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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183914
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】アダプタ及びアダプタ付きシリンジ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097721
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】沖原 等
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047CC04
4C047HH02
4C047HH03
4C047HH10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】注射剤を調整する作業を行う際に、使用者が薬剤の混合を忘れ誤投与するおそれを解決するアダプタを提供する。
【解決手段】シリンジ12とバイアルとを接続するアダプタ14は、両頭針を有し、バイアルの口部と接続可能な針部材38と、針部材38を軸線方向に移動可能に保持する保持部材と、バレル16の先端部に連結される連結部と、を有する接続部材34と、連結部に当接して連結部のシリンジ12からの離脱を阻止するロック部材と、を備え、ロック部材は、針部材38にバイアルが押し込まれて針部材38が連結部に接近することにより針部材38に連結され、ロック部材は、バイアルがシリンジ12から離間する際に針部材38及びバイアルとともに連結部から離間して、接続部材34のシリンジ12からの離脱を可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジとバイアルとを接続するアダプタであって、
両頭針を有し、前記バイアルの口部と接続可能な針部材と、
前記針部材を軸線方向に移動可能に保持する保持部材と、前記シリンジのバレルの先端部に連結される連結部と、を有する接続部材と、
前記連結部に当接して前記連結部の前記シリンジからの離脱を阻止するロック部材と、を備え、
前記ロック部材は、前記針部材に前記バイアルが押し込まれて前記針部材が前記連結部に接近することにより前記針部材に連結され、
前記ロック部材は、前記バイアルが前記シリンジから離間する際に前記針部材及び前記バイアルとともに前記連結部から離間して、前記接続部材の前記シリンジからの離脱を可能とする、アダプタ。
【請求項2】
請求項1記載のアダプタであって、前記連結部は、内方に突出し、前記シリンジの連結溝に係合する連結突起を有し、前記連結突起は、前記シリンジに対して周方向に回転することで前記シリンジと前記接続部材との連結状態を解除する、アダプタ。
【請求項3】
請求項2記載のアダプタであって、前記ロック部材は、前記連結突起の周方向に隣接して配置され、前記接続部材の周方向の回転を妨げるロック片を有する、アダプタ。
【請求項4】
請求項3記載のアダプタであって、前記ロック片は、前記連結部の内周面と、前記先端部の外周面との間に挿入され、前記連結突起と周方向から当接して前記接続部材の回動を阻止する、アダプタ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のアダプタであって、前記ロック部材は、前記接続部材に当接することで、前記ロック部材を前記接続部材に仮固定する仮止突起を有する、アダプタ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のアダプタであって、前記ロック部材は嵌合部を有し、前記針部材は前記嵌合部に嵌合可能な第1爪部材を有し、前記バイアルが前記針部材に押し込まれると、前記第1爪部材が前記嵌合部に嵌合して前記ロック部材と前記針部材とが連結され、前記バイアルが前記シリンジから離れる方向に変位すると、前記針部材とともに前記ロック部材が前記連結部から引き抜かれて前記連結部の解除を可能とする、アダプタ。
【請求項7】
請求項6記載のアダプタであって、前記針部材は、前記シリンジの前記先端部を封止するキャップに係合する第2爪部材を有し、前記バイアルが前記針部材に押し込まれると前記第2爪部材が前記キャップに係合し、前記バイアルが前記シリンジから離れる方向に変位すると、前記キャップは、前記針部材とともに前記シリンジから外れる、アダプタ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のアダプタと、
内部に医療用液体を収容したシリンジと、を備え、
前記シリンジの前記先端部に前記アダプタが接続された、アダプタ付きシリンジ。
