(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183827
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置、及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/387 700
H04N1/387 800
H04N1/387 200
H04N1/387 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097582
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 紹楊
【テーマコード(参考)】
5C076
【Fターム(参考)】
5C076AA02
5C076AA03
5C076AA13
5C076AA17
5C076AA24
5C076AA37
5C076BA06
5C076CA09
(57)【要約】
【課題】本の画像における各頁の画像別に、テキストなどが記載されたコンテンツ領域及び余白領域を抽出し、この余白領域を用いて、頁の画像を適宜補正し、頁の画像の見栄えをより好ましくする。
【解決手段】画像読取装置20において、制御部29は、読取部32により読取られた読取領域R0の画像から本61の画像62を抽出し、この抽出された本61の画像62から左右の各頁の画像63、64を抽出し、左右の各頁の画像63、64毎に、頁の画像を、該頁の画像に含まれるコンテンツ領域、及び該頁の画像の両側のエッジからコンテンツ領域までのそれぞれの余白領域に区別し、各余白領域の一方を削除して、各余白領域の他方をその削除された余白領域の代わりに配置して、該頁の画像を補正する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンガラス上に載置された本の画像を含む読取領域を、前記プラテンガラスを介して読取る読取部と、
前記読取部により読取られた読取領域の画像から前記本の画像を抽出し、前記抽出された本の画像から該本の見開かれた各頁の画像を抽出し、前記抽出された各頁の画像毎に、頁の画像を、該頁の画像に含まれるコンテンツ領域と、該頁の画像の両側のエッジから前記コンテンツ領域までのそれぞれの余白領域とに区別し、前記各余白領域の一方を削除して、前記各余白領域の他方を前記削除された余白領域の代わりに配置して、該頁の画像を補正する制御部と、を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記抽出された各頁の画像毎に、頁の画像を、該頁の画像に含まれるコンテンツ領域、及び該頁の画像の両側のエッジから前記コンテンツ領域までのそれぞれの余白領域に区別し、該頁の画像における前記各余白領域の一方を削除して、別の頁の画像における前記各余白領域のいずれかを該頁の画像における削除された余白領域の代わりに配置して、該頁の画像を補正する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記頁の画像のエッジに隣接する縁領域を設定して、前記縁領域に飾り模様が含まれるか否かを判定し、前記飾り模様が含まれていない場合に、前記頁の画像のエッジから前記コンテンツ領域までを前記余白領域として区別し、前記飾り模様が含まれる場合は、前記頁の画像のエッジから前記コンテンツ領域までの前記飾り模様を含んだ領域を前記余白領域として区別する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記抽出された本の画像から各頁の画像を抽出すると、前記各頁の画像の傾きを補正し、前記傾きが補正された各頁の画像毎に、頁の画像を、該頁の画像に含まれるコンテンツ領域、及び該頁の画像の両側のエッジから前記コンテンツ領域までのそれぞれの余白領域に区別する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置により補正された頁の画像を記録紙に形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【請求項6】
プラテンガラス上に載置された本の画像を含む読取領域を、前記プラテンガラスを介して読取るステップと、
前記読取られた読取領域の画像から前記本の画像を抽出するステップと、
前記抽出された本の画像から左右の各頁の画像を抽出するステップと、
前記抽出された各頁の画像毎に、頁の画像を、該頁の画像に含まれるコンテンツ領域、及び該頁の画像の両側のエッジから前記コンテンツ領域までのそれぞれの余白領域に区別するステップと、
前記各余白領域の一方を削除して、前記各余白領域の他方を前記削除された余白領域の代わりに配置して、該頁の画像を補正するステップと、を有する画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿や本の画像を読取る画像読取装置、それを備える画像形成装置、及び画像処理方法に関し、特に読取られた本の画像からそれぞれの頁の画像を抽出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、画像読取装置がプラテンガラス上に載置された原稿の画像を読取り、画像形成部が原稿の画像を記録紙に形成する。画像読取装置のプラテンガラス上に見開かれた本が載置され、この見開かれた本の画像が読取られた場合は、本の中綴じ部分がプラテンガラスから浮き上がって、読み取られた本の画像の中心付近が暗くなるので、画像処理により本の画像の中心付近を消去することがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、スキャナによりコンタクトガラス上の書籍などの見開き原稿を読み取り、読み取ったデータの濃度分布から見開き原稿ののど部(中綴じ部分)を検出し、見開き原稿ののど部を複写紙のセンターに一致させると共にのど部の影を消去している。また、画像を特定量左右に移動させて、綴じ代となる余白を複写紙に形成している。これにより、書籍などの見開き原稿を複写紙に適切に複写することができる。
