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特開2023-18390スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018390
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20230201BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20230201BHJP
   B41F 15/40 20060101ALI20230201BHJP
   B41F 15/44 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
B41F15/08 303D
B41M1/12
B41F15/40 B
B41F15/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122482
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】593039856
【氏名又は名称】マイクロ・テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 泰市
(72)【発明者】
【氏名】坪井 徳広
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 仁
【テーマコード(参考)】
2C035
2H113
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA27
2C035FD01
2C035FD15
2C035FD43
2H113AA01
2H113AA05
2H113BB22
2H113FA10
(57)【要約】
【課題】インクの供給を適切にして、印刷パターンを正確に印刷できるスクリーン印刷装置を提供する。
【解決手段】スキージ60とスクレッパ70とスクリーン版50とによりスクリーン印刷をするスクリーン印刷装置100において、スキージ60の印刷方向の前方からインク溜まり90を撤去した状態でスキージ60により印刷し、スクレッパ70のコーティング方向の前方にインク溜まり90を形成した状態でスクレッパ70によりインクをコーティングする制御部30を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキージとスクレッパとによりスクリーン印刷をするスクリーン印刷装置において、
スクリーンを有するスクリーン版と、
スキージの印刷方向の前方からインク溜まりを撤去した状態でスキージにより印刷し、スクレッパのコーティング方向の前方にインク溜まりを形成した状態でスクレッパによりインクをコーティングする制御部と
を備えたスクリーン印刷装置。
【請求項2】
前記スキージは、前記スクレッパにより埋め込まれたインクとコーティングされたインクのみで印刷をする請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
スクリーン版に対してインク溜まりの撤去とインク溜まりの戻しとを実行するインクハンドラを備え、
前記制御部は、前記インクハンドラによりスキージの印刷方向の前方からインク溜まりを撤去し、前記インクハンドラによりスクレッパのコーティング方向の前方にインク溜まりを戻す請求項1又は2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項4】
前記インクハンドラは、インク溜まりを掬い取る掬い取り部を有し、
前記インクハンドラは、インク溜まりを前記スクレッパとの間に挟んで掬い取る請求項3に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、
印刷中に、インク溜まりを前記掬い取り部と前記スクレッパとの間に挟みこんだ状態で、前記掬い取り部と前記スクレッパとを前記スクリーン版の上空において印刷方向に移動させ、
印刷後に、前記スクレッパと前記掬い取り部の挟み込みを解除して、インク溜まりを前記スクリーン版に戻す請求項4に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項6】
前記インクハンドラは、インク溜まりを掬い取る1対の掬い取り部を有し、
前記インクハンドラは、インク溜まりを前記1対の掬い取り部の間に挟んで掬い取る請求項3に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、