【請求項9】
請求項8記載のアダプタ付きシリンジであって、前記ロック部材を前記シリンジに仮固定する凹凸構造を有する、アダプタ付きシリンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジとバイアルとを接続するアダプタ及びアダプタ付きシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、2種類の薬剤(例えば、粉剤及び溶解液)を分離して保存し、使用直前にこれらの薬剤を混合して使用する注射剤が使用されている。このような注射剤は、例えば、一方の薬剤が粉剤としてバイアル容器に封入され、他方の薬剤が注射用水又は生理食塩水等の溶解液としてシリンジに封入されて提供される。
【0003】
注射剤の調整は、粉剤入りのバイアルと溶解液を含んだシリンジとを連結器具(アダプタ)で接続して行われる。シリンジの溶解液は、バイアルの粉剤に導入され、注射剤の混合及び調整が行われる。調整した注射剤は、バイアルからシリンジに移送される。その後、シリンジからバイアルが取り外され、注射針がシリンジに取り付けられ、シリンジが注射剤の投与に使用される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007-525264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
注射剤を調整する作業を行う際に、使用者(例えば、医療従事者又は患者)が薬剤の混合を忘れる場合がある。この場合には、使用者は、シリンジに封入されている溶解液(例えば、注射溶液や生理食塩水等)を調整済みの薬剤と誤認識し、混合操作を行わずにシリンジに注射針を取り付けて誤投与するおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の開示の一観点は、シリンジとバイアルとを接続するアダプタであって、両頭針を有し、前記バイアルの口部と接続可能な針部材と、前記針部材を軸線方向に移動可能に保持する保持部材と、前記シリンジのバレルの先端部に連結される連結部と、を有する接続部材と、前記連結部に当接して前記連結部の前記シリンジからの離脱を阻止するロック部材と、を備え、前記ロック部材は、前記針部材に前記バイアルが押し込まれて前記針部材が前記連結部に接近することにより前記針部材に連結され、前記ロック部材は、前記バイアルが前記シリンジから離間する際に前記針部材及び前記バイアルとともに前記連結部から離間して、前記接続部材の前記シリンジからの離脱を可能とする、アダプタにある。
【0008】
別の一観点は、上述観点のアダプタと、内部に医療用液体を収容したシリンジと、を備え、前記シリンジの前記先端部に前記アダプタが接続された、アダプタ付きシリンジにある。
【発明の効果】
【0009】
上述観点のアダプタ及びアダプタ付きシリンジは、アダプタにバイアルを接続し、そのバイアルをシリンジから引き抜く操作が行われるまで、アダプタがシリンジから外れないため、薬剤の混合忘れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係るアダプタ付きシリンジの斜視図である。
図2図2は、図1のアダプタ付きシリンジの分解状態での断面図である。
図3図3は、図1のアダプタとシリンジとの接続部分の拡大断面図である。
図4図4Aは、図1のシリンジ(キャップ付き)の先端部の拡大斜視図であり、図4Bは、図4Aのシリンジの先端部の断面図である。
図5図5Aは、図1のアダプタの接続部材を基端側から示す斜視図であり、図5B図5Aの接続部材を先端側から示す斜視図である。
図6図6Aは、図1のアダプタのロック部材を基端側から示す斜視図であり、図6B図6Aのロック部材を先端側から示す斜視図である。
図7図7Aは、図1のアダプタの針部材を基端側から示す斜視図であり、図7B図7Aの針部材を先端側から示す斜視図である。
図8図8Aは、シリンジと、ロック部材と、針部材との接続構造を示す透視図であり、図8Bは、図8AのVIIIB-VIIIB線に沿った断面図である。
図9図9Aは、図1のアダプタ付きシリンジのアダプタにバイアルを挿入する直前の断面図であり、図9B図9Aのバイアルにアダプタを接続した状態の断面図である。
図10図10は、針部材とロック部材とキャップとの連結構造を示す断面図である。
図11図11Aは、バイアルをアダプタ付きシリンジの先端側に向けて引いた状態の断面図であり、図11Bは、図11Aの状態におけるロック部材と、シリンジとの位置関係を示す透視図である。
図12図12は、アダプタをシリンジから離れる方向に移動させた状態の断面図である。
図13図13は、第2実施形態に係るアダプタ付きシリンジの断面図である。
