平面上に位置した状態となる。換言すれば、外障子20Aの戸先側に配置される左縦枠11においては、左額縁カバー部54と内周カバー体50Bとが、ほぼ段差無く連続するように配置された状態となる。
【0020】
(右縦枠12)
図3、
図5に示すように、右縦枠12の金属形材60は、右枠基部61、右内端見付け板部62、右固定用見付け板部63、右レール用突出部64、戸当り板部65を一体に成形したものである。右枠基部61は、見込み方向に沿って延在した平板状を成すもので、見込み方向に沿った寸法が左枠基部41とほぼ同じとなるように構成してある。右内端見付け板部62は、右枠基部61の室内側に位置する縁部から外周側に向けて延在した平板状を成すものである。右固定用見付け板部63は、右枠基部61から外周側に向けて延在した平板状を成すもので、左固定用見付け板部43とほぼ同一の平面上となる位置に設けてある。右レール用突出部64は、内障子20Bに対応した内縦レール12Bの金属レール部を構成するためのもので、右枠基部61から内周側に向けて延在している。右レール用突出部64において室内側に延在した延在縁部には、右側方嵌合部64aが設けてある。右側方嵌合部64aは、後述する樹脂形材70の右側方嵌合部72aに嵌合することにより、相互に離反する見込み方向の移動を制限するためのものである。図示の例では、右レール用突出部64の延在縁部から室内側に向けて延在した後、内周側に向けて屈曲することによって右側方嵌合部64aが構成してある。右レール用突出部64を設ける位置は、右固定用見付け板部63とほぼ同じ位置である。戸当り板部65は、右枠基部61から内周側に向けて延在したもので、右枠基部61のほぼ中間となる位置に設けてある。
【0021】
この右縦枠12の金属形材60には、右枠基部61の内周側となる部分に複数の装着用右縦爪部66が設けてある。装着用右縦爪部66は、右枠基部61の内周側に後述の樹脂形材70を装着した状態に維持するためのものである。図示の例では、右枠基部61の室内側に位置する縁部、右レール用突出部64の外周側となる部分にそれぞれ装着用右縦爪部66が設けてある。
【0022】
右縦枠12の樹脂形材70は、右縦枠12において上枠13と下枠14との間に位置する部分の全長にわたる長さを有したもので、外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈するように構成してある。この右縦枠12の樹脂形材70は、右カバー基部71、右レール用カバー部72、右見付けカバー部73、右額縁カバー部74を一体に成形して構成してある。右カバー基部71は、金属形材60の内周側となる見込み面において右レール用突出部64よりも室内側となる部分を覆う平板状を成すものである。この右カバー基部71は、室外側となる縁部を右レール用突出部64に設けた装着用右縦爪部66と右枠基部61との間に挿入するとともに、室内側となる縁部を室内側の装着用右縦爪部66と右枠基部61との間に挿入することにより、右枠基部61に着脱可能に装着してある。右レール用カバー部72は、内障子20Bに対応した内縦レール12Bの樹脂レール部を構成するためのもので、右カバー基部71から内周側に向けて延在した後、室外側に向けて延在している。右レール用カバー部72の内周側となる縁部には、右側方嵌合部72aが設けてある。右側方嵌合部72aは、右レール用カバー部72の延在縁部から外周側に向けて屈曲したものである。右レール用カバー部72は、右側方嵌合部72aを右レール用突出部64の右側方嵌合部64aに嵌合することにより右レール用突出部64との間に空間部を確保した状態で右レール用突出部64の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。右見付けカバー部73は、右カバー基部71の室内側となる縁部から内周側に向けて延在したものである。右額縁カバー部74は、右見付けカバー部73の内周側となる縁部から室内側に向けて見込み方向に延在したものである。但し、右縦枠12の樹脂形材70は、必ずしも外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈する必要はない。
【0023】
(上枠13)
図2、
図6に示すように、上枠13の金属形材80は、室内側の内方上金属成形体80A、室外側の外方上金属成形体80Bを備えて構成してある。これら内方上金属成形体80A及び外方上金属成形体80Bは、断熱材によって成形したブリッジ材80Cによって互いの間を連結したもので、相互に接触することがなく熱的に遮断してある。
【0024】
