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  • 特開-高耐久性転写箔及び転写層被着体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183829
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】高耐久性転写箔及び転写層被着体
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/06 20190101AFI20231221BHJP
   B44C 1/17 20060101ALI20231221BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20231221BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B32B7/06
B44C1/17 A
B32B27/36
B32B27/36 102
B32B27/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097591
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591225051
【氏名又は名称】マルワ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 忠祐
(72)【発明者】
【氏名】吉見 正彦
【テーマコード(参考)】
3B005
4F100
【Fターム(参考)】
3B005FB11
3B005FB21
3B005FF06
4F100AK25B
4F100AK41B
4F100AK45B
4F100AL05B
4F100AR00A
4F100AR00E
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB03D
4F100CC00B
4F100EC04
4F100EH46
4F100GB32
4F100HB00C
4F100HB31
4F100JL11D
4F100JL14A
4F100JL14E
4F100JN01B
4F100JN02E
4F100YY00B
4F100YY00C
4F100YY00D
(57)【要約】
【課題】表面が表皮材により形成される物品の表面に転写した場合に、図柄や文字などの意匠が正確に見えるようにする。
【解決手段】高耐久性転写箔10は、転写層11と、転写層11に剥離可能に接着された第1離型フィルム12とを備えている。転写層11は、第1離型フィルム12に接着された透明なトップコート層20と、接着層23と、トップコート層20と接着層23との間に積層される加飾層21とを備えている。トップコート層20は、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする層である。転写層11における接着層23を除いた部分の厚さは、15μm以上100μm以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が表皮材により形成される物品の表面に転写される転写層を備える高耐久性転写箔であって、
前記転写層と、前記転写層に剥離可能に接着された離型フィルムとを備え、
前記転写層は、前記離型フィルムに接着された透明なトップコート層と、接着層と、前記トップコート層と前記接着層との間に積層される加飾層とを備え、
前記トップコート層は、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする層であり、前記転写層における前記接着層を除いた部分の厚さは、15μm以上100μm以下であることを特徴とする高耐久性転写箔。
【請求項2】
前記加飾層の厚さは、10μm以上80μm以下である請求項1に記載の高耐久性転写箔。
【請求項3】
前記加飾層は、同一組成の加飾構成層が連続して積層された多層構造である請求項1又は請求項2に記載の高耐久性転写箔。
【請求項4】
前記加飾層と前記接着層との間に積層され、物品表面の色を隠蔽する隠蔽層を備える請求項1又は請求項2に記載の高耐久性転写箔。
【請求項5】
前記接着層は、ホットメルト接着剤を含有する層であり、
前記接着層の厚さは、5μm以上50μm以下である請求項1又は請求項2に記載の高耐久性転写箔。
【請求項6】
凹凸を有する表皮材により表面が形成される物品と、前記物品の前記表面に接着された転写層とを備える転写層被着体であって、
前記転写層は、トップコート層と、前記物品に接着された接着層と、前記トップコート層と前記接着層との間に積層される加飾層とを備え、
前記トップコート層は、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする層であり、
