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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183812
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】組立式ラック
(51)【国際特許分類】
   A47B 45/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A47B45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097557
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】398018973
【氏名又は名称】株式会社ニッコー
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100137648
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢一
(72)【発明者】
【氏名】堀川 博
【テーマコード(参考)】
3B054
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA04
3B054BA10
3B054BA17
3B054BB03
3B054BB09
3B054BB16
3B054BC04
3B054BC08
3B054BC14
3B054CA07
3B054CA09
3B054EA02
(57)【要約】
【課題】 組立時間を短縮するとともに、コスト低減を可能にする組立式ラックを提供する。
【解決手段】 上下両側に突出する差込み片5を側縁に備える複数段の棚板2と、差込み片5に摺動自在に差込んで上段の棚板2と下段の棚板2とを接続する支柱3と、を備え、支柱3は、差込み片5の内側で上下段の棚板2に当接する棚板当接部3dと、差込み片5の外側で上下方向に隣接する他の支柱3の端縁と当接する端縁当接部3eと、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下両側に突出する差込み片を側縁に備える複数段の棚板と、
前記差込み片に摺動自在に差込んで上段の前記棚板と下段の前記棚板とを接続する支柱と、を備え、
前記支柱は、前記差込み片の内側で上下段の前記棚板に当接する棚板当接部と、前記差込み片の外側で上下方向に隣接する他の前記支柱の端縁と当接する端縁当接部と、を備える、
組立式ラック。
【請求項2】
最下段の前記棚板の下側で前記差込み片に摺動自在に差し込んで最下段の前記棚板に接続する脚柱を更に備え、
前記脚柱は、接地面に載置される座板と、前記差込み片の内側で最下段の前記棚板に当接する棚板当接部と、前記差込み片の外側で上側に隣接する前記支柱の端縁と当接する端縁当接部と、備える、
請求項1に記載の組立式ラック。
【請求項3】
最上段に配置される天井棚板を更に備え、
前記天井棚板は、下側に突出する片側差込み片を側縁に備え、
前記片側差込み片は、前記支柱を摺動可能に差込み可能とされ、
前記片側差込み片に差し込まれた前記支柱の前記棚板当接部が前記天井棚板に当接するように構成されている、
請求項1に記載の組立式ラック。
【請求項4】
前記差込み片がアングル材で形成され、
前記支柱が、アングル本体と、前記アングル本体の両側縁から内側に延びる鍔部と、を備え、
前記端縁当接部が、前記アングル本体の両端縁に設けられ、
前記棚板当接部が、前記鍔部に設けられている、
請求項1に記載の組立式ラック。
【請求項5】
前記差込み片がアングル材で形成され、
前記脚柱が、アングル本体と、前記アングル本体の両側縁から内側に延びる鍔部と、を備え、
前記端縁当接部が、前記アングル本体の上端縁に設けられ、
前記棚板当接部が、前記鍔部に設けられている、
請求項2に記載の組立式ラック。
【請求項6】
前記支柱は、前記鍔部の内側に沿って収容される補強プレートを備え、
前記補強プレートの上端縁及び下端縁が前記棚板に当接するように構成されている、
請求項4に記載の組立式ラック。
【請求項7】
前記脚柱は、前記鍔部の内側に沿って収容される補強プレートを備え、
前記補強プレートの上端縁が前記棚板に当接し、前記補強プレートの下端縁が前記座板に当接するように構成されている、
請求項5に記載の組立式ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の組立ラックでは、棚板と支柱とをジョイント金具で接続する等していた(例えば特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-262416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、棚板と支柱とをジョイント金具で接続する場合、各棚と各支柱にジョイント金具を取り付け、更にジョイント金具をボルト・ナットで固定するといった作業が必要となり、組立に時間がかかるという問題があった。また、多くのジョイント金具やボルト・ナットを用いるため、コスト削減が難しいという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、組立時間を短縮するとともに、コスト低減を可能にする組立式ラックを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る組立式ラックは、上下両側に突出する差込み片を側縁に備える複数段の棚板と、前記差込み片に摺動自在に差込んで上段の前記棚板と下段の前記棚板とを接続する支柱と、を備え、前記支柱は、前記差込み片の内側で上下段の前記棚板に当接する棚板当接部と、前記差込み片の外側で上下方向に隣接する他の前記支柱の端縁と当接する端縁当接部と、を備える。
