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特開2023-183895移動型放射線撮影装置、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183895
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】移動型放射線撮影装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A61B6/00 310
A61B6/00 320Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097695
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深津 幸助
(72)【発明者】
【氏名】三宅 信之
(72)【発明者】
【氏名】廣重 陽
(72)【発明者】
【氏名】林 直輝
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA04
4C093CA35
4C093EC04
4C093EE14
4C093FA06
4C093FF24
(57)【要約】
【課題】独立した2つの電源ユニットを有する移動型放射線撮影装置において、電力消費の効率化とユーザーの利便性を両立させる。
【解決手段】独立した2つの電源ユニット(装置メイン電源10、DR用電源20)と、当該2つの電源ユニットのそれぞれから電力を供給されて駆動する2つの制御装置(放射線制御ユニット11、DRコンソール21)と、を備える移動型放射線撮影装置100であって、2つの制御装置のうち一方の制御装置(DRコンソール21)は、所定の条件を満たした場合に、2つの制御装置のうち他方の制御装置(放射線制御ユニット11)に当該他方の制御装置の状態を問い合わせ、他方の制御装置の応答に応じて、一方の制御装置のシャットダウンを行うか、又は、シャットダウンを中止する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立した2つの電源ユニットと、当該2つの電源ユニットのそれぞれから電力を供給されて駆動する2つの制御装置と、を備える移動型放射線撮影装置であって、
前記2つの制御装置のうち一方の制御装置は、所定の条件を満たした場合に、前記2つの制御装置のうち他方の制御装置に当該他方の制御装置の状態を問い合わせ、前記他方の制御装置の応答に応じて、前記一方の制御装置のシャットダウンを行うか、又は、シャットダウンを中止する移動型放射線撮影装置。
【請求項2】
前記一方の制御装置は、前記一方の制御装置のシャットダウンを行う前に、前記他方の制御装置、又は、前記一方の制御装置に接続されている周辺機器に、シャットダウン要求を送信する請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記一方の制御装置に対する操作が行われない状態が一定時間以上継続したことである請求項1又は2に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項4】
前記一方の制御装置は、放射線検出及び撮影画像の操作に関する機能部を制御するものであり、
前記他方の制御装置は、放射線照射及び当該移動型放射線撮影装置の駆動操作に関する機能部を制御するものである請求項1又は2に記載の移動型放射線撮影装置。
【請求項5】
独立した2つの電源ユニットと、当該2つの電源ユニットのそれぞれから電力を供給されて駆動する2つの制御装置と、を備える移動型放射線撮影装置の制御方法であって、
前記2つの制御装置のうち一方の制御装置は、所定の条件を満たした場合に、前記2つの制御装置のうち他方の制御装置に当該他方の制御装置の状態を問い合わせ、前記他方の制御装置の応答に応じて、前記一方の制御装置のシャットダウンを行うか、又は、シャットダウンを中止する制御方法。
【請求項6】
独立した2つの電源ユニットと、当該2つの電源ユニットのそれぞれから電力を供給されて駆動する2つの制御装置と、を備える移動型放射線撮影装置の前記2つの制御装置のうち一方の制御装置のコンピューターに、
所定の条件を満たした場合に、前記2つの制御装置のうち他方の制御装置に当該他方の制御装置の状態を問い合わせる工程と、
前記他方の制御装置の応答に応じて、前記一方の制御装置のシャットダウンを行うか、又は、シャットダウンを中止する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動型放射線撮影装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院内の撮影室以外(病室や手術室等)で放射線撮影を行うことを目的とした移動型放射線撮影装置が知られている。移動型放射線撮影装置は、任意の場所に移動できる特性上、バッテリーによる駆動が必要となる。
【0003】
例えば、移動型X線撮影装置のバッテリーの充電忘れを防ぐために、充電器が外部電源に接続されたことを検出したとき、装置の各部を制御するコンピューターが、自身のシステムをシャットダウン可能状態とする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
移動型放射線撮影装置には、FPD(Flat Panel Detector)パネルの放射線検出に対する設定操作を行うためのDR(Digital Radiography)コンソールが備えられている。このDRコンソールに対して独立した電源が設けられていない場合(1電源構成)、装置全体に対する電源をオフする際に、DRコンソールのシャットダウンを行っている。1電源構成は、装置をオン/オフする電源が1つであるため、操作はシンプルであるが、DRコンソール単体で起動することはできない。
【0005】
これに対し、放射線照射及び装置の駆動に関する操作(装置の移動走行、照射部の移動や照射野の調節等)に関して電力を供給する装置メイン電源と、DRコンソールに関して電力を供給するDR用電源と、が独立して駆動する方式(2電源構成)も知られている。2電源構成では、装置メイン電源とDR用電源のそれぞれに対して、オン/オフを行うことになる。そのため、装置メイン電源をオフ、DR用電源のみをオンにしておいて、撮影画像に関する操作(輝度調整や外部装置への出力等)を行ったり、DR用電源をオフ、装置メイン電源のみをオンにしておいて、装置の移動走行を行ったりする等、使用しない電源系統を選択的にオフすることで、効率良くバッテリーを使用することができる(消費電力の節約)。また、DRコンソールには、患者情報や撮影画像が表示されるため、DR用電源をオフすることで、プライバシー情報が第三者から見られにくくなるというメリットもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-153847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、2電源構成(装置メイン電源とDR用電源が独立している方式)の移動型放射線撮影装置において、少なくとも一方の電源を切り忘れていた場合、バッテリー残量不足に伴う強制終了によりデータが破損したり、長時間の駆動に伴いバッテリーが劣化したりするおそれがあった。また、いずれかの電源から周辺機器に電力を供給している場合、供給元の電源を終了するまでは、周辺機器も起動し続けることになる。
そのため、2電源構成の各電源を遮断してよい場合には、ユーザーの操作に頼ることなく、適宜遮断することが望まれる。
【0008】
ところで、2電源構成の移動型放射線撮影装置に対して、特許文献1に記載の技術を適用した場合、大容量の撮影画像を外部に送信中であったとしても、外部電源と接続されたこと(充電中であること)を条件として、シャットダウン可能状態となってしまう。このように、シャットダウンする際には、装置への給電状態だけでなく、装置の処理状態も考慮に入れる必要がある。
【0009】
また、2電源構成の場合、DRコンソールから装置本体(放射線照射や装置の移動走行を担う部分)に対して、定期的に起動しているか否かの問い合わせ(生存確認)を行い、装置本体から起動中であるという応答がない場合に、DRコンソールのシャットダウンを行う方法も考えられる。しかし、移動型放射線撮影装置では、電源容量が限られているため、DRコンソールから装置本体に頻繁に問い合わせを行うことで消費電力が多くなると、実際の回診時にバッテリーが不足してしまうおそれがあった。
