(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183893
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】X線撮影システム、X線撮影方法、X線撮影制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20231221BHJP
A61B 6/10 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/00 333
A61B6/00 330Z
A61B6/10 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097692
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】金森 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】三宅 信之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】小枝 敬輔
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA03
4C093AA07
4C093CA34
4C093EA02
4C093EA07
4C093EA11
4C093FA12
4C093FA15
4C093FA20
4C093FA32
4C093FA52
4C093FA53
4C093FA59
4C093FB03
4C093FB08
4C093FB09
4C093FB12
4C093FF25
(57)【要約】
【課題】DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐ。
【解決手段】
X線撮影システム(放射線撮影システム100)は、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備え、X線撮影制御装置(コンソール3)は、X線検出器の種別が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部(制御部31)と、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部(表示部34)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、
前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、
前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、
前記X線撮影制御装置は、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とするX線撮影システム。
【請求項2】
二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射するX線照射装置と、
前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、
前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、
前記X線撮影制御装置は、
前記X線照射装置の装置状態が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とするX線撮影システム。
【請求項3】
二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射するX線照射装置と、
前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、
前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、
前記X線撮影制御装置は、
前記X線照射装置の照射条件が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とするX線撮影システム。
【請求項4】
前記X線照射装置は、複数回の照射により二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
【請求項5】
前記複数回の照射は少なくとも異なる管電圧で曝射することを特徴とする請求項4に記載のX線撮影システム。
【請求項6】
前記X線検出器の種別は、前記X線検出器のサイズまたは機能または性能であって、
前記通知部は、前記X線検出器のサイズまたは機能または性能が前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適合したサイズまたは機能または性能でない場合に通知することを特徴とする請求項1に記載のX線撮影システム。
【請求項7】
前記X線撮影制御装置は、前記X線検出器のサイズまたは機能または性能が前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適合したサイズまたは機能または性能でない場合に撮影を禁止する第1禁止部を備えることを特徴とする請求項6に記載のX線撮影システム。
【請求項8】
前記判別部は、前記X線の照射範囲を絞るスリットおよびまたはフィルタが前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適していないと判別することを特徴とする請求項2に記載のX線撮影システム。
【請求項9】
前記X線撮影制御装置は、X線の照射範囲を絞るスリットおよびまたはフィルタが前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適していない場合に、撮影を禁止する第2禁止部を備えることを特徴とする請求項8に記載のX線撮影システム。
【請求項10】
前記X線の照射範囲を絞るスリットおよびフィルタは、X線照射装置に外付けで取り付けられることを特徴とする請求項8に記載のX線撮影システム。
【請求項11】
前記照射条件とは、被検体との距離、管電圧のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項3に記載のX線撮影システム。
【請求項12】
前記照射条件は、前記X線照射装置と被検体との距離であって、
前記判別部は、前記距離が所定範囲以外の場合に前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適していないと判別することを特徴とする請求項3に記載のX線撮影システム。
【請求項13】
前記X線撮影制御装置は、前記距離が所定範囲以外の場合に撮影を禁止する第3禁止部を備えることを特徴とする請求項12に記載のX線撮影システム。
【請求項14】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムを用いたX線撮影方法であって、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップの判別結果に基づく通知を行う通知ステップと、
を含むことを特徴とするX線撮影方法。
【請求項15】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムを用いたX線撮影方法であって、
前記X線照射装置の装置状態が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップの判別結果に基づく通知を行う通知ステップと、
を含むことを特徴とするX線撮影方法。
【請求項16】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムを用いたX線撮影方法であって、
前記X線照射装置の照射条件が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップの判別結果に基づく通知を行う通知ステップと、
を含むことを特徴とするX線撮影方法。
【請求項17】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置のコンピュータを、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部、
として機能させるプログラム。
【請求項18】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置のコンピュータを、
前記X線照射装置の装置状態が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部、
として機能させるプログラム。
【請求項19】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置のコンピュータを、
前記X線照射装置の照射条件が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部、
として機能させるプログラム。
【請求項20】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置であって、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とするX線撮影制御装置。
