(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183804
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】運搬用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 21/024 20060101AFI20231221BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65D21/024
B65D6/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097539
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 義久
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健二
【テーマコード(参考)】
3E006
3E061
【Fターム(参考)】
3E006AA07
3E006BA01
3E006CA01
3E006DA02
3E006DB03
3E006GA01
3E061AA05
3E061AB09
3E061CA06
3E061DB17
(57)【要約】
【課題】通常のスタッキングとは別の姿勢で安定的にスタッキングすることができる運搬用容器を提案する。
【解決手段】運搬用容器9は、底板1と、口枠2と、一対の揺動板3と、一対の折曲板4とを備える。底板1及び口枠2の外側面には、スライドスタッキングに利用可能な凹凸形状6が設けられている。2つの運搬用容器9を、それぞれ縦姿勢とした状態でスタッキングしたときに、2つの運搬用容器9のうち下側の運搬用容器9Aに設けられた凹凸形状6と、2つの運搬用容器9のうち上側の運搬用容器9Bに設けられた凹凸形状6とが、嵌合する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、
開口部が形成された口枠と、
前記口枠に対して回転可能に連結された一対の揺動板と、
前記底板及び前記口枠に対して回転可能に連結された一対の折曲板と、を備えた折り畳み式の運搬用容器であって、
前記底板及び前記口枠の外側面には、スライドスタッキングに利用可能な凹凸形状が設けられており、
前記運搬用容器を2つ用意し、この2つの運搬用容器を、それぞれ前記一対の揺動板又は前記一対の折曲板が上下に位置する縦姿勢とした状態で、スタッキングしたときに、
前記2つの運搬用容器のうち下側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状と、前記2つの運搬用容器のうち上側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状とが、嵌合するように構成されている、
運搬用容器。
【請求項2】
前記凹凸形状には、
前記一対の折曲板が対向する方向に延びたガイドレールが、含まれており、
前記運搬用容器を2つ用意し、この2つの運搬用容器を、それぞれ前記一対の揺動板が上下に位置する前記縦姿勢とした状態で、スタッキングしたときに、前記ガイドレールは、前記下側の運搬用容器に対する前記上側の運搬用容器のスライドスタッキングを案内するように構成されている、
請求項1の運搬用容器。
【請求項3】
前記凹凸形状は、
前記底板の外側面の一部に設けられた底板側第1凹凸部と、
前記底板の前記外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた底板側第2凹凸部と、
前記口枠の外側面の一部に設けられた口枠側第1凹凸部と、
前記口枠の前記外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた口枠側第2凹凸部と、を含み、
前記下側の運搬用容器の前記底板側第1凹凸部と、前記上側の運搬用容器の前記底板側第2凹凸部とが嵌合し、前記下側の運搬用容器の前記口枠側第1凹凸部と、前記上側の運搬用容器の前記口枠側第2凹凸部とが嵌合することで、前記下側の運搬用容器と前記上側の運搬用容器とが同一側を向いてスタッキングされ、
前記下側の運搬用容器の前記底板側第1凹凸部と、前記上側の運搬用容器の前記口枠側第2凹凸部とが嵌合し、前記下側の運搬用容器の前記口枠側第1凹凸部と、前記上側の運搬用容器の前記底板側第2凹凸部とが嵌合することで、前記下側の運搬用容器と前記上側の運搬用容器とが互いに逆側を向いてスタッキングされる、
請求項1又は2の運搬用容器。
【請求項4】
前記凹凸形状は、
前記底板の外側面の一部に設けられた底板側第1凹凸部と、
前記底板の前記外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた底板側第2凹凸部と、
前記口枠の外側面の一部に設けられた口枠側第1凹凸部と、
前記口枠の前記外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた口枠側第2凹凸部と、を含み、
前記下側の運搬用容器の前記底板側第1凹凸部と、前記上側の運搬用容器の前記口枠側第2凹凸部とが嵌合し、前記下側の運搬用容器の前記口枠側第1凹凸部と、前記上側の運搬用容器の前記底板側第2凹凸部とが嵌合することで、前記下側の運搬用容器と前記上側の運搬用容器とが互いに逆側を向いてスタッキングされるとともに、
前記底板と前記口枠とは、互いに異なる色を有する、
請求項1又は2の運搬用容器。
【請求項5】
底板と、
開口部が形成された口枠と、
前記口枠に対して回転可能に連結された一対の揺動板と、
前記底板及び前記口枠に対して回転可能に連結された一対の折曲板と、を備えた運搬用容器であって、
前記底板及び前記口枠の外側面には、スタッキングに利用可能な凹凸形状が設けられており、
前記運搬用容器を2つ用意し、この2つの運搬用容器を、それぞれ前記一対の揺動板又は前記一対の折曲板が上下に位置する縦姿勢とした状態で、前記2つの運搬用容器のうち下側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状と、前記2つの運搬用容器のうち上側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状とが嵌合することで、前記下側の運搬用容器と前記上側の運搬用容器とが互いに逆側を向いてスタッキングされる、
運搬用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、折り畳み式の運搬用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
底板、口枠、一対の揺動板及び一対の折曲板を備える折り畳み式の運搬用容器が、従来知られている(特許文献1参照)。この種の運搬用容器においては、口枠が上に位置する姿勢で、スタッキングしていくことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の運搬用容器では、口枠が上に位置する姿勢でスタッキングしていくことが通常であり、これとは別の姿勢で安定的にスタッキングすることは容易でない。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、通常のスタッキングとは別の姿勢で安定的にスタッキングすることが可能な運搬用容器を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一様態に係る運搬用容器は、底板と、開口部が形成された口枠と、前記口枠に対して回転可能に連結された一対の揺動板と、前記底板及び前記口枠に対して回転可能に連結された一対の折曲板と、を備えた折り畳み式の運搬用容器である。前記底板及び前記口枠の外側面には、スライドスタッキングに利用可能な凹凸形状が設けられている。前記運搬用容器を2つ用意し、この2つの運搬用容器を、それぞれ前記一対の揺動板又は前記一対の折曲板が上下に位置する縦姿勢とした状態で、スタッキングしたときに、前記2つの運搬用容器のうち下側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状と、前記2つの運搬用容器のうち上側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状とが、嵌合するように構成されている。
