(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183921
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】判定装置、判定システム、判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/215 20190101AFI20231221BHJP
【FI】
G06F16/215
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097728
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】林 卓人
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FA03
5B175FB04
(57)【要約】
【課題】データの欠損を補間すべきか否かを判定する。
【解決手段】判定装置10は、クエリによりデータベースからデータを取得するクエリ部101と、クエリ部101により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定部102と、欠損判定部102により欠損があると判定されたデータを解析する解析部103と、解析部103による解析結果に基づいて、欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定部104と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエリによりデータベースからデータを取得するクエリ手段と、
前記クエリ手段により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定手段と、
前記欠損判定手段により欠損があると判定されたデータを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定手段と、
を備える判定装置。
【請求項2】
前記解析手段は、前記欠損があると判定されたデータについて、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を解析する、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記欠損があると判定されたデータについて、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を学習して欠損を補間するためのモデルを生成する学習手段をさらに備え、
前記補間可否判定手段は、前記解析手段による解析結果と、前記学習手段により生成されたモデルとに基づいて、該データの欠損を補間すべきか否かを判定する、
請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記クエリ手段はさらに、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきと前記補間可否判定手段が判定したときには、該データの欠損を補間して再びクエリによりデータを取得し、該データの欠損を補間すべきでないと前記補間可否判定手段が判定したときには、該データから欠損が生じている時期のデータを全て除外して再びクエリによりデータを取得する、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項5】
前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきでないと前記補間可否判定手段が判定したときに、該データに関するメタデータを記憶手段に登録する登録手段と、
前記クエリ手段により取得されたデータのメタデータが前記記憶手段に登録されているメタデータと一致するか否かを判定するメタデータ判定手段と、
をさらに備え、
前記メタデータ判定手段が、前記クエリ手段により取得されたデータのメタデータが前記記憶手段に登録されているメタデータと一致すると判定したとき、前記補間可否判定手段は該データの欠損を補間すべきでないと判定する、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項6】
表示手段に画像を表示する表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきと前記補間可否判定手段が判定したとき、該データの欠損を補間したデータと、該データの欠損がある時期のデータを全て除外したデータと、をユーザに選択させるための画像を前記表示手段に表示する、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項7】
クエリ対象となるデータベースを保存する記憶手段と、
クエリにより前記データベースからデータを取得するクエリ手段と、
前記クエリ手段により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定手段と、
前記欠損判定手段により欠損があると判定されたデータを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定手段と、
を備える判定システム。
【請求項8】
コンピュータが、
クエリによりデータベースからデータを取得し、
クエリにより取得したデータに欠損があるか否かを判定し、