【0004】
また、特許文献2に記載の画像補正方法では、1つの画像を余白とそれ以外の文字又は表などの各情報領域に区分し、画像全体に対する各情報領域の傾きを検出し、それらの傾きを補正して、傾きのない画像を取得している。これにより、綴じられた書類または本などを見開いて読取った場合でも、一部の領域だけが傾くような事態を避けることができる。
【0005】
また、特許文献3に記載の画像読取装置では、原稿載置台に載置された本などを読取る場合に、本の外側一辺から中綴じ部分までの範囲を複数の区間に区分し、区間毎に、本の頁からの反射光を受光するCCDイメージセンサの出力レベルに基づき該本の頁に照射される照射光量を調節している。これにより、本の中綴じ部分が白抜け画像や黒い画像にならないようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-247422号公報
【特許文献2】特開2001-320572号公報
【特許文献3】特開2012-39332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記のように画像読取装置によりプラテンガラス上の見開かれた本の画像が読取られた場合は、本の画像の中心付近が暗くなることから、画像処理により本の画像の中心付近を消去しているが、これだけではなく、本の画像における左右の各頁別に、テキストなどが記載されたコンテンツ領域及び余白領域を抽出し、この余白領域を用いて、頁の画像を補正すれば、頁の画像の見栄えをより好ましくすることができる。
【0008】
上記特許文献1では、原稿ののど部(中綴じ部分)の影を消去し、また画像を特定量左右に移動させて、綴じ代となる余白を複写紙に形成しているものの、綴じ代を形成しているだけであるから、原稿の見栄えが改善されることはない。
【0009】
また、上記特許文献2では、1つの画像を余白と情報領域に区分し、各情報領域の傾きを検出して補正しているが、余白を利用して、頁の画像を補正してはいない。
【0010】
更に、上記特許文献3では、見開き原稿の中綴じ部分が白抜け画像や黒い画像にならないようにしているが、余白を利用して、頁の画像を補正してはいない。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、本の画像における各頁の画像別に、テキストなどが記載されたコンテンツ領域及び余白領域を抽出し、この余白領域を用いて、頁の画像を適宜補正し、頁の画像の見栄えをより好ましくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一局面に係る画像読取装置は、プラテンガラス上に載置された本の画像を含む読取領域を、前記プラテンガラスを介して読取る読取部と、前記読取部により読取られた読取領域の画像から前記本の画像を抽出し、前記抽出された本の画像から該本の見開かれた各頁の画像を抽出し、前記抽出された各頁の画像毎に、頁の画像を、該頁の画像に含まれるコンテンツ領域、及び該頁の画像の両側のエッジから前記コンテンツ領域までのそれぞれの余白領域に区別し、前記各余白領域の一方を削除して、前記各余白領域の他方を前記削除された余白領域の代わりに配置して、該頁の画像を補正する制御部と、を備えるものである。
【0013】
また、本発明の一局面に係る画像形成装置は、上記本発明の画像読取装置と、前記画像読取装置により補正された頁の画像を記録紙に形成する画像形成部と、を備えるものである。
【0014】
また、本発明の一局面に係る画像処理方法は、プラテンガラス上に載置された本の画像を含む読取領域を、前記プラテンガラスを介して読取るステップと、前記読取られた読取領域の画像から前記本の画像を抽出するステップと、前記抽出された本の画像から左右の各頁の画像を抽出するステップと、前記抽出された各頁の画像毎に、頁の画像を、該頁の画像に含まれるコンテンツ領域、及び該頁の画像の両側のエッジから前記コンテンツ領域までのそれぞれの余白領域に区別するステップと、前記各余白領域の一方を削除して、前記各余白領域の他方を前記削除された余白領域の代わりに配置して、該頁の画像を補正するステップと、を有する方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、本の画像における各頁の画像別に、テキストなどが記載されたコンテンツ領域及び余白領域を抽出し、この余白領域を用いて、頁の画像を適宜補正し、頁の画像の見栄えをより好ましくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。
【
図2】画像形成装置における画像読取装置を示す断面図である。
【
図4】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】(A)は画像読取装置のプラテンガラス上に見開かれた本が載置された状態を示す側面図であり、(B)は画像読取装置により読取られた本の画像を示す図である。
【
図6】(A)(B)は本の画像から抽出された左頁の画像及び右頁の画像を示す図である。