【請求項21】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置であって、
前記X線照射装置の装置状態が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とするX線撮影制御装置。
【請求項22】
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置であって、
前記X線照射装置の照射条件が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とするX線撮影制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線撮影システム、X線撮影方法、X線撮影制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA;Dual-energy X-ray Absorptiometry。以下、DXA法とも称す)による骨密度測定装置は専用機であり、一般撮影と骨密度測定はそれぞれ別の装置で行われていた。そのため、患者は装置間を移動しなければならず、移動による患者の負担や、技師の業務効率の悪化の課題があった。また、撮影室も一般撮影と骨密度測定用にそれぞれ用意する必要があり、スペースや経済的な負担の課題もあった。
【0003】
そこで、カセッテ型の放射線検出器(FPD;Flat Panel Detector。以下、FPDと称す)を用いた骨密度測定装置が提案されている(特許文献1)。これにより、一般撮影と骨密度測定を、カセッテ型FPDを交換することで、同じ測定装置を用いて行うことができる。この場合、骨密度の値は、撮影条件や撮影状態によっては、導出精度が低下することがあるため、撮影後に撮影条件や画像から導出精度を評価し表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一般撮影とDXA法による骨密度測定を同じ測定装置を用いて行うとなると、測定装置は骨密度測定用の専用装置ではなくなる。そのため、骨密度測定用の撮影オーダーでありながら、一般撮影の状態で撮影を行うなど、ユーザーが撮影方法を誤って撮影する可能性がある。また、カセッテ型FPDは、入れ替えることが可能なため、骨密度検査に適していないFPDを撮影台に装填される可能性もある。さらに、FPDのサイズによっては骨密度測定に必要な範囲のX線画像を取得できなかったり、FPDの機能または性能によってはX線のパルス照射や骨密度測定に必要な精度に対応せず、高精度の骨密度測定用の撮影ができなかったりする、といった不具合も生じる。
【0006】
また、撮影後に評価・表示された骨密度の導出精度が十分なものでなかった場合、再撮影となり、不要な曝射が発生する。
【0007】
したがって、本発明の課題は、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のX線撮影システムは、
二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、
前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、
前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、
前記X線撮影制御装置は、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備える。
【0009】
また、本発明のX線撮影方法は、
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムを用いたX線撮影方法であって、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別ステップと、
前記判別ステップの判別結果に基づく通知を行う通知ステップと、
を含む。
【0010】
また、本発明のプログラムは、
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置のコンピュータを、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部、
として機能させる。
【0011】
また、本発明のX線撮影制御装置は、
エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置と、前記X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器と、前記X線検出器による前記X線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムにおける、前記X線撮影制御装置であって、
前記X線検出器の種別が、前記二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部と、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る放射線撮影システムを表すブロック図である。
【
図2】放射線発生装置と放射線検出器の構成例を示す概略図である。
【
図3】放射線撮影システムが備えるコンソールを表すブロック図である。
【
図4】コンソールが実行するDXA法による撮影可否判別処理を表すフローチャートである。
【
図6】FPD個体情報管理テーブルを示す図である。
【
図7】一般撮影の臥位撮影台の模式図(横図)である。
【
図8】DXA対応臥位撮影台の模式図(横図)である。
【
図9】DXA対応臥位撮影台の模式図(横図)である。
【
図10】DXA対応臥位撮影台の模式図(横図)である。
【
図11】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【
図12】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【
図13】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【
図14】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【
図15】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【
図16】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【
図17】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【
図18】DXA対応臥位撮影台の模式図(斜視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態の放射線撮影システムについて、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。本実施形態の放射線撮影システムでは、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法;Dual-energy X-ray Absorptiometry)によるX線撮影だけでなく、一般撮影も可能である。
なお、DXA法とは、2種類のエネルギー(高kV、低kV)の放射線を測定する部分にあてて、骨と他の軟部組織を区別し、骨の成分のみ測定する方法である。
また、一般撮影とは、1種類の放射線を用いた静止画撮影である。
【0015】
初めに、本実施形態に係る放射線撮影システム100の概略構成について説明する。
図1は放射線撮影システム100を表すブロック図である。
【0016】
本実施形態の放射線撮影システム100は、
図1に示すように、放射線発生装置1と、放射線検出器2と、コンソール3と、サーバー4と、を備えている。
これらは、通信ネットワークNを介して互いに通信可能となっている。
【0017】
なお、放射線撮影システム100(X線撮影システム100)は、図示しない病院情報システム(Hospital Information System:HIS)や、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)、画像解析装置等と接続することが可能となっていてもよい。
【0018】
放射線発生装置1(X線照射装置)は、
図2に示すように、予め設定された照射条件(管電圧や管電流、照射時間、管電流時間積(mAs値)等)に応じた電圧を印加するジェネレーターや、ジェネレーターから電圧が印加されると、管電流に応じた線量の放射線(例えばX線)を生成する放射線源11、Kエッジフィルタ12、スリット13等を備えている。これらは、被写体Hに対向し、被写体H側から、スリット13、Kエッジフィルタ12、放射線源11という順に配置されている。
なお、放射線発生装置1の装置状態とは、後述するSID(Source Image receptor Distance)や、スリット幅(スリット13の開口幅)、フィルタの種類(Kエッジフィルタ12の種類)等である。
【0019】
放射線源11(管球)は、撮影する放射線画像に応じた態様で放射線(例えばX線)を発生させるようになっている。
【0020】
