(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183942
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】シート処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20231221BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65H37/04 Z
G03G15/00 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097761
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】中原 康弘
(72)【発明者】
【氏名】前田 直之
(72)【発明者】
【氏名】太田 英生
(72)【発明者】
【氏名】阿形 淳
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AA17
2H072GA02
3F108GA01
3F108GB07
(57)【要約】
【課題】 収容ユニットの取り外す際に穿孔屑が落下することを抑制することを目的とする。
【解決手段】 シート処理装置に対して取り外し可能であって、穿孔手段によって発生した穿孔屑を収容するための収容ユニットと、穿孔手段を支持し、前記穿孔手段と共に移動可能な移動部と、移動部と前記収容ユニットの間に位置し、移動部を支持しつつ移動部を介して穿孔屑を穿孔手段から受け取るための受け取り部と、を備え、収容ユニットに収容され蓄積した穿孔屑が前記受け取り部に到達した状態で前記収容ユニットが取り外された場合、前記受け取り部に到達した前記穿孔屑の一部を、前記受け取り部で崩すことを特徴とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるシートに処理を行うシート処理装置において、
シートを受け入れる第1搬送路と、
前記第1搬送路を搬送されるシートに穿孔するための穿孔手段と、
前記シート処理装置に対して取り外し可能であって、前記穿孔手段によって発生した穿孔屑を収容するための収容ユニットと、
前記穿孔手段を支持し、前記穿孔手段と共に移動可能な移動部と、
前記移動部と前記収容ユニットの間に位置し、前記移動部を支持しつつ前記移動部を介して穿孔屑を前記穿孔手段から受け取るための受け取り部と、
を備え、
前記収容ユニットに収容され蓄積した穿孔屑が前記受け取り部に到達した状態で前記収容ユニットが取り外された場合、前記受け取り部に到達した前記穿孔屑の一部を、前記受け取り部で崩すことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記移動部は、前記受け取り部に対して前記収容ユニットの取り外し方向と同方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記移動部は、前記受け取り部との間の隙間を規制するための第1の規制部を備え、
前記受け取り部は、前記移動部との間の隙間を規制するための第2の規制部を備えることを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記第1の規制部の前記第2の規制部に対向する第1の対向面と前記第2の規制部の前記第1の規制部に対向する第2の対向面によって形成される隙間は、前記穿孔手段の刃先のサイズに対応した隙間であることを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
【請求項5】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置からシートを受け取って処理する請求項1から請求項4の何れか1項に記載のシート処理装置と、を備える、
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを処理するシート処理装置及びシートに画像を形成する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式複合機を例とする画像形成装置のオプションとして、画像形成装置本体で画像を形成されたシートに綴じ処理やソート処理等の処理を施すシート処理装置が用いられている。
【0003】
