(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183813
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】運転モード選択装置、運転モード選択支援装置、船舶、運転モード選択方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231221BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20231221BHJP
B63H 21/17 20060101ALI20231221BHJP
B63B 79/20 20200101ALI20231221BHJP
H02J 7/00 20060101ALN20231221BHJP
【FI】
G06Q50/30
H02J3/46
B63H21/17
B63B79/20
H02J7/00 303A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097558
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯田 亮
(72)【発明者】
【氏名】真田 朋彦
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5L049
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB02
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】船舶の電源システムにおける運転モードを適切に選択する。
【解決手段】運転モード選択装置は、1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択する装置であって、運転モードは、少なくとも、発電機の運転台数と、運転する発電機の選択と、発電機とバッテリとの負荷分担率と、バッテリの充放電の選択とによって定められ、船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、少なくとも、発電機の運転台数と、運転する発電機の選択と、発電機とバッテリとの負荷分担率と、バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、運転モードを選択する強化学習部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択する装置であって、
前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、
前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、
少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、
燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、
ソフトウェアエージェントを強化学習することで、
前記運転モードを選択する強化学習部
を備える運転モード選択装置。
【請求項2】
前記強化学習部は、前記船舶用電源システムの直流バス電圧が所定の度合い以上に不安定となる場合または前記運転モードの切換頻度が所定の閾値以上である場合の少なくとも一方を罰として、前記ソフトウェアエージェントを強化学習する
請求項1に記載の運転モード選択装置。
【請求項3】
前記設定は、前記船舶用電源システムの負荷に係る情報と周囲温度に係る情報とを含む
請求項1または2に記載の運転モード選択装置。
【請求項4】
前記運転モードは、さらに、陸上からの電力供給を行うか否かの選択によって定められ、
前記行動要素は、さらに、陸上からの電力供給を行うか否かの選択を含む
請求項3に記載の運転モード選択装置。
【請求項5】
請求項1に記載の強化学習部が選択した前記運転モードに基づいて前記運転モードの選択操作を支援する運転モード選択支援部
を備える運転モード選択支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の運転モード選択支援装置と、
前記船舶用電源システムと、
を備える船舶。
【請求項7】
1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択する方法であって、
前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、
前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、
少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、
燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、
ソフトウェアエージェントを強化学習することで、
前記運転モードを選択するステップ
を含む運転モード選択方法。
【請求項8】
1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択するためのプログラムであって、