前記転写層における前記接着層を除いた部分の厚さは、15μm以上100μm以下であることを特徴とする転写層被着体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷による高耐久性転写箔であって、表面が表皮材により形成される物品の加飾に用いる高耐久性転写箔、及び加飾された物品である転写層被着体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動車のサンバイザーの表皮に転写層を転写して用いられる加飾フィルムを開示する。上記加飾フィルムの転写層は、使用説明文や図柄を印刷した印字層と、所定温度で軟化する接着層とを有し、剥離性ベースシートの上に剥離可能に形成されている。上記加飾フィルムの転写層は、接着層をサンバイザーの表皮に接触させた状態として加熱及び加圧されると、接着層が溶融又は軟化してサンバイザーの表皮に接着する。サンバイザーの表皮に対して転写層が被着されることにより印字層に基づく装飾が施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-19464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表面が表皮材により形成される物品に対して、加飾フィルムを転写して意匠を加飾した際に、加飾された意匠が不正確な見え方をする場合がある。
その要因の一つとして、加飾フィルムから転写された転写層が、高温環境下に曝されることにより変色すること、例えば、黄変することが挙げられる。上記高温環境には、湿度が低い場合、高い場合、一定の場合のいずれも含まれる。転写層が変色すると、全体的又は部分的に意図しない色が付いた部分が形成されることにより転写層の意匠がぼやけて見える。
【0005】
また、別の要因として、被転写物である物品の表面形状の影響が挙げられる。表皮材により形成される物品表面は、表皮材を構成する布地、ファブリック、皮革などの素材に基づく微細な凹凸形状を有している。そのため、物品表面に対して、加飾フィルムから転写層を転写して加飾を行った場合には、下地である表皮材の凹凸形状によって、転写層の図柄などの意匠が歪められる場合がある。この場合、転写層の意匠がぼやけて見えたり、変形して見えたりする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する高耐久性転写箔及び転写層被着体の態様を記載する。
[態様1]
表面が表皮材により形成される物品の表面に転写される転写層を備える高耐久性転写箔であって、転写層と、前記転写層に剥離可能に接着された離型フィルムとを備え、前記転写層は、前記離型フィルムに接着された透明なトップコート層と、接着層と、前記トップコート層と前記接着層との間に積層される加飾層とを備え、前記トップコート層は、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする層であり、前記転写層における前記接着層を除いた部分の厚さは、15μm以上100μm以下である高耐久性転写箔。
【0007】
上記構成によれば、特定の樹脂を主成分とするトップコート層を採用したことにより、高温環境下におけるトップコート層の変色を抑制できる。その結果、トップコート層の変色に起因してトップコート層の下に位置する加飾層の意匠が不正確な見え方をすること、特に、ぼやけて見えることが抑制される。
【0008】
また、上記構成では、転写層において、物品に転写される際に物品表面の凹凸形状に沿って変形する部分である接着層を除いた部分の厚さを、15μm以上としている。つまり、物品に転写される際に、物品表面の凹凸形状に沿って変形し難い部分の厚さを大きく確保している。これにより、物品表面の凹凸形状によって加飾層の意匠が歪み難くなるため、加飾層の意匠が歪むことに起因して加飾層の意匠が不正確な見え方をすること、特に、ぼやけて見えること、及び変形して見えることが抑制される。そのため、物品表面に転写された転写層に基づく図柄や文字などの意匠の輪郭が意図する正確な形状でくっきりと見えるようになる。
【0009】
このように、上記構成によれば、物品の表面に転写された転写層の意匠を、トップコート層を介して見た場合に、ぼやけて見えたり、変形して見えたりすることが抑制されるため、転写層の意匠が、より正確に見える。この場合、より複雑な図柄、文字、色などの意匠を転写層の意匠に採用することも可能になるため、意匠の表現の幅を広げることができる。
【0010】
[態様2]
前記加飾層の厚さは、例えば、10μm以上80μm以下である[態様1]に記載の高耐久性転写箔。
【0011】
加飾層を厚く形成することにより、粒子径の大きい着色剤粒子を加飾層に含有させることができる。粒子径の大きい着色剤粒子を含有させることにより、加飾層の意匠を、その色及び輪郭がより強調されたものにできる。また、加飾層を厚くすることにより、加飾層の意匠の光沢、輝度感、陰影、濃淡の深みをより強く呈することができる。