Kエッジフィルタ12は、X線スペクトルのうち、中域レンジのX線を吸収させ、高エネルギーのX線と低エネルギーのX線のエネルギー分離をするためのフィルタである。つまり、Kエッジフィルタ12は、エネルギー分離手段として機能する。例えば、Kエッジフィルタ12には、Gd(ガドリニウム)やCu(銅)などが使われる。
【0021】
スリット13は、骨密度の精度に影響する散乱線成分をできるだけ少なくするためにX線の照射範囲を絞るための機構である。なお、骨密度は経時変化をみることから、非常に高い精度が要求されるため、散乱線成分をできるだけ少なくする必要がある。例えば、放射線源11(管球)に設けられたコリメータを使う方法や放射線源11に外付けでスリット機構をつける方法が挙げられる。
【0022】
なお、放射線発生装置1は、撮影室内に据え付けられたものであってもよいし、コンソール3等と共に回診車と呼ばれる移動体に組み込まれた構成となっていてもよい。
また、Kエッジフィルタ12及びスリット13は、放射線源11に外付けされていてもよい。例えば、放射線源11に、Kエッジフィルタ12及びスリット13の装填部を設けることが挙げられる。
【0023】
放射線検出器2(FPD;Flat Panel Detector)は、図示を省略するが、放射線を受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子や電荷の蓄積・放出を行うスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列された基板や、各スイッチ素子のオン/オフを切り替える走査回路、各画素から放出された電荷の量を信号値として読み出す読み出し回路、読み出し回路が読み出した複数の信号値から放射線画像を生成する制御部、生成した放射線画像のデータ等を外部へ出力する出力部等を備えている。
そして、放射線検出器2は、放射線発生装置1から放射線が照射されるタイミングと同期して、照射された放射線に応じた放射線画像を生成する。放射線発生装置1から放射線が照射されるタイミングと放射線画像を生成するタイミングを同期させる為の照射画像生成同期タイミングは、放射線発生装置1が生成し、後述する通信ネットワークNを介して、放射線検出器2に送られる。放射線検出器2は照射画像生成同期タイミングに基づいて放射線画像を生成する。もしくは、照射画像生成同期タイミングを放射線検出器2が生成し、通信ネットワークNを介して放射線発生装置1に送り、放射線発生装置1は照射画像生成同期タイミングに基づいて放射線を照射するようにしてもよい。尚、通信ネットワークNとは別に照射画像生成同期タイミング用ケーブルを用いて照射画像生成同期タイミングを送信してもよい。また、通信ネットワークNと照射画像生成同期タイミング用ケーブルをまとめて1つのケーブル(通信ネットワーク・照射画像生成同期タイミング共通ケーブル)にしてもよい。
【0024】
なお、放射線検出器2は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線をシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるもの(いわゆる間接型)であってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線から直接電荷を発生させるもの(いわゆる直接型)であってもよい。
また、放射線検出器2は、可搬型(カセッテ型)であり、
図2のように、撮影台Sに装填される。
また、放射線検出器2(カセッテ型FPD)は代表的なサイズとして、14×17インチ、17×17インチ、10×12インチのサイズのものがある。
また、放射線検出器2は、本実施形態では、DXA法による撮影(以下、DXA撮影)対応である必要がある。例えば、後述するスリットでX線を絞りながら管球を移動させて撮影する(スロット撮影などと呼ぶ)場合、X線はパルス照射となるため、パルス照射に対応した制御(たとえばパルス照射の照射タイミングに同期して放射線画像を生成する制御)が可能なFPDである必要がある。
また、放射線検出器2は、後述するFPD個体情報管理テーブルT2を用いて管理される。
【0025】
また、
図2に示す、放射線源11と放射線検出器2の間の距離をSID(Source Image receptor Distance)と呼ぶ。正確には、Sourceは管球である放射線源11の焦点であり、Image receptorは放射線検出器2(FPD)の受像面なので、焦点-FPD間距離である。
【0026】
コンソール3は、画像処理装置,電子機器をなすもので、PCや専用の装置等で構成されている。
また、コンソール3は、他のシステム(HISやRIS等)から取得した撮影オーダー情報やユーザーによる操作に基づいて、各種撮影条件(管電圧や管電流、照射時間、管電流時間積(mAs値)、フレームレート、被写体Hの体格、グリッドの有無等)を撮影装置等に設定することが可能となっている。
【0027】
本実施形態に係るコンソール3は、
図3に示すように、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、表示部34と、操作部35と、を備えている。
各部31~35は、バスにより電気的に接続されている。
【0028】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、制御部31のCPUは、記憶部33に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、コンソール3各部の動作を集中制御するようになっている。
なお、制御部31は、放射線検出器2の種別、放射線発生装置1の装置状態、放射線発生装置1の照射条件が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部として機能する。
また、制御部31は、放射線検出器2のサイズまたは機能または性能が二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適合したサイズまたは機能または性能でない場合に撮影を禁止する第1禁止部として機能する。
また、制御部31は、X線の照射範囲を絞るスリットおよびまたはKエッジフィルタがDXA撮影に適していない場合に撮影を禁止する第2禁止部として機能する。
また、制御部31は、放射線発生装置1と被検体(被写体H)との距離が所定範囲以外の場合に撮影を禁止する第3禁止部として機能する。
【0029】
通信部32は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部32は、通信ネットワークN(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等)を介して接続された他の装置等との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0030】
記憶部33は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、記憶部33は、制御部31が実行する各種プログラムやプログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶している。
なお、記憶部33は、放射線画像を記憶することが可能となっていてもよい。また、記憶部33は、撮影方法に関する情報(後述する撮影方法管理テーブルT1)やFPDの個体情報(後述するFPD個体情報管理テーブルT2)を記憶することが可能となっていてもよい。
【0031】
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の画像を表示する表示装置、発光するランプ(LED等)、音声を出力するスピーカー、振動する振動子等により構成されている。
なお、表示部34は、制御部31の判別結果に基づく通知を行う通知部として機能する。
【0032】
操作部35は、カーソルキーや、数字入力キー、各種機能キー等を備えたキーボードや、マウス等のポインティングデバイス、表示装置の表面に積層されたタッチパネル等によって構成されている。
そして、操作部35は、ユーザーによってなされた操作に応じた制御信号を制御部31へ出力するようになっている。
【0033】
このように構成されたコンソール3の制御部31は、例えば撮影台Sに放射線検出器2が装填されたこと等を契機として、
図4に示すようなDXA法による撮影可否判別処理(DXA撮影可否判別処理)を実行する機能を有している。
【0034】
サーバー4は、PCや専用の装置、クラウド上の仮想サーバー等で構成されている。
また、サーバー4は、データベース41を有している。
データベース41には、撮影方法に関する情報(撮影方法管理テーブルT1)やFPDの個体情報(FPD個体情報管理テーブルT2)が記憶されている。
ここで、
図5に示す撮影方法管理テーブルT1を説明する。撮影方法管理テーブルT1とは、撮影方法ごとに、撮影に関する情報を管理するテーブルである。撮影情報とは、患者情報及び検査情報である。例えば、撮影方法に対応した、SID、管電圧、スリット幅、フィルタ、必要パネルサイズ等が挙げられる。
次に、
図6に示すFPD個体情報管理テーブルT2について、説明する。FPD個体情報管理テーブルT2とは、FPDごとに、個体情報を管理するテーブルである。個体情報とは、例えば、パルス照射可否、骨密度測定可否などの機能や、画素サイズや対応可能なフレームレート等の性能や、パネルサイズ等が挙げられる。後述される放射線検出器2(X線検出器)の種別とは、FPD個体情報管理テーブルT2の列名の組み合わせである。放射線検出器2(X線検出器)の種別により、DXA撮影可否が分類される。