前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、
前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、
少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、
燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、
ソフトウェアエージェントを強化学習することで、
前記運転モードを選択するステップ
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転モード選択装置、運転モード選択支援装置、船舶、運転モード選択方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3には、機械学習モデルを用いて船舶の航行に係る運行計画等を最適化するための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-80673号公報
【特許文献2】特開2020-193949号公報
【特許文献3】特開2021-30748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~3には、船舶の電源システムにおける運転モードを最適化するための技術は示されていない。
【0005】
本開示は、船舶の電源システムにおける運転モードを適切に選択することができる運転モード選択装置、運転モード選択支援装置、船舶、運転モード選択方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係る運転モード選択装置は、1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択する装置であって、前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、前記運転モードを選択する強化学習部を備える。
【0007】
本開示に係る運転モード選択方法は、1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択する方法であって、前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、前記運転モードを選択するステップを含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択するためのプログラムであって、前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、前記運転モードを選択するステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の運転モード選択装置、運転モード選択支援装置、船舶、運転モード選択方法およびプログラムによれば、船舶の電源システムにおける運転モードを適切に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る運転モード選択装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る船舶用電源システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る船舶用電源システムの運転モードの一例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る船舶用電源システムの運転モードの一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る船舶用電源システムの運転モードの一例を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図10】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図11】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図12】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図13】本開示の実施形態に係る運転モード選択装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
【
図15】本開示の実施形態に係る運転モード選択支援装置の構成例を示すブロック図である。
【
図16】本開示の実施形態に係る運転モード選択支援装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図17】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る運転モード選択装置、運転モード選択支援装置、船舶、運転モード選択方法およびプログラムについて、
図1~
図16を参照して説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る運転モード選択装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、本開示の実施形態に係る船舶用電源システムの構成例を示すブロック図である。