欠損があると判定したデータを解析し、
解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する、
判定方法。
【請求項9】
コンピュータを、
クエリによりデータベースからデータを取得するクエリ手段、
前記クエリ手段により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定手段、
前記欠損判定手段により欠損があると判定されたデータを解析する解析手段、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定装置、判定システム、判定方法及びプログラム
に関する。
【背景技術】
【0002】
機器から機器に関するデータを収集し、収集したデータを利活用することが行われている。収集したデータは、例えばデータベースサーバに保存され、ユーザがクエリによりデータベースサーバに保存されたデータを取得して分析することで、収集したデータを利活用することができる。
【0003】
ここで、機器の一時的な故障、通信不良等を原因として、収集したデータに欠損が生じる場合がある。例えば温度に関する情報がある時間帯だけ欠損してしまう、全てのデータが別のある時間帯に欠損してしまう、といった事象が起こりうる。
【0004】
このような問題に対処するために、何らかの手法により欠損したデータを補間することが考えられる。例えば特許文献1には、ある時刻においてある機器のデータが欠損していた場合、同時刻における他の機器のデータを利用してデータの欠損を補間する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の情報処理装置は、データの傾向、意味等によらずに他の機器のデータを利用してデータの欠損を補間するので、補間をすることが望ましくない場合であっても補間をしてしまう場合がある、という問題がある。
【0007】
例えば空調機器のログデータについて、真夏の昼間は空調機器に対する影響が最も大きい時間帯であるため、この時間帯に欠損がある場合、このデータを補間して利活用をすることがあまり好ましくない。上記の時間帯は気温、室温に特に大きな変化が生じる可能性があるため、少ない誤差にてデータを補間するのが難しいからである。
【0008】
そのため、データの欠損を補間すべきか否かを判定する技術が求められている。
【0009】
本開示の目的は、上記の事情に鑑み、データの欠損を補間すべきか否かを判定することができる判定装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本開示に係る判定装置は、
クエリによりデータベースからデータを取得するクエリ手段と、
前記クエリ手段により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定手段と、
前記欠損判定手段により欠損があると判定されたデータを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、データの欠損を補間すべきか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る判定システムの全体構成を示す図
【
図2】本開示の実施の形態1に係る判定装置が取得したデータの一例を示す図
【
図3】本開示の実施の形態1に係る判定装置によるデータ補間の一例を示す図
【
図4】本開示の実施の形態1に係る判定装置が取得したデータの一例を示す図
【
図5】本開示の実施の形態1に係る判定装置によるデータ補間の一例を示す図
【
図6】本開示の実施の形態1に係る判定装置による補間可否判定にて使用される条件テーブルの一例を示す図
【
図7】本開示の実施の形態1に係る判定装置のハードウェア構成の一例を示す図
【
図8】本開示の実施の形態1に係る判定装置による補間可否判定の動作の一例を示すフローチャート
【
図9】本開示の実施の形態2に係る判定システムの全体構成を示す図
【
図10】本開示の実施の形態3に係る判定システムの全体構成を示す図
【
図11】本開示の変形例に係る判定システムの全体構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態に係る判定システムを説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。
【0014】
(実施の形態1)
図1を参照しながら、実施の形態1に係る判定システム1を説明する。判定システム1は、判定装置10とデータベースサーバ20とを備える。判定装置10とデータベースサーバ20とは通信可能に接続されている。詳細は後述するが、判定システム1は、判定装置10がデータベースサーバ20からデータを取得し、取得したデータに欠損がある場合にその欠損を補間すべきか否かを判定するシステムである。判定システム1は、本開示に係る判定システムの一例である。
【0015】
データベースサーバ20は、例えばインターネットを介して機器から収集した運転データをデータベースとして保存するデータベースサーバである。データベースサーバ20に保存される運転データは、例えば空調機器の運転データであってもよいし、電気給湯器の運転データであってもよい。
【0016】