従来、側端検知センサによってシートの側端を検知することで、シートのサイズに合わせてパンチ刃ユニットを幅方向に移動させ、穿孔装置による穿孔位置を調整する後処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
穿孔装置によってシートを穿孔する場合、穿孔屑が後処理装置内に堆積するため、ユーザやサービスマンが後処理装置内の穿孔屑を定期的に処分する必要が生じる。そのため、穿孔屑を収容する収容ユニットの取り外し可能な構成が採用される場合がある。
【0006】
本発明は、収容ユニットの取り外す際に穿孔屑が落下することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、搬送されるシートに処理を行うシート処理装置において、シートを受け入れる第1搬送路と、前記第1搬送路を搬送されるシートに穿孔するための穿孔手段と、前記シート処理装置に対して取り外し可能であって、前記穿孔手段によって発生した穿孔屑を収容するための収容ユニットと、前記穿孔手段を支持し、前記穿孔手段と共に移動可能な移動部と、前記移動部と前記収容ユニットの間に位置し、前記移動部を支持しつつ前移動部を介して記穿孔屑を前記穿孔手段から受け取るための受け取り部と、を備え、前記収容ユニットに収容され蓄積した穿孔屑が前記受け取り部に到達した状態で前記収容ユニットが取り外された場合、前記受け取り部に到達した前記穿孔屑の一部を、前記受け取り部で崩すことを特徴とる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、より簡単な構成で、収容ユニットの取り外す際に穿孔屑が落下することを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る画像形成システムを示す全体概略図
【
図5】穿孔手段と収容ユニットと送り出し部を示す斜視図
【
図6】穿孔手段と収容ユニットと送り出し部を示す分解斜視図
【
図8】受け入れ部から引き出す状態を説明するための断面図(a~c)
【
図9】第1の規制部と第2の規制部の詳細な形状を説明する断面図
【
図10】第1の規制部と第2の規制部の詳細な形状を説明する一部拡大図
【
図11】第1の規制部と第2の規制部の変形例を説明する断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
[全体構成]
第1の実施の形態に係る画像形成システム1Sは、画像形成装置1、画像読取装置2、原稿送り装置3及び後処理装置4によって構成される。画像形成システム1Sは、記録材であるシートに画像を形成し、必要に応じて後処理装置4によってシートに処理を施して出力する。以下、各装置の簡単な動作を説明した後、後処理装置4について詳細な説明を行う。装置の説明を行う前に座標系の定義をする。X方向は装置の幅方向(
図1では左右方向)、Z方向は装置の高さ方向(
図1では上下方向)、Y方向は装置の奥行方向(
図1では紙面方向)と定義して説明を行う。なお、Y方向は装置の奥行方向であると同時にシートの端部方向でもある。以降の説明では各図記号近傍に示した座標系が各図記号の座標系である。
【0012】
原稿送り装置3は、原稿トレイ18に載置された原稿を画像読取部16,19に搬送する。画像読取部16,19はそれぞれ原稿面から画像情報を読み取るイメージセンサであり、1度の原稿搬送で原稿の両面の読み取りが行われる。画像情報を読み取られた原稿は原稿排出部20に排出される。また、画像読取装置2は駆動装置17により画像読取部16を往復移動させることで、原稿台ガラスにセットされた静止原稿(ブックレット原稿などの原稿送り装置3が使用できない原稿を含む)から画像情報を読み取ることができる。
【0013】
画像形成装置1は、直接転写方式の画像形成部1Bを備えた電子写真装置である。画像形成部1Bは、感光ドラム9を備えたカートリッジ8と、カートリッジ8の上方に配置されたレーザスキャナユニット15と、を備えている。画像形成動作を行う場合、回転する感光ドラム9の表面が帯電させられ、レーザスキャナユニット15が画像情報に基づいて感光ドラム9を露光することでドラム表面に静電潜像を書き込む。感光ドラム9に担持された静電潜像は帯電したトナー粒子によってトナー像に現像され、感光ドラム9と転写ローラ10とが対向する転写部にトナー像が搬送される。画像形成装置1の制御部は、画像読取部16,19によって読み取られた画像情報又は外部のコンピュータからネットワークを介して受信した画像情報に基づいて画像形成部1Bによる画像形成動作を実施する。
【0014】