【0010】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、独立した2つの電源ユニットを有する移動型放射線撮影装置において、電力消費の効率化とユーザーの利便性を両立させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、独立した2つの電源ユニットと、当該2つの電源ユニットのそれぞれから電力を供給されて駆動する2つの制御装置と、を備える移動型放射線撮影装置であって、前記2つの制御装置のうち一方の制御装置は、所定の条件を満たした場合に、前記2つの制御装置のうち他方の制御装置に当該他方の制御装置の状態を問い合わせ、前記他方の制御装置の応答に応じて、前記一方の制御装置のシャットダウンを行うか、又は、シャットダウンを中止する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動型放射線撮影装置において、前記一方の制御装置は、前記一方の制御装置のシャットダウンを行う前に、前記他方の制御装置、又は、前記一方の制御装置に接続されている周辺機器に、シャットダウン要求を送信する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の移動型放射線撮影装置において、前記所定の条件は、前記一方の制御装置に対する操作が行われない状態が一定時間以上継続したことである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の移動型放射線撮影装置において、前記一方の制御装置は、放射線検出及び撮影画像の操作に関する機能部を制御するものであり、前記他方の制御装置は、放射線照射及び当該移動型放射線撮影装置の駆動操作に関する機能部を制御するものである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、独立した2つの電源ユニットと、当該2つの電源ユニットのそれぞれから電力を供給されて駆動する2つの制御装置と、を備える移動型放射線撮影装置の制御方法であって、前記2つの制御装置のうち一方の制御装置は、所定の条件を満たした場合に、前記2つの制御装置のうち他方の制御装置に当該他方の制御装置の状態を問い合わせ、前記他方の制御装置の応答に応じて、前記一方の制御装置のシャットダウンを行うか、又は、シャットダウンを中止する。
【0016】
請求項6に記載の発明は、独立した2つの電源ユニットと、当該2つの電源ユニットのそれぞれから電力を供給されて駆動する2つの制御装置と、を備える移動型放射線撮影装置の前記2つの制御装置のうち一方の制御装置のコンピューターに、所定の条件を満たした場合に、前記2つの制御装置のうち他方の制御装置に当該他方の制御装置の状態を問い合わせる工程と、前記他方の制御装置の応答に応じて、前記一方の制御装置のシャットダウンを行うか、又は、シャットダウンを中止する工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、独立した2つの電源ユニットを有する移動型放射線撮影装置において、電力消費の効率化とユーザーの利便性を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施の形態における放射線撮影システムの全体構成例を示す図である。
図2】移動型放射線撮影装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】DRコンソール及び放射線制御ユニットにおいて実行される電源終了処理のシーケンス図である。
図4】DRコンソールにおいて実行される第1のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。
図5】変形例1のDRコンソールにおいて実行される第2のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。
図6】変形例2のDRコンソールにおいて実行される第3のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。
図7】変形例3のDRコンソールにおいて実行される第4のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。
図8】第2の実施の形態のDRコンソールにおいて実行される第5のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0020】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1に、放射線撮影システム1の全体構成例を示す。放射線撮影システム1は、医療施設内に構築されたシステムであり、図1に示すように、移動型放射線撮影装置100と、RIS(Radiology Information System)110と、PACS(Picture Archiving and Communication System)120と、動態解析装置130と、がLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。放射線撮影システム1が設置された医療施設内には、複数のアクセスポイント140が備えられている。移動型放射線撮影装置100は、移動型放射線撮影装置100に具備した無線LANインターフェースを用いた無線LAN通信によりアクセスポイント140を介して通信ネットワークNに接続可能である。また、移動型放射線撮影装置100は、無線LANインターフェースの他に有線のLANインターフェースを具備していてもよく、この場合は有線LANインターフェースを用いた有線LAN通信により通信ネットワークNに接続可能である。
放射線撮影システム1を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
【0021】
移動型放射線撮影装置100は、例えば、移動が困難な患者の放射線撮影を回診で行うための装置である。移動型放射線撮影装置100は、本体100Aに車輪Wを有し、移動可能な回診車として構成されている。
【0022】
移動型放射線撮影装置100は、手術室、集中治療室(ICU)や病室等に持ち込まれ、FPD51を、例えばベッドに寝ている被写体Mとベッドとの間、又は、ベッドの被写体Mとは反対面に設けられた挿入口に差し込む等した状態で、放射線発生部13から放射線を照射して、被写体Mの静止画撮影又は動態撮影を行う。本実施形態において、静止画撮影とは、1回の撮影操作に応じて1枚の被写体Mの画像を取得することをいう。動態撮影とは、1回の撮影操作に応じて、被写体Mに対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、又は、低線量にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体Mの複数の画像を取得することをいう。動態撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
ここで、動態撮影には動画撮影が含まれるが、動画を表示しながら静止画を撮影するものは含まれない。動態画像には、動画像が含まれるが、動画像を表示しながら静止画像を撮影して得られた画像は含まれない。
【0023】
RIS110は、検査オーダー情報を発行して記憶するとともに、発行された検査オーダー情報を通信ネットワークNを介して移動型放射線撮影装置100に送信する。
【0024】
PACS120は、移動型放射線撮影装置100等のモダリティーにより生成された医用画像(静止画像、動態画像)や動態解析装置130による解析結果を患者情報及び検査情報に対応付けて記憶し管理する画像管理装置である。
【0025】
動態解析装置130は、移動型放射線撮影装置100から出力された動態画像に対して解析処理を実施し、動態画像及び解析結果をPACS120に送信する。動態解析装置130は、複数種類の解析処理の実施が可能であり、複数種類の解析処理の中から指定された種類の解析処理を実施する。
【0026】
図2は、移動型放射線撮影装置100(回診車)の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、移動型放射線撮影装置100は、装置メイン電源10、放射線制御ユニット11、DR用電源20、DRコンソール21、バッテリー30、曝射連動ユニット41等を備えて構成されている。
【0027】
装置メイン電源10とDR用電源20は、相互に独立した電源ユニットである。すなわち、移動型放射線撮影装置100は、2電源構成の移動型放射線撮影装置である。
