(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183819
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタ対
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20231221BHJP
H01R 12/73 20110101ALI20231221BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R12/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097565
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】宮本 竜之介
(72)【発明者】
【氏名】新山 誠
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA11
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FC21
5E021LA09
5E021LA15
5E223AB01
5E223AB06
5E223AB15
5E223AB59
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB39
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB11
5E223EA03
5E223EA12
5E223EA18
5E223EB04
5E223EB12
5E223EB32
(57)【要約】
【課題】小型低背でありながら、高い強度を発揮するとともに、高いシールド効果を得ることができ、信頼性が高くなるようにする。
【解決手段】端子は、コネクタの長手方向に延在する列を形成するように並んで配設され、シールド部材は、固定部と、シールド板と、ジョイント部とを含み、固定部は、コネクタ本体の長手方向の両端近傍において、シールド部材とコネクタ本体とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定し、シールド板は、コネクタの長手方向に関し、少なくとも端子の列に対応する範囲において、コネクタ本体の幅方向外側に、側方空間を介して、配設され、ジョイント部は、端子の列に対応する範囲において、側方空間を渡って、シールド板をコネクタ本体に接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)コネクタ本体と、該コネクタ本体に取付けられる複数の端子と、前記コネクタ本体を囲むシールド部材とを備え、相手方コネクタと嵌合するコネクタであって、
(b)前記端子は、前記コネクタの長手方向に延在する列を形成するように並んで配設され、
(c)前記シールド部材は、固定部と、シールド板と、ジョイント部とを含み、
(d)前記固定部は、前記コネクタ本体の長手方向の両端近傍において、前記シールド部材と前記コネクタ本体とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定し、
(e)前記シールド板は、前記コネクタの長手方向に関し、少なくとも前記端子の列に対応する範囲において、前記コネクタ本体の幅方向外側に、側方空間を介して、配設され、
(f)前記ジョイント部は、前記端子の列に対応する範囲において、前記側方空間を渡って、前記シールド板をコネクタ本体に接続することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ジョイント部は、前記シールド板の上端から前記コネクタの実装面に向けて延設され、さらに、前記コネクタ本体に向けて延設されて、その先端が前記コネクタの長手方向に互いに隣接する端子同士の間のコネクタ本体に固定される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ジョイント部は、その一部が前記コネクタが実装される基板に電気的に接続可能である請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記シールド板には、前記コネクタが実装される基板の表面に平行な基板接続部が形成可能である請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記シールド部材は、前記コネクタ本体の長手方向両端を囲む第2シールド部材を含み得る請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第2シールド部材は、前記シールド部材と一体化され得る請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記シールド部材は、相手方コネクタが挿入されて収容される収容部の周囲を囲み、前記シールド板は、前記相手方コネクタのシールド板と接触する接触部を少なくとも2つ含み、前記ジョイント部は、互いに隣接する接触部同士の間に形成されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記シールド板は、外面から外方に突出するように形成された接点部を含み得る請求項1に記載のコネクタ。
【請求項9】
(a)コネクタ本体と、該コネクタ本体に取付けられる複数の端子と、前記コネクタ本体を囲むシールド部材とを備え、相手方コネクタと嵌合するコネクタであって、
(b)前記端子は、前記コネクタの長手方向に延在する列を形成するように並んで配設され、
(c)前記シールド部材は、平面視において略矩形であって、その四辺は前記相手方コネクタのシールド部材に接触し、
(d)前記コネクタは、前記シールド部材の四つの角部近傍に配設された嵌合方向に弾性変位可能な接触片を含み、
(e)該接触片は、前記相手方コネクタのシールド部材に接触することを特徴とするコネクタ。
【請求項10】
前記接触片の接点は、平面視において、前記シールド部材の四辺が前記相手方コネクタのシールド部材に接触する領域の域外で、前記相手方コネクタのシールド部材に接触する請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記接触片は、前記シールド部材に連結されている請求項9に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記接触片は、前記コネクタの長手方向に延在するカンチレバー状の形状を有する請求項9に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記相手方コネクタのシールド部材は、前記相手方コネクタのコネクタ本体の上面に配設されたシールド上面部を含み、前記接触片は、前記シールド上面部に接触する請求項9に記載のコネクタ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のコネクタと、該コネクタと嵌合する相手方コネクタとを有するコネクタ対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ及びコネクタ対に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の回路基板同士を電気的に接続するために、基板対基板コネクタ等のコネクタが使用されている。このようなコネクタは、一対の回路基板における相互に対向する面の各々に取付けられ、互いに嵌合して導通するようになっている。また、外部からのノイズや電波の影響を受けにくくしたり、外部へのノイズや電波の放出も抑制したりするために、シールド部材を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【0004】
図において、811は、図示されない回路基板の表面に実装されるコネクタのハウジングであり、図示されない相手方コネクタを受入れる受入凹部812を有する。また、前記ハウジング811は、前記受入凹部812の幅方向の中央に位置して長手方向に延在する中央壁部813と、該中央壁部813の左右両側に位置して長手方向に延在する一対の側壁部814を含んでいる。
【0005】
そして、各側壁部814には、それぞれ、複数の端子861が長手方向に並んで取付けられている。各端子861は、互いに対向する側壁部814及び中央壁部813の内壁面から突出する一対の接触部と、側壁部814の下端から外方に突出する接続部864とを有する。該接続部864は、回路基板の表面に形成された接続パッドにはんだ付される。また、前記接触部は、相手方コネクタが受入凹部812に受入れられると、前記相手方コネクタの有する端子と接触して導通する。
【0006】
さらに、前記ハウジング811には、側壁部814の外壁面を全体的に覆うように、導電性のシールド板850が取付けられている。該シールド板850は、複数の基板接続部850aを有し、該基板接続部850aが回路基板の表面に形成された接続パッドにはんだ付される。このように、ハウジング811の外周面が導電性のシールド板850によって覆われているので、コネクタに対しても、受入凹部812に受入れられる相手方コネクタに対しても、前記シールド板850による電磁シールド作用がもたらされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来のコネクタにおいては、近年の電子機器における部材の小型化や信号の高速化に十分に対応することができない。ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、デジタルカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、ナビゲーション装置等の電子機器においては、筐体の小型低背化及びそれに伴う各部品の小型低背化が要求されるとともに、通信データ量の増加や通信速度及びデータ処理速度の高速化に対処するために信号の高速化及び多極化が要求されているが、前記従来のコネクタでは、小型低背化及び多極化を追求すると、ハウジング811が細長くなって反りが生じることによってシールド板850の基板接続部850aの平坦度が低下するとともに、シールド板850自体も変形しやすくなるので、シールド板850の基板接続部850aと回路基板の接続パッドとの接続信頼性が低下してしまう。そのため、前記従来のコネクタでは、小型低背化及び多極化すると、十分に高い電磁的なシールド効果を得ることができず、信頼性が低下してしまう。
【0009】
ここでは、前記従来のコネクタの問題点を解決して、小型低背でありながら、高い強度を発揮するとともに、高いシールド効果を得ることができ、信頼性の高いコネクタ及びコネクタ対を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、コネクタにおいては、コネクタ本体と、該コネクタ本体に取付けられる複数の端子と、前記コネクタ本体を囲むシールド部材とを備え、相手方コネクタと嵌合するコネクタであって、前記端子は、前記コネクタの長手方向に延在する列を形成するように並んで配設され、前記シールド部材は、固定部と、シールド板と、ジョイント部とを含み、前記固定部は、前記コネクタ本体の長手方向の両端近傍において、前記シールド部材と前記コネクタ本体とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定し、前記シールド板は、前記コネクタの長手方向に関し、少なくとも前記端子の列に対応する範囲において、前記コネクタ本体の幅方向外側に、側方空間を介して、配設され、前記ジョイント部は、前記端子の列に対応する範囲において、前記側方空間を渡って、前記シールド板をコネクタ本体に接続する。
【0011】
他のコネクタにおいては、さらに、前記ジョイント部は、前記シールド板の上端から前記コネクタの実装面に向けて延設され、さらに、前記コネクタ本体に向けて延設されて、その先端が前記コネクタの長手方向に互いに隣接する端子同士の間のコネクタ本体に固定される。
【0012】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記ジョイント部は、その一部が前記コネクタが実装される基板に電気的に接続可能である。
【0013】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記シールド板には、前記コネクタが実装される基板の表面に平行な基板接続部が形成可能である。
【0014】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記シールド部材は、前記コネクタ本体の長手方向両端を囲む第2シールド部材を含み得る。
【0015】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記第2シールド部材は、前記シールド部材と一体化され得る。
【0016】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記シールド部材は、相手方コネクタが挿入されて収容される収容部の周囲を囲み、前記シールド板は、前記相手方コネクタのシールド板と接触する接触部を少なくとも2つ含み、前記ジョイント部は、互いに隣接する接触部同士の間に形成されている。
【0017】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記シールド板は、外面から外方に突出するように形成された接点部を含み得る。
【0018】
更に他のコネクタにおいては、コネクタ本体と、該コネクタ本体に取付けられる複数の端子と、前記コネクタ本体を囲むシールド部材とを備え、相手方コネクタと嵌合するコネクタであって、前記端子は、前記コネクタの長手方向に延在する列を形成するように並んで配設され、前記シールド部材は、平面視において略矩形であって、その四辺は前記相手方コネクタのシールド部材に接触し、前記コネクタは、前記シールド部材の四つの角部近傍に配設された嵌合方向に弾性変位可能な接触片を含み、該接触片は、前記相手方コネクタのシールド部材に接触する。
【0019】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記接触片の接点は、平面視において、前記シールド部材の四辺が前記相手方コネクタのシールド部材に接触する領域の域外で、前記相手方コネクタのシールド部材に接触する。
【0020】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記接触片は、前記シールド部材に連結されている。