インク溜まりを前記1対の掬い取り部との間に挟みこんだ状態で、前記1対の掬い取り部を前記スクリーン版の上空において印刷方向に移動させ、
前記スクレッパのコーティング方向において、前記1対の掬い取り部の挟み込みを解除して、インク溜まりを前記スクリーン版に戻す請求項6に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項8】
スクリーン版に対してインク溜まりの返しを実行するインク返しを備え、
スキージの印刷方向とスクレッパのコーティング方向が同じ方向であり、スクレッパのコーティング方向の前方にインク溜まりを形成し、かつ、スキージの印刷方向の前方からインク溜まりを撤去した状態で、前記制御部は、前記スクレッパによるコーティングとスキージによる印刷を同時に実行し、
前記インク返しによりインク溜まりを戻す請求項1又は2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項9】
スキージとスクレッパとスクリーン版とによりスクリーン印刷をするスクリーン印刷方法において、
スキージの印刷方向の前方からインク溜まりを撤去した状態でスキージにより印刷し、
スクレッパのコーティング方向の前方にインク溜まりを形成した状態でスクレッパによりインクをコーティングするスクリーン印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、スクリーン版を用いたスクリーン印刷装置が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-315304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、インクの供給を適切にして、印刷パターンを正確に印刷できるスクリーン印刷装置及びクリーン印刷方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のスクリーン印刷装置は、
スキージとスクレッパとによりスクリーン印刷をするスクリーン印刷装置において、
スクリーンを有するスクリーン版と、
スキージの印刷方向の前方からインク溜まりを撤去した状態でスキージにより印刷し、スクレッパのコーティング方向の前方にインク溜まりを形成した状態でスクレッパによりインクをコーティングする制御部と
を備えた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、スキージがブレードによりコーティングされたインクを用いて印刷をするので、インクの供給量を適切にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1におけるスクリーン印刷装置100の正面図。
図2】実施の形態1におけるスクリーン印刷装置100の平面図。
図3】実施の形態1における印刷方法のフローチャート。
図4】実施の形態1における印刷方法の説明図。
図5】実施の形態1における印刷方法の説明図。
図6】実施の形態1における印刷方法の説明図。
図7】実施の形態1における印刷方法の説明図。
図8】実施の形態1における印刷方法の説明図。
図9】実施の形態1における印刷方法の説明図。
図10】実施の形態1における印刷方法の説明図。
図11】実施の形態2における印刷方法のフローチャート。
図12】実施の形態2における印刷方法の説明図。
図13】実施の形態2における印刷方法の説明図。
図14】実施の形態2における印刷方法の説明図。
図15】実施の形態2における印刷方法の説明図。
図16】実施の形態2における印刷方法の説明図。
図17】実施の形態2における印刷方法の説明図。
図18】実施の形態2における印刷方法の説明図。
図19】実施の形態3におけるスクリーン印刷装置100の正面図。
図20】実施の形態3におけるスクリーン印刷装置100の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、符号を付して説明するが、この符号によって請求の範囲を限定するものではない。
【0009】
実施の形態1.
【0010】
***スクリーン印刷装置100の概要構成の説明***
図1は、スクリーン版50を使用したスクリーン印刷装置100の側面図である。
図2は、スクリーン版50を使用したスクリーン印刷装置100の平面図である。
図1図2において、Pは、ワーク101に対する印刷方向である。
図1図2において、Qは、インク91のコーティング方向である。
【0011】
●制御部30
スクリーン印刷装置100は、制御部30を有する。