なお、本実施形態においては、コンソール3等から独立したサーバー4にデータベース41が設けられていることとしたが、データベース41は、コンソール3内に設けられていてもよいし、放射線撮影システム100が備える他の装置内に設けられていてもよい。
また、放射線撮影システム100にPACS等の他のシステムが接続される場合には、他のシステム内に設けられたものであってもよい。
【0035】
このように構成された本実施形態に係る放射線撮影システム100は、放射線発生装置1の放射線源と放射線検出器2とを間を空けて対向配置し、それらの間に配置された被写体Hへ放射線源から放射線を照射することにより、被写体Hの放射線画像を撮影することが可能である。
【0036】
放射線画像が静止画である場合(静止画撮影;一般撮影)には、1回の撮影操作につき放射線の照射及び放射線画像の生成を1回だけ行い、放射線画像が動画である場合(動態撮影;シリアル撮影)には、1回の撮影操作につきパルス状の放射線の照射及びフレーム画像の生成を短時間に複数回(例えば1秒間に15回)繰り返す。
【0037】
DXA法による撮影では、
図2に示す矢印のように、放射線源11を直線移動させることにより、スリット13により絞られた照射範囲を被写体Hに対して移動させることで、スキャン撮影を行う。
なお、DXA法では、高エネルギーと低エネルギーの2種類の異なるエネルギーのX線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差により骨密度を測定するため、例えば、往路では、放射線源11の管電圧を70kVとし、Kエッジフィルタ12をGdとし、スキャン撮影を行い、復路では、放射線源11の管電圧を110kVとし、Kエッジフィルタ12をCuとし、往復スキャン撮影を行う方法が挙げられる。
また、照射範囲ごとに、放射線源11の管電圧やKエッジフィルタ12を切り替えながら一方向スキャン撮影を行う方法でもよい。
また、照射範囲ごとに、放射線源11は、パルス照射を行う。これは、撮影範囲を1回で曝射すると散乱線の影響が大きくなり、骨密度の精度に影響が出るためである。そのため、スリットを使って照射範囲を絞り、照射範囲ごとにパルス照射を行うことで、散乱線の影響を低減することができる。
また、放射線検出器2上での照射範囲は、スリット13の幅やSIDで決定される。
【0038】
次に、
図4のフローチャートを用いてDXA撮影可否判別処理を説明する。DXA撮影可否判別処理とは、制御部31が、放射線撮影システム100がDXA撮影可能な状態か否か判別する処理である。なお、ユーザーである撮影実施者(放射線技師)により操作部35が操作され、被写体Hの患者情報、検査情報の入力は既に行われているものとする。
なお、撮影方法管理テーブルT1に基づき、自動的に放射線発生装置1の設定がなされてもよい。例えば、SIDであれば、放射線源11を固定する装置(例えば、アーム等)を自動で動かすことにより、SIDが設定される。また、例えば、管電圧であれば、放射線源11にかけられる予定の管電圧が自動で設定される。本装置では一般撮影とDXAの両方を1つの装置で実施できるが故に、一般撮影向けのSIDや管電圧等の撮影条件をDXA撮影に誤って適応してしまう可能性があるが、このようにすることで人的ミスを減らす事ができる。
【0039】
まず、制御部31は、ユーザーが検査開始することを契機に、RIS等から取得した撮影オーダー情報から、実施される撮影がDXA撮影か否か判別する(ステップS1)。DXA撮影である場合(ステップS1;YES)、ステップS2に進み、DXA撮影でない場合(ステップS1;NO)、DXA撮影可否判別処理を終了する。
【0040】
次に、制御部31は、撮影実施者により撮影台Sに装填されたFPDはDXA撮影が可能なものか、データベース41に記憶されているFPDの個体情報を基に判別する(ステップS2)。DXA撮影可能である場合(ステップS2;YES)、ステップS3に進み、DXA撮影可能でない場合(ステップS2;NO)、ステップS8に進む。
具体的には、制御部31は、
図6に示すFPD個体情報管理テーブルT2のパルス照射可否や骨密度測定可否が両方可の場合、DXA撮影用のFPDと判別する。
尚、FPD個体情報管理テーブルT2を用いた判別ではなく、DXA撮影可能か否かの情報(一般撮影とDXA撮影の両方の撮影が可能であることを示す情報、または、DXA撮影不可であることを示す情報あるいは一般撮影のみ可能であることを示す情報)を個々のFPDに記憶しておき、その情報に基づき、装填されたFPDがDXA撮影可能か否かを判別してもよい。
【0041】
次に、制御部31は、撮影実施者により撮影台Sに装填されたFPDのサイズが適切か、データベース41に記憶されているFPDの個体情報を基に判別する(ステップS3)。サイズが適切な場合(ステップS3;YES)、ステップS4に進み、サイズが適切でない場合(ステップS3;NO)、ステップS8に進む。
具体的には、制御部31は、
図5に示す撮影方法管理テーブルT1の必要パネルサイズと
図6に示すFPD個体情報管理テーブルT2のサイズを用いて、判別する。例えば、
図5に示す撮影方法管理テーブルT1の必要パネルサイズに示すように、DXA撮影で撮影する部位は、腰椎や大腿骨であることが多く、10×12ではサイズが不足することが考えられるため、FPD個体情報管理テーブルT2のサイズが10×12のFPDが装填された場合は撮影を許可しないといったケースが挙げられる。
【0042】
次に、制御部31は、非図示の、放射線源11を固定する装置(例えば、アーム等)の位置情報を基に、SIDを算出し、SIDはDXA撮影用に設定した所望のSIDか、撮影方法管理テーブルT1を基に判別する(ステップS4)。SIDが適切な場合(ステップS4;YES)、ステップS5に進み、SIDが適切でない場合(ステップS4;NO)、ステップS8に進む。
具体的には、制御部31は、算出されたSIDが、
図5に示す撮影方法管理テーブルT1におけるDXA撮影のSID(
図5では120cm)に対し所定範囲の距離であるかいなか判別する。なお、撮影方法管理テーブルT1に基づき、自動でSIDが設定される場合、ステップS4は実行しないとしてもよい。自動でSIDが設定される場合でも、自動設定後に手動でSIDが変更されたことが検出された場合はステップS4を実行するようにしてもよい。このようにすることで自動操作と手動操作が混在するケースでも確実に判別が可能になる。
【0043】
次に、制御部31は、放射線源11にかけられる管電圧がDXA撮影用に設定した所望の管電圧か、撮影方法管理テーブルT1を基に判別する(ステップS5)。管電圧が適切な場合(ステップS5;YES)、ステップS6に進み、管電圧が適切でない場合(ステップS5;NO)、ステップS8に進む。
具体的には、制御部31は、設定された管電圧が、
図5に示す撮影方法管理テーブルT1の管電圧と等しいか判別する。なお、撮影方法管理テーブルT1に基づき、自動で管電圧が設定される場合、ステップS5は実行しないとしてもよい。自動で管電圧が設定される場合でも、自動設定後に手動で管電圧が変更されたことが検出された場合はステップS5を実行するようにしてもよい。このようにすることで自動操作と手動操作が混在するケースでも確実に判別が可能になる。
なお、管電圧がDXA撮影に適した所定範囲内の電圧か判別するようにしてもよい。
【0044】
次に、制御部31は、撮影実施者により装填されたスリット13の幅がDXA撮影用に設定した所望のスリット幅か判別する(ステップS6)。スリット幅が適切な場合(ステップS6;YES)、ステップS7に進み、スリット幅が適切でない場合(ステップS6;NO)、ステップS8に進む。
具体的には、制御部31は、装填されたスリット13の幅が、
図5に示す撮影方法管理テーブルT1のスリット幅と等しいか判別する。
なお、スリット幅がDXA撮影に適した所定範囲内の幅か判別するようにしてもよい。
【0045】
次に、制御部31は、撮影実施者により装填されたKエッジフィルタ12はDXA撮影用に設定した所望のフィルタか判別する(ステップS7)。フィルタが適切な場合(ステップS7;YES)、処理は終了し、フィルタが適切でない場合(ステップS7;NO)、ステップS8に進む。
具体的には、制御部31は、装填されたKエッジフィルタ12が、
図5に示す撮影方法管理テーブルT1のフィルタと等しいか判別する。
なお、前記スリット13とKエッジフィルタ12が放射線源11に外付けされていない場合にステップS8に進むようにしてもよい。
【0046】
次に、制御部31は、撮影を禁止(不許可)する(ステップS8)。
次に、制御部31は、表示部34に警告表示する(ステップS9)。警告表示は、適宜上記ステップS1~ステップS7の内容に応じたメッセージ(「DXA撮影を許可しない。」「DXA撮影に適さないカセッテFPDが装填されました。」「SIDが不適切。」等)や音声、振動などにより表示(通知)する。メッセージの前にNGを示すアイコンを表示して、そのアイコンを押下するとNGの理由を示すメッセージを表示するようにしてもよい。逆にDXAに必要な全ての条件が揃った場合は、ユーザーにそのことが明確に伝わるように「DXA撮影可能です」などのメッセージを表示する、又は、それを示すアイコンを表示しても良い。