【0012】
[態様3]
前記加飾層は、同一組成の加飾構成層が連続して積層された多層構造である[態様1]又は[態様2]に記載の高耐久性転写箔。
【0013】
加飾層を多層構造とすることにより、加飾層における反射や屈折の光学特性、色調、厚さの部位ごとのばらつきを抑制でき、このばらつきに起因する加飾層の不均一感を抑制できる。また、加飾層の意匠の光沢、輝度感、陰影、濃淡の深みをより強く呈することができる。
【0014】
[態様4]
前記加飾層と前記接着層との間に積層され、物品表面の色を隠蔽する隠蔽層を備える[態様1]~[態様3]のいずれか一つに記載の高耐久性転写箔。
【0015】
上記構成によれば、物品表面が加飾層を透過して見えることを抑制できる。その結果、加飾層の色を強く目立たせることができる。
[態様5]
前記接着層は、ホットメルト接着剤を含有する層であり、前記接着層の厚さは、5μm以上50μm以下である[態様1]~[態様4]のいずれか一つに記載の高耐久性転写箔。
【0016】
上記構成によれば、転写層を転写する際の加熱により溶融又は軟化した接着層が、物品表面の凹凸形状に沿って、凹凸形状の隙間に入り込むように変形する。このとき、接着層が厚く形成されていると、接着層の変形によって物品表面の凹凸形状を吸収できる。これにより、接着層の上に位置する加飾層が、物品表面の凹凸形状に沿って変形することを抑制できる。その結果、物品表面の凹凸形状による加飾層の意匠の歪みを抑制できる。
【0017】
[態様6]
凹凸を有する表皮材により表面が形成される物品と、前記物品の前記表面に接着された転写層とを備える転写層被着体であって、前記転写層は、トップコート層と、前記物品に接着された接着層と、前記トップコート層と前記接着層との間に積層される加飾層とを備え、前記トップコート層は、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする層であり、前記転写層における前記接着層を除いた部分の厚さは、15μm以上100μm以下である転写層被着体。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表皮材により形成される物品表面に加飾した意匠が、より正確に見える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】高耐久性転写箔の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。
(高耐久性転写箔)
本実施形態の高耐久性転写箔10は、物品の表面に対する装飾の付加を目的として、物品表面の所定位置に対して、高耐久性転写箔10を構成する転写層11を、熱転写等により転写する用途に用いられる。
【0021】
図1に示すように、高耐久性転写箔10は、転写層11と、転写層11の第1主面11aに剥離可能に接着された第1離型フィルム12と、転写層11の第2主面11bに剥離可能に接着された第2離型フィルム13とを備えている。
【0022】
第1離型フィルム12は、転写層11を支持するためのフィルムであり、高耐久性転写箔10の転写層11を物品表面に転写した後に転写層11から剥離される。第2離型フィルム13は、転写層11の第2主面11bを保護するため、例えば、埃除け、傷防止などのための弱粘着体により形成された保護フィルムである。第2離型フィルム13は、高耐久性転写箔10の転写層11を物品表面に転写する前に転写層11から剥離される。
【0023】
(第1離型フィルム及び第2離型フィルム)
第1離型フィルム12及び第2離型フィルム13は特に限定されるものでなく、可撓性を有する材料からなるフィルムから適宜、選択して用いることができる。第1離型フィルム12及び第2離型フィルム13としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂、ポリカーボネート及びこれらの混合物からなるフィルムが挙げられる。
【0024】
第1離型フィルム12及び第2離型フィルム13は、必要に応じて、第1離型フィルム12及び第2離型フィルム13に種々の機能を付与するための機能性付与層を有していてもよい。機能性付与層としては、例えば、転写層11に対する離型性を高めるための離型層、帯電を防止するための帯電防止層が挙げられる。なお、第1離型フィルム12及び第2離型フィルム13は同じフィルムであってもよいし、異なるフィルムであってもよい。
【0025】
(転写層)
図1に示すように、転写層11は、第1主面11a側から第2主面11b側に向かって、トップコート層20、加飾層21、隠蔽層22、及び接着層23が順に積層された積層構造体である。換言すると、転写層11は、第1離型フィルム12に接着されているトップコート層20と、第2離型フィルム13に接着されている接着層23と、トップコート層20と接着層23との間に積層される加飾層21及び隠蔽層22とを備えている。
【0026】