判定装置10は、クエリによりデータベースサーバ20からデータを取得し、取得したデータに欠損がある場合に、欠損を補間すべきか否かを判定する。この判定の詳細については後述する。判定装置10は、例えばパーソナルコンピュータである。判定装置10は、例えば予め設定された定期的なバッチ処理により定周期でデータベースサーバ20からデータを取得するものであってもよいし、ユーザの操作によりデータベースサーバ20からデータを取得するものであってもよい。いずれの場合も、判定装置10は、取得したデータに欠損がある場合に欠損を補間すべきか否かを判定する。判定装置10は、本開示に係る判定装置の一例である。
【0017】
また、詳細は後述するが、判定装置10は、欠損を補間すべきと判定したときには、データの欠損を補間した上で再びクエリによりデータを取得し、欠損を補間すべきでないと判定したときには、データの欠損が生じている時期のデータを全て除外して、再びクエリによりデータを取得する。
【0018】
次に、
図2及び
図3を参照しながら、データベースサーバ20に保存されるデータが空調機器の運転データである場合のデータの一例及びデータ補間の一例を説明する。
【0019】
図2に示すデータは、ある一定期間において空調機器が検出した室温のデータである。ただし、
図2にも示すとおり、データの欠損が存在する。
【0020】
図2に示すデータを補間しようとすると、
図3に示すものとなる。
図3は、01:20:00及び01:40:00のデータについては欠損の前後のデータから補間できることを示し、11:20:00及び11:40:00のデータについては補間をすべきでないことを示している。前者が補間されるのは、欠損の時間帯が深夜時間帯であり、一般的に温度が変化しにくい時間帯だからである。一方後者が補間をすべきでないこととなるのは、欠損の時間帯が正午近くであり、一般的に温度が変化しやすい時間帯だからである。このような変化しやすいデータについては補間をしないほうが好ましい。データ補間の手法として、例えばラグランジュ補間を採用することができる。
図3においては、同一のカラムのデータに基づいて補間が行われている。
【0021】
別の例として、
図4及び
図5を参照しながら、データベースサーバ20に保存されるデータが電気給湯器の運転データである場合のデータの一例及びデータ補間の一例を説明する。
【0022】
図4に示すデータは、ある一定期間における電気給湯器の残湯量、湯はり累積、湯はり中か否かの状態、シャワーを使用中か否かの状態及び台所に給湯中か否かの状態に関するデータである。
図5にて各欠損がどのように補間されるか、あるいは補間されないかが示されている。
図5が特に
図3と違う点は、
図3においては欠損データと同一カラムのデータに基づいて補間の可否が判定されているのに対し、
図5においては欠損データと同一カラムのデータのみでなく欠損データと異なるデータにも基づいて補間の可否が判定されている点である。
【0023】
図5に示す場合の補間の判定条件は、
図3に示す場合と比べて条件が複雑である。複数のカラムのデータが補間の可否の判定条件に関わってくる場合など判定条件が複雑となる場合、例えば
図6に示すような条件テーブルに基づいて補間の可否を判定することとなる。
図6では、例えばカラムAは「条件」が設定されていないのでカラムAについて補間が行われることはない。また、例えばカラムBは「条件」が設定されており、かつ「単独補間」についてTrueとなっているので、この「条件」を満たすときにはカラムBの他のデータに基づいて欠損が補間されることとなる。また、例えばカラムC、Dは「条件」が設定され、かつ「他カラムからの補間」がTrueであり、かつ「参照カラム名」が設定されているので、「条件」を満たすときには当該「参照カラム名」のデータに基づいて欠損が補間されることとなる。
【0024】
このように、データベースサーバ20に保存されているデータがどのような種類のデータであっても、適切に例えば
図6に示すような判定条件を設定することで、データ欠損の補間の可否を判定することができるようになる。
【0025】
再び
図1を参照し、判定装置10の機能的構成を説明する。判定装置10は、通信部100とクエリ部101と欠損判定部102と解析部103と補間可否判定部104とを備える。
【0026】
通信部100は、データベースサーバ20と通信する。通信部100は、例えばネットワークインタフェースにより実現される。
【0027】
クエリ部101は、通信部100を介してデータベースサーバ20と通信し、データベースサーバ20に対してクエリによる問い合わせをし、データベースサーバ20からデータを取得する。クエリ部101は、本開示に係るクエリ手段の一例である。なお、クエリ部101は、上記のほか後述の補間可否判定部104と関連する機能を有するが、これについては後述する。
【0028】
欠損判定部102は、クエリ部101が取得したデータに欠損があるか否かを判定する。例えば、クエリ部101が取得したデータが
図2に示すものである場合、欠損が生じているので、欠損判定部102は、クエリ部101が取得したデータに欠損があると判定する。一方、例えばクエリ部101が取得したデータが
図2に示すもののうち02:00:00~02:40:00の期間についてのデータのみであった場合、この範囲のデータには欠損がないので、欠損判定部102は、クエリ部101が取得したデータに欠損がないと判定する。欠損判定部102は、本開示に係る欠損判定手段の一例である。
【0029】
解析部103は、欠損判定部102により欠損があると判定されたデータを解析する。解析部103は特に、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を解析する。解析部103は、例えば