なお、撮影を禁止した上で、警告表示する場合に限られず、撮影を禁止(ステップS8)のみ、または、警告表示(ステップS9)のみ実施するよう設定してもよい。
【0047】
(その他変形例)
(撮影許可/警告)
なお、制御部31は、ステップS4において上記のようにDXA撮影時は所定のSID以外にするとステップS8にて警告および/又は撮影不許可とするが、一般撮影時は撮影許可としてもよい。
また、オートトラッキング(放射線撮影システム100が、自動でSIDを設定)のSID設定を一般撮影の場合はユーザーが設定可能とし、DXA撮影の場合はユーザー設定不可としてもよい。例えば、DXA撮影時は、オートトラッキングにより設定されたSIDを、放射線撮影システム100が固定し、変更できないようにする。この場合、ステップS4は実行しないとしてもよい。DXA撮影ではSIDは固定長とするため、このようにすることで、ユーザーが間違ってSIDを所定の距離以外にする誤操作を防止することができる。
【0048】
また、制御部31は、一般撮影時はユーザーによる任意の付加フィルタ切り替えを許可し、DXA撮影時はフィルタ切り替えを許可しないとしてもよい。なぜなら、DXA撮影時はエネルギー分離用に使用する特有のフィルタ(Kエッジフィルタ12)が決まっており、一方で、一般撮影ではユーザー側でどの付加フィルタを使うかを選択できることから、一般撮影の習慣でDXA撮影に適さないフィルタを使うと骨密度の測定精度が出ないためである。例えば、DXA撮影時はフィルタが切り替えられるとステップS8、S9にて警告および/又は撮影不許可としたり、DXA撮影用特殊フィルタは一般撮影時に選択不可にする、または、警告および/又は撮影不許可としたりする。上述の通り、DXA撮影時は特有のフィルタが決まっており、ユーザーの選択の余地がないことから、DXA撮影時はUI上でフィルタ切替の変更アイコンを表示しない、又は、グレーアウトして選択不可とするようにしてもよい。また、一般撮影時はDXA撮影時の特有のフィルタで使用することがないため、DXA撮影時の特有のフィルタは、間違えて選択されないように選択時の表示から除外してもよい。このようにすることで、ユーザーが間違って所定のフィルタ以外のものに変更してしまうことを防止することができる。
【0049】
また、制御部31は、DXA撮影可否判別処理においてステップを追加し、DXA撮影開始前に、管球の角度情報(+パネル角度)から角度が適切かどうかを判定し、ステップS8、S9にて警告および/又は曝射不許可としてもよい。前回撮影の状態次第で管球が傾いているケースも考えられるが、このようにすることで、所定の角度以外で撮影が開始され、無駄な撮影になってしまうことを防止することができる。
また、制御部31は、DXA撮影可否判別処理においてステップを追加し、撮影台SのテーブルT(天板T)が所定のものと異なる場合に、警告および/又は撮影不許可としてもよい。パネルがどの撮影台に装填されるかはユーザー次第であるため、DXA対応の撮影台でないものに誤って装填してしまう可能性があるが、このようにすることで、パネル装填ミスに撮影前に気付くことが可能となる。なお、DXA対応の撮影台かどうかは撮影台に備え付けるパネルとのI/FケーブルにユニークなIDを書き込んでおき、更に、ユニークなIDは撮影台の種別を紐づけておき、パネルがI/Fケーブルと接続されたときにユニークなIDを読み込んで、どの撮影台に装填されたかを判断するような方法が考えられる。
【0050】
また、制御部31は、DXA撮影時はAEC(Auto Exposure Control)をOFFにしてもよい。AECはパネル近くで電力を使うためノイズ源となる可能性があり、そのノイズ成分が骨密度の結果に影響を与える可能性があるための措置である。このようにすることで、AECの外乱影響を回避することができる。
また、制御部31は、一般撮影時はユーザーによるAECのON/OFF切り替えを許可し、DXA撮影時はAECのON/OFF切り替え不許可としてもよい。上述の通り、AECはノイズ源となる可能性があり、DXA撮影ではOFFとしたくなる場合があるが、このようにすることでユーザーが誤ってDXA撮影でAECをONにしてしまい、骨密度に所望の結果が得られない事態を回避することができる。
【0051】
ここで、AECについて説明する。AECは一般撮影においては、被写体に応じた照射条件を自動で導出してくれるため撮影者の負担軽減に役立つが、DXA撮影においては被写体を透過した後のX線がAECに入射されて散乱線が発生するため、AECは被写体とFPDの間に無い方が望ましい。
一般的にはAECは胸部撮影に最も用いられ、胸部撮影の多くは立位撮影台を用いて行われるため、DXA撮影と一般撮影の両方に対応したX線撮影システムでは、DXA撮影を行う臥位撮影台にはAECを設けず、DXA撮影に対応しない撮影台(例えば立位撮影台)にはAECを設けるようにするとよい。
また、立位撮影台と臥位撮影台合わせて3つ以上の撮影台がある場合、その内の1つの撮影台をDXA撮影に対応したものにし、少なくともその撮影台にはAECを設けずに他の撮影台にAECを設けるとよい。例えば臥位撮影台が2つ、立位撮影台が1つある場合は、臥位撮影台の1つをDXA撮影用としてAECを設けず、もう1つの臥位撮影台と立位撮影台にAECを設ける。このようにすることでDXA撮影と一般撮影の利便性を両立することができる。
ただし、この場合、AECを設けた臥位撮影台でDXA撮影を実施してしまうとAECによる散乱線が発生してしまう。その為、制御部31は、DXA撮影可否判別処理においてステップを追加し、DXA撮影において撮影者が選択した撮影台がAECを設けた撮影台である場合は、ステップS8、S9にて警告および/又は曝射不許可としてもよい。もしくは、AECを設けていない撮影台が選択されていることをDXA撮影許可条件の1つに使用してもよい。
【0052】
上記X線撮影システム100はAECを設けない撮影台SをもつことでDXA撮影時のAECによる散乱線影響を回避しているが、撮影台SのAECと放射線検出器2の配置を工夫することで散乱線影響を回避することもできる。
通常、
図7に示すように、一般撮影に用いる臥位撮影台ST1は、患者をのせる天板Tの下に、グリッドを挿入できるグリッド用スペースSP(グリッドスロット)があり、その下にAECが配置され、その下に放射線検出器2を挿入できる第1のFPD用スペースSP1(FPDトレー)があり、第1のFPD用スペースSP1から放射線検出器2を出し入れできるようになっている(FPDトレーを撮影台から引き出して、トレーに放射線検出器2をセット・固定し、トレーを撮影台に押し入れる。外す時はその逆の手順で行う。)。
これに対して、
図8に示すように、患者をのせる天板Tの下に、放射線検出器2を挿入できる第2のFPD用スペースSP2をさらに設け、DXA撮影時には第2のFPD用スペースSP2に放射線検出器2を挿入して撮影するDXA対応臥位撮影台ST2を持ってもよい。このDXA対応臥位撮影台ST2では患者(被写体H)と放射線検出器2の間にAECが無いためAEC起因の散乱線影響を回避できる。第2のFPD用スペースSP2は、グリッド用スペースSPとAECの間にあってもよい。
もしくは、
図9に示すように、グリッド用スペースSPを第2のFPD用スペースSP2と兼用し(兼用スペースSP3)、グリッドもしくは放射線検出器2が挿入できるようにしてもよい。
もしくは、
図10に示すように、患者の載せる天板Tの上部に、第2のFPD用スペースSP2を設けてもよい。なお、天板Tの上部に第2のFPD用スペースSP2を設ける場合は、
図11に示すように天板Tの中央部に放射線検出器2をはめ込むことができる矩形状のくぼみを設け、そこにDXAに使用する放射線検出器2を、
図12のように収納できるようにする。
第2のFPD用スペースSP2には
図11に示すように放射線検出器2の通信ネットワークNとのインタフェースや照射画像生成同期タイミング用のインタフェースや電源インタフェースが設けられ、放射線検出器2を本スペースに格納すると共にこれらのインタフェースに接続できるようになっている。これらのインタフェースはそれぞれ分離されていてもよいし、
図11の通信ネットワーク・照射画像生成同期タイミング共通ケーブルN1のように複数のインタフェースを1つのケーブル・コネクタCNに統合されていてもよい。
また、
図13に示すように放射線検出器2を収納した後は本スペースにカバーCVを付けられるようになっており、これにより天板Tの段差に起因する患者の肉体的負担(背中の痛みなど)を軽減できる。本カバーCVは放射線検出器2が収納されていない時もつけることができ、一般撮影でAEC撮影を行う際には放射線検出器2は第1のFPD用スペースSP1に格納し、第2のFPD用スペースSP2には放射線検出器2を格納せずに第2のFPD用スペースSP2にカバーを取り付けた状態で撮影する。このようにすることで第2のFPD用スペースSP2の放射線検出器2が映り込むことを防ぐことができる。
また、
図14、
図15、
図16のように第2のFPD用スペースSP2の矩形状のくぼみの1辺の全てもしくは一部を天板Tの端から開放するようにしてもよい。このようにすることで、矩形状の窪みにするよりも放射線検出器2の出し入れが容易になる。例えば、
図16のように第2のFPD用スペースSP2のカバーCVを付けた状態で、第2のFPD用スペースSP2に天板Tの端の開放部Oから放射線検出器2を入れることができ、すなわち患者を天板Tにのせた状態で放射線検出器2を出し入れすることができ、利便性が高まる。また、通信ネットワーク・照射画像生成同期タイミング共通ケーブルN1を、開放部Oを通して引きまわす構成にしておけば、第2のFPD用スペースSP2を使わないときに、ケーブルN1を第2のFPD用スペースSP2から撤去することができる。これにより一般撮影でAEC撮影を行う際に、ケーブルの映り込みの心配をしなくよくなる。