【0021】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記接触片は、前記コネクタの長手方向に延在するカンチレバー状の形状を有する。
【0022】
更に他のコネクタにおいては、さらに、前記相手方コネクタのシールド部材は、前記相手方コネクタのコネクタ本体の上面に配設されたシールド上面部を含み、前記接触片は、前記シールド上面部に接触する。
【0023】
コネクタ対においては、本開示のコネクタと、該コネクタと嵌合する相手方コネクタとを有する。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、コネクタ及びコネクタ対は、小型低背でありながら、高い強度を発揮するとともに、高いシールド効果を得ることができ、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図であって、(a)は斜め上方から観た図、(b)は斜め下方から観た図である。
【
図2】第1の実施の形態における第1コネクタの上面図である。
【
図3】第1の実施の形態における第1コネクタの三面図であって、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図である。
【
図4】第1の実施の形態における第1コネクタの分解斜視図である。
【
図5】第1の実施の形態における第1コネクタの側断面図であって
図2におけるA-A矢視断面図である。
【
図6】第1の実施の形態における第1コネクタの横断面図であって、(a)は
図2におけるB-B矢視断面図、(b)は
図2におけるC-C矢視断面図、(c)は
図2におけるD-D矢視断面図である。
【
図7】第1の実施の形態における第1コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図2におけるA-A斜視片側断面図である。
【
図8】第1の実施の形態における第1コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図2におけるB-B斜視片側断面図である。
【
図9】第1の実施の形態における第1コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図2におけるC-C斜視片側断面図である。
【
図10】第1の実施の形態における第1コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図2におけるD-D斜視片側断面図である。
【
図11】第1の実施の形態における第2コネクタの斜視図であって、(a)は斜め下方から観た図、(b)は斜め上方から観た図である。
【
図12】第1の実施の形態における第2コネクタの上面図である。
【
図13】第1の実施の形態における第2コネクタの三面図であって、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図である。
【
図14】第1の実施の形態における第2コネクタの分解斜視図である。
【
図15】第1の実施の形態における第2コネクタの側断面図であって
図12におけるE-E矢視断面図である。
【
図16】第1の実施の形態における第2コネクタの横断面図であって、(a)は
図12におけるF-F矢視断面図、(b)は
図12におけるG-G矢視断面図、(c)は
図12におけるH-H矢視断面図である。
【
図17】第1の実施の形態における第2コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図12におけるE-E斜視片側断面図である。
【
図18】第1の実施の形態における第2コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図12におけるF-F斜視片側断面図である。
【
図19】第1の実施の形態における第2コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図12におけるG-G斜視片側断面図である。
【
図20】第1の実施の形態における第2コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図12におけるH-H斜視片側断面図である。
【
図21】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の斜視図であって、(a)は第1コネクタの斜め上方から観た図、(b)は第1コネクタの斜め下方から観た図である。
【
図22】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1コネクタの上方から観た平面図である。
【
図23】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の三面図であって、(a)は側面図、(b)は第2コネクタの上方から観た平面図、(c)は正面図である。
【
図24】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の側断面図であって
図22におけるJ-J矢視断面図である。
【
図25】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の横断面図であって、(a)は
図22におけるK-K矢視断面図、(b)は
図22におけるL-L矢視断面図、(c)は
図22におけるM-M矢視断面図である。
【
図26】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1の斜視片側断面図であって
図22におけるJ-J斜視片側断面図である。
【
図27】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第2の斜視片側断面図であって
図22におけるK-K斜視片側断面図である。
【
図28】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第3の斜視片側断面図であって
図22におけるL-L斜視片側断面図である。
【
図29】第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第4の斜視片側断面図であって
図22におけるM-M斜視片側断面図である。
【
図30】第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図であって、(a)は斜め上方から観た図、(b)は斜め下方から観た図である。
【
図31】第2の実施の形態における第1コネクタの上面図である。
【
図32】第2の実施の形態における第1コネクタの三面図であって、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図である。
【
図33】第2の実施の形態における第1コネクタの分解斜視図である。
【
図34】第2の実施の形態における第1コネクタの側断面図であって、(a)は
図31におけるA-A矢視断面図、(b)は
図31におけるN-N矢視断面図である。
【
図35】第2の実施の形態における第1コネクタの横断面図であって、(a)は
図31におけるB-B矢視断面図、(b)は
図31におけるC-C矢視断面図、(c)は
図31におけるD-D矢視断面図である。
【
図36】第2の実施の形態における第1コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図31におけるA-A斜視片側断面図である。
【
図37】第2の実施の形態における第1コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図31におけるB-B斜視片側断面図である。
【
図38】第2の実施の形態における第1コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図31におけるC-C斜視片側断面図である。
【
図39】第2の実施の形態における第1コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図31におけるD-D斜視片側断面図である。
【
図40】第2の実施の形態における第1コネクタの第5の斜視片側断面図であって
図31におけるN-N斜視片側断面図である。
【
図41】第2の実施の形態における第2コネクタの斜視図であって、(a)は斜め下方から観た図、(b)は斜め上方から観た図である。
【
図42】第2の実施の形態における第2コネクタの上面図である。
【
図43】第2の実施の形態における第2コネクタの三面図であって、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図である。
【
図44】第2の実施の形態における第2コネクタの分解斜視図である。
【
図45】第2の実施の形態における第2コネクタの側断面図であって、(a)は
図42におけるE-E矢視断面図、(b)は
図42におけるP-P矢視断面図である。
【
図46】第2の実施の形態における第2コネクタの横断面図であって、(a)は
図42におけるF-F矢視断面図、(b)は
図42におけるG-G矢視断面図、(c)は
図42におけるH-H矢視断面図である。
【
図47】第2の実施の形態における第2コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図42におけるE-E斜視片側断面図である。
【
図48】第2の実施の形態における第2コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図42におけるF-F斜視片側断面図である。
【
図49】第2の実施の形態における第2コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図42におけるG-G斜視片側断面図である。
【
図50】第2の実施の形態における第2コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図42におけるH-H斜視片側断面図である。
【
図51】第2の実施の形態における第2コネクタの第5の斜視片側断面図であって
図42におけるP-P斜視片側断面図である。
【
図52】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の斜視図であって、(a)は第1コネクタの斜め上方から観た図、(b)は第1コネクタの斜め下方から観た図である。
【
図53】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1コネクタの上方から観た平面図である。
【
図54】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の三面図であって、(a)は側面図、(b)は第2コネクタの上方から観た平面図、(c)は正面図である。
【
図55】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の側断面図であって、(a)は
図53におけるJ-J矢視断面図、(b)は
図53におけるR-R矢視断面図である。
【
図56】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の横断面図であって、(a)は
図53におけるK-K矢視断面図、(b)は
図53におけるL-L矢視断面図、(c)は
図53におけるM-M矢視断面図である。
【
図57】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1の斜視片側断面図であって
図53におけるJ-J斜視片側断面図である。
【
図58】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第2の斜視片側断面図であって
図53におけるK-K斜視片側断面図である。
【
図59】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第3の斜視片側断面図であって
図53におけるL-L斜視片側断面図である。
【
図60】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第4の斜視片側断面図であって
図43におけるM-M斜視片側断面図である。
【
図61】第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第5の斜視片側断面図であって
図43におけるR-R斜視片側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は第1の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図2は第1の実施の形態における第1コネクタの上面図、
図3は第1の実施の形態における第1コネクタの三面図、
図4は第1の実施の形態における第1コネクタの分解斜視図、
図5は第1の実施の形態における第1コネクタの側断面図であって
図2におけるA-A矢視断面図、
図6は第1の実施の形態における第1コネクタの横断面図、
図7は第1の実施の形態における第1コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図2におけるA-A斜視片側断面図、
図8は第1の実施の形態における第1コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図2におけるB-B斜視片側断面図、
図9は第1の実施の形態における第1コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図2におけるC-C斜視片側断面図、
図10は第1の実施の形態における第1コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図2におけるD-D斜視片側断面図である。なお、
図1において、(a)は斜め上方から観た図、(b)は斜め下方から観た図であり、
図3において、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図であり、
図6において、(a)は
図2におけるB-B矢視断面図、(b)は
図2におけるC-C矢視断面図、(c)は
図2におけるD-D矢視断面図である。
【0028】