【0007】
本開示の別様態に係る運搬用容器は、底板と、開口部が形成された口枠と、前記口枠に対して回転可能に連結された一対の揺動板と、前記底板及び前記口枠に対して回転可能に連結された一対の折曲板と、を備えた運搬用容器である。前記底板及び前記口枠の外側面には、スタッキングに利用可能な凹凸形状が設けられている。前記運搬用容器を2つ用意し、この2つの運搬用容器を、それぞれ前記一対の揺動板又は前記一対の折曲板が上下に位置する縦姿勢とした状態で、前記2つの運搬用容器のうち下側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状と、前記2つの運搬用容器のうち上側の運搬用容器に設けられた前記凹凸形状とが嵌合することで、前記下側の運搬用容器と前記上側の運搬用容器とが互いに逆側を向いてスタッキングされる。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、通常のスタッキングとは別の姿勢で安定的にスタッキングすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1Aは、第1実施形態の運搬用容器の蓋を閉じた斜視図であり、
図1Bは、同上の運搬用容器の蓋を開いた斜視図である。
【
図2】
図2Aは、同上の運搬用容器を縦姿勢とした要部斜視図であり、
図2Bは、同上の運搬用容器を縦姿勢とした別の要部斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の運搬用容器を2つ用意して縦姿勢でスライドスタッキングさせる様子の斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の2つの運搬用容器を縦姿勢でスタッキングした側面図である。
【
図6】
図6は、同上の2つの運搬用容器を横姿勢でスタッキングした斜視図である。
【
図7】
図7Aは、第2実施形態の運搬用容器を縦姿勢とした斜視図であり、
図7Bは、同上の運搬用容器を縦姿勢とした別の斜視図である。
【
図8】
図8は、同上の2つの運搬用容器を、同一側を向くように縦姿勢でスタッキングした側面図である。
【
図10】
図10は、同上の2つの運搬用容器を、互いに逆側を向くように縦姿勢でスタッキングした側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)第1実施形態
(1-1)運搬用容器の全体構造
図1Aから
図2Bには、第1実施形態の運搬用容器9を示している。
【0011】
第1実施形態の運搬用容器9は、底板1と、開口部20が形成された口枠2と、口枠2に対して回転可能に連結された一対の揺動板3と、底板1及び口枠2に対して回転可能に連結された一対の折曲板4と、口枠2の開口部20を開閉する一対の蓋5とを備える。これらの部材1,2,3,4,5は、合成樹脂製の成形品である。
【0012】
底板1は、矩形板状である。底板1の周縁部分は、互いに平行である一対の短側部分11と、互いに平行である一対の長側部分12とを含む。短側部分11と長側部分12とは、周方向において交互にかつ連続して位置する。
【0013】
短側部分11には、揺動板3が係脱可能に係合する図示略の係合部分が、設けられている。この係合部分に揺動板3が内側から係合することで、揺動板3は、底板1と口枠2との間で起立姿勢に保持される。
【0014】
長側部分12には、折曲板4の下縁部分が回転可能に連結する図示略の連結部が、設けられている。
【0015】
口枠2は、矩形枠状である。口枠2は、揺動板3が回転可能に連結される一対の短側フレーム21と、折曲板4の上縁部分が回転可能に連結される一対の長側フレーム22とを含む。短側フレーム21と長側フレーム22とは、周方向において交互にかつ連続して位置する。
【0016】
一対の短側フレーム21と一対の長側フレーム22は、いずれも一直線状である。口枠2の開口部20は、一対の短側フレーム21と一対の長側フレーム22とで全周を囲まれた部分である。
【0017】
短側フレーム21の上面には、複数の突起215が形成されている。複数の突起215は、短側フレーム21の長手方向に距離をあけて位置する2つの突起215である。長側フレーム22の上面には、蓋5が回転可能に連結する複数の連結部225が、形成されている。複数の連結部225は、長側フレーム22の上面から突出している。
【0018】
一対の揺動板3は、それぞれ矩形板状である。一対の揺動板3は、一対の短側フレーム21に対して、内側に向けて(言い換えれば、互いに近づく向きに)回転可能に連結されている。
【0019】
揺動板3のうち、口枠2に連結される端縁部分とは反対側の端縁部分には、底板1の短側部分11に対して内側から係脱可能に係合する図示略の係合部分が、設けられている。この係合部分が底板1に係合することで、揺動板3は、底板1と口枠2との間で起立姿勢に保持される。
【0020】
一対の折曲板4は、ともに矩形板状である第1板41と第2板42とを含む。第1板41と第2板42とが連結状態で「く」字状に折れ曲がることで、折曲板4の全体が二つ折り可能である。
【0021】
詳細には、第1板41に含まれる端縁部分が、口枠2の長側フレーム22に対して回転可能に連結する。第1板41のうち、口枠2に連結される端縁部分とは反対側の端縁部分が、第2板42に対して回転可能に連結する。
【0022】
第2板42に含まれる端縁部分は、底板1の長側部分12に対して回転可能に連結する。第2板42のうち、底板1に連結される端縁部分とは反対側の端縁部分が、第1板41に対して回転可能に連結する。
【0023】
一対の蓋5は、ともに矩形板状である。一対の蓋5は、口枠2に対して回転可能に取り付けられている。より詳細には、口枠2に含まれる一対の長側フレーム22に対して、一対の蓋5が一対一に取り付けられている。一対の蓋5は、口枠2が形成する開口部20を開閉するように構成されている。
【0024】
蓋5に含まれる長辺側の端縁部分が、口枠2の長側フレーム22に設けられた複数の連結部225に対して、回転可能に連結する。
【0025】
蓋5に含まれる短辺側の端縁部分には、貫通孔55が形成されている。蓋5が閉じられたとき、口枠2の各短側フレーム21に形成された突起215が、対応する貫通孔55に一対一で嵌り込む。
【0026】
蓋5には、蓋5を閉姿勢で固定するためのロック部材57が、装着されている。ロック部材57は、蓋5とは別体の樹脂成形品であって、蓋5の端縁部分に装着されている。ロック部材57は、蓋5の長手方向の所定範囲内においてスライド可能である。
【0027】
ロック部材57が、スライド可能な範囲の第1端に位置するとき、口枠2の内側面に形成された凹部25(
図1B参照)に、ロック部材57の先端部が差し込まれる。これにより、ロック部材57を介して蓋5が口枠2に固定される。ロック部材57が、スライド可能な範囲のうち第1端とは反対側の第2端に位置するとき、蓋5の固定は解除される。
【0028】
蓋5は、
図1に示す閉姿勢と、
図2に示す開姿勢との間で、270°回転可能である。蓋5が開姿勢にあるとき、蓋5は、折曲板4の外側面に沿うように、口枠2の長側フレーム22から垂下され得る。
【0029】
(1-2)凹凸形状
第1実施形態の運搬用容器9において、底板1及び口枠2の外側面には、スライドスタッキングに利用可能な凹凸形状6が設けられている。
【0030】
ここでのスライドスタッキングは、
図3に示すように、縦姿勢の運搬用容器9の上に、別の運搬用容器9を縦姿勢で滑らせながら水平方向にスライドさせ、
図4に示すように2つの運搬用容器9をスタッキングさせることを意味する。
【0031】