また、別の構成として、天板Tに窪みを設けず、天板Tの上に放射線検出器2を置いてもよい。この場合は一般撮影時には天板Tの上に患者が直接のるが、DXA撮影には、天板Tの上の放射線検出器2を置き、その上に患者がのることになる。患者が放射線検出器2に乗る際や撮影中の患者の体動によって放射線検出器2の配置がずれるとDXA撮影に適さない配置になり撮影が失敗する可能性があるため、
図17に示すように、天板Tには放射線検出器2の配置すれを防ぐ為に放射線検出器2の辺および/または角に引っかかる凸状の出っ張り(FPD配置ガイドG1)を設けるとよい。
FPD配置ガイドG1は少なくとも2つ以上(4つ以上が望ましい)の辺および/または角にひっかかるように配置する。撮影者は放射線検出器2を天板Tに置く際にFPD配置ガイドG1と放射線検出器2の辺および/または角をあわせるだけで放射線検出器2をDXA撮影に適した位置に配置できるため作業性も高まる。このように天板Tの上に放射線検出器2を配置し、その上に患者がのる場合、放射線検出器2の段差が患者の肉体的負担になる。その為、
図17に示すように、第2のFPD用スペースSP2の周囲には、段差を解消するためのかさ上げ材Bを配置できるかさ上げ材配置スペースSP4を設ける。患者を放射線検出器2およびかさ上げ材Bの上にのせてポジショニングした際に、かさ上げ材Bの配置がずれてしまうと患者をおろしてかさ上げ材Bを再配置し、再度ポジショニングを行う必要があり手間である。その為、かさ上げ材配置スペースSP4にはかさ上げ材Bの一部が引っかかるかさ上げ材用の凸状の出っ張り(かさ上げ材配置ガイドG2)を設けることで、かさ上げ材Bがずれるのを防ぐ(
図17、
図18)。
なお、かさ上げ材配置ガイドG2が天板T中心付近に多く存在すると、一般撮影時に天板Tに直接患者がのる場合に、患者が出っ張りを感じ、患者の肉体的負担になる。それを回避するために、かさ上げ材配置ガイドは、天板Tの中止付近には配置せず天板Tの辺周辺(例えば天板Tの端から内側10cmまで領域)に配置するとよい。
また、このようにFPD配置ガイドG1とかさ上げ材配置ガイドG2を設けると、放射線検出器2およびかさ上げ材Bをそれぞれどちらのガイドに従うべきかがわかりにくくなる為、FPD配置ガイドG1とかさ上げ材配置ガイドG2の形状および/または色を変えることで判別を容易にするとよい。もしくはそれぞれのスペースにFPD用スペースであるかかさ上げ材用スペースであるかが判別できる表示をつけるようにしてもよい。
ここまでDXA対応臥位撮影台ST2をX線撮影システム100に持たせることについて説明したが、X線撮影システム100は撮影台Sを複数持ち、その一部は上記で説明したDXA対応撮影台とし、それ以外はDXA非対応撮影台としてよい。この場合、DXA非対応撮影台でDXA撮影を実施してしまうとAECによる散乱線が発生してしまう。その為、制御部31は、DXA撮影可否判別処理においてステップを追加し、DXA撮影において撮影者が選択した撮影台がDXA非対応撮影台である場合は、ステップS8、S9にて警告および/又は曝射不許可としてもよい。もしくはDXA対応撮影台が選択されていることをDXA撮影許可条件の1つに使用してもよい。
上記で説明したDXA対応撮影台はDXA撮影に使用する放射線検出器2が第1のFPD用スペースSP1にある場合は散乱線影響を受けてしまう為、DXA撮影に使用する放射線検出器2が第2のFPD用スペースSP2に配置される必要がある。これに対して、X線撮影システム100は第2のFPD用スペースSP2に放射線検出器2が配置されたことを検知する機構を持ち、制御部31は、DXA撮影可否判別処理においてステップを追加し、DXA撮影の場合に放射線検出器2が第2のFPD用スペースSP2に配置されていない場合は、ステップS8、S9にて警告および/又は曝射不許可としてもよい。もしくは第2のFPD用スペースSP2に放射線検出器2が配置されていることをDXA撮影許可条件の1つに使用してもよい。さらに第2のFPD用スペースSP2に配置された放射線検出器2の個体もしくは種別を識別できる機構を持ち、第2のFPDスペースに放射線検出器2が配置されていても、放射線検出器2の個体もしくは種別がDXA撮影に適したものでない場合、もしくは、撮影者が選択した放射線検出器2と異なる個体もしくは種別である場合、ステップS8、S9にて警告および/又は曝射不許可としてもよい。もしくは、第2のFPD用スペースSP2に放射線検出器2が配置されており、かつ、放射線検出器2の個体もしくは種別がDXA撮影に適している、もしくは撮影者が選択した放射線検出器2と合致することを、DXA撮影許可条件の1つに使用してもよい。
【0053】
また、制御部31は、DXA撮影可否判別処理においてステップを追加し、グリッドの装填状態が所定のものと異なる場合に、警告および/又は撮影不許可としてもよい。一般撮影ではグリッド装填有無はユーザーにより任意であるが、DXA撮影ではグリッドを装填しない、又は、装填するグリッドの仕様を固定するなど所定の条件を予め決めて骨密度算出の計算をするためである。このようにすることで意図しない条件で撮影がなされ、骨密度に所望の結果が得られない事態を回避することができる。
また、
図4のフローチャートではS1~S7でDXA撮影可否判別処理をしているが、S1~S7の順序である必要はなく、順番を入れ替えたり、同時に判断したりしてもよい。
【0054】
(撮影支援)
また、制御部31は、スリット13に放射線発生装置1のコリメータを使用する場合、目標の開口と現在の開口の関係を表示して、ステップS8にて開口幅の設定を支援してもよい。開口幅によってパネルに照射される照射エリアが決まるため、ミリ単位で開口幅を所定の幅に合わせる必要があるが、目視で合わせることは困難であるため、それを支援する。表示は、目標の開口と現在の開口の関係をデジタル値として表示してもよいし、現在の開口幅だけをデジタル表示してもよい。このようにすることで、手動での開口幅の合わせ込みもミリ単位で行うことができる。
また、制御部31は、一般撮影画像(DXA撮影前に実施するプレ撮影)から、撮影系の位置情報、画像として中心にくるべき縦横の位置補正量を算出し、コンソール3や患者近くに配置する別モニタに表示する。撮影系の位置移動量も同時に見える化し、位置合わせをサポートすることができる。なお、放射線撮影システム100でオートポジショニングができれば、位置情報を元にオートにて位置合わせしてもよい。これは、プレ撮影で取得した静止画のうち、DXA撮影で必要な部位がROI(Region of Interest)に入っていない場合、正確な骨密度の測定ができないため、プレ撮影で取得した画像を使ってDXA撮影に必要なポジショニングを支援することを目的としている。
また、制御部31は、前回の撮影画像を表示してもよい。骨密度の経過観察のため前回と同条件(すなわち、同ポジショニング)で撮影することが好ましい。前回の撮影画像を表示することで、前回と今回撮影のポジショニングの差分をユーザーが認識してポジショニング状態を微修正することができる。
また、制御部31は、腰椎の曲がりなどがあれば、ポジショニングに注意を促してもよい。例えば、縦横の位置補正量を算出し、コンソールに表示してもよい。腰椎の曲がりなど患者の状態によっては、その状態を考慮したポジショニングが必要となるため、注意を促すことでポジショニングによる撮影の失敗のリスクを下げることができる。また、前回撮影時のポジショニングを再現するための位置補正量を算出、表示することで、直感的にポジショニングを微修正することができる。
また、制御部31は、撮影のステータスや指示を撮影者にわかりやすく表示してもよい。例えば、往路中なのか復路中なのかをグラフィカルに表示したり、撮影中の音を変えたり、LEDの色を変えたり、撮影完了までの残り時間を表示したりする。往路、復路と管球の移動を伴う撮影は必ずしも一般的な方法ではないため、復路があることを忘れて曝射スイッチを離して照射を中断してしまうことや、撮影中に現在が往路なのか復路なのかが分からなくなってしまう場合が想定される。このようにすることで、現在の撮影の状態を直感的にユーザーに認識させ、ユーザーの勘違いによる撮影失敗のリスクを低減することができる。
【0055】
(機器構成)
また、制御部31は、管電圧kVや管電流、管電流時間積mAs値を放射線発生装置1の持つスペック以上の高精度で制御する必要がある場合があるため、放射線源11に線量計を備えるか、放射線発生装置1から線量情報を送信するかの手段で、線量情報をコンソール3に入力し、線量のバラつきによる画像上の信号値バラつきを補正してもよい。放射線発生装置1はDXA撮影で求める精度で照射することができない場合が多いが、このようにすることで、同一線量で照射したのと同等の効果が得られる。なお、線量計に変わるものとして、放射線発生装置1が出力する線量情報を元にしてもよい。
また、制御部31は、管球(放射線源11)に取り付けた可視光カメラおよび/又は測距センサ(測距カメラ)によって、SSD(Source Skin Distance;管球焦点から被写体Hの表面までの距離)を導出してもよい。例えば、制御部31は、放射線発生装置1のメカ的配置情報から取得したSIDからSSDを引いて体厚を出し、散乱線補正(体厚が大きい場合は、線量を増やす必要があり、その結果、散乱線も増えるため、補正がより必要)に利用してもよい。また、SSDを、撮影条件の自動導出に使用しても良い。