図において、10は、本実施の形態におけるコネクタであって、コネクタ対である一対の基板対基板コネクタにおける一方のコネクタとしての第1コネクタである。該第1コネクタ10は、実装部材としての図示されない基板である第1基板の表面に実装される表面実装型のレセプタクルコネクタであって、後述される第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101は一対の基板対基板コネクタにおける他方のコネクタであり、実装部材としての図示されない基板である第2基板の表面に実装される表面実装型のプラグコネクタである。前記第1コネクタ10と第2コネクタ101とは、互いに、一対の基板対基板コネクタにおける相手方コネクタである。
【0029】
なお、本実施の形態におけるコネクタ対の第1コネクタ10及び第2コネクタ101は、好適には、基板としての第1基板及び第2基板を電気的に接続するために使用するものであるが、他の部材を電気的に接続するためにも使用することができる。前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキシブル回路基板(FPC)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0030】
また、本実施の形態において、コネクタ対の第1コネクタ10及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ10及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0031】
そして、前記第1コネクタ10は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって形成されたシールド部材としての第1シールド50と、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたコネクタ本体としての第1ハウジング11とを有する。該第1ハウジング11は、平板状の底板18と、該底板18の上面から上方に向けて立設された細長い3つの突壁としての第1凸部13と、前記底板18の四隅から上方に向けて突出する隅部17とを有する。
【0032】
該隅部17は、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される際に、前記第1シールド50と接続される主たる部分である。すなわち、第1ハウジング11は、第1シールド50をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形され、前記隅部17及びその他の部分において第1シールド50と一体的に接続される。したがって、第1ハウジング11と第1シールド50とは、別個に存在するものではないが、
図4においては、説明の都合上、第1ハウジング11と第1シールド50とが別個に存在するように、示されている。
【0033】
図4に示されるように、各隅部17は、それぞれ、断面が長円状の円筒の円筒壁を四分割した1つのような形状となっており、平面視において、中心角が約90度の円弧状の部分と第1コネクタ10の長手方向(X軸方向)に延在する直線状の部分とから成る上壁部17aと、該上壁部17aの外縁から下方(Z軸負方向)に延在する外壁部17bと、前記上壁部17aの内縁から下方に延在する内壁部17cとを含んでいる。そして、前記隅部17の内部は、前記上壁部17a、外壁部17b及び内壁部17cによって周囲を画定され、下方端が開口した空間である空洞部17dとなっている。また、前記内壁部17cには、第1シールド50のコーナ部分の近傍における内壁51を収容するように凹入したシールド収容部17eが存在する。そして、前記内壁部17cの下端は、前記底板18の四隅の各々において外方へ延びる接続部18aの先端に接続されている。
【0034】
さらに、前記隅部17は、前記上壁部17a、外壁部17b及び内壁部17cの外周面に亘って連続する分離凸部17fを含んでいる。該分離凸部17fは、第1シールド50における長辺部50aと短辺部50bとを分離する切除部50cに対応する位置に形成された凸部である。そして、各隅部17において、前記分離凸部17fよりも第1コネクタ10の長手方向外側の部分には前記短辺部50bが一体的に接続され、前記分離凸部17fよりも第1コネクタ10の長手方向内側の部分には前記長辺部50aが一体的に接続される。
【0035】
前記第1凸部13は、第1コネクタ10の長手方向(X軸方向)に延在する概略直方体状の部材であり、第1コネクタ10の幅方向(Y軸方向)両側において第1コネクタ10の長手方向に延在する一対の外側凸部13aと、前記幅方向の中央において第1コネクタ10の長手方向に延在する内側凸部13bと、前記外側凸部13aの長手方向両端の各々に接続された外端凸部13cとを含んでいる。そして、内側凸部13bの左右両側における外側凸部13aとの間には、第1凹部12の一部として、第1コネクタ10の長手方向に延在する凹部である一対の内凹溝部12aが形成される。
【0036】
ここで、前記内側凸部13bの左右両側の側面から、内凹溝部12aの底面を通って、外側凸部13aの側面にかけては、第1信号端子収容キャビティ15が形成されている。図に示される例において、第1信号端子収容キャビティ15は、前記底板18を板厚方向(Z軸方向)に貫通するように形成される。なお、前記第1信号端子収容キャビティ15のうちで、内側凸部13bの左右両側の側面に形成された凹溝状の部分を第1信号端子収容内側キャビティ15aと称し、外側凸部13aにおける内側凸部13bと対向する側面に形成された凹溝状の部分を第1信号端子収容外側キャビティ15bと称する。
【0037】
前記第1信号端子収容キャビティ15は、所定(例えば、0.35〔mm〕)のピッチで複数が長手方向に延在する列を形成するように並んで配設されている。なお、前記第1信号端子収容キャビティ15のピッチ及び数は適宜変更することができる。そして、第1信号端子収容キャビティ15の各々に収容されて第1ハウジング11に取付けられる端子としての第1端子61も、内側凸部13bの両側に、同様のピッチで複数個ずつ、配設されている。すなわち、前記第1端子61は、各内凹溝部12aに沿って複数ずつ配設され、第1コネクタ10の長手方向に延在する列を形成するように並んで配設されている。なお、図に示される例においては、第1端子61の数が左右20個ずつであって、第1コネクタ10の極数が40極となっているが、第1端子61の数をより増加させ、例えば、第1コネクタ10の極数が70極以上となるようにしてもよい。
【0038】
前記第1凸部13における第1コネクタ10の幅方向外側における底板18には、側凹部18bが形成され、これにより、底板18は、第1コネクタ10の幅方向の寸法が小さく、すなわち、幅狭に形成されている。また、底板18の第1コネクタ10の長手方向両端には端凹部18cが形成され、これにより、底板18は、第1コネクタ10の長手方向の寸法が小さく、すなわち、短く形成されている。
【0039】
さらに、前記内側凸部13bの長手方向両端には、パワー用金具としての第1金具71が取付けられる金具取付部16が接続されている。該金具取付部16の側面には、前記第1金具71を収容する金具収容溝16aが形成されている。また、第1コネクタ10の長手方向に関して前記金具取付部16の外側には、底板18を板厚方向に貫通する開口としての第1金具接続開口16bが形成され、第1コネクタ10の幅方向に関して前記金具取付部16の左右外側には、底板18を板厚方向に貫通する開口としての第1金具接続スリット16cが形成されている。前記第1金具接続開口16bには、前記第1金具71のテール部72が収容され、前記第1金具接続スリット16cには、前記第1金具71の側板部74の下端が収容される。
【0040】
前記第1シールド50は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって形成された部材であって、
図2に示されるように、上方から観て、すなわち、平面視において、概略矩形の枠状の部材であり、第1ハウジング11の周囲を囲む、すなわち、囲繞する。なお、本実施の形態において、「囲む」乃至「囲繞する」とは、第1ハウジング11等の対象物の周囲の全周に亘って切目無く連続的に囲むことのみならず、対象物の周囲の全周に亘っていくつかの切目を含みながら断続的に囲むことも意味し、さらに、対象物の周囲の過半に亘って、切目無く連続的に、又は、いくつかの切目を含みながら断続的に囲むことをも意味することに留意されたい。
【0041】
そして、前記第1シールド50は、第1コネクタ10の長手方向に直線的に延在する複数(図に示される例において、一対)の第1シールド部材である側方シールドとしての長辺部50aと、複数(図に示される例において、一対)の第2シールド部材である端部シールドとしての短辺部50bとを含んでいる。第1ハウジング11の長手方向両端を囲繞する前記短辺部50bは、第1コネクタ10の幅方向に直線的に延在する部分である第1部分50b1と、該第1部分50b1の両端に接続され、平面視において中心角が約90度の円弧状となっている第2部分50b2と、該第2部分50b2に接続され、第1コネクタ10の長手方向に直線的に延在する第3部分50b3とを含んでいる。
【0042】
なお、前記長辺部50aと短辺部50bとは、長辺部50aと短辺部50bの第3部分50b3との間に存在する狭い空間である切除部50cによって相互に分離されているが、必要に応じて、切除部50cを省略して、長辺部50aと短辺部50bとを一体化することもできる。前記長辺部50aと短辺部50bとを統合的に説明する場合には、第1シールド50として説明する。そして、該第1シールド50によって周囲を囲繞された空間は、プラグコネクタである第2コネクタ101が挿入されて収容される収容部50dとなっている。
【0043】
また、前記第1シールド50は、シールド板としての外壁52と、該外壁52の内側において前記外壁52とほぼ平行な内壁51と、前記外壁52の上端と内壁51の上端とを連結する連結部53とを含んでいる。前記外壁52は、前記切除部50cを除けば、長辺部50a及び短辺部50bのそれぞれの全周に亘って連続した壁であるのに対して、前記内壁51は、前記切除部50cのみならず、長辺部50a及び短辺部50bにおいて形成されたスリット部53bによっても、複数に分割されている。
【0044】
各短辺部50bにおいては、第1部分50b1に一対のスリット部53bが形成され、該一対のスリット部53bに両端が画定された部分は、嵌合ばね部51aと称される。なお、各短辺部50bにおけるその他の部分は、嵌合位置決め部51bと称される。また、各長辺部50aにおいては、その長手方向の両端近傍にそれぞれスリット部53bが形成されるとともに、長手方向に関して両端近傍のスリット部53b同士の間のいずれかの箇所に、互いに接近した一対のスリット部53bが形成されており、2つのスリット部53bに両端が画定された2つの部分は、それぞれ、嵌合ばね部51aと称される。
【0045】
該嵌合ばね部51aは、各長辺部50aの範囲内及び各短辺部50bの範囲内に含まれる直線的に延在する部分であって、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合した状態で、該第2コネクタ101の後述される第2シールド150の外壁152と弾性的に接触して第1シールド50と第2シールド150との導通状態を維持する接触部として機能する。また、前記嵌合位置決め部51bは、湾曲したコーナ部である第2部分50b2の両側に直線的な第3部分50b3と第1部分50b1の一部とが接続された部分であって、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合する際に、収容部50d内に挿入される第2コネクタ101をガイドする。具体的には、第2コネクタ101は、その第2シールド150の外壁152が嵌合位置決め部51bに接触しながら収容部50d内に挿入され、これにより、第2コネクタ101の第1コネクタ10に対する位置決めが行われる。
【0046】
そして、前記嵌合ばね部51aは、その上端が第1シールド50の上端部である連結部53の上端部53aに接続され、収容部50dの内方斜め下に向けて延びる傾斜面部51dと、該傾斜面部51dの下端から下方にほぼ鉛直に延びる内壁下部51eと、前記傾斜面部51dと内壁下部51eとの境界を構成する角部である係合角部51cとを含んでいる。該係合角部51cは、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合した状態で、該第2コネクタ101の第2シールド150の外壁152に形成された後述される係合凸部152cと係合する部分であって、第1コネクタ10の長手方向又は幅方向に直線的に延在する。各嵌合ばね部51aは、第1ハウジング11と接続されず、しかも、その両端がスリット部53bによって他の部分から分離されているので、比較的柔軟性を有し、外壁52に接近又は離間する方向に弾性的に変形可能である。
【0047】
前記嵌合位置決め部51bは、第1ハウジング11の隅部17と一体化される。なお、前記嵌合位置決め部51bの上端近傍は、連結部53の上端部53aから収容部50dの内方斜め下に向けて緩やかに傾斜した緩傾斜面となっている。そのため、
図5及び6に示されるように、第1コネクタ10の長手方向及び幅方向に観ると、緩傾斜面の傾斜角、すなわち、テーパ角は、嵌合ばね部51aの傾斜面部51dのテーパ角より緩く、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合する際に、収容部50d内に挿入される第2コネクタ101には、嵌合位置決め部51bの緩傾斜面が当接した後に、嵌合ばね部51aの傾斜面部51dが当接する。これにより、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合する際に、嵌合ばね部51aが受けるダメージを低減することができる。
【0048】
また、前記短辺部50bの第2部分50b2及び第3部分50b3は、第1シールド50を第1ハウジング11に固定する固定部として機能し、短辺部50bと第1ハウジング11の長手方向の両端近傍とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定する。具体的には、前記短辺部50bの第2部分50b2及び第3部分50b3は、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される際に、第1ハウジング11と接続される部分であり、隅部17と一体化される部分である。前記第2部分50b2及び第3部分50b3における内壁51は、隅部17における内壁部17cに形成されたシールド収容部17e内に収容される。これにより、短辺部50bと第1ハウジング11とは確実に一体化され、分離不能となる。なお、前記第2部分50b2及び第3部分50b3における内壁51の表面は、隅部17の内壁17cの表面と面一になることが望ましい。これにより、第2コネクタ101は、安定的にガイドされながら第1コネクタ10に嵌合することができる。