制御部30は、中央処理装置と、メモリと、記憶装置と、プログラムとを有する電子デバイスである。
制御部30は、信号線31を介して、印刷部40を制御する。
制御部30は、信号線31を介して、スキージ昇降部61と、スクレッパ昇降部71と、ハンドラ駆動部82を制御する。
【0012】
スクリーン印刷装置100が提供する印刷方法は、制御部30が印刷部40とスキージ昇降部61とスクレッパ昇降部71とハンドラ駆動部82を制御することにより実現される。
【0013】
●印刷部40
スクリーン印刷装置100は、印刷部40を有する。
印刷部40は、ガイド41にガイドされて水平方向に移動する。
印刷部40は、スキージ昇降部61と、スクレッパ昇降部71と、ハンドラ駆動部82を有する。
スキージ昇降部61は、スキージ60を上下に移動させる。
スクレッパ昇降部71は、スクレッパ70を上下に移動させる。
ハンドラ駆動部82は、掬い取り部81を上下左右に移動させる。
【0014】
●スクリーン版50
スクリーン版50は、スクリーン枠とスクリーン51を有する。
スクリーン51は、印刷パターンを有する。
【0015】
●スキージ60
スクリーン印刷装置100は、スキージ60を有する。
スキージ60は、スクリーン版50の上表面から下表面に向けてインク91を押し出す。
スキージ60は、ゴム製又はウレタン製のヘラである。
【0016】
●スクレッパ70
スクリーン印刷装置100は、スクリーン版50の上表面にインク91をコーティングするスクレッパ70を有する。
スクレッパ70は、スキージ60よりも左に配置されている。
スクレッパ70は、ステンレス製その他の金属製の平板である。
スクレッパ70は、下部が矩形の板である。
【0017】
●インクハンドラ80
スクリーン印刷装置100は、インク溜まり90を掬い取るインクハンドラ80を有する。
インクハンドラ80は、スキージ60の左側に配置されている。
インクハンドラ80は、スクレッパ70と掬い取り部81を有する。
掬い取り部81は、スキージ60とスクレッパ70との間に配置されている。
掬い取り部81は、ステンレス製その他の金属製の平板である。
掬い取り部81は、下部が矩形の板である。
掬い取り部81は、インク溜まり90をスクレッパ70との間に挟み込み、インク溜まり90を掬い取る。
【0018】
●インク溜まり90
インク溜まり90は、インク91の塊である。
インク溜まり90のインク91は、スクレッパ70によりスクリーン51の上表面にコーティングされる。
インク91は、ペースト、クリームはんだ、染料、その他の粘性のある液状物質であればよい。
【0019】
***スクリーン印刷方法の説明***
図3から図10により、スクリーン印刷方法を説明する。
以下の動作は、制御部30が印刷部40とスキージ昇降部61とスクレッパ昇降部71とハンドラ駆動部82を制御することにより実現される。
【0020】
●ステップS11.コーティング工程(図4
図4のように、スクレッパ70のコーティング方向の前方に、インク溜まり90がある。
スクレッパ70は、コーティング方向の前方にインク溜まり90を形成した状態で、スクリーン版50にインクをコーティングする。
スクレッパ70により、スクリーン51の上表面にインク91をコーティングする。
スクレッパ70は、スクリーン51にインク91を埋め込みながら、インク91をコーティングする。
スクレッパ70は、少なくとも印刷に十分な量のインク91を印刷パターンに充填する。
【0021】
●ステップS12.掬い取り部81の下降工程(図5
コーティング終了後、掬い取り部81を下降させる。
【0022】
●ステップS13.掬い取り工程(図6
掬い取り部81を左に移動させ、スクレッパ70と掬い取り部81とでインク溜まり90を挟み込んでインク溜まり90を掬い取る。
【0023】
●ステップS14.インク溜まり90の撤去工程(図7
スクレッパ70と掬い取り部81とを上昇させ、インク溜まり90を持ち上げる。
インク溜まり90を持ち上げ、印刷前に、スキージ60に前のインク溜まり90を除去する。
同時に、スキージ60を下降させる。
【0024】
●ステップS15.印刷工程(図8
印刷中に、スキージ60の印刷方向の前方にインク溜まり90がない。
スキージ60は、印刷方向の前方にインク溜まりがない状態で、スクレッパ70によりコーティングされたインクのみを用いて印刷をする。
スキージ60は、スクレッパ70により印刷パターンに埋め込まれたインク91とコーティングされたインク91のみで印刷をする。
【0025】
●掻き取りインク92