図14図14Aは、図13のロック部材を先端側から示す斜視図であり、図14Bは、図13のXIVB-XIVB線に沿った断面図である。
図15図15は、図13のアダプタ付きシリンジにおいて、キャップをシリンジに残してアダプタを引き抜いた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係るアダプタ付きシリンジ10は、シリンジ12とアダプタ14とを有する。シリンジ12は、薬剤である溶解液として、医療用液体を予め収容したプレフィルドシリンジである。医療用液体は、他の薬剤(例えば、粉剤)と混合して注射剤の調整に供される液体であり、例えば、生理食塩水や希釈用水等が挙げられる。シリンジ12は、使用前に、アダプタ14を介して薬剤を収容したバイアル90(図9A等参照)が接続される。シリンジ12内の医療用液体は、バイアル90に移された後、バイアル90の内部の薬剤と混合される。バイアル90の内部の注射薬は、シリンジ12の内部に移されて投与に供される。
【0012】
このようなアダプタ付きシリンジ10において、アダプタ14は、シリンジ12のキャップ24を覆うことで、バイアル90の接続前の注射針の装着を阻止して、シリンジ12の生理食塩水等の誤投与を防止する。アダプタ14は、初期状態においてシリンジ12から取り外しができないように、ロックされている。アダプタ14は、バイアル90をシリンジ12と連通する位置にまで押し込んだ後にバイアル90を引き抜くことでロックを解除し、シリンジ12から取り外し可能となる。アダプタ付きシリンジ10は、さらに以下の構成を有する。
【0013】
図2に示すように、シリンジ12は、バレル16と、ガスケット20と、プランジャ22と、キャップ24と、を有する。バレル16は、円筒状の胴体部17と、胴体部17の先端から先端方向に突出したノズル18と、ノズル18を囲むロック筒19とを有する。胴体部17は、内部に軸線方向(シリンジ12の中心軸線に沿う方向であり、先端側及び基端側の方向)に延在する空洞部17aを有する。ガスケット20は、空洞部17aに軸線方向に摺動可能に配置される。ガスケット20は、収容室26の基端を液密及び気密に封止する。プランジャ22は、ガスケット20の基端に接続されている。プランジャ22は、使用者の操作入力部であり、ガスケット20を前進又は後退させる。
【0014】
ノズル18及びロック筒19は、バレル16の先端部16aを構成する。ノズル18は、内部に収容室26に連通する流路18aを有する。ロック筒19は、ノズル18の外周部を囲む円筒状の部分である。ロック筒19は、注射針を保持する部材である。ロック筒19は、ロック筒19の内周部に注射針を螺合するためのネジ構造を有してもよい。
【0015】
図4Aに示すように、ロック筒19は、外周部19aに、アダプタ14を保持するための連結溝28を有する。連結溝28は、第1連結溝28aと、第2連結溝28bと、係合凹部28cとを有する。第1連結溝28aは、ロック筒19を肉薄にした軸線方向に延在する溝である。第2連結溝28bは、ロック筒19の周方向に短く延在する溝である。第2連結溝28bの周方向の一端は、第1連結溝28aの軸線方向の途中で第1連結溝28aに接続する。係合凹部28cは、第1連結溝28aの内部(底部)に位置する。係合凹部28cは、第1連結溝28aよりも内方に凹んでいる。係合凹部28cは、ロック部材36をロック筒19に仮固定する凹凸構造29の一部を構成する。特に図示しないが、連結溝28は、図4Aのノズル18の周方向の反対側にも形成されている。
【0016】
図2及び図4Bに示すように、キャップ24は、シリンジ12の先端に装着され、シリンジ12の収容室26を封止する。キャップ24は、栓体30とケース32とを有する。栓体30は、ゴム等の弾性素材によって形成され、ノズル18の先端及び外周に当接する封止部30aと、先端凹部30bとを有する。先端凹部30bは、先端側が凹んだ形状を有する。先端凹部30bは、後述する基端針66を収容する。先端凹部30bと封止部30aとは、封止壁30cにより隔てられている。
【0017】
ケース32は、筒状に形成される。ケース32は、栓体30よりも硬質な樹脂素材等によって形成されている。ケース32は、内部に栓体30を保持する。ケース32は、アダプタ付きシリンジ10の初期状態において、栓体30の基端部とともに、ノズル18とロック筒19との間の隙間に挿入されている。キャップ24は、主に摩擦力によってバレル16の先端部16aに保持される。
【0018】
図2に示すように、アダプタ14は、接続部材34と、ロック部材36と、針部材38と、を有する。アダプタ14は、初期状態において、接続部材34がシリンジ12に接続されている。接続部材34は、筒状形状を有する。接続部材34は、連結部40と、中間部42と、保持筒44(保持部材の一例)とを有する。