運搬用容器9の縦姿勢は、その運搬用容器9において一対の揺動板3又は一対の折曲板4が上下に位置する姿勢を意味する。第1実施形態における縦姿勢では、一対の揺動板3が上下に位置する。
【0032】
凹凸形状6は、底板側第1凹凸部71と、底板側第2凹凸部72と、口枠側第1凹凸部81と、口枠側第2凹凸部82とを含む(
図2A、
図2B参照)。
【0033】
底板側第1凹凸部71は、底板1の外側面の一部に設けられている。底板側第2凹凸部72は、底板1の外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられている。
【0034】
詳細には、底板側第1凹凸部71は、底板1に含まれる一対の短側部分11のうち一方の短側部分11の外側面114に、設けられている。底板側第2凹凸部72は、底板1に含まれる一対の短側部分11のうち他方の短側部分11の外側面114に、設けられている。
【0035】
口枠側第1凹凸部81は、口枠2の外側面の一部に設けられている。口枠側第2凹凸部82は、口枠2の外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられている。
【0036】
詳細には、口枠側第1凹凸部81は、口枠2に含まれる一対の短側フレーム21のうち一方の短側フレーム21の外側面214に、設けられている。口枠側第2凹凸部82は、口枠2に含まれる一対の短側フレーム21のうち他方の短側フレーム21の外側面214に、設けられている。
【0037】
更に、第1実施形態の凹凸形状6は、ガイドレール63を含んでいる。ガイドレール63は、口枠2の外側面の一部とこれの反対を向く部分とに設けられている。つまり、口枠2に含まれる一対の短側フレーム21のそれぞれの外側面214に、ガイドレール63が設けられている。
【0038】
(1-3)底板側第1凹凸の詳細
図2A等に示すように、底板側第1凹凸部71は、底板1に含まれる一対の短側部分11のうち一方の短側部分11(以下、「第1の短側部分11」という。)の外側面114に設けられた凸部711を含む。第1実施形態において、底板側第1凹凸部71は、複数の凸部711を含む。複数の凸部711は、詳細には、第1の短側部分11の長手方向(言い換えれば、一対の折曲板4が対向する方向)に距離をあけて並んだ3つの凸部711A,711B,711Cである。底板側第1凹凸部71のうち、3つの凸部711A,711B,711Cを除く部分は、3つの凸部711A,711B,711Cよりも相対的に凹んだ形状を有する。
【0039】
3つの凸部711A,711B,711Cは、いずれも第1の短側部分11の長手方向に真っ直ぐ延びた外形を有する。3つの凸部711A,711B,711Cのうち中央の凸部711Bは、第1の短側部分11の外側面114の中央部に位置する。残り2つの凸部711A,711Cは、第1の短側部分11の長手方向において、凸部711Bを挟んだ両側に位置する。
【0040】
第1の短側部分11の長手方向において、中央の凸部711Bの長さは、両側の凸部711A,711Cの長さよりも短い。両側の凸部711A,711Cの長さは、互いに同一である。
【0041】
(1-4)底板側第2凹凸の詳細
図2B等に示すように、底板側第2凹凸部72は、底板1に含まれる一対の短側部分11のうち他方の短側部分11(以下、「第2の短側部分11」という。)の外側面114に設けられた凸部721を含む。
【0042】
第1実施形態において、第2の短側部分11は、第1の短側部分11と同一の形状を有する。第2の短側部分11の底板側第2凹凸部72は、第1の短側部分11の底板側第1凹凸部71と同一の形状を有する。
【0043】
具体的には、底板側第2凹凸部72は、複数の凸部721を含む。複数の凸部721は、第2の短側部分11の長手方向(言い換えれば、一対の折曲板4が対向する方向)に距離をあけて並んだ3つの凸部721A,721B,721Cである。底板側第2凹凸部72のうち、3つの凸部721A,721B,721Cを除く部分は、3つの凸部721A,721B,721Cよりも相対的に凹んだ形状を有する。
【0044】
3つの凸部721A,721B,721Cは、いずれも第2の短側部分11の長手方向に真っ直ぐ延びた外形を有する。3つの凸部721A,721B,721Cのうち中央の凸部721Bは、第2の短側部分11の外側面114の中央部に位置する。残り2つの凸部721A,721Cは、第2の短側部分11の長手方向において、凸部721Bを挟んだ両側に位置する。
【0045】
第2の短側部分11の長手方向において、中央の凸部721Bの長さは、両側の凸部721A,721Cの長さよりも短い。両側の凸部721A,721Cの長さは、互いに同一である。
【0046】
(1-5)口枠側第1凹凸の詳細
図2A等に示すように、口枠側第1凹凸部81は、口枠2に含まれる一対の短側フレーム21のうち一方の短側フレーム21(以下、「第1の短側フレーム21」という。)の外側面214に設けられた凹部811を含む。第1実施形態において、口枠側第1凹凸部81は、複数の凹部811を含む。複数の凹部811は、詳細には、第1の短側フレーム21の長手方向(言い換えれば、一対の折曲板4が対向する方向)に距離をあけて並んだ3つの凹部811A,811B,811Cである。
【0047】
3つの凹部811A,811B,811Cは、いずれも第1の短側フレーム21の長手方向に長い外形を有する。3つの凹部811A,811B,811Cのうち中央の凹部811Bは、第1の短側フレーム21の外側面214の中央部に位置する。残り2つの凹部811A,811Cは、第1の短側フレーム21の長手方向において、凹部811Bを挟んだ両側に位置する。
【0048】
第1の短側フレーム21の長手方向において、中央の凹部811Bの長さは、両側の凹部811A,811Cの長さよりも短い。両側の凹部811A,811Cの長さは、互いに同一である。また、中央の凹部811Bは、両側の凹部811A,811Cよりも深く形成されている。両側の凹部811A,811Cの深さは、互いに同一である。
【0049】
口枠側第1凹凸部81は、2つのリブ状の仕切り部812を、更に含む。2つの仕切り部812は、中央の凹部811Bと両側の凹部811A,811Cとの間に、それぞれ設けられている。仕切り部812は、3つの凹部811A,811B,811Cのいずれの底面よりも高い頂面813と、ガイド面814とを有する。ガイド面814は、隣接する凹部811A(811C)の底面と頂面813とをつなげるように、傾斜している。ガイド面814は、隣接する凹部811A(811C)から離れるほど(言い換えれば中央の凹部811Bに近づくほど)突出量が増すように傾斜した面である。
【0050】
口枠側第1凹凸部81は、別の2つのリブ状の仕切り部815を、更に含む。2つの仕切り部815は、両側の凹部811A,811Cのうち中央の凹部811Bから離れた側の端縁を規定するように、それぞれ設けられている。仕切り部815は、ガイド面817とを有する。ガイド面817は、隣接する凹部811A(811C)から離れるほど突出量が小さくなるように、傾斜している。
【0051】
(1-6)口枠側第2凹凸の詳細
図2B等に示すように、口枠側第2凹凸部82は、口枠2に含まれる一対の短側フレーム21のうち他方の短側フレーム21(以下、「第2の短側フレーム21」という。)の外側面214に設けられた凹部821を含む。
【0052】
第1実施形態において、第2の短側フレーム21は、第1の短側フレーム21と同一の形状を有する。第2の短側フレーム21の口枠側第2凹凸部82は、第1の短側フレーム21の口枠側第1凹凸部81と同一の形状を有する。
【0053】
具体的には、口枠側第2凹凸部82は、複数の凹部821を含む。複数の凹部821は、詳細には、第2の短側フレーム21の長手方向(言い換えれば、一対の折曲板4が対向する方向)に距離をあけて並んだ3つの凹部821A,821B,821Cである。
【0054】