図8のように、印刷中、スキージ60の前には、スキージ60により掻き取られたインク91が掻き取りインク92として堆積する可能性がある。
掻き取りインク92は、コートされたインク91の一部であり、印刷に使用されなかった余剰インクである。
掻き取りインク92は、積極的に発生させているものではなく、印刷に伴い受動的に発生するものである。
掻き取りインク92の量は、コートされたインク91の厚さに依存する。
スクレッパ70の取付高さを調整して、上表面とスクレッパ70の隙間の間隔を変更することにより、掻き取りインク92の量を調整することができる。
【0026】
●ステップS16.インク溜まり90の戻し工程(図9
印刷終了後、スキージ60を上昇させる。
同時に、スクレッパ70と掬い取り部81とを下降させ、インク溜まり90を下降させる。
【0027】
●ステップS17.インク溜まり90の戻し工程(図10
掬い取り部81を右に移動させ、スクレッパ70と掬い取り部81とで挟んだインク溜まり90を開放して、インク溜まり90をスクリーン51の上表面に戻す。
以後、ステップS11からステップS17を繰り返す。
【0028】
***印刷方法と印刷状態の説明***
●インク溜まり90
コーティング中、スクレッパ70の前のみに、インク溜まり90を形成する。
印刷中、スキージ60の前にはインク溜まり90がない。
スキージ60は、スクレッパ70によりコーティングされたインク91のみで印刷をする。
スキージ60は、インク溜まり90のインク91を使用しないで印刷をする。
【0029】
●比較例1(スキージ60の前にインク溜まり90)
印刷中に、スキージ60の前にインク溜まり90を形成すると、スクレッパ70によりコートされたインク91とスキージ60の前のインク溜まり90のインク91との両方により印刷が行われることになり、インク過多による印刷が行われる可能性がある。
【0030】
●比較例2(スキージ60の前にインク溜まり90)
印刷中に、スキージ60の前にインク溜まり90を形成すると、インク溜まり90の幅方向(印刷方向と直交する方向)に存在する印刷方向のインク量が一定でないため、幅方向においてインク91の充填量に差ができてしまう可能性がある。
スキージ60の前にインク溜まり90を形成しなくても、スクレッパ70が、均一の厚さのインク91をコーティングするので、印刷時に幅方向においてインク91の供給量を均一にすることができる。
●比較例2(スキージ60による掬い取り)
スキージ60と掬い取り部81とによりインク溜まり90を掬い取る場合は、印刷とインク溜まり90の移動とを同時に実施できない。
スクレッパ70と掬い取り部81とによりインク溜まり90を掬い取るので、印刷とインク溜まり90の移動とを同時に実施することができる。
【0031】
***実施の形態1の特徴**
実施の形態1のスクリーン印刷装置100は、スクリーン版50を用いて、ワークに印刷をする。
制御部30は、スキージ60の印刷方向の前方からインク溜まり90を撤去した状態でスキージ60により印刷する。
制御部30は、スクレッパ70のコーティング方向の前方にインク溜まり90を形成した状態でスクレッパ70によりインクをコーティングする。
【0032】
インクハンドラ80は、スクリーン版50に対してインク溜まり90の撤去とインク溜まり90の戻しとを実行する。
制御部30は、インクハンドラ80によりスキージ60の印刷方向の前方からインク溜まり90を撤去し、インクハンドラ80によりスクレッパ70のコーティング方向の前方にインク溜まり90を戻す。
【0033】
インクハンドラ80は、インク溜まり90を掬い取る掬い取り部81を有する。
インクハンドラ80は、インク溜まり90をスクレッパ70との間に挟んで掬い取る。
【0034】
制御部30は、印刷中に、インク溜まり90を掬い取り部とスクレッパとの間に挟みこんだ状態で、掬い取り部81とスクレッパ70とをスクリーン版50の上空において印刷方向に移動させる。
制御部30は、印刷後に、スクレッパ70と掬い取り部81の挟み込みを解除して、インク溜まり90をスクリーン版に戻す。
【0035】
***実施の形態1の効果***
実施の形態1のスクリーン印刷装置100によれば、インクの量が適切な印刷が可能になるため、正確な印刷が可能になる。
例えば、スキージ60の前のインク量は幅方向において均等になるので、インク量の差がなくなる。
【0036】
スクレッパ70によりインク91をコーティングするので、インク91の量が最適になる。スクレッパ70の前にインク溜まり90が形成され、スキージ60の前にインク溜まり90が形成されないので、インクの量が最適になる。
【0037】
実施の形態2.