【0007】
前記組立式ラックは、最下段の前記棚板の下側で前記差込み片に摺動自在に差し込んで最下段の前記棚板に接続する脚柱を更に備え、前記脚柱は、接地面に載置される座板と、前記差込み片の内側で最下段の前記棚板に当接する棚板当接部と、前記差込み片の外側で上側に隣接する前記支柱の端縁と当接する端縁当接部と、備えることができる。
【0008】
前記組立式ラックは、最上段に配置される天井棚板を更に備え、前記天井棚板は、下側に突出する片側差込み片を側縁に備え、前記片側差込み片は、前記支柱を摺動可能に差込み可能とされ、前記片側差込み片に差し込まれた前記支柱の前記棚板当接部が前記天井棚板に当接するように構成され得る。
【0009】
また、前記差込み片がアングル材で形成され、前記支柱が、アングル本体と、前記アングル本体の両側縁から内側に延びる鍔部と、を備え、前記端縁当接部が、前記アングル本体の両端縁に設けられ、前記棚板当接部が、前記鍔部に設けられ得る。
【0010】
前記差込み片がアングル材で形成され、前記脚柱が、アングル本体と、前記アングル本体の両側縁から内側に延びる鍔部と、を備え、前記端縁当接部が、前記アングル本体の上端縁に設けられ、前記棚板当接部が、前記鍔部に設けられ得る。
【0011】
前記支柱は、前記鍔部の内側に沿って収容される補強プレートを備え、前記補強プレートの上端縁及び下端縁が前記棚板に当接するように構成され得る。
【0012】
前記脚柱は、前記鍔部の内側に沿って収容される補強プレートを備え、前記補強プレートの上端縁が前記棚板に当接し、前記補強プレートの下端縁が前記座板に当接するように構成され得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、棚板に設けられた差込み片に支柱を差し込むことで組み立てることができるため、組立時間を短縮することができるとともに、部品点数削減によりコスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る組立式ラックの一実施形態を示す斜視図である。
図2図1の組立式ラックの構成要素である棚板を示す斜視図である。
図3図2のIII-III線に沿う拡大縦断面図である。
図4図1の組立式ラックの構成要素である天井棚板を示す斜視図である。
図5図1の組立式ラックの構成要素である支柱を示す6面図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は背面図、(e)は右側面図、(f)は左側面図である。
図6図5の支柱の斜視図である。
図7図5(a)の拡大図である。
図8】本発明の構成要素である差込み片を図7の支柱に差し込んだ状態を拡大して示す横断面図である。
図9】本発明の構成要素である差込み片の上側に支柱を差し込んで内側から見た状態を一部切欠いて示す斜視図である。
図10】本発明の構成要素である差込み片の下側に支柱を差し込んで内側から見た状態を一部切欠いて示す斜視図である。
図11】本発明の構成要素である差込み片の上下に支柱を差し込んで外側から見た状態を一部切欠いて示す斜視図である。
図12図1の組立式ラックの構成要素である脚柱を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
図13図12の脚柱に装着される補強プレートを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図14】本発明の構成要素である差込み片の下側に脚柱を差し込んで内側から見た状態を一部切欠いて示す斜視図である。
図15図5の支柱に装着される補強プレートを示す斜視図である。
図16図7の支柱に図2の差込み片と図15の補強プレートを差し込んだ状態を拡大して示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る組立式ラックの一実施形態について、以下に図1図14を参照して説明する。
【0016】
図1を参照して、組立式ラック1は、複数段の棚板2と、上段の棚板2と下段の棚板2とを接続する支柱3とを備えている。最下段の棚板2には、脚柱4が接続されている。組立式ラック1の最上段には天井棚板2Aが接続されている。
【0017】
図2を参照して、棚板2は、上下両側に突出する差込み片5を側縁2aに備えている。図示例の棚板2は、鋼板で形成され、載置面が四角形であり、周囲の側縁2aには、図3に示すように、曲げ加工による断面コ字状の補強リブ6が形成されている。棚板2の載置面2bの形状は、四角形に限らず、三角形、丸形、多角形等の他の形状とすることもできる。
【0018】
差込み片5は、図1及び図2に示されているように、アングル材で形成することができ、棚板2の四隅の側縁2aに固定されている。図示例の差込み片5は、鋼板を曲げ加工したアングル材であり、補強リブ6で形成された棚板2の側縁2aに溶接されている。
【0019】
図4を参照して、天井棚板2Aは、下側(載置面の反対面側)にのみ突出する片側差込み片5Aを側縁に備えている。天井棚板2Aは、その下段の棚板2と同様に、周囲に補強リブ(図示せず。)が形成されている。片側差込み片5Aは、下段の棚板2の差込み片5と同様に、鋼板を曲げ加工したアングル材であり、補強リブで形成された棚板2の側縁2aに溶接されている。