3つの凹部821A,821B,821Cは、いずれも第2の短側フレーム21の長手方向に長い外形を有する。3つの凹部821A,821B,821Cのうち中央の凹部821Bは、第2の短側フレーム21の外側面214の中央部に位置する。残り2つの凹部821A,821Cは、第2の短側フレーム21の長手方向において、凹部821Bを挟んだ両側に位置する。
【0055】
第2の短側フレーム21の長手方向において、中央の凹部821Bの長さは、両側の凹部821A,821Cの長さよりも短い。両側の凹部821A,821Cの長さは、互いに同一である。また、中央の凹部821Bは、両側の凹部821A,821Cよりも深く形成されている。両側の凹部821A,821Cの深さは、互いに同一である。
【0056】
口枠側第2凹凸部82は、2つのリブ状の仕切り部822を、更に含む。2つの仕切り部822は、中央の凹部821Bと両側の凹部821A,821Cとの間に、それぞれ設けられている。仕切り部822は、3つの凹部821A,821B,821Cのいずれの底面よりも高い頂面823と、ガイド面824とを有する。ガイド面824は、隣接する凹部811A(811C)の底面と頂面823とをつなげるように、傾斜している。ガイド面824は、隣接する凹部811A(811C)から離れるほど(言い換えれば中央の凹部821Bに近づくほど)突出量が増すように傾斜した面である。
【0057】
口枠側第2凹凸部82は、別の2つのリブ状の仕切り部825を、更に含む。2つの仕切り部825は、両側の凹部821A,821Cのうち中央の凹部821Bから離れた側の端縁を規定するように、それぞれ設けられている。仕切り部825は、ガイド面827を有する。ガイド面827は、隣接する凹部811A(811C)から離れるほど突出量が小さくなるように、傾斜している。
【0058】
(1-7)ガイドレールの詳細
ガイドレール63は、口枠側第1凹凸部81と口枠側第2凹凸部82のそれぞれに含まれている。ガイドレール63は、運搬用容器9の縦姿勢でのスライドスタッキングを案内するための構成である。
【0059】
図2Aに示すように、口枠側第1凹凸部81に含まれるガイドレール63(以下、「第1のガイドレール63」という。)は、口枠2の第1の短側フレーム21の長手方向に延びた凸状のレールである。第1のガイドレール63は、第1の短側フレーム21の全長にわたって、直線状に形成されている。
【0060】
第1のガイドレール63は、3つの凹部811A,811B,811Cに隣接して位置する。第1のガイドレール63は、3つの凹部811A,811B,811Cのそれぞれに対して平行である。
【0061】
第1の短側フレーム21の短手方向(つまり底板1と口枠2とが対向する方向)において、第1のガイドレール63は、3つの凹部811A,811B,811Cよりも内側に位置する。つまり、第1のガイドレール63は、3つの凹部811A,811B,811Cと揺動板3との間に位置する。第1のガイドレール63と底板1との距離は、3つの凹部811A,811B,811Cと底板1との距離よりも短い。
【0062】
第1のガイドレール63は、第1のガイドレール63に隣接する仕切り部812,815よりも、高く設けられている。第1のガイドレール63は、仕切り部812の頂面813よりも高い。
【0063】
図2Bに示すように、口枠側第2凹凸部82に含まれるガイドレール63(以下、「第2のガイドレール63」という。)は、第1のガイドレール63と同一の形状を有している。第2のガイドレール63は、口枠2の第2の短側フレーム21の長手方向(つまり一対の折曲板4が対向する方向)に延びた凸状のレールである。第2のガイドレール63は、第2の短側フレーム21の全長にわたって、直線状に形成されている。
【0064】
第2のガイドレール63は、3つの凹部821A,821B,821Cに隣接して位置する。第2のガイドレール63は、3つの凹部821A,821B,821Cのそれぞれに対して平行である。
【0065】
第2の短側フレーム21の短手方向(つまり底板1と口枠2とが対向する方向)において、第2のガイドレール63は、内側に位置する。つまり、第2のガイドレール63は、3つの凹部821A,821B,821Cと揺動板3との間に位置する。第2のガイドレール63と底板1との距離は、3つの凹部821A,821B,821Cと底板1との距離よりも短い。
【0066】
第2のガイドレール63は、第2のガイドレール63に隣接する仕切り部822,825よりも、高く設けられている。第2のガイドレール63は、仕切り部822の頂面823よりも高い。
【0067】
(1-8)縦姿勢でのスタッキング
図3、
図4に示すように、上記の構成を備える第1実施形態の運搬用容器9を2つ用意すれば、2つの運搬用容器9をそれぞれ縦姿勢とした状態でスタッキングすることが可能である。以下のスタッキングの説明においては、下側の運搬用容器9に符号9Aを付し、上側の運搬用容器9に符号9Bを付す。
【0068】
縦姿勢でのスタッキングにおいては、下側の運搬用容器9Aに設けられた凹凸形状6と、上側の運搬用容器9Bに設けられた凹凸形状6とが、嵌合する。なお、ここでの嵌合は、隙間なく嵌まり合うことに限定されず、適宜のクリアランスを介して嵌まり合うことも含まれる。
【0069】
具体的には、
図5Aに示すように、下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71に含まれる3つの凸部711A,711B,711Cと、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82に含まれる3つの凹部821A,821B,821Cとが、嵌合する。3つの凸部711A,711B,711Cのうち中央の凸部711Bが、3つの凹部821A,821B,821Cのうち中央の凹部821Bに差し込まれて嵌合し、両側の凸部711A,711Cが、両側の凹部821A,821Cに一対一で差し込まれて嵌合する。
【0070】
また、
図5Bに示すように、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81に含まれる3つの凹部811A,811B,811Cと、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72に含まれる3つの凸部721A,721B,721Cとが、嵌合する。3つの凹部811A,811B,811Cのうち中央の凹部811Bに、3つの凸部721A,721B,721Cのうち中央の凸部721Bが差し込まれて嵌合し、両側の凹部811A,811Cに、両側の凸部721A,721Cが一対一で差し込まれて嵌合する。
【0071】
上記の嵌合により、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが、互いに逆側を向いた縦姿勢でスタッキングされる。つまり、下側の運搬用容器9Aの底板1の上に、上側の運搬用容器9Bの口枠2が乗せられ、下側の運搬用容器9Aの口枠2の上に、上側の運搬用容器9Bの底板1が乗せられる。上記の嵌合により、下側の運搬用容器9Aに対する上側の運搬用容器9Bの横ずれは防止される。上下の運搬用容器9A,9Bにおいて、口枠2の開口部20を通じて収容物を取り出し可能な向きは、互いに逆向きである。
【0072】
第1実施形態においては、下側の運搬用容器9Aに対して、上側の運搬用容器9Bを円滑にスライドスタッキングさせることが可能である(
図3参照)。
【0073】
このとき、下側の運搬用容器9Aが備える第1のガイドレール63に対して、上側の運搬用容器9Bが備える3つの凸部721A,721B,721Cが、第1のガイドレール63が延びる方向に沿って摺接可能である。また、下側の運搬用容器9Aが備えるガイド面814,817に対して、上側の運搬用容器9Bが備える3つの凸部721A,721B,721Cが摺接可能である。3つの凸部721A,721B,721Cは、ガイド面814,817に摺接しながら、対応する凹部811A,811B,811Cにまで円滑に案内される。
【0074】