図6に示す条件テーブルに基づいて、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を解析する。この解析結果は、後述の補間可否判定部104による補間すべきか否かの判定に使用される。解析部103は、本開示に係る解析手段の一例である。
【0030】
補間可否判定部104は、解析部103による解析結果に基づいて、欠損判定部102により欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する。補間可否判定部104は、本開示に係る補間可否判定手段の一例である。
【0031】
上述した、補間可否判定部104に関連するクエリ部101の機能を説明する。クエリ部101は、後述の補間可否判定部104により補間をすべきと判定されたとき、データの欠損を補間して再びクエリによりデータを取得する。クエリ部101は、後述の補間可否判定部104により補間をすべきでないと判定されたとき、データの欠損が生じている時期のデータを全て除外して再びクエリによりデータを取得する。例えばデータが
図5に示すものである場合を考える。クエリ部101は、21:05:00及び21:15:00のデータについては補間した上で再びクエリによりデータを取得する。クエリ部101は、21:25:00のデータについては当該日時のデータ、当該日時の該当行のデータ全てを除外した上で再びクエリによりデータを取得する。
【0032】
次に、判定装置10のハードウェア構成の一例について、
図7を参照しながら説明する。
図7に示す判定装置10は、例えばパーソナルコンピュータ、マイクロコントローラなどのコンピュータにより実現される。
【0033】
判定装置10は、バス1000を介して互いに接続された、プロセッサ1001と、メモリ1002と、インタフェース1003と、二次記憶装置1004と、を備える。
【0034】
プロセッサ1001は、例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)である。プロセッサ1001が、二次記憶装置1004に記憶された動作プログラムをメモリ1002に読み込んで実行することにより、判定装置10の各機能が実現される。
【0035】
メモリ1002は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される主記憶装置である。メモリ1002は、プロセッサ1001が二次記憶装置1004から読み込んだ動作プログラムを記憶する。また、メモリ1002は、プロセッサ1001が動作プログラムを実行する際のワークメモリとして機能する。
【0036】
インタフェース1003は、例えばシリアルポート、USB(Universal Serial Bus)ポート、ネットワークインタフェースなどのI/O(Input/Output)インタフェースである。インタフェース1003により通信部100の機能が実現される。
【0037】
二次記憶装置1004は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。二次記憶装置1004は、プロセッサ1001が実行する動作プログラムを記憶する。
【0038】
次に、
図8を参照しながら、判定装置10による補間可否判定の動作の一例を説明する。
図8に示す動作は、例えば上述したバッチ処理が開始される際に実行される。あるいは、ユーザの操作により判定装置10がデータベースサーバ20からデータを取得しようとするときに実行される。
【0039】
判定装置10のクエリ部101は、クエリによりデータベースサーバ20からデータを取得する(ステップS101)。
【0040】
判定装置10の欠損判定部102は、ステップS101にて取得したデータに欠損があるか否かを判定する(ステップS102)
【0041】
データに欠損がないとき(ステップS102:No)、そもそも補間の対象となる欠損自体が存在しないので、判定装置10は補間可否判定の動作を終了する。
【0042】
データに欠損があるとき(ステップS102:Yes)、判定装置10の解析部103は、ステップS102にて欠損があると判定したデータを解析する(ステップS103)。
【0043】
判定装置10の補間可否判定部104は、ステップS103での解析結果に基づいて、データの欠損を補間すべきか否かを判定する(ステップS104)。
【0044】
データの欠損を補間すべきと判定したとき(ステップS104:Yes)、クエリ部101は、欠損を補間して再びクエリによりデータを取得する(ステップS105)。そして判定装置10は、補間可否判定の動作を終了する。
【0045】
データの欠損を補間すべきでないと判定したとき(ステップS104:No)、クエリ部101は、欠損が生じている時期のデータを全て除外して、再びクエリによりデータを取得する(ステップS106)。そして判定装置10は、補間可否判定の動作を終了する。
【0046】
なお、判定装置10は、補間可否判定の動作を終了後、例えばデータの利活用のための動作を実行する。データの利活用のための動作の例として、例えば適切な省エネプランの提案、見守りサービスの提供などが考えられる。
【0047】
以上、実施の形態1に係る判定システム1を説明した。実施の形態1に係る判定システム1によれば、データの欠損を補間すべきか否かを判定することができる。そのため、望ましくない補間をしてしまうリスクを低減することができる。