【0049】
各長辺部50aにおいて、長手方向の両端と該両端の近傍に形成されたスリット部53bとの間には、長辺部50aと第1ハウジング11とを固定的に接続する端ジョイント部55が形成されている。該端ジョイント部55は、第1シールド50を第1ハウジング11に固定する固定部として機能し、長辺部50aの長手方向の両端と第1ハウジング11の長手方向の両端近傍とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定する。具体的には、前記端ジョイント部55は、その基端が長辺部50aに連結され、その先端が外端凸部13cに埋込まれる細長い帯板を屈曲させた部材である。具体的には、前記端ジョイント部55は、その上端が第1シールド50の上端部である連結部53の上端部53aに接続された基端部55aと、該基端部55aの下端から下方にほぼ鉛直に延びる第1鉛直部55bと、該第1鉛直部55bの下端から第1コネクタ10の幅方向(Y軸方向)中央に向ってほぼ水平に延びる第1水平部55cと、該第1水平部55cの先端から上方にほぼ鉛直に延びる第2鉛直部55dと、該第2鉛直部55dの上端から第1コネクタ10の幅方向中央に向ってほぼ水平に延びる第2水平部55eとを有する。
【0050】
そして、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されると、前記基端部55aと第1鉛直部55bの上半分程度は、隅部17における分離凸部17fよりも第1コネクタ10の長手方向内側の部分と一体化して上壁部17a及び内壁部17cの表面に露出し、前記第1水平部55cの大部分は底板18の接続部18aと一体化して該接続部18aの下面に露出し、前記第2鉛直部55dの大部分は前記接続部18aに接続された外端凸部13cと一体化して該外端凸部13cの側面に露出し、前記第2水平部55eは外端凸部13cと一体化して該外端凸部13cの上面に露出する。これにより、長辺部50aと第1ハウジング11とは確実に一体化され、分離不能となる。
【0051】
また、各長辺部50aにおいて、長手方向に関して、両端の端ジョイント部55同士の間のいずれかの箇所における互いに接近した一対のスリット部53bの間には、長辺部50aと第1ハウジング11とを接続するジョイント部としての中間ジョイント部56が形成されている。該中間ジョイント部56は、図に示される例において、各長辺部50aの長手方向中央に1つずつ形成されているが、必ずしも長辺部50aの長手方向中央に形成される必要はなく、長辺部50aの長手方向におけるいずれの位置に形成されてもよく、また、2つ以上形成されてもよい。ここでは、説明の都合上、中間ジョイント部56が各長辺部50aの長手方向中央に1つずつ形成されている場合についてのみ説明する。
【0052】
前記中間ジョイント部56は、その基端が長辺部50aに連結され、その先端が内側凸部13bにおける中間ジョイント保持部13dに埋込まれた細長い帯板を屈曲させた部材である。なお、第1ハウジング11における中間ジョイント部56に対応する箇所には、第1信号端子収容キャビティ15が形成されていない。前記中間ジョイント部56は、外壁52の上端から第1コネクタ10の実装面10bに向けて延設され、続いて、第1ハウジング11に向けて延設され、その先端が第1コネクタ10の長手方向に関して互いに隣接する第1端子61同士の間の第1ハウジング11に固定される。具体的には、前記中間ジョイント部56は、その上端が第1シールド50の上端部である連結部53の上端部53aに接続された基端部56aと、該基端部56aの下端から下方にほぼ鉛直に延びる第1鉛直部56bと、該第1鉛直部56bの下端から第1コネクタ10の幅方向中央に向ってほぼ水平に延びる第1水平部56cと、該第1水平部56cの先端から上方にほぼ鉛直に延びる第2鉛直部56dとを有する。
【0053】
そして、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されると、前記第1水平部56cの半分程度は底板18と一体化して内側凸部13bの下面に露出し、前記第2鉛直部56dの大部分は中間ジョイント保持部13dと一体化して該中間ジョイント保持部13dの側面に露出する。これにより、長辺部50aと第1ハウジング11とは、長手方向の途中の箇所においても、互いに一体化されるので、姿勢及び形状が安定的に維持される。なお、前記中間ジョイント部56は、その一部が第1基板に電気的に接続可能である。具体的には、第1水平部56cが第1基板の表面の接続パッドに電気的に接続されることが望ましい。
【0054】
前記外壁52の下端には、略90度に湾曲した湾曲部52aを介して、外方に延在する平面部としてのフランジ部54が接続されている。前記湾曲部52a及びフランジ部54は、前記切除部50cを除けば、全周に亘って連続して外壁52の下端に接続されている。なお、図に示される例において、前記フランジ部54の複数箇所に小さなノッチ54aが形成されているが、該ノッチ54aは適宜省略することができる。
【0055】
前記フランジ部54は、基板接続部として機能し、その下面が第1基板の表面と平行であり、該表面の接続パッドにはんだ付等によって接続される部分である。前記接続パッドは、典型的には、グラウンドラインに接続されている。そして、前記外壁52は、それ自体が連続した壁であることに加え、その上端が連結部53において連続した部分であって、
図5及び6に示されるような断面において、外壁52と直交する方向に延在する箇所を含む部分に接続され、その下端がフランジ部54のように連続した部材であって、
図5及び6に示されるような断面において、外壁52と直交する方向に延在する部材に接続されているので、比較的剛性が高く、変形しにくくなっている。
【0056】
そして、第1ハウジング11が収容部50d内において第1シールド50と接続された状態では、前記収容部50d内に周囲が内壁51によって囲まれ、下方が底板18によって画定された凹部であって、第2コネクタ101と嵌合する第1凹部12が形成される。また、前述のように、内側凸部13bの左右両側における外側凸部13aとの間には、第1凹部12の一部として、第1コネクタ10の長手方向に延在する細長い凹部である内凹溝部12aが形成される。さらに、第1コネクタ10の長手方向に関する第1凸部13の両端外方には、第1凹部12の一部として、嵌合凹部12bが形成される。
【0057】
さらに、各外側凸部13aと長辺部50aにおける外壁52との間には、第1コネクタ10の長手方向に延在する細長い空間である側方空間12cが形成される。該側方空間12cは、第1コネクタ10の長手方向に関し、少なくとも第1端子61の列に対応する範囲に形成されている。
【0058】
前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部63と、該被保持部63の下端に接続された基板接続部としてのテール部62と、前記被保持部63の上端に接続された外側接続部65と、該外側接続部65の下端に接続された略U字状の側面形状を備える下側接続部64とを備え、前記外側接続部65の下端近傍に第1コネクタ10の幅方向の内方に向って膨出するように湾曲した接触部65aが形成されているものであるが、さらに、前記下側接続部64の先端に接続された内側接続部66を備えている。該内側接続部66は、下側接続部64に対して曲げて接続され、上方(Z軸正方向)を向いて延出し、その上端近傍には、第1コネクタ10の幅方向の外方に向って膨出するように湾曲した接触部66aが形成されている。該接触部66aは、前記外側接続部65の接触部65aと同様に、第2コネクタ101が備える後述される第2端子161と接触する部分である。つまり、本実施の形態における第1端子61は、互いに対向する外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとを備え、第2端子161と2点接触をするように構成されている。第1端子61が第1ハウジング11に取付けられた状態において、外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとは、内凹溝部12a内に突出して、互いに向合っている。
【0059】
そして、前記第1端子61は、第1コネクタ10の下面(Z軸負方向面)である実装面10b側から、第1信号端子収容キャビティ15内に圧入され、被保持部63が第1信号端子収容外側キャビティ15bの内側の側面によって両側から挟持されることにより、第1ハウジング11に固定される。なお、第1端子61は、必ずしも圧入によって第1ハウジング11に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、被保持部63が第1信号端子収容外側キャビティ15b内に圧入されて保持されるものである場合について、説明する。
【0060】
また、前記テール部62は、被保持部63に対して曲げて接続され、左右方向(Y軸方向)、すなわち、第1コネクタ10の幅方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。
【0061】
前記第1金具71は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、天板部75と、該天板部75の左右方向両端から下方(Z軸負方向)を向いて延出する一対の側板部74と、前記天板部75における第1コネクタ10の長手方向外側端から下方を向いて延出する連結片73と、該連結片73の下端に接続された基板接続部としてのテール部72とを備える。
【0062】
そして、前記第1金具71は、第1コネクタ10の上面(Z軸正方向面)である嵌合面10a側から、連結片73及び側板部74が金具収容溝16a内に圧入されて金具取付部16に取付けられる。なお、第1金具71は、必ずしも圧入によって第1ハウジング11に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、連結片73及び側板部74が金具収容溝16a内に圧入されて保持されるものである場合について、説明する。
【0063】
また、前記テール部72は、連結片73に対して曲げて接続され、第1コネクタ10の長手方向外側を向いて延出し、第1金具接続開口16b内に収容され、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。また、前記側板部74の下端は、第1金具接続スリット16c内に収容され、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、パワーライン、すなわち、電力ラインであって、電力を伝達するものであるとして、説明する。さらに、前記側板部74の外側面は、接触部として機能し、第2コネクタ101が備える後述される第2金具171と接触する部分である。
【0064】
なお、前記第1金具71は、電力を伝達するためのパワー用金具として機能するだけでなく、内側凸部13bの長手方向両端を保護するための保護金具としても機能する。
【0065】
そして、前記第1コネクタ10は、第1シールド50、第1端子61、第1金具71等の実装面10b側の部分にはんだが付与されて第1基板の表面上に載置され、加熱炉等によってはんだが加熱されて溶融することにより、第1基板の表面上に固定されて実装される。はんだは、はんだシートの付与、はんだペーストの付与、クリームはんだの転写、ドブ漬け、噴流はんだ付等によって付与される。なお、第1シールド50、第1端子61、第1金具71等を第1基板の接続パッド等に接続するための手段は、必ずしもはんだ付に限定されるものでなく、例えば、導電性接着剤等によるものであってもよいが、ここでは、はんだ付を行う場合について説明する。
【0066】
具体的には、はんだは、第1シールド50の長辺部50a及び短辺部50bに対応するフランジ部54の下面に付与されるとともに、各第1端子61のテール部62の下面、及び、各第1金具71のテール部72及び側板部74の下面に、それぞれ、付与される。また、端ジョイント部55の第1水平部55cの下面、及び、中間ジョイント部56の第1水平部56cの下面にも付与されることが望ましい。
【0067】
このようにして付与されたはんだが加熱されて溶融することによって、第1コネクタ10が第1基板の表面上に実装されると、第1シールド50の長辺部50a及び短辺部50bにおいて連続している外壁52の下端に、連続して接続されている湾曲部52a及びフランジ部54は、第1基板の表面の接続パッドに隙間なく接続される。したがって、第1基板の表面の接続パッドに接続された第1シールド50の長辺部50a及び短辺部50bの強度は高いものとなり、ひいては、前記長辺部50a及び短辺部50bによって外周が囲まれた第1コネクタ10全体の強度が高いものとなる。また、第1基板の表面の接続パッドに隙間なく接続された長辺部50a及び短辺部50bが発揮する電磁気的なシールド効果は、非常に高いものとなり、前記長辺部50a及び短辺部50bによって外周が囲まれた第1コネクタ10は、非常に効果的に電磁気的にシールドされる。
【0068】
特に、フランジ部54の下面の平滑度が高いので、第1基板の表面の接続パッドに接続された長辺部50a及び短辺部50bの強度を極めて高くすることができ、第1基板の表面の接続パッドとの間に隙間が生じないので、電磁気的なシールド効果も極めて高くすることができる。
【0069】
また、第1コネクタ10の長手方向に延在する長尺の長辺部50aは、その長手方向両端が隅部17における分離凸部17fよりも第1コネクタ10の長手方向内側の部分と一体化し、かつ、端ジョイント部55の各々が、第1ハウジング11の接続部18a、該接続部18aに接続された隅部17及び外端凸部13cと一体化しているとともに、その長手方向の途中に形成された中間ジョイント部56の先端を含む部分が、第1ハウジング11の長手方向の途中において、底板18及び内側凸部13bと一体化している。したがって、合成樹脂等の絶縁性材料から成る細長い部材である第1ハウジング11の反りに起因する長辺部50aにおけるフランジ部54の平坦度の低下が確実に防止され、長辺部50aのフランジ部54や湾曲部52aと第1基板の表面の接続パッドとの接続が確実に維持される。さらに、中間ジョイント部56の第1水平部56cの下面も第1基板の表面の接続パッドにはんだ付される場合には、長辺部50aのフランジ部54の平坦度の低下がより確実に防止される。
【0070】