【
図7】傾きが補正された左頁の画像及び右頁の画像を示す図である。
【
図8】(A)は左頁の画像及び右頁の画像を示す図であり、(B)は左頁の画像におけるコンテンツ領域、外側の余白領域、及び内側の余白領域、右頁の画像におけるコンテンツ領域、外側の余白領域、及び内側の余白領域を示す図である。
【
図9】(A)は飾り模様を含む左頁の画像及び右頁の画像を示す図であり、(B)は左頁の画像におけるコンテンツ領域、飾り模様を含む外側の余白領域、及び内側の余白領域、右頁の画像におけるコンテンツ領域、飾り模様を含む外側の余白領域、及び内側の余白領域を示す図である。
【
図10】(A)は補正された左頁の画像及び右頁の画像を示す図であり、(B)は補正された飾り模様を含む左頁の画像及び右頁の画像を示す図である。
【
図11】左頁の画像及び右頁の画像を補正するための制御手順を示すフローチャートである。
【
図12】画像形成装置の表示部に表示された初期画面を示す図である。
【
図13】補正された左頁の画像及び右頁の画像の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明にかかる一実施形態の画像形成装置を示す断面図である。本実施形態の画像形成装置10は、画像読取装置20及び画像形成部21を備えている。
【0019】
画像読取装置20は、原稿の画像を光学的に読み取る撮像素子を有しており、この撮像素子のアナログ出力がデジタル信号に変換されて、原稿の画像を示す画像データが生成される。
【0020】
画像形成部21は、上記画像データによって示される画像を記録用紙に印刷するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録用紙Pに2次転写される。
【0021】
この後、定着装置15で記録用紙Pが加熱及び加圧されて、記録用紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録用紙Pが排出ローラー16を通じて排出トレイ17に排出される。
【0022】
次に、画像読取装置20について説明する。
図2は、画像読取装置20を示す断面図である。また、
図3は、画像読取装置20の外観を示す斜視図であり、原稿搬送部31が開かれた状態を示している。
【0023】
図2及び
図3に示すように、画像読取装置20は、原稿搬送部31及び読取部32を備えている。原稿搬送部31は、原稿トレイ33、給紙ローラー34、レジストローラー35、複数の搬送ローラー36、排紙ローラー37、及び原稿排出トレイ38等を備えている。また、読取部32は、第1プラテンガラス41、第2プラテンガラス42、キャリッジ44、光学系ユニット45、集光レンズ46、及びCCDセンサー47等を備えている。
【0024】
読取部32において、キャリッジ44は、原稿に光を照射する光源44Aと、原稿MSで反射された光を反射するミラー44Bとを備えている。
【0025】
光学系ユニット45は、ミラー45Aと、ミラー45Bとを備えている。ミラー45Aは、キャリッジ44のミラー44Bで反射された光を受けて略垂直下方に方向転換させる。ミラー45Bは、ミラー45Aで反射された光を、さらに略水平に方向転換させて、集光レンズ46を通じてCCDセンサー47へと導く。
【0026】
キャリッジ44及び光学系ユニット45は、レールに沿って主走査方向Yと直交する副走査方向Xに往復移動可能に設けられ、ステッピングモーター(図示せず)を動力源とする既知の駆動機構により所定の速度関係を維持しつつ副走査方向Xに移動される。
【0027】
読取部32の上面32aの一端部には、2つのヒンジ48が離間して設けられており、これらのヒンジ48により原稿搬送部31が開閉可能に支持されて、ユーザーによる原稿搬送部31の開閉操作が可能にされている。
【0028】
ここで、画像読取装置20では、第2プラテンガラス42上に載置された原稿Mの画像を読取る第1モード、及び原稿搬送部31により原稿Mを搬送しつつ該原稿Mの画像を読取る第2モードのいずれかを切替えることができる。例えば、第2プラテンガラス42上に載置された原稿Mを検出する第1センサー(図示せず)、及び原稿搬送部31の原稿トレイ33に載置された原稿Mを検出する第2センサー(図示せず)が設けられている。第1センサーにより原稿Mが検出されたときには第1モードが設定され、また第2センサーにより原稿Mが検出されたときには第2モードが設定される。
【0029】
第1モードにおいては、原稿搬送部31が開かれて、読取部32の第2プラテンガラス42が開放された状態で、第2プラテンガラス42上に原稿Mが載置され、更に原稿搬送部31が閉じられて、原稿搬送部31により第2プラテンガラス42上に載置された原稿Mが押さえられる。読取部32では、キャリッジ44及び光学系ユニット45を所定の速度関係を維持して副走査方向Xに移動させつつ、キャリッジ44の光源44Aの光を、第2プラテンガラス42を介して原稿Mに照射し、原稿Mで反射された光をキャリッジ44のミラー44Bで反射する。更に、この光は、光学系ユニット45のミラー45A及びミラー45Bで反射されて、集光レンズ46を通じてCCDセンサー47に入射する。CCDセンサー47は、原稿Mの画像を主走査方向Y(副走査方向Xと直交する方向)に繰り返し読取る。
【0030】