【0048】
(実施の形態2)
図9を参照しながら、実施の形態2に係る判定システム1を説明する。実施の形態2に係る判定システム1は、判定装置10が登録部105とメタデータ判定部106と記憶部110とをさらに備える点が実施の形態1と異なる。また、補間可否判定部104の機能も若干異なる点がある。
【0049】
記憶部110は、後述するメタデータを保存する。記憶部110は、本開示に係る記憶手段の一例である。
【0050】
登録部105は、欠損があると判定されたデータの欠損の補間をすべきでないと補間可否判定部104が判定したときに、当該データに関するメタデータを記憶部110に保存する。メタデータは、例えば当該データのデータサイズ、データを一意に識別するハッシュ値などである。登録部105は、本開示に係る登録手段の一例である。
【0051】
メタデータ判定部106は、クエリ部101が取得したデータのメタデータを取得し、取得したメタデータと、記憶部110に保存されているメタデータとが一致するか否かを判定する。なお、記憶部110に保存されているメタデータは、補間可否判定部104が判定対象としたデータに対応して複数存在する場合も考えられるが、この場合は複数のメタデータのうちどれか1つと一致するか否かを判定すればよい。メタデータ判定部106は、本開示に係るメタデータ判定手段の一例である。
【0052】
補間可否判定部104は、クエリ部101が取得したデータであって、メタデータ判定部106が記憶部に保存されているメタデータと一致すると判定したメタデータに対応するデータを、補間をすべきでないと判定する。これはつまり、過去に一度補間をすべきでないと判定したデータについては、メタデータを活用することにより、再度解析部103によりデータを解析することなく、補間をすべきでないと再び判定することができる、ということである。
【0053】
以上、実施の形態2に係る判定システム1を説明した。実施の形態2に係る判定システム1によれば、メタデータを活用することにより、一度補間をすべきでないと判定したデータについて、再びデータを解析することなく補間をすべきでないと再び判定することができるため、判定装置10の処理負担を軽減することができる。
【0054】
(実施の形態3)
図10を参照しながら、実施の形態3に係る判定システム1を説明する。実施の形態3に係る判定システム1は、判定装置10が学習部107と記憶部110とを備える点が実施の形態1と異なる。また、補間可否判定部104の機能も実施の形態1と若干異なる。
【0055】
記憶部110は、学習部107が生成する後述のモデルを保存する。
【0056】
学習部107は、欠損判定部102により欠損があると判定されたデータについて、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を機械学習により学習して、欠損を補間するためのモデルを生成して記憶部110に保存する。そのため、例えば
図6に示すような条件テーブルを予め設定しなくとも、補間可否の判定をすることができるようになる。学習部107は、本開示に係る学習手段の一例である。
【0057】
補間可否判定部104は、記憶部110に保存されたモデルと、解析部103の解析結果とに基づいて、補間をすべきか否かを判定する。
【0058】
以上、実施の形態3に係る判定システム1を説明した。実施の形態3に係る判定システム1によれば、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を学習してモデルを生成し、当該モデルに基づいて補間可否の判定を行う。そのため、予め条件テーブルを設定する手間を軽減することができる。また、学習が進むにつれて判定の精度向上も期待できる。
【0059】
なお、上記では実施の形態3を実施の形態1の変形として説明したが、実施の形態2を同様に変形してもよい。
【0060】
(変形例)
図11を説明しながら、本開示の変形例に係る判定システム1を説明する。本開示の変形例に係る判定システム1は、表示装置30をさらに備える点と、判定装置10が表示制御部108を備える点とが実施の形態1と異なる。表示制御部108は、表示装置30と接続されている。
【0061】
表示装置30は、例えばディスプレイである。表示装置30は、表示制御部108の制御により画像を表示する。表示装置30は、本開示に係る表示手段の一例である。
【0062】
表示制御部108は、表示装置30を制御し、以下に説明する画像を表示する。表示制御部108は、補間可否判定部104が補間をすべきであると判定したとき、データの欠損を補間したデータと、データの欠損がある時期のデータを全て除外したデータと、をユーザに選択させるための画像を表示装置30に表示する。ユーザは、例えばこの画像を確認して、図示しない入力装置を操作して所望のデータを選択することにより、所望のデータを得ることができる。
【0063】
上述の各実施の形態では、判定装置10を1の装置として説明した。しかし、判定装置10の各機能部は、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えばクエリ部101を、クエリをするための専用の装置に設け、欠損判定部102、解析部103及び補間可否判定部104の機能を別の装置に設け、これらの装置がネットワークを介して通信するものとしてもよい。
【0064】