図3~
図5は、本開示の実施形態に係る船舶用電源システムの運転モードの例を示す図である。
図6~
図12は、本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
図13は、本開示の実施形態に係る運転モード選択装置の動作例を示すフローチャートである。
図14は、本開示の実施形態に係る強化学習部を説明するための模式図である。
図15は、本開示の実施形態に係る運転モード選択支援装置の構成例を示すブロック図である。
図16は、本開示の実施形態に係る運転モード選択支援装置の動作例を示すフローチャートである。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0012】
(運転モード選択装置の構成(1))
図1は、本開示の実施形態に係る運転モード選択装置の構成例を示す。
図1に示す運転モード選択装置1は、例えば、サーバ等の1または複数のコンピュータとコンピュータの周辺装置等を用いて構成することができる。なお、1または複数台のコンピュータや周辺機器の一部または全部はクラウド上に構成されていてもよい。運転モード選択装置1は、1または複数のコンピュータや周辺装置等のハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、入出力部11と、強化学習部12と、記憶部13とを備える。また、記憶部13は、電源システムモデル(を表すデータを含むファイル(以下、同様であり省略する))131、負荷プロファイル132、制約条件133、初期条件134、学習結果135、運転モード選択結果136を記憶する。本実施形態に係る運転モード選択装置1は、
図2に示すような船舶用電源システム100の運転モードを選択する装置である。
【0013】
(船舶用電源システムの構成および運転モード)
まず、
図2に示す船舶用電源システム100について説明する。
図2に示す船舶用電源システム100は、船舶に搭載された電源システムであり、発電機101、102および103と、バッテリ104および105と、直流ハブ106とを備える。直流ハブ106は、直流バス107および108と、開閉器109と、交流-直流変換器110、111および112と、双方向の直流-直流変換器113および114と、双方向の直流-交流変換器115、116、117、118および119とを備える。なお、発電機101~103は、ディーゼル機関を原動機とするディーゼル発電機である。なお、本実施形態では、直流ハブ106が構成する直流送配電系統をDC(直流)グリッドあるいはDCマイクログリッドという。
【0014】
交流-直流変換器110、111および112は、発電機101、102および103が発電した交流電力を直流電力に変換し、直流バス107または108に供給する。直流-直流変換器113および114は、直流バス107または108に接続され、バッテリ104または105の充放電電力を制御する。直流-交流変換器115は、直流バス107から入力した直流電力を交流電力に変換し、船舶の推進用モータ120を駆動する。直流-交流変換器116は、直流バス107から入力した直流電力を交流電力に変換し、変圧器123等を介して交流負荷125へ出力する。直流-交流変換器117は、直流バス107から入力した直流電力を交流電力に変換し、船舶のバウスラスト用モータ121を駆動する。直流-交流変換器118は、直流バス108から入力した直流電力を交流電力に変換し、船舶の推進用モータ122を駆動する。直流-交流変換器119は、直流バス108から入力した直流電力を交流電力に変換し、変圧器124等を介して交流負荷126へ出力したり、陸上の電源127から開閉器128、変圧器124等を介して入力した交流電力を直流電力に変換して直流バス108へ出力したりする。
【0015】
本実施形態において船舶用電源システム100の運転モードとは、船舶用電源システム100の運転態様である。本実施形態の運転モードには、例えば、発電機101~103をすべて運転するモード、発電機101~103の一部を運転するモード、発電機101~103をすべて運転しないモードがある。また、本実施形態の運転モードには、例えば、バッテリ104~105の両方から放電するモード、一方から放電するモード、両方に充電するモード、一方に充電するモード、両方を充放電しないモードがある。また、発電機101~103の各モードと、バッテリ104~105の各モードの組み合わせによる複数の運転モードがある。さらに、発電電力や充放電電力の値を、発電機101~103およびバッテリ104~105毎に均等としたり異ならせたりすることで運転モードは異なることとなる。
【0016】
ここで、
図3~
図5を参照して、運転モードの例として、陸電モードと、完全電気推進モードと、ハイブリッドモードとについて説明する。
図3は陸電モードの例を示す。
図4は完全電気推進モードの例を示す。
図5はハイブリッドモードの例を示す。なお、
図3~
図5では、電力の流れを白抜きの矢印で示している。
【0017】