【0019】
連結部40は、接続部材34の基端側に位置し、接続部材34の中で最も小さな外径寸法を有する。連結部40の内径寸法は、ロック筒19の外径寸法よりも大きい。連結部40の内周面40aは、ロック筒19の外周部19aよりも外方に離間する。初期状態において、連結部40の内周面40aとロック筒19の外周部19aとの隙間は、ロック部材36の挿入部36aを収容する。
【0020】
図3に示すように、連結部40は、初期状態において、ロック筒19を周方向の全周に亘って囲むように装着される。連結部40は、図5Aに示すように、内周面40aから突出した連結突起46を有する。連結突起46は、周方向に短く延びた線状の突起であり、ロック筒19の外周部19aに形成された第2連結溝28b(図4A参照)に係合可能な寸法を有する。初期状態において、連結突起46は、第2連結溝28bに係合する。連結突起46は、接続部材34のシリンジ12からの離脱を阻止する。連結突起46は、連結部40の周方向に180°の角度を開けて2つ配置されている。
【0021】
また、連結部40は、内周面40aに軸線方向に延びる収容溝48を有する。収容溝48は、連結部40の内周面40aから外周に向けて凹状に凹んだ形状を有する。収容溝48は、連結突起46の周方向に隣接して位置する。収容溝48は、ロック部材36のロック片36dの外周側の一部を収容する。収容溝48は、周方向に180°角度を開けて2つ配置されている。
【0022】
中間部42は、軸線方向において連結部40と保持筒44との間に位置し、段差部を介して連結部40及び保持筒44と一体的に繋がる。中間部42は、連結部40よりも大きな外径を有し、且つ保持筒44よりも小さな外径を有する筒状の形状を有する。図3に示すように、初期状態において、中間部42は、ロック部材36の筒状の本体部36cを軸線方向に摺動可能に収容する。中間部42の内周面42aは、ロック部材36の本体部36cよりも僅かに大きな内径寸法を有する。なお、中間部42の内周面42aは、本体部36cから離間してもよい。
【0023】
図5Aに示すように、中間部42は、周方向に180°の間隔をあけて2つの膨出部50を有する。膨出部50は、中間部42から外方に膨出した部分であり、軸線方向に延在する。図5Bに示すように、膨出部50は、内部に軸線方向に延びる収容凹部50aを形成する。膨出部50は、収容溝48に対して周方向に90°ずれた部分に位置する。図8Aに示すように、初期状態において、中間部42は、収容凹部50aの内部でロック部材36の嵌合部58を収容する。
【0024】
図5Aに示すように、保持筒44は、接続部材34の先端側に位置する。保持筒44は、連結部40及び中間部42よりも大きな外径寸法を有する円筒形状を有する。図5Bに示すように、保持筒44は、内部に収容空間44aを有する。収容空間44aは、針部材38を軸線方向に移動可能に収容する。保持筒44は、さらに案内部52と、離脱防止爪54とを有する。保持筒44は、周方向に180°の角度間隔をあけて2つの案内部52を有する。案内部52は、内部に案内溝52aを形成する。各々の案内溝52aは、保持筒44の内周面44bに対して外周側に向けて凹んだ溝であり、軸線方向に延在する。案内溝52aの先端部は、保持筒44の先端において開口する。案内溝52aは、収容溝48と周方向の同じ位置に配置されている。図3に示すように、案内溝52aは、針部材38の案内凸部56を軸線方向に摺動可能に収容する。案内溝52aは、針部材38の周方向の回転を阻止する。
【0025】
図5Bに示すように、離脱防止爪54は、保持筒44の内周面44bから内方に突出する。離脱防止爪54は、保持筒44の先端の開口部44cの近傍に位置する。離脱防止爪54は、針部材38の外周爪57(図7A参照)と当接可能な周方向の位置に配置される。特に限定されるものではないが、図示の例では、離脱防止爪54は、各々の案内溝52aに隣接して2つ、合計4個設けられている。離脱防止爪54は、針部材38の外周爪57に当接することで、針部材38の保持筒44からの離脱を阻止する。
【0026】
図2に示すように、アダプタ14のロック部材36は、接続部材34と針部材38との間に配置される。図6Aに示すように、ロック部材36は、基端側に位置する挿入部36aと、先端側に位置する本体部36cとを有する。挿入部36aは、初期状態において、バレル16の先端部16a(ロック筒19)の外周と、接続部材34との隙間に挿入される部分である。挿入部36aは、さらに円周壁36bと、ロック片36dと、仮止部36eとを有する。円周壁36bは、本体部36cの基端壁36c1から基端側に向けて軸方向に短く延び出た円筒形状の部分である。円周壁36bは、初期状態において、図3に示すように、ロック筒19よりも先端側に位置し、キャップ24と接続部材34との隙間に配置される。