画像形成装置1は、記録材としてのシートを1枚ずつ所定の間隔で給送する給送装置6を複数備えている。給送装置6から給送されたシートはレジストレーションローラ7にて斜行を補正された後に転写部に搬送され、転写部において、感光ドラム9に担持されたトナー像を転写される。シート搬送方向における転写部の下流には定着ユニット11が配置されている。定着ユニット11は、シートを挟持して搬送する回転体対と、トナー像を加熱するためのハロゲンランプ等の発熱体とを有し、シート上のトナー像を加熱及び加圧することで画像の定着処理を行う。
【0015】
画像形成されたシートを画像形成装置1の外部に排出する場合、定着ユニット11を通過したシートは水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。両面印刷において第1面の画像形成が終了したシートの場合、定着ユニット11を通過したシートは反転ローラ12に受け渡され、反転ローラ12によってスイッチバック搬送され、再搬送部13を介して再びレジストレーションローラ7に搬送される。そして、シートは、再び転写部及び定着ユニット11を通過することで第2面に画像を形成された後、水平搬送部14を介して後処理装置4に搬送される。
【0016】
上記の画像形成部1Bはシートに画像を形成する画像形成手段の一例であり、感光体に形成したトナー像を中間転写体を介してシートに転写する中間転写方式の電子写真ユニットを用いてもよい。また、インクジェット方式やオフセット印刷方式の印刷ユニットを画像形成手段として用いてもよい。
【0017】
[後処理装置]
後処理装置4は、シートに穿孔処理を施す穿孔処理部4Aと、シートに綴じ処理を施す綴じ処理部4Bと、を有し、画像形成装置1から受け取ったシートに穿孔処理や綴じ処理を施してシート束として排出する。また、後処理装置4は、画像形成装置1から受け取ったシートに穿孔処理や綴じ処理を施さずに単に排出することもできる。
【0018】
後処理装置4には、シートを搬送する搬送路として受入パス81、内排出パス82、第1排出パス83及び第2排出パス84が設けられており、シートを排出する排出先として上排出トレイ25及び下排出トレイ37が設けられている。第1搬送路としての受入パス81は、画像形成装置1からシートを受け取って搬送する搬送路であり、第2搬送路としての内排出パス82は、受入パス81の下方に延び、綴じ処理部4Bへ向けてシートを案内する搬送路である。第1排出パス83は、シートを上排出トレイ25に排出する搬送路であり、第3搬送路としての第2排出パス84は、シート排出方向に沿って延び、シートを下排出トレイ37に案内する搬送路である。
【0019】
画像形成装置1の水平搬送部14から排出されるシートは、受入パス81に配置された搬送部としての入口ローラ21によって受け取られ、受入パス81を通って反転前ローラ22へ向けて搬送される。入口センサ27は、入口ローラ21と反転前ローラ22との間の検知位置においてシートを検知する。反転前ローラ22は、入口ローラ21から受け取ったシートを第1排出パス83へ向けて搬送する。
【0020】
なお、入口センサ27がシートの後端の通過を検知した後の所定のタイミングで、反転前ローラ22はシートの搬送速度を水平搬送部14における搬送速度より速い速度まで加速する。また、入口ローラ21によるシートの搬送速度を水平搬送部14よりも大きく設定し、反転前ローラ22よりも上流の入口ローラ21で搬送速度を加速してもよい。この場合、水平搬送部14の搬送ローラとこれを駆動するモーターとの間にワンウェイクラッチを設置し、入口ローラ21によってシートが引っ張られたとしても搬送ローラが空転するように構成すると好適である。
【0021】
シートの排出先が上排出トレイ25の場合、反転ローラ24は反転前ローラ22から受け取ったシートを上排出トレイ25に排出する。この場合、シート後端が反転前ローラ22を通過した後の所定のタイミングで反転ローラ24は所定の排出速度まで減速する。
【0022】
シートの排出先が下排出トレイ37の場合、反転部としての反転ローラ24は反転前ローラ22から受け取ったシートを反転させるスイッチバック搬送を行って、シートを内排出パス82に搬送する。反転ローラ24によるシートの排出方向において反転ローラ24よりも上流側で受入パス81及び内排出パス82が第1排出パス83から分岐する分岐部には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、反転ローラ24によってスイッチバックされたシートが受入パス81に逆流することを規制する機能を有する。なお、反転前ローラ22は、シートの後端が逆流防止弁23を通過したタイミングで回転方向を逆転させる。