装置メイン電源10は、放射線制御ユニット11に電力を供給する。
DR用電源20は、DRコンソール21、曝射連動ユニット41に電力を供給する。また、DR用電源20は、曝射連動ユニット41を介して、FPD51に電力を供給する。
【0028】
放射線制御ユニット11は、装置メイン電源10から電力を供給されて駆動する。放射線制御ユニット11は、放射線照射及び移動型放射線撮影装置100の駆動操作(装置の移動走行、照射部の移動や照射野の調節等)に関する機能部を制御する制御装置である。放射線制御ユニット11は、メイン制御部12、放射線発生部13、駆動部14、表示部15、操作部16、通信部17等を備える。
【0029】
メイン制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成されている。メイン制御部12のCPUは、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、放射線制御ユニット11及び装置メイン電源10の各部の動作を集中制御する。
【0030】
放射線発生部13は、回転陽極やフィラメント等を有し、照射条件(管電圧や管電流、照射時間、電流時間積等の放射線の照射に関する条件)に応じた放射線を発生させるようになっている。放射線発生部13は、被写体Mを挟んでFPD51と対向する位置から、被写体Mに対し放射線を照射する。
【0031】
駆動部14は、メイン制御部12の制御信号に基づいて、モーターを駆動させて車輪Wを回転させる。また、駆動部14は、放射線発生部13を移動させたり、照射野を調節させる。
【0032】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターにより構成され、メイン制御部12又はDR制御部22から入力された表示信号の指示に従って各種画面を表示する。例えば、表示部15には、照射条件等が表示される。
【0033】
操作部16は、操作ボタンやタッチパネル等を備えており、ユーザーによる操作内容を検出し、それを操作情報として表示部15に入力したり、メイン制御部12に出力する。
ユーザーによる操作は、例えば照射条件の変更等が挙げられる。また、操作部16は走行用のハンドルバーや放射線発生部13の移動用ハンドルを備えており、ユーザーによるハンドル操作を検出し、それを操作情報としてメイン制御部12に伝える。メイン制御部12はその操作情報に基づき、先に説明した通り、駆動部14を制御信号を通じて制御する。
【0034】
通信部17は、DRコンソール21との間でデータの送受信を行うためのインターフェースである。例えば、通信部17は、DRコンソール21に照射条件を送信する。
【0035】
DRコンソール21は、DR用電源20から電力を供給されて駆動する。DRコンソール21は、放射線検出及び撮影画像の操作(輝度調整や外部装置への出力等)に関する機能部を制御する制御装置である。DRコンソール21は、DR制御部22、表示部23、操作部24、第1通信部25、第2通信部26等を備える。
【0036】
DR制御部22は、CPU、RAM、ROM等により構成されている。DR制御部22のCPUは、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、DRコンソール21及びDR用電源20の各部の動作を集中制御する。
【0037】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターにより構成され、DR制御部22から入力された表示信号の指示に従って各種画面を表示する。例えば、表示部23には、撮影対象患者の患者情報、撮影画像等が表示される。
【0038】
操作部24は、操作ボタンやタッチパネル等を備えており、ユーザーによる操作内容(押下された操作ボタンの種類や、指やタッチペンの接触位置等)を検出し、それを操作情報としてDR制御部22に出力する。
ユーザーによる操作は、例えば撮影画像に対する輝度調整や、撮影画像の外部装置への出力等が挙げられる。
【0039】
第1通信部25は、FPD51との間で無線通信によりデータの送受信を行うためのインターフェースである。例えば、第1通信部25は、FPD51から撮影画像の画像データを受信する。
また、第1通信部25は、無線LANインターフェースによって、アクセスポイント140と接続し、アクセスポイント140を介して通信ネットワークNに接続された外部装置(RIS110、PACS120、動態解析装置130等)とデータの送受信(入出力)を行うためのインターフェースである。例えば、第1通信部25は、外部装置に撮影画像の画像データを送信する。第1通信部25は、有線LANによって通信ネットワークNに接続された外部装置とデータの送受信を行ってもよい。また、第1通信部25は、無線LANインターフェースと有線LANインターフェースの両方を持ち、排他的に使用して外部装置と送受信を行ってもよいし、同時に使用して外部装置と送受信を行ってもよい。
【0040】
第2通信部26は、放射線制御ユニット11との間でデータの送受信を行うためのインターフェースである。例えば、第2通信部26は、放射線制御ユニット11から照射条件を受信する。
【0041】
バッテリー30は、外部電源35から供給された電力を蓄え、自身が蓄えている電力を装置メイン電源10やDR用電源20に供給する。バッテリー30は、先端にプラグが設けられた電源ケーブルと接続されており、プラグを近くのコンセントに差し込むことで、外部電源35から電力の供給を受けることが可能に構成されている。バッテリー30が外部電源35に接続されていない状態では、装置メイン電源10やDR用電源20の使用に応じて、バッテリー30の残量が減少していく。
【0042】
曝射連動ユニット41は、放射線制御ユニット11の放射線発生部13の動作のタイミングと、FPD51の放射線検出部54の動作のタイミングと、を同期させる。曝射連動ユニット41は、制御部42、曝射連動部43等を備える。
【0043】
制御部42は、CPU、RAM、ROM等により構成されている。制御部42のCPUは、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、曝射連動ユニット41の各部の動作を集中制御する。
【0044】
曝射連動部43は、放射線制御ユニット11から送信され、DRコンソール21を介して取得した照射条件に基づいて、曝射連動信号をFPD51に送信する。
【0045】
FPD51は、制御部52、操作部53、放射線検出部54、曝射連動部55、画像通信部56等を備える。
【0046】
制御部52は、CPU、RAM、ROM等により構成されている。制御部52のCPUは、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、FPD51の各部の動作を集中制御する。
【0047】
操作部53は、操作ボタン等を備えており、ユーザーによる操作内容を検出し、それを操作情報として制御部52に出力する。
ユーザーによる操作は、例えば撮影モードの切り替え等が挙げられる。
【0048】
放射線検出部54は、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線発生部13から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。放射線検出部54には、放射線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、放射線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、いずれを用いてもよい。
【0049】
曝射連動部55は、曝射連動ユニット41から送信された曝射連動信号に基づいて、放射線検出部54の動作を、放射線制御ユニット11の放射線発生部13の動作に連動させる。
【0050】
画像通信部56は、DRコンソール21との間で無線通信によりデータの送受信を行うためのインターフェースである。例えば、画像通信部56は、放射線検出部54により得られた放射線画像の画像データを、DRコンソール21に送信する。
【0051】
DRコンソール21(一方の制御装置)は、所定の条件を満たした場合に、放射線制御ユニット11(他方の制御装置)に放射線制御ユニット11の状態を問い合わせる。所定の条件は、DRコンソール21をシャットダウンし、DR用電源20を終了するための条件(終了条件)である。例えば、所定の条件として、「DRコンソール21に対する操作が行われない状態が一定時間以上継続したこと」が挙げられる。