内方上金属成形体80Aは、上内方見込み板部(第2金属部)81、上内方見付け板部(第1金属部)82、上内方ポケット部83を一体に成形したものである。上内方見込み板部81は、見込み方向に沿って延在した板状を成すものである。上内方見付け板部82は、内障子20Bを案内するための内方側の上横レール13Bの金属レール部を構成するもので、上内方見込み板部81の室外側となる縁部から内周側に向けて延在した金属レール基板部82aと、金属レール基板部82aの内周側となる部分に設けた傾斜延在部82b、見付け延在部82c、見込み延在部82d、見込み突出部82eとを有している。金属レール基板部82aの延在長さは、枠体10に内障子20Bを配設した場合に、上框23Bに設けたタイト材36の当接位置よりも外周側となるように設定してある。傾斜延在部82bは、内周側に向けて漸次室外側となるように傾斜したものである。見付け延在部82cは、傾斜延在部82bの内周側縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。見込み延在部82dは、見付け延在部82cの延在縁部から室内側に向けて見込み方向に延在したものである。見込み突出部82eは、傾斜延在部82bの室内に臨む面から室内側に向けて見込み方向に延在したものである。見込み延在部82dの室内側に位置する縁部は、金属レール基板部82aの延長上となる位置まで延在する一方、見込み突出部82eの室内側に位置する縁部は、見込み延在部82dよりも僅かに室内側に突出した位置まで延在している。見付け延在部82c及び見込み延在部82dには、当接用突部82fが設けてある。当接用突部82fは、見付け延在部82cの室外に臨む見付け面及び見込み延在部82dの内周側となる見込み面に設けた突出部分である。上内方ポケット部83は、ブリッジ材80Cを収容するための溝状の凹部であり、上内方見込み板部81の室外側となる縁部において室外に開口するように設けてある。
【0025】
この内方上金属成形体80Aには、上内方見込み板部81の内周側となる部分に複数の係合受部81a,82gが設けてある。係合受部81a,82gは、上内方見込み板部81の内周側に後述の樹脂形材90を装着した状態に維持するためのものである。図示の例では、上内方見込み板部81の室内側に位置する縁部、上内方見付け板部82における金属レール基板部82aの外周側となる部分にそれぞれ係合受部81a,82gが設けてある。
【0026】
外方上金属成形体80Bは、上外方見込み板部(第4金属部)84、上外方見付け板部(第3金属部)85、上外方ポケット部86、上固定用見付け板部87、上外方カバー板部88を一体に成形したものである。上外方見込み板部84は、見込み方向に沿って延在した板状を成すものである。上外方見付け板部85は、外障子20Aを案内するための外方側の上横レール13Aの金属レール部を構成するもので、上外方見込み板部84の室外側となる縁部から内周側に向けて延在した後、室内側に向けて延在している。上外方見付け板部85において室内側に延在した延在縁部には、上方嵌合部85aが設けてある。上方嵌合部85aは、後述する樹脂形材90の上方嵌合部97aに嵌合することにより、相互に離反する見込み方向の移動を制限するためのものである。図示の例では、上外方見付け板部85の延在縁部から外周側に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲し、さらに内周側に向けて屈曲することによって上方嵌合部85aが構成してある。上外方ポケット部86は、ブリッジ材80Cを収容するための溝状の凹部であり、上外方見込み板部84の室内側となる縁部において室内に開口するように設けてある。上固定用見付け板部87は、上外方ポケット部86から外周側に向けて延在した平板状を成すものである。上外方カバー板部88は、上外方見込み板部84の室外側となる縁部から内周側に向けて延在したものである。
【0027】
この外方上金属成形体80Bには、上外方見込み板部84の内周側となる部分に複数の上係合受部84aが設けてあるとともに、上係合受部84aの間となる部分に複数の厚肉部84bが設けてある。上係合受部84aは、上外方見込み板部84の内周側に後述の樹脂形材90を装着した状態に維持するためのものである。図示の例では、上外方ポケット部86の室外に臨む部分、上外方見込み板部84の見込み面において上外方見付け板部85よりも室内側となる部分にそれぞれ上係合受部84aが設けてある。厚肉部84bは、上外方見込み板部84の板厚を部分的に増大することによって構成したもので、それぞれ上枠13の長手に沿って設けてある。
【0028】
上枠13の樹脂形材90は、室内側の内方上樹脂成形体90A、室外側の外方上樹脂成形体90Bを備えて構成してある。これら内方上樹脂成形体90A及び外方上樹脂成形体90Bは、それぞれが上枠13において左右の縦枠11,12の間に位置する部分の全長にわたる長さを有したものである。図には明示していないが、内方上樹脂成形体90A及び外方上樹脂成形体90Bは、外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈するように構成してある。但し、内方上樹脂成形体90A及び外方上樹脂成形体90Bは、必ずしも外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈する必要はない。
【0029】