【0023】
内排出パス82に配置された回転体対としての内排出ローラ26、中間搬送ローラ28及び蹴り出しローラ29は、反転ローラ24から受け取ったシートを順に受け渡しながら綴じ処理部4Bへ向けて搬送する。なお、シートのバッファを行う場合には、内排出ローラ26は、先行シートを挟持した状態で一時停止する。そして、内排出ローラ26は、反転ローラ24に向かう後続シートに同期して逆転し、第1排出パスで先行シートを後続シートに重ね合わせることでバッファを行う。シートのバッファは、内排出ローラ26のスイッチバックを繰り返すことで、シートの長さによらず複数枚のシートのバッファを可能とする。
【0024】
中間積載前センサ38は、中間搬送ローラ28と蹴り出しローラ29との間でシートを検知する。入口センサ27及び中間積載前センサ38としては、光を用いて検知位置におけるシートの有無を検出する光学センサを用いることができる。
【0025】
綴じ処理部4Bは、シートが積載される積載部としての中間下ガイド32と、整合機構33と、不図示のステイプラと、を有し、整合機構33によって内排出パス82から受け取ったシートを整合した後、ステイプラによってシートの所定位置を綴じる。綴じ処理部4Bによって綴じられたシート束は、第2排出パス84を介して束排出ローラ36に受け渡され、排出部としての束排出ローラ36によって機外へ排出されて下排出トレイ37に積載される。
【0026】
上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、いずれも後処理装置4の筐体に対して上下に移動可能である。後処理装置4は、上排出トレイ25及び下排出トレイ37におけるシートの上面位置を検知するシート面検知センサを備えており、いずれかのセンサがシートを検知すると、対応するトレイをA2,B2方向に下降させる。また、上排出トレイ25又は下排出トレイ37のシートが取り除かれたことをシート面検知センサによって検知すると、そのトレイをA1,B1方向に上昇させる。従って、上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、積載されたシートの上面を一定に保つように昇降制御される。
【0027】
(穿孔処理部4A)
次に、シートに穿孔処理を施す穿孔処理部4Aについて、詳しく説明する。
図2は、穿孔処理部4A(穿孔装置)を構成する、穿孔ユニットであるパンチユニット62の駆動構成を説明する斜視図である。
図2の座標系も
図1と同じで、シート搬送方向は-X方向である。
図2のステッピングモーター201は、
図1、
図4のパンチモーターM1に対応する。202はステッピングモーター201のピニオンギアである。203a,203bはパンチユニット62のダイス刃物の回転軸62dを駆動させるギアである。62cは、パンチユニット62の不図示のダイス刃物の回転軸62dと回るギアである。ギア62cは、パンチユニット62の不図示のパンチ刃物の回転中心軸62eに取り付けられたギア62b,62aと噛み合っている。パンチユニット62の不図示のパンチ刃物およびダイスの噛み合いが合うように、ギア62a,62bと62cの位相を合わせる調整がされている。
【0028】
204はフォトインターラプタセンサで、
図1、
図4のパンチポジションセンサS1に対応している。ギア203bの鍔部203b2で遮光した際の信号変化した位置をパンチユニット62の不図示刃物部のホームポジションとして刃物部の位置を不図示の制御部が制御している。
【0029】
図3は、パンチユニット62がシート端部方向に移動するための駆動構成を説明するための詳細図である。
図3の座標系も
図1と同じで、シート搬送方向は-X方向である。
304a,304bはパンチユニット62が端部方向に移動するための被ガイド部材であるガイド軸である。ガイド軸304a,304bの軸方向は、端部方向と平行に配置されている。301は上部にパンチユニット62を支持し、穿孔屑を収容ユニット(不図示)に案内する送り出し部であり、パンチユニット62と共に移動する移動部である。
【0030】
送り出し部310は、端部方向の駆動に接続するためのラックギア301aを有している。301bは不図示の穿孔屑を屑箱64に導くガイド部である。301cは、屑箱に対向し穿孔屑を規制するための第1の規制部である。第1の規制部301cは、Y方向断面が同一形状の複数の凹凸から構成される。
