(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183825
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】案内システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231221BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01C21/26 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097579
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 佳江
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 篤哉
(72)【発明者】
【氏名】大島 宗平
(72)【発明者】
【氏名】竹重 正崇
【テーマコード(参考)】
2F129
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129EE21
2F129EE25
2F129EE29
2F129EE35
2F129EE43
2F129EE52
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】ユーザへの制約が少ない案内システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】デジタルサイネージ2と、デジタルサイネージ2の設置箇所を撮影する撮影装置3と、デジタルサイネージ2の設置箇所、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地を記憶する記憶部4と、撮影装置3によって撮影されたユーザ6の身体的特徴に基づき記憶部4に連携してユーザ6の目的地を特定し、デジタルサイネージ2の設置箇所からユーザ6の目的地に向かうための案内をデジタルサイネージ2に表示させる経路案内を行う案内部5と、を有する案内システム1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルサイネージと、
前記デジタルサイネージの設置箇所を撮影する撮影装置と、
前記デジタルサイネージの前記設置箇所、ユーザの身体的特徴及び前記ユーザの目的地を記憶する記憶部と、
前記撮影装置によって撮影された前記ユーザの前記身体的特徴に基づき前記記憶部に連携して前記ユーザの前記目的地を特定し、前記デジタルサイネージの前記設置箇所から前記ユーザの前記目的地に向かうための案内を前記デジタルサイネージに表示させる経路案内を行う案内部と、を有する案内システム。
【請求項2】
前記案内部が、前記撮影装置によって撮影された映像に基づいて、前記ユーザが迷っているか否かを判定し、前記ユーザが迷っていると判定した場合に前記経路案内を行う、請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
記憶部がデジタルサイネージの設置箇所、ユーザの身体的特徴及び前記ユーザの目的地を記憶する記憶ステップと、
撮影装置が前記デジタルサイネージの前記設置箇所を撮影する撮影ステップと、
案内部が前記撮影装置によって撮影された前記ユーザの前記身体的特徴に基づき前記記憶部に連携して前記ユーザの前記目的地を特定し、前記デジタルサイネージの前記設置箇所から前記ユーザの前記目的地に向かうための案内を前記デジタルサイネージに表示させる経路案内を行う案内ステップと、を有する案内方法。
【請求項4】
記憶部に、デジタルサイネージの設置箇所、ユーザの身体的特徴及び前記ユーザの目的地を記憶させ、
撮影装置に、前記デジタルサイネージの前記設置箇所を撮影させ、
案内部に、前記撮影装置によって撮影された前記ユーザの前記身体的特徴に基づき前記記憶部に連携して前記ユーザの前記目的地を特定し、前記デジタルサイネージの前記設置箇所から前記ユーザの前記目的地に向かうための案内を前記デジタルサイネージに表示させる経路案内を行わせる、コンピュータ読み取り可能な案内プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は案内システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに対して経路案内を行う案内システムが知られている(例えば特許文献1~2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-108137号公報