また、第2モードにおいては、原稿搬送部31が閉じられた状態で、原稿搬送部31の給紙ローラー34により原稿トレイ33に載置された原稿Mが1枚ずつ引出されて、レジストローラー35及び各搬送ローラー36により原稿Mが第1プラテンガラス41上を通じて副走査方向に搬送され、排紙ローラー37により原稿Mが原稿排出トレイ38に排出される。読取部32では、キャリッジ44及び光学系ユニット45を第1プラテンガラス41下方のそれぞれの所定位置に位置決めし、キャリッジ44の光源44Aの光を、第1プラテンガラス41を介して原稿Mに照射し、原稿Mで反射された光を各ミラー44B、45A、45Bで反射させて、集光レンズ46を通じてCCDセンサー47に入射させ、CCDセンサー47により原稿Mの画像を主走査方向Yに繰り返し読取らせる。
【0031】
図4は、画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、画像読取装置20と、画像形成部21と、操作部23と、表示部24と、タッチパネル25と、画像メモリー26と、記憶部27と、制御ユニット28とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0032】
操作部23は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。操作部23は、ユーザーによる操作に基づいて各所の指示を受け付ける。
【0033】
表示部24は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0034】
表示部24の画面には、タッチパネル25が配置されている。タッチパネル25は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル25に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット28の後述する制御部29に出力する。
【0035】
画像メモリー26は、画像読取装置20により読取られた原稿の画像を示す画像データを一時的に記憶する。
【0036】
記憶部27は、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0037】
制御ユニット28は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット28は、上記のROM又は記憶部27に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部29として機能する。
【0038】
制御部29は、画像形成装置10を統括的に制御する。制御ユニット28は、画像読取装置20、画像形成部21、操作部23、表示部24、タッチパネル25、画像メモリー26、及び記憶部27などと接続されている。制御部29は、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0039】
制御部29は、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部29は、タッチパネル25から出力される検知信号あるいは操作部23の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受け付ける。更に、制御部29は、表示部24の表示動作を制御する機能を有する。
【0040】
ここで、画像形成装置10において、例えばユーザーが、原稿を画像読取装置20の読取部32の第2プラテンガラス42上に載置して、操作部23のスタートキーを操作し、原稿読取指示が操作部23に受け付けられると、制御部29は、読取部32により第2プラテンガラス42上の原稿の画像を読取らせて、原稿の画像を示す画像データを画像メモリー26に一旦記憶させ、この画像データによって示される原稿の画像を画像形成部21により記録紙Pに形成させる。
【0041】
図5(A)は画像読取装置のプラテンガラス上に見開かれた本が載置された状態を画像読取装置の側方から見て示す側面図である。
図5(B)は画像読取装置により読取られた本の画像を示す図である。
【0042】
また、第2プラテンガラス42上に、平坦な原稿ではなく、見開かれた本が載置された場合も、読取部32によりその見開かれた本の頁が読取られる。例えば、読取部32は、
図5(A)に示すように第2プラテンガラス42上に載置された見開かれた本61の画像を読取る。
【0043】
しかしながら、
図5(A)に示すように本61の中央の中綴じ部分61Aが第2プラテンガラス42から浮き上がるので、
図5(B)に示すようにその読み取られた本61の画像62の中央部62Aが暗い画像となり、また本61の画像62の
図5(B)における副走査方向Xに並ぶそれぞれの縁部62Bも暗くなる。また、副走査方向Xに並ぶ各頁の画像63、64に含まれるテキストなどのコンテンツが副走査方向Xにおける中央に片寄る。更に、各頁の画像63、64が傾くこともある。このため、本61の画像62がそのまま記録紙に形成されると、記録紙に形成された本61の画像62の見栄えが良くない。
【0044】
このため、本実施形態の画像読取装置20では、本61の画像62を見栄え良く補正して記録紙に形成するためのブックモードの機能を有している。
【0045】
ユーザーは、ブックモードを利用する場合、
図5(A)に示すように本61を副走査方向Xに見開いて第2プラテンガラス42上に載置する。
【0046】
制御部29は、ブックモードが設定された上で、画像読取装置20により
図6(A)に示すような本61の画像62を含む読取領域R0が読取られると、この読取領域R0の画像を示す画像データを画像メモリー26に記憶させる。制御部29は、読取部32により読取られる読取領域P0の副走査方向Xに延びる一辺をx軸とし、読取領域R0の主走査方向Yに延びる他の一辺をy軸とする直交座標系を定義する。