【0031】
302はアイドラギアである。303はステッピングモーターで、
図1、
図4の端部位置調整用モーターM2に対応している。303aはステッピングモーター303のピニオンギアである。ピニオンギア303aはアイドラギア302を介してラックギア301aを端部方向(引き出し方向と同方向)へ動かしている。
【0032】
305はフォトインターラプタセンサで、パンチホームポジションセンサS2(
図1、
図4)に対応している。62fはパンチユニット62のフレームを構成する板金の一部で、フォトインターラプタセンサ305の遮光を行うための形状である。パンチユニット62は、遮光形状62fにより、フォトインターラプタセンサ305の遮光を行うことで、端部方向のホームポジションが制御部によって制御される。
【0033】
図2は、パンチユニット62の動作を説明する断面図である。
図2(a)~(c)に示すように、シート搬送方向D1にシートSHを搬送する入口ローラ21が、パンチユニット62の直前に設けられている。入口ローラ21とパンチユニット62の間には、照明ユニット63と、ラインセンサ61が設けられている。
【0034】
照明ユニット63及びラインセンサ61は、受入パス81(
図1参照)を挟んで互いに対向するように配置されている。
【0035】
ラインセンサ61は、シート搬送方向D1に直交するシートSHの幅方向に延びており、シートSHの幅方向における端部の位置に基づいて出力値を変化させる。より具体的には、ラインセンサ61は、光学センサから構成されており、照明ユニット63から照射された光がシートSHによって遮られることで現れるラインセンサ61上の濃淡差の境界位置に基づいて出力値を変化させる。これにより、シートSHの幅方向における端部である側端の位置を検知することができる。
【0036】
穿孔部としてのパンチユニット62は、軸としての軸中心401を中心にR1方向に回転するパンチ402と、軸中心404を中心にR1方向とは反対のR2方向に回転するダイス405と、を有している。これらパンチ402及びダイス405は、パンチモーターM1によって、パンチ402の刃先とダイス405の孔部とが嵌合するように同期をとって回転する。パンチモーターM1は、パンチ402の刃先の周方向速度とシートSHのシート搬送方向D1における速度とが同じとなるように駆動し、シートSHを搬送しながら穿孔が可能となるように構成されている。
【0037】
図4(a)は、パンチ402が穿孔開始位置に位置している様子を示す模式図である。
図4(b)は、パンチ402が穿孔完了位置に位置している様子を示す模式図である。
図4(c)は、パンチ402が離間位置に位置している様子を示す模式図である。R1方向に回転するパンチ402は、穿孔開始位置においてシートSHに接触開始し、穿孔完了位置においてダイス405に嵌合する。そして、パンチ402は、離間位置においてシートSHから離間する。入口センサ27によってシートSHの先端が検知された後に、所定のタイミングでパンチ402を回転させることで、搬送されるシートSHに様々な孔ピッチで穿孔することができる。
【0038】
上記動作でシート穿孔処理を施すことで落下する穿孔屑が収容ユニットである屑箱64内に堆積してゆく構成となっている。屑箱64とパンチユニット62の間で検知ユニットである満載検知ユニット65を設けている。
【0039】
図5は、パンチユニット62と屑箱64と送り出し部301を示す斜視図である。
図6は、パンチユニット62、屑箱64、送り出し部301の分解斜視図である。
図7は、送り出し部301の第1の規制部301cを説明するためのパンチユニット62と、送り出し部301を下方から見た斜視図である。
【0040】
パンチユニット62の穿孔で発生した不図示の穿孔屑はパンチユニット62の-Z側面側に形成された不図示の穴から送り出し部301のガイド穴部301bに排出される。66は、受け入れ部である。66bはガイド部である。ガイド穴部66bは、ガイド穴部301bから送られてきた不図示の穿孔屑を屑箱64にガイドする機能を担っている。送り出し部301のガイド穴部301bに入った不図示の穿孔屑は、受け入れ部66のガイド穴66bに受け渡される。ガイド穴66bに入った不図示の穿孔屑は、ガイド穴66bによって屑箱64に導かれ、屑箱64に収納される。
【0041】
受け入れ部66の第2の規制部66aが受け入れ部66のガイド穴部66bの周囲に形成されている。第1の規制部301cと第2の規制部66aは対向して一定の隙間を形成している。第2規制部66aの形状詳細については