内方上樹脂成形体90Aは、上内カバー基部(第2カバー部)91、上内レール用カバー部(第1カバー部)92、上見付けカバー部(第3カバー部)93、上額縁カバー部(第4カバー部)94、延長カバー部(第9カバー部)95を一体に成形したものである。上内カバー基部91は、金属形材80の上内方見込み板部81を覆う平板状を成すものである。この上内カバー基部91は、室外側となる縁部を金属レール基板部82aに設けた上係合受部84aと上内方見込み板部81との間に挿入するとともに、室内側となる縁部を室内側の上係合受部84aと上内方見込み板部81との間に挿入することにより、内方上金属成形体80Aに着脱可能に装着してある。上内レール用カバー部92は、後述する外方上樹脂成形体90Bの上内レール用外方カバー部(第7カバー部)98、上内レール用内周カバー部(第8カバー部)99、上内レール用内方カバー部(第1カバー部)100とともに、内障子20Bに対応した上横レール13Bの樹脂レール部を構成するためのもので、上内カバー基部91から内周側に向けて延在している。上内レール用カバー部92の内周側となる縁部は、上内カバー基部91を上内方見込み板部81に当接させた場合に、上内方見付け板部82の金属レール基板部82aとほぼ同じとなるように構成してある。上内レール用カバー部92の外周側となる部分には、係合受部82gに係合するための係合突部92aが設けてある。上見付けカバー部93は、上内カバー基部91の室内側となる縁部から内周側に向けて延在したものである。上見付けカバー部93の外周側となる部分には、係合受部81aに係合するための係合突部93aが設けてある。上額縁カバー部94は、上見付けカバー部93の内周側となる縁部から室内側に向けて見込み方向に延在したものである。延長カバー部95は、上見付けカバー部93の延長上において上額縁カバー部94の室外側となる縁部から内周側に向けて延在したものである。延長カバー部95の延在縁部は、上内レール用カバー部92の内周側となる縁部よりも内周側となる位置まで延在している。
【0030】
外方上樹脂成形体90Bは、上外カバー基部(第6カバー部)96、上外レール用内方カバー部(第5カバー部)97、上内レール用外方カバー部98、上内レール用内周カバー部99、上内レール用内方カバー部100を一体に成形したものである。上外カバー基部96は、金属形材80の上外方見込み板部84を覆う平板状を成すものである。上外レール用内方カバー部97は、外障子20Aに対応した上横レール13Aの樹脂レール部を構成するためのもので、上外カバー基部96の室外側に位置する縁部から内周側に向けて延在している。上外レール用内方カバー部97の内周側となる縁部には、上方嵌合部97aが設けてある。上方嵌合部97aは、上外レール用内方カバー部97の延在縁部から室外側に向けて延在した後、外周側に向けて屈曲したものである。上外レール用内方カバー部97は、上方嵌合部97aを上外方見付け板部85の上方嵌合部85aに嵌合することにより上外方見付け板部85との間に空間部を確保した状態で上外方見付け板部85の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。上内レール用外方カバー部98、上内レール用内周カバー部99、上内レール用内方カバー部100は、内方上樹脂成形体90Aの上内レール用カバー部92とともに、内障子20Bに対応した上横レール13Bの樹脂レール部を構成するためのものである。上内レール用外方カバー部98は、上外カバー基部96の室内側に位置する縁部から内周側に向けて延在することにより上内方見付け板部82において金属レール基板部82a、傾斜延在部82b、見付け延在部82cの室外に臨む見付け面を覆うものである。上内レール用内周カバー部99は、上内レール用外方カバー部98の延在縁部から室内に設けて延在することにより見込み延在部82dの内周側となる見込み面を覆うものである。換言すれば、上内レール用内周カバー部99は、樹脂形材90において内方側の上横レール13Bの内周側となる部分を構成するものである。上内レール用内方カバー部100は、上内レール用内周カバー部99の延在縁部から外周側に向けて延在することにより上内方見付け板部82において金属レール基板部82aよりも内周側に位置する部分の見付け面を覆うものである。上内レール用内方カバー部100の延在長さは、枠体10に内障子20Bを配設した場合に、上框23Bに設けたタイト材36が上内レール用カバー部92や上内レール用カバー部92との継ぎ目101に当接することがないように設定してある。図からも明らかなように、上内レール用外方カバー部98、上内レール用内周カバー部99、上内レール用内方カバー部100は、外周に開口した凹部102を構成し、その内部に上内方見付け板部82の傾斜延在部82b、見付け延在部82c、見込み延在部82d、見込み突出部82eを収容している。上内レール用内方カバー部100には、中間係合部100aが設けてある。中間係合部100aは、見込み突出部82eの外周側となる部分に係合することにより上内方見付け板部82に対して上内レール用内周カバー部99の内周側への移動を制限するものである。
【0031】