【0047】
制御部29は、画像メモリー26内の読取領域R0の画像を示す画像データを参照して、読取領域R0の画像における本61の画像62のエッジを抽出する。
【0048】
例えば、制御部29は、読取領域R0の画像において、副走査方向Xに並ぶ全ての走査ライン(主走査方向Yに延びる)の画像毎に、主走査方向Y位置が同一となる、走査ライン上の各画素を
図6(A)において副走査方向Xに例えば左側から右側へと順次選択していき、1つの選択画素の値と、副走査方向Xに並ぶ次の画素の値との差分を算出して、この差分が予め設定された閾値K以上となった(暗から明に変化した)最初の選択画素を判定する。制御部29は、主走査方向Y位置が同一となる副走査方向Xに並ぶ各画素のうち、差分が予め設定された閾値K以上となった最初の選択画素を判定する。更に、制御部29は、当該最初の選択画素が主走査方向Yに並んでなす近似直線を検出して、この近似直線を、画像63の
図6(A)において左側のエッジELとして取得する。
【0049】
同様に、制御部29は、読取領域R0の画像において、副走査方向Xに並ぶ全ての走査ライン(主走査方向Yに延びる)の画像毎に、主走査方向Y位置が同一となる、走査ライン上の各画素を
図6(A)において副走査方向Xに例えば右側から左側へと順次選択していき、1つの選択画素の値と、副走査方向Xに並ぶ次の画素の値との差分を算出して、この差分が予め設定された閾値K以上となった(暗から明に変化した)最初の選択画素を判定する。制御部29は、主走査方向Y位置が同一となる副走査方向Xに並ぶ各画素のうち、差分が予め設定された閾値K以上となった最初の選択画素を判定する。更に、制御部29は、当該最初の選択画素が主走査方向Yに並んでなす近似直線を検出して、この近似直線を、画像63の
図6(A)において右側のエッジERとして取得する。
【0050】
制御部29は、上記直交座標系において、左側のエッジELと右側のエッジERに基づいてこれらの間の副走査方向Xにおける中心線CL(主走査方向Yに延びる)を算出し、この中心線CLで読取領域R0の画像を左側画像GLと右側画像GRに2分割する。
【0051】
制御部29は、左側画像GLにおいて、全ての主走査ラインの画像毎に、主走査ライン上の各画素を
図6(A)において上側から下側へと順次選択して、この選択画素の値と次の画素の値の差分を算出して、この差分が閾値K以上となった最初の選択画素を判定し、各主走査ライン上で判定されたそれぞれの最初の選択画素を概ね通って副走査方向Xに延びる近似直線を算出して、この近似直線を
図6(A)において画像63の上側のエッジEUとして取得する。
【0052】
同様に、制御部29は、右側画像GRにおいて、全ての主走査ラインの画像毎に、主走査ライン上の各画素を
図6(A)において上側から下側へと順次選択して、この選択画素の値と次の画素の値の差分を算出して、この差分が閾値K以上となった最初の選択画素を判定し、各主走査ライン上で判定されたそれぞれの最初の選択画素を概ね通って副走査方向Xに延びる近似直線を算出して、この近似直線を
図6(A)において画像64の上側のエッジEUとして取得する。
【0053】
また、制御部29は、左側画像GLにおいて、全ての主走査ライン毎に、主走査ライン上の各画素を
図6(A)において下側から上側へと順次選択して、この選択画素の値と次の画素の値の差分を求めて、この差分が閾値K以上となった最初の選択画素を判定し、各主走査ライン上で判定されたそれぞれの最初の選択画素を概ね通って副走査方向Xに延びる近似直線を算出して、この近似直線を
図6(A)において左頁の画像63の下側のエッジEDとして取得する。
【0054】
同様に、制御部29は、右側画像GRにおいて、全ての主走査ライン毎に、主走査ライン上の各画素を
図6(A)において下側から上側へと順次選択して、この選択画素の値と次の画素の値の差分を求めて、この差分が閾値K以上となった最初の選択画素を判定し、各主走査ライン上で判定されたそれぞれの最初の選択画素を概ね通って副走査方向Xに延びる近似直線を算出して、この近似直線を
図6(A)において右頁の画像64の下側のエッジEDとして取得する。
【0055】
これにより、制御部29は、上記直交座標系において、本61の左頁の画像63の輪郭となる左側のエッジEL、上側のエッジEU、下側のエッジED、及び中心線CLを取得し、また本61の右頁の画像64の輪郭となる右側のエッジER、上側のエッジEU、下側のエッジED、及び中心線CLを取得する。
【0056】
制御部29は、上記直交座標系において、例えば
図6(B)に示すように、x軸に対する本61の左頁の画像63の上側のエッジEUの傾斜角度θを判定し、この傾斜角度θが0となるように本61の左頁の画像63を回転させて、本61の左頁の画像63の傾きを補正する。
【0057】
同様に、制御部29は、上記直交座標系において、
図6(B)に示すように、x軸に対する本61の右頁の画像64の上側のエッジEUの傾斜角度θを判定し、この傾斜角度θが0となるように本61の右頁の画像64を回転させて、本61の右頁の画像64の傾きを補正する。
【0058】
これにより、制御部29は、
図7に示すように、傾いていない本61の左頁の画像63及び右頁の画像64を生成する。
【0059】