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
【0071】
図11は第1の実施の形態における第2コネクタの斜視図、
図12は第1の実施の形態における第2コネクタの上面図、
図13は第1の実施の形態における第2コネクタの三面図、
図14は第1の実施の形態における第2コネクタの分解斜視図、
図15は第1の実施の形態における第2コネクタの側断面図であって
図12におけるE-E矢視断面図、
図16は第1の実施の形態における第2コネクタの横断面図、
図17は第1の実施の形態における第2コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図12におけるE-E斜視片側断面図、
図18は第1の実施の形態における第2コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図12におけるF-F斜視片側断面図、
図19は第1の実施の形態における第2コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図12におけるG-G斜視片側断面図、
図20は第1の実施の形態における第2コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図12におけるH-H斜視片側断面図である。なお、
図11において、(a)は斜め下方から観た図、(b)は斜め上方から観た図であり、
図13において、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図であり、
図16において、(a)は
図12におけるF-F矢視断面図、(b)は
図12におけるG-G矢視断面図、(c)は
図12におけるH-H矢視断面図である。
【0072】
本実施の形態における第2コネクタ101は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって形成されたプラグシールドであるシールド部材としての第2シールド150と、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたコネクタ本体としての第2ハウジング111とを有する。該第2ハウジング111は、平板状の底板118と、第2コネクタ101の長手方向(X軸方向)中央において底板118の上面から上方に向けて突出する凸部としての第2凸部112と、第2コネクタ101の長手方向両端において底板118の上面から上方に向けて突出する突出端部117とを有する。
【0073】
該突出端部117は、第2シールド150がオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される際に、前記第2シールド150と接続される主たる部分である。すなわち、第2ハウジング111は、第2シールド150をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形され、前記突出端部117及びその他の部分において第2シールド150と一体的に接続される。したがって、第2ハウジング111と第2シールド150とは、別個に存在するものではないが、
図14においては、説明の都合上、第2ハウジング111と第2シールド150とが別個に存在するように、示されている。
【0074】
図14に示されるように、各突出端部117は、それぞれ、断面が矩形状の角筒の筒壁を二分割した1つのような形状となっており、平面視において、コ字状の形状を有する。そして、各突出端部117は、第2コネクタ101の幅方向(Y軸方向)に延在する直線状の端壁部117aと、曲壁部117bを介して前記端壁部117aの両端に接続され、第2コネクタ101の長手方向(X軸方向)に延在する直線状の側壁部117cとを含んでいる。なお、前記曲壁部117bは、平面視において、中心角が約90度の円弧状の部分である。そして、前記突出端部117の下端は、前記底板118の長手方向両端において外方へ延びる接続部118aの先端に接続されている。図に示される例において、前記接続部118aは、底板118の他の部分よりも肉厚に形成されている。
【0075】
また、各突出端部117の内側は、下方が接続部118aによって、長手方向外側端が端壁部117aによって、左右両側端が側壁部117cによって画定された空間である突出端凹部117dとなっている。該突出端凹部117d内には、第2凸部112の長手方向両端に接続された金具取付部116が収容される。なお、該金具取付部116は、パワー用金具としての第2金具171が取付けられる部分である。
【0076】
さらに、前記突出端部117は、側壁部117cの上面から外側面に亘って連続する分離凸部117fを含んでいる。該分離凸部117fは、第2シールド150における長辺部150aと短辺部150bとを分離する切除部150cに対応する位置に形成された凸部である。そして、各突出端部117において、前記分離凸部117fよりも第2コネクタ101の長手方向外側の部分には前記短辺部150bが一体的に接続され、前記分離凸部117fよりも第2コネクタ101の長手方向内側の部分には前記長辺部150aが一体的に接続される。
【0077】
前記第2凸部112は、第2コネクタ101の幅方向両側において第2コネクタ101の長手方向に延在する一対の端子支持壁112aと、下方が底板118によって、左右両側端が端子支持壁112aによって画定された空間である中央溝部112bとを含んでいる。該中央溝部112bは、長手方向両端が金具取付部116によって画定された細長い溝状の空間であり、第2コネクタ101が第1コネクタ10と嵌合すると、該第1コネクタ10の内側凸部13bを収容する。
【0078】
さらに、各端子支持壁112aと長辺部150aにおける外壁152との間には、第2コネクタ101の長手方向に延在する細長い空間である側方空間112cが形成される。該側方空間112cは、第2コネクタ101の長手方向に関し、少なくとも第2端子161の列に対応する範囲に形成されている。
【0079】
また、前記端子支持壁112aには、第2ハウジング111に取付けられる端子としての第2端子161が取付けられている。該第2端子161は、第1端子61に対応するピッチで、対応する数だけ、端子支持壁112aの表面に少なくとも一部が露出するように配設されている。すなわち、前記第2端子161は、各端子支持壁112aに沿って複数ずつ配設され、第2コネクタ101の長手方向に延在する列を形成するように並んで配設されている。なお、前記第2端子161は、第1端子61のように圧入によって端子支持壁112aに取付けられるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって端子支持壁112aと一体化されるものである場合について説明する。
【0080】
前記第2凸部112における第2コネクタ101の幅方向外側における底板118には、側凹部118bが形成され、これにより、底板118は、第2コネクタ101の幅方向の寸法が小さく、すなわち、幅狭に形成されている。
【0081】
さらに、前記端子支持壁112aの長手方向両端には、パワー用金具としての第2金具171が取付けられる金具取付部116が接続されている。各金具取付部116は、平面視において、コ字状の形状を有し、第2コネクタ101の幅方向に延在する直線状の端壁部116aと、該端壁部116aの両端に接続され、第2コネクタ101の長手方向(X軸方向)に延在する直線状の側壁部116bとを含んでいる。前記金具取付部116の外側は、突出端凹部117dを介して、突出端部117に取囲まれており、端壁部116a及び側壁部116bは、それぞれ、突出端部117の端壁部117a及び側壁部117cと対向している。
【0082】
そして、前記端壁部116aの内側面には、第2金具171の中央片178が収容される中央凹部116cが形成され、前記側壁部116bの外側面には、第2金具171の側板175が収容される側方凹部116dが形成されている。該側方凹部116dは、側壁部116bの外側面から底板118の接続部118aを貫通して、底板118の実装面101b側に開口し、第2金具171の側板175の下端が実装面101bに露出するように形成されている。
【0083】
前記第2シールド150は、導電性の金属板に打抜き、絞り等の加工を施すことによって形成された部材であって、
図12に示されるように、上方から観て、すなわち、平面視において、概略矩形の枠状の部材であり、第2ハウジング111の周囲を囲繞する。そして、前記第2シールド150は、第2コネクタ101の長手方向に直線的に延在する複数(図に示される例において、一対)の第1シールド部材である側方シールドとしての長辺部150aと、複数(図に示される例において、一対)の第2シールド部材である端部シールドとしての短辺部150bとを含んでいる。第2ハウジング111の長手方向両端を囲繞する前記短辺部150bは、第2コネクタ101の幅方向に直線的に延在する部分である第1部分150b1と、該第1部分150b1の両端に接続され、平面視において中心角が約90度の円弧状となっている第2部分150b2と、該第2部分150b2に接続され、第2コネクタ101の長手方向に直線的に延在する第3部分150b3とを含んでいる。
【0084】
なお、前記長辺部150aと短辺部150bとは、長辺部150aと短辺部150bの第3部分150b3との間に存在する狭い空間である切除部150cによって相互に分離されているが、必要に応じて、切除部150cを省略して、長辺部150aと短辺部150bとを一体化することもできる。前記長辺部150aと短辺部150bとを統合的に説明する場合には、第2シールド150として説明する。
【0085】
また、該第2シールド150は、シールド板としての外壁152と、基端が前記外壁152の上端に接続され、先端が内方に延在する連結部153とを含んでいるが、第1シールド50における内壁51に相当するような外壁52の内側において該外壁52とほぼ平行する部材を含んではいない。前記外壁152及び連結部153は、前記切除部150cを除けば、長辺部150a及び短辺部150bのそれぞれの全周に亘って連続した壁となっている。なお、前記第2シールド150の上端部は湾曲した連結部153の上端部153aであるが、短辺部150bにおいては、前記上端部153aは平板状の上壁部153cとなっている。
【0086】
そして、前記外壁152の外面の複数箇所には、外方に膨出するような形状の接点部としての係合凸部152cが形成されている。該係合凸部152cは、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合した状態で、第1コネクタ10の第1シールド50における嵌合ばね部51aの係合角部51cと係合する部分であって、第2コネクタ101の長手方向又は幅方向に直線的に延在する。
【0087】
また、前記短辺部150bは、第2シールド150を第1ハウジング11に固定する固定部として機能し、短辺部50bと第1ハウジング11の長手方向の両端近傍とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定する。具体的には、第2シールド150がオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される際に突出端部117と一体化される部分であり、第1部分150b1、第2部分150b2及び第3部分150b3は、それぞれ、端壁部117a、曲壁部117b及び側壁部117cと一体化される。これにより、短辺部150bと第2ハウジング111とは確実に一体化され、分離不能となる。
【0088】
一方、前記長辺部150aは、第2シールド150がオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される際に、その長手方向の固定部が突出端部117の側壁部117cにおける分離凸部117fよりも第2コネクタ101の長手方向内側の部分と一体化される。各長辺部150aにおいて、長手方向の両端には、長辺部150aと第2ハウジング111とを固定的に接続する端ジョイント部155が形成されている。該端ジョイント部155は、第2シールド150を第2ハウジング111に固定する固定部として機能し、長辺部150aの長手方向の両端と第2ハウジング111の長手方向の両端近傍とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定する。前記端ジョイント部155は、その基端が長辺部150aに連結され、その先端が側壁部117cにおける分離凸部117fよりも第2コネクタ101の長手方向内側の部分に埋込まれる帯板を屈曲させた部材である。具体的には、前記端ジョイント部155は、その上端が第2シールド150の上端部である連結部153の上端部153aに接続された基端部155aと、該基端部155aの下端から下方にほぼ鉛直に延びる鉛直部155bとを有する。
【0089】
そして、第2シールド150がオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されると、端ジョイント部155は、側壁部117cにおける分離凸部117fよりも第2コネクタ101の長手方向内側の部分と一体化し、前記基端部155aは側壁部117cの表面に露出し、前記鉛直部155bは側壁部117c内に埋込まれる。これにより、長辺部150aと第2ハウジング111とは確実に一体化され、分離不能となる。
【0090】
また、各長辺部150aにおいて、長手方向に関して、両端の端ジョイント部155同士の間のいずれかの箇所には、長辺部150aと第2ハウジング111とを接続するジョイント部としての中間ジョイント部156が形成されている。該中間ジョイント部156は、図に示される例において、各長辺部150aの長手方向中央に1つずつ形成されているが、必ずしも長辺部150aの長手方向中央に形成される必要はなく、長辺部150aの長手方向におけるいずれの位置に形成されてもよく、また、2つ以上形成されてもよい。ここでは、説明の都合上、中間ジョイント部156が各長辺部150aの長手方向中央に1つずつ形成されている場合についてのみ説明する。
【0091】