転写層11は、高耐久性転写箔10により付与される意匠の図柄や文字の単位ごとに設けられる。転写層11の厚さは、例えば、20μm以上150μm以下である。また、転写層11における接着層23を除いた部分の厚さ、即ち、本実施形態におけるトップコート層20、加飾層21、及び隠蔽層22の合計厚さは、15μm以上100μm以下である。上記合計厚さは、好ましくは18μm以上であり、より好ましくは24μm以上であり、更に好ましくは27μm以上であり、最も好ましくは30μm以上である。上記合計厚さが厚くなるにしたがって、物品表面の凹凸形状による加飾層21の意匠の歪みを抑制する効果が大きくなる。また、上記合計厚さは、例えば、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下である。
【0027】
(接着層)
接着層23は、高耐久性転写箔10の転写層11を物品表面に転写する際に、物品表面に接着される部位である。接着層23は、転写層11の第2主面11bを形成する層であり、接着層23には、第2離型フィルム13が被せられている。
【0028】
接着層23は、接着性能を有する透明な層であり、転写層11の積層方向から見た平面視(以下、単に平面視と記載する。)において、加飾層21及び隠蔽層22よりも一回り大きい形状に形成されている。したがって、接着層23は、積層方向において加飾層21及び隠蔽層22に重なる部分と、加飾層21及び隠蔽層22の周囲を被覆する部分とを有している。
【0029】
接着層23に含有される接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤、粘着剤が挙げられる。ホットメルト接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、塩酢ビニル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤が挙げられる。
【0030】
図1に示すように、接着層23の一形態は、複数の同一組成の接着構成層23aが連続して積層された多層構造である。各接着構成層23aの厚さは、例えば、5μm以上10μm以下であり、好ましくは6μm以上10μm以下である。各接着構成層23aの厚さは同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、接着層23は、接着構成層23aが1層のみである単層構造であってもよい。
【0031】
接着層23の厚さ、即ち、接着構成層23aの合計厚さは、例えば、5μm以上50μm以下であり、好ましくは10μm以上20μm以下であり、より好ましくは12μm以上18μm以下である。特に、接着層23がホットメルト接着剤を含有する層である場合、接着層23は、10μm以上50μm以下であることが好ましく、12μm以上20μm以下であることがより好ましい。ホットメルト接着剤を含む接着層23は、転写層11を転写する際の加熱により溶融又は軟化する。そして、溶融又は軟化した接着層23は、物品表面の凹凸形状に沿って、凹凸形状の隙間に入り込むように変形する。
【0032】
このとき、接着層23が厚く形成されていると、接着層23の変形によって物品表面の凹凸形状を吸収できる。なお、物品表面の凹凸形状を吸収できることは、物品表面の凹凸形状と比較して、物品表面に接着された接着層23における加飾層21側の界面の凹凸形状の方が凹凸の高低差が小さくなることを意味する。これにより、接着層23の上に位置する加飾層21等の他の層が、物品表面の凹凸形状に沿って変形することを抑制できる。その結果、物品表面の凹凸形状による加飾層21の意匠の歪みを抑制できる。
【0033】
接着層23の厚さは、接着層23を構成する接着構成層23aの層数を変更することにより調整できる。接着構成層23aが複数である場合、接着構成層23aの層数は、例えば、2層以上5層以下であり、好ましくは2層である。一例として、図1では、接着構成層23aが2層、積層されてなる接着層23を図示している。接着構成層23aが2層、積層されてなる接着層23とした場合の各接着構成層23aの厚さは、例えば、5μm以上9μm以下である。
【0034】
接着構成層23aは、例えば、接着層23の材料組成物を、スクリーン印刷し、乾燥させることにより形成できる。具体的には、接着構成層23aを形成する処理を、接着構成層23aの層数に応じた回数、繰り返し行うことにより形成できる。
【0035】
(加飾層)
加飾層21は、図柄や文字などの意匠が印刷された層であり、当該意匠に設定された任意の色を呈するように着色されている。
【0036】
加飾層21は、着色剤を含有する。加飾層21に含有される着色剤は特に限定されるものではなく、公知の着色剤を適用できる。公知の着色剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料、染料、パール顔料、金属箔、アルミフレークなどの光学効果を有する加飾材料が挙げられる。