この外方上樹脂成形体90Bには、上外カバー基部96の外周側となる部分に複数の係合用突部96a及び支持用突部96bが設けてあるとともに、上外レール用内方カバー部97及び上内レール用外方カバー部98にそれぞれ取付用突部97b,98aが設けてある。係合用突部96aは、上外カバー基部96から外周側に向けて延在したもので、延在縁部に係合爪部96cを有している。係合爪部96cは、外方上金属成形体80Bに設けた上係合受部84aに係合することにより上外カバー基部96が上外方見込み板部84との間に空間部を確保した状態で上外方見込み板部84の内周側となる見込み面を覆った状態に維持するものである。支持用突部96bは、係合用突部96aの相互間において上外カバー基部96から外周側に向けて延在したものである。この支持用突部96bは、係合用突部96aの係合爪部96cが上係合受部84aに係合された場合、延在縁部が上外方見込み板部84に設けた厚肉部84bの相互間において上外方見込み板部84に近接した位置に配置されるように寸法が設定してある。取付用突部97b,98aは、上外レール用内方カバー部97の外周側となる部分及び上内レール用外方カバー部98の外周側となる部分から互いに近接する方向に向けて突出したものである。これらの取付用突部97b,98aは、上外レール用内方カバー部97と上内レール用外方カバー部98との間に上方風止め部材110Aを装着した際に係合することにより上方風止め部材110Aの脱落を阻止するものである。上方風止め部材110Aは、弾性を有した樹脂材によって成形したもので、上枠13の内周側となる見込み面において召し合わせ框25A,25Bに対応する部分に配設することにより、室内外の空気の流通を制限するためのものである。
【0032】
(下枠14)
図2、
図7~
図10に示すように、下枠14の金属形材120は、室内側の内方下金属成形体120A、室外側の外方下金属成形体120Bを備えて構成してある。これら内方下金属成形体120A及び外方下金属成形体120Bは、断熱材によって成形したブリッジ材120Cによって互いの間を連結したもので、相互に接触することがなく熱的に遮断してある。
【0033】
内方下金属成形体120Aは、下内方見込み板部121、下内方見付け板部122、下内方ポケット部123、下内端見付け板部124、下支持板部125を一体に成形したものである。下内方見込み板部121は、見込み方向に沿って延在した板状を成すものである。下内方見付け板部122は、内障子20Bを案内するための内方側の下横レール14Bの金属レール部を構成するもので、下内方見込み板部121の室外側となる縁部から内周側に向けて延在した後、室外側に向けて延在している。下内方見付け板部122において室内側に延在した延在縁部には、戸車ガイド部122a及び下方嵌合部122bが設けてある。戸車ガイド部122aは、内周側に突出した突状部分であり、戸車26Bを介して内障子20Bのスライドを案内するものである。下方嵌合部122bは、後述する樹脂形材140の下方嵌合部142aに嵌合することにより、相互に離反する見込み方向の移動を制限するためのものである。図示の例では、下内方見付け板部122の室内側に位置する延在縁部から外周側に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲し、さらに内周側に向けて屈曲することによって下方嵌合部122bが構成してある。下内方ポケット部123は、ブリッジ材120Cを収容するための溝状の凹部であり、下内方見込み板部121の室外側となる縁部において室外に開口するように設けてある。下内端見付け板部124は、下内方見込み板部121の室内側となる縁部から見込み方向に沿って延在したものである。下内端見付け板部124の外周側に位置する部分には、室内に向けて漸次外周側となるように傾斜した下固定用見込み板部126が設けてある。下支持板部125は、下内方見込み板部121において下内方ポケット部123と下内端見付け板部124との中間部から外周側に向けて延在したものである。下内端見付け板部124、下固定用見込み板部126、下支持板部125は、それぞれの外周側となる縁部が見込み方向に沿ってほぼ水平となる同一の平面上に位置するように構成してある。
【0034】
この内方下金属成形体120Aには、下内方見込み板部121の内周側となる部分に複数の下係合受部121aが設けてある。下係合受部121aは、下内方見込み板部121の内周側に後述の樹脂形材140を装着した状態に維持するためのものである。図示の例では、下内端見付け板部124の室外に臨む見付け面、下内方見込み板部121の見込み面において下方嵌合部122bに対向する部分にそれぞれ下係合受部121aが設けてある。
【0035】