前記中間ジョイント部156は、その基端が長辺部150aに連結され、その先端が端子支持壁112aにおける中間ジョイント保持部112dに埋込まれた細長い帯板を屈曲させた部材である。なお、第2ハウジング111における中間ジョイント部156に対応する箇所には、第2端子161が取付けられていない。前記中間ジョイント部156は、外壁152の上端から第2コネクタ101の実装面101bに向けて延設され、続いて、第2ハウジング111に向けて延設され、その先端が第2コネクタ101の長手方向に関して互いに隣接する第2端子161同士の間の第2ハウジング111に固定される。具体的には、前記中間ジョイント部156は、その上端が第2シールド150の上端部である連結部153の上端部153aに接続された基端部156aと、該基端部156aの下端から下方にほぼ鉛直に延びる第1鉛直部156bと、該第1鉛直部156bの下端から第2コネクタ101の幅方向中央に向ってほぼ水平に延びる第1水平部156cと、該第1水平部156cの先端から上方にほぼ鉛直に延びる第2鉛直部156dとを有する。
【0092】
そして、第2シールド150がオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されると、前記第1水平部156cの半分程度は底板118と一体化して該底板118の下面に露出し、前記第2鉛直部156dの大部分は中間ジョイント保持部112dと一体化して該中間ジョイント保持部112dの内側面に露出する。これにより、長辺部150aと第2ハウジング111とは、長手方向の途中の箇所においても、互いに一体化されるので、姿勢及び形状が安定的に維持される。なお、前記中間ジョイント部156は、その一部が第2基板に電気的に接続可能である。具体的には、第1水平部156cが第2基板の表面の接続パッドに電気的に接続されることが望ましい。
【0093】
前記外壁152の下端には、略90度に湾曲した湾曲部152aを介して、外方に延在する平面部としてのフランジ部154が接続されている。前記湾曲部152a及びフランジ部154は、前記切除部150cを除けば、全周に亘って連続して外壁152の下端に接続されている。なお、図に示される例において、前記フランジ部154の複数箇所に小さなノッチ154aが形成されているが、該ノッチ154aは適宜省略することができる。
【0094】
前記フランジ部154は、基板接続部として機能し、その下面が第2基板の表面と平行であり、該表面の接続パッドにはんだ付等によって接続される部分である。前記接続パッドは、典型的には、グラウンドラインに接続されている。そして、前記外壁152は、それ自体が連続した壁であることに加え、その上端が連結部153において連続した部分であって、
図15及び16に示されるような断面において、外壁152と直交する方向に延在する箇所を含む部分に接続され、その下端がフランジ部154のように連続した部材であって、
図15及び16に示されるような断面において、外壁152と直交する方向に延在する部材に接続されているので、比較的剛性が高く、変形しにくくなっている。
【0095】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、上下方向(Z軸方向)に延在する内側接続部165と、該内側接続部165の下端に接続され、第2ハウジング111の幅方向外側を向いて延出する基板接続部としてのテール部162と、前記内側接続部165の上端に接続された上側接続部164と、該上側接続部164の下端に接続され、前記内側接続部165と対向する外側接続部166を備えている。前記テール部162は、外側接続部166の下方を通って水平方向(Y軸方向)に延在し、その先端は前記外側接続部166よりも外方に位置する。そして、前記第2端子161はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2端子161をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。
【0096】
これにより、第2端子161は、少なくとも一部が第2ハウジング111における第2凸部112の端子支持壁112a内に埋没するようにして、端子支持壁112aに一体的に取付けられ、内側接続部165及び上側接続部164の表面のほぼ全体、並びに、外側接続部166の表面の少なくとも一部が端子支持壁112aの内側面、上面及び外側面に露出する。なお、前記内側接続部165及び外側接続部166の表面は、接触部として機能し、第1コネクタ10が備える第1端子61と接触する。
【0097】
また、前記テール部162は、端子支持壁112aから第2ハウジング111の幅方向外側を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインである。
【0098】
また、第2端子161は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
【0099】
前記第2金具171は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、金具取付部116の端壁部116aにおける上面の少なくとも一部を覆う天板部172と、金具取付部116の側壁部116bにおける外側面の少なくとも一部を覆う一対の側板175とを有する。なお、前記天板部172は、前方接続部172a及び側方接続部172bを含み、該側方接続部172bの先端に側板175が接続され、前記前方接続部172aの先端に中央片178が接続されている。また、前記側板175の上端には、中央溝部112bの底面に向けて斜め下方に延出する接触片175aが接続されている。
【0100】
そして、前記第2金具171は、第2コネクタ101の上面(Z軸負方向面)である嵌合面101a側から、側板175が側方凹部116d内に圧入されて金具取付部116に取付けられる。なお、第2金具171は、必ずしも圧入によって第2ハウジング111に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、側板175が側方凹部116d内に圧入されて保持されるものである場合について、説明する。
【0101】
また、底板118の実装面101b側に開口する側方凹部116d内に収容された側板175の下端は、実装面101bに露出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、パワーライン、すなわち、電力ラインであって、電力を伝達するものであるとして、説明する。
【0102】
さらに、前記接触片175aは、第2金具171が金具取付部116に取付けられた状態において、側壁部116b等に当接しておらず、カンチレバー状の部材として、第2コネクタ101の幅方向外方に向けて弾性的に変位可能となっている。そして、前記接触片175aは、接触部として機能し、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合すると、第1金具71の側板部74の外側面と接触して導通する。また、前記中央片178も、接触部として機能し、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合すると、第1金具71の連結片73の外側面と接触して導通する。
【0103】
なお、前記第2金具171は、電力を伝達するためのパワー用金具として機能するだけでなく、第2凸部112の長手方向両端を保護するための保護金具としても機能する。
【0104】
そして、前記第2コネクタ101は、第2シールド150、第2端子161、第2金具171等の実装面101b側の部分にはんだが付与されて第2基板の表面上に載置され、加熱炉等によってはんだが加熱されて溶融することにより、第2基板の表面上に固定されて実装される。はんだは、はんだシートの付与、はんだペーストの付与、クリームはんだの転写、ドブ漬け、噴流はんだ付等によって付与される。なお、第2シールド150、第2端子161、第2金具171等を第2基板の接続パッド等に接続するための手段は、必ずしもはんだ付に限定されるものでなく、例えば、導電性接着剤等によるものであってもよいが、ここでは、はんだ付を行う場合について説明する。
【0105】
具体的には、はんだは、第2シールド150の長辺部150a及び短辺部150bに対応するフランジ部154の下面に付与されるとともに、各第2端子161のテール部162の下面、及び、各第2金具171の側板175の下面に、それぞれ、付与される。また、中間ジョイント部156の第1水平部156cの下面にも付与されることが望ましい。
【0106】
このようにして付与されたはんだが加熱されて溶融することによって、第2コネクタ101が第2基板の表面上に実装されると、第2シールド150の長辺部150a及び短辺部150bにおいて連続している外壁152の下端に、連続して接続されている湾曲部152a及びフランジ部154は、第2基板の表面の接続パッドに隙間なく接続される。したがって、第2基板の表面の接続パッドに接続された第2シールド150の長辺部150a及び短辺部150bの強度は高いものとなり、ひいては、前記長辺部150a及び短辺部150bによって外周が囲まれた第2コネクタ101全体の強度が高いものとなる。また、第2基板の表面の接続パッドに隙間なく接続された長辺部150a及び短辺部150bが発揮する電磁気的なシールド効果は、非常に高いものとなり、前記長辺部150a及び短辺部150bによって外周が囲まれた第2コネクタ101は、非常に効果的に電磁気的にシールドされる。
【0107】
特に、フランジ部154の下面の平滑度が高いので、第2基板の表面の接続パッドに接続された長辺部150a及び短辺部150bの強度を極めて高くすることができ、第2基板の表面の接続パッドとの間に隙間が生じないので、電磁気的なシールド効果も極めて高くすることができる。
【0108】
また、第2コネクタ101の長手方向に延在する長尺の長辺部150aは、端ジョイント部155を含む長手方向両端が、突出端部117における分離凸部117fよりも第2コネクタ101の長手方向内側の部分と一体化しているとともに、その長手方向の途中に形成された中間ジョイント部156の先端を含む部分が、第2ハウジング111の長手方向の途中において、底板118及び端子支持壁112aと一体化している。したがって、合成樹脂等の絶縁性材料から成る細長い部材である第2ハウジング111の反りに起因する長辺部150aにおけるフランジ部154の平坦度の低下が確実に防止され、長辺部150aのフランジ部154や湾曲部152aと第2基板の表面の接続パッドとの接続が確実に維持される。さらに、中間ジョイント部156の第1水平部156cの下面も第2基板の表面の接続パッドにはんだ付される場合には、長辺部150aのフランジ部154の平坦度の低下がより確実に防止される。
【0109】
次に、前記構成の第1コネクタ10と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0110】
図21は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の斜視図、
図22は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1コネクタの上方から観た平面図、
図23は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の三面図、
図24は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の側断面図であって
図22におけるJ-J矢視断面図、
図25は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の横断面図、
図26は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1の斜視片側断面図であって
図22におけるJ-J斜視片側断面図、
図27は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第2の斜視片側断面図であって
図22におけるK-K斜視片側断面図、
図28は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第3の斜視片側断面図であって
図22におけるL-L斜視片側断面図、
図29は第1の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第4の斜視片側断面図であって
図22におけるM-M斜視片側断面図である。なお、
図21において、(a)は第1コネクタの斜め上方から観た図、(b)は第1コネクタの斜め下方から観た図であり、
図23において、(a)は側面図、(b)は第2コネクタの上方から観た平面図、(c)は正面図であり、
図25において、(a)は
図22におけるK-K矢視断面図、(b)は
図22におけるL-L矢視断面図、(c)は
図22におけるM-M矢視断面図である。
【0111】
ここで、第1コネクタ10は、第1端子61のテール部62、第1金具71のテール部72及び側板部74、外壁52の下端に連続して接続されている湾曲部52a及びフランジ部54、端ジョイント部55の第1水平部55c、並びに、中間ジョイント部56の第1水平部56cが、図示されない第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。また、前記第1金具71のテール部72及び側板部74が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、電力ラインであって電力を伝達するものであり、第1シールド50の湾曲部52a、フランジ部54、端ジョイント部55の第1水平部55c、及び、中間ジョイント部56の第1水平部56cが接続される接続パッドに連結された導電トレースは、グラウンドラインであり、第1端子61のテール部62が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって信号を伝達するものであるとする。
【0112】
同様に、第2コネクタ101は、第2端子161のテール部162、第2金具171の側板175、外壁152の下端に連続して接続されている湾曲部152a及びフランジ部154、並びに、中間ジョイント部156の第1水平部156cが、図示されない第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。また、前記第2金具171の側板175が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、電力ラインであって電力を伝達するものであり、第2シールド150の湾曲部152a、フランジ部154及び中間ジョイント部156の第1水平部156cが接続される接続パッドに連結された導電トレースは、グラウンドラインであり、第2端子161のテール部162が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって信号を伝達するものであるとする。
【0113】