ここで、既述したように中央の凸部721Bの長さは、その両側の凸部721A,721Cの長さよりも短く、中央の凸部721Bに嵌合する中央の凹部811Bの長さは、その両側の凹部811A,811Cの長さよりも短い。両側の凸部721A,721Cの長さは、中央の凹部811Bの長さよりも短い。したがって、スライドスタッキングの際に、中央の凹部811Bに対して両側の凸部721A,721Cが嵌まることや引っ掛かることが抑えられ、円滑なスライドスタッキングが可能となる。
【0075】
加えて、上側の運搬用容器9Bが備える第2のガイドレール63に対して、下側の運搬用容器9Aが備える3つの凸部711A,711B,711Cが、第2のガイドレール63が延びる方向に沿って摺接可能である。また、上側の運搬用容器9Bが備えるガイド面824,827に対して、下側の運搬用容器9Aが備える3つの凸部711A,711B,711Cが摺接可能である。3つの凸部711A,711B,711Cは、ガイド面824,827に摺接しながら、対応する凹部821A,821B,821Cにまで円滑に案内される。
【0076】
ここで、既述したように中央の凸部711Bの長さは、その両側の凸部711A,711Cの長さよりも短く、中央の凸部711Bに嵌合する中央の凹部821Bの長さは、その両側の凹部821A,821Cの長さよりも短い。両側の凸部711A,711Cの長さは、中央の凹部821Bの長さよりも短い。したがって、スライドスタッキングの際に、中央の凹部821Bに対して両側の凸部711A,711Cが嵌まることや引っ掛かることが抑えられ、円滑なスライドスタッキングが可能となる。
【0077】
これらの摺接によって、下側の運搬用容器9Aに対する上側の運搬用容器9Bの縦姿勢でのスライドスタッキングが、円滑に実現される。
【0078】
第1実施形態の運搬用容器9が備える底板1と口枠2とは、互いに異なる色を有することが好ましい。これによれば、縦姿勢でのスタッキングにおいて、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bの互いの向きがきちんと逆側に設けられているか否かを、一見して把握することができる。第1実施形態においては、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bの互いの向きが逆側に設定されていないと、縦姿勢で安定的にスタッキングすることが困難である。
【0079】
上下の運搬用容器9A,9Bの互いの向きが逆であると、全体の段積み強度が安定するという利点がある。というのも、矩形平板状の底板1と矩形枠状の口枠2とでは、形状が異なるので、縦姿勢での強度に差があるのに対して、上下の運搬用容器9A,9Bの互いの向きが逆であれば、全体として強度が均されるからである。
【0080】
なお、運搬用容器9の縦姿勢は、通常の保管、運搬の際にも有用な場合がある。収容物によっては、その品質を維持するために縦姿勢の運搬用容器9内で保管、運搬することが好ましい場合がある。運搬においては、例えば、縦姿勢でパレット上に二段積みして運搬することが可能である。
【0081】
(1-9)横姿勢でのスタッキング
図6に示すように、第1実施形態の運搬用容器9を2つ用意すれば、2つの運搬用容器9をそれぞれ横姿勢とした状態でスタッキングすることが可能である。運搬用容器9の横姿勢は、その運搬用容器9において底板1の上に口枠2が位置する姿勢を意味する。
【0082】
横姿勢でスタッキングされた上下の運搬用容器9A,9Bにおいて、上側の運搬用容器9Bの底板1のうち周縁部15を除いた部分16(
図3参照)が、下側の運搬用容器9Aの口枠2に設けられた複数の連結部225と複数の突起215とに囲まれ、横ずれが防止される。底板1の部分16は、横姿勢において底板1の周縁部15よりも下に突出する。
【0083】
横姿勢においては、上側の運搬用容器9Bが備える底板1の部分16の外周面が、下側の運搬用容器9Aが備える口枠2の複数の突起215に摺接することで、一対の揺動板3が対向する方向においてスライドが案内される(
図6の矢印参照)。この摺接によって、下側の運搬用容器9Aに対する上側の運搬用容器9Bの横姿勢でのスライドスタッキングが、円滑に実現される。
【0084】
図6では、下側の運搬用容器9において一対の蓋5を閉じた状態でスタッキングしているが、
図1Bに示すように一対の蓋5を開いた状態であっても、同様にスタッキングをすることが可能である。
【0085】
このように、第1実施形態の運搬用容器9によれば、
図6に示す横姿勢でのスタッキングと、
図4等に示す縦姿勢でのスタッキングとを選択的に行うことが可能であり、更に、横姿勢と縦姿勢の両方において、円滑にスライドスタッキングを行うことが可能である。
【0086】
なお、上記では2つの運搬用容器9のスタッキングについて説明したが、スタッキングの作業を繰り返すことで、3つ以上の運搬用容器9を縦姿勢でスタッキングすることも可能である。
【0087】
(2)第2実施形態
(2-1)運搬用容器の全体構造
図7A、
図7Bには、第2実施形態の運搬用容器9を示している。
【0088】
第2実施形態の運搬用容器9の基本構成は、上記した第1実施形態と同様であるから、以下においては、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、第1実施形態とは相違する構成について詳細に説明する。
【0089】
第2実施形態の運搬用容器9は、底板1、口枠2、一対の揺動板3、一対の折曲板4及び一対の蓋5を備え、底板1及び口枠2の外側面には、スライドスタッキングに利用可能な凹凸形状6が設けられている。凹凸形状6は、底板側第1凹凸部71と、底板側第2凹凸部72と、口枠側第1凹凸部81と、口枠側第2凹凸部82とを含む。
【0090】
(2-2)底板側第1凹凸の詳細
図7A等に示すように、底板側第1凹凸部71は、底板1の第1の短側部分11の外側面114に設けられた凹部718を含む。底板側第1凹凸部71のうち、凹部718を除く周囲部分719は、凹部718よりも相対的に突出した形状を有する。
【0091】
凹部718は、第1の短側部分11の長手方向に真っ直ぐ延びた、細長い矩形状の外形を有する。
【0092】
周囲部分719は、凹部718に沿って第1の短側部分11の長手方向に真っ直ぐ延びたリブ状の第1部分7191と、第1部分7191の一端から第1の短側部分11の短手方向(つまり底板1と口枠2とが対向する方向)に延びたリブ状の第2部分7192と、第1部分7191の他端から第1の短側部分11の短手方向に延びたリブ状の第3部分7193とを含む。第2部分7192と第3部分7193とは、同一の向き(具体的には底板1に対して口枠2が位置する向き)に延びており、互いに平行である。周囲部分719は、コ字状の外形を有する。
【0093】
第1部分7191は、第1の短側部分11の全長にわたって、直線状に形成されている。第1の短側部分11の短手方向において、第1部分7191は、凹部718よりも外側に位置する。つまり、第1部分7191と揺動板3との間に、凹部718が位置する。第1部分7191と口枠2との距離は、凹部718と口枠2との距離よりも長い。
【0094】
第2部分7192と第3部分7193は、第1の短側部分11の長手方向において凹部718を挟んで位置する。言い換えれば、第2部分7192と第3部分7193とが、凹部718の両端を規定する。
【0095】
凹部718は、第1の短側部分11の短手方向において内側に開放されている。つまり、凹部718は、口枠2及びここに設けられた口枠側第1凹凸部81に向けて開放されている。
【0096】
(2-3)底板側第2凹凸の詳細
図7B等に示すように、底板側第2凹凸部72は、底板1の第2の短側部分11の外側面114に設けられた凸部728を含む。底板側第2凹凸部72のうち、凸部728を除く周囲部分729は、凸部728よりも相対的に凹んだ形状を有する。
【0097】
凸部728は、第2の短側部分11の長手方向に真っ直ぐ延びた、細長い矩形状の外形を有する。
【0098】