【特許文献2】特開2004-302957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~2に記載されるような案内システムでは、ユーザがICタグや携帯端末などを携帯する必要がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、ユーザへの制約が少ない案内システム、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
デジタルサイネージと、
前記デジタルサイネージの設置箇所を撮影する撮影装置と、
前記デジタルサイネージの前記設置箇所、ユーザの身体的特徴及び前記ユーザの目的地を記憶する記憶部と、
前記撮影装置によって撮影された前記ユーザの前記身体的特徴に基づき前記記憶部に連携して前記ユーザの前記目的地を特定し、前記デジタルサイネージの前記設置箇所から前記ユーザの前記目的地に向かうための案内を前記デジタルサイネージに表示させる経路案内を行う案内部と、を有する案内システム。
【0008】
[2]
前記案内部が、前記撮影装置によって撮影された映像に基づいて、前記ユーザが迷っているか否かを判定し、前記ユーザが迷っていると判定した場合に前記経路案内を行う、[1]に記載の案内システム。
【0009】
[3]
記憶部がデジタルサイネージの設置箇所、ユーザの身体的特徴及び前記ユーザの目的地を記憶する記憶ステップと、
撮影装置が前記デジタルサイネージの前記設置箇所を撮影する撮影ステップと、
案内部が前記撮影装置によって撮影された前記ユーザの前記身体的特徴に基づき前記記憶部に連携して前記ユーザの前記目的地を特定し、前記デジタルサイネージの前記設置箇所から前記ユーザの前記目的地に向かうための案内を前記デジタルサイネージに表示させる経路案内を行う案内ステップと、を有する案内方法。
【0010】
[4]
記憶部に、デジタルサイネージの設置箇所、ユーザの身体的特徴及び前記ユーザの目的地を記憶させ、
撮影装置に、前記デジタルサイネージの前記設置箇所を撮影させ、
案内部に、前記撮影装置によって撮影された前記ユーザの前記身体的特徴に基づき前記記憶部に連携して前記ユーザの前記目的地を特定し、前記デジタルサイネージの前記設置箇所から前記ユーザの前記目的地に向かうための案内を前記デジタルサイネージに表示させる経路案内を行わせる、コンピュータ読み取り可能な案内プログラム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザへの制約が少ない案内システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の案内システムを示す概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態の案内方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の一実施形態において案内システム1は、デジタルサイネージ2と撮影装置3の少なくとも1組と、記憶部4と、案内部5と、を有する。本実施形態では、案内システム1は病院の所定領域において患者や見舞客、出入り業者などのユーザ6に対して経路案内を行う。なお本実施形態の案内システム1は、病院以外の商業施設や観光地などの所定領域にも適用可能である。
【0015】
デジタルサイネージ2(電子看板)は、所定領域内の所定箇所7において壁や柱などに設置され、各種の情報を表示可能である。デジタルサイネージ2は病院においては例えば、待合ロビー、カフェラウンジ、初診待合スペースなどに設けられ、患者番号案内、病院に関する各種紹介(診療方針、予防接種案内、担当医情報など)、医療用品の広告、待ち時間対策(ニュース、天気予報、クイズなど)などの情報を表示可能である。デジタルサイネージ2は、例えば外国人のユーザ6にも対応できるように、多言語表示が可能な構成とすることができる。デジタルサイネージ2は少なくとも1つのディスプレイによって構成することができる。
【0016】
デジタルサイネージ2と撮影装置3の組は、特定のデジタルサイネージ2と、当該特定のデジタルサイネージ2の設置箇所(つまり当該特定のデジタルサイネージ2の周辺)を撮影し、ユーザ6の顔や瞳などの身体的特徴を含む静止画又は動画としての映像を取得する特定の撮影装置3とからなる。特定の撮影装置3は少なくとも1つのカメラによって構成することができる。
【0017】
記憶部4は、デジタルサイネージ2の設置箇所、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地を記憶する。記憶部4はコンピュータのメモリ装置によって構成することができる。ユーザ6が患者である場合、記憶部4は例えば、電子カルテやオーダリングなどの患者関連情報を記憶するデータベースによって構成することができる。