【0037】
上記着色剤は、着色剤を構成する着色剤粒子が大きいものであることが好ましい。着色剤粒子が大きいことにより、加飾層21により形作られる意匠を、その色及び輪郭がより強調されたものなる。特に、加飾層21が呈する色調がパール、ラメ、メタリック、2色偏光、多色偏光などの光輝色である場合、着色剤粒子が大きいほど、その色及び輪郭が強調される効果が大きくなる。また、加飾層21が呈する色調が光輝色である場合、加飾層21に含有される着色剤粒子が大きく、多いほど、その色調、光沢、輝度感、陰影、濃淡の深みを表現でき、図柄、文字及び輪郭が強調される効果が大きくなる。
【0038】
着色剤粒子の平均粒子径は、好ましくは、2μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。また、上記着色剤を構成する着色剤粒子の平均粒子径は、例えば、10μm以下である。なお、本実施形態において、平均粒子径は、メジアン径として定義される平均粒子径である。
【0039】
図1に示すように、加飾層21の一形態は、複数の同一組成の加飾構成層21aが連続して積層された多層構造である。各加飾構成層21aの厚さは、例えば、5μm以上30μm以下であり、好ましくは8μm以上18μm以下である。各加飾構成層21aの厚さは同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、加飾層21は、加飾構成層21aが1層のみである単層構造であってもよい。
【0040】
加飾層21の厚さ、即ち、加飾構成層21aの合計厚さは、例えば、5μm以上80μm以下であり、好ましくは10μm以上60μm以下であり、より好ましくは10μm以上20μm以下であり、更に好ましくは16μm以上20μm以下である。加飾構成層21aの厚さは、加飾構成層21aの層数を変更することにより調整できる。加飾構成層21aが複数である場合、加飾構成層21aの層数は、例えば、2層以上5層以下であり、好ましくは2層である。一例として、図1では、加飾構成層21aが2層、積層されてなる加飾層21を図示している。加飾構成層21aが2層、積層されてなる加飾層21とした場合の各加飾構成層21aの厚さは、例えば、5μm以上10μm以下である。加飾層21を厚くすることにより、加飾層21の意匠の光沢、輝度感、陰影、濃淡の深みをより強く呈することができる。
【0041】
また、加飾層21を厚くすることにより、粒子径のより大きい着色剤粒子を加飾層21に含有させることが容易になる。なお、加飾層21の厚さ及び各加飾構成層21aの厚さは、加飾層21に含有される着色剤を構成する着色剤粒子の平均粒子径と同じ又はそれ以上となるように設定されることが好ましい。
【0042】
加飾層21は、例えば、加飾層21の材料組成物を、スクリーン印刷し、乾燥させることにより形成できる。具体的には、加飾構成層21aを形成する処理を、加飾構成層21aの層数に応じた回数、繰り返し行うことにより形成できる。
【0043】
(隠蔽層)
隠蔽層22は、物品表面の模様や色を隠蔽するための層であり、隠蔽層22は、加飾層21と接着層23との間に設けられている。隠蔽層22を設けることにより、物品表面の模様や色が加飾層21を透過して見えることを抑制できる。さらに、隠蔽層22には、加飾層21の色合いや明暗の見え方に関して、物品表面の色との相互作用による変化を抑制する効果もある。そのため、隠蔽層22を設けることにより、加飾層21の色合い及び明暗がより正確に見えるようになる。
【0044】
隠蔽層22が呈する色は、物品表面の色の影響により隠蔽層22の見え方が変化しない色であり、物品表面の色に応じて、その色合い及び濃淡が調整される。隠蔽層22が呈する色としては、例えば、白色、グレー色、黒色が挙げられる。また、隠蔽層22は、平面視において、加飾層21と同形状に形成されている。
【0045】
図1に示すように、隠蔽層22の一形態は、複数の同一組成の隠蔽構成層22aが連続して積層された多層構造である。各隠蔽構成層22aの厚さは、例えば、5μm以上10μm以下である。各加飾構成層21aの厚さは同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、隠蔽層22は、隠蔽構成層22aが1層のみである単層構造であってもよい。
【0046】
隠蔽層22の厚さ、即ち、隠蔽構成層22aの合計厚さは、例えば、5μm以上20μm以下であり、好ましくは10μm以上20μm以下であり、より好ましくは10μm以上16μm以下である。隠蔽層22の厚さは、隠蔽構成層22aの層数を変更することにより調整できる。隠蔽構成層22aが複数である場合、隠蔽構成層22aの層数は、例えば、2層以上5層以下であり、好ましくは2層である。一例として、図1では、隠蔽構成層22aが2層、積層されてなる隠蔽層22を図示している。隠蔽構成層22aが2層、積層されてなる隠蔽層22とした場合の各隠蔽構成層22aの厚さは、例えば、5μm以上10μm以下である。隠蔽層22を一定以上に厚くすることにより、加飾層21の意匠の偏光効果、光沢、輝度感、陰影、濃淡の深みをより強く呈することができる。