図3に示す陸電モードは、船舶が停泊している場合の運転モードである。陸上の電源127から供給された交流電力が、交流負荷126へ供給されるとともに、直流-交流変換器119で直流電力に変換され、直流バス108および直流バス107へ供給される。直流-直流変換器113は直流バス107から入力した直流電力の電圧および電流を制御してバッテリ104を充電する。直流-直流変換器114は直流バス108から入力した直流電力の電圧および電流を制御してバッテリ105を充電する。直流-交流変換器116は、直流バス107から入力した直流電力を一定周波数かつ一定電圧の交流電力に変換し、変圧器123等を介して交流負荷125へ供給する。
【0018】
図4に示す完全電気推進モードは、バッテリ104~105からの放電電力のみで推進用モータ120および122と、交流負荷125および126の消費電力を賄うモードである。発電機101~103は停止している。バッテリ104~105からの放電電力は、直流-直流変換器113~114を介して直流バス107~108へ出力される。直流-交流変換器115は、直流バス107から入力した直流電力を交流電力に変換し、船舶の推進用モータ120を駆動する。直流-交流変換器116は、直流バス107から入力した直流電力を交流電力に変換し、変圧器123等を介して交流負荷125へ出力する。直流-交流変換器118は、直流バス108から入力した直流電力を交流電力に変換し、船舶の推進用モータ122を駆動する。直流-交流変換器119は、直流バス108から入力した直流電力を交流電力に変換し、変圧器124等を介して交流負荷126へ出力する。
【0019】
図5に示すハイブリッドモードは、発電機101~103の一部または全部を運転するとともに、バッテリ104~105の一部または両方を充電または放電状態で運転する運転モードである。
図5に示す例では、発電機101および102が発電し、バッテリ104が放電し、バッテリ105が充電されている。直流-交流変換器115、116、118および119の運転は、
図4を参照して説明した例と同一である。
【0020】
本実施形態において、船舶用電源システム100の運転モードは、少なくとも、発電機101~103の運転台数と、運転する発電機101~103の選択と、発電機101~103とバッテリ104~105との負荷分担率と、バッテリ104~105の充放電の選択とによって規定される。船舶用電源システム100の運転モードは、例えば制御盤(
図15の制御盤150)に対する操作によって、交流-直流変換器110~112と、直流-直流変換器113~114と、直流-交流変換器115~119と、開閉器128の各動作等を制御することで切り換えることができる。
【0021】
(運転モード選択装置の構成(2))
図1に示す入出力部11は、キーボード、マウス、タッチパネル、ディスプレイ、音声入出力装置、記録媒体、通信装置等を用いて、操作者からの操作や他の端末等から入力されたファイルを入力したり、強化学習部12に対する入出力の内容や処理結果等を出力したりする。入出力部11は、例えば、電源システムモデル131、負荷プロファイル132、制約条件133、初期条件134等を入力して記憶部13に記憶する。各ファイルの内容については後述する。
【0022】
強化学習部12は、船舶用電源システム100の負荷に係る所定の設定に基づいて動作する船舶用電源システム100のモデルの出力を環境要素とし、少なくとも、発電機101~103の運転台数と、運転する発電機101~103の選択と、発電機101~103とバッテリ104~105との負荷分担率と、バッテリ104~105の充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、運転モードを選択する。なお、本実施形態では、「船舶用電源システム100の負荷に係る所定の設定」が負荷プロファイル132である。負荷プロファイル132は、例えば、船舶用電源システム100の負荷の時系列や周囲温度の時系列を含む。
【0023】
また、強化学習部12は、船舶用電源システム100の直流バス107および108の電圧が所定の度合い以上に不安定となる場合または運転モードの切換頻度が所定の閾値以上である場合の少なくとも一方を罰として、ソフトウェアエージェントを強化学習する。
【0024】
図6は、強化学習部12の構成および動作の例を示す。
図6に示す強化学習部12は、ソフトウェアエージェント12-1と、報酬計算部12-2と、電源システムモデル131を制御する制御部12-3と、強化学習における開始、終了等を制御する図示していない制御部等を備える。
【0025】
ソフトウェアエージェント12-1は、強化学習処理部12-11と、機械学習モデル12-12とを備える。機械学習モデル12-12は、例えばニューラルネットワークを使用した機械学習モデルであり、ソフトウェアエージェント12-1が観測した環境要素を入力し、行動を表す行動要素を出力する。機械学習モデル12-12は、所定の強化学習アルゴリズムに基づき強化学習処理部12-11よって機械学習される。強化学習アルゴリズムに限定は無く、既存のアルゴリズムを用いることができる。強化学習処理部12-11は、初期条件134に基づき、制約条件133を満たし、ソフトウェアエージェント12-1が観測した環境要素を機械学習モデル12-12へ入力し、報酬が最大となる行動要素が出力されるように機械学習モデル12-12を機械学習する。なお、本実施形態において、行動要素とは強化学習において行動を表す要素である。また、環境要素とは強化学習において観測される要素である。また、報酬要素は、強化学習において報酬を表す要素である。