続いて、制御部29は、既知のOCR機能により左頁の画像63を示す画像データを解析して、左頁の画像63における、テキスト画像のみが存在する領域をテキスト領域として判定し、更に、画像のみが存在する領域を画像領域として判定し、表のみが存在する領域を表領域として判定し、図形のみが存在する領域を図形領域として判定し、左頁の画像63に含まれるこれらテキスト領域、画像領域、表領域、図形領域により構成される矩形領域をコンテンツ領域として判定する。
【0060】
制御部29は、
図8(A)において、左頁の画像63の副走査方向Xの最大幅xmaを判定して、例えば左頁の画像63の左側のエッジELに隣接する最大幅xmaの1/10幅の左側縁領域QLを判定し、この左側縁領域QLに包含されるコンテンツ領域の有無を判定して、コンテンツ領域が無ければ、左頁の画像63の縁に飾り模様が無いものとし、
図8(B)において、左頁の画像63の左側のエッジELより右方向に進んで最初のコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を外側の余白領域SLとして設定する。
【0061】
また、制御部29は、
図9(A)において、左側縁領域QLに包含されるコンテンツ領域が有れば、そのコンテンツ領域の面積(画素数)を算出し、左側縁領域QLの面積(画素数)に対するその包含されるコンテンツ領域の面積の比率を算出する。制御部29は、例えばその算出された比率が1/3以下であれば、すなわち、左側縁領域QLに包含されるコンテンツ領域の面積が狭ければ、この包含されるコンテンツ領域が左頁の画像63の周縁の飾り模様Jであるとみなし、
図9(B)において、左頁の画像63の左側のエッジELより右方向に進んで、飾り模様Jとは異なる別のコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を、外側の余白領域SL(飾り模様Jを含む)として設定する。別のコンテンツ領域TZは、左側縁領域QLに包含されないものとする。
【0062】
制御部29は、上記算出された比率が1/3を超えれば、左側縁領域QLに包含されるコンテンツ領域の面積が広く、このコンテンツ領域が飾り模様ではない可能性があるので、外側の余白領域SLを設定しないようする。
【0063】
また、制御部29は、
図9(B)において、左頁の画像63の中心線CLに対して左側に隣り合うコンテンツ領域TZを判定し、この判定されたコンテンツ領域TZよりも右側を内側の余白領域ULとして設定する。
【0064】
そして、制御部29は、
図10(A)又は
図10(B)に示すように、頁の画像63の内側の余白領域ULの画像を削除し、この内側の余白領域ULの画像の代わりに、外側の余白領域SLの画像を配置して、左頁の画像63を補正する。これにより、画像63における余領域ULの画像を削除して、左頁の画像63に含まれていた暗い中央部62Aを削除する。
【0065】
同様に、制御部29は、本61の右頁の画像64を示す画像データをOCR機能により解析して、右頁の画像64に含まれるコンテンツ領域を判定する。
【0066】
制御部29は、
図8(A)において、右頁の画像64の副走査方向Xの最大幅xmaを判定して、右頁の画像64の右側のエッジERに隣接する最大幅xmaの1/10幅の右側縁領域QRを設定し、この右側縁領域QRに包含されるコンテンツ領域の有無を判定する。制御部29は、コンテンツ領域が無ければ、右頁の画像64の縁に飾り模様が無いものとし、
図8(B)において、右頁の画像64の右側のエッジERより左方向に進んで最初のコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を外側の余白領域SRとして設定する。
【0067】
また、制御部29は、
図9(A)において、右側縁領域QRに包含されるコンテンツ領域が有れば、その包含されるコンテンツ領域の面積(画素数)を算出し、右側縁領域QRの面積(画素数)に対するそのコンテンツ領域の面積の比率を算出する。制御部29は、その算出された比率が1/3以下であれば、すなわち、右側縁領域QRに包含されるコンテンツ領域の面積が狭ければ、この包含されるコンテンツ領域が右頁の画像64の周縁の飾り模様Jであるとみなし、
図9(B)において、右頁の画像64の右側のエッジERより左方向に進んで、飾り模様Jとは異なる別のコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を、外側の余白領域SR(飾り模様Jを含む)として設定する。別のコンテンツ領域TZは、右側縁領域QRに包含されないものとする。
【0068】
制御部29は、上記算出された比率が1/3を超えれば、右側縁領域QRに包含されるコンテンツ領域の面積が広く、このコンテンツ領域が飾り模様ではない可能性があるので、外側の余白領域SRを設定しないようする。
【0069】
また、制御部29は、
図9(B)において、右頁の画像64の中心線CLに対して右側に隣り合うコンテンツ領域TZを判定し、この判定されたコンテンツ領域TZよりも左側を内側余白領域URとして設定する。
【0070】
そして、制御部29は、
図10(A)又は
図10(B)に示すように、右頁の画像64の内側余白領域URの画像を削除し、この内側余白領域URの画像の代わりに、外側余白領域SRの画像を配置して、右頁の画像64を補正する。これにより、内側の余白領域URの画像を削除して、右頁の画像64に含まれていた暗い中央部62Aを削除する。
【0071】
これにより、補正された左頁の画像63及び右頁の画像64の両側に同一幅の余白領域又は同一幅でかつ同一の飾り模様Jを含む余白領域が配置されて、左右の頁の各画像63、64の中央にそれぞれのコンテンツ領域TZが配置され、左右の各頁の画像63、64の見栄えが良くなる。また、各頁の画像63、64の間の暗い中央部62Aが削除される。