【0027】
図6Aに示すように、ロック片36dは、円周壁36bの基端から軸線方向に延び出た板状の部分である。ロック片36dは、周方向に180°離れて2つ配置されている。ロック片36dは、円周壁36bと同じ半径の円周に沿って湾曲する。ロック片36dの周方向の寸法は、図4Aに示すロック筒19の第1連結溝28aの周方向の寸法よりも僅かに小さい。図8Aに示すように、初期状態において、ロック片36dは、内周側の一部がロック筒19の第1連結溝28aに収容される。ロック片36dは、第2連結溝28bに収容された連結突起46の周方向の変位を阻止し、連結突起46の第2連結溝28bからの離脱を阻止するロック機構を構成する。
【0028】
図6Aに示すように、仮止部36eは、ロック片36dの内周面から内方に向けて突出する。仮止部36eは、図4Aに示すロック筒19の係合凹部28cに係合可能な部位に位置する。初期状態において、図8Bに示すように、仮止部36eは、係合凹部28cに係合する。仮止部36eは、係合凹部28cと係合することで、摩擦抵抗を増加させ、ロック部材36のロック筒19からの引き抜けに対して、適度な抵抗力を発生させる。仮止部36eは所定以上の力でロック部材36を先端側に引っ張ると、係合凹部28cから離脱してロック片36dの第1連結溝28aからの離脱を許容する。仮止部36e及び係合凹部28cは、ロック部材36をシリンジ12に仮固定する凹凸構造29を構成する。
【0029】
図6Aに示すように、本体部36cは、挿入部36aの先端側に位置する円筒状の部分である。本体部36cは、挿入部36aよりも大きな外径寸法を有する。本体部36cは、基端壁36c1を介して挿入部36aと接続されている。本体部36cは、内部に空洞部36fを有する。空洞部36fの基端は基端壁36c1によって部分的に塞がれ、空洞部36fの先端は開口する。空洞部36fは、針部材38の基端筒68(図7A参照)を収容可能である。本体部36cは、針部材38に連結される嵌合部58を有する。嵌合部58は、周方向に180°離れて2つ設けられている。各々の嵌合部58は、本体部36cよりも外方に僅かに膨出する。嵌合部58は、ロック片36dに対して周方向に90°離れて位置する。嵌合部58は、先端側が軸線方向に延びる一対の分離溝58aを介して本体部36cから分離されている。分離溝58aは、本体部36cの先端部から基端壁36c1にまで延在する。そのため、嵌合部58は、円周壁36bを介して本体部36cに繋がっている。このような分離溝58aは、嵌合部58の径方向への弾性変形を容易にする。嵌合部58は、接続部材34の収容凹部50a(図5B参照)に挿入される。嵌合部58及び収容凹部50aは、ロック部材36の周方向の回転を規制し、ロック部材36の軸線方向への移動を許容する。
【0030】
嵌合部58は、さらに、窓部58bと、嵌合突起58cとを有する、窓部58bは、嵌合部58を厚さ方向(径方向)に貫通する矩形状の孔である。窓部58bには、針部材38を基端側に向けて押し込んだ際に、針部材38の第1爪部材60が内方から入り込む。嵌合突起58cは、窓部58bの先端側に隣接して形成される。嵌合突起58cは、基端部に軸線方向に対して垂直に切り立った端面58c1を有する。端面58c1は、針部材38の第1爪部材60(図7A参照)と引っ掛かることで、針部材38とロック部材36とを強固に連結する。嵌合部58と第1爪部材60との接続強度は、ロック片36dと第1連結溝28aとの摩擦抵抗よりも大きい。以上のようなロック部材36のロック片36dは、図3に示すように、初期状態において接続部材34の内周面と、バレル16の先端部16a(ロック筒19)の外周面との間に挿入される。ロック片36dは、連結突起46の周方向から当接することで、接続部材34の回動を阻止する。
【0031】
図2に示すように、アダプタ14の針部材38は、ロック部材36の先端側に位置する。図3に示すように、針部材38は、接続部材34の保持筒44に、軸線方向に移動可能に収容される。針部材38は、図7A及び図7Bに示すように、キャップ接続部62と、両頭針63と、バイアル接続部64と、を有する。キャップ接続部62は、基端側に位置し、キャップ24に接続される部分である。バイアル接続部64は、キャップ接続部62の先端側に位置し、バイアル90が接続される部分である。両頭針63は、基端針66と先端針70とにより構成される。
【0032】