【0026】
本実施形態において、行動は、運転モードの選択である。運転モードは、発電機運転台数、運転発電機選択、負荷分担率およびバッテリ充放電選択で表される。この場合、行動要素は、発電機運転台数、運転発電機選択、負荷分担率およびバッテリ充放電選択である。
【0027】
なお、運転モードは、さらに、陸上からの電力供給を行うか否かの選択によって定められてもよい。また、行動要素は、さらに、陸上からの電力供給を行うか否かの選択を含んでいてもよい。
【0028】
報酬は、船舶用電源システム100のライフサイクルコストである。ライフサイクルコストは、例えば船舶用電源システム100の製品寿命、設計寿命や使用予定期間等のある一定期間に掛かる燃料費と、部品交換費や調整費等の燃料費以外の費用の合計額である。報酬計算部12-2は、電源システムモデル131から出力された船舶用電源システム100の運転状況を示すデータと、各機器や部品の寿命についての特性を示すデータとに基づいて、ライフサイクルコストを算出する。また、報酬計算部12-2は、例えば、負荷よりも供給電力が低い等、直流バス電圧が不安定となるような行動選択の場合、罰としたり、頻繁なモード切換なども罰としたりして、罰と判定された運転モードを無効としてソフトウェアエージェント12-1へ通知したり、報酬を調整したりする。
【0029】
図7は、報酬計算部12-2が寿命計算の対象とする交換部品の例を示す。交換部品としては、例えば、フューズFS、コンデンサC等がある。また、
図8は、ディーゼルエンジンの効率の例を示す。横軸はエンジン回転数、縦軸はエンジン出力を表す。斜線の網掛けの密度は大きいほど効率が低いことを表す。本実施形態の船舶用電源システム100の様に直流グリッドを用いた場合、直流系統の場合として示すようにエンジンの運転を曲線状の特性とすることができる。したがって、回転数を一定とする交流系統の場合と比較して、燃費や騒音の性能向上を図ることができる。また、
図9は、直流-直流、直流-交流等の変換器の出力に対する変換効率の特性の例を示す。また、
図10は、部品温度と寿命との関係の例を示す。電源システムモデル131は、
図7に示すような系統内の各部品の配置を表すファイルと、
図8~
図10に示すような特性を表すファイルとを含む。電源システムモデル131は、これらのファイルを参照することで、効率を算出する。また、報酬計算部12-2は、寿命に関する特性と周囲温度等に基づき、各機器や部品の寿命を算出する。
【0030】
また、制約条件133は、例えば、
図11に制約条件として示すように、航海時に港内では騒音等を低減するため、発電機を運転せず、バッテリでモータを駆動するという制約である。あるいは、制約条件133は、例えばバッテリSOC(State of Charge;充電率)を下限値以上とするという制約である。また、初期条件134は、ベースとなる行動計画(行動の時系列)を策定しておき、ソフトウェアエージェント12-1が行動要素の初期値として行動計画に沿った出力を行うようにするための設定条件である。ソフトウェアエージェント12-1は、ベースとなる行動計画を基に学習を開始し、徐々に行動を変えていき、ライフサイクルコストがミニマムとなる最適なパタンを短時間で選択できるように強化学習を実行する。
【0031】
なお、
図11は、負荷プロファイル132の一例と、ソフトウェアエージェント12-1が出力した運転モードの一例と、電源システムモデル131が出力した運転状況を示すデータの一例を示す。負荷プロファイル132は、船舶用電源システム100の負荷(モータ、他の交流負荷等)の時系列を表す。ソフトウェアエージェント12-1が出力した運転モードは、発電機運転台数、運転発電機選択、負荷分担率およびバッテリ充放電選択の時系列である。電源システムモデル131が出力した運転状況を示すデータは、バッテリSOCと各発電機の負荷の時系列である。なお、
図11において横軸は時間軸である。縦軸は、船舶用電源システム100の負荷、各バッテリのSOCおよび発電機の負荷(出力)である。
図11に示す例では、負荷プロファイル132において、船舶が宿泊して積荷を行っている時間は負荷が小さい。また、航海時には宿泊時より負荷が大きい。また、宿泊して揚荷を行っている時間は負荷が小さい。ソフトウェアエージェント12-1は、このような負荷プロファイル132に対して、制約条件を満たし、罰が最小となるように運転モードを選択する。この場合、航海前にバッテリを充電し、港内ではバッテリから放電するとともに発電機を停止する運転モードが選択されている。また、ソフトウェアエージェント12-1は、
図11に示すような負荷プロファイル132の長期間分の時系列に対する強化学習によって、ライフサイクルコストを最小とする運転モードの時系列を選択する。例えば船舶用電源システム100の場合、数十年単位でライフサイクルコストの最小化を図るようにすることができる。この場合、2台の発電機を運転する際の負荷率がライフサイクルコストを最小化するようにNo.2発電機負荷が航海の後半で大きくなっている。
【0032】