図9で述べる。
【0042】
図8は、屑箱64を交換のためにユーザ又はサービスマンが屑箱64の把持部64aを把持して受け入れ部66から引き出す状態を説明するための断面図である。
図8(a)が引き出す前の状態図、
図8(b)が引き出した途中の状態図を示している。
【0043】
受け入れ部66が備える満載検知センサ65は、発光部65aと、発光部65aにより投光された光を受け取る受光部65bによって透過型光センサとして機能する。満載検知センサ65は、発光部65aから受光部65bまでの光路65cが屑箱64の挿入方向と略平行になるように、かつ、屑箱64の上方に配置されている。
【0044】
図7は、
図6の送り出し部301を下方から見た斜視図であり、送り出し部301のガイド穴部301bのY方向両端部に沿って、前述した第1の規制部301cが形成されている。パンチユニット62と送り出し部301は、
図3で説明した通りY方向に移動する。したがって、送り出し部301の第1の規制部301cと受け入れ部66の第2の規制部66a間に一定の隙間を設ける必要がある。
【0045】
ここで、送り出し部301の第1の規制部301cと受け入れ部66の第2の規制部66aの間の空間から、穿孔屑が漏れ出す可能性がる。そこで、穿孔屑が漏れないようにするためには、第1の規制部301cと第2の規制部66aの隙間関係を維持する必要がある。そのために、第1の規制部301cのY方向断面の同一形状部は前記Y方向移動ストローク長さ以上になっている。
【0046】
図8(a)に示すように、パンチユニット62によって発生した穿孔屑70は、送り出し部301の301b(
図7)を介して、屑箱64内に堆積する。穿孔屑70の堆積量が多くなるにしたがい、穿孔屑70はパンチユニット62直下近傍に山状に堆積してゆく。屑箱64内に山状に蓄積した穿孔屑70の頂上部分が、受け取り部66に到達する。穿孔屑によって透過センサを遮光すると、屑箱64が満杯状態になっていることを検知することができる。
【0047】
図8(b)に示すように、穿孔屑70は、屑箱64の天面を超えて山状に堆積する。穿孔屑70を処理するため、屑箱64を引き抜く際、屑箱64の上方で穿孔屑の落下点より外側に設けた受け入れ部66によって、山の頂上部をくずし表面をならし穿孔屑70を堆積量の少ない空間に移動させる。上述したように、満載検知センサ65を屑箱64の上方に配置したことで、穿孔屑70を屑箱64の天面を超えて堆積することが可能である。さらに、屑箱64を引き出すことにより、受け入れ部66により穿孔屑70を堆積量の少ない空間に移動させることで、屑箱の許容堆積量を増大させることが可能となる。
【0048】
図9は、第1の実施例における第1の規制部301cと第2の規制部66aの詳細を説明する図であり、
図5の+Y方向から見た断面図である。また、第1の規制部301cと第2の規制部66aの近傍を一部拡大図として示している。
図10、
図9の一部拡大図を説明する図である。
【0049】
701は、第1の規制部301cの第2の規制部66aに対向する第1の対向面である。702は、第2の規制部66aの第1の規制部301cに対向する第2の対向面である。
【0050】
Hは受け入れ部66のガイド穴部66bのX方向幅である。Nは第1の規制部301cと第2の規制部66aからなる隙間形状に配置可能な直線の最長寸法である。第1の規制部301cの-Z方向側の面701および第2の規制部66aの+Z方向側の面702は、頂点にRを付加した二等辺三角形の底辺が無い形状を周期的にX方向へ5個配置された形状である。そのため、前記で説明した最長寸法直線Nは、頂点にRを付加した二等辺三角形の底辺が無い形状1個に付き2か所存在する。したがって、実施例1での最長寸法直線Nは、図示した位置の他に704a~704iまでの9箇所存在する。穿孔屑が漏れないようにするためには、
図9の隙間形状に配置可能な直線の最長寸法Nが不図示の穿孔屑の直径以下であれば理論的に穿孔屑が漏れない。また、最長寸法Nは、不図示の穿孔屑の直径の1.4倍までは漏れ止めとして機能する。
【0051】
図11(a~c)は、第1の規制部301cと第2の規制部66aの形状の変形例を説明する図である。
図11で示すように、穿孔屑が漏れないようにするためには、隙間形状を適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 画像形成装置
2 画像読み取り装置
3 原稿送り装置
4 用紙後処理装置
64 屑箱
70 穿孔屑
301 移動部
62 パンチユニット