キャップ接続部62は、基端針66と、基端筒68とを有する。基端針66は、中心軸線に沿って軸線方向に基端側に向けて突出する。基端針66の端部には、キャップ24の栓体30を貫通可能な鋭利な針先66aが形成される。基端針66の内部には流路66bが形成される。流路66bは、先端針70の流路70bに連通する。基端筒68は、基端針66の周囲を囲むようにして基端側に向けて突出した円筒状の壁よりなる。基端筒68は、キャップ24のケース32の先端部を収容可能な内径寸法を有する。基端筒68は、内周部68aに複数の第2爪部材71を有する。第2爪部材71は、基端から先端側に向けて徐々に中心軸線に向けて接近するように傾斜して突出した板状部材である。第2爪部材71の先端71aは、針部材38が、キャップ24に穿刺されると、ケース32の先端のフランジ状のリブ32aに係合し、針部材38とキャップ24とを離脱不能に接続する。
【0033】
また、基端筒68は、外周部に第1爪部材60を有する。第1爪部材60は、基端筒68の外周部から外方に突出する。第1爪部材60は、周方向に線状に延びる。第1爪部材60は、先端に軸線方向に対して垂直に切り立った先端面を有する。第1爪部材60は、針部材38がキャップ24に穿刺されると、嵌合部58の窓部58b(図6A参照)に挿入され、嵌合突起58cと嵌合する。第1爪部材60は、嵌合部58と嵌合することで、ロック部材36と針部材38とを強固に接続する。
【0034】
針部材38のバイアル接続部64は、先端針70と、先端筒72と、を有する。先端針70は、図7Bに示すように、中心軸線に沿って先端に向けて突出する針部である。先端針70は、バイアル90の栓体94(図9A参照)を貫通可能な長さを有し、先端に鋭利な針先70aを有する。先端針70は、内部に軸線方向に貫通する流路70bを有する。流路70bは、基端針66の流路66bに連通する。
【0035】
先端筒72は、先端針70の外方を囲む円筒状の壁を有する。先端筒72は、基端筒68よりも大きな外径の円筒形状を有する。先端筒72は、基端壁72aを介して基端筒68と接続されている。先端筒72は、内側にバイアル90の口部92を収容する接続凹部74を有する。接続凹部74は、図7A及び図7Bに示すように基端側が先端筒72の基端壁72aによって閉塞されてよいが、接続凹部74の基端側が閉塞されない態様で先端筒72と基端筒68とを接続してもよい。接続凹部74は、先端側が開口する。先端筒72は、バイアル90の口部92(図9A参照)を保持する保持片76を有する。保持片76は、バイアル90の口部92に嵌合する突起76aを有する。保持片76は、突起76aの周方向の両側部に一対の分離溝76bを有する。分離溝76bは、保持片76の径方向に弾性変形しやすくすることで、針部材38への口部92の接続を容易にする。
【0036】
先端筒72は、外周部に案内凸部56と、外周爪57と、を有する。案内凸部56は、先端筒72の外周部に2つ設けられる。各々の案内凸部56は、第1爪部材60の中心に対して周方向に90°離れた位置に形成される。案内凸部56は、先端筒72から外周に向けて突出した板状の突起である。案内凸部56は、軸線方向に長く延びる。案内凸部56は、接続部材34の案内溝52aに挿入されて、針部材38の接続部材34に対する周方向の回転を規制する。外周爪57は、接続部材34の離脱防止爪54に係合する。外周爪57は、案内凸部56に隣接して2つ配置されている。
【0037】
図3に示すように、アダプタ14は、初期状態において、接続部材34がシリンジ12に接続される。ロック部材36及び針部材38は、接続部材34の内部に収容されている。ロック部材36の挿入部36aは、接続部材34とバレル16の先端部16a(ロック筒19)の外周部との間に挿入される。図8Aに示すように、ロック部材36のロック片36dは、第1連結溝28aに挿入されて、接続部材34の連結突起46に、周方向から当接する。ロック片36dは、連結突起46の周方向の回動を阻止することで、連結突起46の第2連結溝28bからの離脱を阻止し、接続部材34がシリンジ12に連結された状態に保持する。図8Bに示すように、ロック部材36は、仮止部36eを通じてロック筒19に仮固定される。ロック部材36は、バイアル90の接続とそれに続く引き抜き動作が行われるまで、仮固定された状態に保たれ、接続部材34とシリンジ12との連結状態を保持する。
【0038】
図3に示すように、初期状態において、針部材38は、ロック部材36の先端側に位置した状態で、保持筒44の内部に収容される。基端針66の一部は、栓体30の先端凹部30bに配置される。
【0039】
アダプタ付きシリンジ10は、以下のように使用される。
【0040】
アダプタ付きシリンジ10は、初期状態において、アダプタ14がシリンジ12から離脱不能に連結されている。したがって、アダプタ付きシリンジ10は、使用者が注射液の調製を行う前に、シリンジ12からアダプタ14を取り外して注射針を付けるといった、誤使用の発生を防止する。