【0072】
次に、上記のように本61の画像62から左頁の画像63及び右頁の画像64を抽出して、左右の各頁の画像63、64の傾きを補正し、更に左右の各頁の画像63、64別に、頁の画像を補正するための制御手順を、
図11に示すフローチャートなどを参照して説明する。なお、ここでいう左右とは、
図6乃至
図10における位置関係を示す。
【0073】
制御部29は、
図12に示すような初期画面G1を表示部24に表示させているものとする。この初期画面G1には、それぞれの機能に対応付けられた複数の機能キー71a~71h等が表示されている。1つの機能キー71hは、所定のブックモードを指示するためのキーである。
【0074】
ユーザーが機能キー71hにタッチ操作せず、すなわち、ブックモードの指示が操作部23に入力されることなく、ユーザーが本を見開きとして第2プラテンガラス42上に載置し、ユーザーによる操作部23のスタートキーの操作に基づいて、原稿読取指示が操作部23に入力されたものとする。あるいは、ユーザーによる操作に基づき、タッチパネル25を通じて、機能キー71hへのタッチ操作により操作部23にブックモードの指示が入力されてから、ユーザーが本を見開きとして第2プラテンガラス42上に載置し、ユーザーによる操作部23のスタートキーの操作に基づいて、原稿読取指示が操作部23に入力されたものとする。
【0075】
制御部29は、ブックモードの指示が操作部23に入力されていないと判断したときは(S101「No」)、ブックモードを設定することなく、読取部32により第2プラテンガラス42上の見開かれた本の画像を読取らせて、この見開かれた本の画像を示す画像データを画像メモリー26に一旦記憶させ、この画像データによって示される見開かれた本61の画像62を画像形成部21により記録紙に形成させる(S102)。この場合は、
図6(A)に示すような読取部32により読取られた読取領域R0の画像がそのまま記録紙Pに形成される。
【0076】
また、制御部29は、ブックモードの指示が操作部23に入力されていると判断したときは(S101「Yes」)、ブックモードを設定し(S103)、操作部23に原稿読取指示が入力されたと判断したときに、読取部32により第2プラテンガラス42上の見開かれた本61の画像62を読取らせて、この見開かれた本61の画像62を示す画像データを画像メモリー26に記憶させる(S104)。この後、S105以降の処理に移る。
【0077】
画像メモリー26には、
図6(A)に示すような読取部32により読取られた読取領域R0の画像を示す画像データが記憶される。この画像データは、読取部32により読取られた読取領域R0の画像の各画素の値を示すものであり、この読取領域R0の画像には見開かれた本61の画像62が含まれる。その画像データには見開かれた本61の画像62の各画素の値が含まれる。
【0078】
制御部29は、上記のように画像メモリー26内の読取領域R0の画像を示す画像データを参照して、読取領域R0の画像における本61の画像62の左側のエッジEL及び右側のエッジERを抽出する(S105)。
【0079】
制御部29は、上記のように本61の画像62の左側のエッジEL及び右側のエッジERの間の中心線CLを算出し、この中心線CLで読取領域R0の画像を左側画像GLと右側画像GRに2分割する(S106)。
【0080】
制御部29は、上記のように左側画像GLから本61の左頁の画像63の輪郭となる上側のエッジEU、下側のエッジED、左側のエッジEL、及び中心線CLを取得し、右側画像GRから本61の右頁の画像64の輪郭となる上側のエッジEU、下側のエッジED、右側のエッジER、及び中心線CLを取得する(S107)。
【0081】
制御部29は、上記のように直交座標系における左頁の画像63の傾きθ及び右頁の画像64の傾きθを算出して、これらの傾きθを補正する(S108)。
【0082】
制御部29は、上記のように左頁の画像63における上記テキスト領域、画像領域、表領域、図形領域を判定することにより、左頁の画像63に含まれるコンテンツ領域を判定する(S109)。また、制御部29は、上記のように右頁の画像64における上記テキスト領域、画像領域、表領域、図形領域を判定することにより、右頁の画像64に含まれるコンテンツ領域を判定する(S109)。
【0083】
制御部29は、
図8(A)及び
図9(A)に示すように、左側縁領域QLを設定して(S110)、左側縁領域QLに包含されるコンテンツ領域の有無を判定し(S111)、
図8(A)に示すようにコンテンツ領域が無ければ(S111「無」)、左頁の画像63の縁に飾り模様が無いものとし、
図8(B)に示すように左頁の画像63の左側のエッジELより右方向に進んで最初のコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を外側の余白領域SLとして設定する(S112)。同様に、制御部29は、右側縁領域QRを設定して(S110)、右側縁領域QRに包含されるコンテンツ領域の有無を判定し(S111)、
図8(A)に示すようにコンテンツ領域が無ければ(S111「無」)、右頁の画像64の縁に飾り模様が無いものとし、
図8(B)に示すように右頁の画像64の右側のエッジERより左方向に進んで最初のコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を外側の余白領域SRとして設定する(S112)。
【0084】
また、制御部29は、