【0052】
DRコンソール21は、放射線制御ユニット11の応答に応じて、DRコンソール21のシャットダウンを行うか、又は、DRコンソール21のシャットダウンを中止する。
【0053】
DRコンソール21は、DRコンソール21のシャットダウンを行う前に、放射線制御ユニット11、又は、DRコンソール21に接続されている周辺機器に、シャットダウン要求を送信する。
【0054】
移動型放射線撮影装置100では、メイン制御部12及びDR制御部22の制御により、検査オーダー情報に基づく撮影を実施する。FPD51は、撮影により取得された撮影画像を、画像通信部56により移動型放射線撮影装置100(DRコンソール21)に送信する。撮影が終了すると、DRコンソール21のDR制御部22は、FPD51から送信された撮影画像を第1通信部25により受信してRAMに一時的に記憶させるとともに、第1通信部25により撮影画像を外部装置(PACS120、動態解析装置130等)に出力する(画像データの転送)。
【0055】
次に、移動型放射線撮影装置100の動作について説明する。
図3は、DRコンソール21及び放射線制御ユニット11において実行される電源終了処理のシーケンス図である。
【0056】
DRコンソール21のDR制御部22は、DRコンソール21の状態を監視する(ステップS1)。
DR制御部22は、DRコンソール21の終了条件に合致した場合に(ステップS2)、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11に、放射線制御ユニット11の状態を確認するための問い合わせを行う(ステップS3)。ここで、問い合わせの対象となる「放射線制御ユニット11の状態」には、放射線制御ユニット11の起動状態(起動しているか否か)、終了状態(終了しているか否か)、入力状態(操作入力・データ入力が行われているか否か)、曝射状態(放射線発生部13により放射線が曝射されているか否か)、走行状態(走行中であるか否か)等が含まれる。
【0057】
放射線制御ユニット11からDRコンソール21に、放射線制御ユニット11の状態の問い合わせに対する応答があった場合(ケースC1、ステップS4)、DRコンソール21のDR制御部22は、放射線制御ユニット11からの応答に応じて、DRコンソール21のシャットダウンが可能か否かを判断する。
【0058】
シャットダウン不可の場合(ケースC11)、DR制御部22は、DRコンソール21の状態監視を再開する(ステップS5)。すなわち、DR制御部22は、DRコンソール21のシャットダウンを中止する。
シャットダウン可能の場合(ケースC12)、DR制御部22は、DRコンソール21をシャットダウンし、DR用電源20をオフする(ステップS6)。
【0059】
放射線制御ユニット11からDRコンソール21に、放射線制御ユニット11の状態の問い合わせに対する応答がない場合(ケースC2)、DR制御部22は、DRコンソール21をシャットダウンし、DR用電源20をオフする(ステップS7)。
以上で、電源終了処理が終了する。
【0060】
図4は、DRコンソール21において実行される第1のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。この処理は、DR制御部22のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0061】
まず、DR制御部22は、DRコンソール21の終了条件を監視し(ステップS11)、DRコンソール21の終了条件を満たすか否かを判断する(ステップS12)。
【0062】
(終了条件A)
例えば、DR制御部22は、DRコンソール21に対する(操作部24からの)操作が行われない状態が一定時間以上継続したか否かを判断する。DR制御部22は、DRコンソール21に対する操作が行われない状態が一定時間以上継続した場合に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。この一定時間(自動シャットダウン待ち時間)は、ユーザーによる設定を可能にしておくと、施設の運用に応じて最適化でき利便性があがる。
【0063】
(終了条件B)
DR制御部22は、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11(又は、装置メイン電源10)から終了要求を受信したか否かを判断する。DR制御部22は、放射線制御ユニット11(又は、装置メイン電源10)から終了要求を受信した場合に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。例えば、放射線制御ユニット11で強制終了となった場合、放射線制御ユニット11がシャットダウンする直前に、DRコンソール21に終了要求を送信するケースが想定される。
【0064】
(終了条件C)
DR制御部22は、所定の時刻又は所定の時間帯になったか否かを判断する。DR制御部22は、所定の時刻になった場合や所定の時間帯になった場合に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。所定の時刻や所定の時間帯は、ユーザーによる設定を可能にしておくと、施設の運用に応じて最適化でき利便性があがる。例えば、施設の通常営業終了時間に合わせて所定の時刻や所定の時間帯を設定することで、終了時間になったら自動シャットダウンが実行されるようになり、営業終了時のシャットダウン忘れを防ぐことができる。
【0065】
(終了条件D)
DR制御部22は、移動型放射線撮影装置100において通信中のモジュールが存在する場合に、この通信が完了したか否かを判断する。DR制御部22は、通信中のモジュールにおける通信が完了した場合に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。「通信中のモジュール」には、現在通信中のモジュールだけでなく、通信中ではないが通信予定のデータがある通信準備中の通信モジュールを含めてもよい。「通信中のモジュール」としては、DRコンソール21と外部装置との間の通信を行う第1通信部25、DRコンソール21とFPD51との間の通信を行う第1通信部25、DRコンソール21と放射線制御ユニット11との間の通信を行う第2通信部26を含む。これらの複数の通信部の全ての通信中モジュールの通信が完了した場合に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断してもよいし、一部の通信部の通信中モジュールの通信完了を通信完了待ちの対象にしてもよい。
【0066】
例えば、診断用途の画像又は診断用途の画像の生成に用いる画像の転送を扱う通信部を対象にし(例えば、DRコンソール21と外部装置との間の通信を行う第1通信部25、DRコンソール21とFPD51との間の通信を行う第1通信部25を対象)、診断用途の画像又は診断用途の画像の生成に用いる画像の転送を扱わない通信部(例えば、DRコンソール21と放射線制御ユニット11との間の通信を行う第2通信部26)を非対象にして、対象となった通信部の通信完了をもって、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断してもよい。画像はデータ量が大きいため、通信中に終了してしまうと、システム再開時の再送に時間を要するため、このようにすると作業の効率化が図れる。また、診断用途の画像転送を行わない通信部を通信完了待ちの非対象にすることで、ユーザーにとって重要でない通信(例えば装置間の状態通知)によって終了条件をなかなか満たせずにバッテリー残量が減ってしまう事態を防ぐことができる。
【0067】
また、通信部ごとに通信完了待ちの対象、非対象を分けるのではなく、通信内容によって通信完了待ちの対象、非対象を分けてもよい。診断用途の画像又は診断用途の画像の生成に用いる画像の転送に関する「通信中のモジュール」を通信完了待ちの対象とし、その他の通信は通信完了待ちの非対象としてもよく、同様の効果が期待できる。
【0068】
また、通信部と通信内容の組み合わせで通信完了待ちの対象、非対象を分けてもよい。具体的には、DRコンソール21と外部装置との間の通信を行う第1通信部25、かつ、通信内容が診断用途の画像又は診断用途の画像の生成に用いる画像の転送に関するものである場合のみ通信完了待ちの対象とし、それ以外を通信完了待ちの非対象とする。
【0069】