外方下金属成形体120Bは、下外方見込み板部127、下外方見付け板部128、下外方ポケット部129、下外方カバー板部130を一体に成形したものである。下外方見込み板部127は、見込み方向に沿って延在した板状を成すものである。図示の外方下金属成形体120Bでは、下外方見込み板部127の外周側となる部分に中空部131が構成してある。下外方見付け板部128は、外障子20Aを案内するための外方側の下横レール14Aの金属レール部を構成するもので、下外方見込み板部127の室外側となる縁部から内周側に向けて延在した後、室内側に向けて延在している。下外方見付け板部128において室内側に延在した延在縁部には、戸車ガイド部128a及び下方嵌合部128bが設けてある。戸車ガイド部128aは、内周側に突出した突状部分であり、戸車26Aを介して外障子20Aのスライドを案内するものである。下方嵌合部128bは、後述する樹脂形材140の下方嵌合部146aに嵌合することにより、相互に離反する見込み方向の移動を制限するためのものである。図示の例では、下外方見付け板部128の延在縁部から外周側に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲し、さらに内周側に向けて屈曲することによって下方嵌合部128bが構成してある。下外方見付け板部128の内周側に位置する縁部は、下内方見付け板部122とほぼ同じとなるように構成してある。下外方ポケット部129は、ブリッジ材120Cを収容するための溝状の凹部であり、下外方見込み板部127の室内側となる縁部において室内に開口するように設けてある。下外方カバー板部130は、下外方見込み板部127の室外側となる縁部から内周側に向けて延在したものである。
【0036】
この外方下金属成形体120Bには、下外方見込み板部127の内周側となる部分に複数の下係合受部127aが設けてある。下係合受部127aは、下外方見込み板部127の内周側に後述の樹脂形材140を装着した状態に維持するためのものである。図示の例では、下外方ポケット部129の室外に臨む部分、下外方見込み板部127の見込み面において下方嵌合部128bに対向する部分にそれぞれ下係合受部127aが設けてある。
【0037】
上述した下枠14の金属形材120には、
図8、
図9に示すように、内方下金属成形体120Aの下内方見付け板部122と外方下金属成形体120Bの下外方見付け板部128との間に下方風止め部材110Bが取り付けてある。下方風止め部材110Bは、弾性を有した樹脂材によって成形したもので、下枠14の内周側となる見込み面において召し合わせ框25A,25Bに対応する部分に配設することにより、室内外の空気の流通を制限するためのものである。
【0038】
下枠14の樹脂形材140は、室内側の内方下樹脂成形体140A、室外側の外方下樹脂成形体140Bを備えて構成してある。このうち、内方下樹脂成形体140Aについては、下枠14において左右の縦枠11,12の間に位置する部分の全長にわたる長さを有するように構成してある。これに対して外方下樹脂成形体140Bは、下枠14において左縦枠11と下方風止め部材110Bとの間に位置する部分の全長にわたる長さを有するように構成してある。図には明示していないが、内方下樹脂成形体140A及び外方下樹脂成形体140Bは、外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈するように構成してある。但し、内方下樹脂成形体140A及び外方下樹脂成形体140Bは、必ずしも外障子20Aの縦框22Aと同一の色相を呈する必要はない。
【0039】
内方下樹脂成形体140Aは、下内カバー基部141、下内レール用カバー部142、下見付けカバー部143、下額縁カバー部144を一体に成形したものである。下内カバー基部141は、金属形材120の下内方見込み板部121を覆う平板状を成すものである。下内レール用カバー部142は、内障子20Bに対応した下横レール14Bの樹脂レール部を構成するためのもので、下内カバー基部141から内周側に向けて延在している。下内レール用カバー部142の内周側となる縁部には、下方嵌合部142aが設けてある。下方嵌合部142aは、下内レール用カバー部142の延在縁部から室外側に向けて延在した後、外周側に向けて屈曲したものである。下内レール用カバー部142は、下方嵌合部142aを下内方見付け板部122の下方嵌合部122bに嵌合することにより下内方見付け板部122との間に空間部を確保した状態で下内方見付け板部122の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。下見付けカバー部143は、下内カバー基部141の室内側となる縁部から内周側に向けて延在することにより、下内端見付け板部124の室外に臨む見付け面を覆うものである。下額縁カバー部144は、下見付けカバー部143の内周側となる縁部から室内側に向けて見込み方向に延在したものである。
【0040】
この内方下樹脂成形体140Aには、下内カバー基部141の外周側となる部分に複数の係合用突部141aが設けてある。係合用突部141aは、下内カバー基部141から外周側に向けて延在したもので、延在縁部に係合爪部141bが設けてある。係合爪部141bは、内方下金属成形体120Aに設けた下係合受部121aに係合することにより下内カバー基部141が下内方見込み板部121との間に空間部を確保した状態で下内方見込み板部121の内周側となる見込み面を覆った状態に維持するものである。