【0018】
ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地は互いに関連付けられて、経路案内を行う前の任意のタイミングで記憶部4に記憶される。ユーザ6が患者である場合、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地は、例えば病院の外来受付や診療科目ごとの受付、診察室などにおいて、コンピュータに入力され、記憶部4に記憶される。ユーザ6の目的地は例えば、診療科目ごとの受付、検体検査室、内視鏡検査室、放射線検査室、生理検査室、診察室、会計窓口などである。
【0019】
案内部5は、特定の撮影装置3によって撮影されたユーザ6の身体的特徴に基づき記憶部4に連携してユーザ6の目的地を特定し、上記特定の撮影装置3と組になる特定のデジタルサイネージ2の設置箇所からユーザ6の目的地に向かうための案内を当該特定のデジタルサイネージ2に表示させる経路案内を行う。案内部5はコンピュータによって構成することができる。
【0020】
本実施形態では案内部5は、上記特定の撮影装置3によって撮影された映像(より具体的にはユーザ6の行動や動作など)に基づいて、ユーザ6が迷っているか否かを判定し、ユーザ6が迷っていると判定した場合に経路案内を行い、ユーザ6が迷っていないと判定した場合に経路案内を行わない。なお案内部5はこのような構成に限らず、例えば、上記判定を行わず、ユーザ6が迷っているか否かに関わらず経路案内を行う構成としてもよい。
【0021】
ユーザ6が迷っているか否かの判定手法は特に限定されない。例えば、案内部5は、上記映像を画像処理(つまり分析又は数値化)することで、ユーザ6が上記特定の撮影装置3と組になる特定のデジタルサイネージ2に近づいたこと又は触ったことを検知した場合に、ユーザ6が迷っていると判定する構成とすることができる。また案内部5は、上記映像を画像処理することで、人が迷っている時に行動や動作に表れる特有の振動パターンなどを検知した場合に、ユーザ6が迷っていると判定する構成としてもよい。
【0022】
本実施形態によれば、移動中のユーザ6が特定のデジタルサイネージ2の周辺(設置箇所)に立ち入ると、特定のデジタルサイネージ2と組になる特定の撮影装置3によってユーザ6が撮影される。そして、得られた映像からユーザ6が迷っていると案内部5によって判定されると、映像中のユーザ6の身体的特徴が案内部5によって検出され、記憶部4に上記身体的特徴に関連付けて記憶されたユーザ6の目的地が案内部5によって検出される。また、記憶部4に記憶された上記特定のデジタルサイネージ2の設置箇所が案内部5によって検出される。そして、検出された上記特定のデジタルサイネージ2の設置箇所から、検出された上記ユーザ6の目的地までの経路が案内部5によって決定され、決定された経路に沿ってユーザ6を目的地へ向かわせるための案内が、上記特定のデジタルサイネージ2に案内部5によって表示される。
【0023】
本実施形態によれば、各種の目的で使用されるデジタルサイネージ2を経路案内にも活用することができるため、効率的な案内システム1を実現することができる。また本実施形態によれば、ユーザ6の身体的特徴を撮影することで経路案内を行うことができるため、ユーザ6が携帯するICタグや携帯端末などを利用して経路案内する従来技術と比べて、ユーザ6への制約が少ない案内システム1を実現することができる。
【0024】
なお経路案内は、デジタルサイネージ2への表示に加えて、適宜、プロジェクターを用いた床面への投影による案内表示や、指向性音響システムなどを用いた音声案内などを併用する構成としてもよい。
【0025】
次に、本発明の一実施形態の案内方法について例示説明する。
図2に示すように、本実施形態の案内方法は、記憶ステップS1、撮影ステップS2及び案内ステップS3を有する。本実施形態の案内方法は、
図1を参照して前述した実施形態の案内システム1を用いて行うことができる。
【0026】
記憶ステップS1は、記憶部4が特定のデジタルサイネージ2の設置箇所、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地を記憶するステップである。
【0027】
本実施形態では、撮影ステップS2は記憶ステップS1に次いで行われる。撮影ステップS2は、上記特定の撮影装置3が、当該特定の撮影装置3と組になる特定のデジタルサイネージ2の設置箇所を撮影するステップである。撮影ステップS2では、上記特定のデジタルサイネージ2の設置箇所に立ち入ったユーザ6が撮影される。
【0028】