【0047】
また、加飾層21及び隠蔽層22の合計厚さは、例えば、10μm以上100μm以下であり、好ましくは20μm以上80μm以下である。加飾層21の厚さに対する隠蔽層22の厚さの比率(隠蔽層22の厚さ/加飾層21の厚さ)は、例えば、0.3以上3以下である。
【0048】
隠蔽層22は、例えば、隠蔽層22の材料組成物を、スクリーン印刷し、乾燥させることにより形成できる。具体的には、隠蔽構成層22aを形成する処理を、隠蔽構成層22aの層数に応じた回数、繰り返し行うことにより形成できる。
【0049】
(トップコート層)
トップコート層20は、物品表面に転写された転写層11から第1離型フィルム12を剥離した後の転写層11の最表面となる層である。トップコート層20は、転写層11における他の層を保護する保護層として機能する。トップコート層20は、単層構造であってもよいし、2層以上からなる多層構造であってもよい。
【0050】
トップコート層20は、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種である樹脂(以下、特定樹脂と記載する。)を主成分とする透明な層である。なお、主成分は、50質量%以上を占める成分を意味する。なお、トップコート層20における特定樹脂の割合は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。トップコート層20は、無色透明であってもよいし、着色透明であってもよい。
【0051】
上記混合樹脂を構成する樹脂としては、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられる。上記混合樹脂におけるアクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合比率は、例えば、質量比(アクリル樹脂:ポリカーボネート樹脂)で1:10~10:1である。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いられていてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられていてもよい。
【0052】
図1に示すように、トップコート層20は、平面視において、接着層23と同じ形状、即ち、加飾層21よりも一回り大きい形状に形成されている。
トップコート層20の厚さは、例えば、1μm以上20μm以下である。トップコート層20は、例えば、トップコート層20の材料組成物を、例えば、スクリーン印刷し、乾燥させることにより形成できる。なお、転写層11は、例えば、第1離型フィルム12の上に、トップコート層20、加飾層21、隠蔽層22、及び接着層23を順に形成して積層することにより形成できる。
【0053】
(高耐久性転写箔の使用方法)
高耐久性転写箔10は、物品表面に対する装飾の付加を目的として、転写層11を物品に転写して用いられる。高耐久性転写箔10の転写対象となる物品は、微細な凹凸を有する表皮材により表面が形成されている物品である。
【0054】
表皮材は、クッション材などの表面を被覆することで物品の表面を形成する素材である。微細な凹凸を有する表皮材としては、例えば、布地、ファブリック、合成皮革、天然皮革などの素材により形成される表皮材、エンボス加工が施された表皮材が挙げられる。高耐久性転写箔10の転写対象となる物品としては、例えば、座席のシートやドアトリムなどのモビリティの内装品、椅子、ソファー、寝具、カーテンなどの家具、パーティション、建築資材、室内建具、衣料が挙げられる。なお、物品がモビリティの内装品、家具、パーティション、建築資材、室内建具の場合、表皮材は、物品の表面に配置されている布地等の上記素材からなる部分を意味する。そして、上記素材からなる部分の表面が転写対象面となる。また、物品がカーテンや衣料などの布地の場合、表皮材は、物品を構成する布地そのものを意味する。布地1層の場合、表裏の表地が表皮材にあたり、布地における表地側の面が転写対象面となる。
【0055】
高耐久性転写箔10を使用する場合には、先ず、高耐久性転写箔10から第2離型フィルム13を剥離して接着層23を露出させる。次いで、転写対象となる物品における表皮材により形成される表面に、高耐久性転写箔10の接着層23を重ね合わせた状態として、接着層23に含有される接着剤に応じた転写処理を行う。例えば、接着層23に含有される接着剤がホットメルト接着剤である場合には、加熱及び加圧する熱転写処理を行う。
【0056】
上記熱転写処理の方法としては、例えば、平型転写機及びロール転写機などの熱転写機を用いた方法が挙げられる。上記熱転写処理の温度条件は、例えば、160度以上190度以下である。上記熱転写処理の加圧条件は、例えば、1kg/cm以上の一定圧である。