周囲部分729は、凸部728に沿って第2の短側部分11の長手方向に真っ直ぐ延びた第1部分7291と、第1部分7291の一端から第2の短側部分11の短手方向(つまり底板1と口枠2とが対向する方向)に延びた第2部分7292と、第1部分7291の他端から第2の短側部分11の短手方向に延びた第3部分7293とを含む。第2部分7292と第3部分7293とは、同一の向き(具体的には底板1に対して口枠2が位置する向き)に延びており、互いに平行である。周囲部分729は、コ字状の外形を有する。
【0099】
第2の短側部分11の短手方向において、凸部728は、周囲部分729の第1部分7291よりも内側に位置する。つまり、第1部分7291と揺動板3との間に、凸部728が位置する。第1部分7291と口枠2との距離は、凸部728と口枠2との距離よりも長い。第2部分7292と第3部分7293は、第2の短側部分11の長手方向において凸部728を挟んで位置する。
【0100】
(2-4)口枠側第1凹凸の詳細
図7A等に示すように、口枠側第1凹凸部81は、口枠2の第1の短側フレーム21の外側面214に設けられた凹部818を含む。口枠側第1凹凸部81のうち、凹部818を除く周囲部分819は、凹部818よりも相対的に突出した形状を有する。
【0101】
凹部818は、第1の短側フレーム21の長手方向に真っ直ぐ延びた、細長い矩形状の外形を有する。
【0102】
周囲部分819は、凹部818に沿って第1の短側フレーム21の長手方向に真っ直ぐ延びたリブ状の第1部分8191と、第1部分8191の一端から第1の短側フレーム21の短手方向に延びたリブ状の第2部分8192と、第1部分8191の他端から第1の短側フレーム21の短手方向に延びたリブ状の第3部分8193とを含む。第2部分8192と第3部分8193とは、同一の向き(具体的には口枠2に対して底板1が位置する向き)に延びており、互いに平行である。周囲部分819は、コ字状の外形を有する。
【0103】
第1部分8191は、第1の短側フレーム21の全長にわたって、直線状に形成されている。第1の短側フレーム21の短手方向において、第1部分8191は、凹部818よりも外側に位置する。つまり、第1部分8191と揺動板3との間に、凹部818が位置する。第1部分8191と底板1との距離は、凹部818と底板1との距離よりも長い。
【0104】
第2部分8192と第3部分8193は、第1の短側フレーム21の長手方向において凹部818を挟んで位置する。言い換えれば、第2部分8192と第3部分8193とが、凹部818の両端を規定する。
【0105】
凹部818は、第1の短側フレーム21の短手方向において内側に開放されている。つまり、凹部818は、底板1及びここに設けられた底板側第1凹凸部71に向けて開放されている。
【0106】
底板側第1凹凸部71の凹部718と、口枠側第1凹凸部81の凹部818とは、互いに向けて開放されている。
【0107】
底板1と口枠2とが対向する方向において、底板側第1凹凸部71の凹部718の幅は、口枠側第1凹凸部81の凹部818の幅よりも、狭く設けられている。一対の折曲板4が対向する方向において、底板側第1凹凸部71の凹部718の長さと、口枠側第1凹凸部81の凹部818の長さとは、同一である。
【0108】
(2-5)口枠側第2凹凸の詳細
図7B等に示すように、口枠側第2凹凸部82は、口枠2の第2の短側フレーム21の外側面214に設けられた凸部828を含む。口枠側第2凹凸部82のうち、凸部828を除く周囲部分829は、凸部828よりも相対的に凹んだ形状を有する。
【0109】
凸部828は、第2の短側フレーム21の長手方向に真っ直ぐ延びた、細長い矩形状の外形を有する。
【0110】
周囲部分829は、凸部828に沿って第2の短側フレーム21の長手方向に真っ直ぐ延びた第1部分8291と、第1部分8291の一端から第2の短側フレーム21の短手方向(つまり口枠2と底板1とが対向する方向)に延びた第2部分8292と、第1部分8291の他端から第2の短側フレーム21の短手方向に延びた第3部分8293とを含む。第2部分8292と第3部分8293とは、同一の向き(具体的には口枠2に対して底板1が位置する向き)に延びており、互いに平行である。周囲部分829は、コ字状の外形を有する。
【0111】
第2の短側フレーム21の短手方向において、凸部828は、周囲部分829の第1部分8291よりも内側に位置する。つまり、第1部分8291と揺動板3との間に、凸部828が位置する。第1部分8291と底板1との距離は、凸部828と底板1との距離よりも長い。第2部分8292と第3部分8293は、第2の短側フレーム21の長手方向において凸部828を挟んで位置する。
【0112】
底板1と口枠2とが対向する方向において、底板側第2凹凸部72の凸部728の幅は、口枠側第2凹凸部82の凸部828の幅よりも、狭く設けられている。一対の折曲板4が対向する方向において、底板側第2凹凸部72の凸部728の長さと、口枠側第2凹凸部82の凸部828の長さとは、同一である。
【0113】
(2-6)縦姿勢でのスタッキング
図8、
図10に示すように、上記の構成を備える第2実施形態の運搬用容器9を2つ用意すれば、2つの運搬用容器9をそれぞれ縦姿勢とした状態でスタッキングすることが可能である。
【0114】
図8に示すスタッキングでは、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが、同一側を向いた縦姿勢でスタッキングされている。
図10に示すスタッキングでは、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが、互いに逆側を向いた縦姿勢でスタッキングされている。
【0115】
同一側を向いたスタッキングでは、下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71と、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72とが嵌合し、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81と、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82とが嵌合する。
【0116】
具体的には、
図9Aに示すように、下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71に含まれる凹部718と、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72に含まれる凸部728とが、嵌合する。また、
図9Bに示すように、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81に含まれる凹部818と、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82に含まれる凸部828とが、嵌合する。
【0117】
上記の嵌合により、下側の運搬用容器9Aの底板1の上に、上側の運搬用容器9Bの底板1が乗せられ、下側の運搬用容器9Aの口枠2の上に、上側の運搬用容器9Bの口枠2が乗せられ、下側の運搬用容器9Aに対する上側の運搬用容器9Bの横ずれは防止される。上下の運搬用容器9A,9Bにおいて、口枠2の開口部20を通じて収容物を取り出し可能な向きは、同一である。
【0118】
第2実施形態においては、下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71に含まれる直線状の第1部分7191に対して、上側の運搬用容器9Bの凸部728が摺接し、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81に含まれる直線状の第1部分8191に対して、上側の運搬用容器9Bの凸部828が摺接することによって、上側の運搬用容器9Bを円滑にスライドスタッキングさせることが可能である。
【0119】