以下、実施の形態1と異なる点について説明する。
図11から図18に示す実施の形態2は、インクハンドラ80の構成が異なる。
実施の形態1のインクハンドラ80は、スクレッパ70と掬い取り部81を有していたが、実施の形態2のインクハンドラ80は、1対の掬い取り部81を有している。
【0038】
1対の掬い取り部81は、ハンドラ駆動部82により、上下左右に移動する。
1対の掬い取り部81は、ハンドラ駆動部82により、間隔を増減する。
【0039】
***スクリーン印刷方法の説明***
図11から図18により、スクリーン印刷方法を、実施の形態1と異なる点について、説明する。
以下の動作は、制御部30が印刷部40とスキージ昇降部61とスクレッパ昇降部71とハンドラ駆動部82を制御することにより実現される。
【0040】
●ステップS11.コーティング工程(図12
実施の形態1と同じ。
【0041】
●ステップS12.1対の掬い取り部81の下降工程(図13
コーティング終了後、1対の掬い取り部81を下降させる。
【0042】
●ステップS13.掬い取り工程(図14
1対の掬い取り部81を間隔が狭くなるように移動させ、1対の掬い取り部81でインク溜まり90を挟み込んでインク溜まり90を掬い取る。
【0043】
●ステップS14.インク溜まり90の撤去工程(図15
1対の掬い取り部81を上昇させ、インク溜まり90を持ち上げる。
同時に、スクレッパ70を上昇させ、スキージ60を下降させる。
【0044】
●ステップS15.印刷工程(図16
実施の形態1と同じ。
【0045】
●ステップS16.インク溜まり90の戻し工程(図17
印刷終了後、スキージ60を上昇させる。
同時に、スクレッパ70と1対の掬い取り部81とを下降させ、インク溜まり90を下降させる。
【0046】
●ステップS17.インク溜まり90の戻し工程(図18
1対の掬い取り部81の間隔を広くして、1対の掬い取り部81で挟んだインク溜まり90を開放して、インク溜まり90をスクリーン51の上表面に戻す。
以後、ステップS11からステップS17を繰り返す。
【0047】
***実施の形態2の特徴**
インクハンドラ80は、インク溜まり90を掬い取る1対の掬い取り部81を有する。
インクハンドラ80は、インク溜まり90を1対の掬い取り部81の間に挟んで掬い取る。
【0048】
制御部30は、インク溜まり90を1対の掬い取り部81の間に挟みこんだ状態で、1対の掬い取り部81をスクリーン版50の上空において印刷方向に移動させる。
制御部30は、スクレッパ70のコーティング方向において、1対の掬い取り部81の挟み込みを解除して、インク溜まり90をスクリーン版50に戻す。
【0049】
実施の形態3.
以下、実施の形態1、2と異なる点について説明する。
図19に示す実施の形態3は、スクレッパ70とインクハンドラ80の位置が異なる。
実施の形態2のスクレッパ70はスキージ60と掬い取り部81の間にある。
印刷方向と、コーティング方向とは同じ方向である。
【0050】
***スクリーン印刷方法の説明***
図19図20により、スクリーン印刷方法を、実施の形態1と異なる点について、説明する。
図19にように、スクリーン印刷装置100は、印刷とコーティングとを同時に実施する。
スキージ60に前にインク溜まり90がない。
スクレッパ70に前にインク溜まり90がある。
スクレッパ70がインクの充填とコーティングをした直後にスキージ60が印刷をする。
図20にように、スクリーン印刷装置100は、印刷後、インク返し83により、インク溜まり90をスクリーン51の上表面において左から右に移動する。
インク返し83は、インク溜まり90を移動させるだけであり、インクの充填とコーティングはしない。
【0051】
***実施の形態3の特徴**
スキージ60の印刷方向とスクレッパ70のコーティング方向が同じ方向である。
スクレッパ70のコーティング方向の前方にインク溜まり90を形成し、かつ、スキージ60の印刷方向の前方からインク溜まり90を撤去した状態で、制御部30は、スクレッパ70によるコーティングとスキージ60による印刷を同時に実行する。
印刷後、インク返し83は、スクリーン版に対してインク溜まりの印刷開始位置への返しを実行する。
【0052】
なお、インク返し83の代わりに、実施の形態2の1対の掬い取り部81で挟んでインク溜まり90を持ち上げて移動させてもよい。
【0053】
***実施の形態の補足説明***
前述した実施の形態を組み合わせてもかまわないし、実施の形態の一部を組み合わせてもかまわない。
【符号の説明】
【0054】
30 制御部、31 信号線、40 印刷部、41 ガイド、50 スクリーン版、51 スクリーン、60 スキージ、61 スキージ昇降部、70 スクレッパ、71 スクレッパ昇降部、80 インクハンドラ、81 掬い取り部、82 ハンドラ駆動部、83 インク返し、90 インク溜まり、91 インク、92 掻き取りインク、100 スクリーン印刷装置、101 ワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20