【0057】
このとき、物品表面の凹凸形状に沿って、凹凸形状の隙間に入り込むように接着層23が変形することにより、接着層23と物品表面との密着性が向上する。この密着性の向上効果は、接着層23を厚く形成するほど得られやすくなる。こうした点から、接着層23の厚さを12μm以上とすることが好ましい。
【0058】
その後、物品に転写された転写層11から第1離型フィルム12を剥離する。これにより、転写層11が備える加飾層21の意匠により装飾された物品である転写層被着体が得られる。
【0059】
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。
(1)高耐久性転写箔10は、転写層11と、転写層11に剥離可能に接着された第1離型フィルム12とを備えている。転写層11は、第1離型フィルム12に接着された透明なトップコート層20と、接着層23と、トップコート層20と接着層23との間に積層される加飾層21とを備えている。トップコート層20は、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする層である。転写層11における接着層23を除いた部分の厚さは、15μm以上100μm以下である。
【0060】
本発明者らは、従来構成の加飾フィルム及び転写層被着体を高温環境に曝した場合に生じる転写層の変色が主に、加飾層を保護するために設けられるトップコート層において発生することを発見した。また、特定樹脂を主成分とするトップコート層を採用することにより、高温環境下におけるトップコート層の変色、特に黄変を抑制できることを発見した。したがって、特定樹脂を主成分とするトップコート層20を採用する上記構成によれば、高温環境下におけるトップコート層20の変色を抑制できる。その結果、トップコート層20の変色に起因してトップコート層20の下に位置する加飾層21の意匠が不正確な見え方をすること、特に、ぼやけて見えることが抑制される。
【0061】
また、上記構成では、転写層11において、物品に転写層11を転写する際に物品表面の凹凸形状に沿って変形する部分である接着層23を除いた部分の厚さを、15μm以上としている。つまり、物品に転写層11を転写する際に、物品表面の凹凸形状に沿って変形し難い部分の厚さを大きく確保している。これにより、物品表面の凹凸形状によって加飾層21の意匠が歪み難くなるため、加飾層21の意匠が歪むことに起因して加飾層21の意匠が不正確な見え方をすること、特に、ぼやけて見えること、及び変形して見えることが抑制される。そのため、物品表面に転写された転写層に基づく図柄や文字などの意匠の輪郭が意図する正確な形状でくっきりと見えるようになる。
【0062】
このように、上記構成によれば、物品の表面に転写された転写層11の意匠を、トップコート層20を介して見た場合に、ぼやけて見えたり、変形して見えたりすることが抑制されるため、転写層11の意匠が、より正確に見える。この場合、より複雑な図柄、文字、色などの意匠を転写層11の意匠に採用することも可能になるため、意匠の表現の幅を広げることができる。なお、加飾層21の意匠がぼやけて見えることの具体例としては、付与される意匠の図柄や文字を構成する各転写層11の縁部などの部位がグラデーションや多重に見えることが挙げられる。
【0063】
(2)加飾層21の厚さは、10μm以上80μm以下である。
加飾層21を厚く形成することにより、粒子径の大きい着色剤粒子を加飾層21に含有させることができる。粒子径の大きい着色剤粒子を含有させることにより、加飾層21により形作られる意匠を、その色及び輪郭がより強調されたものにできる。また、加飾層21を厚くすることにより、加飾層21の意匠の光沢、輝度感、陰影、濃淡の深みをより強く呈することができる。
【0064】
(3)加飾層21は、同一組成の加飾構成層21aが連続して積層された多層構造である。
加飾層21を多層構造とすることにより、加飾層21における反射や屈折などの光学特性、色調、厚さの部位ごとのばらつきの発生を抑制でき、このばらつきに起因する加飾層21の不均一感を抑制できる。また、加飾層21に基づく意匠の光沢、輝度感、陰影、濃淡の深みをより強く呈することができる。更に、上記構成によれば、加飾層21を製造する際に、一回の層形成にて形成される層の厚さが薄くなることにより、層内への気泡の抱き込みが抑制されて、より均一で平坦な層を形成できる。したがって、製造過程の観点においても、加飾層21の部位ごと不均一感を抑制する効果が得られる。
【0065】
(4)加飾層21と接着層23との間に積層され、物品表面の色を隠蔽する隠蔽層22を備えている。
上記構成によれば、物品表面が加飾層21を透過して見えることを抑制できる。その結果、加飾層21の色を強く目立たせることができる。
【0066】
(5)隠蔽層22は、同一組成の隠蔽構成層22aが連続して積層された多層構造である。