【0041】
外方下樹脂成形体140Bは、下外カバー基部145、下外レール用カバー部146を一体に成形したものである。下外カバー基部145は、金属形材120の下外方見込み板部127及びブリッジ材120Cを覆う平板状を成すものである。下外カバー基部145の室内側に位置する縁部と、下内方見付け板部122の室外に臨む見付け面との間には、僅かに隙間が確保してある。下外レール用カバー部146は、外障子20Aに対応した下横レール14Aの樹脂レール部を構成するためのもので、下外カバー基部145の室外側に位置する縁部から内周側に向けて延在している。下外レール用カバー部146の内周側となる縁部には、下方嵌合部146aが設けてある。下方嵌合部146aは、下外レール用カバー部146の延在縁部から室外側に向けて延在した後、外周側に向けて屈曲したものである。下外レール用カバー部146は、下方嵌合部146aを下外方見付け板部128の下方嵌合部128bに嵌合することにより下外方見付け板部128との間に空間部を確保した状態で下外方見付け板部128の室内に臨む見付け面を覆った状態となる。
【0042】
この外方下樹脂成形体140Bには、下外カバー基部145の外周側となる部分に複数の係合用突部145aが設けてある。係合用突部145aは、下外カバー基部145から外周側に向けて延在したもので、延在縁部に係合爪部145bが設けてある。係合爪部145bは、外方下金属成形体120Bに設けた下係合受部127aに係合することにより下外カバー基部145が下外方見込み板部127との間に空間部を確保した状態で下外方見込み板部127の内周側となる見込み面を覆った状態に維持するものである。
【0043】
下枠14の金属形材120において下方風止め部材110Bと右縦枠12との間に位置する部分には、外方下樹脂成形体140Bとほぼ同じ断面形状を有した外方下金属カバー体150が配設してある。すなわち、外方下金属カバー体150は、下外カバー基部151、下外レール用カバー部152、下方嵌合部152a、係合用突部151aを一体に成形したものである。但し、外方下金属カバー体150の下外カバー基部151は、外方下樹脂成形体140Bの下外カバー基部145よりも僅かに短い寸法となるように構成してある。
【0044】
上記のように構成した建具では、上枠13が金属形材80及び樹脂形材90によって構成したものであるため、断熱性の点で有利となり、結露等の問題を招来するおそれがなくなる。また、上枠13の樹脂形材90としては、上外レール用内方カバー部97から上内レール用内方カバー部100までを一体に成形した外方上樹脂成形体90Bと、上内レール用カバー部92から上額縁カバー部94までを一体に成形した内方上樹脂成形体90Aとを備えたものを適用しているため、換言すれば樹脂形材90を内方上樹脂成形体90Aと外方上樹脂成形体90Bとに分割しているため、樹脂形材90の大型化に起因して取り扱いが煩雑となったり、組立作業が煩雑化するおそれがない。しかも、樹脂形材90の継ぎ目101が外方側の上横レール13Aの室内に臨む見付け面から内方側の上横レール13Bの室外に臨む見付け面までの間に存在しないため、上方風止め部材110Aとの間の気密性を確保することができ、また樹脂形材90の継ぎ目101から外気や室外の水が室内側に進入する事態を招来する懸念がない。さらに、継ぎ目101の位置がタイト材36の当接位置よりも外周側となるため、タイト材36が継ぎ目101に当接した状態で障子20A,20Bがスライドされることがなく、水密性及び気密性の点で有利となる。
【0045】
ここで、分割した樹脂形材90の内方上樹脂成形体90Aについては、
図2に示すように、上内カバー基部91を介して躯体BにネジSを螺合することにより、また図には明示していないが、上内カバー基部91を介して金属形材80の上内方見込み板部81にネジを螺合することにより、脱落する事態を防止することが可能となる。しかも、上内カバー基部91に螺合したネジSは、室内側に配置される上見付けカバー部93、延長カバー部95によって覆われた状態となり、容易に視認することが困難であるため、外観品質が損なわれるおそれがない。
【0046】
一方、外方上樹脂成形体90Bについては、上固定用見付け板部87よりも室外側に配設された状態となるため、上外カバー基部96を介してネジを螺合することが困難である。また、仮に上外カバー基部96にネジを螺合した場合には、室内側から見た場合に容易に視認することができるため、外観品質の点でも好ましいとはいえず、さらには室外の水が進入する事態を招来する懸念もある。しかしながら、上述の建具によれば、上外レール用内方カバー部97と上外方見付け板部85とが上方嵌合部97a,85aによって互いに嵌合し、かつ上内レール用内方カバー部100の中間係合部100aが上内方見付け板部82の見込み突出部82eに係合している。さらには、係合用突部96aの係合爪部96cが上係合受部84aに係合している。従って、上外カバー基部96にネジを螺合することなく外方上樹脂成形体90Bの金属形材80からの脱落を防止することができ、室外の水が進入する事態や外観品質が損なわれる事態を招来するおそれがない。