また、通信部の通信方式によって通信完了待ちの対象、非対象を分けてもよい。具体的には、第1通信部25が無線LAN通信を行っている場合は通信完了待ちの非対象、有線LAN通信を行っている場合は通信完了待ちの対象とする。移動型放射線撮影装置100が有線LAN通信を行うにはユーザーが有線LANのケーブルを移動型放射線撮影装置100に意図的に接続する必要があるが、これはユーザーが有線LANによる送受信を行いたいと考えていると見なすことができる。よって、有線LAN通信の通信中にシャットダウンを実行してしまうことは、ユーザーの意図に反する動きとなり使い勝手が悪い。よって、有線LAN通信を通信完了待ちの対象とすることでユーザーの意図に沿った動きとなる。
【0070】
逆に、有線LAN通信を通信完了待ちの非対象とし、無線LAN通信を通信完了待ちの対象としてもよい。ユーザーは直後に移動型放射線撮影装置100を移動させる場合に有線LANケーブルを本装置に接続することはないため、有線LANケーブルを本装置に接続することは、その後しばらくは移動型放射線撮影装置100を使用しないと見なすことができる。無線LAN通信を通信完了待ちの対象とし、有線LAN通信を通信完了待ちの非対象とすることで、無線LANから有線LANへの切り替りを契機に通信完了待ちが行われなくなる。これにより、その後未使用になることを見越してすみやかにシャットダウンを実行することができ、バッテリー消費を抑えることができる。
【0071】
また、通信部、通信部の通信方式、通信内容のいずれか2つ以上を組み合わせて通信完了待ちの対象、非対象を分けてもよい。例えば、無線LAN通信を通信完了待ちの対象とし、それに加えて、通信方式が有線LAN通信でかつ通信内容が画像転送の場合を通信完了待ちの対象にした場合、有線LANケーブルの接続からその後未使用になることを見越してのすみやかなシャットダウンの実行と、意図的な送受信中のシャットダウン回避を両立できる。
【0072】
(終了条件E)
DR制御部22は、DRコンソール21と外部装置との間の通信ネットワークNが切断されたか否かを判断する。DR制御部22は、DRコンソール21と外部装置との間の通信ネットワークNが切断された場合に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。
【0073】
(終了条件F)
移動型放射線撮影装置100には、DRコンソール21から所定距離以内に人がいるか否かを検出するセンサーが設けられている。
DR制御部22は、センサーの出力信号に基づいて、DRコンソール21の前にユーザーが一定時間不在であるか否かを判断する。DR制御部22は、DRコンソール21の前にユーザーが一定時間不在である場合に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。ここでは、DRコンソール21の前にユーザーがいないことを、DRコンソール21が使用されていない状態であるとみなしている。
センサーの種類によって、顔認識などのユーザー判断を合わせて実施し、使用ユーザーに適していない人がDRコンソール21の前に存在する場合は、終了条件を満たす(ユーザーが一定時間不在)と判断してもよい。
【0074】
(終了条件G)
DR制御部22は、DRコンソール21に対し、RIS110から発行された検査オーダー情報のうち、回診撮影で実施予定の検査を全て完了した、若しくは完了して一定時間以上経過したことを契機に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。なお、検査の完了は、前述の終了条件Dで記載された通信モジュールによる外部装置との通信、すなわち画像出力の完了などを契機としてもよい。
【0075】
(終了条件H)
DR制御部22は、移動型放射線撮影装置100に付随するパネル格納スペースに、使用したFPD51が所定枚数収納された後、一定時間以上経過したことを契機に、DRコンソール21の終了条件を満たすと判断する。ここでは、FPD51が収納された状態を、撮影を行っていない状態と判断し、DRコンソール21が使用されていない状態であるとみなしている。
【0076】
DRコンソール21の終了条件としては、複数の条件を組み合わせて用いることとしてもよい。例えば終了条件Aと終了条件Cを組み合わせて、終了条件Cで自動シャットダウンが有効になる時間帯(例えば夜間)を設定しておき、その時間帯にDRコンソール21に対する(操作部24からの)操作が行われない状態が一定時間以上継続した場合に限り自動シャットダウンを実施するようにしてもよい。このようにすると、移動型放射線撮影装置100を高頻度で使う時間帯(例えば昼間)は自動シャットダウンが行われないため、ユーザーは使いたい時にすぐに使え、低頻度で使う時間帯(例えば夜間)はバッテリー持ちを優先して自動シャットダウンを行うようにできる。一般的に夜間は施設に残っているユーザーが少ないため、移動型放射線撮影装置100を使い慣れていないユーザーが本装置を使うことが想定され、そのためシャットダウン忘れが発生する可能性がある。このようにしておくことで、そのような事態をさけることができる。
【0077】
ステップS12において、DRコンソール21の終了条件を満たさない場合には(ステップS12;NO)、ステップS11に戻り、処理が繰り返される。
【0078】
ステップS12において、DRコンソール21の終了条件を満たした場合には(ステップS12;YES)、DR制御部22は、放射線制御ユニット11が起動中であるか否かを判断する(ステップS13)。
【0079】
具体的には、DR制御部22は、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11に、放射線制御ユニット11が起動中であるか否かを問い合わせる。
放射線制御ユニット11が起動中である場合には、放射線制御ユニット11のメイン制御部12は、通信部17を介して、起動中である旨の応答をDRコンソール21に送信する。
DR制御部22は、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11から起動中である旨の応答を受信した場合には、放射線制御ユニット11が起動中であると判断する。
一方、DR制御部22は、放射線制御ユニット11から応答がない場合には、放射線制御ユニット11が起動中でないと判断する。
【0080】
ステップS13において、放射線制御ユニット11が起動中である場合には(ステップS13;YES)、DR制御部22は、終了条件の監視をクリアする(ステップS14)。すなわち、DR制御部22は、DRコンソール21の終了条件を満たしたという状態を仕切り直す。
ステップS14の後、ステップS11に戻り、処理が繰り返される。
【0081】
ステップS13において、放射線制御ユニット11が起動中でない場合(ステップS13;NO)、すなわち、放射線制御ユニット11が既にシャットダウン済みで、装置メイン電源10がオフされた状態の場合には、DR制御部22は、ステップS15に移行し、DRコンソール21の終了シーケンスを開始する。
【0082】
DR制御部22は、DR用電源20経由で電力が供給される周辺機器がDRコンソール21に接続されているか否かを判断する(ステップS15)。具体的には、DR制御部22は、DR用電源20経由で電力が供給される周辺機器として、曝射連動ユニット41やFPD51が接続されているか否かを判断する。その他、周辺機器としては、DR用電源20経由で電力が供給されるアクセスポイント等でもよい。
【0083】
DR用電源20経由で電力が供給される周辺機器が接続されている場合には(ステップS15;YES)、DR制御部22は、周辺機器にシャットダウン要求を送信する(ステップS16)。
シャットダウン要求を受信した周辺機器(曝射連動ユニット41、FPD51等)は、周辺機器自身のシャットダウンを行い、周辺機器へのDR用電源20からの電力供給を遮断する。
【0084】
ステップS16の後、又は、ステップS15において、DR用電源20経由で電力が供給される周辺機器が接続されていない場合には(ステップS15;NO)、DR制御部22は、DRコンソール21をシャットダウンし(ステップS17)、DR用電源20をオフする(ステップS18)。
以上で、第1のシャットダウン判断処理が終了する。