まず、オペレータは、第1コネクタ10の嵌合面10aと第2コネクタ101の嵌合面101aとを対向させた状態とし、第1コネクタ10の内側凸部13bの位置が第2コネクタ101の中央溝部112bの位置と合致し、第2コネクタ101の突出端部117の位置が第1コネクタ10の対応する嵌合凹部12bの位置と合致すると、第1コネクタ10と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0114】
この状態で、第1コネクタ10及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第2コネクタ101の第2シールド150が第1コネクタ10の第1シールド50の収容部50d内に挿入され、第1コネクタ10の内側凸部13bが第2コネクタ101の中央溝部112b内に挿入され、第2コネクタ101の突出端部117が第1コネクタ10の嵌合凹部12b内に挿入される。
【0115】
なお、第1コネクタ10の嵌合面10aには、その周囲を囲むように第1シールド50の連結部53が存在し、第2コネクタ101の嵌合面101aには、第2シールド150の連結部153が存在するので、嵌合の際に第1コネクタ10の嵌合面10aと第2コネクタ101の嵌合面101aとが当接しても、損傷を受けたり破損したりすることがない。
【0116】
また、嵌合初期の状態、すなわち、第2コネクタ101の嵌合面101aの近傍部分が第1コネクタ10の第1シールド50の収容部50d内にわずかに進入した状態では、第2シールド150の短辺部150bにおける外壁152の嵌合面101aの近傍部分が、第1シールド50の短辺部50bにおける嵌合位置決め部51bの上端近傍(嵌合面10aの近傍)の緩傾斜面に当接し、該緩傾斜面に接触してガイドされながら収容部50d内に挿入される。これにより、第2コネクタ101の第1コネクタ10に対する位置決めが行われる。なお、嵌合位置決め部51bは、第1ハウジング11の隅部17と一体化されているので、堅牢である。したがって、嵌合位置決め部51bは、堅牢性が高いので、第2コネクタ101の第2シールド150の嵌合面101aの近傍部分が当接しても、変形したり、破損したりすることがない。
【0117】
また、第2シールド150の短辺部150bにおける外壁152の嵌合面101aの近傍部分は、前記緩傾斜面に当接した後に、第1シールド50の嵌合ばね部51aの傾斜面部51dに当接する。これにより、嵌合ばね部51aが受けるダメージを低減することができる。
【0118】
続いて、
図21~29に示されるように、第1コネクタ10と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1端子61と第2端子161とが導通し、第1金具71と第2金具171とが導通した状態となる。
【0119】
具体的には、第2ハウジング111の第2凸部112の一対の端子支持壁112aが第1ハウジング11の一対の内凹溝部12a内に挿入され、内凹溝部12a内に突出して、互いに向合っている第1端子61の外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとが、端子支持壁112aの外側面及び内側面に露出している第2端子161の外側接続部166及び内側接続部165に接触する。
【0120】
この際、第1端子61の下側接続部64とその近傍は、概略U字状の形状を有して弾性変形可能であるので、互いに向合う外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとの間隔は、弾性的に拡張可能となっている。そのため、外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとの間隔はその間に挿入された第2端子161によって弾性的に押広げられ、その反作用として、第2端子161は、外側接続部65の接触部65aと内側接続部66の接触部66aとによって両側から弾性的に挟持された状態となる。これにより、互いに対応する第1端子61の外側接続部65の接触部65a及び第2端子161の外側接続部166、並びに、第1端子61の内側接続部66の接触部66a及び第2端子161の内側接続部165は、衝撃や振動を受けたときにも、接触を維持して離間することがないので、安定した導通状態を維持することができる。また、互いに対応する第1端子61と第2端子161とは、2箇所で接触する、いわゆる、2点接触の状態となり、仮に1箇所の接触が解除されても、他方の接触が維持されるので、接触状態を安定的に維持することができる。
【0121】
このように、互いに接触した第1端子61及び第2端子161は、その全周が第1シールド50の内壁51及び外壁52と、第2シールド150の外壁152とによって連続して囲繞された状態となるので、極めて効果的にシールドされる。したがって、良好な電磁両立性(EMC)を得ることができる。
【0122】
また、内側凸部13bの長手方向両端に接続された金具取付部16が中央溝部112bの両端近傍に挿入され、第1金具71の連結片73及び側板部74と、第2金具171の中央片178及び接触片175aとが接触する。該接触片175aは、弾性変形可能であるので、第1コネクタ10及び第2コネクタ101の幅方向に弾性的に変位可能となっている。これにより、互いに対応する第1金具71の側板部74と第2金具171の接触片175aとは、衝撃や振動を受けたときにも、接触を維持して離間することがないので、安定した導通状態を維持することができる。したがって、電力を安定的に伝達することができる。
【0123】
さらに、第2コネクタ101の第2シールド150が第1コネクタ10の第1シールド50の収容部50d内に挿入されると、第2シールド150の外壁152の外面が第1シールド50の内壁51の内面に当接又は近接し、
図25(b)及び28に示されるように、第2シールド150の外壁152に形成された係合凸部152cが第1シールド50の内壁51に形成された係合角部51cと係合する。なお、該係合角部51cが形成されている内壁51の嵌合ばね部51aは、その両端がスリット部53bによって他の部分から分離され、比較的柔軟性を有しているので、第2シールド150の外壁152の係合凸部152cとの係合状態を確実に維持することができる。これにより、第1シールド50と第2シールド150とがロックされた状態となり、第1コネクタ10と第2コネクタ101との嵌合状態の解除が防止される。また、第1シールド50と第2シールド150とが互いに接触して導通し、等電位となるので、電磁的なシールド性が向上する。
【0124】
さらに、第1シールド50の長辺部50aは、その長手方向の途中の箇所を第1ハウジング11における長手方向の途中の箇所に接続する中間ジョイント部56を有し、第2シールド150の長辺部150aは、その長手方向の途中の箇所を第2ハウジング111における長手方向の途中の箇所に接続する中間ジョイント部156を有している。これにより、極数が増加して第1コネクタ10及び第2コネクタ101が細長い形状となっても、合成樹脂等の絶縁性材料から成る細長い部材である第1ハウジング11及び第2ハウジング111の反りに起因する第1シールド50の長辺部50a及び第2シールド150の長辺部150aにおけるフランジ部54及び154の下面(実装面10b及び101b)の平坦度の低下が確実に防止され、前記フランジ部54及び154や湾曲部52a及び152aと第1基板及び第2基板の表面の接続パッドとの接続が確実に維持される。したがって、良好な電磁両立性(EMC)を維持することができる。
【0125】
さらに、中間ジョイント部56及び156の第1水平部56c及び156cの下面が第1基板及び第2基板の表面におけるグラウンドラインに連結された接続パッドに接続されているので、長辺部50a及び150aの長さが長くても、その長手方向の全範囲に亘って等電位を維持することができる。したがって、より良好な電磁両立性(EMC)を維持することができる。
【0126】
このように、本実施の形態において、第1コネクタ10は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に取付けられる複数の第1端子61と、第1ハウジング11を囲繞する第1シールド50とを備え、第2コネクタ101と嵌合する。また、第2コネクタ101は、第2ハウジング111と、第2ハウジング111に取付けられる複数の第2端子161と、第2ハウジング111を囲む第2シールド150とを備え、第1コネクタ10と嵌合する。そして、第1端子61及び第2端子161は、第1コネクタ10及び第2コネクタ101の長手方向に延在する列を形成するように並んで配設され、第1シールド50及び第2シールド150は、端ジョイント部55及び155と、外壁52及び152と、中間ジョイント部56及び156とを含み、端ジョイント部55及び155は、第1ハウジング11及び第2ハウジング111の長手方向の両端近傍において、第1シールド50及び第2シールド150と第1ハウジング11及び第2ハウジング111とを、その間に隙間が生じないように一体的に接続して固定し、外壁52及び152は、第1コネクタ10及び第2コネクタ101の長手方向に関し、少なくとも第1端子61及び第2端子161の列に対応する範囲において、第1ハウジング11及び第2ハウジング111の幅方向外側に、側方空間12c及び112cを介して、配設され、中間ジョイント部56及び156は、第1端子61及び第2端子161の列に対応する範囲において、側方空間12c及び112cを渡って、外壁52及び152を第1ハウジング11及び第2ハウジング111に接続する。
【0127】
これにより、第1コネクタ10及び第2コネクタ101は、小型低背でありながら、高い強度を発揮するとともに、高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。
【0128】
また、中間ジョイント部56及び156は、外壁52及び152の上端から第1コネクタ10及び第2コネクタ101の実装面10b及び101bに向けて延設され、さらに、第1ハウジング11及び第2ハウジング111に向けて延設されて、その先端が第1コネクタ10及び第2コネクタ101の長手方向に互いに隣接する第1端子61及び第2端子161同士の間の第1ハウジング11及び第2ハウジング111に固定される。さらに、中間ジョイント部56及び156は、その一部が第1コネクタ10及び第2コネクタ101が実装される第1基板及び第2基板に電気的に接続可能である。さらに、外壁52及び152には、第1コネクタ10及び第2コネクタ101が実装される第1基板及び第2基板の表面に平行なフランジ部54及び154が形成可能である。さらに、第1シールド50及び第2シールド150は、第1ハウジング11及び第2ハウジング111の長手方向両端を囲繞する短辺部50b及び150bを含み得る。さらに、短辺部50b及び150bは、第1シールド50及び第2シールド150と一体化され得る。さらに、第1シールド50は、第2コネクタ101が挿入されて収容される収容部50dの周囲を囲み、外壁52は、第2コネクタ101の外壁152と接触する嵌合ばね部51aを少なくとも2つ含み、中間ジョイント部56は、互いに隣接する嵌合ばね部51a同士の間に形成されている。さらに、外壁152は、外面から外方に突出するように形成された係合凸部152cを含み得る。
【0129】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0130】
図30は第2の実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図31は第2の実施の形態における第1コネクタの上面図、
図32は第2の実施の形態における第1コネクタの三面図、
図33は第2の実施の形態における第1コネクタの分解斜視図、
図34は第2の実施の形態における第1コネクタの側断面図、
図35は第2の実施の形態における第1コネクタの横断面図、
図36は第2の実施の形態における第1コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図31におけるA-A斜視片側断面図、
図37は第2の実施の形態における第1コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図31におけるB-B斜視片側断面図、
図38は第2の実施の形態における第1コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図31におけるC-C斜視片側断面図、
図39は第2の実施の形態における第1コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図31におけるD-D斜視片側断面図、
図40は第2の実施の形態における第1コネクタの第5の斜視片側断面図であって
図31におけるN-N斜視片側断面図である。なお、
図30において、(a)は斜め上方から観た図、(b)は斜め下方から観た図であり、
図32において、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図であり、
図34において、(a)は
図31におけるA-A矢視断面図、(b)は
図31におけるN-N矢視断面図であり、
図35において、(a)は
図31におけるB-B矢視断面図、(b)は
図31におけるC-C矢視断面図、(c)は
図31におけるD-D矢視断面図である。
【0131】
本実施の形態において、第1シールド50は、平面視において略矩形であって、その四辺は第2コネクタ101の第2シールド150に接触し、第1コネクタ10は、第1シールド50の四つの角部近傍に配設された嵌合方向に弾性変位可能な接触片55fを含み、該接触片55fは、第2コネクタ101の第2シールド150に接触する。
【0132】
具体的には、本実施の形態における第1シールド50の端ジョイント部55は、その上端が第1シールド50の上端部である連結部53の上端部53aに接続された基端部55aと、該基端部55aの下端から下方にほぼ鉛直に延びる第1鉛直部55bと、該第1鉛直部55bの下端から第1コネクタ10の幅方向(Y軸方向)中央に向ってほぼ水平に延びる第1水平部55cと、該第1水平部55cにおける第1コネクタ10の長手方向外側縁から第1コネクタ10の長手方向外方に向けて延在するカンチレバー状の接触片55fとを有する。該接触片55fは、側面視において、すなわち、Y軸方向に観て、前記第1水平部55cから遠ざかるほど上昇するように傾斜しており、その自由端近傍に形成された頂点55gは、第2コネクタ101の第2シールド150に接触する接点として機能する。なお、本実施の形態における端ジョイント部55においては、前記第1の実施の形態における端ジョイント部55が有する第2鉛直部55d及び第2水平部55eが省略されている。