【0047】
また上述した建具では、上枠13の樹脂形材90には、上額縁カバー部94の内周側となる見込み面から内周側に向けて突出するように延長カバー部95が設けてある。このため、例えば経年等の影響により、あるいは施工の際の誤差の影響により、枠体10に対して障子20A,20Bが傾いて上框23A,23Bの一部が上額縁カバー部94の見込み面よりも下方に下がる事態が生じたとしても、延長カバー部95によってこれが覆われることになり、長期にわたって外観品質を維持することが可能となる。さらに、延長カバー部95が樹脂形材90の継ぎ目101よりも下方に突出するように構成してある。従って、室内側からは継ぎ目101を視認することが困難となり、この点からも外観品質が損なわれるおそれがない。なお、延長カバー部95としては、上額縁カバー部94の見込み面から内周側に突出してれば良く、必ずしも上見付けカバー部93の延長上に設ける必要はない。
【0048】
さらに、上述の建具によれば、左右の縦枠11,12及び下枠14についても、それぞれ金属形材40,60,120及び樹脂形材50,70,140によって構成したものを適用しているため、断熱性の点で有利となる。加えて、室内側から見た場合、下枠14の金属形材120、縦枠11,12の金属形材40,60、上枠13の金属形材80がいずれも樹脂形材140,50,70,90によって覆われた状態となり、さらにこれらの樹脂形材140,50,70,90が障子20A,20Bの框22A,22B、23A,23B、24A,24B,25A,25Bと同一の色相を呈するように構成してある。従って、室内側から見た場合の外観品質の点で有利となる。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、障子20A,20Bとして樹脂によって成形した框22A,22B、23A,23B、24A,24B,25A,25Bを備えるものを例示しているが、必ずしもこれに限定されず、例えば室外側となる部分をアルミニウム合金等の金属によって成形し、室内側となる部分を樹脂によって成形した框を備える障子であっても構わない。また、図示の例ではタイト材36としてモヘア状を成すものを例示しているが、ゴム等の弾性部材によって成形されたタイト材を適用しても良いし、框と一体に成形された軟質のヒレ状部材によってタイト材を構成することも可能である。なお、内方側の上横レール13Bに対して上内レール用外方カバー部98及び上内レール用内方カバー部100の双方に内障子20Bのタイト材36を当接させるように構成しているが、いずれか一方にのみタイト材36を設けるようにしても良い。さらに、上枠13の金属形材80としてブリッジ材80Cによって連結した内方上金属成形体80A及び外方上金属成形体80Bを備えるものを例示しているが、金属形材は金属によって一体に成形されたものであっても構わない。
【0050】
また、上述した実施の形態では、樹脂形材90の継ぎ目101を、第1金属部である上内方見付け板部82の室内に臨む見付け面を覆う第1カバー部(上内レール用カバー部92、上内レール用内方カバー部100)に設定するようにしているが、本発明は樹脂形材90において内方側の上横レール13Bの内周側となる部分、つまり上内レール用内周カバー部99から室内側の端縁までの間の位置に継ぎ目が設けられるように分割しても同様の作用効果を奏することが可能である。より具体的に説明すると、上内レール用内周カバー部99や上内カバー基部91、上見付けカバー部93、上額縁カバー部94のいずれかに継ぎ目が設けられるように樹脂形材90を室内外に分割しても良い。
【0051】
以上のように、本発明に係る建具は、左右の縦枠、上枠、下枠が四周組された枠体と、前記上枠の延在方向にスライドする状態で前記枠体に配設した室内側の内障子及び室外側の外障子とを備える建具であって、前記上枠は、金属によって成形された金属形材及び樹脂によって成形された樹脂形材を備え、前記上枠には、前記内障子のスライドを案内する内方側の横レールと、前記外障子のスライドを案内する外方側の横レールとが設けられ、前記横レールは、前記金属形材に設けられた金属レール部と、前記樹脂形材に設けられた樹脂レール部とを備えて構成され、前記上枠の樹脂形材は、前記外方側の横レールの室内に臨む見付け面から室内側までの間において前記金属形材を覆うように設けられ、かつ前記内方側の横レールの内周側となる部分から室内側の端縁までの間の位置において室内外に分割されていることを特徴としている。