【0041】
図9Aに示すように、アダプタ付きシリンジ10は、アダプタ14にバイアル90を挿入して使用される。バイアル90は、栓体94を有する口部92が針部材38の先端筒72に挿入される。バイアル90の内部には、例えば粉状又は液体状の薬剤が封入されている。
【0042】
図9Bに示すように、バイアル90がシリンジ12に向けて押し込まれると、針部材38の基端針66がキャップ24の栓体30を貫通し、針部材38の先端針70がバイアル90の栓体94を貫通する。シリンジ12の収容室26と、バイアル90の内部とは、針部材38の流路66b、70bを介して連通する。バイアル90がシリンジ12に接続されると、針部材38が基端側に変位する。図10に示すように、針部材38の基端筒68は、ロック部材36の本体部36cと、キャップ24との隙間に挿入される。その結果、針部材38の第1爪部材60が窓部58bに入り込み、第1爪部材60がロック部材36の嵌合部58に嵌合する。以後、ロック部材36は針部材38と一体的に変位する。また、針部材38の第2爪部材71は、キャップ24のリブ32aに嵌合する。その結果、針部材38とキャップ24が強固に接続され、キャップ24は、針部材38と一体的に変位する。
【0043】
その後、プランジャ22の操作により、収容室26の医療用液体がバイアル90の内部に導入される。そして、バイアル90の内部の薬剤と医療用液体とが混合されて、注射薬の調整が行われる。バイアル90で調整された、注射薬はプランジャ22の操作により、シリンジ12の収容室26に導入される。
【0044】
次に、アダプタ14をシリンジ12から取り外す操作が行われる。この操作は、図11Aに示すように、バイアル90をシリンジ12から離れる方向(先端側)にむけて引き抜く操作を含む。バイアル90を引き抜くと、針部材38、キャップ24及びロック部材36がバイアル90とともに、先端側に向けて変位する。ロック部材36は、針部材38とともに変位し、ロック片36dは第1連結溝28aから引き抜かれる。これにより、接続部材34は、周方向に回転可能となる。
【0045】
その後、使用者の操作によって、図11Bに示すように、接続部材34が回転されると、連結突起46が第2連結溝28bから第1連結溝28aへと移動するため、接続部材34をシリンジ12から先端側に引き抜くことができる。以上の操作により、図12に示すように、アダプタ14がシリンジ12から引き抜かれる。その後、シリンジ12のノズル18に注射針を装着して、シリンジ12が注射薬の投与に利用される。
【0046】
以上のように、本実施形態のアダプタ付きシリンジ10は、バイアル90を接続しない限り、アダプタ14をシリンジ12から取り外せない構造となっている。そのため、アダプタ付きシリンジ10は、シリンジ12の未調整の注射液の誤投与を防止できる。
【0047】
(第2実施形態)
図13に示すように、本実施形態のアダプタ付きシリンジ10Aは、シリンジ12と、アダプタ14Aとを有する。アダプタ14Aは、ロック部材36A及び針部材38Aにおいて、第1実施形態のアダプタ14と異なっている。なお、アダプタ付きシリンジ10Aの構成において、アダプタ付きシリンジ10の対応する構成と同様の部材には、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0048】
図14Aに示すように、ロック部材36Aは、本体部36cの外周部に仮止突起78を有する。仮止突起78は、図6Aの仮止部36eの代わりに設けられる。図14Bに示すように、仮止突起78は、接続部材34に当接することで、ロック部材36Aを接続部材34に仮固定する。
【0049】
図13に示すように、針部材38Aは、基端筒68の内周側に第2爪部材71(図7A参照)を有さない。本実施形態の、針部材38Aは、針部材38Aをシリンジ12に向けて押し込んだ場合であっても、キャップ24に連結されない。なお、針部材38Aは、シリンジ12に向けて押し込まれると、ロック部材36Aに接続される。
【0050】
図15に示すように、本実施形態のアダプタ付きシリンジ10Aは、バイアル90をシリンジ12に接続させた後に、図9A図12を参照しつつ説明した操作により、アダプタ14Aをシリンジ12から、取り外せる。図15に示すように、アダプタ付きシリンジ10Aでは、キャップ24に針部材38Aが連結されないため、アダプタ14Aをシリンジ12から取り外した際に、キャップ24がシリンジ12に残る。ノズル18は、キャップ24で封止された状態に保たれる。本実施形態のアダプタ付きシリンジ10Aは、注射薬の調整を行ってから注射針を取り付けるまでに、時間を要する場合に、シリンジ12の注射薬を清浄な状態に保てる。