【0020】
図1図5図8を参照して、支柱3は、鋼板を曲げ加工されて形成されており、アングル本体3aと、アングル本体3aの両側縁から内側に延びる鍔部3bを備えている。図示例の鍔部3bは、アングル本体3aの側縁に曲げ形成され、アングル本体3aの内側に張り出すようにして設けられている。図示例において、鍔部3bは、アングル本体3aに対して約45°の角度で曲げ形成されているが、曲げ角度は適宜設定することができる。鍔部3b、3bとアングル本体3aとの間に、差込み片5の両側の側縁が入る案内溝3cが形成される。図8に断面図で示すように、支柱3に差込み片5を差し込むと、差込み片5の両側の側縁5aが案内溝3cに係合して案内されるとともに、差込み片5の外側面がアングル本体3aの内側面に摺動可能に当接することにより、支柱3に差込み片5を摺動自在に差込むことができるように構成されている。支柱3は、その内面に、差込み片5の外側面と摺動可能に当接する摺動面を有する。このように支柱3に差込み片5を差し込む構成とすることで、組立式ラック1の横方向片の力に対抗することができる。
【0021】
支柱3は、差込み片5の内側(棚板側)で上下段の棚板2に当接する棚板当接部3dと、差込み片5の外側で上下方向に隣接する他の支柱3の端縁と当接する端縁当接部3eと、を備える。
【0022】
棚板当接部3dは、鍔部3bに設けられている。図示例では、棚板当接部3dは、具体的には、鍔部3bの上下の端縁であり、図9及び図10に示すように、棚板2の上側(図9)及び下側(図10)の其々に当接し、棚板2の積載荷重を受ける。図示例において、図9に示すように鍔部3bの下端縁が棚板2の載置面に当接し、図10に示すように鍔部3bの上端縁が棚板2の補強リブ6の下面に当接し、其々に於いて荷重を受けることができる。なお、図示例の支柱3は断面三角形であるが、断面形状が円形或いは四角形等の他の断面形状の支柱を採用することもできる。
【0023】
端縁当接部3eは、アングル本体3aの両端縁に設けられている。端縁当接部3eと棚板当接部3dとは、高さが異なるように、両者間に段差S(図5図11)が設けられている。この段差Sは、例えば、棚板2の側縁の高さ寸法H(図3図11)の半分、S=H/2とされる。この段差Sを設けることにより、図11に示すように、差込み片5の上下に支柱3、3を差し込んだ時に、上側の支柱3の端縁当接部3eと下側の支柱3の端縁当接部3eとが当接し、棚板2上の積載荷重を受けることができる。
【0024】
また、差込み片5を介して上側の支柱3の端縁当接部3eと下側の支柱3と端縁当接部3eとが当接した時に、上側の支柱3の棚板当接部3dと下側の支柱3の棚板当接部3dも其々、棚板2の上側と下側に当接するように設計されている。このようにして支柱3は、差込み片5の外側と内側とで積載荷重を受けることができる。
【0025】
脚柱4は、図12図14を参照して、接地面に載置される座板4zを備える点と、補強プレート7が収容されている点とが、支柱3と相違し、その他の構成は支柱3と同様の構成とされている。即ち、脚柱4は、支柱3と同様に、差込み片5の内側で最下段の棚板2に当接する棚板当接部4dと、差込み片5の外側で上側に隣接する支柱3の端縁と当接する端縁当接部4eと、を備えている。また、脚柱4は、アングル本体3aと、アングル本体4aの側縁から内側に延びる鍔部4bと、を備えてる。端縁当接部3eが、アングル本体3aの上端縁に設けられ、棚板当接部3dが鍔部3bに設けられている。補強プレート7は、鍔部3bの内側に沿って収容されている。
【0026】
補強プレート7の上端縁7aが棚板2に当接し、補強プレート7の下端縁7bが座板4zに当接するように構成されている。なお、図示例において、最下段の棚板2の裏面には、補強リブ8が周縁部以外の部分にも適宜設けられており、補強プレート7の上端縁は補強リブ8に当接している。補強プレート7は、差込み片5との干渉を避けるための切欠き部7cが両側縁に形成されている。
【0027】
なお、補強プレートは、脚柱4だけでなく、図15に示すような補強プレート7’を、図16に示すように支柱3に差し込んで装着することもできる。補強プレート7’の上端縁7’aと下端縁7’bが其々、棚板2に当接し、荷重を受けるようになっている。
【0028】
上記構成を有する組立式ラック1によれば、棚板2に設けられた差込み片5に支柱3を差し込むことで組み立てることができるため、組立時間を短縮することができるとともに、部品点数削減によりコスト低減が可能となる。
【0029】
また、差込み片5、支柱3,脚柱4を、アングル形状に形成することにより、鋼板の曲げ加工で製作することができ、材料費及び加工費を削減することができ、低コストで製作可能となる。また、強度を確保しつつ軽量化を実現することができる。
【0030】
なお、必須ではないが、支柱3と差込み片5、或いは、脚柱4と差込み片5とに、重合する通孔9、10を形成しておいて、通孔9、10に、樹脂製のスナップフィットクリップ11のような簡易的な留め具を挿して留めてもよい。
【0031】
本発明は、上記実施形態に限定解釈されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 組立式ラック
2 棚板
2A 天井棚板
2a 側縁
3 支柱
3d 棚板当接部
3e 端縁当接部
4 脚柱
4d 棚板当接部
4e 端縁当接部
4z 座板
5 差込み片
5A 差込み片
7 補強プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16