隠蔽層22を多層構造とすることにより、隠蔽層22の色調、厚さが部位ごとにばらつくことを抑制できる。これにより、隠蔽層22の色調、厚さばらつきに起因する加飾層21の不均一感を抑制できる。更に、上記構成によれば、隠蔽層22を製造する際に、一回の層形成にて形成される層の厚さが薄くなることにより、層内への気泡の抱き込みが抑制されて、より均一で平坦な層を形成できる。
【0067】
(6)接着層23は、ホットメルト接着剤を含有する層であり、接着層23の厚さは、5μm以上50μm以下である。
上記構成によれば、転写時の加熱により溶融又は軟化した接着層23の変形によって物品表面の凹凸形状を吸収できる。これにより、接着層23の上に位置する加飾層21が、物品表面の凹凸形状に沿って変形することを抑制できる。その結果、物品表面の凹凸形状による加飾層21の意匠の歪みを抑制する効果が得られる。
【0068】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・加飾層21を複数層、設けてもよい。
【0069】
・転写層11は、トップコート層20、加飾層21、隠蔽層22、及び接着層23以外のその他の層を備えていてもよい。その他の層としては、例えば、帯電防止性を付与する帯電防止層、反射を低減する反射防止層、抗菌・抗ウイルス性を付与する抗菌・抗ウイルス層などの物品の表面に転写して用いられるフィルムに含有される公知の層が挙げられる。
【0070】
・隠蔽層22を省略してもよい。例えば、加飾層21の意匠を、物品表面の色を利用したものとする場合、隠蔽層22は不要である。このように、隠蔽層22は、加飾層21の意匠に応じて省略できる。
【0071】
・第2離型フィルム13を省略してもよい。例えば、高耐久性転写箔10を製造する工程と、高耐久性転写箔10の転写層11を物品に転写する工程とを連続して行う場合、第2離型フィルム13は不要である。
【実施例0072】
以下に実施例及び比較例を挙げ、上記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1~2及び比較例1)
図1に示す層構造を有する実施例1~2及び比較例1の加飾フィルムを作製した。各加飾フィルムにおける転写層の各層は、スクリーン印刷による塗工と乾燥を繰り返し行うことにより1層ずつ形成した。転写層の各層の厚さは以下のとおりである。なお、実施例1~2の加飾フィルムは、上記実施形態の高耐久性転写箔である。
【0073】
トップコート層の厚さ:6μm
第1加飾層の厚さ :12μm(厚さ6μmの加飾構成層×2)
第2加飾層の厚さ :12μm(厚さ6μmの加飾構成層×2)
接着層の厚さ :12μm(厚さ6μmの接着構成層×2)
実施例1~2及び比較例1は、トップコート層を構成する樹脂がそれぞれ異なっている。実施例1~2及び比較例1におけるトップコート層を構成する樹脂は、以下のとおりである。
【0074】
実施例1:ポリエステル樹脂インキ(株式会社セイコーアドバンス製PALマット8)
実施例2:アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂の混合樹脂インキ(株式会社セイコーアドバンス製TSN)
比較例1:ビニル樹脂インキ(株式会社セイコーアドバンス製ACT)
(耐熱試験)
ファブリックにより構成される1枚の表皮材の片面における異なる位置に、実施例1~2及び比較例1の加飾フィルムの転写層を転写した。転写処理は、平型転写機を用いて、10秒間、温度160℃、1.5~5.0kg/cmの一定圧力の条件で行った。転写層を転写した後、転写層から第1離型フィルムを剥離した。次に、実施例1~2及び比較例1の転写層が転写された表皮材を100℃の高温環境下にて400時間、放置した。そして、放置後の実施例1~2及び比較例1の転写層の状態を目視にて確認した。
【0075】
その結果、比較例1の転写層のトップコート層に黄変が目視にて確認できた。一方、実施例1~2の転写層には、黄変などの変色は目視にて確認できなかった。そして、実施例1~2の転写層は、比較例1の転写層と比較して、トップコート層を介して見た場合に、意匠の輪郭がくっきりと見えることが確認できた。また、実施例1の転写層については、トップコート層を介して見える意匠の変形は確認できなかった。これらの結果から、トップコート層を構成する樹脂を特定樹脂とすること、及び特定の厚み設計により、トップコート層を介して見える意匠が不正確な見え方をすることを抑制できることが分かる。したがって、トップコート層を構成する樹脂を特定樹脂とすること、及び特定の厚み設計により、より複雑な図柄、文字、色などの意匠を転写層の意匠に採用することが可能になる。そして、意匠の表現の幅を広げることができる。
【符号の説明】
【0076】
10…高耐久性転写箔
11…転写層
12…第1離型フィルム
13…第2離型フィルム
20…トップコート層
21…加飾層
21a…加飾構成層
22…隠蔽層
22a…隠蔽構成層
23…接着層
23a…接着構成層
図1