図7に示すハードウェア構成においては、判定装置10が二次記憶装置1004を備えている。しかし、これに限らず、二次記憶装置1004を判定装置10の外部に設け、インタフェース1003を介して判定装置10と二次記憶装置1004とが接続される形態としてもよい。この形態においては、USBフラッシュドライブ、メモリカードなどのリムーバブルメディアも二次記憶装置1004として使用可能である。
【0065】
また、
図7に示すハードウェア構成に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いた専用回路により判定装置10を構成してもよい。また、
図7に示すハードウェア構成において、判定装置10の機能の一部を、例えばインタフェース1003に接続された専用回路により実現してもよい。
【0066】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0067】
(付記1)
クエリによりデータベースからデータを取得するクエリ手段と、
前記クエリ手段により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定手段と、
前記欠損判定手段により欠損があると判定されたデータを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定手段と、
を備える判定装置。
(付記2)
前記解析手段は、前記欠損があると判定されたデータについて、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を解析する、
付記1に記載の判定装置。
(付記3)
前記欠損があると判定されたデータについて、欠損があるカラムと欠損がないカラムとの関係を学習して欠損を補間するためのモデルを生成する学習手段をさらに備え、
前記補間可否判定手段は、前記解析手段による解析結果と、前記学習手段により生成されたモデルとに基づいて、該データの欠損を補間すべきか否かを判定する、
付記2に記載の判定装置。
(付記4)
前記クエリ手段はさらに、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきと前記補間可否判定手段が判定したときには、該データの欠損を補間して再びクエリによりデータを取得し、該データの欠損を補間すべきでないと前記補間可否判定手段が判定したときには、該データから欠損が生じている時期のデータを全て除外して再びクエリによりデータを取得する、
付記1から3のいずれか1つに記載の判定装置。
(付記5)
前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきでないと前記補間可否判定手段が判定したときに、該データに関するメタデータを記憶手段に登録する登録手段と、
前記クエリ手段により取得されたデータのメタデータが前記記憶手段に登録されているメタデータと一致するか否かを判定するメタデータ判定手段と、
をさらに備え、
前記メタデータ判定手段が、前記クエリ手段により取得されたデータのメタデータが前記記憶手段に登録されているメタデータと一致すると判定したとき、前記補間可否判定手段は該データの欠損を補間すべきでないと判定する、
付記1から4のいずれか1つに記載の判定装置。
(付記6)
表示手段に画像を表示する表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきと前記補間可否判定手段が判定したとき、該データの欠損を補間したデータと、該データの欠損がある時期のデータを全て除外したデータと、を前記ユーザに選択させるための画像を前記表示手段に表示する、
付記1から5のいずれか1つに記載の判定装置。
(付記7)
クエリ対象となるデータベースを保存する記憶手段と、
クエリにより前記データベースからデータを取得するクエリ手段と、
前記クエリ手段により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定手段と、
前記欠損判定手段により欠損があると判定されたデータを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定手段と、
を備える判定システム。
(付記8)
コンピュータが、
クエリによりデータベースからデータを取得し、
クエリにより取得したデータに欠損があるか否かを判定し、
欠損があると判定したデータを解析し、
解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する、
判定方法。
(付記9)
コンピュータを、
クエリによりデータベースからデータを取得するクエリ手段、
前記クエリ手段により取得されたデータに欠損があるか否かを判定する欠損判定手段、
前記欠損判定手段により欠損があると判定されたデータを解析する解析手段、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記欠損があると判定されたデータの欠損を補間すべきか否かを判定する補間可否判定手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0068】
1 判定システム、10 判定装置、20 データベースサーバ、30 表示装置、100 通信部、101 クエリ部、102 欠損判定部、103 解析部、104 補間可否判定部、105 登録部、106 メタデータ判定部、107 学習部、108 表示制御部、110 記憶部、1000 バス、1001 プロセッサ、1002 メモリ、1003 インタフェース、1004 二次記憶装置。