また、互いに逆側を向いたスタッキングでは、下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71と、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82とが嵌合し、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81と、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72とが、嵌合する。
【0120】
具体的には、
図11Aに示すように、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81に含まれる凹部818と、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72に含まれる凸部728とが、嵌合する。また、
図11Bに示すように、下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71に含まれる凹部718と、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82に含まれる凸部828とが、嵌合する。
【0121】
上記の嵌合により、下側の運搬用容器9Aの口枠2の上に、上側の運搬用容器9Bの底板1が乗せられ、下側の運搬用容器9Aの底板1の上に、上側の運搬用容器9Bの口枠2が乗せられ、下側の運搬用容器9Aに対する上側の運搬用容器9Bの横ずれは防止される。上下の運搬用容器9A,9Bにおいて、口枠2の開口部20を通じて収容物を取り出し可能な向きは、互いに逆向きである。
【0122】
第2実施形態においては、互いに逆向きでスタッキングさせる場合においても、下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71に含まれる直線状の第1部分7191に対して、上側の運搬用容器9Bの凸部828が摺接し、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81に含まれる直線状の第1部分8191に対して、上側の運搬用容器9Bの凸部728が摺接することで、上側の運搬用容器9Bを円滑にスライドスタッキングさせることが可能である。
【0123】
第2実施形態の運搬用容器9が備える底板1と口枠2とは、互いに異なる色を有することが好ましい。これによれば、縦姿勢でのスタッキングにおいて、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bの互いの向きが同一であるか、或いは逆側であるかを、一見して把握することができる。また、運搬用容器9を横姿勢にするときに、収容物を出し入れ可能な部分(つまり口枠2の開口部20)がどちら側に位置するかを、一見して把握することができる。
【0124】
(2-7)横姿勢でのスタッキング
第2実施形態の運搬用容器9においても、第1実施形態と同様に、運搬用容器9を2つ用意すれば、2つの運搬用容器9をそれぞれ横姿勢とした状態でスタッキングすることが可能である。
【0125】
つまり、第2実施形態の運搬用容器9においては、横姿勢でのスタッキングと、同一側を向く縦姿勢でのスタッキングと、互いに逆側を向く縦姿勢でのスタッキングとを選択的に行うことが可能である。加えて、横方向、同一側を向く縦姿勢、互いに逆側を向く縦姿勢のいずれにおいても、円滑にスライドスタッキングを行うことが可能である。
【0126】
(3)変形例
第1実施形態の運搬用容器9においては、底板側第1凹凸部71が凸部711を備え、口枠側第2凹凸部82が凹部821を備えているが、これに限定されず、底板側第1凹凸部71と口枠側第2凹凸部82とが嵌合して位置決めされる限りにおいて、適宜の形状を採用することが可能である。例えば、底板側第1凹凸部71が少なくとも1つの凹部を備え、口枠側第2凹凸部82がこれに嵌合する少なくとも1つの凸部を備えてもよい。
【0127】
また、第1実施形態の運搬用容器9においては、口枠側第1凹凸部81が凹部811を備え、底板側第2凹凸部72が凸部721を備えているが、これに限定されず、口枠側第1凹凸部81と底板側第2凹凸部72とが嵌合して位置決めされる限りにおいて、適宜の形状を採用することが可能である。例えば、口枠側第1凹凸部81が少なくとも1つの凸部を備え、底板側第2凹凸部72がこれに嵌合する少なくとも1つの凹部を備えてもよい。
【0128】
また、第1実施形態の運搬用容器9においては、底板1の第1及び第2の短側部分11の形状が互いに同一であり、口枠2の第1及び第2の短側フレーム21の形状が互いに同一であり、口枠2の第1及び第2のガイドレール63の形状が互いに同一であるが、これに限定されず、縦姿勢でのスタッキングが可能な限りにおいて、互いに異なる形状を部分的に有することも可能である。
【0129】
第2実施形態の運搬用容器9においては、底板側第1凹凸部71と口枠側第1凹凸部81が凹部718,818を備え、底板側第2凹凸部72と口枠側第2凹凸部82とが凸部728,828を備えているが、これに限定されず、底板側第1凹凸部71と底板側第2凹凸部72とが嵌合し、口枠側第1凹凸部81と口枠側第2凹凸部82とが嵌合して位置決めされるとともに、底板側第1凹凸部71と口枠側第2凹凸部82とが嵌合し、口枠側第1凹凸部81と底板側第2凹凸部72とが嵌合して位置決めされる限りにおいて、適宜の形状を採用することが可能である。例えば、底板側第1凹凸部71と口枠側第1凹凸部81とが少なくとも1つの凸部を備え、底板側第2凹凸部72と口枠側第2凹凸部82とがこれらに嵌合する少なくとも1つの凹部を備えてもよい。
【0130】
第1及び第2実施形態の運搬用容器9では、一対の揺動板3が上下に位置する縦姿勢でのスタッキングを想定して凹凸形状6を設けているが、これに限定されず、一対の折曲板4が上下に位置する縦姿勢でのスタッキングを想定して、凹凸形状6を設けることも可能である。この場合、底板1に含まれる一対の長側部分12のうち一方の長側部分12の外側面に、底板側第1凹凸部71が設けられ、他方の長側部分12の外側面に、底板側第2凹凸部72が設けられる。口枠2に含まれる一対の長側フレーム22のうち一方の長側フレーム22の外側面に、口枠側第1凹凸部81が設けられ、他方の長側フレーム22の外側面に、口枠側第2凹凸部82が設けられる。
【0131】
第1及び第2実施形態の運搬用容器9において、一対の揺動板3の少なくとも一方にロック部材を設け、ロック部材を介して、その揺動板3を折曲板4又は底板1に対して着脱可能に固定することも好ましい。この変形例によれば、運搬用容器9が縦姿勢にあるときに、上に位置する揺動板3と底板1との係合が外れて揺動板3が内側に回転してしまうことが防止される。
【0132】
第1及び第2実施形態の運搬用容器9において、底板1、一対の折曲板4及び一対の蓋5の少なくとも1つの外面に、持ち手部を設けることも好ましい。この変形例によれば、持ち手部を利用して、運搬用容器9を縦姿勢で容易にスタッキングすることができる。更に、上記の持ち手部は、底板1、一対の折曲板4及び一対の蓋5の少なくとも1つの外面において、縦姿勢で上下に互いに距離をあけて位置するように複数設けられることが好ましい。例えば、上記の外面の上部と下部とに持ち手部が設けられていると、運搬用容器9を縦姿勢でスタッキングするときに、下側の運搬用容器9Aについてはその上部の手持ち部を利用してパレットに載せ、上側の運搬用容器9Bについてはその下部の手持ち部を利用して段積み作業を行う等、状況に応じて上下の手持ち部を使い分けることで作業性を高めることができる。
【0133】
第1及び第2実施形態の運搬用容器9において、底板1、一対の折曲板4及び一対の蓋5の少なくとも1つが、多数の貫通孔を含んだメッシュ構造を有することも好ましい。この変形例によれば、運搬用容器9の通気性が高められる。なお、縦姿勢において下に位置する揺動板3は、収容物が嵌まり込むようなメッシュ構造を有さないことが好ましい。