【0085】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、DRコンソール21のDR制御部22は、DRコンソール21の終了条件(所定の条件)を満たした場合に、放射線制御ユニット11に放射線制御ユニット11の状態を問い合わせ、放射線制御ユニット11の応答に応じて、DRコンソール21のシャットダウンを行うか、又は、DRコンソール21のシャットダウンを中止する。DR制御部22は、DRコンソール21の終了条件に基づいて、DRコンソール21がシャットダウンのタイミングであるか否かを判断するとともに、放射線制御ユニット11の状態を考慮して、DRコンソール21のシャットダウンを行うか否かを決定することができる。また、DR制御部22が、DRコンソール21の終了条件を自動的に判断するので、ユーザーによる操作指示等は不要である。また、DR制御部22は、放射線制御ユニット11の状態を確認することで、装置全体として不都合が生じないようにする。したがって、独立した2つの電源ユニット(装置メイン電源10、DR用電源20)を有する移動型放射線撮影装置100において、電力消費の効率化とユーザーの利便性を両立させることができる。また、DRコンソール21をシャットダウンすることで、患者情報や撮影画像が表示されなくなるため、プライバシーを保護することができる。
【0086】
例えば、DRコンソール21のDR制御部22は、DRコンソール21に対する操作が行われない状態が一定時間以上継続した場合に、DRコンソール21をシャットダウンし、DR用電源20を終了することで、DRコンソール21の不使用状態を、DRコンソール21自身のシャットダウンの契機とすることができる。
【0087】
また、第1のシャットダウン判断処理(図4参照)のステップS16に示すように、DRコンソール21のDR制御部22は、DRコンソール21のシャットダウンを行う前に、DRコンソール21に接続されている周辺機器にシャットダウン要求を送信することで、DRコンソール21のシャットダウン後に周辺機器が起動し続けるのを防ぐことができる。
【0088】
なお、第1のシャットダウン判断処理のステップS12の終了条件として、「DRコンソール21と外部装置との間の通信が完了したこと」を用いると、DRコンソール21と外部装置との間の通信が継続している間は(ステップS12;NO)、DRコンソール21のシャットダウン及びDR用電源20のオフには移行しない。
ここで、DRコンソール21のDR制御部22は、終了条件を満たすのを待機することに代えて、DRコンソール21と外部装置との間の通信が継続している間は、DRコンソール21のシャットダウン(DR用電源20のオフ)を行わないか、又は、延期することとしてもよい。DRコンソール21と外部装置との間の通信としては、動態画像等のサイズが大きい画像をPACS120又は動態解析装置130に送信するケース等が想定される。
【0089】
同様に、DRコンソール21のDR制御部22は、FPD51の操作部53に対する操作、FPD51と曝射連動ユニット41とを接続するケーブルの脱着(FPD51に対する有線通信・無線通信の切り替え中)の少なくともいずれか一方があった場合に、DRコンソール21のシャットダウン(DR用電源20のオフ)を行わないか、又は、延期することとしてもよい。
【0090】
また、DRコンソール21のDR制御部22は、移動型放射線撮影装置100が充電状態の場合、すなわち、バッテリー30が外部電源35に接続されている場合に、DRコンソール21のシャットダウン(DR用電源20のオフ)を行わないか、又は、延期することとしてもよい。
また、DRコンソール21のDR制御部22は、移動型放射線撮影装置100が充電状態の場合に、DRコンソール21をスリープ状態に移行させることとしてもよい。
また、DRコンソール21のDR制御部22は、移動型放射線撮影装置100が充電状態の場合に、DRコンソール21の表示部23をオフ状態(ブラックアウト)へ移行させることとしてもよい。
【0091】
[変形例1]
次に、第1の実施の形態の変形例1について説明する。以下、第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
変形例1では、DRコンソール21が終了条件を満たした場合に、DRコンソール21から放射線制御ユニット11に問い合わせる内容として、放射線制御ユニット11が起動中であるか否かに加え、移動型放射線撮影装置100の連続走行時間を用いる。
【0092】
図5は、DRコンソール21において実行される第2のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。この処理は、DR制御部22のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0093】
ステップS21~ステップS23の処理は、第1のシャットダウン判断処理(図4参照)のステップS11~ステップS13の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
ステップS23において、放射線制御ユニット11が起動中である場合には(ステップS23;YES)、DR制御部22は、移動型放射線撮影装置100の連続走行時間が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS24)。この判断は、走行中(移動中)は、放射線撮影はしないという考えに基づいている。
【0095】
具体的には、DR制御部22は、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11に、駆動部14による走行が一定時間以上継続しているか否かを問い合わせる。
放射線制御ユニット11のメイン制御部12は、通信部17を介して、駆動部14による走行が一定時間以上継続しているか否かの応答をDRコンソール21に送信する。
DR制御部22は、第2通信部26を介して受信した、放射線制御ユニット11からの応答に基づいて、移動型放射線撮影装置100の連続走行時間が所定値以上であるか否かを判断する。
【0096】
なお、DR制御部22から放射線制御ユニット11に「走行中」であるか否かの問い合わせを行い、放射線制御ユニット11からの応答において、「走行中」という状態が一定回数以上連続した場合に、移動型放射線撮影装置100の連続走行時間が所定値以上であると判断してもよい。
【0097】
ステップS24において、移動型放射線撮影装置100の連続走行時間が所定値未満の場合には(ステップS24;NO)、DR制御部22は、終了条件の監視をクリアし(ステップS25)、ステップS21に戻り、処理が繰り返される。
【0098】
ステップS23において、放射線制御ユニット11が起動中でない場合(ステップS23;NO)、又は、ステップS24において、移動型放射線撮影装置100の連続走行時間が所定値以上である場合には(ステップS24;YES)、DR制御部22は、ステップS26に移行し、DRコンソール21の終了シーケンスを開始する。
【0099】
ステップS26~ステップS29の処理は、第1のシャットダウン判断処理(図4参照)のステップS15~ステップS18の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上で、第2のシャットダウン判断処理が終了する。
【0100】
変形例1によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、DRコンソール21が終了条件を満たした場合、放射線制御ユニット11が起動中であっても、移動型放射線撮影装置100の連続走行時間が所定値以上のときには、DRコンソール21のシャットダウン及びDR用電源20の終了を行うことができる。すなわち、移動型放射線撮影装置100が走行中(移動中)の場合には、放射線撮影をすぐに実施することはないとみなし、DRコンソール21をシャットダウンすることで、電力の消費を抑えることができる。
【0101】
[変形例2]
次に、第1の実施の形態の変形例2について説明する。以下、第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
変形例2では、DRコンソール21が終了条件を満たした場合に、DRコンソール21から放射線制御ユニット11に問い合わせる内容として、放射線制御ユニット11が起動中であるか否かに加え、放射線制御ユニット11の不使用状態を用いる。
【0102】
図6は、DRコンソール21において実行される第3のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。この処理は、DR制御部22のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0103】