また本発明は、上述した建具において、前記上枠の金属形材は、前記内方側の横レールの前記金属レール部を構成する第1金属部と、前記第1金属部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在する第2金属部と、前記外方側の横レールの前記金属レール部を構成する第3金属部と、前記第3金属部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在するとともに前記第1金属部の外周側となる部分に連結される第4金属部とを有し、前記上枠の樹脂形材は、前記第1金属部の室内に臨む見付け面を覆うことにより前記内方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第1カバー部と、前記第1カバー部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在することにより前記第2金属部を覆う第2カバー部と、前記第2カバー部の室内側に位置する縁部から内周側に向けて延在する第3カバー部と、前記第3カバー部の延在縁部から室内側に向けて延在する第4カバー部と、前記第3金属部の室内に臨む見付け面を覆うことにより前記外方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第5カバー部と、前記第5カバー部の外周側に位置する部分から室内側に向けて延在することにより前記第4金属部を覆う第6カバー部と、前記第6カバー部の延在縁部から内周側に延在して前記第1金属部の室外に臨む見付け面を覆うことにより前記内方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第7カバー部と、前記第7カバー部の内周側に位置する縁部から室内側に向けて延在して前記第1金属部の内周側となる表面を覆うとともに前記第1カバー部の内周側となる部分に連結されることにより前記内方側の横レールの前記樹脂レール部を構成する第8カバー部とを有し、かつ前記第8カバー部から前記第2カバー部までの間において室内外に分割され、少なくとも分割された位置から前記第5カバー部までの間が一体に成形されていることを特徴としている。
これらの発明によれば、樹脂形材が室内外に分割された構成であるため、部品の大型化に起因して取り扱いが煩雑となったり、組立作業が煩雑化するおそれがない。しかも、樹脂形材の継ぎ目が外方側の横レールから内方側の横レールの室外に臨む見付け面までの間に存在しないため、樹脂形材の継ぎ目から外気や室外の水が室内側に進入する事態を招来する懸念がない。
【0052】
また本発明は、上述した建具において、前記上枠の樹脂形材には、前記第4カバー部の内周側となる見込み面から内周側に向けて突出するように第9カバー部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第9カバー部が第4カバー部の内周側となる見込み面から突出しているため、経年等の影響により枠体に対して障子が傾き、障子の上端の一部が第4カバー部の見込み面よりも下方に下がる事態が生じたとしても、第9カバー部によってこれが覆われることになる。なお、第9カバー部としては、第4カバー部の見込み面から突出してれば良く、必ずしも第3カバー部の延長上に設ける必要はない。
【0053】
また本発明は、上述した建具において、前記上枠の樹脂形材は、前記第1カバー部の中間部において分割され、前記第9カバー部は、分割された位置よりも内周側となる位置まで突出されていることを特徴としている。
この発明によれば、第9カバー部が樹脂形材の分割位置よりも内周側となる位置まで突出しているため、第1カバー部に現れる樹脂形材の継ぎ目が室内側から視認し難い状態となり、外観品質が損なわれるおそれがない。
【0054】
また本発明は、上述した建具において、前記内障子には、前記第1カバー部の室内に臨む表面に当接するようにタイト材が設けられ、前記第1カバー部は、前記タイト材の当接位置よりも外周側となる部分において分割されていることを特徴としている。
この発明によれば、金属レール部と樹脂レール部との継ぎ目にタイト材が当接することがなく、水密性及び気密性が損なわれる事態が招来される懸念がない。
【0055】
また本発明は、上述した建具において、前記内障子には、前記第7カバー部に当接するようにタイト材が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、金属レール部と樹脂レール部との継ぎ目にタイト材が当接することがなく、水密性及び気密性が損なわれる事態が招来される懸念がない。
【符号の説明】
【0056】
10 枠体、11 左縦枠、12 右縦枠、13 上枠、13A 上横レール、13B 上横レール、14 下枠、20A 外障子、20B 内障子、36 タイト材、80 金属形材、81 上内方見込み板部、82 上内方見付け板部、84 上外方見込み板部、85 上外方見付け板部、90 樹脂形材、90A 内方上樹脂成形体、90B 外方上樹脂成形体、91 上内カバー基部、92 上内レール用カバー部、92a 係合突部、93 上見付けカバー部、94 上額縁カバー部、95 延長カバー部、96 上外カバー基部、97 上外レール用内方カバー部、98 上内レール用外方カバー部、99 上内レール用内周カバー部、100 上内レール用内方カバー部、101 継ぎ目