本実施形態では、電源システムモデル131が、ソフトウェアエージェント12-1が観測対象とする環境要素を出力するシミュレーションモデルである。電源システムモデル131は、上述した船舶用電源システム100の負荷に係る所定の設定(負荷プロファイル132)に基づいて動作する船舶用電源システム100のモデルである。電源システムモデル131は、電源システム運転状況を表す次のような要素(環境要素)を出力する。すなわち、電源システムモデル131は、環境要素として、例えば、バッテリSOC状態、負荷分担状態、機器稼働時間、DCグリッド電圧、周囲温度、機器温度、機器効率、DCグリッド電力需給状況、運行状況(港内、待機中等)等を出力する。
図12は、電源システムモデル131が出力する負荷受電電圧の例を示す。横軸は時間、縦軸は電圧である。電源システムモデル131は、例えば
図12に示すように、電圧低下、負荷分担比の変更等を算出した結果を出力する。
【0033】
(運転モード選択装置の動作例)
図13は、運転モード選択装置1の動作例を示す。
図13に示す処理は、例えば操作者の指示に応じて開始される。
図13に示す処理では、まず、入出力部11が、例えば操作者の操作に応じて、制約条件、初期条件等の条件を設定し、制約条件133および初期条件134として記憶部13に記憶する(S11)。次に、入出力部11が、例えば操作者の操作に応じて、負荷プロファイルを設定し、負荷プロファイル132として記憶部13に記憶する(S12)。次に、入出力部11が、例えば操作者の操作に応じて、学習終了条件を設定する(S13)。学習終了条件は、例えば、報酬の大きさに基づいて設定したり、処理時間や繰り返し回数に基づいて設定したりすることができる。
【0034】
次に、強化学習部12は、学習終了条件が満足されるまで(S15:YESまで)、負荷プロファイル132におけるタイムスタンプを進めたり最初に戻したりしながら、強化学習を実行する(S14)。強化学習部12は、学習終了条件が満足した場合(S15:YES)、運転モード選択結果を、負荷プロファイル132に対応付けて運転モード選択結果136として記憶部13に記憶するとともに、報酬等、強化学習の内容を学習結果135として記憶部13に記憶して(S16)、
図13に示す処理を終了する。
図14は、強化学習の実行例を模式的に示す。
【0035】
(運転モード選択支援装置の構成)
図15は、本開示の実施形態に係る運転モード選択支援装置の構成例を示す。
図15に示す運転モード選択支援装置2は、船舶用電源システム100とともに、船舶300に搭載されている。また、船舶用電源システム100は、制御盤150を備える。
図15に示す運転モード選択支援装置2は、例えば、サーバ等の1または複数のコンピュータとコンピュータの周辺装置等を用いて構成することができる。運転モード選択支援装置2は、1または複数のコンピュータや周辺装置等のハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせ等から構成される機能的構成として、入出力部21と、運転モード選択支援部22と、記憶部23とを備える。また、記憶部23は、負荷プロファイル231および運転モード選択結果232を記憶する。
【0036】
負荷プロファイル231および運転モード選択結果232は、
図1に示す負荷プロファイル132および運転モード選択結果136と同一である。運転モード選択支援部22は、例えば入出力部21に対する操作者の操作に応じて、船舶300での運行予定あるいは実行中の運行計画等に基づいて想定される負荷プロファイル231(あるいは想定する負荷プロファイルに類似する負荷プロファイル231)を選択する。運転モード選択支援部22は、選択された負荷プロファイル231に対して強化学習部12で選択された運転モードの時系列を表す運転モード選択結果232を選択し、入出力部21において運転モード選択結果232の内容を所定の形式で出力する。操作者は、出力された運転モード選択結果232の内容に基づいて制御盤150に対する操作を行う。
【0037】
(運転モード選択支援装置の動作例)
図16は、運転モード選択支援装置2の動作例を示す。
図16に示す処理は、例えば操作者の指示に応じて開始される。
図16に示す処理では、まず、入出力部21が、例えば操作者の操作に応じて、負荷プロファイル231を選択する(S21)。次に、運転モード選択支援部22は、選択された負荷プロファイル231に対応する運転モード選択結果232を選択する(S22)。次に、運転モード選択支援部22は、支援終了条件が満足されるまで(S24:YESまで)、運転モード選択結果232に基づき入出力部21を用いて運転モードを表示する等、運転モードの選択支援を実行する(S23)。支援終了条件は、例えば操作者による入出力部21に対する所定の操作が行われたこととすることができる。運転モード選択支援部22は、支援終了条件が満足した場合(S24:YES)、
図16に示す処理を終了する。
【0038】
(作用・効果)
船舶用DCマイクログリッドでは、様々な運転モードがあり、バッテリの充放電や発電機およびバッテリの負荷分担率などを選択可能だが、発電機エンジンの燃費効率やバッテリのSOCおよび寿命、負荷条件、運航状況(停泊前、出航後)等考慮すべきパラメータが多く、最適なモード選択が困難であった。これに対し、本実施形態によれば、船舶用電源システム100の負荷プロファイル132に基づいて動作する電源システムモデル131の出力を環境要素とし、少なくとも、発電機の運転台数と、運転する発電機の選択と、発電機とバッテリとの負荷分担率と、バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、運転モードを選択する強化学習部12を備えたので、船舶の電源システムにおける運転モードを適切に選択することができる。