ステップS31~ステップS33の処理は、第1のシャットダウン判断処理(図4参照)のステップS11~ステップS13の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0104】
ステップS33において、放射線制御ユニット11が起動中である場合には(ステップS33;YES)、DR制御部22は、放射線制御ユニット11(放射線照射機能、移動走行機能等)の不使用状態が一定時間継続しているか否かを判断する(ステップS34)。
【0105】
具体的には、DR制御部22は、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11に、放射線制御ユニット11の使用状態として、装置メイン電源10の出力電圧値を問い合わせる。
放射線制御ユニット11のメイン制御部12は、通信部17を介して、装置メイン電源10の出力電圧値をDRコンソール21に送信する。
DR制御部22は、放射線制御ユニット11から受信した、装置メイン電源10の出力電圧値に基づいて、放射線制御ユニット11が使用されているか否かを判断する。DR制御部22は、装置メイン電源10の出力電圧値が所定値以下の状態を、放射線制御ユニット11の不使用状態と判断する。
DR制御部22は、放射線制御ユニット11への問い合わせを繰り返すことで、放射線制御ユニット11の不使用状態が一定時間継続しているか否かを判断する。
【0106】
ステップS34において、放射線制御ユニット11の不使用状態が一定時間継続している場合には(ステップS34;YES)、DR制御部22は、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11に、シャットダウン要求を送信する(ステップS35)。
放射線制御ユニット11では、通信部17を介してシャットダウン要求を受信すると、メイン制御部12が、シャットダウン要求に基づいて、放射線制御ユニット11をシャットダウンし、装置メイン電源10をオフする。
【0107】
ステップS34において、放射線制御ユニット11の不使用状態が一定時間継続していない場合には(ステップS34;NO)、DR制御部22は、終了条件の監視をクリアし(ステップS36)、ステップS31に戻り、処理が繰り返される。
【0108】
ステップS33において、放射線制御ユニット11が起動中でない場合(ステップS33;NO)、又は、ステップS35の後、ステップS37に移行する。つまり、放射線制御ユニット11が既にシャットダウン済みで、装置メイン電源10がオフされた状態の場合、又は、放射線制御ユニット11へのシャットダウン要求により、放射線制御ユニット11がシャットダウンされた状態が予測される場合には、DR制御部22は、DRコンソール21の終了シーケンスを開始する。
【0109】
ステップS37~ステップS40の処理は、第1のシャットダウン判断処理(図4参照)のステップS15~ステップS18の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上で、第3のシャットダウン判断処理が終了する。
【0110】
変形例2によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、DRコンソール21が終了条件を満たした場合、放射線制御ユニット11が起動中であっても、放射線制御ユニット11の不使用状態が一定時間以上継続しているときには、DRコンソール21のシャットダウン及びDR用電源20の終了を行うことができる。すなわち、放射線制御ユニット11が使用されていない場合には、放射線撮影をすぐに実施することはないとみなし、DRコンソール21をシャットダウンすることで、電力の消費を抑えることができる。
【0111】
また、第3のシャットダウン判断処理(図6参照)のステップS35に示すように、DRコンソール21のDR制御部22は、DRコンソール21のシャットダウンを行う前に、放射線制御ユニット11にシャットダウン要求を送信することで、放射線制御ユニット11が使用されていない状態等において、放射線制御ユニット11における電力の消費を抑えることができる。
【0112】
なお、第3のシャットダウン判断処理では、DRコンソール21をシャットダウンする際に、放射線制御ユニット11の不使用状態が一定時間継続していれば、放射線制御ユニット11にシャットダウン要求を送信することとしたが、DRコンソール21をシャットダウンするタイミングとは関係なく、放射線制御ユニット11が使用されず、かつ、DRコンソール21のみ連続操作される状態が一定時間継続している場合に、DRコンソール21から放射線制御ユニット11にシャットダウン要求を送信することとしてもよい。
【0113】
[変形例3]
次に、第1の実施の形態の変形例3について説明する。以下、第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
変形例3では、DRコンソール21が強制終了条件を満たした場合に、DRコンソール21から放射線制御ユニット11への問い合わせを行うことなく、DRコンソール21のシャットダウンに移行する。
【0114】
図7は、DRコンソール21において実行される第4のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。この処理は、DR制御部22のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0115】
まず、DR制御部22は、DRコンソール21の強制終了条件を監視し(ステップS41)、DRコンソール21に対して、ユーザーによる所定の操作(強制終了条件に該当する操作)があったか否かを判断する(ステップS42)。所定の操作は、操作部24に対する操作に限定されない。
強制終了条件に該当する所定の操作として、シャットダウンボタンの押下、ボイスコントロールによる操作、DRコンソール21に対する通信が可能な装置からの遠隔操作等が挙げられる。
【0116】
ステップS42において、所定の操作がない場合には(ステップS42;NO)、ステップS41に戻り、処理が繰り返される。
【0117】
ステップS42において、所定の操作があった場合には(ステップS42;YES)、ステップS43に移行する。すなわち、DR制御部22は、放射線制御ユニット11に放射線制御ユニット11の状態を問い合わせることなく、DRコンソール21の終了シーケンスを開始する。
【0118】
ステップS43~ステップS46の処理は、第1のシャットダウン判断処理(図4参照)のステップS15~ステップS18の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上で、第4のシャットダウン判断処理が終了する。
【0119】
変形例3によれば、所定の操作を行うことで、DRコンソール21を強制終了することが可能となる。強制終了のタイミングとしては、例えば、目的の場所への移動型放射線撮影装置100の移動が完了するまでにバッテリー30が切れてしまいそうな場合等が挙げられる。
【0120】
第1の実施の形態及び変形例1~3では、DRコンソール21が「一方の制御装置」であり、放射線制御ユニット11が「他方の制御装置」である場合について説明したが、これに限定されない。放射線制御ユニット11側が、放射線制御ユニット11の終了条件を満たした場合に、DRコンソール21にDRコンソール21の状態を問い合わせることとしてもよい。
【0121】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における移動型放射線撮影装置は、第1の実施の形態に示した移動型放射線撮影装置100と同様の構成であるため、図1及び図2を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0122】
第2の実施の形態では、移動型放射線撮影装置100において、放射線制御ユニット11とDRコンソール21(2つの制御装置)の両方が、制御装置自身の終了条件を有している。すなわち、放射線制御ユニット11も、DRコンソール21も、それぞれ、制御装置自身の終了条件を満たすか否かを判断し、終了条件を満たした場合に、制御装置自身のシャットダウンを行うとともに、制御装置自身に対応する電源ユニット(装置メイン電源10、DR用電源20)を終了する機能(以下、「自動シャットダウン機能」という。)を有している。
【0123】
また、第2の実施の形態では、終了条件を満たした制御装置が他方の制御装置に状態を問い合わせるのではなく、終了条件を満たした場合に、シャットダウンに入る側の制御装置が、他方の制御装置にシャットダウンに入ることを通知してから、自身のシャットダウンを行う。