【0133】
また、本実施の形態における第1ハウジング11においては、外端凸部13cが省略されるとともに、側凹延長部18dが形成されている。該側凹延長部18dは、それぞれの側凹部18bにおける第1コネクタ10の長手方向外側端から第1コネクタ10の長手方向外方に向けて延在するように形成された部分であり、これにより、底板18における幅狭の部分は、前記第1の実施の形態よりも広範囲に亘って存在する。
【0134】
そして、第1シールド50がオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されると、前記基端部55aと第1鉛直部55bの上半分程度は、隅部17における分離凸部17fよりも第1コネクタ10の長手方向内側の部分と一体化して上壁部17a及び内壁部17cの表面に露出し、前記第1水平部55cは、その先端近傍部分だけが底板18と一体化して該底板18の下面に露出する。これにより、長辺部50aと第1ハウジング11とは確実に一体化され、分離不能となる。また、前記第1水平部55cの先端近傍部分以外の部分、及び、接触片55fの全部分は、底板18から分離され、前記側凹延長部18d内に位置する。これにより、接触片55fは、嵌合方向に自由に変形可能となり、その頂点55gは嵌合方向に自由に変位することができる。
【0135】
なお、
図31に明確に示されるように、平面視において、接触片55fは、略矩形の第1シールド50の四つの角部近傍に配設されている。そして、前記接触片55fの接点である頂点55gは、略矩形の第1シールド50の四辺において、第2シールド150に接触する部分である嵌合ばね部51aの存在する領域の域外に位置する。具体的には、長辺部50aにおける嵌合ばね部51aよりも第1コネクタ10の長手方向の外側に位置し、かつ、短辺部50bにおける嵌合ばね部51aよりも第1コネクタ10の幅方向の外側に位置する。
【0136】
また、側面視において、接触片55fは、第1コネクタ10の長手方向に関し、第1シールド50の長辺部50aと短辺部50bとを分離する切除部50cの全範囲に亘って延在する。これにより、前記切除部50cにおける電磁気的なシールドの漏れを改善することができる。
【0137】
なお、本実施の形態における第1コネクタ10のその他の構成は、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0138】
次に、本実施の形態における第2コネクタ101の構成について説明する。
【0139】
図41は第2の実施の形態における第2コネクタの斜視図、
図42は第2の実施の形態における第2コネクタの上面図、
図43は第2の実施の形態における第2コネクタの三面図、
図44は第2の実施の形態における第2コネクタの分解斜視図、
図45は第2の実施の形態における第2コネクタの側断面図、
図46は第2の実施の形態における第2コネクタの横断面図、
図47は第2の実施の形態における第2コネクタの第1の斜視片側断面図であって
図42におけるE-E斜視片側断面図、
図48は第2の実施の形態における第2コネクタの第2の斜視片側断面図であって
図42におけるF-F斜視片側断面図、
図49は第2の実施の形態における第2コネクタの第3の斜視片側断面図であって
図42におけるG-G斜視片側断面図、
図50は第2の実施の形態における第2コネクタの第4の斜視片側断面図であって
図42におけるH-H斜視片側断面図であり、
図51は第2の実施の形態における第2コネクタの第5の斜視片側断面図であって
図42におけるP-P斜視片側断面図である。なお、
図41において、(a)は斜め下方から観た図、(b)は斜め上方から観た図であり、
図43において、(a)は側面図、(b)は下面図、(c)は正面図であり、
図45において、(a)は
図42におけるE-E矢視断面図、(b)は
図42におけるP-P矢視断面図であり、
図46において、(a)は
図42におけるF-F矢視断面図、(b)は
図42におけるG-G矢視断面図、(c)は
図42におけるH-H矢視断面図である。
【0140】
本実施の形態において、第2シールド150は、第2ハウジング111の上面111aに配設されたシールド上面部を含み、第1コネクタ10の接触片55fは、シールド上面部に接触する。
【0141】
具体的には、
図44に示されるように、本実施の形態において、第2ハウジング111の突出端部117における側壁部117cは、第1の実施の形態における側壁部117cよりも、幅方向の寸法が大きく、かつ、上面の平坦な部分が広くなるように形成されている。そして、本実施の形態においては、前記突出端部117の上面を第2ハウジング111の上面111aと称する。
【0142】
また、第2シールド150の短辺部150bにおける上壁部153cは、側壁部117cに対応する部分の幅方向の寸法が、第1の実施の形態よりも大きくなるように形成されており、本実施の形態においては、前記上壁部153cをシールド上面部と称する。
【0143】
そして、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合すると、前記突出端部117が第1コネクタ10の嵌合凹部12b内に挿入され、該嵌合凹部12b内に位置する前記接触片55fは、上面111aにおける側壁部117cに対応する部分に配設された上壁部153cに接触する。これにより、第1コネクタ10と第2コネクタ101との嵌合が完了した状態において、接触片55fの頂点55gは、各角部近傍で第2シールド150のシールド上面部に接触するため、各角部近傍においても、電磁気的なシールド効果を極めて高くすることができる。
【0144】
なお、本実施の形態における第2コネクタ101のその他の構成は、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0145】
次に、本実施の形態における第1コネクタ10と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0146】
図52は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の斜視図、
図53は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1コネクタの上方から観た平面図、
図54は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の三面図、
図55は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の側断面図、
図56は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の横断面図、
図57は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第1の斜視片側断面図であって
図53におけるJ-J斜視片側断面図、
図58は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第2の斜視片側断面図であって
図53におけるK-K斜視片側断面図、
図59は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第3の斜視片側断面図であって
図53におけるL-L斜視片側断面図、
図60は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第4の斜視片側断面図であって
図43におけるM-M斜視片側断面図、
図61は第2の実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態の第5の斜視片側断面図であって
図43におけるR-R斜視片側断面図である。なお、
図52において、(a)は第1コネクタの斜め上方から観た図、(b)は第1コネクタの斜め下方から観た図であり、
図54において、(a)は側面図、(b)は第2コネクタの上方から観た平面図、(c)は正面図であり、
図55において、(a)は
図53におけるJ-J矢視断面図、(b)は
図53におけるR-R矢視断面図であり、
図56において、(a)は
図53におけるK-K矢視断面図、(b)は
図53におけるL-L矢視断面図、(c)は
図53におけるM-M矢視断面図である。
【0147】
本実施の形態において、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合すると、第2ハウジング111の突出端部117が第1コネクタ10の嵌合凹部12b内に挿入され、前記第2ハウジング111の上面111aにおける側壁部117cに対応する部分に配設された第2シールド150の上壁部153cが、前記嵌合凹部12b内に位置する接触片55fの頂点55gに当接し、該頂点55gを下方(Z軸負方向)に変位させる。すると、カンチレバー状の接触片55fは、弾性的に変形し、その反力によって頂点55gは前記上壁部153cに押付けられる。
【0148】
これにより、接触片55fの頂点55gと上壁部153cとの接触が確実に維持されるので、前記接触片55fが接続された第1シールド50の長辺部50aと、前記上壁部153cを含む第2シールド150の短辺部150bとの接続が確実に維持される。なお、第1シールド50の長辺部50aと第2シールド150の長辺部150aとは互いに接触し、第1シールド50の短辺部50bと第2シールド150の短辺部150bとは互いに接触している。したがって、第1シールド50の長辺部50a及び短辺部50b、並びに、第2シールド150の長辺部150a及び短辺部150bは、互いに接続され、等電位を維持することができ、より良好な電磁両立性(EMC)を維持することができる。
【0149】
なお、本実施の形態における第1コネクタ10と第2コネクタ101とを嵌合させる動作のその他の点については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0150】
このように、本実施の形態において、第1コネクタ10は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に取付けられる複数の第1端子61と、第1ハウジング11を囲む第1シールド50とを備え、第2コネクタ101と嵌合する。そして、第1端子61は、第1コネクタ10の長手方向に延在する列を形成するように並んで配設され、第1シールド50は、平面視において略矩形であって、その四辺は第2コネクタ101の第2シールド150に接触し、第1コネクタ10は、第1シールド50の四つの角部近傍に配設された嵌合方向に弾性変位可能な接触片55fを含み、接触片55fは、第2コネクタ101の第2シールド150に接触する。
【0151】
これにより、第1コネクタ10は、小型低背でありながら、高い強度を発揮するとともに、高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。
【0152】
また、接触片55fの頂点55gは、平面視において、第1シールド50の四辺が第2シールド150に接触する領域の域外で、第2シールド150に接触する。さらに、接触片55fは、第1シールド50に連結されている。さらに、接触片55fは、第1コネクタ10の長手方向に延在するカンチレバー状の形状を有する。さらに、第2シールド150は、第2ハウジング111の上面111aに配設された上壁部153cを含み、接触片55fは、上壁部153cに接触する。
【0153】
なお、第1コネクタ10と第2コネクタ101とが嵌合した状態のその他の基本的な構成及び効果についても、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0154】
また、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本開示は、コネクタ及びコネクタ対に適用することができる。
【符号の説明】
【0156】
10 第1コネクタ
10a、101a 嵌合面
10b、101b 実装面
11 第1ハウジング
12 第1凹部
12a 内凹溝部
12b 嵌合凹部
12c、112c 側方空間
13 第1凸部
13a 外側凸部
13b 内側凸部
13c 外端凸部
13d、112d 中間ジョイント保持部
15 第1信号端子収容キャビティ
15a 第1信号端子収容内側キャビティ
15b 第1信号端子収容外側キャビティ
16、116 金具取付部
16a 金具収容溝
16b 第1金具接続開口
16c 第1金具接続スリット
17 隅部
17a、153c 上壁部
17b 外壁部
17c 内壁部
17d 空洞部
17e シールド収容部
17f、117f 分離凸部
18、118 底板
18a、118a、864 接続部
18b、118b 側凹部
18c 端凹部
18d 側凹延長部
50 第1シールド
50a、150a 長辺部
50b、150b 短辺部
50b1、150b1 第1部分
50b2、150b2 第2部分
50b3、150b3 第3部分
50c、150c 切除部
50d 収容部
51 内壁
51a 嵌合ばね部
51b 嵌合位置決め部
51c 係合角部
51d 傾斜面部
51e 内壁下部
52、152 外壁
52a、152a 湾曲部
53、153 連結部
53a、153a 上端部
53b スリット部
54、154 フランジ部
54a、154a ノッチ
55、155 端ジョイント部
55a、56a、155a、156a 基端部
55b、56b、156b 第1鉛直部
55c、56c、156c 第1水平部
55d、56d、156d 第2鉛直部
55e 第2水平部
55f、175a 接触片
55g 頂点
56、156 中間ジョイント部
61 第1端子
62、72、162 テール部
63 被保持部
64 下側接続部
65、166 外側接続部
65a、66a 接触部
66、165 内側接続部
71 第1金具
73 連結片
74 側板部
75、172 天板部
101 第2コネクタ
111 第2ハウジング
111a 上面
112 第2凸部
112a 端子支持壁
112b 中央溝部
116a、117a 端壁部
116b、117c、814 側壁部
116c 中央凹部
116d 側方凹部
117 突出端部
117b 曲壁部
117d 突出端凹部
150 第2シールド
152c 係合凸部
155b 鉛直部
161 第2端子
164 上側接続部
171 第2金具
172a 前方接続部
172b 側方接続部
175 側板
178 中央片
811 ハウジング
812 受入凹部
813 中央壁部
850 シールド板
850a 基板接続部
861 端子