【0039】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0040】
〈コンピュータ構成〉
図17は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、および、インタフェース94を備える。
上述の運転モード選択装置1および運転モード選択支援装置2は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0041】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0042】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0043】
<付記>
各実施形態に運転モード選択装置1、運転モード選択支援装置2、船舶300、運転モード選択方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0044】
(1)第1の態様に係る運転モード選択装置1は、1または複数の発電機101~103と1または複数のバッテリ104~105とを備える船舶用電源システム100の運転モードを選択する装置であって、前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定(負荷プロファイル132)に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデル(電源システムモデル131)の出力を環境要素とし、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェント12-1を強化学習することで、前記運転モードを選択する強化学習部12を備える。本態様および以下の各態様によれば、船舶の電源システムにおける運転モードを適切に選択することができる。
【0045】
(2)第2の態様に係る運転モード選択装置1は、(1)の運転モード選択装置であって、前記強化学習部12は、前記船舶用電源システムの直流バス電圧が所定の度合い以上に不安定となる場合または前記運転モードの切換頻度が所定の閾値以上である場合の少なくとも一方を罰として、前記ソフトウェアエージェントを強化学習する。
【0046】
(3)第3の態様に係る運転モード選択装置1は、(1)または(2)の運転モード選択装置であって、前記設定(負荷プロファイル132)は、前記船舶用電源システムの負荷に係る情報と周囲温度に係る情報とを含む。
【0047】
(4)第4の態様に係る運転モード選択装置1は、(1)~(3)の運転モード選択装置であって、前記運転モードは、さらに、陸上からの電力供給を行うか否かの選択によって定められ、前記行動要素は、さらに、陸上からの電力供給を行うか否かの選択を含む。
【0048】
(5)第5の態様に係る運転モード選択支援装置2は、(1)の強化学習部12が選択した前記運転モードに基づいて前記運転モードの選択操作を支援する運転モード選択支援部22を備える。
【0049】
(6)第6の態様に係る船舶300は、(5)に記載の運転モード選択支援装置2と、前記船舶用電源システム100と、を備える。
【0050】
(7)第7の態様に係る運転モード選択方法は、1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択する方法であって、前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、前記運転モードを選択するステップを含む。
【0051】
(8)第8の態様に係るプログラムは、1または複数の発電機と1または複数のバッテリとを備える船舶用電源システムの運転モードを選択するためのプログラムであって、前記運転モードは、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とによって定められ、前記船舶用電源システムの負荷に係る所定の設定に基づいて動作する前記船舶用電源システムのモデルの出力を環境要素とし、少なくとも、前記発電機の運転台数と、運転する前記発電機の選択と、前記発電機と前記バッテリとの負荷分担率と、前記バッテリの充放電の選択とを行動要素とし、燃料費と部品寿命に係るライフサイクルコストを報酬要素として、ソフトウェアエージェントを強化学習することで、前記運転モードを選択するステップをコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0052】
1…運転モード選択装置
2…運転モード選択支援装置
12…強化学習部
12-1…ソフトウェアエージェント
22…運転モード選択支援部
131…電源システムモデル
132、231…負荷プロファイル
133、232…運転モード選択結果
100…船舶用電源システム
101~103…発電機
104~105…バッテリ
300…船舶