【0056】
(コンソール)
また、制御部31は、一般撮影とDXA撮影と制御するため、同一検査内で一般撮影とDXA撮影を可能とし、各撮影画像を紐づけて管理してもよい。DXA撮影前にはほとんどの場合、静止画撮影(一般撮影)をするため、これらを同一検査としてグルーピングして管理すると、以降のユーザー側の画像や検査の管理がスムーズとなる。
また、制御部31は、現在どちらの撮影モードで動いているかをユーザーに的確に伝えるため、DXA撮影モードであることをコンソール3の表示部34に表示してもよい。一般撮影とDXA撮影を連続で実施する場合に、撮影モードが切り替わっておらず、撮影準備を進め、いざ撮影しようとしたときに撮影が開始できなかったなどの理由でワークフローの遅延が想定されるが、このようにすることで、ユーザーは現在の撮影を直感的に認識することができ、操作の手戻りが無く効率的な撮影を実施することができる。
また、制御部31は、一般撮影、DXA撮影において、無線の許可を切り替えてもよい。DXA撮影は撮影時の電力消費が一般撮影より大きいため、有線撮影でパネルに給電しながら撮影する方法が好ましい。この場合、転送速度の速い有線での通信や画像転送を行うことが好ましい。このためDXA撮影では無線設定をする必要は無いため、例えば、DXA撮影時は無線に切り替えることを許可しない制御を入れ、一般撮影では無線に切り替えも可能とする。このようにすることで、撮影モードによって常にシステム性能が最適な状態で撮影をすることができる。
また、制御部31は、使用する撮影台Sの種別情報に基づいて、散乱線補正の処理パラメータを変えてもよい。例えば、撮影台SのテーブルTの種類や、テーブルT~FPDまでの距離などによって、異なるパラメータを使用してもよい。
【0057】
(プレ撮影)
また、制御部31は、無駄なDXA撮影を防止の観点から、DXA用のポジショニング後に静止画撮影(プレ撮影)し、撮影可否を判別してもよい。例えば、プレ撮影で取得した静止画のうち、DXA撮影で必要な部位がROIに入っていないなどの理由でDXA撮影ができないことをプレ撮影の画像から画像認識で判断した場合、DXA撮影ができないことをコンソールから通知する。このようにすることで、DXA撮影に入る前に、不適切な状態(例えば、患者のポジショニング)であることがユーザーに分かり、無駄なDXA撮影を防止することができる。
また、制御部31は、経過観察の観点ではポジショニングの再現性が重要であるため、前回DXA撮影時のプレ撮影画像と今回のプレ撮影画像を比較し、ポジショニングの再現性を評価してもよい。
また、制御部31は、プレ撮影の静止画で当該部位(腰椎や大腿骨)の体厚推定をして、DXA撮影時の線量を調整してもよい。例えば、体厚に大・中・小という3つの範囲を定義し、それに該当する撮影条件(管電圧kVや管電流時間積mAs)を紐づけて定義しておき、体厚推定で得られた体厚から自動で線量を調整する。このようにすることで、ユーザーの判断に依存せず、患者の体型に合わせた適切な撮影条件でDXA撮影をすることができる。
また、制御部31は、プレ撮影画像から照射が必要な範囲を導出し、そこから管球の移動範囲を決めてもよい。例えば、DXA撮影では腰椎や大腿骨などの測定部位毎に、撮影範囲に入っているべき箇所がガイドラインなどで示されている。これらの必要部分を最低限含み、かつ、一定のマージンを加えて照射が必要な範囲を決定するなどが考えられる。このようにすることで、患者のポジショニング状態に依存せず、常に最適な照射範囲で撮影することができ、かつ、ユーザーの照射範囲決めの操作自体も省略ができる。なお、プレ撮影を行っていない場合はパネル全体を移動範囲としてもよい。また、照射が必要な範囲は、被写体の構造から決めてもよいし、プレ撮影の照射野としてもよいし、ユーザーが画面上で指示してもよい。
また、制御部31は、コリメータの開口幅とSID情報からDXAの撮影範囲を導出し、それに基づき、管球の移動範囲を決めてもよい。
また、制御部31は、管球カメラ(放射線源11に設けたカメラ)から照射野を割り出し、管球の移動範囲を決めてもよい。
【0058】
(撮影中)
また、制御部31は、往路/復路反転の際にオフセット補正用の暗画像を更新してもよい。
また、制御部31は、オフセット画像更新と同時に、往路と復路で残像補正を切り替えてもよい。
【0059】
(効果等)
以上のことから、X線撮影システム(放射線撮影システム100)は、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備え、X線撮影制御装置(コンソール3)は、X線検出器の種別が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部(制御部31)と、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部(表示部34)と、を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0060】
また、X線撮影システム(放射線撮影システム100)は、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射するX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備え、X線撮影制御装置(コンソール3)は、X線照射装置の装置状態が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部(制御部31)と、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部(表示部34)と、を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0061】
また、X線撮影システム(放射線撮影システム100)は、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムであって、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射するX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備え、X線撮影制御装置(コンソール3)は、X線照射装置の照射条件が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいないかを判別する判別部(制御部31)と、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部(表示部34)と、を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0062】
また、X線照射装置(放射線発生装置1)は、複数回の照射により二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影を行うことで、撮影範囲を1回で曝射すると散乱線の影響が大きくなり、骨密度の精度に影響が出てしまうが、スリットを使って照射範囲を絞り、複数回曝射することで散乱線の影響を低減することができる。
【0063】
また、複数回の照射は少なくとも異なる管電圧で曝射することで、つまり、高エネルギーと低エネルギーの2種類の異なるエネルギーのX線を照射することで、骨と軟部組織を区別できる。
【0064】
また、X線検出器(放射線検出器2)の種別は、X線検出器のサイズまたは機能または性能であって、通知部(表示部34)は、X線検出器のサイズまたは機能または性能が二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適合したサイズまたは機能または性能でない場合に通知することで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0065】
また、X線撮影制御装置(コンソール3)は、X線検出器のサイズまたは機能または性能が二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適合したサイズまたは機能または性能でない場合に撮影を禁止する第1禁止部(制御部31)を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0066】
また、判別部は、X線の照射範囲を絞るスリットおよびまたはKエッジフィルタがDXA撮影に適していない場合に、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適していないと判別することで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0067】
また、X線撮影制御装置は、X線の照射範囲を絞るスリットおよびまたはKエッジフィルタがDXA撮影に適していない場合に撮影を禁止する第2禁止部(制御部31)を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0068】
また、スリットとフィルタは、X線照射装置に外付けで取り付けられることで、一般撮影装置に後からDXA撮影をオプション追加する場合、管球内にこれらの機構を設けられないケースでも、外付けなので設けることが可能となる。