【0124】
図8は、DRコンソール21において実行される第5のシャットダウン判断処理を示すフローチャートである。この処理は、DR制御部22のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0125】
ステップS51~ステップS52の処理は、第1のシャットダウン判断処理(図4参照)のステップS11~ステップS12の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0126】
ステップS52において、DRコンソール21の終了条件を満たした場合には(ステップS52;YES)、DR制御部22は、第2通信部26を介して、放射線制御ユニット11に、DRコンソール21がシャットダウンすることを通知する(ステップS53)。
【0127】
次に、DR制御部22は、DRコンソール21をシャットダウンし(ステップS54)、DR用電源20をオフする(ステップS55)。
以上で、第5のシャットダウン判断処理が終了する。
【0128】
第5のシャットダウン判断処理では、DRコンソール21側の処理について説明したが、放射線制御ユニット11についても同様である。具体的には、放射線制御ユニット11のメイン制御部12は、放射線制御ユニット11の終了条件に基づいて、放射線制御ユニット11をシャットダウンするタイミングを判断する。そして、メイン制御部12は、放射線制御ユニット11をシャットダウンする前に、通信部17を介して、DRコンソール21に、放射線制御ユニット11がシャットダウンすることを通知する。
【0129】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、放射線制御ユニット11、DRコンソール21のそれぞれにおいて、制御装置自身の終了条件に基づいて、制御装置自身をシャットダウンするタイミングを判断するため、独立した2つの電源ユニットを有する移動型放射線撮影装置100において、電力消費の効率化とユーザーの利便性を両立させることができる。
【0130】
なお、放射線制御ユニット11及びDRコンソール21の両方が自動シャットダウン機能を有する移動型放射線撮影装置100において、放射線制御ユニット11は、DRコンソール21の状態によらず、放射線制御ユニット11のシャットダウン(装置メイン電源10の終了)を実施できるが、DRコンソール21は、少なくとも装置メイン電源10がオフ、かつ、DRコンソール21に対する操作が行われていない状態においてのみ、DRコンソール21のシャットダウン(DR用電源20の終了)を実施可能としてもよい。これにより、移動型放射線撮影装置100の走行中等、DRコンソール21を一定期間操作していないが、その後すぐに使用する可能性がある場合において、DRコンソール21を自動シャットダウンしてしまうのを回避することができる。
【0131】
また、放射線制御ユニット11及びDRコンソール21(2つの制御装置)の両方が自動シャットダウン機能を有する移動型放射線撮影装置100において、各制御装置に保存される自動シャットダウンの設定(終了条件等)を、一方の制御装置から他方の制御装置にコピー可能としてもよい。これにより、ユーザーが2つの制御装置のそれぞれに対して、自動シャットダウンの設定を行う手間を省くことができる。また、ユーザーインターフェースが充実しているDRコンソール21側から自動シャットダウンの設定を行えるようにして、利便性を上げることができる。
【0132】
コピー可能とする自動シャットダウンの設定としては、例えば、終了条件Aにおける自動シャットダウン待ち時間がある。放射線制御ユニット11側にも自動シャットダウン待ち時間による自動シャットダウン実施判断機能を有する場合、すなわち、放射線制御ユニット11の操作部16から放射線制御ユニット11に対する操作が行われない状態が一定時間以上継続したか否かをメイン制御部12が判断し、放射線制御ユニット11に対する操作が行われない状態が一定時間以上継続した場合に、放射線制御ユニット11の終了条件を満たすと判断する機能を放射線制御ユニット11が有する場合に、DRコンソール21側の自動シャットダウン待ち時間をDRコンソール21の第2通信部26と放射線制御ユニット11の通信部17の間の通信によって、放射線制御ユニット11に送信し、放射線制御ユニット11でその値を保存(コピー)及び使用するようにすればよい。移動型放射線撮影装置100の使用を終える場合の標準的なワークフローとしては、放射線制御ユニット11の操作部16(例えば走行用のハンドルバー)を操作して移動型放射線撮影装置100を未使用時の置き場に移動させ、置き場についてからDRコンソール21の操作部24を操作して、第1通信部25からPACS120等への送信が残っている画像がないかなどを確認し、その後、放射線制御ユニット11の操作部16を操作して放射線発生部13を収納位置に移動させて一連の作業を終える。このように、放射線制御ユニット11に対する最後の操作とDRコンソール21側の最後の操作は概ね同じタイミングになるため、コピーによって両者の自動シャットダウン待ち時間を共通にすれば、放射線制御ユニット11側の自動シャットダウンのタイミングとDRコンソール21側の自動シャットダウンのタイミングは多くの場合、概ね揃うことになる。両者の自動シャットダウンのタイミングが大きくずれるとユーザーは自動シャットダウンが正常に機能しているか不安になり、手動シャットダウン操作を行うケースが発生し、ユーザーの利便性を低下させるが、このように両者の自動シャットダウンのタイミングが概ね揃うと手動シャットダウン操作が不要になり、利便性が良くなる。
【0133】
なお、上記各実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る移動型放射線撮影装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0134】
例えば、上記各実施の形態及び変形例では、放射線制御ユニット11が、放射線照射及び移動型放射線撮影装置100の駆動操作に関する機能部を制御し、DRコンソール21が、放射線検出及び撮影画像の操作に関する機能部を制御することとしたが、移動型放射線撮影装置100内における2つの制御装置の役割分担(どうような機能部を制御対象とするか)は、この例に限定されるものではない。
【0135】
また、DRコンソール21をシャットダウンしてDR用電源20をオフする処理を開始する場合に、ユーザーに何らかの手段(ダイアログ表示、音、光等)で、DRコンソール21のシャットダウン及びDR用電源20の終了を報知することとしてもよい。
同様に、放射線制御ユニット11をシャットダウンして装置メイン電源10をオフする処理を開始する場合に、ユーザーに報知することとしてもよい。
【0136】
また、DRコンソール21又は放射線制御ユニット11において、終了条件を満たすか否かの判断を行う時間帯が、予め定められていてもよい。例えば、夜間のみ、終了条件を満たすか否かの判断を有効にすることで、昼間に自動シャットダウンしてしまうのを回避することができる。
【0137】
また、本発明は、移動型放射線撮影装置100が外部電源35に接続されているか否かにかかわらず、適用可能である。ただし、外部電源35に接続中(充電中)は、バッテリー30の節約を考慮する必要がないため、外部電源35に接続されていない状況において、特に有効である。
【0138】
また、各処理を実行するためのプログラムは、可搬型記録媒体等に格納されていてもよい。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
また、本案における自動シャットダウン機能は、移動型放射線撮影装置100ごと、施設ごと、ログインユーザーごとに、終了条件や実施可否を設定可能としてもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 放射線撮影システム
10 装置メイン電源
11 放射線制御ユニット
12 メイン制御部
13 放射線発生部
14 駆動部
15 表示部
16 操作部
17 通信部
20 DR用電源
21 DRコンソール
22 DR制御部
23 表示部
24 操作部
25 第1通信部
26 第2通信部
30 バッテリー
35 外部電源
41 曝射連動ユニット
51 FPD
54 放射線検出部
100 移動型放射線撮影装置
N 通信ネットワーク
図1
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