図9(A)に示すように左側縁領域QLに包含されるコンテンツ領域が有れば(S111「有」)、左側縁領域QLの面積に対するコンテンツ領域の面積の比率を算出し(S113)、その算出された比率が1/3以下であるか否かを判定する(S114)。同様に、制御部29は、右側縁領域QRに包含されるコンテンツ領域が有れば(S111「有」)、右側縁領域QRに対するコンテンツ領域の面積の比率を算出し(S113)、その算出された比率が1/3以下であるか否かを判定する(S114)。
【0085】
例えば、制御部29は、算出された比率が1/3以下であれば(S114「Yes」)、上記コンテンツ領域が左頁の画像63の周縁の飾り模様Jであるとみなし、
図9(B)に示すように左頁の画像63の左側のエッジELより右方向に進んでコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を外側の余白領域SLとして設定する(S112)。同様に、制御部29は、上記コンテンツ領域が右頁の画像64の周縁の飾り模様Jであるとみなし、
図9(B)に示すように右頁の画像64の右側のエッジERより左方向に進んでコンテンツ領域TZまでの矩形状の領域を外側の余白領域SRとして設定する(S112)。
【0086】
一方、制御部29は、
図8(B)及び
図9(B)に示すように、左頁の画像63の中心線CLに対して左側に隣り合うコンテンツ領域TZを判定し、この判定されたコンテンツ領域TZよりも右側を内側の余白領域ULとして設定する(S115)。同様に、制御部29は、右頁の画像64の中心線CLに対して右側に隣り合うコンテンツ領域TZを判定し、この判定されたコンテンツ領域TZよりも左側を内側の余白領域URとして設定する(S115)。
【0087】
そして、制御部29は、
図10(A)及び
図10(B)に示すように、左頁の画像63の内側の余白領域ULの画像を削除し、この内側の余白領域ULの画像の代わりに、外側の余白領域SLの画像を配置して、左頁の画像63を補正し、また右頁の画像64の内側の余白領域URの画像を削除し、この内側の余白領域URの画像の代わりに、外側の余白領域SRの画像を配置して、右頁の画像64を補正する(S116)。
【0088】
制御部29は、補正された左頁の画像63及び右頁の画像64を示すそれぞれの画像データを画像形成部21に入力させ、画像形成部21により左頁の画像63及び右頁の画像64をそれぞれの記録紙に形成させる(S117)。
【0089】
この結果、
図10(A)又は
図10(B)に示すように補正された見栄えの良い左右頁の画像63,64がそれぞれの記録紙に形成される。
【0090】
また、制御部29は、算出された比率が1/3を超えれば(S114「No」)、左側縁領域に包含されるコンテンツ領域の面積が広く、このコンテンツ領域が飾り模様ではない可能性があるので、S112、S115、S116、S117を行わず、画像メモリー26に記憶されている画像データによって示される見開かれた本61の画像62を画像形成部21により記録紙に形成させる(S102)。
【0091】
このように本実施形態では、本61の画像62から左頁の画像63及び右頁の画像64を抽出して、左頁の画像63の傾き及び右頁の画像64の傾きを補正し、左頁の画像63をコンテンツ領域TZ、該コンテンツ領域TZの左側に隣接する外側の余白領域SL、及び該コンテンツ領域TZの右側に隣接する内側の余白領域ULに区別すると共に、右頁の画像64をコンテンツ領域TZ、該コンテンツ領域TZの右側に隣接する外側の余白領域SR、及び該コンテンツ領域TZの左側に隣接する内側の余白領域URとに区別し、左頁の画像63については、内側の余白領域ULを削除して、外側の余白領域SLをコンテンツ領域TZの右側に配置して、該左頁の画像63を補正し、また右頁の画像64については、内側の余白領域URを削除して、外側の余白領域SRをコンテンツ領域TZの左側に配置して、該右頁の画像64を補正している。これにより、補正された左頁の画像63及び右頁の画像64の両側には、同一幅の余白領域又は同一幅でかつ同一の飾り模様Jを含む余白領域が配置され、補正された左頁の画像63及び右頁の画像64の中央にはそれぞれのコンテンツ領域TZが配置され、補正された左頁の画像63及び右頁の画像64の見栄えが良くなる。
【0092】
尚、上記実施形態では、左頁の画像63における飾り模様Jを含む外側の余白領域SLを、該左頁の画像63におけるコンテンツ領域TZの右側に配置し、また右頁の画像64における飾り模様Jを含む余白領域SLを、該右頁の画像64におけるコンテンツ領域TZの左側に配置しているが、この代わりに、
図13に示すように左頁の画像63における飾り模様Jを含む余白領域SLを、右頁の画像64におけるコンテンツ領域TZの左側に配置し、また右頁の画像64における飾り模様Jを含む余白領域SRを、左頁の画像63におけるコンテンツ領域TZの右側に配置してもよい。
【0093】
従って、本実施形態によれば、本の画像における各頁の画像別に、テキストなどが記載されたコンテンツ領域及び余白領域を抽出し、この余白領域を用いて、頁の画像を適宜補正し、頁の画像の見栄えをより好ましくすることができる。
【0094】
また、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
図1乃至
図13を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0095】
10 画像形成装置
20 画像読取装置
21 画像形成部
23 操作部
24 表示部
25 タッチパネル
26 画像メモリー
27 記憶部
28 制御ユニット
29 制御部