【0069】
また、照射条件とは、被検体との距離、管電圧のいずれか1つを含むことで、経時的な骨密度を適切に測定することができる。つまり、骨密度検査は被検者の経時的な微妙な変化を測定するため、SIDや管電圧などの撮影条件を固定にするほうが望ましく、SIDや管電圧がDXA撮影として規定した条件外での撮影になる場合には撮影を許可しないことで、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0070】
また、照射条件は、X線照射装置と被検体との距離であって、判別部は、距離が所定範囲以外の場合に二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適していないと判別することで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0071】
また、X線撮影制御装置は、距離が所定範囲以外の場合に撮影を禁止する第3禁止部(制御部31)を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0072】
また、X線撮影方法は、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備え、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)を用いたX線撮影方法である。かかるX線撮影方法は、X線検出器の種別が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別ステップと、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知ステップと、を含むことで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0073】
また、X線撮影方法は、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)を用いたX線撮影方法である。かかるX線撮影方法は、X線照射装置の装置状態が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別ステップと、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知ステップと、を含むことで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0074】
また、X線撮影方法は、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)を用いたX線撮影方法である。かかるX線撮影方法は、X線照射装置の照射条件が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別ステップと、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知ステップと、を含むことで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0075】
また、プログラムは、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)において、X線撮影制御装置に用いられる。かかるプログラムは、X線撮影制御装置のコンピュータを、X線検出器の種別が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別部、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部、として機能させることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0076】
また、プログラムは、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)において、X線撮影制御装置に用いられる。かかるプログラムは、X線撮影制御装置のコンピュータを、X線照射装置の装置状態が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別部、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部、として機能させることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0077】
また、プログラムは、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)において、X線撮影制御装置に用いられる。かかるプログラムは、X線撮影制御装置のコンピュータを、X線照射装置の照射条件が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別部、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部、として機能させることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0078】
また、X線撮影制御装置(コンソール3)は、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)におけるX線撮影制御装置(コンソール3)である。かかるX線撮影制御装置(コンソール3)は、X線検出器の種別が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別部(制御部31)と、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部(表示部34)と、を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0079】
また、X線撮影制御装置(コンソール3)は、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)におけるX線撮影制御装置(コンソール3)である。かかるX線撮影制御装置(コンソール3)は、X線照射装置の装置状態が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別部(制御部31)と、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部(表示部34)と、を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0080】
また、X線撮影制御装置(コンソール3)は、エネルギーの異なる複数のX線を個別に照射可能なX線照射装置(放射線発生装置1)と、X線照射装置により照射されたX線に基づくX線画像を撮影する可搬型のX線検出器(放射線検出器2)と、X線検出器によるX線画像の撮影を制御するX線撮影制御装置(コンソール3)と、を備える二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システム(放射線撮影システム100)におけるX線撮影制御装置(コンソール3)である。かかるX線撮影制御装置(コンソール3)は、X線照射装置の照射条件が、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影に適しているかいなかを判別する判別部(制御部31)と、判別部の判別結果に基づく通知を行う通知部(表示部34)と、を備えることで、DXA法による撮影に適さない状態でのDXA法による撮影を防止し、被検者の無駄な被爆を防ぐことができる。
【0081】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態においては、上記撮影時処理を実行する機能をコンソール3が有することとしたが、この撮影時処理を実行する機能又はその一部を実行する機能を、放射線撮影システム100が備える他の装置又は放射線撮影システム100に接続される他のシステムに備えるようにしてもよい。
【0083】
また、上記、二重エネルギーX線吸収測定法によるX線撮影と一般撮影とが可能なX線撮影システムとしているが、この2つ以外の撮影機能(例えば、透視撮影機能、動態撮影機能、トモシンセシス、DES、長尺撮影機能など)を搭載していてもよい。また、例えば、透視装置で実現するDXA撮影装置でもよい。
【0084】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリーやハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、通信回線を介して本発明に係るプログラムのデータを提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【符号の説明】
【0085】
100 放射線撮影システム(X線撮影システム)
1 放射線発生装置(X線照射装置)
2 放射線検出器(X線検出器)
3 コンソール(X線撮影制御装置)
31 制御部(判別部、第1禁止部、第2禁止部、第3禁止部)
32 通信部
33 記憶部
34 表示部(通知部)
35 操作部
4 サーバー
41 データベース
N 通信ネットワーク