本実施形態では、案内ステップS3は撮影ステップS2に次いで行われる。案内ステップS3は、案内部5が上記特定の撮影装置3によって撮影されたユーザ6の身体的特徴に基づき記憶部4に連携してユーザ6の目的地を特定し、上記特定の撮影装置3と組になる特定のデジタルサイネージ2の設置箇所からユーザ6の目的地に向かうための案内を当該特定のデジタルサイネージ2に表示させる経路案内を行うステップである。
【0029】
案内ステップS3では、案内部5は、上記特定の撮影装置3によって撮影された映像に基づいて、ユーザ6が迷っているか否かを判定し、ユーザ6が迷っていると判定した場合に経路案内を行い、ユーザ6が迷っていないと判定した場合に経路案内を行わない。なお案内ステップS3はこれに限らず、例えば、案内部5が上記判定を行わず、ユーザ6が迷っているか否かに関わらず経路案内を行うようにしてもよい。
【0030】
次に、本発明の一実施形態の案内プログラムについて例示説明する。本実施形態の案内プログラムは、コンピュータ読み取り可能であり、
図1を参照して前述した実施形態の案内システム1に、
図2を参照して前述した実施形態の案内方法を行わせるように構成される。
【0031】
具体的には、本実施形態の案内プログラムは、記憶部4に、特定のデジタルサイネージ2の設置箇所、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地を記憶させる。
【0032】
また、本実施形態の案内プログラムは、上記特定のデジタルサイネージ2と組になる特定の撮影装置3に、上記特定のデジタルサイネージ2の設置箇所を撮影させる。
【0033】
また、本実施形態の案内プログラムは、案内部5に、上記特定の撮影装置3によって撮影されたユーザ6の身体的特徴に基づき記憶部4に連携してユーザ6の目的地を特定し、上記特定のデジタルサイネージ2の設置箇所からユーザ6の目的地に向かうための案内を当該特定のデジタルサイネージ2に表示させる経路案内を行わせる。
【0034】
本実施形態の案内プログラムは、案内部5に、上記特定の撮影装置3によって撮影された映像に基づいて、ユーザ6が迷っているか否かを判定し、ユーザ6が迷っていると判定した場合に経路案内を行い、ユーザ6が迷っていないと判定した場合に経路案内を行わないようにさせる。なお案内プログラムはこれに限らず、例えば、案内部5に、上記判定を行わず、ユーザ6が迷っているか否かに関わらず経路案内を行うようにさせてもよい。
【0035】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0036】
したがって、前述した実施形態の案内システム1は、デジタルサイネージ2と、デジタルサイネージ2の設置箇所を撮影する撮影装置3と、デジタルサイネージ2の設置箇所、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地を記憶する記憶部4と、撮影装置3によって撮影されたユーザ6の身体的特徴に基づき記憶部4に連携してユーザ6の目的地を特定し、デジタルサイネージ2の設置箇所からユーザ6の目的地に向かうための案内をデジタルサイネージ2に表示させる経路案内を行う案内部5と、を有する案内システム1である限り変更可能である。
【0037】
また、前述した実施形態の案内方法は、記憶部4がデジタルサイネージ2の設置箇所、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地を記憶する記憶ステップS1と、撮影装置3がデジタルサイネージ2の設置箇所を撮影する撮影ステップS2と、案内部5が撮影装置3によって撮影されたユーザ6の身体的特徴に基づき記憶部4に連携してユーザ6の目的地を特定し、デジタルサイネージ2の設置箇所からユーザ6の目的地に向かうための案内をデジタルサイネージ2に表示させる経路案内を行う案内ステップS3と、を有する案内方法である限り変更可能である。
【0038】
したがって、前述した実施形態の案内プログラムは、記憶部4に、デジタルサイネージ2の設置箇所、ユーザ6の身体的特徴及びユーザ6の目的地を記憶させ、撮影装置3に、デジタルサイネージ2の設置箇所を撮影させ、案内部5に、撮影装置3によって撮影されたユーザ6の身体的特徴に基づき記憶部4に連携してユーザ6の目的地を特定し、デジタルサイネージ2の設置箇所からユーザ6の目的地に向かうための案内をデジタルサイネージ2に表示させる経路案内を行わせる、コンピュータ読み取り可能な案内プログラムである限り変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 案内システム
2 デジタルサイネージ
3 撮影装置
4 記憶部
5 案内部
6 ユーザ
7 所定箇所
S1 記憶ステップ
S2 撮影ステップ
S3 案内ステップ