【0134】
縦姿勢において下に位置する揺動板3の内面は、収容物が嵌まり込むことがないように平坦であることが好ましい。運搬用容器9を横姿勢で使用する際の作業性を考慮して揺動板3に持ち手孔を設ける場合には、この持ち手孔を塞ぐグリップカバーを揺動板3の内側から装着することが好ましい。
【0135】
運搬用容器9の他の構成においても、同様の機能を有する範囲において、適宜に設計変更を行うことが可能である。
【0136】
(4)まとめ
上記の実施形態及び各種の変形例に基づいて説明したように、本開示の第1態様に係る運搬用容器9は、底板1と、開口部20が形成された口枠2と、口枠2に対して回転可能に連結された一対の揺動板3と、底板1及び口枠2に対して回転可能に連結された一対の折曲板4と、を備えた折り畳み式の運搬用容器9である。底板1及び口枠2の外側面には、スライドスタッキングに利用可能な凹凸形状6が設けられている。運搬用容器9を2つ用意し、この2つの運搬用容器9を、それぞれ一対の揺動板3又は一対の折曲板4が上下に位置する縦姿勢とした状態で、スタッキングしたときに、2つの運搬用容器9のうち下側の運搬用容器9Aに設けられた凹凸形状6と、2つの運搬用容器9のうち上側の運搬用容器9Bに設けられた凹凸形状6とが、嵌合するように構成されている。
【0137】
この態様によれば、通常のスタッキングとは別の姿勢(つまり一対の揺動板3が上下に位置する縦姿勢)で、上下の運搬用容器9A,9Bを安定的にスタッキングすることができ、段積み作業の効率化を図ることができる。加えて、この態様によれば、上側の運搬用容器9Bのスライドスタッキングによって、上下の運搬用容器9A,9Bを縦姿勢で安定的にスタッキングすることができる。
【0138】
本開示の第2態様に係る運搬用容器9では、第1態様に加えて、凹凸形状6には、一対の折曲板4が対向する方向に延びたガイドレール63が、含まれている。運搬用容器9を2つ用意し、この2つの運搬用容器9を、それぞれ一対の揺動板3が上下に位置する縦姿勢とした状態で、スタッキングしたときに、ガイドレール63は、下側の運搬用容器9Aに対する上側の運搬用容器9Bのスライドスタッキングを案内するように構成されている。
【0139】
この態様によれば、ガイドレール63を利用して、上側の運搬用容器9Bを縦姿勢で円滑にスライドスタッキングすることができる。
【0140】
本開示の第3態様に係る運搬用容器9では、第1又は第2態様に加えて、凹凸形状6は、底板1の外側面の一部に設けられた底板側第1凹凸部71と、底板1の外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた底板側第2凹凸部72と、口枠2の外側面の一部に設けられた口枠側第1凹凸部81と、口枠2の外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた口枠側第2凹凸部82と、を含む。下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71と、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72とが嵌合し、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81と、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82とが嵌合することで、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが同一側を向いてスタッキングされる。下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71と、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82とが嵌合し、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81と、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72とが嵌合することで、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いてスタッキングされる。
【0141】
この態様によれば、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが同一側を向いた状態と、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いた状態の両方において、上下の運搬用容器9A,9Bを安定的にスタッキングすることができる。加えて、この態様によれば、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが同一側を向いた状態と、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いた状態の両方において、上側の運搬用容器9Bのスライドスタッキングによって、上下の運搬用容器9A,9Bを縦姿勢で安定的にスタッキングすることができる。
【0142】
本開示の第4態様に係る運搬用容器9では、第1又は第2態様に加えて、凹凸形状6は、底板1の外側面の一部に設けられた底板側第1凹凸部71と、底板1の外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた底板側第2凹凸部72と、口枠2の外側面の一部に設けられた口枠側第1凹凸部81と、口枠2の外側面のうち、この一部とは反対を向く部分に設けられた口枠側第2凹凸部82と、を含む。下側の運搬用容器9Aの底板側第1凹凸部71と、上側の運搬用容器9Bの口枠側第2凹凸部82とが嵌合し、下側の運搬用容器9Aの口枠側第1凹凸部81と、上側の運搬用容器9Bの底板側第2凹凸部72とが嵌合することで、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いてスタッキングされるとともに、底板1と口枠2とは、互いに異なる色を有する。
【0143】
この態様によれば、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いた状態で、上下の運搬用容器9A,9Bを安定的にスタッキングすることができる。加えて、この態様によれば、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いているか否かを、一見して把握することができる。
【0144】
本開示の第5態様に係る運搬用容器9は、底板1と、開口部20が形成された口枠2と、口枠2に対して回転可能に連結された一対の揺動板3と、底板1及び口枠2に対して回転可能に連結された一対の折曲板4と、を備えた運搬用容器9である。底板1及び口枠2の外側面には、スタッキングに利用可能な凹凸形状6が設けられている。運搬用容器9を2つ用意し、この2つの運搬用容器9を、それぞれ一対の揺動板3又は一対の折曲板4が上下に位置する縦姿勢とした状態で、2つの運搬用容器9のうち下側の運搬用容器9Aに設けられた凹凸形状6と、2つの運搬用容器9のうち上側の運搬用容器9Bに設けられた凹凸形状6とが嵌合することで、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いてスタッキングされる。
【0145】
この態様によれば、下側の運搬用容器9Aと上側の運搬用容器9Bとが互いに逆側を向いた縦姿勢で、上下の運搬用容器9A,9Bを安定的にスタッキングすることができ、段積み作業の効率化を図ることができる。
【符号の説明】
【0146】
1 底板
2 口枠
20 開口部
3 揺動板
4 折曲板
6 凹凸形状
63 ガイドレール
71 底板側第1凹凸部
72 底板側第2凹凸部
81 口枠側第1凹凸部
82 口枠側第2凹凸部
9 運搬用容器
9A 下側の運搬用容器
9B 上側の運搬用容器