【0051】
上述の開示は、以下にまとめられる。
【0052】
一観点は、シリンジ(12)とバイアル(90)とを接続するアダプタ(14、14A)であって、両頭針(63)を有し、前記バイアルの口部(92)と接続可能な針部材(38、38A)と、前記針部材を軸線方向に移動可能に保持する保持部材(44)と、前記シリンジのバレル(16)の先端部(16a)に連結される連結部(40)と、を有する接続部材(34)と、前記連結部に当接して前記連結部の前記シリンジからの離脱を阻止するロック部材(36、36A)と、を備え、前記ロック部材は、前記針部材に前記バイアルが押し込まれて前記針部材が前記連結部に接近することにより前記針部材に連結され、前記ロック部材は、前記バイアルが前記シリンジから離間する際に前記針部材及び前記バイアルとともに前記連結部から離間して、前記接続部材の前記シリンジからの離脱を可能とする。
【0053】
上述のアダプタは、バイアルが接続され、さらにその後にバイアルがシリンジから離間するまで、シリンジに離脱不可能に連結される。したがって、アダプタは、バイアルを取り付ける前にシリンジに注射針を取り付けることを防止し、未調整の注射液の誤投与を防止できる。
【0054】
上述のアダプタにおいて、前記連結部は、内方に突出し、前記シリンジの連結溝(28)に係合する連結突起(46)を有し、前記連結突起は、前記シリンジに対して周方向に回転することで前記シリンジと前記接続部材との連結状態を解除してもよい。このアダプタは、連結突起で解除可能にシリンジに連結できる。
【0055】
上述のアダプタにおいて、前記ロック部材は、前記連結突起の周方向に隣接して配置され、前記接続部材の周方向の回転を妨げるロック片(36d)を有してもよい。このアダプタは、ロック片により、接続部材がシリンジから離脱するのを防止できる。
【0056】
上述のアダプタにおいて、前記ロック片は、前記連結部の内周面と、前記先端部の外周面との間に挿入され、前記連結突起と周方向から当接して前記接続部材の回動を阻止してもよい。このアダプタは、簡素な構成で、接続部材の離脱を防止できる。
【0057】
上述のアダプタにおいて、前記ロック部材は、前記接続部材に当接することで、前記ロック部材を前記接続部材に仮固定する仮止突起(78)を有してもよい。このアダプタは、ロック部材の離脱を防止することで、接続部材の離脱を防止できる。
【0058】
上述のアダプタにおいて、前記ロック部材は嵌合部(58)を有し、前記針部材は前記嵌合部に嵌合可能な第1爪部材(60)を有し、前記バイアルが前記針部材に押し込まれると、前記第1爪部材が前記嵌合部に嵌合して前記ロック部材と前記針部材とが連結され、前記バイアルが前記シリンジから離れる方向に変位すると、前記針部材とともに前記ロック部材が前記連結部から引き抜かれて前記連結部の解除を可能としてもよい。このアダプタは、バイアルの引き抜き動作を通じて針部材とともにロック部材の離脱を可能とすることができ、操作性に優れる。
【0059】
上述のアダプタにおいて、前記針部材は、前記シリンジの前記先端部を封止するキャップ(24)に係合する第2爪部材(71)を有し、前記バイアルが前記針部材に押し込まれると前記第2爪部材が前記キャップに係合し、前記バイアルが前記シリンジから離れる方向に変位すると、前記キャップは、前記針部材とともに前記シリンジから外れてもよい。このアダプタは、シリンジから離脱する際に、キャップを外すことができ、シリンジに素早く注射針を取り付けることができるため、操作性に優れる。
【0060】
別の一観点は、上述観点のアダプタと、内部に医療用液体を収容したシリンジ(12)と、を備え、前記シリンジの前記先端部に前記アダプタが接続された、アダプタ付きシリンジ(10、10A)にある。このアダプタ付きシリンジは、未調整の注射液の誤投与を防止できる。
【0061】
上述のアダプタ付きシリンジは、前記ロック部材を前記シリンジに仮固定する凹凸構造(29)を有してもよい。このアダプタ付きシリンジは、ロック部材の離脱を防止することで、接続部材の離脱を防止できる。
【0062】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0063】
10、10A…アダプタ付きシリンジ 12…シリンジ
14、14A…アダプタ 18…ノズル
24…キャップ 28…連結溝
29…凹凸構造 34…接続部材
36、36A…ロック部材 36d…ロック片
38、38A…針部材 40…連結部
44…保持筒(保持部材) 46…連結突起
58…嵌合部 63…両頭針
90…バイアル 92…口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15